JP3762326B2 - 生ごみ処理機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、工場、飲食店、ホテル、一般家庭等から出る生ごみを加熱乾燥処理して減量化を計る生ごみ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生ごみを加熱乾燥処理する生ごみ処理機としては、電気ヒータで高温に加熱する方式や、ガスまたは灯油等の液体燃料をバーナで燃焼させ、その燃焼熱と熱交換して得られる温風を生ごみに吹き付けて乾燥させる等の方式があるが、本出願人は灯油等の液体燃料をバーナで燃焼させる方式の生ごみ処理機として、図7に示すようなものを発明した。
【0003】
図7を説明すると、乾燥容器50に投入された生ごみを加熱乾燥するための燃焼熱を生成するバーナ部51の下流に、臭い空気燃焼室52、脱臭触媒53、直交型の熱交換器54、排気筒55を配置している。そして、この熱交換器54は一方の経路を脱臭触媒53および排気筒55と連通し、他の経路を乾燥容器50内の空気を循環させる循環ダクト56および温風ダクト57と連通させた構成としたものである。また、58は生ごみを撹拌する撹拌手段である。
【0004】
この構成によれば、生ごみを撹拌及び加熱乾燥処理に伴い、乾燥容器50の内部から排出される臭い空気は、臭い空気ダクト59を通って臭い空気燃焼室52へ流入する。そして、臭い空気の臭気成分はバーナ部51の燃焼火炎により臭い空気燃焼室52にて加熱分解され、加熱分解されなかった臭気成分も、バーナ部51の燃焼熱にて活性化した脱臭触媒53により、酸化分解されてほとんど臭気成分が無い空気として排気筒55から外部に放出されることになる。
【0005】
また、乾燥容器50内の空気は循環ダクト56を通って、熱交換器54へも流入する。バーナ部51の燃焼熱により脱臭触媒53の下流に配置した熱交換器54も加熱されることから、循環ダクト56により熱交換器54に導入された乾燥容器50内の空気は、熱交換器54を通過する間に温風となり、温風ダクト57を介して温風吹出口60から再度乾燥容器50に入り生ごみを加熱乾燥する。このように乾燥容器50内では、撹拌手段58にて生ごみを撹拌すると同時に、内部を温風が拡散するため効率よく生ごみを乾燥でき、さらに、生ごみの乾燥時に発生する臭気成分も臭い空気燃焼室52及び脱臭触媒53にて分解されるため、臭気の少ない生ごみ乾燥機を供給できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような構造において、温風吹出口から生ごみに温風をあてて乾燥しているが、生ごみの水分が蒸発して乾燥が終了し温風の導入を停止させる時期を誤ると、乾燥容器内の生ごみが焦げてしまう場合がある。このような場合には、焦げた生ごみの乾燥処理物は肥料や飼料に適さなくなってしまう。そのため乾燥容器内の温度や水分を各種のセンサにより監視して、生ごみが焦げる前に温風の導入を停止させる対策が行われている。
【0007】
しかしながら、乾燥容器内の温度は完全に均一なものではなく、温度を監視するためのセンサの取付位置によっても測定される温度にバラツキが発生する。そこでセンサの監視場所を多くすることにより正確な温度を検知することは可能であるが、部品コストのアップや温度制御が複雑になる。また、生ごみが焦げないように温風温度を低下させると、乾燥時間が長くなり乾燥効率が悪くなるといった問題がある。
【0008】
また、温風吹出口からの温風は、乾燥容器内の空気を熱交換器にてバーナ部の燃焼熱と熱交換しているが、空気が熱交換される際に熱交換器の脱臭触媒側は高温となるが排気筒側は脱臭触媒側に比較して温度が低くなるため、熱交換器を通過した温風の温風温度が不均一となり、最も高い部分の温風温度としては400゜C以上となってしまうことがある。その結果、撹拌手段が乾燥効率を上げるために正逆回転を間欠的に繰り返す場合、温風吹出口付近で撹拌手段の羽根が停止した場合には、その部分の生ごみが焦げるという問題があった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためのもので、乾燥容器内に導入する温風の温風温度を均一化することにより、生ごみを焦がすことがなく、効率よく乾燥処理できる生ごみ処理機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために本発明は、生ごみを乾燥する乾燥容器と、生ごみを加熱するための温風を生成する温風生成手段と、前記温風生成手段からの温風を生ごみにあてるための温風吹出口ダクトを前記乾燥容器内に備えた生ごみ処理機において、前記温風吹出口ダクトは前記温風生成手段から温風吹出口ダクト内に流入する温風のエゼクタ効果により前記乾燥容器内の空気を温風吹出口ダクト内に吸引し前記温風生成手段からの温風と混合して乾燥容器内に吹き出す構成としたことを特徴とする生ごみ処理機に係わるものである。
【0011】
さらに、前記温風生成手段と前記温風吹出口ダクトの間に、前記温風生成手段からの温風を渦状にして温風温度を均一化するための渦流生成手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機に係わるものである。
【0012】
また、前記温風吹出口ダクトには、温風温度を検知するための温度検知手段を設けたことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の生ごみ処理機に係わるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
係る構成とすれば、温風生成手段から温風吹出口ダクトに流入する温風のエゼクタ効果により前記乾燥容器内の空気を温風吹出口ダクト内に吸引し、前記温風生成手段からの温風と混合して乾燥容器内に吹き出す構成としたので、温風吹出口ダクトからの温風温度を均一化できるとともに温風の風量も十分確保できる。
【0014】
さらに、温風生成手段と温風吹出口ダクトの間に温風を渦状にするための渦流生成手段を設けたので、温風吹出口ダクトに流入する温風の温風温度をより均一化することができる。
【0015】
また、温風吹出口ダクト内に温風温度を検知する温度検出手段を設けたので、温風吹出口ダクトから生ごみに吹き出す温風温度の監視を確実に行うことができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1から図6をもとに説明する。まず図1,図2より、1は生ごみを乾燥する乾燥容器、2は生ごみを乾燥するために必要な燃焼熱を生成するバーナ部、3は乾燥容器1から排出される臭気成分をバーナ部2の燃焼火炎にて加熱分解する臭い空気燃焼室である。4はバーナ部2の燃焼熱により活性化し臭気成分を酸化分解する脱臭触媒であり、この脱臭触媒4の下流に温風生成手段としての直交熱交換器5を配設し、その下流に排気筒6を連通している。
【0017】
7は臭い空気燃焼室3と脱臭触媒4と直交熱交換器5を囲むように臭い空気燃焼室3の底部から延設させた箱体であって、臭い空気燃焼室3と脱臭触媒4と直交熱交換器5の周囲に空気の通路となる空隙を形成するように設けられている。また、箱体7には内部の臭い空気燃焼室3と脱臭触媒4の間に仕切板8を有している。
【0018】
乾燥容器1には上部に開閉自在の投入蓋9を有する他、温風吹出口ダクト10、循環空気吸入口11、臭い空気排出口12、および外部より空気を導入するための新気流入口13の各々を有している。そして14は直交熱交換器5から温風吹出口ダクト10に流入する温風を渦状にして温風温度を均一化するための渦流生成手段である。
【0019】
図3は渦流生成手段14の詳細図であるが、この渦流生成手段14は直交熱交換器5から直進して流入する温度差のある温風を渦状にして混合させ温風温度を均一化するため、複数の傾斜板14aを温風吹出口ダクト10側に傾斜させた構成としている。尚、本実施例では傾斜板14aにより渦状の温風としているが、要は温風を渦状にすることができれば良いのであり、本実施例に限定されるものではない。
【0020】
また、図4は温風吹出口ダクト10の傾斜図(a)と断面図(b)であるが、温風吹出口ダクト10内部には渦流生成手段14からの温風が吹き出す吹出口10aと、この吹出口10aの噴出力によるエゼクタ効果にて乾燥容器1内部の空気を吸引するための空気吸引口10bと、吹出口10aからの温風と空気吸引口10bからの空気を混合して乾燥容器1内に吹き出す温風吹出口10cを備えている。さらに温風吹出口ダクト10の上部には温風温度を検知するために温度検知手段15を設けている。
【0021】
循環空気吸入口11の外側には循環ファン16を配設し、この循環ファン16を介して循環空気吸入口11と循環ダクト17を連通するとともに、循環ダクト17は箱体7と連通している。つまり、循環空気吸入口11、循環ファン116、循環ダクト17、箱体7、直交熱交換器5、渦流生成手段14、温風吹出口ダクト10から構成された内部空気循環手段18が乾燥容器1に連通して空気循環経路を構成している。
【0022】
また、19は乾燥容器1から臭い空気を吸引し臭い空気燃焼室3へ送風する臭い空気吸引ファン20と臭い空気燃焼室3を連通する臭い空気ダクト21からなる臭い空気吸引手段である。また、乾燥容器1底部付近には生ごみを撹拌する撹拌手段22が内設され、外部に撹拌手段22を駆動する撹拌駆動手段23を配設しており、24は乾燥処理した生ごみを排出する排出部である。
【0023】
バーナ部2は図5に示すように、燃焼ファン25、バーナ26、バーナ26に燃料の気化ガスを噴出供給する気化器27からなっている。また、バーナ26の下流には二次空気噴出用の二次空気孔28を多数穿設した二次空気噴出板29が火口30の両側に対向立設し、さらに、臭い空気燃焼室3は臭い空気ダクト21と連通する周縁通路31を外方に備えた二重構造をなし、その内外は対向壁面に多数穿設された臭い空気噴出孔32を介して連通している。
【0024】
次に上記構成における動作を説明する。投入蓋9を開けて生ごみを投入し運転操作を行うと、気化器27を予熱する等の燃焼準備に入る。予熱が完了すると、図示しない送油ポンプが始動して気化器27に灯油が流入し、加熱気化した気化ガスがバーナ26に噴出する。その一方で燃焼ファン25も低回転始動し一次空気がバーナ26に流入する。
【0025】
よって、気化ガスと一次空気の予混合気が火口30より噴出し、図示しない着火装置により着火し燃焼開始となる。さらに燃焼火炎に二次空気噴出板29から二次空気が強制的に供給されて完全燃焼する。そして、この燃焼排ガスの燃焼熱は、臭い空気燃焼室3、脱臭触媒4、直交熱交換器5を加熱した後、排気筒6より外部に排気される。
【0026】
また、燃焼開始と相前後して撹拌駆動手段23により撹拌手段22が回転し、生ごみを粉砕・撹拌して表面積を大きくすることで乾燥効率を高める。さらに撹拌・粉砕時において、撹拌駆動手段23は正逆回転することで、乾燥容器内で生ごみが片寄らないようにしている。
【0027】
さらに、燃焼開始とほぼ同時に循環ファン16が始動すると、乾燥容器1内の空気は循環空気吸入口11より循環ダクト17に流入して箱体7に送られ、箱体7内の空隙を通り直交熱交換器5に流入する。そして、直交熱交換器5を通過する間に燃焼排ガスの燃焼熱と熱交換して温風となり、渦流生成手段14を経由して温風吹出口ダクト10より乾燥容器1に入り、粉砕・撹拌されて表面積の拡大した生ごみを効率よく乾燥することになる。
【0028】
ここで、直交熱交換器5にて乾燥容器1からの空気は熱交換され温風となるが、この直交熱交換器5を通過する空気は脱臭触媒4側では高温の温風となるが、排気筒6側は脱臭触媒4側より低温の温風となるため直交熱交換器5を通過した温風の温風温度は不均一となってしまう。しかし、図3の矢印で示すように渦流生成手段14にて高温の温風と低温の温風が渦状に混合されるため、渦流生成手段14を通過した温風は温風温度が均一化するのである。
【0029】
そして、図6に示すように渦流生成手段14を通過した温風は温風吹出口ダクト10内の吹出口10aから流入し、その時のエゼクタ効果により空気吸引口10bから乾燥容器1内の空気を吸引するため、結局、温風吹出口10cからの温風は、渦流生成手段14からの温風(黒矢印)と乾燥容器1内の空気(白抜き矢印)と混合されることになる。
【0030】
つまり、温風吹出口ダクト10の温風吹出口10cから乾燥容器1内に吹き出される温風は、渦流生成手段14により温風温度が均一化され、さらに温風吹出口ダクト10内で渦流生成手段14からの温風のエゼクタ効果により乾燥容器1内の空気を巻き込んで温風吹出口10cより乾燥容器1内に吹き出すため、温風温度を均一化でき温風の風量も十分確保出来るのである。
【0031】
また、温風吹出口ダクト10の上部には温風温度を検知するための温度検知手段15を設けているため、渦流生成手段14から流入する温風に何らかの異常が発生した場合には、この温度検知手段15により温風温度の異常を検知して制御部へのフィードバックが可能となるため生ごみの乾燥処理を効率よくできる。
【0032】
一方、臭い空気吸引ファン20が強制的に乾燥容器1内部の臭い空気を臭い空気排出口12を介して吸引することから、乾燥容器1内部は負圧となり、乾燥容器1の新気流入口13から外部の空気が導入され、生ごみより水蒸気を奪い高湿の臭い空気となる。
【0033】
そして、臭い空気吸引ファン20の吸引により臭い空気ダクト21を通って臭い空気燃焼室3に噴出された臭い空気の臭気成分は、バーナ部2の燃焼火炎によって加熱分解される。さらに、臭い空気燃焼室3で加熱分解されずに残った臭気成分は、臭い空気燃焼室3下流の脱臭触媒4に流入し完全に酸化分解されることになる。この時、臭い空気吸引ファン20によって臭い空気燃焼室3に送られる臭い空気の量は最小限に設定して臭い空気燃焼室3及び脱臭触媒4の温度低下を抑えているから、臭い空気を効率よく処理することができる。
【0034】
上記の如く生ごみの乾燥が進み、乾燥容器1内部の水分が残り少なくなると、徐々に乾燥容器1内の温度が上昇し始める。そして乾燥容器1内の温度センサが所定温度を検出すると生ごみの乾燥完了と判断し、バーナ26の燃焼火力を下げ所定時間運転した後バーナ26を消火する。この後循環ファン16、臭い空気吸引ファン20及び撹拌手段22を所定時間運転させ乾燥容器1及び乾燥ごみを冷却し生ごみの乾燥処理を完了する。そして乾燥ごみを排出部24に排出して全ての運転が終了する。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の請求項1記載の発明によれば、温風生成手段から温風吹出口ダクトに流入する温風のエゼクタ効果により前記乾燥容器内の空気を温風吹出口ダクト内に吸引し、前記温風生成手段からの温風と混合して乾燥容器内に吹き出す構成としたので、温風吹出口ダクトからの温風温度を均一化できるとともに温風の風量も十分確保できるため、生ごみを焦がすことがなく効率よく乾燥処理できる。
【0036】
また、本発明の請求項2記載の発明によれば、温風生成手段と温風吹出口ダクトの間に温風を渦状にするための渦流生成手段を設けたので、温風吹出口ダクトに流入する温風の温風温度をより均一化することができるため、生ごみを焦がすことがなく効率よく乾燥処理できる。
【0037】
また、本発明の請求項3記載の発明によれば、上記温風吹出口ダクトに温度検出手段を設けたので温風吹出口ダクトからの温風温度を確実に監視することができるため、さらに生ごみを効率よく乾燥処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す生ごみ処理機の側面の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す生ごみ処理機の正面の構成図である。
【図3】本発明の実施例の渦流生成手段の概略を示す傾斜図である。
【図4】本発明の実施例の温風吹出口ダクトの傾斜図(a)と断面図(b)である。
【図5】本発明の実施例のバーナ部、臭い燃焼室、脱臭触媒、直交熱交換器の構成図である。
【図6】本発明の実施例の渦流生成手段、温風吹出口ダクトにおける温風の流れを示す断面図である。
【図7】従来例を示す生ごみ処理機の側面の構成図である。
【符号の説明】
1 乾燥容器
5 直交熱交換器(温風生成手段)
10 温風吹出口ダクト
14 渦流生成手段
15 温度検知手段

Claims (3)

  1. 生ごみを乾燥する乾燥容器と、生ごみを加熱するための温風を生成する温風生成手段と、前記温風生成手段からの温風を生ごみにあてるための温風吹出口ダクトを前記乾燥容器内に備えた生ごみ処理機において、前記温風吹出口ダクトは前記温風生成手段から温風吹出口ダクト内に流入する温風のエゼクタ効果により前記乾燥容器内の空気を温風吹出口ダクト内に吸引し前記温風生成手段からの温風と混合して乾燥容器内に吹き出す構成としたことを特徴とする生ごみ処理機。
  2. 前記温風生成手段と前記温風吹出口ダクトの間に、前記温風生成手段からの温風を渦状にして温風温度を均一化するための渦流生成手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理機。
  3. 前記温風吹出口ダクトには、温風温度を検知するための温度検知手段を設けたことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の生ごみ処理機。
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