以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、各図および表1の丸付き数字は、以下の文中では<>付きの数字で表示している。
[1]第1の実施の形態
1−a.実施の形態例1:
図1は、この発明の一実施形態例である光書き込み装置の複数の発光素子アレイユニットの相対位置関係を説明するための平面図、図2は同じくその光書き込み装置を感光体ドラムと共に示す斜視図である。
この光書き込み装置は、複数の発光素子(図示を省略している)が図1の矢視A方向に沿って列設された基板2a、基板2bをそれぞれ有する2個の発光素子アレイユニット1A、1Bを発光素子の並び方向である矢視A方向に沿って互いに位置をずらして図示のように隣接させて配置し、それらを接続部材3により接続している。
この光書き込み装置では、隣接する2つの発光素子アレイユニット1A、1Bのそれぞれの書き込みユニットにおける基板上のドットの切り替わり位置Dc1、Dc2と、その互いに隣接する発光素子アレイユニット1A、1Bの一方の発光素子アレイユニット1A側を接続部材3に固定する固定位置Fp1と、発光素子アレイ1B側の他方を接続部材3に固定する固定位置Fp2とを、全て発光素子の並び方向となる矢視A方向で同一の位置となる線L1上にしている。
より具体的には、発光素子アレイユニット1A側の基板2aは基板2aを保持する保持体としての筐体4aにねじ5により線L1上で固定されており、その筐体4aはねじ6により固定位置Fp1で接続部材3に固定されている。発光素子アレイユニット1B側の基板2bは、筐体4bにねじ7により線L1上で固定されており、その筐体4bはねじ8により固定位置Fp2で接続部材3に固定されている。
本例では、基板2a、2bは合成樹脂の薄板状のものからなるので、付帯部材として剛性を有し、放熱機能も兼ねた筐体4a、4bをこれら基板に沿わせて設けている。
発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2aと他方の基板2bとは、これら基板2a、2bとは別体の付帯部材である筐体4a、4b及び接続部材3を介して固定されている。発光素子が列設された基板同士を付帯部材を介して固定することにより、発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bとは実質的に1つの発光素子アレイユニットと同じ機能を発揮することが可能となる。
ここで、付帯部材としては上記に掲げた筐体や接続部材の他に、発光素子からの光を結像するレンズアレイを具備したレンズケースを挙げることができる。レンズケースは、図2において、筐体4a、4Bも含まれる。レンズケースは筐体に接着により固定されている。レンズケースは以下の各図において共通の符号Zで示す。付帯部材により基板を補強し、かつ、基板同士を接続固定することができる。
さらに本例では、ねじ5、固定位置Fp1、Fp2、ねじ7の位置を矢視A方向で同一の位置となる線L1上にしている。これは、基板2Aから基板2Bまでの間に1つ又は複数の付帯部材が介在する場合でも、基板を含む各付帯部材相互の各固定位置を、矢視A方向で同一の位置となる線L1上にすることを意味している。
言い換えれば、付帯部材としての筐体4a、接続部材3、付帯部材としての筐体4b、基板2bに至る固定経路を、矢視A方向で同一の位置となる線L1上にしている。これにより、基板間に他部材が介在しても基板同士を直接固定したと同じになり、熱膨張、熱収縮による影響を受けなくなる。
各基板2a、2b上での書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2を全て線L1上に位置している。基板2aと筐体4aとの固定、及びその筐体4aと接続部材3との固定、さらには基板2bと筐体4bとの固定、及びその筐体4bと接続部材3との固定は、上述したねじ止めに限るものではなく、これらの相対位置がずれることなしに固定することができるものであれば、例えば接着による固定であったり、リベットによるかしめ固定であったりしてもよい。基板2a、基板2b、接続部材3、筐体4a、4bは特別な材質のものを使用したり、特定の線膨張係数のものを使用したりする必要はない。
基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2について説明する。
基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2は1点ではなく、微視的にはある程度の広がりを有する。図10において、矩形で示した1つ1つが発光素子を示しており、基板2a上には矢視A方向の線La上に発光素子が一定のピッチで配列されており、基板2b上にも矢視A方向の線Lb上に発光素子が一定ピッチで配列されている。
基板2a、2bについてそれぞれ列設された各発光素子の列は矢視Aと直交する副走査方向からみたとき一端側同士が部分的に重なるように配置されており、基板2aについて光書き込みに際して発光する領域の発光素子を便宜上、黒く塗りつぶして示し基板2aの書き込みドット範囲とし、基板2bについても同様に黒く塗りつぶして示し基板2bの書き込みドット範囲としている。
短尺の基板を複数組み合わせて固定し実質的に1本の基板として機能させるためには、矢視Aと直交する副走査方向から見たとき、基板2aの書き込みドット範囲の端部と基板2bの書き込みドット範囲の端部とは重複せず、かつ、発光素子のピッチ(後述する基準間隔)よりも間隔を空けないことが必要であり、かかる条件を満足するように基板2a上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、基板2b上の書き込みドットの切り替わり位置Dc2の位置が設定されている。
基板2a上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1は黒くに塗りつぶされた発光素子Ba1とこれに隣接する白抜けの発光素子Ba2間の位置であり、基板2b上の書き込みドットの切り替わり位置Dc2は黒くに塗りつぶされた発光素子Bb1とこれに隣接する白抜けの発光素子Bb2間の位置である。
図2に示すように発光素子アレイユニット1A、1Bの基板2a、2bに列状に設けられている各発光素子は、感光体ドラム10に対向するように配設されており、これらの発光素子アレイから感光体ドラム10に光を照射して、感光体ドラム10の感光体上に所望の潜像を書き込む。
前述したように、従来の光書き込み装置のように複数の発光素子アレイユニット間を単純に連結しただけのものでは、発光素子アレイユニットの温度が上昇すると、隣接する発光素子アレイユニットにおける基板上の書き込みドットの切り替わり位置でのドット間ピッチ(発光素子のピッチ)が変化することによって、その継ぎ目部分に対応して形成される画像に不具合が生じやすいという問題点があった。
例えば図3に示すように、発光素子アレイユニット11Aと11Bを繋ぐ接続部材13の筐体14a、14b及び基板2a、2bへの固定位置から基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2までの間の距離をLdとしたものでは、基板2aがその材質によって決まる線膨張係数に距離Ldを掛けた値に、更に温度上昇分を掛けた値だけ膨張することによって、書き込みドットの切り替わり位置Dc1が図3で左方にずれる。
その際、基板2b側も同様に膨張するため基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc2も図3で左方にずれるが、線膨張係数や温度分布はそれぞれの部品でバラツキがあるため、それによって書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2は相対的にずれるようになる。
また、図3では説明の都合上、最も単純なモデルとして基板2aを筐体14aと同じ位置で接続部材13とねじ止め固定すると共に、基板2bを筐体14bと同じ位置で接続部材13とねじ止め固定するようにした場合の例を示したが、接続部材13が筐体14aにねじ止め固定され、その筐体14aに別の位置で基板2aがねじ止め固定されると共に、接続部材13が筐体14bにねじ止め固定され、その筐体14bに別の位置で基板2bがねじ止め固定される構成の場合には、それら各部品間の線膨張係数のバラツキが積み重なるため、書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との相対的なずれは更に増大する。
実際には上述した各部品の膨張によるピッチずれに加えて、発光素子アレイユニット11Aと11Bの初期の位置決め精度等が加わるため、書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2tの相対的なずれに対応するドットピッチ誤差は、更に拡大する。
ドットピッチ誤差が、画像に縦の黒や白のすじが発生する5μmを超えた場合には、発光素子アレイユニット11Aと11Bにおける基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2の継ぎ目部分に対応して形成される画像に不具合が発生する。
この光書き込み装置では、図1及び図2で説明したように、隣接する発光素子アレイユニット1A、1Bにおける各基板上のそれぞれの書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2と、その発光素子アレイユニット1A、1Bの一方の筐体4aを接続部材3に固定する固定位置Fp1と、発光素子アレイユニット1B側の他方の筐体4bを接続部材3に固定する固定位置Fp2と、基板2aを筐体4aにねじ5で固定する位置と、基板2bを筐体4bにねじ7で固定する位置とを、全て発光素子の並び方向となる矢視A方向で同一の位置となる線L上にしているので、上記のような書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との間に対応する部分でも画像に不具合が発生しない。
すなわち、基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2と、固定位置Fp1とFp2と、基板2aの筐体4aへの固定位置と、基板2bの筐体4bへの固定位置とが全て同じ線L1上にあると、図3で説明した接続部材13の筐体14a、14b及び基板2a、2bへの固定位置から書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2までの距離Ldが0(ゼロ)になるので、基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との相対的なずれとなるドットピッチ誤差が0(ゼロ)になる。
ドットピッチ誤差は、温度が上昇した際に図1に示した基板2a、2bや筐体4a、4b等が膨張して位置ずれを生じることによって起きるものであり、その基板2a、2bや筐体4a、4bの膨張は、それら各部品の線膨張係数に距離Ld(図3)と温度上昇とを掛けた値で求められる。
図1及び図2で説明した光書き込み装置では、発光素子アレイユニット1A、1Bにおけるそれぞれの基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2と、その発光素子アレイユニット1A、1Bにおける一方の筐体4aを接続部材3に固定する固定位置Fp1と、発光素子アレイユニット1B側の他方の基板2bを接続部材3に固定する固定位置Fp2と、基板2aを筐体4aにねじ5で固定する固定位置Fp2と、基板2aを筐体4aにねじ5で固定する位置と、基板2bを筐体4bにねじ7で固定する位置とを、全て同一の線L1上にしているので、図3で説明した距離Ldが0(ゼロ)になる。
したがって、温度上昇があっても、基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2は、線L1上からずれないので、基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との相対位置は図1の矢視A方向に狂わず、良好な画像が得られる。よって、装置が置かれている環境温度が変化したり、発光素子が発熱しても、互いに隣接する基板と基板とを実質的に1つの基板と同じように構成したこととなる。
1−b.実施の形態例2:
図4は3個の発光素子アレイユニットを互いに位置をずらしてそれぞれ隣接させて配置
した光書き込み装置の実施の形態を示す図1と同様な平面図、図5は同じくその光書き込
み装置を感光体ドラムと共に示す図2と同様な斜視図であり、図1及び図2と対応する部
分には同一の符号を付してある。
この光書き込み装置は、図4に示すように複数の発光素子アレイが実装された基板2a、2b、2cをそれぞれ有する3個(4個以上であってもよい)の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを、発光素子の並び方向である矢視A方向に沿って互いに位置をずらしてそれぞれ隣接させて互いに隣り合うもの同士を接続部材3A、3Bにより接続している。
この光書き込み装置は、矢視A方向の両側に発光素子アレイユニット1Aと1Cが配設された間、つまり中央に位置する発光素子アレイユニット1Bの一端側、他端側(両側)の基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc2、Dc3と、一端側で隣接する発光素子アレイユニット1A、他端側で隣接する発光素子アレイユニット1Cのそれぞれについて中央に位置する発光素子アレイユニット1B側の各基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc4と、発光素子アレイユニット1A、1Bの筐体4a、4bを接続部材3Aに固定する各固定位置Fp1、Fp2と、発光素子アレイユニット1B、1Cの筐体4b、4cを接続部材3Bにそれぞれ固定する各固定位置Fp3、Fp4とに関し、各固定位置Fp1、Fp2と各基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2を矢視A方向で同一の位置となる線L2上にし、また、各固定位置Fp3、Fp4と各基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc3、Dc4を矢視A方向で同一の位置となる線L3上にしている。
かかる構成により、装置が置かれている環境温度が変化したり、発光素子が発熱しても、互いに隣接する基板と基板とを実質的に1つの基板と同じように構成したこととなると共に、3つ以上の発光素子アレイユニットを発光素子の並び方向に並べて大型の画像書き込み装置にしても、その隣接する発光素子アレイユニット間の書き込みドットの切り替わり位置の相対位置は発光素子アレイの並び方向に狂わないので、同様に黒や白の縦すじの無い画像が得られる。
具体的には、発光素子アレイユニット1Aの筐体4aはねじ6により固定位置Fp1で接続部材3Aに固定されており、接続部材3Aはねじ8により固定位置Fp2で発光素子アレイユニット1Bの筐体4bに固定されている。
発光素子アレイユニット1Bの筐体4bはねじ51により固定位置Fp3で接続部材3Bに固定されており、接続部材3Bはねじ52により固定位置Fp4で発光素子アレイユニット1Cの筐体4cに固定されている。
発光素子アレイユニット1Aの筐体4aには基板2aがねじ5により固定されており、発光素子アレイユニット1Bの筐体4bには基板2bの両端部がねじ7、53によりそれぞれ固定されている。さらに、発光素子アレイユニット1Cの筐体4cに基板2cがねじ54により固定されている。
各ねじ5、6、7、8のそれぞれ中心と、書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2とは、全て線L2上に位置している。各ねじ51、52、53、54のそれぞれ中心と、書き込みドットの切り替わり位置Dc3、Dc4とは、全て線L3上に位置している。
この実施の形態においても、基板2aと筐体4aとの固定、基板2bと筐体4bとの固定、基板2cと筐体4cとの固定、更に筐体4a、4bと接続部材3Aとの固定、筐体4b、4cと接続部材3Bとの固定は、上述したねじ止めに限るものではなく、これらの相対位置がずれることなしに固定することができるものであれば、例えば接着による固定であったり、リベットによるかしめ固定であったりしてもよい。
基板2a、2b、2c、接続部材3A、3B、筐体4a、4b、4cは、特別な材質のものを使用したり、特定の線膨張係数のものを使用したりする必要もない。基板2aと筐体4aとの固定位置、及び基板2bの左端部と筐体4bとの固定位置は、線L2以外にすることもできる。また、基板2bの右端部と筐体4bとの固定位置、及び基板2cと筐体4cとの固定位置も、線L3以外にすることもできる。
図6に示すように、発光素子アレイユニット1A'、1B'、1C'の各基板2a、2b、2cを線膨張係数が0.000013/degのごく一般的なガラスエポキシ樹脂で形成し、筐体4a、4b、4cを線膨張係数が0.000024/degのアルミ材でそれぞれ形成して、各々の線膨差を考慮して発光素子アレイユニット1A'と1B'、及び1B'と1C'を、その発光素子アレイユニット1B'の筐体4bの両端部において両側に隣接する発光素子アレイユニット1A'、1C'の筐体4aと4cとにねじ55、56により1箇所ずつ直接(あるいは接続部材を介してもよい)固定し、温度上昇が30degであったときについて考えてみる。
発光素子アレイユニット1B'の基板2bと筐体4bとは、図6で左方側の一端側のみをねじ57により1箇所固定し、発光素子アレイユニット1A'の基板2aと筐体4aとをねじ58で、発光素子アレイユニット1C'の基板2cと筐体4cとをねじ59でそれぞれ1箇所固定している。
この場合、発光素子アレイユニット1B'の長手方向の長さをA3サイズとすると、そのA3サイズは書き込み幅が約300mmであるので、発光素子アレイユニット1B'の基板2bを筐体4bに固定している場所(ねじ57の位置)から一番遠く離れた基板2b上の図6で右端のドットは、筐体4bとの相対位置が単純計算で、(0.000024-0.000013)×300mm×30deg=99μmずれることになる。
これでは隣接する発光素子アレイユニット1C'とのドット位置関係を、画像に縦の黒や白のすじが発生しないドットピッチ誤差である5μm以下に抑えることは到底無理である。しかも、実際には基板2a、2b、2c内及び筐体4a、4b、4c内でも温度分布が生じるので、さらに複雑なドットの狂いが発生する。
本実施の形態である光書き込み装置は、図4及び図5で説明したような構成にしているので、例えばA3サイズ幅の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを図4に示したように発光素子アレイの並び方向に3個並べてA0サイズ幅の光書き込み装置を構成しても、隣接する発光素子アレイユニット1Aと1Bの発光素子アレイの各基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との相対位置と、発光素子アレイユニット1Bと1Cの発光素子アレイの各基板上の書き込みドットの切り替わり位置Dc3とDc4との相対位置は、共に発光素子の並び方向(図4の矢視A方向)に狂わないので、良好な画像が得られる。
1−c.実施の形態例3:
図7は各基板を筐体からそれぞれ一部を突出させるようにした光書き込み装置の実施の
形態を示す図1と同様な平面図、図8は同じくその基板が取り付けられた筐体を示す斜視
図である。この光書き込み装置は、図7に示すように3つの発光素子アレイユニット1A
"、1B"、1C"で構成されており、(2つあるいは4つ以上で構成してもよい)、その
各発光素子アレイユニット1A"、1B"、1C"は、各基板22a、22b、22cが、
それを保持する各筐体24a、24b、24cにそれぞれ一部が図示のように突出した状
態で固定されている。
発光素子アレイユニット1A"と1B"は、多数の発光素子が矢視A方向に列設された基板22a、22bのそれぞれ筐体24a、24bから一部が突出した部分同士を、接続部材33Aによりねじ34、35を使用して固定している。
同様に発光素子アレイユニット1B"と1C"も、多数の発光素子が矢視A方向に列設された基板22b、22cのそれぞれ筐体24b、24cから一部が突出した部分同士を、接続部材33Bによりねじ36、37を使用して固定している。
これらねじ34、35のそれぞれ中心と、書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2とが、全て発光素子の並び方向となる矢視A方向で同一の位置となる線L5上に位置している。また、ねじ36、37のそれぞれ中心と、書き込みドットの切り替わり位置Dc3、Dc4とが、全て矢視A方向で同一位置となる線L6上に位置している。
基板22a、22bと接続部材33Aとの固定、及び基板22b、22cと接続部材33bとの固定は、前述した各実施の形態と同様にねじ止めに限るものではない。また、基板22a、22b、22c、接続部材33A、33B、筐体24a、24b、24cは、特別な材質のものを使用したり、特定の線膨張係数のものを使用したりする必要もない。
この光書き込み装置を用いた画像形成装置によれば、3個の発光素子アレイユニット1A"、1B"、1C"を図7に示したように発光素子アレイの並び方向に並べて光書き込み装置を構成していても、互いに隣接する発光素子アレイユニット1A"と1B"における各基板22a、22b上の各書き込みドットの切り替わり位置Dc1とDc2との相対位置と、発光素子アレイユニット1B"と1C"における各基板22b、22c上の各書き込みドットの切り替わり位置Dc3とDc4との相対位置は、共に発光素子アレイの並び方向(図7の矢視A方向)に狂わないので、良好な画像が得られる。
通常は基板22a、22b、22cと筐体24a、24b、24cの線膨張係数の差が大きかったり、温度分布の差が大きかったりしたときには、その基板と筐体の膨張の差により伸びに差が出ることにより基板が撓んだりするが、この光書き込み装置では発光素子アレイユニット1A"と1B"、及び1B"と1C"は、基板22aと22bが接続部材33Aに直接固定され、基板22bと22cが接続部材33Bに直接固定されて互いに接続されているので、上記のような基板が撓んだりすることがない(基板22a、22b、22cは、それぞれ筐体24a24b、24cに対して相対移動可能に一部のみが固定されている)。
本実施の形態例において、前記実施の形態例2におけるように、保持体と接続部材との固定位置Fp1、Fp2、Fp3、Fp4に代えて、基板の突出した部分同士を接続部材33A,33Bを介して固定するねじ34、35、36、37の固定位置とし、ねじ34,35の中心と基板上のドットの切り替わり位置Dc1、Dc2を矢視A方向における同一の位置となる線L5上とし、ねじ36,37の中心と基板上のドットの切り替わり位置Dc3、Dc4を矢視A方向における同一の位置となる線L6上とした。
これにより、付帯部材がある場合でも基板同士を固定したこととなり、基板と筐体との線膨張係数の差により基板が撓んだりするようなことがない。したがって、良好な画像が得られると共に、その基板を筐体との膨張差に打ち勝つほど強力に固定する必要がないし、接続部材を介在しないので、より簡易にまた確実に基板の一体化を図ることができる。
さらに発展させた実施の形態としては、接続部材33A、33Bを介在させずに、基板22a、22b同士を重ね、また、基板22b、22c同士を重ねて、これら基板同士を直接固定することもできる。
本例では、基板同士を直接或いは接続部材33A、33Bだけを介して固定する構成であるので、より簡易にまた確実に複数の短尺の基板を実質的に1つの基板として一体化を図ることができる。
また、本例においても、発光素子アレイの各書き込みドットの切り替わり位置Dc1、Dc2、Dc3、Dc4と固定位置(線L5、線L6)が合致しているので、固定位置である継ぎ目部に対応する画像に、縦の黒や白のすじが発生したりしない。また、その基板を筐体との膨張差に打ち勝つほど強力に固定する必要もない。
複数の発光素子アレイユニットの基板上の書き込みドットの切り替わり位置の相対位置は、発光素子アレイの並び方向に狂わないので、黒や白の縦すじの無い良好な画像が得られる。
1−d.実施の形態例4:
図9はアレイ位置調節手段を設けた光書き込み装置の実施の形態を示す図1と同様な平
面図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
この光書き込み装置は、隣接する2つの発光素子アレイユニット1A、1Bの各基板2
a、2bの発光素子の並び方向である矢視A方向の相対位置関係を調節するアレイ位置調
節手段40を設けている。
アレイ位置調節手段40は、対の接続部材43と44とを調節ねじ45を介して接近、離間可能に連結し、その一方の接続部材43を互いに隣接する2つの発光素子アレイユニット1A、1Bのうち1A側の筐体4aにねじ6で固定し、他方の接続部材44を他方の発光素子アレイユニット1B側の筐体4bにねじ8で固定している。筐体4aと基板2aとはねじ5により固定されているし、筐体4bと基板2bとはねじ7により固定されている。
隣接する2つの発光素子アレイユニット1A、1Bのそれぞれの書き込みユニットにおける基板上のドットの切り替わり位置Dc1、Dc2及びねじ5、6、7、8の中心位置は全て、発光素子の並び方向で同一の位置となる線L上に位置している。
この光書き込み装置によれば、調節ねじ45を回転させることにより調節ねじ45の回転量に応じて発光素子アレイユニット1Aと1Bとが接近、離間するので、発光素子アレイユニット1A側の書き込みドットの切り替わり位置Dc1と、発光素子アレイユニット1B側の書き込みドットの切り替わり位置Dc2との相対位置を任意に調節することができる。
隣接する発光素子アレイユニットの互いの書き込みドットの切り替わり位置の相対位置を任意に調節することができるので、複数の発光素子アレイユニットを発光素子の並び方向に並べて大型の発光素子アレイユニットにする構成のものであっても、より高い精度の光書き込み装置にすることができる。
また、アレイ位置調節手段として調節ねじを使用する構成では、簡単に構成することができ、隣接する発光素子アレイユニットの互いの書き込みドットの切り替わり位置の相対位置の調節も、その調節ねじを回転させるだけで簡単に微調節することができる。
なお、図9で調節ねじ45を使用したアレイ位置調節手段40を一例として示したが、アレイ位置調節手段は微調節が可能な機構であれば、図9に示した機構に限るものではない。
[2]第2の実施の形態
2−a.実施の形態例1:
前記[1]で説明した実施の形態では、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板と他方の基板とを直接固定し、或いは、一方の基板から他方の基板までの間に基板と別体の付帯部材が介在するときは、付帯部材と基板を含む各部材相互間の各固定位置を発光素子の並び方向での同一位置としている。さらに、基板上の書き込みドットの切り替わり位置についても発光素子の並び方向上、上記固定位置と同一の線上としている。
このような構成の光書き込み装置では、矢視A方向で隣り合う発光素子アレイユニット同士を接続部材3を介して基板上のドットの切り替わり位置で固定しているので、一方の基板2aからの光によるおける書き込みと他方の基板2bからの光による書き込みにおける位置合わせは、書き込み時間をずらす書き込み時間遅延処理によって行う。この書き込み時間遅延処理は[6]第6の実施の形態で説明する制御部600によって行なう。
すなわち、図2で発光素子アレイユニット1Aでラインを書き込んだ後、矢印の向きに感光体ドラム10が回転するのを所定時間待って、発光素子アレイユニット1Bでラインを書き込む。そうすることによって全幅1本の主走査ラインを書き込むことができる。
このような実施の形態において、環境温度の変化等により発光素子アレイユニットが伸張、収縮しても基板同士は実質的に1本の基板を構成しているので、黒すじ、白すじ等の異常画像の発生は減少するし、特に、基板上の書き込みドットの切り替わり位置を発光素子の並び方向上、上記固定位置と同一の線上とした例では環境温度の変化による黒すじ、白すじの発生はなくなる。
元来、発光素子アレイユニットの機械的な取り付け基準位置と発光素子から出射される光の焦点位置の間隔は使用する自己収束性のレンズアレイの焦点距離のばらつき、レンズアレイの部品精度等によりばらつくものであり、また、この発光素子アレイユニットを広幅の光書き込み装置に組み付けたときの位置誤差等により、発光素子アレイユニットを感光体に結像させるためのピント調節が必要となる。
ところが、前記実施の形態例におけるように、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板と他方の基板とを直接或いは他部材を介して固定してしまう構成では、光書き込み装置全体を動かすことで一方の基板を含む発光素子アレイユニットのピント調節はできる。しかし、この1つの発光素子アレイユニットについてピント調節のため光書き込み装置全体を移動すると、他の発光素子アレイユニットからの光のピントがずれてしまう。
上記他の発光素子アレイユニットについては、前記接続部材にリンク機構等を設けて調節することは可能であるが、機構が複雑になり、スペース等設計上の余裕度がなくなったり、コストがかかったり、ガタによって主走査、副走査方向の書き込みドットの位置精度が低下するおそれがある。
さらに、例えば、図5に示した例において、発光素子アレイユニット1Aの左側又は発光素子アレイユニット1Cの右側をピント調節するために感光体ドラムに対して上下動した場合、各発光素子アレイユニット1A、1Cの他端側は接続部材3A、3Bによって不動状に固定されているため、各発光素子アレイユニットに対して大きさ曲げモーメントが加わり、接続部材3A、3Bが破損したり、発光素子アレイユニットが反ってしまうことが懸念される。
本例はこの問題を解決する。本例は、2つ以上の発光素子アレイユニットからなる光書き込み装置について適用可能である。以下では、前記図4に示したように3つの発光素子アレイユニットからなる構成の光書き込み装置について説明する。図4に示した部材と機能が共通の部材については同じ符号で示す。
発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは図11(a)に示すように、広幅の書き込みが可能なように各基板上の発光素子の並び方向Aに位置をずらして配置されている。図11(a)を矢視B方向から図11(b)において、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは共通の構成をしている。
図11(a)、(b)において、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cについてはそれぞれ、基板2a、2b、2c、レンズケースZ、集束性光伝送体によるレンズアレイ12a、12b、12c等を有し、さらに、図11では煩雑防止のため図示を省略しているが各基板2a、2b、2cに沿わせて筐体が設けられている。
図11(b)において、発光素子アレイユニット1A、1Cと発光素子アレイユニット1Bとは、感光体ドラム10の軸心Oを通る線D−Dを対称軸として対称の位置関係にあり、各発光素子アレイユニットから出射される光の光軸は感光体ドラムの軸心に向かうようにしてある。
発光素子アレイユニット1Cは矩形板状のスペーサ14Rに基板2cの部分で接着保持されている。発光素子アレイユニット1Aは矩形板状のスペーサ14L(図示されず)に基板2aの部分で接着保持されている。発光素子アレイユニット1Bは矩形板状のスペーサ15R及び矩形板状のスペーサ15L(図示されず)にそれぞれ基板2bの部分で接着保持されている。
スペーサ14Rは板状をした接続部材16Rの一端側にねじ520で固定されている。接続部材16Rの他端側は、スペーサ15Rと調節板17Rとにサンドイッチ状に挟まれてねじ18Rによりスペーサ15R及び調節板17Rと固定されている。
同じくスペーサ14Lは板状をした接続部材16Lにねじ50で固定されている。接続部材16Lは、スペーサ15Lと調節板17Lとにサンドイッチ状に挟まれてねじ18Lによりスペーサ15L及び調節板17Lと固定されている。
調節板17R、調節板17Lの何れか、本例では調節板17Rは不動部材である光書き込み装置のフレーム(図示されず)に固定される。また、調節板17L、発光素子アレイユニット1A、1C等の端部は図示しない適宜の手段により、光書き込み装置のフレームに熱膨張、熱収縮による部材の変位を拘束しないようにして支持されている。
ねじ520、18Rの中心は矢視A方向で同一の位置となる線L3上に位置している。また、この線L3は基板2b及び基板2c上のそれぞれの書き込みドット切り替わり位置に合致している。
同様に、ねじ50、18Lの中心は矢視A方向で同一の位置となる線L2上に位置している。また、この線L2は基板2b及び基板2a上のそれぞれの書き込みドット切り替わり位置に合致している。
調節板17R上であって、線L3上かつレンズアレイ12cの上方近傍部位には調節ねじ19Rが上方から螺入されてその先端部が接続部材16Rに当接している。
同様に、調節板17L上であって、線L2上かつレンズアレイ12bの上方近傍部位には調節ねじ19Lが上方から螺入されてその先端部が接続部材16Lに当接している。
前記したように、発光素子アレイユニット1Bからの光のピントつまり、基板2bから出射される光のピントは、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを一体的な構成とした当該光書き込み装置全体を上下させて合わせることができる。このように発光素子アレイユニット1Bについてピントを合わせたとしても、発光素子アレイユニット1A、1Cからの光について、レンズアレイの組み付け誤差、各々の部品精度、光書き込み装置全体の傾き等により、ピントが合うとは限らない。
本例では、基板2cを含む発光素子アレイユニット1Cからの光のピントを調節する手段として、接続部材16Rと調節板17Rと第1外力手段としての調節ねじ19Rを主な構成要素とするピント調節手段P1Cを設け、基板2aを含む発光素子アレイユニット1Aからの光のピントを調節する手段として、接続部材16Lと調節板17Lと第1外力手段としての調節ねじ19Lを主な構成要素とするピント調節手段P1Aを設けた。
これらのピント調節手段P1C、P1Aにおいて、調節ねじ15R、15Lを回転することにより、発光素子アレイユニット1A、1Cからの光についてピント合わせを行なうことができる。図11(a)、(b)において、調節ねじ15R、15Lを締める方向に回せば調節ねじ15R、15Lの先端部が接続部材16R、16Lを押して下方に変位させる。これに伴い、発光素子アレイユニット1A、1Cもピント調節方向cで下向きに変位する。
調節ねじ15R、15Lを上記と逆向きの緩める向きに回転させれば、接続部材16R、16Lは弾性により復元し、ピント調節方向c上、上向きに変位する。このように、調節ねじ15R、15Lを正逆転することに伴い、接続部材16R、16Lは基板2a、2cの厚さ方向である発光素子アレイユニット1A、1Cについてのピント調節方向に変位するので、これら基板2a、2cからの光についてピント調節ができる。このように本例では、隣接する2つの基板からの光について容易にピント調節が可能となる。
上記したように本例では、発光素子アレイユニット1Bの矢視A方向の右端側に発光素子アレイユニット1Cのピント調節用としてピント調節手段P1Cが設けられ、また、発光素子アレイユニット1Bの矢視A方向の左端側について発光素子アレイユニット1Aのピント調節用としてピント調節手段P1Aが設けられている。
ピント調節手段P1Cは、矢視A方向で隣接する一方の基板2cと他方の基板2bにそれぞれスペーサ14R、15Rを介して固定された板状の接続部材16Rと、この接続部材16Rに対向配置されていて他方の基板2b側で接続部材16Rに固定されていると共に不動部材にも固定されている調節板17Rと、一方の基板2c側の接続部材16Rと調節板17Rとの間隔を変化させて接続部材16Rに外力を与える第1外力手段としての調節ねじ19Rを有する構成からなり、この調節ねじ19Rにより接続部材16Rに与えられる外力(押圧力)により接続部材16Rを、接続部材16Rと調節板17Rとのねじ18Rによる固定位置の一部である調節板17Rに形成された段部17R1を支点として変形変位させて基板2bに対して基板2cをピント合わせ方向に変位させて基板2cの発光
素子から出射される光のピント調節を行なう。このピント調節方向を図11(b)に符号Cで示す。
同様に、ピント調節手段P1Aは、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2aと他方の基板2bにそれぞれスペーサ15L、14Lを介して固定された板状の接続部材16Lと、この接続部材16Lに対向配置されていて他方の基板2b側で接続部材16Lに固定されていると共に不動部材に支持されている調節板17Lと、一方の基板2a側の接続部材16Lと調節板17Lとの間隔を変化させて接続部材16Lに外力を与える第1外力手段としての調節ねじ19Lを有する構成からなり、この調節ねじ19Lにより接続部材16Lに与えられる外力(押圧力)により接続部材16Lを、接続部材16Lと調節板17Lとのねじ18Lによる固定位置の一部である調節板17Lに形成された段部17L1を支点として変形変位させて基板2bに対して基板2aをピント合わせ方向に変位させて基板2aの発光素子から出射される光のピント調節を行なう。このようにピント調節手段P1C、P1Aでは、第1外力手段としての調節ねじ19R、19Lを回すだけで、簡単にピント調節を行なうことができる。
ピント調節手段P1Cは、第1外力手段としての調節ねじ19Rにより外力を与える接続部材16R上の位置(力点)が、ピント調節対象である基板2cと対向する位置であるので、調節ねじ19Rの動きが効率よくピント調節に係る基板2cに伝達され、調節感度を高めることができる。さらに、この調節ねじ19Rにより外力を与える接続部材16R上の位置(力点)の延長上にはレンズアレイ12cが位置しているので調節ねじ19Rによる調節感度は一層顕著である。ピント調節手段P1Aにおいても上記発光素子アレイユニット1C側に設けられたピント調節手段について説明した構成に準じた構成となっている。
発光素子アレイユニット1A、1B、1Cについて、主要部の具体的な構成を図12ないし図14により説明する。但し、各発光素子アレイユニット共、基本的な部材構成は共通であるので、発光素子アレイユニット1Bについて代表して説明する。
図12ないし図14において、レンズアレイ12bはレンズケースZと一体に構成されている。或いは、強固な接着により実質的に一体に構成されている。レンズケースZは上部が開放された箱状をしていて、上部には基板2bが該レンズケースZの上部開放部を覆うようにして密閉状に付勢されている。
この付勢状態は強固なものではなく、部材間の熱膨張、熱収縮等による熱変位が可能な付勢である。図14に示すようにレンズケースZの上部には矢視A方向の両端部にそれぞれピン20、21が植設され、基板2bの矢視A方向の一端部にはピン20に嵌合する穴25、基板2bの他端部にはピン21に嵌合する大きさの長穴26がそれぞれ形成されている。長穴26は矢視A方向に長さを有し、長穴26の中心と穴25の中心は矢視E方向上、同一の位置にある。
これらピン20、21は穴25、長穴26に嵌合されているので、レンズケースZと基板2bの部材で熱変位を生じても、長穴26の方向に変位が吸収されるので、部材に無理な力が作用せず、矢視A方向へ変位する。
図12に示すように、レンズアレイ12bと対向する位置には多数の発光素子Bbが列状に配列されている。図10では、発光素子のいくつかを符号Bb1、Bb2で示した。図12に示すように、発光素子Bbとレンズアレイ12bとは対向する位置関係にあり、レンズアレイ12bのレンズにより、光が感光体ドラム10の感光体に結像される。
図13、図14に示すように、レンズアレイ12bにおいて、各レンズはLsは矢視A方向に沿って2列、千鳥配列されている。基板2b上には、発光素子Bbを発光させるための電力や制御情報を供給するための端子28等が設けられている。
レンズケースZに可動状に付勢された基板2bの上部には、基板2bを保持し、また、基板2bの熱を放熱する機能を有する筐体4bが重ねられた上で、板ばね30により基板2bが筐体4bとレンズケースZによりサンドイッチ状に挟まれた状態で一体的に保持されている。
基板2bに対する筐体4bの保持状態、基板2bに対するレンズケースZの保持状態は密着性が保持できれば十分なので、レンズケースZの側部に形成した凸部31にM字状をした板ばね30の穴30aを嵌合させて板ばね30の弾性により筐体4bとレンズケースZで、基板2bを弾性的にサンドイッチ状に挟んで保持するようにしている。
図13、図14に示すように筐体4bは基板2bよりも短く形成されていて、基板2bの矢視A方向の両端部における各一定領域では基板4bは筐体4bによって覆われることがなく、露出している。図11(a)、(b)で示した例では、このように基板2bの露出した部位にスペーサ15R(15L)が取り付けられ、又、基板2a(2c)の露出した部位にスペーサ14R(14L)が取り付けられている。
2−b.
前記2−aの実施の形態例1では、図11(a)、(b)において、発光素子アレイユ
ニット1A、1B、1Cを含む光書き込み装置全体を動かすなどして、発光素子アレイユ
ニット1Bについてピント調節した後で、ピント調節手段P1C、P1Aにより発光素子
アレイユニット1A、1Cについて個別にピント調節を行なうことができる。
しかし、仮に、発光素子アレイユニット1A、1Cについてピント調節をした後で、発光素子アレイユニット1Bについて調節が不完全であることが判明した場合には、再度、発光素子アレイユニット1Bについてのピント調節からやり直さなければならないという問題がある。
そこで本例では、発光素子アレイユニット1A、1Cばかりでなく、発光素子アレイユニット1Bについても、独立してピント調節を可能にすることとした。本例は図15(b)に示すように、前記2−aの実施の形態例1で説明したと同じ構成のピント調節手段を、一方の基板2aと他方の基板2bとの中点を通る線D−Dを対称軸として、左右に設けた。これにより、隣接する一方の基板と他方の基板についてそれぞれ個別にピント調節を行なうことができ、ピント調節作業の煩雑を免れる。
図15(a)、(b)により説明する。
発光素子アレイユニット1Cのピントを調節するピント調節手段P1C及び発光素子アレイユニット1Aのピントを調節するピント調節手段P1Aについては、前記図11(a)、(b)において説明した構成と基本的には同じである。よって、図11(a)、(b)におけるものと同じ構成部分については同じ符号を付し説明は省略する。
発光素子アレイユニット1C、1Aのピントを調節するピント調節手段P1C、P1Aについて、前記図11(a)、(b)における構成と異なる点は、調節板17R(17L)に代えて、T字状の調節板170R(170L)を設けたこと、調節板に対する接続部材160Rの支点としての固定位置を線D−D上のねじ32Rで止められた位置としたことである。
発光素子アレイユニット1Bのピントを調節するピント調節手段は、矢視A方向の右端部と左端部にそれぞれ設けられている。右端部に設けられたピント調節手段P1BRは、図15(a)、(b)において、基板2bにスペーサ14R'を介して接続部材160Rがねじ520'により固定された構成と、調節ねじ19R'の先端部がレンズアレイ12b及び基板2bの直上位置に相当する接続部材160R上面の位置で当接するように調節板170Rに螺入された構成を要部としている。
ピント調節手段P1BRでは、第1外力手段としての調節ねじ19R'を回すことにより、基板2bを含む発光素子アレイユニット1Bの矢視A方向の右端部を基板2bの厚さ方向に相当するピント調節方向c'に調節することができる。
発光素子アレイユニット1Bの矢視A方向の左端部に設けられたピント調節手段P1BLについても、図15(a)、(b)において、基板2bにスペーサ14L'を介して接続部材160Lがねじ50'により固定された構成と、調節ねじ19L'の先端部がレンズアレイ12b及び基板2bの直上位置に相当する接続部材160L上面の位置で当接するように調節板170Lに螺入された構成を要部としている。このピント調節手段では、第1外力手段としての調節ねじ19R'を回すことにより、基板2bを含む発光素子アレイユニット1Bの矢視A方向の右端部を基板2bの厚さ方向に相当するピント調節方向c'に調節することができる。
[3]第3の実施の形態
3−a.実施の形態例1:
例えば、図3に示した構成では、発光素子アレイユニット1A又は発光素子アレイユニット1Cでラインを書き込んだ後、矢印の向きに感光体ドラム10が回転するのを所定の遅延時間だけ待って、発光素子アレイユニット1Bでラインを書き込む。そうすることによって全幅1本の主走査ラインを書き込むことができる。
ところが、通常、書き込み制御装置の構成上、上記の遅延時間は固定であることが多い。その場合、決まった遅延時間に対する発光素子アレイユニット間の感光体上の書き込みドット距離を正確に合わせなければならないが、部品寸法誤差、光書き込み装置の組み立て誤差等を考慮すると、感光体上の書き込みドットの距離がかなりばらついてしまい、このばらつきがそのまま、書き込みラインの副走査方向継ぎ目ずれとなってしまう。
また、前記遅延時間を調節することによって位置合わせすることも可能ではあるが、制御装置が複雑となり、また、制御装置の都合上、副走査方向1ドット単位(400dpiであれば63.5μm毎)にしか調節できないので調節精度が悪くなる。
かかる問題を解消するため、本例では、図16(a)、(b)に示すように、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2aを基準として他方の基板2bを副走査方向eに揺動させて当該他方の基板2bの発光素子から出射される光が一方の基板2aの発光素子から出射される光に近づき或いは遠ざかる副走査方向に調節可能な副走査調節手段F1Cと、副走査調節手段F1Aを具備することとした。
これにより、決まった遅延時間に対する基板間に対応する感光体上の書き込みドット距離を簡単に正確に合わせることができる。
発光素子アレイユニット1Cはスペーサ14Rに基板2cの部分で接着保持されている。発光素子アレイユニット1Aはスペーサ14L(図示されず)に基板2aの部分で接着保持されている。発光素子アレイユニット1Bは矩形板状のスペーサ15R及び矩形板状のスペーサ15L(図示されず)にそれぞれ基板2bの部分で接着保持されている。
スペーサ14Rは板状をした接続部材1600Rの一端側にねじ520で固定されている。接続部材1600Rの他端側は、スペーサ15Rと調節板170Rとにサンドイッチ状に挟まれてねじ18Rによりスペーサ15R及び調節板170Rと固定されている。
同じくスペーサ14Lは板状をした接続部材1600Lにねじ50で固定されている。接続部材1600Lは、スペーサ15Lと調節板170Lとにサンドイッチ状に挟まれてねじ18Lによりスペーサ15L及び調節板17Lと固定されている。
調節板170R、調節板170Lの何れか、本例では調節板170Rは不動部材である光書き込み装置のフレーム(図示されず)に固定される。また、調節板170L、発光素子アレイユニット1A、1C等の端部は図示しない適宜の手段により、光書き込み装置のフレームに熱膨張、熱収縮による部材の変位を拘束しないようにして支持されている。
ねじ520、18Rの中心は矢視A方向で同一の位置となる線L3上に位置している。また、この線L3は基板2b及び基板2c上のそれぞれの書き込みドット切り替わり位置に合致している。
同様に、ねじ50、18Lの中心は矢視A方向で同一の位置となる線L2上に位置している。また、この線L2は基板2b及び基板2a上のそれぞれの書き込みドット切り替わり位置に合致している。
接続部材1600R(1600L)は、前記図11(b)に示した接続部材16R(16L)や前記図15(b)に示した接続部材160R(160L)とは異なり、スペーサ14R(14L)との固定部分から更に延出されていてU字上に上方に回り込んだ形状となっていて、第2調節板170R(170L)の上方にまで及んでいる。
この第2調節板170R(170L)の上方に位置する第2接続部材1600R(1600L)の部位に調節ねじ39R(39L)が上方から螺入されてその先端部が調節板170R(170L)の上面に当接している。
矢視A方向上であって、ねじ18R(18L)による調節板170R(170L)と接続部材1600R(1600L)との固定位置から調節ねじ39R(39L)までの中間位置には、調節板170R(170L)と接続部材1600R(1600L)とに共通に接する楔状をした支点部材190R(190L)が第2調節板170R(170L)と一体的に設けられている。
以上のように、本例の副走査調節手段F1C(F1A)は、矢視Aで示す発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2c(2a)と他方の基板2bにそれぞれ固定された板状の接続部材1600R(1600L)と、この接続部材1600R(1600L)に対向配置されていて、基板2c(2a)と接続部材1600R(1600L)とのねじ18R(18L)による固定位置で接続部材1600R(1600L)に固定されている調節板170R(170L)と、基板2bの部位で接続部材1600R(1600L)と調節板170R(170L)との間隔を広狭調節する第2外力手段としてのねじ39R(39L)と、前記ねじ18R(18L)による基板2c(2a)と接続部材1600R(1600L)との固定位置の一部である段部170R1(170L1)とねじ39R(39L)と
の中間位置で接続部材1600R(1600L)と調節板170R(170L)に共通に接する支点部材190R(190L)とを具備した構成となっている。支点部材190R(190L)の位置は、レンズアレイ12a(12)bの直上部となっていることが好ましい。
かかる構成において、ねじ39R(39L)をまわす回転方向に応じて、第2接続部材1600R(1600L)が支点部材190R(190L)を支点として変位し、この第2接続部材1600R(1600L)の変位と共に、該接続部材1600R(1600L)に取り付けられた発光素子アレイユニット1C(1A)も光の照射位置が副走査方向eに変位する。本例によれば、てこの原理とねじの原理を応用して微少量の調節を精密に行なうことができる。
3−b.
前記3−aの実施の形態例1では、図16(a)、(b)において、発光素子アレイユ
ニット1A、1B、1Cを含む光書き込み装置全体を動かすなどして、発光素子アレイユ
ニット1Bについて副走査方向での書き込み位置を調節した後で、副走査調節手段F1C
(F1A)により発光素子アレイユニット1A、1Cについて個別に副走査方向での書き
込み位置の調節を行なうことができる。
しかし、仮に、発光素子アレイユニット1A、1Cについて副走査方向での書き込み位置を調節をした後で、発光素子アレイユニット1Bについて調節が不完全であることが判明した場合には、再度、発光素子アレイユニット1Bについての副走査方向での書き込み位置の調節からやり直さなければならないという問題がある。
そこで本例では、発光素子アレイユニット1A、1Cばかりでなく、発光素子アレイユニット1Bについても、独立して副走査方向での書き込み位置の調節を可能とした。
本例は図17(b)に示すように、前記3−aの実施の形態例1で説明したと同じ構成の副走査調節手段を、一方の基板2aと他方の基板2bとの中点を通る線D−Dを対称軸として、左右に設けた。これにより、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板と他方の基板についてそれぞれ独立に副走査方向の書き込み位置を調節することができるので、調節作業が容易となる。
図17(a)、(b)により説明する。
発光素子アレイユニット1Cの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段F1C及び発光素子アレイユニット1Aの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段F1Aについては、前記図16(a)、(b)において説明した構成と基本的には同じである。よって、図16(a)、(b)におけるものと同じ構成部分については同じ符号を付し説明は省略する。
発光素子アレイユニット1C、1Aの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段F1C、F1Aについて、前記図16(a)、(b)における構成と異なる点は、調節板170R(170L)に代えて、T字状の調節板1700R(1700L)を設けたこと、調節板1700R(1700L)に対する接続部材16000R(16000L)の固定位置を線D−D上のねじ32R(32L)で止められた位置としたことである。
発光素子アレイユニット1Bの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段は、矢視A方向の右端部と左端部にそれぞれ設けられている。図17(a)、(b)において、右端部に設けられた副走査調節手段F1BRは、基板2bがスペーサ14R'に固定され、スペーサ14R'が接続部材16000Rにねじ520'で固定された構成と、接続部材16000Rに対向配置されていて中央部分でねじ32Rにより接続部材16000Rに固定されている調節板1700Rと、基板2bの部位で接続部材1600Rと調節板1700Rとの間隔を広狭調節する第2外力手段としてのねじ39R'と、前記ねじ32Rによる接続部材16000Rと調節板1700Rとの固定位置とねじ32R'との中間位置で接続部材1600Rと調節板1700Rに共通に接する支点部材190R'を設けた構成を要部としている。
同様に、左端部に設けられた副走査調節手段F1BLは、図17(a)、(b)において、基板2bがスペーサ14L'に固定され、スペーサ14L'が接続部材16000Lにねじ50'で固定された構成と、接続部材16000Lに対向配置されていて中央部分でねじ32Lにより接続部材16000Lに固定されている調節板1700Lと、基板2bの部位で接続部材1600Lと調節板1700Lとの間隔を広狭調節する第2外力手段としてのねじ39L'と、前記ねじ32Lによる接続部材16000Lと調節板1700Lとの固定位置とねじ32L'との中間位置で接続部材1600Lと調節板1700Lに共通に接する支点部材190L'を設けた構成を要部としている。なお、調節板16000R、16000Lのうち、何れか一つは不動部材に固定され、他は可動状に支持されてい
る。
本例では、副走査調節手段F1Cについてねじ39Rをまわすことにより第2接続部材16000Rを変形させて基板2cを含む発光素子アレイユニット1Cを変位させて副走査調節方向eでの書き込み位置を調節することができる。副走査調節手段F1Aについてもねじ39Lをまわすことにより接続部材16000Lを変位させて基板2aを含む発光素子アレイユニット1Aを変位させて副走査調節方向eでの書き込み位置を調節することができる。
同様に、副走査調節手段F1BR(F1BL)におけるねじ39R'(39L')をまわすことにより接続部材16000R(16000L)を変形させて基板2bを含む発光素子アレイユニット1Bを変位させて副走査調節方向e'での書き込み位置を調節することができる。このように副走査方向での書き込み位置を各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cについて個別に調節することができるので、書き込み位置を合わせることが極めて容易となる。
3−c.実施の形態例3:
前記2−a.実施の形態例1、2−b.実施の形態例2では基板を含む発光素子アレイユニットのピント調節はできるが、副走査方向での書き込み位置の調節はできない。また、前記3−a.実施の形態例1、3−b.実施の形態例2では、基板を含む発光素子アレイユニットの副走査方向での書き込み位置の調節はできるがピント調節はできない。
本例は、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板に対して他方の基板を当該基板の厚さ方向に相当するピント合わせ方向に変位させるピント調節手段P1C1、P1A1と、前記発光素子の並び方向で隣接する一方の基板を基準として前記他方の基板を揺動させて当該他方の基板から出射される光が前記一方の基板から出射される光に近づき或いは遠ざかる副走査方向に調節可能な副走査調節手段F1C1、F1A1を具備することにより、基板を含む発光素子アレイユニットのピント調節と副走査方向での書き込み位置の調節の両方を行なうこととした。
本例は、特に、ピント調節手段P1C1(P1A1)と副走査調節手段F1C1(F1A1)とを一体的に構成した点に特徴がある。また、てこを利用したねじ構造により、一方向からピント調節と副走査方向での書き込み位置の調節を行なうことができる。以下に例を説明する。
図18(a)、(b)において、ピント調節手段P1C1は、矢視Aで示す発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2cと他方の基板2bにそれぞれスペーサ14R、15Rを介して固定された板状の接続部材1601Rと、接続部材1601Rに対向配置されていて他方の基板2b側の固定位置でねじ18Rにより接続部材1601Rに固定されていると共に不動部材にも固定されている調節板171Rと、一方の基板2cの部位で接続部材1601Rと調節板171Rとの間隔を広狭調節する第3外力手段としての調節ねじ1900Rを具備し、副走査調節手段F1C1は、第3外力手段としての調節ねじ1900Rの一部(先端部)を支点として接続部材1601Rの一方の基板2c側の端部に外力を作用させて接続部材1601Rと調節板171Rとの間隔を広狭調節する第4外力手段と
してのねじ390Rを具備した構成からなる。
同様に、ピント調節手段P1A1は、矢視Aで示す発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2aと他方の基板2bにそれぞれスペーサ14L、15Lを介して固定された板状の第3接続部材1601Lと、第3接続部材1601Lに対向配置されていて他方の基板2b側の固定位置でねじ18Lにより第3接続部材1601Lに固定されていると共に不動部材に可動状に支持されている第3調節板171Lと、一方の基板2aの部位で第3接続部材1601Lと第3調節板171Lとの間隔を広狭調節する第3外力手段としての調節ねじ1900Lを具備し、副走査調節手段F1A1は、第3外力手段としての調節ねじ1900Lの一部(先端部)を支点として第3接続部材1601Lの一方の基板2a側の端部に外力を作用させて第3接続部材1601Lと第3調節板171Lとの間隔を広狭調
節する第4外力手段としてのねじ390Lを具備している構成からなる。
上記において接続部材1601R(1601L)は、前記図17(b)に示した接続部材1600R(1600L)と同様に、スペーサ14R(14L)との固定部分から更に延出されていてU字上に上方に回り込んだ形状となっていて、調節板171R(171L)の上方にまで及んでいて、このまわり込んだ位置にねじ390R(390L)が螺入されて調節板171R(171L)の上面に当接し、該ねじ390R(390L)をまわすことにより、ねじ1900R(1900L)の先端部を支点として接続部材1601R(1601L)を変位させて発光素子アレイユニット1C(1A)を副走査調節方向eに調節することができる。
また、ねじ1900R(1900L)を回転することにより発光素子アレイユニット1C(1A)を調節板171R(171L)との固定部を支点として基板2c(2a)の厚さ方向に揺動変位させてピント調節方向cに変位させることができる。ここで、ねじ1900R(1900L)をレンズアレイ12cの直上部に位置させることにより力が直接的に発光素子アレイユニット1C(1A)に及び、ピント調節の感度を高めることができる。また、副走査方向の調整を行なうことによりピントがずれることがない。
これらの調節に係るねじ390R、390L及びねじ1900R、1900Lは共に、略同じ位置に位置していて、同じ方向からこれらのねじを操作して回転させることができる。これにより、基板を含む発光素子アレイユニットのピント調節と副走査方向での書き込み位置の調節の両方を行なうことができるので、調節作業が容易となる。
3−d.実施の形態例4:
前記3−c.実施の形態例3における図18(a)、(b)の例では、前記2−a.実
施の形態例1の前記図13〜図14で説明した構成が適用される。つまり、基板2b、レ
ンズケースZ、筐体4bが板ばね30により各々可動状態に取り付けられている。ここで
、可動状態に取り付けられることにより、熱膨張、熱収縮による部材の変位が拘束されな
いで支持されることになる。基板2a、2cについても基板2bにおけると同じような構
成により付帯部材が可動状態に取り付けられて発光素子アレイユニット1A、1B、1C
等が構成されている。
これらの発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは以下の図19、図20、図21に示すように、付帯部材としての接続部材1601R、1601Lで接続されて、副走査調節手段F1C1、F1A1やピント調節手段P1C1、P1A1と共に一体的に構成されて不動部材として設けられた共通支持部材としてのフレーム60に対して取り付けられている。このフレーム60を含む全体の構成を以って、光書き込み装置90が構成される。
ここで、発光素子の並び方向に隣接する一方の基板2aから他方の基板2bとの間及び基板2aから他方の基板2cまでの間の固定経路にはスペーサ14L、15Lと接続部材1601L及びスペーサ14R、15Rと接続部材1601Rしか介在しないのでこれら接続部材と基板とを固定してこれら基板を同士を実質的に一体化する。しかし、これら接続部材以外の付帯部材については基板との間での熱膨張、熱収縮による影響を回避するため、基板に対して可動状態に取り付けている。
同様に、前記図11、図15、図16、図17及び後述する図27の例においても、基板2aから基板2bまでの間及び基板2bから基板2cまでの間の固定経路には、スペーサ14L、14R、15L、15R、接続部材16L、16R、160L、160R、1600L、1600R、16000L、16000Rしか介在しないのでこれら接続部材と基板とを固定しこれら基板同士を実質的に一体化する。しかし、これら接続部材以外の付帯部材については、基板に対して可動状態に取り付けて、熱膨張、熱収縮による影響を回避している。
図19において、基板2b、レンズケースZ、筐体4b、板ばね30等からなる発光素子アレイユニット1Bは、基板2a、レンズケースZ、筐体4a、板ばね30等からなる発光素子アレイユニット1Aと接続部材1601Lを介して固定されかつ、副走査調節手段F1A1やピント調節手段P1A1と共に一体的に構成されている。また、発光素子アレイユニット1Bは、基板2c、レンズケースZ、筐体4c、板ばね30等からなる発光素子アレイユニット1Cと接続部材1601Rを介して固定されかつ、副走査調節手段F1C1やピント調節手段P1C1と共に一体的に構成されている。これにより、発光素子アレイユニット1A、B、1Cもこれら全体が一体的な構成となっている。
この一体的な構成のうち、接続部材1601Lに固定されている調節板171L(図18(b)参照)についてだけを1点でフレーム60に固定したのが本例である。
この1点での固定についての構成の詳細を図20に示す。図20は、図19における符号Iで示す部分を拡大して示したものであり、若干の形状の相違はあっても図12ないし図14及び図18(a)、(b)におけると同じ機能を有する部材には同じ符号を付してある。なお、図20における部材の主要部の構成は図18(a)、(b)におけるものと対応している。
図20において、調節板171Lには一体に矩形板状のブラケット171Laが設けられていて、このブラケット171Laがフレーム60の裏面に重ねられた上で、段付きねじ80により固定される。ここで、段付きねじ80は、伸張性のばね81及びワッシャー82を介してその軸部80aがフレーム60に形成された丸穴80hと嵌合挿通されて、先端ねじ部がブラケット171Laに螺入されている。ばねの弾性によりブラケット171Laはフレーム60に固定されることになる。
発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを通じて、フレーム60に対するA方向の固定箇所は、この段付きねじ80だけの1点であり、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは図19において、符号II、III、IVでそれぞれ示す3箇所でフレーム60に対し補助支持手段により可動状に支持されているにすぎない。
このように、発光素子アレイユニット1A、1B、1C及びその付帯部材、副走査調節手段、ピント調節手段等を含めた一体的な構成全体を1点でフレーム60に固定することにより、これら構成部材の熱膨張、熱収縮に伴う変形による発光素子アレイユニットの書き込み精度が低下することを防止して、書き込み精度の高い光書き込み装置とすることができる。
第1の補助支持手段は、図19における符号IIで示す箇所に設けられている。この補助支持手段について拡大して示した図21は若干の形状の相違はあっても図12ないし図14及び図18(a)、(b)におけると同じ機能を有する部材には同じ符号を付してある。なお、図21における部材の主要部の構成は図18(a)、(b)におけるものと対応している。
図21において、調節板171Rには一体に矩形板状のブラケット171Raが設けられていて、このブラケット171Raがフレーム60の裏面に重ねられた上で、段付きねじ80'により固定される。ここで、段付きねじ80'は、伸張性のばね81'及びワッシャー82'を介してその軸部80a'がフレーム60に形成された矢視A方向と平行な長穴80h'と嵌合挿通されて、先端ねじ部がブラケット171Raに螺入されている。ばねの弾性によりブラケット171Raはフレーム60に矢視A方向に可動に支持されることになる。段付きねじ80'による長穴80'を介してのフレーム60に対する支持部分の構成は、第1の補助支持手段181を構成する。
このように、補助支持手段を設けることにより、発光素子アレイユニット1A、1B、1C全体はフレーム60に対し安定して保持され、書き込み精度を安定させることができる。
第2の補助支持手段182は、図19における符号IIIで示す箇所に設けられている。この補助支持手段について拡大して示した図22は図19におけるG−G矢視断面を示したものであり、若干の形状の相違はあっても図12ないし図14におけると同じ機能を有する部材には同じ符号を付してある。
図22において、発光素子アレイユニット1Cにおける矢視A方向の端部において筐体4cと基板2cとを保持している板ばね31には、緊縮性のぱね83の一端側が掛けられ、このばね83の他端側はフレーム60の壁部に植設されたピン84に掛けられている。
ばね83が掛けられた板ばね31に近接した部位において、筐体4cの上面に対向するフレーム60の部位には調節ねじ85が螺入されていてその先端部が筐体4cの上面に当接している。
ばね83が掛けられた板ばね31に近接した部位において、筐体4cの側面に対向するようにフレーム60の一部が切り起こされていて、この切り起こしの部位には、調節ねじ85、86が螺入されていてその先端部が筐体4cの側面に当接している。
図22を矢視B方向から見たのが図23であり、図23において、ばね83により引かれる力を調節ねじ85と調節ねじ86とが受けて、安定的に発光素子アレイユニット1Cを支持している。調節ねじ85をまわすことにより発光素子アレイユニット1Cの一端側をピント方向に、調節ねじ86をまわすことにより発光素子アレイユニット1Cの一端側を副走査方向Eにそれぞれ、微調整することができる。フレーム60の上方は開放されているので、調整ねじ85による調節は容易であり、フレーム60の調節ねじ86に対応する部位は切り欠かれているので、調節ねじ86による調節も容易である。
これら調節ねじ85、86による調節は、副走査調節手段F1C1やピント調節手段P1C1による調節に応じて行なう。ばね83及び調節ねじ85、86は第2の補助支持手段182の主要部を構成している。第2の補助支持手段182では、ばね83の弾性力を調節ねじ85、86の先端部で受けて筐体4cを支持しているのであるから、発光素子アレイユニット1Cはフロート状に支持されていることになり、基板及び付帯部材の矢視A方向の移動を拘束せず、熱膨張、熱収縮により矢視A方向に筐体4cが変位しても無理な応力がかからない。
第3の補助支持手段183は、図19における符号IVで示す箇所に設けられている。この第3の補助支持手段183について拡大して示した図24は図22におけると同じ機能を有する部材には同じ符号に「'」を付してある。
各補助支持手段は、矢視A方向に可動、副走査方向に位置調整可能であるので、熱膨張、熱収縮に伴う変形による書き込み精度の低下を防止し、副走査方向での書き込み位置については副走査調節手段による調節に応じて調節可能である。
図24において、発光素子アレイユニット1Aにおける矢視A方向の端部において筐体4aと基板2aとを保持している板ばね31には、緊縮性のぱね83'の一端側が掛けられ、このばね83'の他端側はフレーム60の壁部に植設されたピン84'に掛けられている。
ばね83'が掛けられた板ばね31に近接した部位において、筐体4aの上面に対向するフレーム60の部位には調節ねじ85'が螺入されていてその先端部が筐体4aの上面に当接している。
ばね83'が掛けられた板ばね31に近接した部位において、筐体4aの側面に対向するようにフレーム60の一部が切り起こされていて、この切り起こしの部位には、調節ねじ85'、86'が螺入されていてその先端部が筐体4aの側面に当接している。
これらばね83'、調節ねじ85'、86'の配置関係は、前記図23で示した図におけるばね83、調節ねじ85、86の配置関係と全く同じである。これら調節ねじ85'、86'による調節は、副走査調節手段F1A1やピント調節手段P1A1による調節に応じて行なう。
第3の補助支持手段183では、ばね83'の弾性力を調節ねじ85'、86'の先端部で受けて筐体4aを支持しているのであるから、発光素子アレイユニット1Aはフロート状に支持されていることになり、基板及び付帯部材は熱膨張、熱収縮により矢視A方向に筐体4aが変位しても無理な応力がかからない。
このように、基板を補助支持手段により共通支持部材に支持するので、基板及びその付帯部材、ピント調節手段、副走査調節手段等の全体構成は不動部材に対し安定して保持され、書き込み精度を安定させることができる。
図19において、フレーム60の矢視A方向での一端側は煩雑を避けるため途中で切断されているが、この切断面100Aには図25に示す切断面100aでつながる延長部分がある。この延長部分はフレーム60の一部であり、該延長部分とフレーム60を取り付ける部材である被取り付け部材130との間には取り付け手段102が構成されている。取り付け手段102はフレーム60の一端側を被取り付け部材130に取り付けると共に前記ピント合わせ方向に進退調節することのできる調節機能を備えている。被取り付け部材130は、例えば、画像形成装置本体の対向する2つの側板として構成される。
図25においてフレーム60の、基板2a、2b、2c等と対向する面の端部は外側に直角に折り曲げられて折曲部110を形成し、この折曲部110にはピント調節方向に長さを有するU字状の逆U字溝111が形成されている。
フレーム60の、前記ピン84が植設された壁部の延長端部は内側に直角に折曲されて折曲部112が形成されている。この折曲部112にはブラケット140が、穴142を経てねじ穴に螺入される段付ねじ141により枢着されている。この枢着状態でブラケット141は折曲部110に面同士で接触している。
ブラケット140の被取り付け部材130と対向する面にはピン143が植設されていて、このピン143は、被取り付け部材130に形成されたU字状をしたU字溝131に嵌合されている。
被取り付け部材130の、ブラケット140と対向する面にはピン132が植設されていて、このピン132は、折曲部110に設けられた逆U字溝111に嵌合している。
ブラケット140の折曲部144はフレーム60の平坦部と対向する位置関係にある。折曲部144には調節ねじ150の径よりも十分大きい穴144aが形成され、またこの穴144aと対向するフレーム60の平坦部にはねじ穴60aが形成されている。調節ねじ150は穴144aを経てねじ穴60aに螺入されている。
ブラケット140には、穴142を中心とする円弧状の長穴145が形成されていて、この長穴145を挿通して折曲部110のねじ穴114に螺入されるロックねじ160によりブラケット144はフレーム60に固定することができる。以上が取り付け手段102の構成である。
図19において、フレーム60の矢視A方向での他端側は煩雑を避けるため途中で切断されているが、この切断面100Bには図25に示す切断面100bでつながる延長部分がある。この延長部分はフレーム60の一部であり、該延長部分とフレーム60を取り付ける部材である被取り付け部材130との間には取り付け手段102'が構成されている。取り付け手段102'はフレーム60の他端側を被取り付け部材130に取り付けると共に前記ピント合わせ方向に進退調節することのできる調節機能を備えている。取り付け手段102'の構成は取り付け手段102と対称の構成を有するだけで機能的に同じ部材から成り立っているので、前記した取り付け手段102における部材に対応する部材に「'」符号を付し、構成の説明に代える。
図25の矢視B方向からみた取り付け手段102、102'を示した図26において、U字溝131(131')の中心とピン132(132')の中心を結ぶ線は感光体ドラム10の軸線を通る線D−D上にある。フレーム60には発光素子アレイユニット1A、1B、1C等が支持されているので重量があり、この重量は、ねじ141(141')及び調節ねじ150(150')を介して連結されているブラケット140(140')にかかり、このブラケット140(140')を介してピン143(143')がU字溝131(131')の溝底に当接することにより支持されている。
ロックねじ160(160')を緩め、調節ねじ150(150)が右ねじの場合これを締めつけ方向に回すと、ピン143(143')を中心にしてブラケット140(140')が時計まわりの向きに回動すると共に、フレーム60(光書き込み装置90)がねじ141を中心に反時計まわりの向きに回動し、フレーム60は逆U字溝111(111')に沿って上昇し、距離dは小さくなる。調節ねじ150(150)を緩め方向にまわせば、上記逆にフレーム60を下降させることができる。
このように、調節ねじ150をまわすことによりフレーム60(光書き込み装置90)の一端側を、また、調節ねじ150'をまわすことによりフレーム60(光書き込み装置90)の他端側をそれぞれピント合わせ方向に調節することができる。
本例では、発光素子アレイユニット1Bをピント合わせ方向の調節対象とする。この調節を終えたら、ロックねじ160(160')で固定し、調節状態を保持する。その後、発光素子の並び方向で隣接する他方の基板にかかる発光素子アレイユニット1C、1Aについてピント調節手段P1C1、P1A1によりピント合わせ方向の位置決めをする。
こうして、画像形成装置において、短尺の基板だけを用いて実質的に1つの基板を構成した光源部を有する発光素子アレイユニットを用いた光書き込み装置について、ピント合わせ方向の位置決めを行なうことができる。
なお、ピント合わせに際して、フレーム60は副走査方向にずれるので、ピント合わせ後、このずれに合わせて、発光素子の並び方向で隣接する他方の基板にかかる発光素子アレイユニット1C、1Aについて副走査調節手段F1C1、F1A1により発光素子アレイユニット1Bの書き込みラインと平行になるように調節すればよい。
本例の取り付け手段は、本明細書で説明した他の例における発光素子アレイユニットを含む光書き込み装置についても同様に適用することができる。
このように、共通支持部材60の一端側、他端側についてピント合わせ方向に調節できる取り付け手段102、102'を設けたことにより、光書き込み装置90を画像形成装置に取り付けることができると共に、ピント調節手段及び副走査調節手段の調節と合わせて、発光素子の並び方向に隣接する一方の基板と他方の基板の全てについて、ピント調節方向の書き込み位置の調節を容易に行なうことができるし、さらに、副走査調節方向の書き込み位置の調節を容易に行なうことができる。
3−e.
前記図18(a)、(b)で説明したように、前記3−b.実施の形態例2、3−c.
実施の形態例3における例では、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを含む光書き
込み装置全体を動かすなどして、発光素子アレイユニット1Bについてピント調節方向、
副走査方向での書き込み位置等を調節した後で、副走査調節手段F1C1(F1A1)に
より発光素子アレイユニット1A、1Cについて個別に副走査方向での書き込み位置の調
節を行ない、また、ピント調節手段P1C1(P1A1)により発光素子アレイユニット
1A、1Cについて個別にピント調節を行なうことができる。
しかし、仮に、副走査調節手段F1C1(F1A1)やピント調節手段P1C1(P1A1)による調節をした後で、発光素子アレイユニット1Bについて調節が不完全であることが判明した場合には、再度、発光素子アレイユニット1Bについての副走査方向での書き込み位置の調節からやり直さなければならないという問題がある。
そこで本例では、発光素子アレイユニット1A、1Cばかりでなく、発光素子アレイユニット1Bについても、独立して副走査方向での書き込み位置及びピント調節を可能とした。
本例は図27(b)に示すように、前記3−b.実施の形態例2、3−c.実施の形態例3で説明したと同じ構成のピント調節手段及び副走査調節手段を、一方の基板2aと他方の基板2bとの中点を通る線D−Dを対称軸として、左右に設けた。
図27(a)、(b)により説明する。
発光素子アレイユニット1Cの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段F1C1及び発光素子アレイユニット1Aの副走査方向での書き込み位置を調節する副走査調節手段F1A1については、前記図18(a)、(b)において説明した構成と基本的には同じである。よって、図18(a)、(b)におけるものと同じ構成部分については同じ符号を付し説明は省略する。
前記図18(a)、(b)における構成と異なる点は、調節板171R(171L)に代えて、T字状の調節板1701R(1701L)を設けたこと、調節板1701R(1701L)に対する接続部材16001R(16001L)の固定位置を線D−D上のねじ32R(32L)で止められた位置としたことである。
発光素子アレイユニット1Bのピント調節手段は、矢視A方向の右端部と左端部にそれぞれ設けられている。右端部に設けられたピント調節手段P1BR1は、図27(a)、(b)において、基板2bにスペーサ14R'を固定し、スペーサ14R'をねじ520'で接続部材16001Rに固定し、基板2bの部位で接続部材16001Rと調節板1701Rとの間隔を広狭調節する第3外力手段としてのねじ1900R'を具備した構成とし、左端部に設けられたピント調節手段P1BL1は、図27(a)、(b)において、基板2bにスペーサ14L'を固定し、スペーサ14L'をねじ50'で接続部材16001Lに固定し、基板2bの部位で接続部材16001Lと調節板1701Lとの間隔を広狭調節する第3外力手段としてのねじ1900L'を具備した構成としている。
発光素子アレイユニット1Bの副走査調節手段は、矢視A方向の右端部と左端部にそれぞれ設けられている。右端部に設けられた副走査調節手段F1BR1は、第3外力手段としてのねじ1900R'の一部(先端部)を支点として接続部材16001Rの基板2b側の端部に外力を作用させて接続部材16001Rと調節板1701Rとの間隔を広狭調節する第4外力手段としてのねじ390R'を具備した構成とし、左端部に設けられた副走査調節手段F1BL1は、第3外力手段としてのねじ1900L'の一部(先端部)を支点として接続部材16001Lの基板2b側の端部に外力を作用させて接続部材16001Lと調節板1701Lとの間隔を広狭調節する第4外力手段としてのねじ390L'を具備した構成としている。上記において、調節板16001R、16001Lのうち、
何れか一つは不動部材に固定され、他は可動状に支持されている。
このように、線D−Dを対称軸として右に、ピント調節手段P1C1と副走査調節手段F1C1の組、左に、ピント調節手段P1BR1と副走査調節手段F1BR1の組が設けられ、また、線D−Dを対称軸として右に、ピント調節手段P1A1と副走査調節手段F1A1の組、左に、ピント調節手段P1BR1と副走査調節手段F1BR1の組が設けられている。
本例においては、副走査方向の書き込み位置の調節については、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2c、2aを副走査調節手段F1C1、F1A1により、他方の基板2Bについては副走査調節手段F1BR1、F1BL1により調節することができる。また、ピント調節については、発光素子の並び方向で隣接する一方の基板2c、2aをピント調節手段P1C1、P1A1により、他方の基板2Bについては副走査調節手段P1BR1、P1BL1により調節することができる。
このように副走査方向での書き込み位置及びピント調節を全ての各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cについて個別に調節することができるので、書き込み位置を合わせることが極めて容易となる。
3−f.実施の形態例6:
前記図11(a)、(b)における接続部材16R(16L)と調節板17R(17L)との間隔を広狭調節する外力手段としての調節ねじ19R(19L)、前記図15(a)、(b)における接続部材160R(160L)と調節板170R(170L)との間隔を広狭調節する外力手段としての調節ねじ19R(19L)、19R'(19L')、図16(a)、(b)における接続部材1600R(1600L)と調節板170R(170L)との間隔を広狭調節する外力手段としての調節ねじ39R(39L)、図17(a)、(b)における接続部材16000R(16000L)と調節板1700R(1700L)との間隔を広狭調節する外力手段としての調節ねじ39R(39L)、39R'(39L')、図18(a)、(b)における接続部材1601R(1601L)と調節板171R(171L)との間隔を広狭調節する外力手段としてのねじ390R(390L)、39R'(39L')、1900R(1900L)、図27(a)、(b)における接続部材16001R(16001L)と調節板1701R(1701L)との間隔を広狭調節する外力手段としてのねじ390R(390L)、390R'(390L')、1900R(1900L)、1900R'(1900L')は、何れもねじ手段として構成されており、回転量に応じて微少量の変位を調節板に与えて、調整量が微少量であるピント調整や、副走査方向での書き込み量の調整を精密に行なうことができる。
[4]第4の実施の形態
上述した各実施の形態例における光書き込み装置では、例えば、感光体に400dpiの解像度で静電潜像を書き込むには、感光体に対する発光素子アレイユニットの各発光素子からの照射光のドットピッチを63.5μm程度にすればよいが、通常、そのドットピッチ誤差を5μm程度以下にしないと、感光体上に縦方向の黒すじ画像や白すじ画像が生じたり、画像中で線のずれが発生したりしてしまうので、各発光素子アレイユニットの継ぎ目で両書き込み範囲のドットピッチ誤差が5μm以下に納まるようにつなげなければならない。
しかし、各発光素子アレイユニットの継ぎ目で両書き込み範囲のドットピッチ誤差を5μm以下におさめることは、技術的に難しく、光書き込み装置に上記両書き込み範囲のドットピッチ誤差を5μm以下に納めるための調整機構を設けるようにすると、装置の製造コストがアップしてしまうという新たな問題が生じてしまう。
この実施の形態では、上記の課題を解決し、感光体の主走査方向へ複数個の発光素子アレイユニットを高精度に位置決めして配置しなくても、なお且つ各発光素子アレイユニットの継ぎ目部での発光素子のドットピッチ誤差を調整するための高コストな機構を設けなくても、感光体への書き込み画像に黒すじ,白すじ,及び線のずれなどの不具合が発生しないようにする。
このため光書き込み装置は、[6]第6の実施の形態で説明する制御部602を設けている。この制御部602はCPU,ROM,及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって構成され、各発光素子アレイユニットに列設された発光素子の発光制御、その照射光によって感光体ドラム1を露光して静電潜像を書き込む際に、各発光素子アレイユニット毎に書き込み時間に差をもたせる書き込み時間遅延処理を行なうと共に、この発明に関わる発光量補正処理、書き込み範囲シフト処理などを実行し、発光素子アレイユニットの継ぎ目に位置する発光素子の発光量や発光時間、各発光素子の発光領域等の制御を行なうようにしている。
この制御部602は、発光量補正処理のみ行なうケース(ケースI)、発光素子の発光領域を制御する書き込み範囲シフト処理のみ行なうケース(ケースII)、前記発光量補正処理及び書き込み範囲シフト処理を行なうケース(ケースIII)の3ケースのうち、何れのケースを行なうこともできる。
以下、各ケース毎に説明する。
1.ケースI
本例は、制御部602が各発光素子アレイユニットの継ぎ目で感光体に対する主走査方向の露光量が均一になるように該継ぎ目部に位置する発光素子の発光量を補正する発光量補正手段を具備した例であり、発光量補正手段を設けたことにより、以下に説明するように、感光体の主走査方向へ複数個の発光素子アレイユニットを高精度に位置決めして配置しなくても、なお且つ各発光素子アレイユニットの継ぎ目部の発光素子のドットピッチ誤差を調整するための高コストな機構を設けなくても、感光体への書き込み画像に黒すじ、白すじ、及び線のずれなどの不具合が発生しないようにすることができる。
このケースを適用することができる光書き込み装置は、図5において、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの一部である発光素子を列設した基板2a、2b、2cを有する。これら基板2b、2cの端部を接続部材3Bによって接続している。また、基板2aと2bの端部を接続部材3Aによって接続している。これら基板2a、2b、2cにおける発光素子の列設方向である矢視A方向を感光体ドラム10の主走査方向と平行となるように配置している。
図5に示した感光体ドラム10の発光素子アレイユニット1Bと1Cとの継ぎ目、厳密には基板2bと基板2cの継ぎ目部からの照射光の感光体ドラム10上(図中に丸く囲んで示したKの部分)でのドット配列を拡大して模式的に図28(a)、(b)に楕円形状の配列で示す。黒く塗りつぶした楕円形状が感光体上に照射されたドットであり、白抜きの楕円は現時点では照射されていないが照射が想定されるドットである。
この発光素子アレイユニットによる書き込み装置は各基板の継ぎ目部で各発光素子アレイユニット間で発光素子アレイ同士が副走査方向からみて重なるように配列しているが、通常の精度で製造した場合、接続部材3Aと3Bや発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを構成する部品寸法誤差等の要因によって、この重なり部で、最大で各発光素子間のピッチP1未満の位相ずれが生じてしまう。
この位相ずれには、各書き込み範囲の端部同士が矢視A方向で離間している場合と重複している場合の2つの場合があり、発光量補正手段による補正の操作も異なる。
書き込み範囲の端部とは、各ドット配列のうち、継ぎ目側の端部に相当するドットの中心線の位置をいい、ドットの輪郭の端部を意味しない。従って、各書き込み範囲が重なるとは、各書き込み範囲の端部に相当する各ドットの中心線同士が合致した状態及び中心線同士が合致した状態からさらに各書き込み範囲の各端部のドットの重なりの度合いが大きくなっている場合をいう。ドットの輪郭同士が重なっても各書き込み範囲の端部の一方のドット中心が他方のドット中心と合致するか、さらに書き込み範囲の奥側に入り込まない限り、書き込み範囲が重なっているとはいわないものとする。以下の例でも同様である。
以下、これら2つの場合のそれぞれについて説明する。
ケースI−1.
発光素子アレイユニット1Bと1Cの継ぎ目部(厳密には基板2bと2cとの継ぎ目、以下同じ)において、各発光素子アレイユニット1Bと1Cによる各書き込み範囲(両書き込み範囲ともいう)の端部同士が主走査方向でもある矢視A方向上で離間している場合である。
つまり、図28(a)に示すように、継ぎ目部に位置する各発光素子からの照射光が当たる感光体ドラム10上の書き込み切り替わり部で、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲中、該継ぎ目部側の端部に対応する発光素子からの照射光のドットD5と、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の中、前記継ぎ目部側の端部に対応する発光素子からの照射光のドットD6の中心同士の間隔であるピッチP2(実間隔という)が、発光素子アレイユニット1B、1Cにおいて隣接する2つの発光素子からの照射光の中心同士の間隔であるドットピッチP1(基準間隔という)よりも大きい場合である。これは各発光素子アレイユニット1B、1Cにおける発光素子の発光範囲が継ぎ目部で重ならない状態である。
このままの状態で発光素子アレイユニット1Bと1Cを発光させて感光体ドラム10上にベタ画像や、特にハーフトーンのベタ画像の書き込みを行なうと、感光体ドラム10上では図28(a)に示したドットピッチP2(実間隔)に相当する部分の照射光量がその両側近傍に比べて不足してしまう。
図29(a)は、感光体ドラム10上の発光素子アレイユニット1Bと1Cの継ぎ目部に対応する部分での主走査方向の位置と照射光量との関係を示す線図であり、前記例のように、実間隔P2が基準間隔P1よりも大きい場合は、符号P2'で示すように図28(a)の実間隔P2に相当する部位では感光体ドラム10上照射光量が大幅に減少し、その部分では十分に露光しなくなって白スジ画像になってしまう。
本例の光書き込み装置では、制御部602に発光量補正手段を設けることで、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを接続部材3Aと3Bで接続した後、各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを発光させて感光体ドラム10上に光を照射し、各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの継ぎ目部(厳密には基板2a、2b、2c相互の継ぎ目部)に対応する感光体ドラム10上の書き込み切り替わり部での各照射光のドット間隔を測定し、又は実際の画像を出力し、その結果に基づいて書き込み切り替わり部に対応する各発光素子アレイユニットの継ぎ目部に位置する発光素子の発光量を補正する。
つまり図28(a)に示すように感光体ドラム10上の照射光のドットピッチがP2>P1の場合、制御部602の発光量補正手段により、継ぎ目部で接続された一方の発光素子アレイユニット1Cの書き込み領域の最端部に位置する発光素子の発光量を増加させるように調整して感光体ドラム10への照射光量を多くする。すると、感光体ドラム10上では十分な照射光量を得ることができ、白スジ画像を解消することができる。
本例における補正の結果を図30(a)に示す。図30(a)は、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み領域の継ぎ目部側の最端部に対応する発光素子の発光量を増加させたときの感光体ドラム10上の主走査方向の位置と照射光量との関係を示す線図であり、図中の範囲P2"で示すように、基板2bと2cの継ぎ目部に対応する感光体ドラム10上の照射光量を増すことにより、その書き込み切り替わり部近傍の照射光量が他の部分と略同等になるので白スジ画像の発生が無くなっている。本例では、少なくとも一方の発光素子の発光量を増加することで、十分な補正効果をあげ白スジ画像を解消することができる。
ケースI−2.
発光素子アレイユニット1Bと1Cの継ぎ目部(厳密には基板2bと2cとの継ぎ目、以下同じ)において、各発光素子アレイユニット1Bと1Cの両書き込み範囲同士が矢視A方向上で重なり合う場合である。図28(b)出説明すると、継ぎ目部に位置する各発光素子からの照射光が当たる感光体ドラム10上の書き込み切り替わり部で、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の継ぎ目側の端部に対応する発光素子からの照射光のドットD5の中心と、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の継ぎ目側の端部に対応する発光素子からの照射光のドットD6の中心同士の間隔(実間隔)P3が発光素子アレイユニット1B、1C中、任意の発光素子アレイユニットにおいて隣接する2つの発光素子の間隔P1(基準間隔)よりも小さい場合である。
このように、実間隔P3が基準間隔P1よりも小さい場合、図29(b)に示すように、実間隔P3に相当する範囲P3"近傍の照射光量が他の部分に比べて大幅に増加している。
このままの状態で発光素子アレイユニット1Bと1Cを発光させて感光体ドラム10上にベタ画像や、特にハーフトーンのベタ画像の書き込みを行なうと、感光体ドラム10上では図28(b)に示した実間隔P3の部分に相当する部分の照射光量がその両側近傍に比べて過剰となり、その部分では感光体ドラム10上の露光量が過剰になって黒スジとして現われてしまう。
そこで、図28(b)において、実間隔P3<基準間隔P1の場合、発光量補正手段により、継ぎ目部で接続された任意の一方例えば、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み領域の継ぎ目部側の最端部に対応する発光素子D5の発光量を減少させるように調整する。これにより、図29(b)において発光量が部分的に増加していた範囲P3'部において、図30(b)に示すように増加していたドット部位に隣接するドット部位の感光体ドラム10への照射光量を少なくなり、感光体ドラム10上で主走査方向に均一な照射光量を得ることができ、黒スジ画像を解消することができる。
通常、発光素子はパワーの上限近傍で使用するため、本例のように発光素子の発光量を減少させる方向に制御する方が、増加する場合に比べて供給電力を小さくすることで足りるため比較的容易に実施可能である。
上記ケースI−1、I−2の例では、継ぎ目部で接続された一方の発光素子アレイユニット1Cについての書き込み範囲の端部に対応するの発光素子の発光量を増減させる調整処理の場合を示したが、もう一方の発光素子アレイユニット1Bについての書き込み範囲端部ドットD6に対応する発光素子の発光量を増減させるように調整してもよいし、発光素子アレイユニット1Bと1Cの各書き込み範囲での継ぎ目部側の端部のドットD5、D6に相当する発光素子の発光量を増減させるように調整しても勿論よい。継ぎ目部で接続された両方の発光素子アレイユニットについて発光素子の発光量を調整することなく、少なくとも一方の発光素子の発光量を調整するだけで、簡単に十分な補正効果をあげ白スジ画像、黒スジ画像を解消することができる。
上述した光書き込み装置においては、発光量補正手段を設けたことにより複数の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cをつないで感光体ドラム10の主走査方向に沿って配置する際、各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cや接続部材3Aと3Bを高精度に製造せずに済み、さらに複雑な調整機構も必要が無く、感光体ドラム10上に白スジ画像、黒スジ画像、線のずれなどの無い良好な画像を書き込むことが出来る。
感光体の主走査方向へ複数個の発光素子アレイユニットを高精度に位置決めして配置しなくても、なお且つ各発光素子アレイユニットの継ぎ目部の発光素子のドットピッチ誤差を調整するための高コストな機構を設けなくても、感光体への書き込み画像に黒スジ、白スジ及び線のずれなどの不具合が発生しないようにすることができる。本例では、少なくとも一方の発光素子の発光量を減少するだけで、簡単に十分な補正効果をあげ黒スジ画像を解消することができる。
2.ケースII
ケースII−1.
光書き込み装置において、各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの継ぎ目部における接続精度が上述した場合よりも悪く、継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニット1Bと1C、又は各発光素子アレイユニット1Cと1Aによる各書き込み範囲の端部に対応する発光素子による照射光のドット中心間隔である実間隔が隣接する2つの発光素子の間隔である基準間隔の2倍を超え、又は、各発光素子アレイユニットによる書き込み範囲同士がアレイの並び方向で重なるときは、上述の実施形態で示した手段では感光体ドラム10上の白スジ画像、黒スジ画像、線のずれなどの発生を防止することが難しくなる。
例えば、図31では、発光素子アレイユニット1Bの書き込み範囲と発光素子アレイユニット1Cの書き込み範囲が離間していて、かつ、発光素子アレイユニット1Bについての書き込み範囲端部のドットD7と、発光素子アレイユニット1Cについての書き込み範囲の端部のドットD8の中心同士の間隔である実間隔Jが基準間隔P1の2倍を超えていて、両書き込み範囲の間に3〜4ドット分の隙間があいている。この場合、実間隔Jで画像の書き込みができなくなり、感光体ドラム10上に大きな白スジ画像が発生する。また、上記隙間の間隔がさらに大きい場合は線のずれなどの異常画像が生じてしまう。
本例では、[6]第6の実施の形態で説明する制御部602に付加した書き込み範囲シフト手段の制御により、両書き込み範囲が離間し、かつ、実間隔Jが基準間隔P1の2倍未満となるように、例えば、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の継ぎ目部側の端部において発光させる発光素子を3ドット、又は4ドット分だけ増やし、発光素子アレイユニット1Bの書き込み範囲を3ドット分だけ発光素子アレイユニット1C側へシフトさせ書き込むように調整する。このように、発光させる発光素子の領域をずらす操作をシフトすると称し、書き込み範囲シフト手段により実行する。
ケースII−2.
これと逆に、図32に示すように、発光素子アレイユニット1Bと1Cの継ぎ目部において、その両書き込み範囲が符号Rで示す範囲で2〜3ドット分のオーバーラップを生じると、感光体ドラム10上の該当する範囲Rで画像の書き込みが2重になり、黒スジ画像が発生する。また、オーバーラップ部分が大きい場合は線のずれなどの異常画像が生じてしまう。
そこで、[6]第6の実施の形態で説明する制御部602の書き込み範囲シフト手段の制御により、例えば発光素子アレイユニット1Bの端部において発光させる発光素子を3ドット分だけ減らし、発光素子アレイユニット1Bの書き込み範囲を3ドット分だけ発光素子アレイユニット1Cとは反対側へシフトさせて書き込むように調整する。
3.ケースIII
前記ケースIIにおいて書き込み範囲シフト手段のみによるシフト操作を行なっても、隣接する発光素子アレイユニット同士で発光素子間の位相ずれがあり、また、製造誤差などがあるため、残余のずれが存在する場合がある。
そこで、継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニットによる各書き込み範囲端部に位置する発光素子同士の実間隔と発光素子の基準間隔との間にずれがある場合に、書き込み範囲シフト手段により各発光素子アレイユニットの少なくとも一方による書き込み範囲を発光素子単位でシフトさせることによりずれの量を狭めた後、さらに残余のずれがあるときに、この残余のずれによる感光体での露光量の不均一が解消されるように、発光量補正手段により継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニットの少なくとも一方の端部に位置する発光素子の発光量を変えることにより調節するのが本例である。
本例では、制御部602は書き込み範囲シフト手段と発光量補正手段とを具備した構成とする。
以下、表1及び図33に基き、前記各ケースI、II、IIIについて、内容を整理しつつ、説明を補足する。
図33は、前記図28、図31、図33におけるドット配列を模式化して示したものである。図33では、発光素子アレイユニット1Bの書き込み範囲は各ドットを示す楕円を黒く塗りつぶして示す範囲であり、発光素子の並び方向A(主走査方向)と平行な走査ラインO1−O1上に基準間隔P1のピッチで多数のドットが並んでいる。この書き込み範囲の継ぎ目側の端部(右端)はドットD9であり、以下の説明でシフトすることなく不変である。
発光素子アレイユニット1Cについては、各ケースについて書き込み範囲が異なるため煩雑さを避けるため書き込み範囲としてのドットを明示することはせず、書き込み範囲となり得る範囲だけを、発光素子アレイユニット1Cの走査ラインO2−O2上に<1>〜<7>の各範囲に区分して示した。この書き込み範囲は右方に長さを有する。
ドットD9の中心を通り主走査方向Aと直交するラインY−Yの部位が継ぎ目部に相当し、このラインY−Y走査ラインO2−O2と交差する位置を<2>とする。走査ラインO2−O2上であって、位置<2>よりも左方の領域を位置<1>とする。同様に、位置<2>から右方に基準間隔の位置を<4>、基準間隔の2倍の位置を<6>とする。位置<6>よりも右方を位置<7>とし、位置<2>と位置<4>の間の位置を<3>、位置<4>と位置<6>の間の位置を<5>とする。
発光素子アレイユニット1Cについて継ぎ目側の書き込み範囲の端部とは常にドットの中心位置で考えるものとする。端部が位置<4>にあれば、基準間隔と実間隔が合致しており適正であり、感光体上に濃度むらは生じない。発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1Cについて両書き込み範囲が重なるとは発光素子アレイユニット1Bの端部のドット中心が位置<2>と位置<1>を含む範囲の何れかにあることをいう。
発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1Cについて両書き込み範囲が離間するとは、発光素子アレイユニット1Bの端部のドット中心が位置<3>、位置<4>、位置<5>、位置<6>、位置<7>を含む範囲の何れかにあることをいう。
表1及び図33を参照しながら説明する。表1における「現状」とは補正前の状態をいう。狙いの補正範囲とは書き込み範囲シフト手段により書き込み範囲をシフトする際の目標範囲をいう。
表1のケースI−1については既に説明したが、再度まとめてみる。
ケースI−1では制御部602は発光量補正手段を具備することで足りる。現状が、両書き込み範囲が主走査方向で離間し、かつ、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<5>〜位置<7>にあるとき、つまり、実間隔が基準間隔よりも大きいときは、発光量補正手段により該端部或いはドットD9に相当する発光素子の発光量を増す補正操作を行なう。実際には製造後の状態は位置<5>近傍程度に抑えられると思われるので、発光量増加補正により、十分対処でき画像の濃淡を解消することができる。
ケースI−2についても、制御部602は発光量補正手段を具備することで足りる。現状が、両書き込み範囲が主走査方向で離間し、かつ、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<3>にあるとき、つまり、実間隔が基準間隔よりも小さいときは、発光量補正手段により該端部に相当する発光素子の発光量を減少させる補正操作を行なう。発光量減少補正により、画像の濃淡を解消することができる。
ケースII−1では制御部602は書き込み範囲シフト手段を具備することで足りる。現状が、両書き込み範囲が主走査方向で離間し、かつ、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の端部が位置<6>〜位置<7>にあるとき、つまり、実間隔≧基準間隔×2のときは、発光量補正だけでは十分な補正ができない場合であり、書き込み範囲シフト手段により位置<3>〜位置<5>の範囲を狙いの範囲として、発光素子アレイユニット1Cにおける発光素子の発光領域をシフトさせる。この範囲であれば、画像の濃淡として許容できる範囲だからである。
シフト操作により、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の端部が位置<4>にくれば、適正であり問題ない。また、位置<3>或いは位置<5>になったとしても画像の濃淡を容認できる範囲である。
本例では、発光量補正だけでは十分な補正ができないほど両書き込み範囲が離れている場合であっても簡便な書き込み範囲シフト手段によるシフト操作により補正することができる。
ケースII−2では制御部602は書き込み範囲シフト手段を具備することで足りる。現状が、発光素子アレイユニット1Bの端部に発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が重なるとき、つまり、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<1>〜位置<2>にあるときは、発光量補正だけでは十分な補正ができない場合を含んでおり、書き込み範囲シフト手段により両書き込み範囲が離間していて、かつ、実間隔が基準間隔の2倍未満となるように、位置<3>〜位置<5>の範囲を狙いの範囲として、発光素子アレイユニット1Cにおける発光素子の発光領域をシフトさせる。この範囲であれば、画像の濃淡として許容できる範囲だからである。
シフト操作により、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<4>にくれば、適正であり問題ない。また、位置<3>或いは位置<5>になったとしても画像の濃淡を容認できる範囲である。
本例では、発光量補正だけでは十分な補正ができないほど両書き込み範囲が重なっている場合であっても簡便な書き込み範囲シフト手段によるシフト操作により補正することができる。
前記ケースI、ケースIIにおけるように、発光量補正手段のみ、或いは書き込み範囲シフト手段のみでは十分な結果が得られない場合もある。そこで、本例のように、書き込み範囲シフト手段によるシフト操作によりシフトさせたのち、残余のずれがある場合に、発光量補正手段により発光量補正することとした。
ケースIII−1では制御部602は書き込み範囲シフト手段、発光量補正手段を具備する。現状が、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の端部に発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が重なるとき、或いは、実範囲が基準範囲よりも大きいとき、つまり、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<5>〜位置<7>にあるか、又は発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<1>〜位置<2>にあるときは、先ず書き込み範囲シフト手段により、両書き込み範囲が主走査方向で離間し、かつ、実間隔が基準間隔以下となるように、つまり、位置<3>〜位置<4>の範囲を狙いの範囲として、書き込み範囲シフト手段により発光素子アレイユニット1Cにおける発光素子の発光領域をシフトさせる。
書き込み範囲シフト手段のシフト操作により、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<4>にくれば、適正であり問題ない。また、位置<3>になったとしても発光量補正手段により、発光素子アレイユニット1Cの端部に相当する発光素子の発光量を増加する補正により画像の濃淡を生じない良好な状態に補正することができる。
ケースIII−2では制御部602は書き込み範囲シフト手段、発光量補正手段を具備する。現状が、実間隔が基準間隔の2倍以上のとき、又は、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲の端部に発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が重なるとき、又は、実間隔が基準間隔未満のとき、つまり、発光素子アレイユニット1Bの端部が位置<6>〜位置<7>にあるとき、又は位置<1>〜位置<2>にあるとき、又は位置<3>にあるときは、先ず書き込み範囲シフト手段により、発光素子アレイユニット1Cの端部が、基準間隔×2≧実間隔>基準間隔の範囲、つまり、位置<5>〜位置<6>の範囲に位置するように、シフト操作を行なう。
かかるシフト操作により、発光素子アレイユニット1Cの端部が位置<4>になれば適正でありそれ以上の補正は不要である。位置<5>、位置<6>の何れになったとしても発光量補正手段により、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部に相当する発光素子の発光量を増加する補正により画像の濃淡を生じない状態に補正することができる。
ケースIII−3では制御部602は書き込み範囲シフト手段、発光量補正手段を具備する。現状が、発光素子アレイユニット1Bによる書き込み範囲に発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲が重なるとき、或いは、実範囲が基準範囲の2倍以上のとき、つまり、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<1>〜位置<2>にあるか、又は発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<6>〜位置<7>にあるときは、先ず書き込み範囲シフト手段により、両書き込み範囲が主走査方向で離間し、かつ、実間隔が基準間隔の2倍未満となるように、つまり、位置<3>〜位置<5>の範囲を狙いの範囲として、書き込み範囲シフト手段により発光素子アレイユニット1Cにおける発光素子の発光領域をシフトさせる。
書き込み範囲シフト手段のシフト操作により、発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部が位置<4>になれば、適正でありそれ以上の補正は必要ない。実間隔<基準間隔の関係、つまり発光素子アレイユニット1Bの端部が位置<3>なら発光量補正手段により発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部に相当する発光素子の発光量を減少する補正により画像の濃淡を生じない状態に補正することができる。上記と逆に実間隔<基準間隔で、位置<5>なら発光量補正手段により発光素子アレイユニット1Cによる書き込み範囲の端部に相当する発光素子の発光量を増加する補正により画像の濃淡を生じない状態に補正することができる。
前記各ケースにおいて、ケースI−1では、発光量補正手段の機能が発光量増加機能のみ有するもので構成した場合には、発光素子アレイユニットの継ぎ目における精度を現状欄に記載したように、両書き込み範囲が離れていて、かつ、実間隔>基準間隔に収めることができさえすれば、良好な状態に補正できることとなる。
同様に、ケースI−2では、発光量補正手段の機能が発光量減少機能のみ有するもので構成した場合には、発光素子アレイユニットの継ぎ目における精度を現状欄に記載したように、両書き込み範囲が離れていて、かつ、実間隔<基準間隔に収めることができさえすれば、良好な状態に補正できることとなる。特に、発光量減少による補正は発光レベルを下げるだけでよいので発光量を増加させる例に比べて実施が容易で実現性が高い。ケースII−1、II−2の場合はシフト操作のみで補正することができ、発光量の補正の手段を伴わない点で構成が簡易であり、実施も容易である。
ケースIIIは何れも、発光量補正手段と、書き込み範囲シフト手段を備えた光書き込み装置であるので、製造後、実際に装置を駆動する段階での光書き込み調整において、誤差の状況に応じた柔軟な補正操作が可能となる。
また、各発光素子アレイユニットの継ぎ目で感光体に対する主走査方向の露光量が均一になるように発光素子アレイユニットの継ぎ目部に位置する発光素子の発光状態を調節する操作として、継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニットによる各書き込み範囲について実間隔との間にずれがある場合に、前記各発光素子アレイユニットの少なくとも一方による書き込み範囲を前記発光素子単位でシフトさせることにより前記ずれの量を狭めた後、さらに残余のずれがあるときに、この残余のずれによる前記露光量の不均一が解消されるように、前記継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニットの少なくとも一方の端部に位置する発光素子の発光量を変えることにより調節することができ、シフト操作による補正と発光量を変える補正の2段階補正により各発光素子アレイユニットの継ぎ目部
で感光体に対する主走査方向の露光量を均一とする高度な補正が可能となる。
さらに、ケースIIIのうち、ケースIII−1、III−2は何れも書き込み範囲シフト手段と発光量補正手段を合わせもつ場合であるが、III−1はシフト操作ののち、残余のずれを発光量補正手段の発光量減少機能により補正するという2段階補正により、現状のずれがかなり大きくても高度な補正が可能である。さらに、現状を、両書き込み範囲が重なっていてかつ、実間隔>基準間隔のように意図的に製作し、先ず、書き込み範囲シフト手段により両書き込み範囲が主操作方向で離間していてかつ、実間隔≦基準間隔となるようにシフトさせ、さらに残余のずれがある場合に発光量補正手段により上記残余のずれによる露光量の不均一が解消されるように各発光素子アレイユニットの少なくとも一方の端部に相当する発光素子の発光量を減少補正をすることができ、狙いの補正範囲を発
光量減少補正により補正し得る傾向にシフトさせてから補正するのであるから、確実に精度のよい補正が実現されるとともに、発光素子については発光量減少操作が容易であることから、実施が容易である。
III−2は、シフト操作の後、残余のずれを発光量補正手段の発光量減少増加により補正するという2段階補正により、現状のずれがかなり大きくても高度な補正が可能である。
ケースIII−3の場合は、書き込み範囲シフト手段と発光量補正手段を合わせ有し、発光量補正手段については発光量減少及び増加機能を有するので、現状に広範なずれがあっても、シフトにより狙いの範囲に収め、その後の発光量補正により高度な補正が可能である。
なお、上述の書き込み範囲のシフト処理は、継ぎ目部で接続された各発光素子アレイユニットのいずれか一方の書き込み範囲をシフトさせるようにしても良いし、両方の発光素子アレイユニットの書き込み範囲をそれぞれシフトさせるようにしてもよいが、いずれか一方の書き込み範囲をシフトさせる制御でも実用上は十分に対処でき、両方の発光素子アレイユニットの書き込み範囲をそれぞれシフトさせる場合に比べて制御システムも簡単となる。
ケースI、IIIにおける、発光量補正手段による発光量の補正について前記継ぎ目部側の書き込み範囲の端部に対応する発光素子の照射光量を調整するには、その発光素子の発光パワーを増減させるように調整してもよいし、発光Duty(発光時間)を増減させるように調整してもよい。
発光素子の発光パワーを増減させるように調整する場合には、パワーの変動能力を有する発光素子を用いねばならならず、場合によっては特殊な発光素子を必要とするものの、発光Duty(発光時間)を増減する場合と比べて、発光時間の制御に伴う時間ロスがない。また、発光Duty(発光時間)を増減させるように調整する場合には、発光素子の発光パワーを増減させるように調整する場合と比べて、パワー能力を有する発光素子を用いることなく、通常の発光素子を使用できるので実施が比較的簡便であるが、発光時間の制御に伴う時間ロスがある。
[5]第5の実施の形態
これまで説明した各実施の形態例における発光素子アレイユニットによる光書き込み装置は、以下の図34に説明するデジタル式の画像形成装置の光書き込み装置に適用することができる。
画像形成装置600は、画像形成のための機械的な構成にかかる画像形成部601と、電気的な処理を行なうための構成からなる制御部602とからなり、記憶された情報を転写紙に複写するための一連のプロセスを実行する。画像形成部601は画像の形成を行なうプリンタ機能部分の他に、原稿を読み取って電気的な信号に置きかえる原稿読み取り装置を包含した構成とすることもできるし、該原稿読み取り装置を画像形成部とは別体の装置として構成し読み取った画像信号を回線を通じて制御部602に入力するようにすることもできる。本例では、画像形成部601とは別体の原稿読み取り装置603を設けた例を示している。
画像形成部601は、光書き込み装置90のほか、制御部602に入力を行なう操作手段として、キー入力を可能とする操作装置604を有している。そのほか、画像形成部601は、画像形成のための諸部材を有し、これらの諸部材が駆動されて画像形成にかかる諸プロセスが行なわれる。これら諸部材としては、例えば、後述する感光体10、現像手段440、転写搬送ベルト450等の駆動源が含まれ、これらを一括して駆動装置と称し符号605で示した。
以下、画像形成部601の構成について説明する。図34において、周面に感光体を具備した感光体10のまわりには、矢印で示す時計回りの向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置420、光書き込み装置90を構成する発光素子アレイユニット1B(1B'、1B"、11B)、1C(1A、1A'、1A"、1C'、1C"、11A)が配置され、さらに、現像ローラ440aを具備した現像手段440、記録媒体Pとしての転写紙を保持して搬送する転写搬送ベルト450、感光体ドラム10の周面に摺接するブレード460aを具備したクリーニング装置460などが配置されている。感光体ドラム10上であって帯電装置420と現像ローラ440aとの間の位置には光書き込み装置90からの露光光が走査されるようになっている。
転写搬送ベルト450は無端状のベルトであって、2つの支持ローラ450a、450bに支持されている。これら支持ローラ450a、450bにより支持された転写搬送ベルト450の中間の位置には感光体ドラム10の下面が接している。この接している部位が転写部470であり、この転写部470における転写搬送ベルト450の裏側には転写バイアスを印加する転写手段としての転写ローラ480が設けられている。
転写搬送ベルト450は矢印で示すように反時計回りの向きに回転駆動されるようになっている。該転写搬送ベルト450の上側、ベルト部の上流端のさらに上流側の位置には一対のレジストローラ490が設けられている。このレジストローラ490に向けて、図示しない搬送ガイドに案内されて図示しない給紙トレイに収納された記録媒体Pがコロ500から送り出されるようになっている。転写搬送ベルト450の上側ベルト部の下流端のさらに下流の位置には、定着装置510が配置されている。
転写搬送ベルト450の上側ベルト部の上流端部において該転写搬送ベルト450を支持している支持ローラ450aの上方には、該転写搬送ベルト450に当接するようにして吸着手段としてのブラシローラ2000が矢印で示す時計回りの向きに回転駆動されるようにして設けられている。
ブラシローラ2000が回転すると、ブラシは転写搬送ベルト450に摺接する。このブラシローラ2000には図示しないバイアス印加手段により、記録媒体Pを転写搬送ベルト450に吸着する極性のバイアス電流を印加するための電位が与えられるようになっている。
この画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。
感光体ドラム10が回転を始め、この回転中に感光体が暗中において帯電装置420により均一に帯電され、光書き込み装置からの光が露光部に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は感光体ドラム10の回転により現像装置440に至り、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。
一方、コロ500により給紙トレイ上の記録媒体Pの送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ490の位置で一旦停止し、感光体ドラム10上のトナー像と転写部470で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来するとレジストローラ490に停止していた記録媒体Pはレジストローラ490から送り出される。
レジストローラ490から送り出された記録媒体Pは転写搬送ベルト450とブラシローラ2000との間にくわえられ、バイアスによる静電気力およびブラシの弾性力により押されて転写搬送ベルト450に吸着され、転写搬送ベルト450の移動と共に転写部470に向けて搬送される。
感光体ドラム10上のトナー像と記録媒体Pとは、転写部470で合致し、転写ローラ480により転写搬送ベルト450に印加されたバイアスと感光体との電位差から形成される電界により、トナー像は記録媒体P上に転写される。
こうして感光体ドラム10まわりの画像形成部でトナー像を担持した記録媒体Pは転写搬送ベルト450と共に搬送され、やがて該転写搬送ベルト450の上側部の下流端部で転写搬送ベルト450から分離されて定着装置510に向けて送り出される。記録媒体P上のトナー像は定着装置510を通過する間に当該記録媒体Pに定着されて図示省略の排紙部に排紙される。
一方、転写部470で転写されずに感光体上に残った残留トナーは感光体ドラム10の回転と共にクリーニング装置460に至り、該クリーニング装置460を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
本発明によれば、このような画像形成装置において、短尺の基板だけを用いて実質的に1つの基板を構成した光源部を有する発光素子アレイユニットを用いた光書き込み装置により、他の光書き込み装置、例えばレーザー装置に比べてコンパクトな装置構成により、広幅な画像を書き込むことができ、広幅の記録を可能にする。よって、画像形成装置も広幅画像の形成が可能であるにも拘わらず、コンパクトな構成とすることができる。
なお、本発明における光書き込み装置は、上記構成の画像形成装置に限らず、光書き込みを行ない画像形成を行なう、複写機、プリンター、ファクシミリ、マイクロフィルムリーダプリンター等に広く適用可能である。
これらの画像形成装置では、記録媒体Pとして前記のように給紙トレイ上に規格サイズのカット紙を積載した構成とすることができるほか、ロール状に巻かれたロール紙を用い、このロール紙から引き出された紙を所要の長さに切断して使用する給紙方式を採用することもできる。
[6]第6の実施の形態
図34では、画像形成装置600のうち、機械的な構成である画像形成部601を主として説明したが、以下では、原稿読み取り装置603による原稿の読み取りから、この読み取られた画像情報を処理して光書き込み装置90を発光させるまでの読み取り情報の電気的な加工、処理を主体に、制御部602における書き込み時間遅延処理や発光量補正処理、書き込み範囲シフト処理などについて説明する。
6−a.制御部の全体構成及び発光素子アレイユニットに対する基本的な書き込み制御内容・書き込み時間遅延処理
図34における画像形成のためのシステムの内容を画像情報を処理するシステムの観点で表現した図35において、原稿読み取り装置603は原稿を読み取る機械的な構成部分である原稿読み取り部603Aと読み取った画像情報を処理する画像処理部603Bからなる。
図35において、原稿を読み取る読み取り手段としての構成を具備した原稿読み取り部603Aについて説明する。オペレータが原稿を挿入口603A1から挿入すると、原稿は、ローラ603A2の回転に応じてコンタクトガラス603A3の上面を搬送される。
搬送中の原稿には、蛍光灯603A4からの光が照射され、その反射光はレンズ603A5を介して撮像素子(以下CCDという)603A6上に結像され、原稿情報が読み取られる。
CCD 603A6上に結像した原稿画像は電気信号に変換され、このアナログ信号は、画像処理部603Bの同期制御回路B5から出力されるクロックに同期して出力され、画像増幅回路B1で増幅される。増幅されたアナログ画像信号はA/D変換回路B2で画素毎の多値デジタル画像信号に変換され、シェーデング補正回路B3に出力される。
シェーデング補正回路B3に入力された画素毎の多値デジタル画像信号は、光量ムラ、コンタクトガラス 603A3の汚れ、CCD 603A6の感度ムラ等による歪が補正される。この補正されたデジタル画像情報は、画像処理回路B4でデジタル記録画像情報に変換された後、制御部602へ出力される。
ここで、制御部602は、読み取られた原稿情報を記憶する記憶手段としての画像情報記憶装置602A1と、発光素子ヘッド制御回路89への入力を整える複写回路602A2とからなり、画像情報記憶装置602A1は画像ページメモリ部602A1_1と、データ情報を制御するシステム制御装置602A1−2を有している。複写回路602A2は発光素子書き込み制御回路602A2_1とプリンタ駆動制御回路602A2_2とからなる。
画像処理回路B4の出力は、画像ページメモリ部602A1_1へ入力されて書き込まれる。この画像ページメモリ部602A1_1に書き込まれた画像信号は、適宜読み出されて複写回路602A2へ出力されさらに、発光素子書き込み制御回路602A2_1を介して発光素子ヘッド制御回路89に出力され、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを赤外光で発光させる。
読み取り制御回路B6は、システム制御装置602A1_2との間で情報の授受を行ない、同期制御回路B5や画像増幅回路B1へ信号を送り、画像処理部603Bからの出力を制御する。
操作装置604について図35、図36を参照しながら説明する。操作装置604は、操作パネル604Aと操作制御回路604Bとで構成される。操作パネル604Aには、各種機能を指定するキー、例えば用紙サイズキー、テンキー、スタートキー、モードクリアキー、ストップキー、濃度調整キー、画質調整キー、変倍キー、及びコピー枚数、変倍率等を表示するディスプレー、原稿挿入可表示が備わっている。操作制御回路604Bは説明を省略する。
図37を参照して全体の画像データの流れを説明する。画像データの流れは、画像ページメモリ部 602A1_1からイーブン(E):2bit、オッド(O):2bitの画像データが2ラインパラレルの25MHzで発光素子書き込み制御回路602A2_1に送られてくる。
発光素子書き込み制御回路602A2_1に2ラインで送られてきた画像データは、当該発光素子書き込み制御回路 602A2_1内部で一旦、1ラインに合成された後、各々の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cのそれぞれについて、2分割で全体として6分割され、更に2bitが5bitに変換されて、9.5MHzで発光素子ヘッド駆動回路89(図35参照、図37では図示省略)に転送され、発光素子アレイユニット1A(1B、1C)の発光素子を発光させる。
図38、図39を参照して発光素子書き込み制御回路602A2_1の各ブロック説明を行う。図38と図39とで一つの発光素子書き込み制御回路602A2_1を示す。図38に示した情報ラインは※1ないし※7は、図39に示した情報ライン※1ないし※7とそれぞれ繋がるものとする。
[画像データ入力部]について説明する。
画像データイーブン(E):2bit、オッド(O):2bit及びタイミング信号は、画像ページメモリ部602A1_1より低電圧作動信号素子LVDSドライバーを使用しパラレルからシリアルに変換され、発光素子書き込み制御回路 602A2_1に25MHzで送られてくる。
このため、発光素子書き込み制御回路602A2_1でも画像データ入力部(LVDSレシーバ) 712を使用し、シリアル信号からパラレル信号に変換し、PKDE(1..0)・PKDO(1..0)・XPCLK・XPLSYNC・XPLGATE・XPFGATE_IPUとして第1IC回路713に入力する。タイミング信号のXPLSYNCとXPFGATE_IPUは第1IC回路713の処理時間分遅らせ、RLSYNC、RFGATEとして第2IC回路714に入力される。
画像データを格納する画像データRAM部について説明する。画像データRAM部は、A群とB群に分けてあり、A群には記憶素子としてのSRAM1〜SRAM6、B群にも記憶素子としてのSRAM1〜SRAM6が配置されている。A群のSRAM1〜SRAM6については符号514A_1〜514A_6で示し、B群のSRAM1〜SRAM6については、符号514B_1〜514B_6で示す。
第1IC回路713に入力された画像データは、ED(1..0)、OD(1..0)としてSRAMアドレス信号AADR(10..0)及びBADR(10..0)と共にA群のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)、B群のSRAM1〜SLAM6(符号514B_1〜514B_6が対応)に25MHzで出力される。
発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは、総dot数23040dot(A3幅7680dot×3本)でデータ転送が6分割(1本/2分割×3本)方式のため、A3幅発光素子アレイユニット1本の1分割分である3840dot(7680dot/2分割)毎に、A群としてSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)の6個を設け、2dot(ED:2bit、OD:2bit)分の画像データを4bitとして1アドレスに割り当て、主走査1ライン分の画像データをA群のSRAM1 514A_1に発光素子アレイユニット1Aの1分割目の画像データ、SRAM2 514A_2に発光素子アレイユニット1Aの2分割目の画像データ、SRAM3 514A_3に発光素子アレイユニット1Bの1分割目の画像データ、SRAM4 514A
4に発光素子アレイユニット1B 503_2の2分割目の画像データ、SRAM5 514A_5に発光素子アレイユニット1Cの1分割目の画像データ、SRAM6 514A_6に発光素子アレイユニット1Cの2分割目の画像データを格納する。
25MHzでA群SRAM6個(符号514A_1〜514A_6が対応)に順次格納された画像データは4.75MHzでA群SRAM6個(符号514A_1〜514A_6が対応)から同時に読み出され、SRAM1 514A_1、SRAM2 514A_2から読み出された発光素子アレイユニット1Aの画像データは第2IC回路714へSODA1(3..0)、SODA2(3..0)、SODB1(3..0)、SODB2(3..0)として入力される。
同様に、SRAM3 514A_3、SRAM4 514A_4から読み出された発光素子ヘッド2 503_2の画像データ及び、SRAM5 514A_5、SRAM6 514A_6から読み出された発光素子ヘッド3 503_3の画像データは画像遅延メモリ部のフィールドメモリ 515_1〜515_3に送られる。
A群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)が読み出しを行っている間に、次のラインをB群の符号514B_1〜514B_6で示す6個のSRAM1〜SLAM6に前記A群におけると同様に画像データを格納する。
このリード、ライト動作をA郡のSRAM6個(符号514A_1〜514A_6が対応)、B郡のSRAM6個(符号514B_1〜514B_6が対応)をトグル動作させることによりライン間の繋ぎを行う。
[画像遅延メモリ部]について説明する。
(1).発光素子アレイユニット1Bについての画像データの遅延処理 図37、図48(b)において、本例では、A3幅の画像形成を可能にするため、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの3本を千鳥配置している。発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bとの位置関係については、発光素子アレイユニット1Aをを基準とし、発光素子アレイユニット1Bはメカレイアウト上、感光体ドラム10の回転方向に相当する副走査方向に7mmずらして取り付けている。
このため、図38、図39におけるA郡の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)、B郡の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514B_1〜514B_6が対応)から出力された画像データを同時に処理し、発光素子アレイユニット1Bへ転送すると発光素子アレイユニット1Aに対して発光素子アレイユニット1Bは副走査方向に7mm(7mm/42.3μm(600dpiの1dot)=165ライン)ずれて印字してしまう。
この空間的なずれを補正するため、4.75MHzでA群のSRAM3、SLAM4(符号514A_3、514A_4が対応)、B群のSRAM3、SLAM4(符号514B_3、514B_4が対応)から出力された発光素子アレイユニット1Bの2分割分の画像データ(各4bit)を、8bitの画像データとして画像遅延メモリ部のフィールドメモリ 515_1に転送ライン順に4.75MHzで100ライン(固定)書き込む。
書き込まれた順に4.75MHzでフィールドメモリ 515_1より画像データを読み出すと同時に、カスケード接続されたフィールドメモリ 515_2に65ライン(可変)書き込む。書き込まれた順に4.75MHzでフィールドメモリ 515_2より画像データを読み出し、FMOD2(7..0)として、第2IC回路714へ入力する。
これにより発光素子アレイユニット1Bの画像データは、165ライン(7mm)遅延された事になる。遅延させるライン数は発光素子アレイユニット1Bの部品制度、組付のバラツキにより個々に異なるため、1ライン(42.3μm)単位で の制御が可能である。
(2)発光素子アレイユニット1Cについての画像データの遅延処理
図37、図48(b)において、本例では、A3幅の画像形成を可能にするため、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの3本を千鳥配置している。発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Cとの位置関係については、発光素子アレイユニット1Aを基準とすると、発光素子アレイユニット1Cはメカレイアウト上、副走査方向に1mmずらして取り付けている。
このため、A郡の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が)、B郡のSRAM1〜SLAM6(符号514B_1〜514B_6が対応)から出力されたデータを同時に処理し、発光素子アレイユニット1Cへ転送すると発光素子アレイユニット1Aに対して発光素子アレイユニット1Cは副走査方向に1mm(7mm/42.3μm(600dpiに1dot)=23ライン)ずれて印字してしまう。
この空間的なずれを補正するため、4.75MHzでA群のSRAM5、SLAM6(符号514A_5、514A_6が対応)、B群のSRAM5、SLAM6(符号514B_5、514B_6が対応)から出力された発光素子アレイユニット1Bの2分割分の画像データ(各4bit)を、8bitの画像データとしてフィールドメモリ 515_3に転送ライン順に4.75MHzで23ライン(可変)書き込む。
書き込まれた順に4.75MHzでフィールドメモリ 515_3より画像データを読み出し、FMOD3(7..0)として第2IC回路714へ入力する。これにより、発光素子アレイユニット1Cの画像データは23ライン(1mm)遅延されたことになる。
遅延させるライン数はL発光素子アレイユニット1Cの部品精度、組付のバラツキにより個々に異なるため、1ライン(42.3μm)単位で の制御が可能である。
[光量補正ROM部]について説明する。
図38、図39において、発光素子アレイユニット1A〜1Cには各発光素子の発光量のバラツキを補正するために発光素子毎に5bitの補正データ及び発光素子192個おきに発光素子アレイチップ補正データの入った光量補正ROM 516_1、516_2、516_3が有り、電源投入時、光量バラツキ補正データを各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cに転送する。
先ず、電源投入時及び発光素子書き込み制御回路602A2_1がリセットした後、最初に発光素子アレイユニット1Cの光量補正ROM 516_1より第2IC回路714からのアドレス信号HOSEIADR(12..0)により0000Hより順番に読み出され光量補正データはHOSEID(4..0)として、第2IC回路714に入力される。
第2IC回路714内部にて、0000h(1dot目の補正データ)のデータをラッチし、0001h(3841dot目の補正データ)のデータと同時に発光素子アレイユニット1Aへ9.5MHzで並列転送される。この処理を1E28h(7720個の補正データ)まで繰り返し発光素子アレイユニット1Aの発光量補正を行う。
発光素子アレイユニット1Aの補正データ転送終了後、発光素子アレイユニット1Aと同様に順次、発光素子アレイユニット1B、発光素子アレイユニット1Cの発光量補正を行う。
転送した発光量補正データは、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの電源をOFFしない限り、発光素子アレイユニット1A、1B、1C内部にて補正データが保持される構成となっている。
[ダブルコピーRAM部]について説明する。
図38において、ダブルコピーRAM部 513は、主走査方向最大420mm(A2縦サイズ)までの画像を、最大841mm(A0縦サイズ)の用紙に同じ画像を並べて2回印字しコピー、プリンターの生産性を2倍にする機能を有するものである。
ダブルコピー時、画像ページメモリ部 602A1_1からの画像データ(E[1..0]、O[1..0])は、XPLSYNCは1/2以下で発光素子書き込み制御回路 602A2_1に転送されてくる。これを利用し一つのXPLSYNCの中で、画像データのダビング操作を行う構成としている。
画像ページメモリ部 602A1_1から25MHzで送られてきた画像データ(E[1..0]、O[1..0])は第1IC回路713よりEDW(1..0)、ODW(1..0)としてダブルコピーSRAM 513にアドレス信号WADR(13..0)と共に出力され、ダブルコピーSRAM 513に画像データを格納すると同時に、画像データRAM部のA群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)に格納する。
画像ページメモリ部 602A1_2からの画像データ格納終了と同時にダブルコピーSRAM 513に格納した画像データを読み出し第1IC回路713に取り込み、画像ページメモリ部602A1_1から送られてきた画像データと同様にA群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)に追加読み込みさせる。これによりA群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514A_1〜514A_6が対応)には、ダブルコピー画像主走査1ライン分が格納されたことになる。この動作をA群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号5514A_1〜514A_6が対応)、B群の6個のSRAM1〜SLAM6(符号514B_1〜514B_6が対応)をトグルさせることにより、ライン間の繋ぎを行う。
[画像データ出力部]について説明する。
第2IC回路714に入力された2ライン画像データLPH1〜3(符号503_1 〜503_3が対応)は第2IC回路714内部にて1ラインに合成される。次に1ラインに合成された画像データは、2bitデータから5bitデータにbit変換され最終段として、発光素子アレイユニット1Aの1分割目の画像データはD1A(4..0)、2分割目の画像データはD1B(4..0)、発光素子アレイユニット1Bの1分割目の画像データはD2A(4..0)、2分割目の画像データはD2B(4..0)、発光素子アレイユニット1Cの1分割目の画像データはD3A(4..0)、2分割目の画像データはD3B(4..0)として第2IC回路714からタイミング信号と共に出力され、ドライバ 519を介し、各発光素子アレイユニット1A、1B、1C(503_
1〜503_3)に9.5MHzのスピードで転送される。
[ダウンロード部]について説明する。
第1IC回路713、第2IC回路714はSRAMタイプの書き換え可能なIC回路であるため、電源オフにより、第1IC回路713、第2IC回路714内部の書き込み制御プログラムが全て消去される。そのため電源オン時、メモリとしてのEPROM 517よりプログラムのダウンロード(コンフィギュレーション)が毎回行われる。
電源が投入されると、第1IC回路713にEPROM 517よりDOWNROAD_第1IC回路713としてプログラムをシリアルデータで転送しダウンロードを行い第1IC回路713にダウンロードが終了すると同時に、第2IC回路714にEPROM 517よりDOWNROAD_CPLD2としてプログラムをシリアルデータで転送し、プログラムがダウンロードされる。
[リセット回路部]について説明する。
電源オン時及び発光素子ヘッド制御回路89(図35参照)の供給電源の電圧降下によりリセットIC 518よりシステムリセット信号RESET_CPLD1及びRESET_CPLD2が出力される。システムリセット信号RESET_CPLD1は第1IC回路713に、システムリセット信号RESET_CPLD2は第2IC回路714にそれぞれ入力され、これを基に第1IC回路713及び第2IC回路714内部のカウンターのリセットを行いシステムの初期化をする。
[条件設定部]について説明する。
図35に示した発光素子ヘッド制御回路 89への書き込み条件設定(ダブルコピーの有無、書き込み用紙サイズetc.)はプリンター駆動制御回路602A2_2からの制御信号入力LDATA(7..0)、LADR(6..0)、VDBCS、XPFGATE_IOB、XPSGATE、XTLGATEを第1IC回路713、第2IC回路714に入力することにより、制御される。
図40で第1IC回路713、図41で第2IC回路714の中の詳細説明を行うが、その前に図42、図43で発光素子アレイユニット内部の説明をする。先ず、図42を参照して発光素子アレイユニット1A、1B、1C中の任意の一つ、発光素子アレイユニット1Aについて説明する。
発光素子アレイユニットは内部で発光素子アレイ 530_1〜530_40の192個単位で40分割され、矢視Aで示す主走査方向に等間隔に配置されている。各々の発光素子BbにはICによるドライバ 531_1〜531_40がそれぞれ接続されている。
ドライバ 530_1〜530_40の各ドットに対応する画像データ及び発光素子をその時間だけ点灯させるストローブ信号(以下、STBという)、データ転送用のクロック(CLK)、データをクリアするためのリセット(RST)信号、発光素子全体の明るさを設定する発光光量信号(以下、Vref信号という)などが入力信号として接続される。
光書き込み装置90(図35参照)に転送されてきた画像データは、まず発光素子ヘッド制御回路 89を介し各発光素子アレイユニット1Aの各発光素子Bbに対応したドライバ 531_1〜531_40の何れかに入力される。次にRST信号により前の画像データがクリアされ、STB信号により画像データに対応した発光素子Bbが点灯し、感光体ドラム10の表面、つまり感光体上に潜像を形成する。
図43を参照して図42におけるドライバ 531_1〜531_40の一つのドライバ531_1の内部回路及び発光素子回路について説明する。
発光素子の例としてのLED1〜LED192はカソードコモンでGNDに接続され、アノードはドライバ 531_1内部のトランジスタ 535_1〜535_192のエミッタに接続されている。トランジスタ 535_1〜535_192の各コレクタはVccに全て接続されている。トランジスタ 535_1〜535_192の各ベースは発光素子の電流を設定するアンプ 536_1〜536_192の出力に接続されている。
アンプ 536_1〜536_192における各2つの入力の片方は共通で発光光量信号Vrefのラインと接続されている。もう一方はANDゲート 537_1〜537_192の出力に接続されている。ANDゲート 537_1〜537_192において、各2つの入力の片方は共通でSTB信号に接続されている。もう一方の端子は画像データに接続されている。
図40、図41を参照して図38、図39の発光素子書き込み制御回路602A2_1における第1IC回路 713と第2IC回路 714について、内部回路の制御を説明をする。
図40において、第1IC回路713では、画像ページメモリ部 602A1_1からの各2ビットイ−ブンデ−タ・オッドデ−タをSRAMに書き込み、読み出す制御を行う。またテストパタ−ンとのセレクタを可能としデ−タ転送に必要なゲ−ト信号を生成させている。
図41において、第2IC回路714では、第1IC回路713での制御によりSRAM群に格納された2ビットイ−ブン・オッドデ−タを1ライン合成し更に2ビットデ−タを5ビットデ−タに変換して発光素子アレイユニット1A、1B、1Cへ転送する制御を行う。
以下に各ブロックにおける制御の詳細を述べる。
図40の第1IC回路713における入力デ−タ部・細線化部521についてその詳細を示した図41により制御の説明をする。
図44(a)において、入力クロックXPCLKに同期した2ビット単位のイ−ブンデ−タPKEDI・オッドデ−タPKODIを入力FF、2ndFF、3rdFF(符号560_1〜3が対応)によりラッチさせ、任意の画素(以下、注目画素という)に対し前後のデ−タを組合わせ回路560_1、560_2に入力し、その出力を比較器609に入力する。比較器609より出力されたデ−タは、次段のFFマスク610に入力され、画像有効範囲信号の期間のみ出力するようマスクされる。マスクされたデ−タは、PKEDI3、及びPKODI3として出力される。
上記制御を行うために操作装置604のキ−操作にて上記、注目画素を変換するモ−ドを選択することで画像ページメモリ部 602A1_1より変換信号(細線化信号)が後述のレジスタ530に入力、出力され、本ブロックに入力される。
図40の第1IC回路713における信号セレクト部540について図45(a)により制御の説明をする。
図45(a)において、信号セレクト部540は、入力クロック XPCLKと内部回路に装備してある入力内部クロック TEST_CLKと図42(b)にも示すレジスタ530からのEXTMOD信号を入力し、セレクタ回路620によって選択し、次段ブロックのSRAM書き込み制御部525に書き込みクロックSWCLKを出力する。また、前記選択された書き込みクロックSWCLKを内部LSYNC生成回路622に入力して書き込み開始信号WSTTPを生成し、出力する。
信号セレクト部540は、画像ページメモリ部 602A1_1からの画像領域信号XPLGATEをマスク領域設定部621に入力し、レジスタ画像マスクISREGにより範囲を指定して画像有効範囲信号 PLGATEISを出力してセレクタ625に入力し、書き込み開始信号WSTTPとの選択をレジスタTESTMODにて行い主走査の書き込み開始信号WRSTART信号を出力する。
副走査のゲ−ト信号のセレクトは、画像ページメモリ部602A1_1より出力された画像期間信号XPFGATEと内部LSYNC同期回路 623に同期したIOBFGATEをセレクタ624に入力させ、レジスタTESTMOD信号にて選択し、書き込み期間信号SWFGATEを出力する。
次に、内部LSYNC生成回路 622によって生成された書き込み開始信号WSTTPと画像ページメモリ部602A1_1より出力された主走査画素開始信号XPLSYNCをセレクタ626に入力し、図45(b)に示すレジスタ530からのTESTMOD信号により選択し出力する。出力された信号をSYSCLK同期回路627に入力させ、内部基準クロックSYSCLKと同期をはかり、読み出し主走査画像開始信号RLSYNCを出力する。
読み出し主走査画像開始信号RLSYNCは、1ライン遅延回路628に入力され、選択された書き込み期間信号SWFGATEと同期させ読み出し画像期間信号RFGATEを出力する。
上記にて出力された各ゲ−ト信号は次段ブロックのSRAM書き込み制御部525、SLAM読み出し制御部526及びブロック切換制御部524、ダブルコピ−制御545、テストパタ−ン発生制御部522へ転送される。
図40の第1IC回路713のテストパタ−ン発生制御部522について図44(b)により制御の説明をする。
図44(b)において、図40、図45などに示した信号セレクト部540より生成された主走査書き込み開始信号WSTTPと副走査書き込み期間信号SWFGATEを主走査カウンタ634、副走査カウンタ635に入力し、主走査カウンタ634によりLCOUNT信号、副走査カウンタ635によりFCOUNT信号をそれぞれ生成し、これらの信号を組み合わせ回路636_1、組み合わせ回路636_2に入力して、両者を組合わせることによりパタ−ンを生成する。
生成された各々のパタ−ンはセレクタ637に入力され、レジスタ530からのパタ−ン選択によりセレクトされたデ−タ TPDATAが出力される。出力されたデ−タ TPDATAは2ビット変換器638に入力され、2ビットデ−タ PKEDTP、PKODTPとして出力される。
図40の第1IC回路713の入力デ−タ部・細線化、テストパタ−ンセレクト部 523について図44(c)により制御の説明をする。
図40、図44(a)における入力デ−タ部・細線化部521から出力された2ビットイ−ブンデ−タ PKEDI3や、オッドデ−タ PKODI3と、図40におけるテストパタ−ン発生制御部522から出力されたテストパタ−ン2ビットイ−ブンデ−タ PKEDTPや、オッドデ−タ PKODTPは図44(c)に示すセレクタ639に入力される。
また、図35における操作装置604により選択した条件が画像ページメモリ部602A1_1を経て信号として図44(c)に示すセレクタ639に入力される。セレクタ639は、図40に示すレジスタ530より転送されたレジスタパタ−ン選択信号 TESTMODにより両者の選択をし図44に示すように、デ−タ信号PKED4、PKOD4を出力する。
図40の第1IC回路713のダブルコピ−制御部549について図46により、制御及び信号発生のタイミングの説明をする。
図46において、入力クロック XPCLKと図40に示す信号セレクト部540からの書き込み開始信号 WRSTART及び、レジスタ530からのダブルコピ−信号は、カウンタ生成回路630に入力され、レジスタ設定されたカウント分、入力クロック XPCLKに同期したカウンタ信号として出力される。
出力された信号は、SRAM書き込み期間回路631とSRAM読み出し期間回路632、セレクタ633に入力される。
SRAM書き込み期間回路631には、前記カウンタ信号と、信号セレクト部540からの書き込み開始信号 WRSTARTと、レジスタ530からのダブルコピ−信号が入力され、ダブルコピーSRAM 513への書き込み期間信号 WCP_WENが出力される。
SRAM読み出し期間回路632には、ダブルコピーSRAM 513への書き込み期間信号 WCP_WENが入力され、該書き込み期間信号 WCP_WENが終了後、SRAM読み出し期間信号WCP_RENを発生させる。
図40に示すダブルコピー制御部549から図38に示すダブルコピーSRAM 513へ出力される制御信号は、図46に示すように、<1>書き込み信号WRW、<2>読み出し信号RDW、<3>カウンタWADRからなる。
図46において、SRAM書き込み期間回路631より出力された書き込み期間信号WCP_WENと、SRAM読み出し期間回路632より出力された読み出し期間信号WCP_RENとが、組み合わせ回路640、反転回路651、セレクタ633に入力されることにより、これら組み合わせ回路640、反転回路651、セレクタ633において、上記<1>書き込み信号WRW、<2>読み出し信号RDW、<3>カウンタWADRなどの信号として生成される。これらの信号は、ダブルコピーSLAM513への制御信号としてダブルコピーSLAM513へ出力される。
図40における入力デ−タ部・細線化部521及びテストパタ−ンセレクト部523で生成された、PKED4、PKOD4等の入力データ信号は、図46におけるセレクタ641及びセレクタ642に入力される。
セレクタ641に入力された入力デ−タ信号は、SRAM書き込み期間回路631からの書き込み期間信号WCP_WENと信号セレクト部540からの書き込み開始信号 WRSTART及び書き込み期間信号 SWFGATEによりセレクトされる。これによりセレクタ641は、デ−タ信号PKED5、PKOD5をセレクタ635へ出力する。
セレクタ643では、SRAM書き込み期間回路631からの書き込み期間信号WCP_WENにより入力デ−タ信号のセレクトを行い、デ−タ EDW及び、データ ODWの各信号を出力する。
これらのデ−タ EDW及びデータ ODWの各信号は、図38に示すダブルコピーSRAM513のデ−タであり、双方向性をもちダブルコピーSRAM513からの読み出し信号がセレクタ644へ入力される。セレクタ644は、前記デ−タ EDW及びデータ ODWの各信号をSRAM読み出し期間信号WCP_RENによりセレクトし、図46に示すように出力デ−タ PKEDD、PKODDの各信号としてセレクタ642へ出力する。
セレクタ642は、前記デ−タ PKEDD、PKODDの各信号と、入力デ−タ PKED4、PKOD4の各信号を入力し、SRAM書き込み期間回路631からの書き込み期間信号WCP_WENと図40に示したレジスタ530からのダブルコピ−信号により選択された出力デ−タ PKED、PKODの各信号を出力する。
図47のタイミングチャ−トを用い、上記のダブルコピー制御部549の制御回路における各信号の出力のタイミングについて説明する。
ダブルコピ−モ−ドが選択された場合、書き込み開始信号 WRSTARTはオンされると、ダブルコピ−用SRAM書き込み期間WCP_WENがオンされ、入力画像デ−タが、通常動作のSRAM群(SLAM514_A1〜514_A6、514_B1〜514_B6)にデ−タ転送されつつ、ダブルコピ−用SRAM513にも同じデ−タが書き込まれる。図中の主走査ラインの中点に相当する主走査方向の中間点に至ると、ダブルコピ−用SRAM読み出し期間WCP_RENがオンされ、上記SRAM群のデ−タは、ダブルコピ−用SRAM513からのデ−タを読み出して転送される。これにより、主走査ラインに同じ画像デ−タが書き込まれる。
図40の、デ−タフォ−マット変換部550、ブロック切換制御部524、SRAM書き込み制御部525、SRAM読み出し制御部526、書き込みパルス生成部527、アドレスセレクタ部528について説明する前に、図48、図49の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの3本のアレイユニットで書き込まれる画像領域について説明する。
図48(a)において、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは、1本あたり7680ドットの画素数を有する。各発光素子アレイユニットの両端を重複させることで余白部をもたせ画像有効領域を発光制御させることにより、画像が重ならないように制御することができる。
発光アレイユニット1Bは、有効画像領域を固定にして、両端258ドットは、余白領域で画像を取り込まないようにし、発光素子アレイユニット1A、1Cにて有効画像領域を固定したままで画像をシフトさせて発光素子アレイユニット間(発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bとの間、と発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1Cとの間)の位置を補正する。例えば、各発光素子アレイユニットの有効画像領域の画像を割り当てられたSRAM 501A_1〜501A_6、501B_1〜501B_6により2ドット単位のデ−タ(画素)で書き込みを行う。
図49により、前記図38で説明したSRAM 501A_1〜501A_6、501B_1〜501B_6におけるデータの書き込み、読み出しに際しての各発光素子アレイユニット1A、1B、1Cへの信号の転送方向とSRAMアドレスの関係について述べる。
有効画素番号805は、図37の画像ページメモリ部602A1_1から転送される1ライン相当分の1画素デ−タであり、最大画像デ−タ数21612画素(ドット)に転送される順番に番号0から21611に配列したものである。
符号LPH1は発光素子アレイユニット1Aの有効画像領域、符号LPH2は発光素子アレイユニット1Bの有効画像領域、符号LPH3は発光素子アレイユニット1Cの有効画像領域を示す。
3本の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cに対するデ−タ分担は、発光素子アレイユニット1Aが、0から7223ドットであり、発光素子アレイユニット1Bは、7224ドットから14387であり、発光素子アレイユニット1Cは、14388ドットから21611ドットとなる。
各アレイユニット上の物理位置806_1、2、3は、転送された1画素デ−タが、各発光素子アレイユニットにおける有効画素番号805のどの場所で点灯するかを示したものである。
転送周波数を下げるために、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの内部構成は、全デ−タが2分割して転送できるようにしてある。このため、1つの発光素子アレイについて、総ドット数に相当する7680ドットの半分の3840ドットずつで区分できる。
3本の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cはそれぞれ形状、大きさが略同じであり、その長手方向を主走査方向に揃えた場合、発光素子アレイが副走査方向の中央にはなく片寄った配置になっている。このため、例えば、図11(b)に示したように、発光素子アレイユニット1A、1Cと発光素子アレイユニット1Bとを、感光体ドラム10の軸心Oを通る線D−Dを中心として対向する配置としかつ、振り分け距離を最小とするためには次の配置としなければならない。
つまり、中央の発光素子アレイユニット1Bのみ、矢視A方向について他の発光素子アレイユニット1A、1Cとは長手方向の向きについて180度回転させた向きとするのである。
しかし、このように配置すると、各発光素子アレイユニットについて同じ方向からデータ転送すると、例えば、発光素子アレイユニット1Bについてだけ、データの転送順が反対となってしまう。
そこで、発光素子アレイユニット1Aは、デ−タ転送が、下から(実際には、右から左へ)始まり、発光素子アレイユニット1Bは、デ−タ転送が、上から(実際には、左から右へ)始まり、発光素子アレイユニット1Cは、デ−タ転送が、下から(実際には、右から左へ)始まるようにして原稿データに忠実に画像を再現できるようにしている。
3本の発光素子アレイユニット1A、1B、1Cを重複させて一直線とすると、発光素子アレイユニット1AのAブロック258ドット目の次に発光素子アレイユニット1BのAブロック258ドット目が続くことで画像デ−タがずれることなくつながる。
同様に、発光素子アレイユニット1BのBブロック3581ドット目の次に発光素子アレイユニット1CのBブロック3581ドット目が続き画像デ−タがずれることなくつながる。
なお、感光体ドラムの軸線方向に複数個千鳥状に配列した発光素子アレイユニットを全て主走査方向上で同じ方向に配列させた場合、例えば、上記における中央の発光素子アレイユニット1Bについても他の発光素子アレイユニット1A、1Cと同方向とした場合には、該発光素子アレイユニットBに対するデ−タ転送を他の2本と同じにする。
次にSRAM上のアドレス807_1〜6は、発光素子アレイユニット1本あたりデ−タ転送2分割の1分割に1ヶのSRAMを対応させている。発光素子アレイユニット3本×2分割=6ヶであり、故に、 SRAMは、6ヶ必要となる。そこで、図49には、SRAM1〜SRAM1を示し、アドレス番号807_1〜807_6を対応させた。
1ライン目のデ−タを図38に示したA群のSRAM1〜SRAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)に書き込み、次の2ライン目をB群のSRAM1〜SRAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)に書き込むので12ヶのSRAMを使用する構成である。
発光素子アレイユニットのデ−タ転送方向が、発光素子アレイユニット1A、1Cは、下からで発光アレイユニット1Bは、上からであるので、各SRAMへの書き込みアドレスを、発光素子アレイユニット1A、1Cは、ダウンカウントし、発光素子アレイユニット1Bは、アップカウントさせる。
また、符号807_1で示すSRAM1アドレスには、2ドット単位で書き込まれる(格納される)ので、発光素子アレイユニット1分割分のデ−タ、3840ドットの半分の1920アドレスとなる。SRAMの書き込みスタ−トアドレス、書き込み終了アドレスは、原稿・転写紙サイズに依存し画像ページメモリ部602A1_1にて判断し、適切なアドレス値を出力し、レジスタ530により転送されるようにしている。
一方、発光素子アレイユニット1A〜発光素子アレイユニット1B間の繋ぎ目アドレス、発光素子アレイユニット1B〜発光素子アレイユニット1C間の繋ぎ目アドレスは、図35の操作装置604からの操作パネルキ−操作にて入力し、画像ページメモリ部602A1_1からレジスタ530により転送される。
前記操作により繋ぎ目の調整が可能である。また、前記調整に伴い、書き込みスタ−トアドレス、終了アドレスも変化する。次に各SRAM1〜SRAM6における符号808_1〜6で示す読み出し方向については、各SRAM上のアドレス802_1〜6に書き込まれたデ−タを SRAM1〜SRAM6で同時に、アドレス0からアップカウントして読み出す。読み出し方向は、各発光素子アレイユニットの取り付け状態での転送方向となる。
以上の動作を図38に示すA群のSLAM1〜SLAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)、B群のSLAM1〜SLAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)と交互に行うことにより主走査ラインのデ−タを転送できる。
図40の第1IC回路713におけるブロック切換制御部 524について図50にて制御の説明をする。入力書き込みクロック SWCLKと読み出し主走査画像開始信号RLSYNC、読み出し画像期間信号 RFGATEをブロック切換信号生成回路814に入力し、読み出し画像期間が有効のとき主走査ラインごとに切り替わるブロック信号 BLOCKを出力し、図38に示すA群のSLAM1〜SLAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)、B群のSLAM1〜SLAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)の切り換えをする。
図40の第1IC回路713におけるSRAM書き込み制御部 525について図51により制御の説明をする。
入力書き込みクロック SWCLKと基準同期クロックSYSCK及びレジスタ530(図40参照)からのクリア信号MCLR、SRESETをリセットパルス生成回路816に入力させてリセットパルス SRESRPを出力させる。この出力であるリセットパルス SRESRPは、SRAM書き込み制御回路817と書き込みアドレスカウンタ 818に入力される。
SRAM書き込み制御回路817では、レジスタ530からの書き込みスタ−トアドレス HSTADRSと書き込み開始SRAMブロックHSTBLK、書き込み終了アドレス HENADRSと書き込み終了SRAMブロックHENBLKに基づき、図38に示すA群のSLAM1〜SLAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)、B群のSLAM1〜SLAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)の、どのSRAMから書き込み動作を開始するか、そして、どの条件で次のSRAMへ移行するか、またスタ−ト位置に戻すかを処理し、SRAM書き込み処理シ−ケンサ seq_pを出力する。このSRAM書き込み処理シ−ケンサ seq_pは書き込みアドレスカウンタ 818に入力されて、該書き込みアドレスカウンタ 818SRAM書き込み処理シ−ケンサ s
eq_pによりSRAM書き込みアドレスカウンタ WCNTが設定されて出力される。
SRAM書き込み処理シ−ケンサ seq_pによりSRAM書き込みアドレスカウンタWCNTが設定されるが、図49に示すように発光素子アレイユニットのデ−タ転送方向が、発光素子アレイユニット1A、1C(主走査方向の一端側から数えて奇数番目)と発光素子アレイユニット1B(主走査方向の一端側から数えて偶数番目)では、各SRAMへの書き込みアドレス設定が、発光素子アレイユニット1A、1Cは、ダウンカウント、発光素子アレイユニット1Bは、アップカウントとなり発光素子アレイユニットへのデ−タ転送を主走査方向の一端側から数えて奇数番目と偶数番目で逆にして制御させている。
図40の第1IC回路713におけるSRAM読み出し制御部 526について図52により制御の説明をする。
基準同期クロック SYSCKと読み出し主走査画像開始信号 RLSYNC、読み出し画像期間信号 RFGATEを読み出しカウンタ生成回路822に入力し、基準同期クロック SYSCKを4分周し、SRAM読み出しタイミングカウンタ SRRDCKを出力し、SRAM読み出し制御回路 823に入力させる。
SRAM読み出し制御回路823は、SRAM書き込み制御部 525(図40参照)からのSRAM書き込み処理シ−ケンサ seq_pとSRAM書き込みアドレスカウンタ WCNT、リセットパルス SRESRPを入力して、SRAM読み出しアドレスカウンタ RCNTを出力する。
読み出しイネ−ブル信号生成回路824は、SRAM読み出し制御回路823から出力されたSRAM読み出しアドレスカウンタ RCNTと、ブロック切換制御部 524(図40参照)からのライン切換BLOCK信号と、読み出し主走査画像開始信号RLSYNC、読み出し画像期間信号RFGATEを入力し、A群のSLAM1〜SLAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)と、B群のSLAM1〜SLAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)のどちらを有効にするかの信号である、A群SRAM読み出し信号RDA、B群SRAM読み出し信号RDBを出力する。
図40の第1IC回路713における書き込みパルス生成部 527について図53、図55により制御及び信号発生などのタイミングの説明をする。
書き込みパルス生成回路819は、SRAM書き込み制御部 525(図40参照)からのSRAM書き込み処理シ−ケンサseq_pと、ブロック切換制御部 524(図40参照)からのライン切換BLOCK信号を入力し、例えば、BLOCK信号がHighならば、書き込みイネ−ブル信号 WEA1〜6を選択し、SRAM書き込み処理シ−ケンサ seq_pの該当するSRAM、つまり、A群のSLAM1〜SLAM6(符号514_A1〜514_A6が対応)と、B群のSLAM1〜SLAM6(符号514_B1〜514_B6が対応)の何れかをHighイネ−ブルにする。
よって、主走査1ライン目は、書き込みイネ−ブル信号WEA1〜6を順番にイネ−ブルしていき、次のラインでは、書き込みイネ−ブル信号WEB1〜6を順番にイネ−ブルしていく。出力された書き込みイネ−ブル信号WEA1〜6とWEB1〜6は、書き込み信号生成回路820に入力される。
書き込み信号生成回路820は、これらの入力信号を、入力書き込みクロックSWCLKと同期させA群SRAM書き込み信号WRA1〜6、B群SRAM書き込み信号WRB1〜6を出力する。さらに、SRAM書き込みブロック信号生成回路821は、前記SRAM書き込み信号を有効にするためにゲ−ト信号により、A群SRAMバッファゲ−ト信号 ASELと、B群SRAMバッファゲ−ト信号 BSELを出力する。
図40の第1IC回路713におけるアドレスセレクタ部 528について図54により、制御の説明をする。
アドレスセレクタ815は、ブロック切換制御部 524(図40参照)より出力された読み出し画像期間が有効のとき主走査ラインごとに切り替わるブロック信号 BLOCKと、SRAM書き込み制御部 525(図40参照)より出力されたSRAM書き込みアドレスカウンタ WCNTと、SRAM読み出し制御部 26(図40参照)より出力されたSLAM読み出しアドレスカウンタ RCNTを入力して、ラインブロック信号の切換えにより、A群SRAMアドレス AADR、及びB群SRAMアドレス BADRを出力する。
図55のタイミングチャ−トにより、上記のSRAM書き込みパルス制御について説明する。
仮に発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの3本を使用する全画像有効範囲の場合、1ライン目の画像デ−タ、ED,ODを転送するため、A群SRAMバッファゲ−ト用のASEL信号がLowとなりA群SRAMアドレスAADRがカウントし、A群SRAM1のSRAM書き込み信号WRA1の書き込みが開始される。
上記A群SRAM1の書き込み信号WRA1の書き込みが終了すると、次に、A群SRAM2のSRAM書き込み信号WRA2の書き込みが開始され順番に、WRA6までの書き込みが行なわれ、1ライン分のデ−タがA群SRAMに書き込まれる。
次に2ライン目のデ−タは、今度はB群SRAMバッファゲ−ト用のBSEL信号をLowとし、B群SRAMアドレスBADRがカウントし、B群SRAM1のSRAM書き込み信号WRB1の書き込みが開始される。
B群SRAM1の書き込み信号WRB1による書き込みが終了すると、A群SRAM1のSRAM書き込みと同様、次に、B群SRAM2のSRAM書き込み信号WRB2の書き込みが開始され順番に、WRB6までの書き込みが行なわれ、1ライン分のデ−タがB群SRAMに書き込まれる。
よって、A群SRAMアドレスAADRとSRAM書き込み信号WRA1〜6により、奇数ラインのデ−タをA群SRAMに書き込み、B群SRAMアドレスBADRとSRAM書き込み信号WRB1〜6により偶数ラインのデ−タをB群SRAMに書き込むこととなる。
図40の第1IC回路713におけるデ−タフォ−マット変換部 550について図56により制御の説明をする。
SRAMへの1アドレスへのデ−タは、イ−ブンデ−タとオッドデ−タの2ドット単位である。このままでは、各発光素子アレイユニット間の繋ぎ目について2ドット単位での位置調整しかできない。
そこで、発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bとの繋ぎ目部及び発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1Cとの繋ぎ目部における各発光素子アレイユニット間の位置補正を1ドット単位で制御するために、SRAM書き込みアドレスを変更せず、入力デ−タを1ドットずらす変換をしている。
このように、入力デ−タを1ドットずらす変換を行なうため、入力2ビットイ−ブンデ−タPKEDと、入力2ビットオッドデ−タPKODを、ラッチ1回路810に入力し、入力書き込みクロックSWCLKにてラッチさせ、出力デ−タPKED1D、PKOD1Dを出力する。出力されたPKOD1Dをさらに、ラッチ2回路811にてラッチさせ、PKOD2Dを出力する。
ラッチ1回路810、ラッチ2回路811より出力された各デ−タは、符号812の欄に示すように、<1>発光素子アレイユニット1C用の1ドット遅延したデ−タ、<2>発光素子アレイユニット1B、1C用の正規デ−タ、<3>発光素子アレイユニット1A用の1ドット遅延したデ−タ、<4>発光素子アレイユニット1A用の正規デ−タとなり、セレクタ813に入力される。
こうして、セレクタ813に入力されたデ−タは、どのSRAMのデ−タかを決めているSRAM書き込み処理シ−ケンサseq_pと、図37に示す画像ページメモリ部602A1_1から図40に示すレジスタ530により転送されたSHIFT1、3と、書き込み開始アドレス HSTADRSと発光素子アレイユニット1B−1C接続アドレス HCHADRS2、そして、SRAM書き込みアドレスカウンタ WCNTにより選択され、セレクタ813より、出力デ−タED、ODが出力される。
図40の第1IC回路713のフィ−ルドメモリ書き込み制御部529について図39及び図57により制御の説明をする。
フィ−ルドメモリ書き込み制御部529は、A、B群のSRAM3〜6(符号514_A3〜514_A6、514_B3〜514_B6が対応)より出力された発光素子アレイユニット1B、1C相当のデ−タをフィ−ルドメモリ(FM1〜FM3)に書き込むためのゲ−ト信号を生成するブロックであり、発光素子アレイユニット1Bのデ−タには2ヶのFM1、2(符号515_1、515_2が対応)を使用しフィ−ルドメモリFM1(符号515_1が対応)に100ライン分のデ−タを書き込んだ(格納)後、フィ−ルドメモリFM2(符号515_2が対応)へのデ−タ転送させ、発光素子アレイユニット1Cデ−タは、フィ−ルドメモリFM3(符号515_3が対応)に書き込む。
まず、基準同期クロックSYSCKと読み出し主走査画像開始信号RLSYNC、読み出し画像期間信号RFGATEを副走査カウンタ生成回路825に入力し、100ライン遅延させてフィ−ルドメモリFM1(符号515_1が対応)からフィ−ルドメモリFM2(符号515_2が対応)にデ−タ転送させるための副走査遅延カウンタSSDCNTを出力する。
次に、SRAM読み出し制御526(図40参照)からのSRAM読み出しアドレスカウンタRCNT、基準クロックSYSCKの4分周したSRRDCKをFM書き込みアドレスリセット信号生成回路826に入力する。
FM書き込みアドレスリセット信号生成回路826では、読み出し主走査画像開始信号RLSYNCがオンされるとFM書き込みアドレスリセット信号FMWRSTが生成出力されフィ−ルドメモリFMのアドレスが初期化される。
FM書き込みアドレスリセット信号FMWRSTは、変換器831_2に入力され、フィ−ルドメモリFM1、2(符号515_1、515_2が対応)とフィ−ルドメモリFM3(符号515_3)の書き込みアドレスリセット信号FM2RSTW、FM3RSTWを出力する。
FMの書き込みアドレスリセットが入り、後述記載する書き込みイネ−ブル信号がオンされデータがフィールドメモリFM1(符号515_1が対応)に書き込まれて、副走査ライン100ラインデータが書き込まれたら(格納されたら)フィールドメモリFM1(符号515−1が対応)の読み出しアドレスをリセットさせデ−タをフィールドメモリFM2(符号515−2が対応)へ転送させるためにFM1読み出しアドレスリセット信号生成回路827にてFM1読み出しアドレスリセット信号FMRRST1を出力させる。
FM書き込みオン時間を決定させるため、FM書き込みイネ−ブル信号生成回路828にてFM書き込みイネ−ブル信号FMWEを出力させる。このFM書き込みイネ−ブル信号FMWEは、変換器831_3に入力させフィ−ルドメモリFM2、FM3(符号515−2、515−3が対応)の書き込みイネ−ブル信号FM2WE、FM3WEとさせるとともに、フィ−ルドメモリFM3(符号515−3が対応)の読み出しイネ−ブル信号FM3REとしても使用する。
フィ−ルドメモリFMのクロックは基準クロックSYSCKの4分周したSRRDCKを使用しクロック生成回路829にてクロックFMWCLKを出力させる。
このクロックFMWCLKを変換器831_4に入力させフィ−ルドメモリFM2、FM3の書き込みクロック信号FM2SWCK、FM3SWCKへ変更し出力させるとともに、フィ−ルドメモリFM2(符号515_2が対応)の読み出しクロックFM2SRCKとしても使用する。
書き込みバッファゲ−ト生成器830は、SRAM読み出し制御部526(図40参照)からのA、B群SRAM読み出し信号RDA、RDBを入力し、フィ−ルドメモリFM1(符号515_1が対応)及びフィ−ルドメモリFM3(符号515_3が対応)において、A群SRAMデ−タを書き込みか、B群SRAMデ−タを書き込みかセレクトし、FM1用A群SRAMデ−タ書き込みバッファゲ−トFM1DASEL、FM1用B群SRAMデ−タ書き込みバッファゲ−トFM1DBSEL、FM3用A群SRAMデ−タ書き込みバッファゲ−トFM3DASEL、FM3用B群SRAMデ−タ書き込みバッファゲ−トFM3DBSELを出力する。これらのゲ−ト信号は、A、B群の、トグル動作となる。
図38及び図40において、画像ページメモリ部602A1_1よりアドレス・デ−タが入力され、回路内部クロックSYSCLKにてラッチし入力デ−タを確定させ出力する。
次に、図41を参照して第2IC回路 714内部の構成及び各制御方法について説明する。第2IC回路 714では、内部クロックSYSCKを基準同期クロックとして各制御ブロックに入力している。全体の流れは、図39のフィ−ルドメモリ515_1〜3のデ−タの読み出しゲ−ト信号の生成と、発光素子アレイユニット1A、1B、1Cに転送するためのゲ−ト信号の生成を行う。第1IC回路713での制御よりSRAM群に格納された発光素子アレイユニット1Aの2ビットイ−ブン・オッドデ−タを1ライン合成にフォ−マット変換し、さらに、2ビットデ−タを5ビットデ−タに変換して発光素子アレイユニット1Aへ転送する。
同様に、フィ−ルドメモリに格納された発光素子アレイユニット1B及び発光素子アレイユニット1Cのデ−タを読み出し、発光素子アレイユニット1Aのデ−タ同様、2ビットイ−ブン・オッドデ−タを1ライン合成にフォ−マット変換し、さらに、2ビットデ−タを5ビットデ−タに変換して発光素子アレイユニット1B、1Cへ各々転送させている。
以下に、各ブロックの詳細な制御を述べる。
図41の第2IC回路714の転送制御回路551、テストパタ−ン発生回路541について図60により制御の説明をする。
基準同期クロックSYSCKと第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCを主走査LCNT 702と副走査FCNT701に入力させ、主走査カウンタと副走査カウンタを出力させる。
出力された副走査カウンタは、テストパタ−ン生成回路703に入力され内部テストパタ−ンTPDATAを出力する。一方、主走査カウンタはPセンサ生成回路704、発光素子転送信号生成回路1 705、発光素子転送信号生成回路2 706、クロック生成回路707に入力される。
Pセンサ生成回路704からの出力は、画像濃度検知用として使用され、発光素子アレイユニット1BのAブロックの規定された部分のみに出力される。出力される信号はPSLGATEである。発光素子転送信号生成1 705では発光素子画像デ−タクロック有効範囲信号HCLKENを出力し、発光素子転送信号2 706に入力され、発光素子アレイユニットへの画像デ−タ有効範囲のみクロック HCLKを出力する。クロック生成回路707では、基準クロックSYSCKを主走査カウンタごとにクリアした、2分周のクロックCLKEN95(9.5MHz)と4分周したCLKEN475(4.75MHz)を出力する。
図41の第2IC回路 714の光量補正ROM読み出し制御部 543について図61にて制御の説明をする。
電源オンにて光量補正用カウンタFCNT 708に基準同期クロックSYSCKと第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCと光量補正モ−ド切換信号KHSTATを入力させ、副走査カウンタKHFCNTを生成出力する。
セレクタ・比較回路709は、出力された副走査カウンタKHFCNTをもとに光量補正用PROMへのアクセスイネ−ブル信号ROMCE1、2、3を出力する。3本の信号は、発光素子アレイユニット1A、1B、1C3本分の光量補正用PROMアクセス信号で、発光素子アレイユニット1Aより発光量補正制御を行う。また、本セレクタ・比較回路709内にて、光量補正終了信号KHSTCLR及び各発光素子ヘッドへの光量補正開始信号KHLOADRを生成しゲ−ト信号として出力する。
光量補正用PROMのアドレス設定はROMアドレス生成回路710にて生成される信号ROMADRSにより行なわれる。PROMアドレス生成回路710内のデ−タ転送は、発光素子アレイユニット1本分の光量補正デ−タが光量補正用PROMに格納されており、発光素子アレイユニットは、2分割のデ−タ転送方式であるので、PROMアドレス生成回路710への格納デ−タは、Aブロック目の1番目のデ−タ、次にBブロック目の1番目のデ−タと交互に配列されている。
そこで、デ−タROMDT5ビットデ−タをROM出力デ−タラッチ回路715に入力し、3度、カウンタKHLCNTにてラッチさせデ−タを発光素子アレイユニットAブロック光量補正デ−タ KHDATA1RとBブロック光量補正デ−タ KHDATA2Rに分割し同時出力する。更に、発光素子アレイユニットへの転送クロックを光量補正有効範囲回路711にて生成しCTCKRを出力する。
図41に示す第2IC回路 714のフィ−ルドメモリ読み出し制御部 531(フィ−ルドメモリを以下FMと称す)について図62により制御の説明をする。
本制御ブロックは、発光素子アレイユニット1B及び発光素子アレイユニット1Cの取り付けが発光素子アレイユニット1Aに対し感光体ドラム10の回転方向に位置がずれて接続された分のデ−タを遅延させるためのFMのゲ−ト信号生成をしている。
ブロック内部は、<1>カウンタ副走査回路729とFM遅延期間生成回路730とFM読み出しリセット生成回路731とからなりFM2、3の読み出しを開始するリセット信号の生成部と、<2>FM読み出し範囲生成回路728によるFM読み出しイネ−ブル信号部と、<3>カウンタ727にてFMに格納されたデ−タを読み出すためのクロックと、<4>書き込み開始時期を遅延させるための回路722からなる。
基準クロックSYSCKは各回路に入力している。まず、第1IC回路713にて生成された、読み出し主走査画像開始信号RLSYNCを読み出し開始信号生成回路715に入力し、クロックに同期した読み出し信号RLSYNCDDを出力する。出力したRLSYNCDDは、各ブロックに入力される。
カウンタ726では、基準クロックSYSCKをカウントし同期した読み出し信号RLSYNCDDにてリセットをかけ再びカウントアップする。
[FM2、3の読み出し開始するリセット信号 (FM3RSTR、FM2RSTR)の生成]
第1IC回路713にて生成された、読み出し画像期間信号RFGATEとクロックに同期した読み出し信号RLSYNCDDをカウンタ副走査回路729に入力し、FM2用のカウンタDLCNT2及びFM3用のカウンタDLCNT3を出力し、FM読み出しリセット生成回路731と遅延された副走査分後端に遅延させるためのFM遅延FGATE生成回路732へ入力される。
また、操作装置604からキ−入力によりレジスタ542に設定された副走査遅延設定値、FM用FM2DLとFM用FM3DL及びクロックに同期した読み出し信号RLSYNC2DをFM遅延期間生成回路730に入力し、各々FM2(発光素子アレイユニット1B用)、FM3(発光素子アレイユニット1C用)の遅延期間イネ−ブル信号DLCNT2、3を出力する。
カウンタ副走査回路729、FM遅延期間生成回路730、カウンタ726より出力された信号をFM読み出しリセット生成回路731に入力させ、FM読み出しリセット信号FM2RSTRとFM3RSTRを出力する。パルス幅は、カウンタ726より出力された4カウント分としている。
[FM2、3のクロック(FM3SRCK、FM2SRCK2)の生成]
カウンタ726より出力されたRDCKを入力しカウンタ727にて4分周したクロックFM3SRCK、FM2SRCK2を出力させる。
[FM2、3の読み出し範囲(FM3RE、FM2RE2)の生成]
FM読み出し範囲生成回路728は、カウンタ726より出力されたRDCKを入力し4クロック分を1カウントとしてカウントアップさせ、1920カウントでクリアしたカウンタにより、第1IC回路713で生成した読み出し画像期間信号RFGATEと後述する発光素子アレイユニット1Bの遅延されたDMSK2の期間有効にする、FM3用デ−タ読み出しイネ−ブル信号FM3REとFM2用デ−タ読み出しイネ−ブル信号FM2RE2を出力する。
上記にて副走査の遅延開始の設定が可能となり、次に遅れて出力した分副走査を遅延させるためにFM遅延FGATE生成回路732にて各発光素子アレイユニットの副走査遅延FGATEを生成し、DMSK1、2、3を出力する。
操作装置604からキ−入力によりレジスタ542に設定された副走査遅延設定値、FM用FM2DLとFM用FM3DLにより、3本の発光素子アレイユニットの副走査方向における位置のずれがあるのに拘わらず1本の書き込みラインを形成するための書き込み開始時期の遅延処理に係る調整をすることができる。
調整方法は、発光素子アレイユニットの取り付けが、機械的に合っていることを前提に基本の設定を発光素子アレイユニット1Bが発光素子アレイユニット1Aに対して7mm離れているとして165ラインの値を、発光素子アレイユニット1Cが発光素子アレイユニット1Aに対して1mm離れているとして23ラインの値を、それぞれ設定しておき、副走査調整用テストチャ−ト(格子など)を出力し、ズレ分を確認して更に操作装置604からキ−入力を行っていくことにより1ライン単位での調整が可能である。
図41の第2IC回路 714における発光素子アレイユニット1A1用の画像デ−タ入力セレクト部534、デ−タフォ−マット部535について図58にて制御の説明をする。
基準同期クロックSYSCKと第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCと読み出し画像期間信号RFGATEを入力したデ−タ切換信号生成回路723にて、読み出し画像期間の間、読み出し主走査画像開始信号をトリガとして切り換えさせた信号BANKSELを出力し、デ−タ変換回路724へ入力させる。
デ−タ変換回路724には、図60で説明した転送制御回路551、テストパタ−ン発生回路541にて生成したクロックCLKEN95とCLKEN475、更に発光素子アレイユニット1Bの副走査遅延FGATE、DMSK1を入力する。
デ−タ変換回路724へ入力されるデ−タは、発光素子アレイユニット1A用のデ−タとなり図38に示すSRAM群のA群、B群の1、2からの出力であり、A群SRAM1から出力された2ビット単位のイ−ブン・オッドを4ビット単位としデ−タSODA1を入力する。
以下デ−タは、B群SRAM1から出力された2ビット単位のイ−ブン・オッドデ−タ4ビットをSODB1、A群SRAM2から出力された2ビット単位のイ−ブン・オッドデ−タ4ビットをSODA2、B群SRAM2から出力された2ビット単位のイ−ブン・オッドデ−タ4ビットをSODB2とする。
ここでは、A、B群SRAM1についてのデ−タフォ−マットを記す。A、B群SRAM1の4ビットイ−ブン・オッドデ−タSODA1,SODB1は、発光素子アレイユニット1Aの取り付けが例えば図11において画像転送方向左からに対し右からの転送方向であるため、発光素子アレイユニットのデ−タ転送A、BブロックのBブロックに相当する。このためBブロックデ−タIMDATA2より出力される。
まず、デ−タ切換信号BANKASELがHighの期間、A群のSRAM1(図38における符号514_A1が相当)からの出力SODA1が選択される。出力SODA1は、前述の通り2ビットごとのイ−ブン・オッドデ−タで4ビットの上位2ビットがオッドデ−タ、下位2ビットがイ−ブンデ−タとなっている。
この4ビットデ−タを図41に示す転送制御回路551、テストパタ−ン発生回路541にて生成したクロックCLKEN95とCLKEN475の関係よりクロックCLKEN95がHighでCLKEN475がLowのとき、SODA1の上位ビットであるオッドデ−タを2ビット単位のIMDATA2に出力する。
更にクロックCLKEN95がHighでCLKEN475がHighのときには、SODA1の下位ビットであるイ−ブンデ−タを2ビット単位のIMDATA2に出力させ交互にデ−タを出力させる。
次にデ−タ切換信号BANKASELがLowの期間には、B群のSRAM1(図38における符号514_B1が相当)からの出力SODB1が選択され、上記のSODA1のデ−タ同様上位2ビットオッドデ−タを出力しその後下位2ビットイ−ブンデ−タをIMDATA2へ出力させ、デ−タを主走査方向に2ビットシルアルデ−タにフォ−マット変換させる。A群のSRAM2(図38における符号514_A2が相当)からの4ビット出力デ−タSODA2、B群のSRAM2(図38における符号514_B2が相当)からの4ビット出力デ−タSODB2も上記の制御により2ビットシリアル変換されIMDATA1へ出力される。
図41の第2IC回路 714における発光素子アレイユニット1B、1C画像デ−タ用のフォ−マット変換部 532について図59により制御の説明をする。
発光素子アレイユニット1Bのデ−タフォ−マット変換、発光素子アレイユニット1Cのデ−タフォ−マット変換を本制御にて行う。以下に発光素子アレイユニット1Bでのデ−タフォ−マット変換について述べる。
基準同期クロックSYSCKと第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCと読み出し画像期間信号RFGATE及び転送制御回路551、テストパターン発生回路541にて生成したクロックCLKEN95とCLKEN475をデ−タ変換回路725へ入力させ、FM2からの8ビットデ−タを変換し発光素子アレイユニット1BのAブロック2ビットデ−タIMDATA1とBブロック2ビットデ−タIMDATA2を出力させる。
FM2からの8ビット出力デ−タは、上位4ビットはA、B群のSRAM4(図38における符号514_A4、514_B4が相当)からの2ビットイ−ブンデ−タ・2ビットオッドデ−タであり、下位4ビットはA、B群のSRAM3(図38における符号514_A3、514_B3が相当)からの2ビットイ−ブンデ−タ・2ビットオッドデ−タとなっている。前者は、出力デ−タIMDATA2へ後者は出力デ−タIMDATA1へ出力される。
4ビットデ−タから2ビット1ライン合成変換は、発光素子アレイユニット1A用の画像デ−タ入力セレクト部534、デ−タフォ−マット部535での制御と同様で、転送制御回路551、テストパタ−ン発生回路 541にて生成したクロックCLKEN95とCLKEN475の関係よりクロックCLKEN95がHighでCLKEN475がLowのとき、上位2ビットイ−ブンデ−タを出力する。更にクロックCLKEN95がHighでCLKEN475もHighのとき、下位2ビットオッドデ−タを出力し、2ビットシリアル変換される。
なお、発光素子アレイユニット1Cでの制御も同様であるが、転送開始デ−タは、オッドより転送される。
図41の第2IC回路714における発光素子アレイユニット1A、1C用の画像デ−タのγ補正・ビット変換部 556−1、556−3について図63にて制御の説明をする。
発光素子アレイユニット1Aのデ−タガンマ補正・ビット変換、発光素子アレイユニット1Cのデ−タガンマ補正・ビット変換を本制御にて行う。以下に発光素子アレイユニット1Aでのデ−タガンマ補正・ビット変換について述べる。
デ−タ変換器750は、基準同期クロックSYSCKと図42に示すレジスタ542より設定された5ビットのガンマ補正値 2ビットデ−タ01の変換デ−タ5ビットGMDT1と、2ビットデ−タ10の変換デ−タ5ビットGMDT2を入力し、発光素子アレイユニット1A用画像デ−タ入力セレクト部534、デ−タフォ−マット部535より出力された2ビットデ−タIMDATA1、IMDATA2を5ビットデ−タに変換し、出力デ−タGMMODAT1、2を出力する。出力された5ビットデ−タは、次のデ−タ変換器751に入力されテストパタ−ンのセレクトを行って信号GCOMBD1、GCOMBD1が出力される。
図41の第2IC回路 714における発光素子アレイユニット1B用のγ補正ビット変換・繋ぎ目光量補正部 556_2について図64により制御の説明をする。発光素子アレイユニット1Bのデ−タガンマ補正・ビット変換そして、発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1C間での繋ぎ目における発光量補正処理を本制御にて行う。
発光素子アレイユニット1Bの画像有効範囲を固定し、発光素子アレイユニットの全ドット数7680にたいし左右258ドットは余白領域でありデ−タ転送は2分割であるので1分割分は3840ドットとなり、Aブロックでの先頭画素デ−タは、259ドット目となる。終了画素デ−タは、Bブロックの3582ドット目である。
信号発生回路760では、基準同期クロックSYSCKと、第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCと、読み出し画像期間信号RFGATE(図39参照)及び転送制御回路551、テストパタ−ン回路541にて生成したクロックCLKEN95をカウンタに入力してカウント信号を生成し、このカウント信号のカウンタ値が259カウントになったら信号CNADAT1をHighにする。
この信号CNADAT1は、発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タIMDATA1の繋ぎ目光量補正有効ドットとなる。また、カウンタ値が3582カウントになったら信号CNADAT2をHighにする。この信号CNADAT2は、発光素子アレイユニット1BのBブロックデ−タIMDATA2の繋ぎ目光量補正有効ドットとなる。
上記生成された繋ぎ目光量補正有効ドット信号CNADAT1とCNADAT2をデ−タ変換器770に入力し、さらに、図41に示すレジスタ542にて設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT1、GMDT2と同じくレジスタ542にて設定された5ビット繋ぎ目光量補正デ−タADJL1、2、3とフォ−マット変換部532から出力された2ビットデ−タIMDATA1、IMDATA2をデ−タ変換器770に入力する。
入力2ビットデ−タIMDATA1は、デ−タ値が00の場合は、0を出力し、デ−タ11では5ビットMAXの32値を出力し、デ−タ値が01の場合は、レジスタ設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT1を出力し、デ−タ値が10の場合は、レジスタ設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT2を出力する。(出力5ビットデ−タ GMMODAT1)入力デ−タIMDATA2についても同様となる。通常は、上記により2ビットデ−タを5ビットデ−タへ変換する。
データ変換器765は、データ変換器770より出力されたGMMODAT1[4:0]、GMMODAT2[4:0]を入力し、入力クロックSYSCLKでラッチをかけてGOMBD1[4:0]、GOMBD2[4:0]を出力する。
次に繋ぎ目光量補正制御について述べる。図11等に示したように発光素子アレイユニット1A、1B、1Cの端部はオ−バ−ラップさせて配列してあり、第1IC回路713のSRAM制御にてデ−タのシフトは可能となるが、1ビット単位であり、1ビット以下でのデ−タのシフトはできない。
仮に発光素子アレイユニット1Aの終端ビットデ−タと発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始ビットデ−タつまりAブロックデ−タの259ドット目の間隔が所定の(42.3μm)より離れている場合、まわりより暗くなり、画像では白スジが発生する可能性がある。
そこで発光素子アレイユニット1Bでの画像有効範囲は固定しているので、発光素子アレイユニット1Aの画像デ−タを第1IC回路713のSRAM制御にて1ドット発光素子ヘッド2側へ移動させ、画像デ−タをオ−バ−ラップさせる。すると今度は、繋ぎ目のドット間隔が狭くなりまわりより明るくなり黒スジが発生してしまう。
そこで、図32に示す操作装置604よりキ−入力し、図41に示すレジスタ542から繋ぎ目光量補正モ−ド有りにすると、前記生成した発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タIMDATA1の繋ぎ目光量補正有効ドット信号CNADAT1により入力2ビットデ−タIMDATA1の259ドット目を注目させレジスタADJL1、2、3の繋ぎ目光量補正デ−タを5ビット可変できる。
レジスタADJL1、2、3の繋ぎ目光量補正デ−タは、それぞれ入力デ−タ01,10,11に相当し、MAX32値の変換ができる。よって黒スジが発生した場合、259ドット目の入力2ビットデ−タIMDATA1が11であればレジスタADJL3の繋ぎ目光量補正デ−タを小さな値に5ビット変換することで黒スジが目立たなくなる。
繋ぎ目光量補正は、発光素子アレイユニット1Bだけでなく、発光素子アレイユニット1Aの端部デ−タと両方で行うことにより効果が高くなる。発光素子アレイユニット1BのBブロックと発光素子アレイユニット1Cの繋ぎ目についても同様の制御となる。
図41の第2IC回路714におけるPセンサ出力部537、光量補正デ−タセレクト部538について図65により制御の説明をする。
電源オン時、発光素子アレイユニットのドット単位及びチップ単位の光量補正デ−タかつゲ−ト信号を、図37の画像ページメモリ部602A1_1からの光量補正デ−タ、ゲ−ト信号を使用するか、図41における光量補正ROM読み出し制御部543で制御した光量補正ROMからの光量補正デ−タとゲ−ト信号を使用するか、セレクタ780に入力してモ−ド切換信号KHSELにより選択して出力する。
また、プロセス条件、トナ−濃度出力用に生成したPセンサイネ−ブル信号と発光素子ヘッド2のAブロックデ−タをセレクタ775へ入力させ両者を出力デ−タPSODとして出力させる。出力された光量補正デ−タと光量補正用ゲ−ト信号 及び発光素子ヘッド2画像デ−タであるガンマ補正ビット変換・繋ぎ目光量補正部 556_2(図41参照)からの画像デ−タと発光素子アレイユニット1A、1Cの画像デ−タに係る、繋ぎ目光量補正部 556_2、γ補正ビット変換部556_3、からの画像デ−タをセレクタ785に入力させ、モ−ド切換信号KHENBLにより、光量補正モ−ド、通常画像デ−タ転送(階調モ−ド)の切換を行い、発光素子アレイユニットへ出力させる。
図41の第2IC回路714における、発光素子アレイユニットへのストロ−ブ出力制御部539について図66により、発光素子点灯制御・点灯タイミングの説明をする。
本制御は、発光素子アレイユニットを点灯させるための点灯パルス信号を生成する。発光素子アレイユニットの点灯方式は、主走査1ライン分の5ビットデ−タをラッチさせた後、主走査期間から設定した32カウント分のクロック点灯期間を基準に4本の信号ラインに順に出力することで点灯させ、画像を印字するが、ここでは、電源の負担を減らすため、発光素子アレイユニットを4分割して点灯するようにしている。
まず、第1IC回路713より生成された画像開始信号RLSYNCと基準同期信号SYSCKをカウンタ790に入力してカウントアップさせ、カウンタSTBWDを出力する。
前記カウンタSTBWDは、発光素子アレイユニットへ出力する点灯ストロ−ブの1クロック分の内部カウンタである。カウンタリセットは、図41におけるレジスタ542で設定されたストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCにてリセットさせる。
また、ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCでの中間カウント値を周期STBCYCと同様、期間STBDTYを設定させカウンタSTBWDと組み合わせてストロ−ブ1クロック分の中間イネ−ブル信号STBWDDTYを生成し出力する。
次に1クロック周期信号STBWDCYC(STBWD=STBCYC)をカウンタ791に入力させ同信号を基準にカウンタSTBCNTを出力させる。カウンタリセットは、カウンタSTBCNTが31カウント(0〜31で32カウント)になったらリセットさせる。次にカウンタSTBCNTが31カウントをカウンタ792に入力させ同信号を基準にカウンタSTBBLKを出力させる。カウンタリセットは、カウンタSTBBLKが3カウントになったらリセットさせる。
次に上記カウンタSTBBLKが3カウントした信号と第1IC回路713より生成された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCを主走査STB期間生成回路793に入力させ、主走査1ラインでのストロ−ブ信号期間STBLENを出力する。また、副走査ストロ−ブ期間は、回路794にて生成し出力する。
カウンタ790、791、792、793、794で生成された信号をSTBクロック生成回路741に入力させ4本のストロ−ブクロックに順に出力させる(STBCLK0〜3)。
ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCと中間カウント値期間STBDTYの設定について述べる。
発光素子アレイユニットの点灯時間は、主走査期間に対して8%〜15%としている。仮に点灯時間10%とすると主走査期間470.3μsecだと47.03μsecがストロ−ブクロック周期となり32クロックが含まれている。1クロックの周期は、47.03μsec/32クロックで1.47μsecとなる。基準同期クロックSYSCKは19MHzであり0.052μsecの周期なので1クロックの周期1.47μsecは、基準同期クロックSYSCKが28カウント分となる。(カウンタSTBWD 0〜27カウント)よって、ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCは、設定値27となり、中間カウント値期間STBDTYは、設定値13となる。
さらに、前記記載した制御方法、5ビット画像デ−タに対応させた点灯期間のパルス制御の他に、図43の発光素子アレイユニット内部回路に記載した、発光素子の電流を設定しているVref信号をD/Aコンバ−タで電圧を変化させ印可電流を制御することでも可能である。
6−b.書き込み範囲シフト処理
複数個の発光ダイオードアレイユニットの書き込み幅方向の領域を、互いにオーバラックして配列させ、分割された画像データを各々の発光素子アレイユニット内の任意の位置に発光素子単位で制御し書き込み範囲シフト処理を行なう書き込み範囲シフト手段について説明する。
書き込み範囲シフト手段を構成する制御部602の回路構成は、前記6−a項で述べた構成と同じである。
まず、書き込み範囲シフト手段の基本構成について図38、図39を参照しながら説明する。
第1IC回路713に入力された画像データは、2ビットイ−ブンデ−タED(1..0)、2ビットオッドデ−タOD(1..0)としてSRAMアドレス信号AADR(10..0)及びBADR(10..0)と共にA群の6個のSRAM(符号514A_1〜514A_6が相当)、B群の6個のSRAM(符号514B_1〜514B_6が相当)に転送周波数25MHzで同時入力される。
発光素子アレイユニット1A、1B、1Cは、総dot数23040dot(A3幅7680dot×3本)でデータ転送が6分割(1本/2分割×3本)方式のため、A3幅LEDヘッド1本の1分割分である3840dot(7680dot/2分割)毎に、A群としてSRAM 514A_1〜514A_6の6個を設け、2dot(ED:2bit、OD:2bit)分の画像データを4bitとして1アドレスに割り当て、主走査1ライン分の画像データをA群のSRAM1 514A_1に発光素子アレイユニット1Aの1分割目の画像データ、SRAM2 514A_2に発光素子アレイユニット1AAの2分割目の画像データ、SRAM3 514A_3に発光素子アレイユニット1Bの1分割目の画像データ、SRAM4 514A4に発光素子アレイユニット1Bの
2分割目の画像データ、SRAM5 514A_5に発光素子アレイユニット1C 503_3の1分割目の画像データ、SRAM6 514A_6に発光素子アレイユニット1Cの2分割目の画像データを格納する。
画像転送周波数25MHzでA群の6個のSRAM(符号514A_1〜514A_6が相当)に順次格納された画像データは、画像転送周波数4.75MHzでA群の6個のSRAM(符号514A_1〜514A_6が相当)から同時に読み出され、SRAM1 514A_1、SRAM2 514A_2から読み出された発光素子アレイユニット1A 503_1の画像データは第2IC回路714へSODA1(3..0)、SODA2(3..0)、SODB1(3..0)、SODB2(3..0)として入力され、SRAM3 514A_3、SRAM4 514A_4から読み出された発光素子アレイユニット1B 503_2の画像データ及び、SRAM5 514A_5、SRAM6 514A_6から読み出された発光素子アレイユニット1C 503_3
の画像データは画像遅延メモリ部のフィールドメモリ 515_1〜515_3に送られる。
A群の6個のSRAM(符号514A_1〜514A_6が相当)が読み出しを行っている間に、次のラインをB群の6個のSRAM(符号1514B_1〜514B_6が相当)にA群と同様に格納する。
このリード、ライト動作をA郡の6個のSRAM(符号514A_1〜514A_6が相当)、B郡の6個のSRAM(符号514B_1〜514B_6が相当)をトグル動作させることによりライン間の繋ぎを行う。
上記構成により主走査方向の各LEDヘッドへの画像デ−タ転送分割が可能となる。
次に主走査1ラインでの発光素子アレイユニットへの転送デ−タからみると、複数個(本例は3本)の発光素子アレイユニットを図48(a)に示すように発光素子アレイユニット1Aの右側と発光素子アレイユニット1Bの左側、さらに発光素子アレイユニット1Bの右側と発光素子アレイユニット1Cの左側の端部を重複させた取り付けにし、各発光素子アレイユニットの有効画像範囲は、両端部に余白をもたせた構成としている。
仮に最大画像領域21612ドットの画像を発光素子アレイユニットへ書き込むものとすると、基本書き込みは、図48(a)に示すように発光素子アレイユニット1Aについては左画像余白198ドットであり、右画像余白、つまり発光素子アレイユニット1Bとの繋ぎ目部では258ドットとなり、有効画像は7224ドットとなる。
発光素子アレイユニット1Bについては両端部でそれぞれ258ドットを余白部とし、有効画像は7164ドットとなる。
発光素子アレイユニット1Cは右画像余白が198ドットであり、左画像余白、つまり発光素子アレイユニット1Bとの繋ぎ目部では258ドットとなり、有効画像は7224ドットとなる。
画像デ−タは、発光素子アレイユニット1Aの左199ドット目から転送されてきて右側の259ドットまで転送し、発光素子アレイユニット1Bの左259ドットに続く。さらに発光素子アレイユニット1Bの右259ドットまでデ−タ転送されると発光素子アレイユニット1Cの左259ドットに転送される。
ここで、発光素子アレイユニット1Aの取り付けが、発光素子アレイユニット1B側に寄っていた場合、上記の画像デ−タ転送では、発光素子アレイユニット1A、1B間において発光素子アレイユニット1Aの右デ−タと発光素子アレイユニット1Bの左デ−タが重なってしまい、発光素子の点灯が重なった部分だけ明るくなり黒スジ画像が発生する。
そこで、書き込み範囲シフト処理として、本制御であるSRAM書き込み制御にて、発光素子アレイユニット1Bの有効画像範囲つまり余白部は固定で258ドットとして発光素子アレイユニット1Aの書き込む領域を左にシフトさせて画像を重ならないように制御する。
また、発光素子アレイユニット1Aの取り付けが、発光素子アレイユニット1B側から離れて取り付いていた場合、上記の画像デ−タ転送では、発光素子アレイユニット1A、1B間において発光素子アレイユニット1Aの右デ−タと発光素子アレイユニット1Bの左デ−タが離れてしまい発光素子を点灯させても画像デ−タが離れた部分は点灯しないので白スジ画像が発生する。
そこで、SRAM書き込み制御にて、発光素子アレイユニット1Bの有効画像範囲つまり余白部は固定で258ドットとしているので、発光素子アレイユニット1Aの書き込む領域を右にシフトさせて画像を重ならないように制御する。上記発光素子アレイユニット1Aの左右のシフト制御(SRAM書き込み制御)にて、1ドット単位でのシフトを可能とし発光素子アレイユニット間の繋ぎ目位置調整が制御できる。
次に、図49により、SRAM書き込み、読み出しの各発光素子アレイユニットの転送方向とSRAMアドレスについて述べる。
有効画素番号805は、図38の画像ページメモリ部602A1_1から転送される1画素デ−タであり最大画像デ−タ数21612画素(ドット)に転送される順番に番号0から21611に配列したものである。
3本の発光素子アレイユニットのデ−タ分担は発光素子アレイユニット1Aが、0から7223ドットであり、発光素子アレイユニット1Bは、7224ドットから14387であり、発光素子アレイユニット1Cは、14388ドットから21611ドットとなる。
図49における、発光素子アレイユニット上の物理位置806_1、2、3は、有効画素番号805の転送された1画素デ−タが各発光素子アレイユニットのどの場所で点灯するかを記したものである。
発光素子アレイユニットは、内部の構成が転送周波数を下げる為に、デ−タ転送を2分割にしてあり、1本あたり7680ドットの半分の3840ドットずつとなる。
3本の発光素子アレイユニットは、副走査方向のズレ量を少なくするため、中央の発光素子アレイユニット1Bのみが主走査方向上、他の発光素子アレイユニットと比べて180度反転させ、左右逆方向で千鳥状に取り付けられいるので、発光素子アレイユニット1Aは、デ−タ転送が、下から(実際には、右から左へ)始まり、発光素子アレイユニット1Bは、デ−タ転送が、上から(実際には、左から右へ)始まり、発光素子アレイユニット1Cは、デ−タ転送が、下から(実際には、右から左へ)始まる。
3本の発光素子アレイユニットを重複させて一直線とすると、発光素子アレイユニット1AのAブロック258ドット目の次に発光素子アレイユニット1BのAブロック258ドット目が続くことで画像デ−タがずれることなく繋がる。
同様に、発光素子アレイユニット1BのBブロック3581ドット目の次に発光素子アレイユニット1BのBブロック3581ドット目が続き画像デ−タがずれることなく繋がる。
次に図49において、SRAM上のアドレス807_1〜6 は、発光素子アレイユニット1本あたりデ−タ転送2分割の1分割に1ヶのSRAMを対応させている。(発光素子アレイユニット3本×2分割 =6ヶ SRAMは、6ヶ必要)1ライン目のデ−タをA群の6個のSRAMに書き込み、次の2ライン目を別のB群SRAMに書き込むので12ヶのSRAMを使用する構成である。
発光素子アレイユニットのデ−タ転送方向が、発光素子アレイユニット1A、1Cは、下からで、発光素子アレイユニット1Bは、上からであるので、各SRAMへの書き込みアドレスを、発光素子アレイユニット1A、1Cは、ダウンカウントし、発光素子アレイユニット1Bは、アップカウントさせる。
画像デ−タ転送制御回路に転送されてきた入力デ−タは、1ライン転送期間、画像密度の関係より画像転送周波数25MHzにて2ビットイ−ブンデ−タ、2ビットオッドデ−タの2ドット単位同時にSRAM1アドレスに、書き込まれる(格納される)。よって発光素子アレイユニット1Aの1分割分のデ−タ、3840ドットの半分の1920アドレスとなる。
SRAMの書き込みスタ−トアドレス、書き込み終了アドレスは、原稿・転写紙サイズに依存し画像ページメモリ部602A1_2にて判断し適切なアドレス値を出力し、図40に示すレジスタ530により転送される。
ここで、前記記載したLEDヘッド1と2の繋ぎ目部が仮に2ドット分(42.3μm×2ドット)オ−バ−ラップしていて画像に黒縦スジが発生する場合、SRAMアドレス 807_2のSRAM2 アドレス81Hでのダウンカウント終了を仮に80Hまでとし、発光素子アレイユニット1B用の SRAM3のアドレス81Hへ転送する。よって、上記デ−タをSRAMの書き込みアドレス(格納部)の変更により入力デ−タをずらすことで画像が重ならないため黒スジにならなくなる。更に、前記SRAMへの書き込みは、2ドット単位であり1ドットずらして画像を転送する制御として図56で説明した制御を用いる。
SRAMへの1アドレスへのデ−タは、イ−ブンデ−タとオッドデ−タの2ドット単位である。このままでは、2ドット単位の繋ぎ目位置調整しかできず、発光素子アレイユニット1Aと発光素子アレイユニット1Bとの繋ぎ目部、発光素子アレイユニット1Bと発光素子アレイユニット1Cとの繋ぎ目部の各発光素子アレイユニット間の位置補正を1ドット単位で制御するために、SRAM書き込みアドレスを変更せず、入力デ−タを1ドットずらす変換をしている。
図56において、入力2ビットイ−ブンデ−タPKEDと入力2ビットオッドデ−タPKODをラッチ1回路810に入力し、入力書き込みクロックSWCLKにてラッチさせ、出力デ−タPKED1D、PKOD1Dを出力する。出力したPKOD1Dを更にラッチ2回路811にてラッチさせ、PKOD2Dを出力する。ラッチ1回路810、ラッチ2回路811にて出力されたデ−タは、符号812で示す発光素子アレイユニット1Cの1ドット遅延したデ−タ、発光素子アレイユニット1B、発光素子アレイユニット1Cの正規デ−タ、発光素子アレイユニット1Aの1ドット遅延したデ−タ、発光素子アレイユニット1Aの正規デ−タとなりセレクタ813に入力される。
セレクタ813に入力されたデ−タは、どのSRAMのデ−タかを決めているSRAM書き込み処理シ−ケンサseq_pと図37の画像ページメモリ部602A1_1からレジスタ530(図40参照)により転送された信号 SHIFT1、SHIFT3と、書き込み開始アドレスと、発光素子アレイユニット1B−1C接続アドレス、そしてSRAMカウンタWCNTにより選択され、出力デ−タED、ODが出力される。
上記、発光素子アレイユニット1A−1B間繋ぎ目アドレス、発光素子アレイユニット1B−1C間繋ぎ目アドレスは、操作装置604からの操作パネルキ−操作にて入力し、画像ページメモリ部602A1_1からレジスタ530(図40参照)により転送される。前記操作により繋ぎ目の調整が可能である。また、前記調整に伴い、書き込みスタ−トアドレス、終了アドレスも変化する。
図49において、SRAM読み出し方向808_1〜6では、SRAM上のアドレス807_1〜6に書き込まれたデ−タを SRAM1〜6同時に、アドレス0からアップカウントして読み出す。読み出し方向は、各発光素子アレイユニット取り付けでの転送方向となり画像転送周波数は、SRAM書き込み周波数25MHzに対し約5分の1の4,75MHzにて制御する。
以上の制御動作を行うことで、複数の発光素子アレイユニットに転送する画像データの主走査方向分割位置(繋ぎ目位置)を制御可能になる。
6−c.発光量補正処理
ここでは、複数の発光素子アレイユニット間の繋ぎ目での主走査方向の発光素子間隔が、所定の間隔より短い場合には発光量を小さくなるように、長い場合は発光量を大きくなるように制御し、繋ぎ目位置での光量ムラをなくするようにする発光量補正処理について述べる。発光量補正処理に係る制御部602の回路構成は、前記6−a項、6−b項で述べた構成と同じである。
前記「6−b.書き込み範囲シフト処理」におけるSRAM書き込み制御では、画像デ−タにたいして1ドットまでの発光素子アレイユニット間の繋ぎ目位置調整が制御できるが、仮に発光素子アレイユニット1Aの画像有効範囲デ−タの終端ビットと発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始ビットつまり発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タの259ドット目の間隔が1ドットより広く、2ドットより狭い場合、(1ドットより広いの意味は、1ドット42.3μmであり、発光素子アレイユニット1Aの画像有効範囲デ−タの終端ビットの中央部から発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始ビットつまり、発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タの259ドット目の中央部との間隔が42.3μmであれば、繋ぎ目は一直線になっている。
また、上記、「2ドットより狭い」の意味は、前述同様、発光素子アレイユニット1Aの画像有効範囲デ−タの終端ビットの中央部から発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始2ビット目との間隔が2ドット分の84.6μmであれば、SRAM書き込み制御にて1ドットシフトを行うことで繋ぎ目が一直線になる。
しかし、発光素子アレイユニット1Aの画像有効範囲デ−タの終端ビットと発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始ビットが、42.3μmから84.6μmまでだとSRAM書き込み制御ではデ−タのシフトができないため、まわりより暗くなり、画像では白スジが発生する可能性がある。
そこで、発光素子アレイユニット1Bでの画像有効範囲は固定しているので、発光素子アレイユニット1Aの画像デ−タを第1IC回路713のSRAM制御にて1ドット、発光素子アレイユニット1B側へ移動させ、画像デ−タをオ−バ−ラップさせる。すると今度は、繋ぎ目のドット間隔が1ドット以下で狭くなりまわりより明るくなり黒スジが発生してしまう。
そこで、図64の制御回路を用い重なった発光素子アレイユニット1Bの画像有効開始ビットつまり発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タの259ドット目をデ−タをシフトさせるのではなく、デ−タを置換することでデ−タ整列を行う。
以下にデ−タの置換について述べる。
図64において、発光素子アレイユニット1Bのデ−タガンマ補正・ビット変換、そして、繋ぎ目光量補正を本制御にて行う。図48(a)、図49において、発光素子アレイユニット1Bの画像有効範囲を固定し、発光素子アレイユニットの全ドット数7680に対し、左右258ドットは余白領域でありデ−タ転送は2分割であるので1分割分は3840ドットとなり、Aブロックでの先頭画素デ−タは、259ドット目となる。終了画素デ−タは、Bブロックの3582ドット目である。
基準同期クロックSYSCKと第1IC回路713より出力された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCと読み出し画像期間信号RFGATE(図39参照)及び図41に示した転送制御回路551、テストパタ−ン発生541にて生成したクロックCLKEN95にてカウンタを生成しカウンタ値が259カウントになったら信号CNADAT1をHighにする。
この信号CNADAT1は、発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タIMDATA1の繋ぎ目光量補正有効ドットとなる。また、カウンタ値が3582カウントになったら信号CNADAT2をHighにする。この信号CNADAT2は、発光素子アレイユニット1BのBブロックデ−タIMDATA2の繋ぎ目光量補正有効ドットとなる。
上記生成された繋ぎ目光量補正有効ドット信号CNADAT1とCNADAT2をデ−タ変換器770に入力し更にレジスタ542(図40参照)にて設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT1、GMDT2と同じくレジスタ542にて設定された5ビット繋ぎ目光量補正デ−タADJL1、2、3とフォ−マット変換部532(図59参照)から出力された2ビットデ−タIMDATA1、IMDATA2を入力する。
入力2ビットデ−タIMDATA1は、デ−タ値が00の場合は、0を出力し、デ−タ11では5ビットMAXの32値を出力し、デ−タ値が01の場合は、レジスタ設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT1を出力し、デ−タ値が10の場合は、レジスタ設定された5ビットガンマ補正デ−タGMDT2を出力する。(出力5ビットデ−タ GMMODAT1)入力デ−タIMDATA2についても同様となる。通常は、上記により2ビットデ−タを5ビットデ−タへ変換する。
次に上記発光素子アレイユニット間の繋ぎ目ドット間隔が狭くなりまわりより画像が明るくなり画像に縦黒スジが発生したのならば、操作装置604よりキ−入力し、レジスタ542(図41参照)から繋ぎ目光量補正モ−ド有りにすると、前記生成した発光素子アレイユニット1BのAブロックデ−タIMDATA1の繋ぎ目光量補正有効ドット信号CNADAT1により入力2ビットデ−タIMDATA1の259ドット目を注目させレジスタADJL1,2,3の繋ぎ目光量補正デ−タを5ビットに変えることができる。
レジスタADJL1,2,3の繋ぎ目光量補正デ−タは、それぞれ入力デ−タ01、10、11に相当し、MAX32値の変換ができる。よって黒スジが発生した場合、259ドット目の入力2ビットデ−タIMDATA1が11であればレジスタADJL3の繋ぎ目光量補正デ−タを32値MAXでの出力をせず、例えば、半分の5ビット16値を代入することで重なったデ−タの発光素子点灯が暗くなり画像の黒スジが目立たなくなる。入力デ−タが01、10についても同様で5ビットデ−タ値を小さくすることで黒スジを目立たなくすることができる。
また、繋ぎ目光量補正は、発光素子アレイユニット1Bの有効画像領域の両端だけでなく、発光素子アレイユニット1Aの端部デ−タと両方で行うことにより効果が高くなる。発光素子アレイユニット1BのBブロックと発光素子アレイユニット1Cの繋ぎ目についても同様の制御となる。
前記繋ぎ目デ−タを変換後における、発光素子アレイユニットからの明るさ制御手段について述べる。図66を参照しながら説明する。
本制御は、発光素子アレイユニットを点灯させるための点灯パルス信号を生成する。発光素子アレイユニットの点灯方式は、主走査1ライン分の5ビットデ−タをラッチさせた後、主走査期間から設定した32カウント分のクロック点灯期間を基準に4本の信号ラインに順に出力することで点灯し画像が印字される。電源の負担を減らすため、発光素子アレイユニットを4分割して点灯するようにしている。
まず、第1IC回路713より生成された画像開始信号RLSYNCと基準同期信号SYSCKをカウンタ790に入力しカウントアップさせカウンタSTBWDを出力する。前記カウンタSTBWDは、発光素子アレイユニットへ出力する点灯ストロ−ブの1クロック分の内部カウンタである。
カウンタリセットは、レジスタ542(図41参照)で設定されたストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCにてリセットさせる。また、ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCでの中間カウント値を周期STBCYCと同様、期間STBDTYを設定させカウンタSTBWDと組み合わせてストロ−ブ1クロック分の中間イネ−ブル信号STBWDDTYを生成出力する。
次に1クロック周期信号STBWDCYC(STBWD=STBCYC)をカウンタ791に入力させ同信号を基準にカウンタSTBCNTを出力させる。カウンタリセットは、カウンタSTBCNTが31カウント(0〜31で32カウント)になったらリセットさせる。次にカウンタSTBCNTが31カウントをカウンタ738に入力させ同信号を基準にカウンタSTBBLKを出力させる。カウンタリセットは、カウンタSTBBLKが3カウントになったらリセットさせる。
次に上記カウンタSTBBLKが3カウントした信号と第1IC回路713より生成された読み出し主走査画像開始信号RLSYNCを主走査STB期間生成回路に入力させ、主走査1ラインでのストロ−ブ信号期間STBLENを出力する。また、副走査ストロ−ブ期間は、回路794にて生成し出力する。前記カウンタ790、791、792、793、794で生成された信号をSTBクロック生成回路795に入力させ4本のストロ−ブクロックに順に出力させる(STBCLK0〜3)
ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCと中間カウント値期間STBDTYの設定について述べる。
発光素子アレイユニットの点灯時間は、主走査期間に対して8%〜15%としている。仮に点灯時間10%とすると主走査期間470.3μsecだと47.03μsecがストロ−ブクロック周期となり32クロックが含まれている。1クロックの周期は、47.03μsec/32クロックで1.47μsecとなる。基準同期クロックSYSCKは19MHzであり0.052μsecの周期なので1クロックの周期1.47μsecは、基準同期クロックSYSCKが28カウント分となる。(カウンタSTBWD 0〜27カウント)よって、ストロ−ブ1クロック分の周期STBCYCは、設定値27となり、中間カウント値期間STBDTYは、設定値13となる。
更に、前記記載した制御方法、5ビット画像デ−タに対応させた点灯期間のパルス制御の他に、図43の発光素子アレイユニットの内部回路に記載した、発光素子の電流を設定しているVref信号をD/Aコンバ−タで電圧を変化させ印可電流を制御することでも可能とする。