JP4559135B2 - 生ごみ処理機 - Google Patents

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本発明は、工場、飲食店、ホテル、一般家庭等から出る生ごみの減量化を計る生ごみ処理機に関するものである。
生ごみを加熱乾燥処理する生ごみ処理機としては、電気ヒータの温風で加熱する方式や、ガスまたは灯油等の液体燃料をバーナで燃焼させ、その燃焼熱と熱交換して得られる温風で加熱する方式がある。
このような生ごみ処理機では、乾燥処理中には乾燥容器内部で撹拌手段が回転し生ごみを粉砕・撹拌して表面積を大きくすることで乾燥効率を高めている。さらに撹拌・粉砕時において、撹拌手段は乾燥容器内で生ごみが片寄らないようにすると同時に、生ごみが撹拌羽根と処理容器内側面に噛み込まないように一定の撹拌停止時間を挟んで正逆回転するように制御されている。尚、正回転(逆回転)から逆回転(正回転)に移行するときに一定の撹拌停止時間を設けているのは、生ごみを撹拌しすぎることにより生ごみが団子状の塊となることを防止するためである。
さらに、生ごみの含水量が低下し生ごみや乾燥容器内部の温度が上昇して乾燥容器内の温度検知手段が所定温度を検知すると生ごみが十分乾燥したと判断し、電気ヒータまたはバーナでの加熱を停止するが、乾燥ごみや乾燥容器が高温となっているため各送風装置や撹拌手段の駆動を継続させている。そして、乾燥容器および乾燥ごみが安全な温度に低下したときに、各送風装置や撹拌手段等を停止して乾燥運転を終了する。その後、使用者は都合の良いときに乾燥ごみを排出してから、次に乾燥処理すべき生ごみを投入し再び乾燥運転を開始することになる。
特開2002−126686号公報
しかしながら、前述のような生ごみ処理機では乾燥処理が進み生ごみの含水量が低下してくると生ごみや乾燥容器内部の温度が上昇する。また、撹拌手段は一定の撹拌停止時間を挟んで正逆回転しているため、生ごみは撹拌停止時間の間は温度が上昇した状態で停滞することになる。したがって、生ごみの表面や底部だけが局部的に加熱されることになり、生ごみに温度ムラが発生して乾燥終了時に未乾燥のまま生ごみが残ったり、局部的に加熱された生ごみの炭化や発火といった危険が生じる可能性がある。
このような場合、撹拌手段の制御において撹拌停止時間を短くして正逆回転で撹拌すれば良いが、撹拌停止時間を短くすると生ごみを撹拌しすぎることになるため、結果的に生ごみが団子状の塊となって撹拌手段がロックしたり処理した乾燥ごみの排出が困難になるという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためのもので、未乾燥の生ごみの発生や局部的な加熱から生じる生ごみの炭化や発火を防止する生ごみ処理機を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、生ごみを乾燥する乾燥容器と、前記乾燥容器内の生ごみを撹拌する撹拌手段と、前記乾燥容器底部の温度を検知する底部温度検知手段と、生ごみを加熱乾燥する加熱手段とを備え、前記撹拌手段を一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させる生ごみ処理機において、前記底部温度検知手段が所定温度を検知したなら前記撹拌手段を連続撹拌させるか、もしくは前記撹拌停止時間を短縮し、前記底部温度検知手段が前記所定温度を下回ったことを検知したなら前記撹拌手段を前記一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させるとともに、前記底部温度検知手段が前記所定温度より高い一定温度を検知したなら乾燥終了と判定し前記加熱手段を停止することを特徴とする生ごみ処理機に係るものである。
本発明によれば、生ごみの温度や乾燥容器内部の温度が上昇してきたときに連続的に撹拌を行うことにより生ごみが局部的に加熱されることがなくなるため、未乾燥の生ごみの発生や局部的な加熱から生じる生ごみの炭化や発火を防止でき、確実に生ごみを乾燥処理できる安全性の高い生ごみ処理機となる。
好適と考える本発明の最良の形態を、本発明の作用効果を示して簡単に説明する。
本発明に係る生ごみ処理機は、撹拌手段を一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させ、底部温度検知手段が所定温度を検知したなら撹拌手段を連続撹拌させるか、もしくは撹拌停止時間を短縮する。
したがって、撹拌停止時間の間に生ごみが局部的に加熱されることがなくなるため、未乾燥の生ごみの発生や局部的な加熱から生じる生ごみの炭化や発火を防止でき、確実に生ごみを乾燥処理できる安全性の高い生ごみ処理機となる。
さらに底部温度検知手段が所定温度を下回ったことを検知したなら再び撹拌手段を一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させる。
したがって、生ごみや乾燥容器内部の温度が低い状態で一定の撹拌停止時間を挟んで正逆回転するため、生ごみを撹拌しすぎることがないから生ごみが団子状の塊となることはなく、さらに使い勝手の良い生ごみ処理機となる。
図1〜図5は本発明の実施例であり、以下に説明する。
図1は生ごみ処理機の外観傾視図、図2は側面構成図、図3は正面構成図である。まず、図1より1は生ごみ処理機の本体、2は本体1に生ごみを投入するための開閉自在の扉である。また、3は生ごみ処理機の運転を制御するための操作部であり、この操作部3の下部には本体1内で乾燥処理された乾燥ごみを受けるための容器を格納する乾燥ごみ容器収納部4を有している。
図2および図3より、5は本体1内に収納され生ごみを乾燥処理する乾燥容器、6は生ごみを乾燥するために必要な燃焼熱を生成するバーナ部、7は乾燥容器5から排出される臭気成分をバーナ部6の燃焼火炎にて加熱分解する臭い空気燃焼室である。8はバーナ部6の燃焼熱により活性化し臭気成分を酸化分解する脱臭触媒であり、この脱臭触媒8の下流に直交熱交換器9を配設し、その下流は排気筒10に連通している。
乾燥容器5内の上部には、乾燥容器5から臭い空気を吸引し臭い空気燃焼室7へ送風する臭い空気吸引ファン11を外側に配設した臭い空気吸入口12を設け、この臭い空気吸入口12と臭い空気燃焼室7は臭い空気ダクト13を介して連通している。つまり、乾燥容器5からの臭い空気は、臭い空気燃焼室7で加熱分解された後、脱臭触媒8を通過して完全に脱臭処理され、直交熱交換器9を通過して排気筒10から無臭の空気として外部に排出される構成としている。
さらに、乾燥容器5底部には生ごみを撹拌する撹拌手段14が内設され、この撹拌手段14は回転自在の回転軸15に複数の撹拌アーム16が取り付けられており、撹拌アーム16の先端には生ごみを効率よく撹拌するための撹拌羽根17が所定の角度で取り付けられている。また、外部には撹拌手段14の回転軸15を回転させる撹拌駆動手段18を配設し、さらに、19は生ごみの乾燥ごみを排出するための排出口、20は排出口19からの乾燥ごみを収容する乾燥ごみ容器である。21は排出口19を開閉するための排出口開閉手段であり、モーターにより排出口19の開閉を行うようにしている。
また、22は乾燥容器5底部近傍を直接加熱する加熱手段としての面状電気ヒータであり、23は乾燥容器5底部近傍の温度を検知する底部温度検知手段である。なお、底部温度検知手段23は、撹拌手段14の撹拌制御と生ごみの乾燥終了判定を行うための温度検知手段である。
循環空気吸入口24の外側には循環ファン25を配設し、この循環ファン25を介して循環空気吸入口24と循環ダクト26を連通し、この循環ダクト26は脱臭触媒8と直交熱交換器9の周囲に空気の通路となる空隙を形成するように設けられた箱体27と連通している。28は乾燥容器5内に高温空気を導入するための温風吹出口ダクトである。つまり、循環空気吸入口24、循環ファン25、循環ダクト26、箱体27、直交熱交換器9、温風吹出口ダクト28から構成された空気循環経路29が、生ごみを温風加熱する加熱手段として乾燥容器5に連通している。
図4より、バーナ部6は燃焼ファン30、バーナ31、バーナ31に燃料の気化ガスを噴出供給する気化器32からなっている。また、バーナ31の下流には二次空気噴出用の二次空気孔33を多数穿設した二次空気噴出板34が火口35の両側に対向立設し、さらに、臭い空気燃焼室7は、臭い空気ダクト13と連通する周縁通路を外方に備えた二重構造をなし、その内外は対向壁面に多数穿設された臭い空気噴出孔36を介して連通している。
次に上記構成における動作を図5のチヤート図により説明する。本体1の扉2を開けて乾燥容器5に生ごみを投入し操作部3にて運転操作を行うと、気化器32を予熱する等の燃焼準備に入る。予熱が完了すると、図示しない送油ポンプが始動して気化器32に灯油が流入し、加熱気化した気化ガスがバーナ31に噴出する。その一方で燃焼ファン30も低回転始動し一次空気がバーナ31に流入する。
よって、気化ガスと一次空気の予混合気が火口35より噴出し、図示しない着火装置により着火し燃焼開始となる。さらに燃焼火炎に二次空気噴出板34から二次空気が強制的に供給されて完全燃焼する。そして、この燃焼排ガスの燃焼熱は、臭い空気燃焼室7、脱臭触媒8、直交熱交換器9を加熱した後、排気筒10より外部に排出される。
また、燃焼開始と相前後して撹拌手段14は撹拌駆動手段18により、例えば、15分撹拌停止/5分撹拌のように撹拌と撹拌停止を繰り返すように駆動する。そして、撹拌手段14は乾燥容器5内で生ごみが片寄らないようにすると同時に生ごみが撹拌羽根17と処理容器5内側面に噛み込まないように一定の撹拌停止時間(T)を挟んで正逆回転するように制御されている。
さらに、撹拌手段14が駆動すると同時に循環ファン25が始動すると、乾燥容器5内の空気は循環空気吸入口24より循環ダクト26に流入して箱体27に送られ、箱体27内の空隙を通り直交熱交換器9に流入する。そして、直交熱交換器9を通過する空気はバーナ31の燃焼熱と熱交換して高温空気となり、温風吹出口ダクト28から乾燥容器5へ流入し、粉砕・撹拌されて表面積の拡大した生ごみを効率よく乾燥することになる。また、乾燥容器5底部近傍に取り付けられている面状電気ヒータ22の発熱部にも通電が開始され、乾燥容器5底部近傍を直接加熱することになる。
一方、乾燥処理により乾燥容器5内部に発生した臭い空気は、臭い空気吸引ファン11により臭い空気吸入口12から臭い空気ダクト13を通って臭い空気燃焼室7に噴出されるため、臭い空気の臭気成分はバーナ31の燃焼火炎によって加熱分解され、さらに、臭い空気燃焼室7で加熱分解されずに残った臭気成分は臭い空気燃焼室7下流の脱臭触媒8に流入し完全に酸化分解されることになる。
そして、生ごみの乾燥が進み生ごみの含水量が低下すると、乾燥容器5上部より徐々に温度が上昇してくる。そして、乾燥容器5底部近傍に設けられた底部温度検知手段23が所定温度(例えば90℃)を検知すると、今まで一定の撹拌停止時間(T)を挟んで正逆回転で撹拌していた撹拌手段14を撹拌停止時間(T)を設けない連続正逆回転で撹拌する(a点)。なお、本実施例では連続正逆回転で撹拌しているが撹拌停止時間(T)を短縮して正逆回転で撹拌しても良く、連続的に正回転または逆回転でも良い。また、所定温度は本実施例に限定されるものではない。
さらに、底部温度検知手段23が所定温度を下回ったことを検知した場合には、再び撹拌手段14を一定の撹拌停止時間(T)を挟んで正逆回転で撹拌する(b点)。そして、再び底部所定検知手段23が所定温度を検知すると今まで一定の撹拌停止時間(T)を挟んで正逆回転で撹拌していた撹拌手段14を撹拌停止時間(T)を設けない連続正逆回転で撹拌する(c点)。
つまり、生ごみは撹拌停止時間(T)の間に停滞することになるが、底部温度検知手段23が所定温度を検知するときには生ごみや乾燥容器5内部の温度が上昇している状態であることから、撹拌停止時間(T)の間に生ごみの表面や底部だけが局部的に加熱され易くなり、生ごみに温度ムラが発生して乾燥終了時に未乾燥のまま生ごみが残ったり、生ごみの炭化や発火といった危険が生じる可能性がある。
しかし、撹拌停止時間(T)を設けない連続正逆回転で撹拌するか、もしくは撹拌停止時間(T)を短縮して正逆回転で撹拌することにより生ごみが局部的に加熱されることがなくなるため、未乾燥の生ごみの発生や局部的な加熱から生じる生ごみの炭化や発火を防止できるのである。なお、撹拌停止時間を短縮する場合には、1分以上に設定すると生ごみの炭化が発生しやすくなるため1分以内に設定するのが良い。
さらに、生ごみや乾燥容器5内部の温度が低い状態で撹拌停止時間(T)を設けなかったり短縮したりすると生ごみを撹拌しすぎることになり生ごみが団子状の塊となってしまうが、温度が高い状態では生ごみの表面がすぐに乾燥され団子状となり難いため撹拌停止時間(T)を設けない連続正逆回転で撹拌するか、もしくは撹拌停止時間(T)を短縮して正逆回転で撹拌しても問題ないのである。
そして、底部温度検知手段23が所定温度より高い一定温度(例えば100℃)を検知すると生ごみの乾燥終了と判定し(d点)、バーナ31の燃焼火力を下げ、所定時間運転した後バーナ31を消火する。この後、循環ファン25、臭い空気吸引ファン11及び撹拌手段14を引き続き所定時間運転させて乾燥容器5及び乾燥ごみを冷却し生ごみの乾燥運転を終了する(e点)。
そして、使用者が都合の良い時間に操作部3の排出運転スイッチを操作することにより、排出口開閉手段21のモーターが作動して乾燥容器5に設けられた排出口19が開き、乾燥ごみは撹拌手段14により排出口19から乾燥ごみ容器20に排出される。
本発明の実施例の外観傾視図である。 本発明の実施例の側面構成図である。 本発明の実施例の正面構成図である。 本発明の実施例のバーナ部、臭い空気燃焼室の構成図である。 本発明の実施例の制御方法を説明するチャート図である。
符号の説明
5 乾燥容器
14 撹拌手段
22 面状電気ヒータ(加熱手段)
23 底部温度検知手段
29 空気循環経路(加熱手段)

Claims (1)

  1. 生ごみを乾燥する乾燥容器と、前記乾燥容器内の生ごみを撹拌する撹拌手段と、前記乾燥容器底部の温度を検知する底部温度検知手段と、生ごみを加熱乾燥する加熱手段とを備え、前記撹拌手段を一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させる生ごみ処理機において、前記底部温度検知手段が所定温度を検知したなら前記撹拌手段を連続撹拌させるか、もしくは前記撹拌停止時間を短縮し、前記底部温度検知手段が前記所定温度を下回ったことを検知したなら前記撹拌手段を前記一定の撹拌停止時間を挟んだ正逆回転で撹拌させるとともに、前記底部温度検知手段が前記所定温度より高い一定温度を検知したなら乾燥終了と判定し前記加熱手段を停止することを特徴とする生ごみ処理機。
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