JP4556014B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
[0001]
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
[0002]
従来、コンバインの一形態として、刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部とを具備するものがあり、脱穀部に設けた扱胴の直下方位置に選別部に設けた選別体を配置し、同選別体の前部にフィードパンを設けると共に、同フィードパンの後方位置にチャフシーブを設けている(例えば、日本特開2000−139183号公報参照)。
[0003]
そして、フィードパン上には、右側端部から内側後方へ向けて伸延する案内体を複数設けて、各案内体により、フィードパンの右側部に偏って漏下した穀粒を、フィードパンの中央部寄りに案内して、同フィードパンによる穀粒の比重選別が良好に行われるようにしている。
【発明の開示】
[0004]
ところが、脱穀部による脱穀率の良い作物を脱穀した際には、上記のように一旦フィードパン上に偏って漏下された穀粒を案内体により案内しようとしても、偏って漏化された穀粒の量が多いために、案内体による中央部寄りの案内が不十分となって、フィードパンによる穀粒の比重選別が良好に確保できないという不具合がある。
[0005]
また、扱胴の直下方には受網を張設して、同受網を通して穀粒をフィードパン上に漏下させるようにしているが、同受網の網目の大きさが全て同じであるために、ささり粒が漏下しにくくなっており、かかるささり粒の選別が効率良く行えないという不具合がある。
【0006】
そこで、本発明では、刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部とを具備するコンバインにおいて、脱穀部に設けた扱胴の下方位置に受網を張設すると共に、前記扱胴と扱胴下方の選別部に設けた選別体との間に穀粒流下案内体を配置し、受網は、網目境界線部を備えており、同網目境界線部よりも後方に位置する後部受網形成体の網目の大きさを、網目境界線部よりも前方に位置する前部受網形成体の網目の大きさよりも大きく形成し、網目境界線部は、選別体に設けたチャフシーブの始端部よりも前方に配置して、前部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を選別体に設けたフィードパンに受けて、同フィードパンにより比重選別を行うと共に、後部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を、チャフシーブの下方から上方へ向けて流動するプレファンからの選別風により風選別するようにしており、穀粒流下案内体は、扱胴により脱穀されて漏下してくる穀粒を選別体の中央部寄りに流下させるべく案内する穀粒流下案内面を形成する案内体本片を具備し、該案内体本片の中途部に、下端部より上方へ台形状に切り欠いて形成され、前記扱胴が配設される扱室の側壁の下部に形成される二番還元口と選別体上とを連通させる連通用切り欠き部を形成したことを特徴とするコンバインを提供するものである。
[0007]
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
[0008]
(1)フィードパンは、前側フィードパンと後側フィードパンから構成されており、網目境界線部は、後側フィードパン上方に配置されていること。
【0009】
(2)受網の網目境界線部は、前後幅の前から略三分の二の位置に形成されていること。
【図面の簡単な説明】
[0010]
【図1】本発明に係るコンバインの側面図。
【図2】同コンバインの機体フレーム上の機能部構成を示す側面説明図。
【図3】同コンバインの脱穀部と選別部の側面説明図。
【図4】脱穀部の側面説明図。
【図5】同脱穀部の正面図。
【図6】受網の展開平面図。
【図7】脱穀部の一部切欠正面説明図。
【図8】選別体の一部切欠平面説明図。
【図9】遮蔽体の平面図(a)と側面図(b)とを示す説明図。
【図10】原動機部と選別部の平面説明図。
【図11】排気流路形成体の側面説明図。
【図12】サイドデバイダの平面図(a)と側面図(b)とを示す説明図。
【図13】燃料タンクの平面図(a)と側面図(b)とを示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1及び図2に示すAは、本発明に係るコンバインであり、同コンバインAは、左右一対のクローラ式の走行部1,1上に機体フレーム2を設け、同機体フレーム2の左側前端部に刈取フレーム3を介して刈取部4と搬送部5とを昇降自在に取り付け、同機体フレーム2上の左側前部に穀稈移送部6と脱穀部7と選別部8とを配設すると共に、後部に排藁処理部9を配設する一方、機体フレーム2の右側の前部に運転部10を配設し、同運転部10の下方位置に原動機部11を配設し、かつ、同運転部10の右側方位置(外側方位置)に防塵部12を配設し、かつ、同運転部10の後方位置に吸気部13を設け、同吸気部13の後方位置に穀粒貯留部14を配設している。
【0012】
このようにして、刈取部4により穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を搬送部5により後上方の穀稈移送部6まで搬送して、同穀稈移送部6に穀稈を受け渡し、同穀稈移送部6により穀稈の株元を挟扼すると共に、穂先を脱穀部7内に挿入した状態で後方へ移送させるようにしている。
【0013】
この際、穀稈の穂先は脱穀部7により脱穀されると共に、脱穀された穀粒は選別部8により選別されて、清粒のみが穀粒貯留部14に搬送されて貯留されるようにしている。
【0014】
また、脱穀された穀稈は排藁として排藁処理部9に搬送され、同排藁処理部9にて細断・排出処理されるようにしている。
【0015】
ここで、本実施の形態では、図1及び図12(a)(b)に示すように、刈取部4の一側(本実施の形態では左側)前端部より機体フレーム2の一側(本実施の形態では左側)後端部にかけてサイドデバイダ80を外側方へ膨出状に取り付けて、同サイドデバイダ80により未刈り穀稈を機体から離隔させながら後方へ案内するようにしており、以下に、サイドデバイダ80の構成を図12(a)(b)を参照しながら説明する。なお、図12(a)はサイドデバイダ80の平面説明図、図12(b)はサイドデバイダ80の側面図である。
【0016】
〔サイドデバイダ80の説明〕
すなわち、サイドデバイダ80は、図12(a)(b)に示すように、刈取部4の一側方(本実施の形態では左側方)に配置した前部デバイダ形成体81と、機体フレーム2の一側方(本実施の形態では左側方)に配置した後部デバイダ形成体82と、前部デバイダ形成体81と後部デバイダ形成体82との間に配置した中間部デバイダ形成体83とを具備しており、同中間部デバイダ形成体83は、前部デバイダ形成体81に沿って案内される未刈り穀稈を、後部デバイダ形成体82に中継するようにしている。
【0017】
そして、前部デバイダ形成体81は、図12(a)(b)に示すように、形成体本片84と、同形成体本片84を支持する支持片85とから形成している。
【0018】
形成体本片84は、前後方向に伸延する棒状片を外側方へ凸状の弧状に屈曲させて形成し、刈取フレーム3の左側前部に前部枢支片86を介して前後方向に軸線を向けた前部枢支ピン87により前端部84aを枢支・連結すると共に、後端部84bを機体フレーム2の左側前部の側方に配置している。
【0019】
支持片85は、前後方向に伸延する棒状片を外側方へ凸状の弧状に屈曲させて形成し、刈取フレーム3の左側中途部に後部枢支片88を介して前後方向を向けた後部枢支ピン89により前端部85aを枢支・連結すると共に、中途部85bから後端部85cにかけて前記形成体本片84の内側面に沿わせて連設して一体化している。
【0020】
このようにして、前部デバイダ形成体81は、刈取部4より外側方へ張り出した使用位置(a)と、同刈取部4の側面に沿わせて跳ね上げた収納位置(b)とに位置変更自在となしている。
【0021】
また、後部デバイダ形成体82は、図12(a)(b)に示すように、前後方向に伸延する形成体本片90と、同形成体本片90の前・後部とを支持する前・後部支持片91,92とから形成している。
【0022】
形成体本片90は、前後方向に伸延する直状の角パイプ片の前端部90aと後端部90bとをそれぞれ内方へ屈曲させて形成している。90cは中途部である。
【0023】
前部支持片91は、左右方向に伸延する棒状に形成して、前記形成体本片90の前端部90aに外側端部91aを連設する一方、機体フレーム2の左側前部に設けた筒状の前部摺動ガイド体93に、内側端部91bを摺動自在に挿通している。
【0024】
後部支持片92は、左右方向に伸延する棒状に形成して、前記形成体本片90の中途部90cに外側端部92aを連設する一方、機体フレーム2の左側後部に設けた筒状の後部摺動ガイド体94に、内側端部92bを摺動自在に挿通している。
【0025】
このようにして、後部デバイダ形成体82は、機体フレーム2より外側方へ張り出した使用位置(c)と、同機体フレーム2に近接させた収納位置(d)とに横摺動移動(横スライド移動)自在となして、位置変更することができるようにしている。
【0026】
しかも、後部デバイダ形成体82は、使用位置(c)において、作業者が乗って作業できるステップとしても機能するように強固な構造となしている。
【0027】
また、中間部デバイダ形成体83は、図12(a)(b)に示すように、前後方向に伸延する形成体本片95と、同形成体本片95の前・後部を支持する前・後部支持片96,97とから形成している。
【0028】
形成体本片95は、前後方向に伸延する棒状片を外側方へ凸状の弧状に屈曲させて形成して、後部デバイダ形成体82と略同位置まで機体フレームに近接させて配置しており、中途部95aは、前部デバイダ形成体81の形成体本片84の後端部84bと、後部デバイダ形成体82の形成体本片90の前端部90aの上方に配置すると共に、これらと平面視にて上下方向に重合状態となして、少なくとも平面視においては、各デバイダ形成体81,82,83の形成体本片84,90,95が前後方向に連続するようにして、前部デバイダ形成体81に沿って案内される未刈り穀稈を、後部デバイダ形成体82に中継することができるようにしている。
【0029】
しかも、前部デバイダ形成体81と後部デバイダ形成体82のいずれもが、使用位置(a)(c)と収納位置(b)(d)の間においてどのような姿勢をとっても、少なくとも平面視において前部デバイダ形成体81の形成体本片84と、中間部デバイダ形成体83の形成体本片95とが一部重合すると共に、中間部デバイダ形成体83の形成体本片95と後部デバイダ形成体82の形成体本片90とが一部重合するように配置している。
【0030】
前部支持片96は、左右方向に伸延する棒状に形成して、形成体本片95の前部に外側端部96aを連設すると共に、機体フレーム2の前部に内側端部96bを固設している。
【0031】
後部支持片97は、左右方向に伸延する棒状に形成して、形成体本片95の中途部に外側端部97aを連設すると共に、機体フレーム2の前部に内側端部97bを固設している。
【0032】
このようにして、中間部デバイダ形成体83は、前部デバイダ形成体81に沿って案内される未刈り穀稈を、後部デバイダ形成体82に中継することができるようにしているため、前部デバイダ形成体81に沿って案内される未刈り穀稈を、後部デバイダ形成体82に円滑かつ確実に引き継ぐことができて、未刈り穀稈が後部デバイダ形成体82にスムーズに受け継がれることなく引っ掛かるという従来の不具合を確実に防止することができる。
【0033】
この際、中間部デバイダ形成体83は、収納位置(d)に配置した後部デバイダ形成体82と略同位置まで機体フレーム2に近接させて配置すると共に固設しているため、前部デバイダ形成体81と後部デバイダ形成体82とをそれぞれ必要に応じて使用位置(a)(c)と収納位置(b)(d)とに位置変更するだけでよく、従来のサイドデバイダと操作する手間が変わらない上に、未刈り穀稈を円滑かつ確実に後方へ案内することができる。
【0034】
しかも、前部デバイダ形成体81と後部デバイダ形成体82のいずれもが、使用位置(a)(c)と収納位置(b)(d)の間にてどのような姿勢をとっても、少なくとも平面視において前部デバイダ形成体81の形成体本片84と、中間部デバイダ形成体83の形成体本片95とが一部重合すると共に、中間部デバイダ形成体83の形成体本片95と後部デバイダ形成体82の形成体本片90とが一部重合するように配置しているため、未刈り穀稈は、前部デバイダ形成体81の形成体本片84→中間部デバイダ形成体83の形成体本片95→後部デバイダ形成体82の形成体本片90に順次沿って後方へ円滑かつ確実に案内される。
【0035】
その結果、未刈り穀稈が各形成体本片84,90,95の受け継ぎ部にて引っ掛かって、スムーズに案内されなくなるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0036】
以下に、前記した脱穀部7、選別部8、排藁処理部9、運転部10、及び、原動機部11の各構成について、より具体的に説明する。
【0037】
〔脱穀部7の説明〕
すなわち、脱穀部7は、図4及び図5に示すように、扱室20内に扱胴21を配設すると共に、同扱胴21の直下方位置に受網22を張設しており、図7にも示すように、扱室20の右側方には処理室38を隣接させて設けて、同処理室38内に処理胴23を配設すると共に、同処理胴23は扱胴21の右側後方位置に配置している。
【0038】
そして、扱胴21は、前後方向に軸線を向けた円筒状の扱胴本体24の外周面に多数の扱歯25を突設し、同扱胴本体24の前後端部にそれぞれ前・後端壁26,27を設けて、同前・後端壁26,27の中央部に前後方向に軸線を向けた扱胴支軸28を貫通させており、扱室20の前・後壁29,30間に上記扱胴支軸28を介して回動自在に架設している。
【0039】
また、受網22は、正面視半円弧状に形成した受網支持フレーム31を介して扱胴本体24の直下方に張設しており、図6にも示すように、前後幅の前から略三分の二の位置に網目境界線部32を形成し、同網目境界線部32よりも後方に位置する後部受網形成体33の網目34の大きさを、網目境界線部32よりも前方に位置する前部受網形成体35の網目36の大きさよりも大きく形成している。37は、処理胴23と連通する切り欠き部である。
【0040】
すなわち、後部受網形成体33の網目34の左右幅W1aは、前部受網形成体35の網目36の左右幅W2aと略同一に形成すると共に、後部受網形成体33の網目34の前後幅W1bは、前部受網形成体35の網目36の前後幅W2bの1.2倍〜1.5倍の大きさに形成している。
【0041】
ここで、網目境界線部32は、図4に一点鎖線Pで示すように、後述する選別体50に設けたチャフシーブ54の始端部よりも前方に配置して、前部受網形成体35を通して漏下してくる穀粒を選別体50に設けた前・後側フィードパン52,53にて受けて、同前・後側フィードパン52,53により比重選別を行うと共に、後部受網形成体33を通して漏下してくる穀粒を、チャフシーブ54の下方から上方へ向けて流動するプレファンとしての第2唐箕57からの選別風により風選別するようにしている。
【0042】
このようにして、前部受網形成体35により単粒を前・後側フィードパン52,53上に漏下させて、同前・後側フィードパン52,53により単粒を比重選別すると共に、後部受網形成体33によりささり粒をチャフシーブ54の下方から上方へ向けて流動する第2唐箕57からの選別風により風選別することができるようにしているため、選別効率を向上させることができる。
【0043】
また、図3、図7及び図8に示すように、脱穀部7に設けた扱胴21と、同扱胴21の直下方において後述する選別部8に設けた選別体50との間には、穀粒流下案内体40を配設している。
【0044】
すなわち、穀粒流下案内体40は、図3、図7及び図8に示すように、前後方向に伸延する四角形板状に形成した案内体本片41と、同案内体本片41の上端縁部に形成した取付縁部42とから形成している。
【0045】
そして、扱室20の右側壁20aの下部に取付縁部42を取付ボルト43により取り付けて、案内体本片41を内側下方へ向けて傾斜状に垂下させると共に、同案内体本片41の下端縁部41aを後述する選別体50の右側部上方に配置し、同案内体本片41の上面に穀粒流下案内面41bを形成して、同穀粒流下案内面41bに沿って、前記扱胴21により脱穀されて漏下してくる穀粒を、選別体50の中央部寄りに流下させるべく案内するようにしている。
【0046】
しかも、案内体本片41の後端縁部41cは、後側フィードパン53の後端部近傍、ないしは、チャフシーブ54の前端部近傍に位置させている。
【0047】
また、案内体本片41の前・後端縁部は、略直角に折り返して補強兼連結片41c,41cを形成しており、前部の補強兼連結片41cは扱室20の前壁29に連結している。
【0048】
このようにして、扱胴21と選別体50との間に配設した穀粒流下案内体40の穀粒流下案内面41bにより、扱胴21により脱穀されて漏下してくる穀粒を選別体50の中央部寄りに流下させるべく案内することができるため、穀粒の量が多い場合でも、選別体50による選別効率を良好に確保することができる。
【0049】
この際、穀粒流下案内体40は、前後方向に伸延する板状に形成し、上面に穀粒流下案内面41bを形成すると共に、同穀粒流下案内面41bを選別体50の中央部側へ下り傾斜状の傾斜面となして、穀粒流下案内体40を構造簡易にしてコンパクトに構成しているため、同穀粒流下案内体40の配設位置の自由度を大きくすることができて、所要の位置に簡単に配設することができる。
【0050】
しかも、案内体本片41の後端縁部41cは、後側フィードパン53の後端部近傍、ないしは、チャフシーブ54の前端部近傍に位置させているため、前側フィードパン52と後側フィードパン53の全幅にわたって、穀粒を穀粒流下案内面41bにより流下・案内することができる。
【0051】
また、案内体本片41の中途部には、下端部より上方へ台形状に切り欠いて形成した連通用切り欠き部44を形成しており、同連通用切り欠き部44は、扱室20の右側壁20aの下部に形成した二番還元口45に左右方向に連通させて、同二番還元口45から連通用切り欠き部44を通して二番穀粒が選別体50上に還元されるようにしている。
【0052】
〔選別部8の説明〕
すなわち、選別部8は、図3、図4及び図8に示すように、上記脱穀部7に設けた扱胴21と処理胴23の下方位置に選別体50を前後揺動自在に配置して、上記扱胴21と処理胴23とにより脱穀されて供給される脱穀物を選別体50により受けて、回収用の一番物(一番穀粒)と再選別用の二番物(二番穀粒)とに選別するようにしている。
【0053】
そして、選別体50は、選別枠体51の前部に前側フィードパン52と後側フィードパン53とを段差をもたせて配設し、同後側フィードパン53の後方位置にチャフシーブ54を配設し、同チャフシーブ54の後方位置にストローラック55を配設する一方、下方位置にグレンシーブ(図示せず)を配設している。
【0054】
また、前側フィードパン52の下方位置にプレファンとしての第2唐箕57を配設して、同第2唐箕57により前・後側フィードパン52,53の段差h間に選別風を作用させると共に、後側フィードパン53の下方位置にメインファンとしての第1唐箕58を配設して、後側フィードパン53よりも後方に位置する選別体50の後部に選別風を作用させるようにしている。
【0055】
しかも、前記チャフシーブ54の下方位置には、左右方向に伸延して一番物を受ける一番物受け樋59を配設しており、同一番物受け樋59内の一番物は、一番物回収体(図示せず)により回収して脱穀貯留部14に搬送するようにしている。
【0056】
さらには、前記ストローラック55の下方位置には、左右方向に伸延して二番物を受ける二番物受け樋60を配設しており、同二番物受け樋60内の二番物は、二番物還元体(図示せず)により回収して前側フィードパン52上に還元させて、選別体50により再選別するようにしている。
【0057】
すなわち、二番還元体の先端部は、前記したように扱室20の右側壁20aに開口した二番還元口45に連通連結して、同二番還元口45を通して前側フィードパン52上に二番物を放出・落下させて還元するようにしている。図8中、62は案内片であり、同案内片62により還元された二番物を中央側へ移送・案内するようにしている。
【0058】
このようにして、二番物を前側フィードパン52の上に還元させて再選別するようにしているため、同前側フィードパン52上にて二番物である穀粒と塵とを分散化し、さらに、これらを後側フィードパン53上に落下させる際に、第2唐箕57からの選別風を前・後側フィードパン52,53の段差h間に作用させることにより、穀粒と塵とを確実に選別することができて、選別性能を向上させることができる。その結果、一番物の回収率を向上させることができる。
【0059】
また、前記したチャフシーブ54は、図9にも示すように、選別枠体51の左右側壁51a,51a間において、前後方向に間隔を開けて多数個横架すると共に前後方向に揺動自在となして、前後方向に隣接するチャフシーブ54,54の間隔を調節可能となしている。
【0060】
すなわち、チャフシーブ54は、図9(b)にも示すように、選別枠体51の左右側壁51a,51aに、側端上部を左右方向に軸線を向けた枢軸54a,54aにより枢支すると共に、左側端下部に連結ピン54bを設けて、各チャフシーブ54の左側の枢軸54aを前後方向に伸延する上部連結体63により連結する一方、各チャフシーブ54の連結ピン54bを前後方向に伸延する下部連結体64により連結し、同連結体64に連動体65を介して間隔調節レバー66を連動連結して、同間隔調節レバー66により下部連結体64を上部連結体63に対して進退移動調節して、各チャフシーブ54,54の間隔を一体的に複数段階(本実施の形態では五段階)に調節することができるようにしている。
【0061】
しかも、間隔調節レバー66は、選別部8の側壁67に形成した開口部67aを介して同側壁67の外側方に配置して、外方から間隔調節レバー66を手動操作することができるようにしている。68は、開口部67aを閉塞する透明な閉塞体、69は間隔調節ガイド体である。
【0062】
ここで、下部連結体64の前部には、図9(a)にも示すように、前後方向に伸延する遮蔽体160の下部161を取り付けると共に、同遮蔽体160の上部162を上部連結体63の側方に内外側重合状態となるように配置して、同上部162により、上部連結体63から下部連結体64が離隔した際に両者間に生じる間隙Sを左側方から常時遮蔽することができるようにしている。163は前部干渉回避用凹部、164は後部干渉回避用凹部である。
【0063】
このようにして、遮蔽体160の上部162により間隙Sを常時遮蔽することにより、同間隙Sを通して穀粒が選別体50の左側外方、さらには、開口部67aを通して外部へ放出されるのを防止している。
【0064】
〔排藁処理部9の説明〕
すなわち、排藁処理部9は、図1及び図2に示すように、穀稈移送部6により後方へ搬送されてくる穀稈を排藁として受けて漸次中央寄りに移送する排藁移送体70と、同排藁移送体70により移送されてくる排藁を細断する排藁カッター71とを具備している。
【0065】
〔運転部10の説明〕
すなわち、運転部10は、図1に示すように、前部操作コラム72に操向レバー73を立設し、同操向レバー73の後方位置に運転席74を配置し、同運転席74の左側方位置に側部操作コラム75を配設している。
【0066】
〔原動機部11の説明〕
すなわち、原動機部11は、図1、図2及び図10に示すように、前記運転席74の下方に形成したエンジンルーム76内にエンジンEを配置し、同エンジンEの吸気口部(図示せず)に前記吸気部13を連通連結して、同吸気部13を通して取り込まれた外気をエンジンE内にて燃焼に使用する一方、同エンジンEの排気口部77に排気経路形成体78を連通連結して、同排気経路形成体78を通して排気ガスを排出するようにしている。
【0067】
排気経路形成体78は、図2、図10及び図11に示すように、エンジンEの排気口部77に排気短管79の下端部を接続し、同排気短管79の上端部にマフラー100を連通連結し、同マフラー100に排気長管101の基端部(前端部)を接続して形成しており、マフラー100はエンジンEの直上方位置に配置すると共に、排気長管101は先端部(後端部)を穀粒貯留部14と選別部8との間に位置する機体フレーム2の部分より下方へ突出させて開口している。
【0068】
そして、排気長管101は、図10及び図11に示すように、長管前半部102と長管後半部103とを具備し、同長管前半部102の先端部(後端部)105と長管後半部103の基端部(前端部)106との間に第1冷却風吸入部104を設けており、同第1冷却風吸入部104は、選別部8に設けたプレファンとしての第2唐箕57の近傍に配置している。
[0069] ここで、第1冷却風吸入部104は、図11に示すように、長管前半部102の先端部105に傘状に形成した第1冷却風吸入ガイド体107を取り付けると共に、長管前半部102の先端部105の外周面に長管後半部103の基端部106を嵌合させて、同長管後半部103の基端を第1冷却風吸入ガイド体107内に配置している。
[0070] そして、第1冷却風吸入ガイド体107の内周面と長管後半部103の基端部106の外周面との間、及び、長管後半部103の基端部106の内周面と長管前半部102の先端部105の外周面との間とを連通させた第1冷却風吸入路108を形成している。114は長管前半部ステー、115は長管後半部ステーである。
[0071] このようにして、長管前半部102の先端部105から長管後半部103の基端部106内に圧送される排気により第1冷却風吸入路108が減圧されて、同第1冷却風吸入路108を通して外気が長管後半部103内に吸入されるようにしている。
[0072] この際、プレファンとしての第2唐箕57の近傍に第1冷却風吸入部104を配置しているため、同第1冷却風吸入部104の第1冷却風吸入路108からは、第2唐箕57により小麈が吸引された状態の冷却風が吸入されて、排気の冷却化を図ることができると共に、小塵は吸入されることがない。
[0073] 従って、排気経路形成体78内に吸入された小塵が高温化した排気により炭化されて排気と共に排出されるという不具合を確実に防止することができる。
[0074] また、長管後半部103の外周面には断熱管109を嵌合して、同断熱管109の基端部110と長管後半部103の基端部106との間に第2冷却風吸入部111を設けており、同第2冷却風吸入部111は、選別部8に設けたプレファンとしての第2唐箕57の近傍に配置している。
[0075] ここで、第2冷却風吸入部111は、図11に示すように、長管後半部103の先端部106に傘状に形成した第2冷却風吸入ガイド体112を取り付けると共に、断熱管109の基端を第2冷却風吸入ガイド体112内に配置している。
[0076] そして、第2冷却風吸入ガイド体112の内周面と断熱管109の基端部110の外周面との間、及び、断熱管109の基端部110の内周面と長管後半部103の基端部106の外周面との間とを連通させた第2冷却風吸入路113を形成している。116はガイド体止め輪、117は断熱管ステー、118,119,120は固定用ブラケットである。
[0077] このようにして、長管後半部103の先端開口部121から排出される排気により第2冷却風吸入路113が減圧されて、同第2冷却風吸入路113を通して外気が断熱管109内に吸入されるようにしている。
[0078] この際、プレファンとしての第2唐箕57の近傍に第2冷却風吸入部111を配置しているため、同第2冷却風吸入部111の第2冷却風吸入路113からは、第2唐箕57により小塵が吸引された状態の冷却風が吸入されて、排気の冷却化を図ることができると共に、小麈は吸入されることがない。
[0079] 従って、排気経路形成体78内に吸入された小塵が高温化した排気により炭化されて排気と共に排出されるという不具合を確実に防止することができる。
[0080] 図13(a)は、燃料タンク125の平面説明図、図13(b)は、同燃料タンク125の背面説明図であり、以下に、同燃料タンク125の取付構造について説明する。
[0081] 〔燃料タンク125の説明〕
すなわち、燃料タンク125は、メインタンク126とサブタンク127とを連通管128を介して連結して形成している。129は給油口部、130は給油配管、131はフィルタである。
[0082] そして、前後方向に伸延する左右一対の前後伸延フレーム形成片133,134の後部に、左右方向に伸延する左右伸延フレーム形成片135を横架して形成した機体フレーム2の一部に、タンク支持部132を着脱自在に取り付け、同タンク支持部132に前記燃料タンク125を着脱自在に取り付けている。
[0083] ここで、タンク支持部132は、前後伸延フレーム形成片133,134の後端部間に、左右方向に伸延する着脱フレーム形成片136を着脱自在に横架し、両フレーム形成片135,136間に前後方向に伸延する複数(本実施の形態では4本)の前後伸延片137を左右方向に間隔を開けて着脱自在に横架することにより形成している。
[0084] そして、着脱フレーム形成片136は、左右側端部に連結片138,139を設け、各連結片138,139を前後伸延フレーム形成片133,134の後端面部140,141に後方から重合状態に当接させると共に、前後方向に軸線を向けた連結ボルト142,143により着脱自在に連結している。
[0085] また、各前後伸延片137は、前端部を上方へ立ち上げて連結片144を形成し、同連結片144を左右伸延フレーム形成片135の後面に後方から重合状態に当接させると共に、前後方向に軸線を向けた連結ボルト145により着脱自在に連結している。
【0086】
しかも、各前後伸延片137は、後端部146を着脱フレーム形成片136の下面に下方から重合状態に当接させると共に、上下方向に軸線を向けた連結ボルト147により着脱自在に連結している。
【0087】
さらには、前後方向に伸延して機体フレーム2の一部を形成する中央部前後伸延フレーム形成片151の後端部を着脱フレーム形成片136の中途部近傍まで伸延させて、同後端部に設けた連結片152と、着脱フレーム形成片136の中途部に設けた連結片153とを左右方向に重合状態に当接させると共に、左右方向に軸線を向けた連結ボルト154により着脱自在に連結している。
【0088】
また、左右伸延フレーム形成片135と着脱フレーム形成片136には、それぞれ前後方向に対向する前・後部ベルト連結片148,148,149,149を二組設け、各前・後部ベルト連結片148,148,149,149間に前後方向に伸延する固定ベルト150、150を掛け渡すことにより、両固定ベルト150,150によりメインタンク126を上方から固定するようにしている。
【0089】
そして、中央部前後伸延フレーム形成片151の中途部と、右側の前後伸延フレーム形成片134の中途部に、それぞれベルト連結片155,156を左右方向に対向させて突設し、両ベルト連結片155,156間に左右方向に伸延する固定ベルト157を着脱自在に掛け渡すことにより、同固定ベルト157によりサブタンク127を上方から固定することができるようにしている。158はベルト連結ボルトである。
【0090】
このようにして、燃料タンク125を機体フレーム2から取り外してメンテナンス等を行う際には、以下の手順にしたがってタンク支持部132を取り外す。
【0091】
(1)あらかじめ固定ベルト150,150,157を取り外す。
【0092】
(2)次に、着脱フレーム形成片136の連結片138,139を、前後伸延フレーム形成片133,134の後端面部140,141より取り外すと共に、着脱フレーム形成片136の連結片153を、中央部前後伸延フレーム形成片151の連結片152より取り外す。
【0093】
(3)各前後伸延片137の連結片144を左右伸延フレーム形成片135の後面より取り外す。
【0094】
このようにして、タンク支持部132を機体フレーム2より後下方へ向けて簡単に取り外すことができ、同タンク支持部132から適宜メインタンク126とサブタンク127をそれぞれ取り外すことにより簡単にメンテナンス等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
(1)請求項1記載の本発明では、刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部とを具備するコンバインにおいて、脱穀部に設けた扱胴の下方位置に受網を張設すると共に、前記扱胴と扱胴下方の選別部に設けた選別体との間に穀粒流下案内体を配置し、
受網は、網目境界線部を備えており、同網目境界線部よりも後方に位置する後部受網形成体の網目の大きさを、網目境界線部よりも前方に位置する前部受網形成体の網目の大きさよりも大きく形成し、
網目境界線部は、選別体に設けたチャフシーブの始端部よりも前方に配置して、前部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を選別体に設けたフィードパンに受けて、同フィードパンにより比重選別を行うと共に、後部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を、チャフシーブの下方から上方へ向けて流動するプレファンからの選別風により風選別するようにしており、
穀粒流下案内体は、扱胴により脱穀されて漏下してくる穀粒を選別体の中央部寄りに流下させるべく案内する穀粒流下案内面を形成する案内体本片を具備し、該案内体本片の中途部に、下端部より上方へ台形状に切り欠いて形成され、前記扱胴が配設される扱室の側壁の下部に形成される二番還元口と選別体上とを連通させる連通用切り欠き部を形成している。
【0096】
このようにして、扱胴と選別体との間に配設した穀粒流下案内体の穀粒流下案内面により、扱胴により脱穀されて漏下してくる穀粒を選別体の中央部寄りに流下させるべく案内することができるため、穀粒の量が多い場合でも、選別体による選別効率を良好に確保することができる。また、このようにして、前部受網形成体により単粒をフィードパン上に漏下させて、同フィードパンにより単粒を比重選別すると共に、後部受網形成体によりささり粒をチャフシーブの下方から上方へ向けて流動するプレファンからの選別風により風選別することができるようにしているため、選別効率を向上させることができる。また、切り欠き部により、扱室の下部に形成される二番還元口から切り欠き部を通して二番穀粒を選別体上に還元することができる。
【0097】
(2)請求項2記載の本発明では、前記フィードパンは、前側フィードパンと後側フィードパンから構成されており、前記網目境界線部は、後側フィードパン上方に配置されている。
【0098】
このようにして、二番物を前側フィードパンの上に還元させて再選別するようにしているため、同前側フィードパン上にて二番物である穀粒と塵とを分散化し、さらに、これらを後側フィードパン上に落下させる際に、唐箕等からの選別風を前・後側フィードパンの段差間に作用させることにより、穀粒と塵とを確実に選別することができて、選別性能を向上させることができる。その結果、一番物の回収率を向上させることができる。
【0099】
(3)請求項3記載の本発明では、前記受網の網目境界線部は、前後幅の前から略三分の二の位置に形成されている。
【0100】
このようにして、前部受網形成体により単粒をフィードパン上に漏下させて、同フィードパンにより単粒を比重選別すると共に、後部受網形成体によりささり粒をチャフシーブの下方から上方へ向けて流動するプレファンからの選別風により風選別することができるようにしているため、選別効率を向上させることができる。
Claims (3)
- 刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、同脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部とを具備するコンバインにおいて、
脱穀部に設けた扱胴の下方位置に受網を張設すると共に、前記扱胴と扱胴下方の選別部に設けた選別体との間に穀粒流下案内体を配置し、
受網は、網目境界線部を備えており、同網目境界線部よりも後方に位置する後部受網形成体の網目の大きさを、網目境界線部よりも前方に位置する前部受網形成体の網目の大きさよりも大きく形成し、
網目境界線部は、選別体に設けたチャフシーブの始端部よりも前方に配置して、前部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を選別体に設けたフィードパンに受けて、同フィードパンにより比重選別を行うと共に、後部受網形成体を通して漏下してくる穀粒を、チャフシーブの下方から上方へ向けて流動するプレファンからの選別風により風選別するようにしており、
穀粒流下案内体は、扱胴により脱穀されて漏下してくる穀粒を選別体の中央部寄りに流下させるべく案内する穀粒流下案内面を形成する案内体本片を具備し、該案内体本片の中途部に、下端部より上方へ台形状に切り欠いて形成され、前記扱胴が配設される扱室の側壁の下部に形成される二番還元口と選別体上とを連通させる連通用切り欠き部を形成したことを特徴とするコンバイン。 - 前記フィードパンは、前側フィードパンと後側フィードパンから構成されており、前記網目境界線部は、後側フィードパン上方に配置されている請求項1に記載のコンバイン。
- 前記受網の網目境界線部は、前後幅の前から略三分の二の位置に形成されている請求項1に記載のコンバイン。
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