JP4549264B2 - デルタシグマ変調回路及びそれを備えたスイッチングアンプ - Google Patents

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Description

本発明は、オーディオ信号等の入力信号をデルタシグマ変調して量子化信号を出力するデルタシグマ変調回路及びそれを備えたスイッチングアンプに関する。
従来のオーディオ技術として、オーディオ信号をデルタシグマ変調回路によって比較的小さなビット数(例えば1ビット)でデジタル符号化するデジタルオーディオ符号化技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、デルタシグマ変調回路が比較的小さなビット数でデジタル符号化した信号を生成する場合、巡回ノイズが生じやすい。この巡回ノイズを低減する観点から、従来のデルタシグマ変調回路の中には、ディザ信号生成回路を設けた構成のものがある。ディザ信号生成回路を具備する従来のデルタシグマ変調回路は、デルタシグマ変調回路の入力信号に対してディザ信号を付加するタイプ(例えば、特許文献1参照)と、デルタシグマ変調回路の入力信号の積分過程においてディザ信号を付加するタイプ(例えば、特許文献2参照)とに大別される。前者に該当する従来のデルタシグマ変調回路の一構成例を図7に示し、後者に該当する従来のデルタシグマ変調回路の一構成例を図8に示す。
図7に示す従来のデルタシグマ変調回路は、加算器1と、積分器乗算器群2と、加算器3と、量子化器4と、負帰還信号生成回路5と、ディザ信号生成回路6と、加算器7とを備えており、アナログ信号或いはマルチビット信号である入力信号SINを量子化信号SQに変換して出力する。図7に示す従来のデルタシグマ変調回路は、加算器7において入力信号SINにディザ信号生成回路6から出力されるディザ信号を加えることによって、巡回ノイズを低減している。
図8に示す従来のデルタシグマ変調回路は、加算器1と、積分器乗算器群2’と、加算器3と、量子化器4と、負帰還信号生成回路5と、ディザ信号生成回路6とを備えており、アナログ信号或いはマルチビット信号である入力信号SINを量子化信号SQに変換して出力する。図8に示す従来のデルタシグマ変調回路は、ディザ信号生成回路6がディザ信号を積分器乗算器群2’に出力し、積分器乗算器群2’内の積分器での入力信号SINの積分過程おいてディザ信号を加えることによって、巡回ノイズを低減している。
特公平7−120950号公報(第5図) 特許第3189077号公報(第2図、第3図、第6図) 大賀寿郎・山崎芳男・金田豊著,「音響システムとディジタル処理」,初版,電子情報通信学会,1995年3月25日,p.78−95
しかしながら、図7に示す従来のデルタシグマ変調回路では、入力信号SINにディザ信号を加えるので、入力信号SINの振幅とディザ信号の振幅との加算値が実際のデバイスで扱える信号振幅の限界以内に収まることが正常動作の条件となる。また、図8に示す従来のデルタシグマ変調回路では、入力信号SINの積分過程おいてディザ信号を加えるので、図7に示す従来のデルタシグマ変調回路の場合と同様に、入力信号SINの振幅とディザ信号の振幅との加算値が実際のデバイスで扱える信号振幅の限界以内に収まることが正常動作の条件となる。このため、図7及び図8に示す従来のデルタシグマ変調回路は、ディザ信号を付加しないタイプのデルタシグマ変調回路に比べて、ダイナミックレンジが狭くなるという問題があった。
また、図7及び図8に示す従来のデルタシグマ変調回路は、入力信号系に直接ディザ信号を加えるため、ディザ信号に入力信号SINの周波数帯域の雑音が含まれる場合、入力信号系の雑音レベルが増加するという不具合があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができるデルタシグマ変調回路及びそれを備えたスイッチングアンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るデルタシグマ変調回路は、入力信号をデルタシグマ変調して量子化信号を出力する回路であって、前記入力信号に演算処理を施して出力する演算部と、前記演算部の出力信号を量子化して得られる前記量子化信号を出力する量子化器と、前記量子化信号に基づく信号を前記演算部に負帰還する負帰還部とを備え、前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれるように量子化処理を行い、前記演算部の出力信号が所定の範囲の上限値より大きいとき及び前記演算部の出力信号が所定の範囲の下限値より小さいときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれないように量子化処理を行うようにする。さらに、(i)前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに前記量子化信号が前回標本化時と異なる値をとる、(ii)前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに前記量子化信号が前回標本化時と同じ値をとる、(iii)前記量子化器がメモリを有し、以前に標本化された前記量子化信号の値の履歴を前記メモリが記憶し、前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、以前に標本化された前記量子化信号の値の履歴を参照して、量子化処理を行う、のいずれか1つを実施する。
上記構成により、入力信号系に直接ディザ信号を加えることなく、変動要素(ディザ)をデルタシグマ変調動作に付加することが可能となるので、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができる。また、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路ではディザ信号の雑音が入力信号系の雑音に影響を及ぼしたが、上記構成の本発明に係るデルタシグマ変調回路は、前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに前記量子化信号に変動要素が含まれるように量子化処理が行われるため、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路に比べて雑音の影響を受けにくいという利点を有する。
また、上記目的を達成するために本発明に係るスイッチングアンプは、上記いずれかの構成のデルタシグマ変調回路と、スイッチング素子を有し前記デルタシグマ変調回路から出力される量子化信号に応じて前記スイッチング素子をスイッチングして前記量子化信号をパルス増幅するパルス増幅器とを備える構成とする。このような構成によると、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができる。また、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプに比べて雑音の影響を受けにくいという利点を有する。
また、上記構成のスイッチングアンプにおいて、前記パルス増幅器の出力信号をアナログ信号に変換する変換部を備えるようにしてもよい。これにより、アナログ出力が可能となる。
また、上記各構成のスイッチングアンプにおいて、前記パルス増幅器の出力信号に基づく信号を減衰して前記演算部に負帰還する減衰器を備えるようにしてもよい。これにより、パルス増幅器自身の歪率やSN比の改善を図ることができる。
本発明によると、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができるデルタシグマ変調回路及びそれを備えたスイッチングアンプを実現することができる。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係るデルタシグマ変調回路の一構成例を図1に示す。なお、図1において図7と同一の部分には同一の符号を付す。
図1に示す本発明に係るデルタシグマ変調回路は、加算器1と、積分器乗算器群2と、加算器3と、量子化器4’と、負帰還信号生成回路5と、ディザ信号生成回路6とを備えており、所定のサンプリング周波数でアナログ信号或いはマルチビット信号である入力信号SINを量子化信号SQに変換して出力する。
入力信号SINは、加算器1において負帰還信号生成回路5から出力される負帰還信号によって負帰還がかけられたのち、デルタシグマ変調のアルゴリズムに対応した積分器・乗算器群2及び加算器3によって変換され、量子器4’に送出される。
ここで、デルタシグマ変調のアルゴリズムに対応した積分器乗算器群2及び加算器3の一例として、7次のデルタシグマ変調で用いられる積分器乗算器群2及び加算器3の一構成例を図2に示す。図2中の積分器INT1〜INT7、乗算器M1〜M9、加算器A1〜A3、及び遅延器D1〜〜D3が図1中の積分器乗算器群2に該当し、図2中の加算器A4が図1中の加算器3に該当する。
量子器4’は、加算器3から出力された変換信号を量子化基準値に基づいて量子化することによって2値の量子化信号SQを生成し、その量子化信号SQをデルタシグマ変調回路の出力信号として出力するともに負帰還信号生成回路5に送出する。なお、上記量子化基準値はディザ信号生成回路6から出力されるディザ信号に応じて変動する。
ここで、量子化器4’の一構成例を図3に示す。図3に示す量子化器は、比較器COMP1と、抵抗R1〜R3とによって構成されている。加算器3から出力される信号S3が抵抗R1の一端に供給され、ディザ信号生成回路6から出力されるディザ信号S6が抵抗R2の一端に供給され、定電圧Vdd/2が抵抗R3の一端に印加される。また、抵抗R1の他端が比較器COMP1の非反転入力端子に接続され、抵抗R2及びR3の他端がともに比較器COMP1の反転入力端子に接続される。比較器COMP1は、信号S3が抵抗R2と抵抗R3との接続点電圧(量子化基準値)V1より大きければ、量子化信号SQをHighレベルにし、信号S3が抵抗R2と抵抗R3との接続点電圧(量子化基準値)V1より小さければ、量子化信号SQをLowレベルにする。抵抗R2と抵抗R3との接続点電圧(量子化基準値)V1は、定電圧Vdd/2にディザ信号S6を加算したものであるため、ディザ信号S6に応じて変動する。
負帰還信号生成回路5は、入力信号SINがアナログ信号である場合、量子化信号SQに応じたパルス波形信号を生成し、そのパルス波形信号を負帰還信号として加算器1に出力し、入力信号SINがデジタル信号である場合、量子化信号SQに応じたデジタル値を生成し、そのデジタル値を負帰還信号として加算器1に出力する。このようなループによりデルタシグマ変調動作が行われる。
上記構成により、入力信号系に直接ディザ信号を加えることなく、変動要素(ディザ)をデルタシグマ変調動作に付加することが可能となるので、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができる。また、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路ではディザ信号の雑音が入力信号系の雑音に影響を及ぼしたが、上記構成の本発明に係るデルタシグマ変調回路は、量子化器の量子化基準値に変動要素(ディザ)を受け持たせているため、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路に比べて雑音の影響を受けにくい。
次に、本発明に係るデルタシグマ変調回路の一構成例を図4に示す。なお、図4において図1と同一の部分には同一の符号を付す。
図4に示す本発明に係るデルタシグマ変調回路は、加算器1と、積分器乗算器群2と、加算器3と、量子化器4’’と、負帰還信号生成回路5とを備えており、所定のサンプリング周波数でアナログ信号或いはマルチビット信号である入力信号SINを量子化信号SQに変換して出力する。
入力信号SINは、加算器1において負帰還信号生成回路5から出力される負帰還信号によって負帰還がかけられたのち、デルタシグマ変調のアルゴリズムに対応した積分器・乗算器群2及び加算器3によって変換され、量子器4’’に送出される。
量子器4’’は、加算器3から出力された変換信号を量子化基準幅上限値及び量子化基準幅下限値に基づいて量子化することによって2値の量子化信号SQを生成し、その量子化信号SQをデルタシグマ変調回路の出力信号として出力するともに負帰還信号生成回路5に送出する。
ここで、量子化器4’’の一構成例を図5に示す。図5に示す量子化器は、比較器COMP2及びCOMP3と、抵抗R4〜R8と、中間値処理回路8によって構成されている。加算器3から出力される信号S3が抵抗R4の一端及び抵抗R5の一端に供給され、定電圧Vdd/2が抵抗R6の一端に印加される。また、抵抗R4の他端が比較器COMP2の非反転入力端子に接続され、抵抗R5の他端が比較器COMP3の非反転入力端子に接続される。また、抵抗R6の他端及び抵抗R7の一端が比較器COMP2の反転入力端子に接続され、抵抗R7の他端及び抵抗R8の一端が比較器COMP3の反転入力端子に接続される。そして、抵抗R8の他端がグランド電位となっている。比較器COMP2は、信号S3が抵抗R6と抵抗R7との接続点電圧(量子化基準幅上限値)V2より大きければ、出力信号CaをHighレベルにし、信号S3が抵抗R6と抵抗R7との接続点電圧(量子化基準幅上限値)V2より小さければ、出力信号CaをLowレベルにする。比較器COMP3は、信号S3が抵抗R7と抵抗R8との接続点電圧(量子化基準幅下限値)V3より大きければ、出力信号CbをHighレベルにし、信号S3が抵抗R7と抵抗R8との接続点電圧(量子化基準幅下限値)V3より小さければ、出力信号CbをLowレベルにする。
中間値処理回路8は、比較器COMP2の出力信号Ca及び比較器COMP3の出力信号CbがともにHighレベルである場合量子化信号SQをHighレベルとし、比較器COMP2の出力信号Ca及び比較器COMP3の出力信号CbがともにLowレベルである場合量子化信号SQをLowレベルとする。
また、中間値処理回路8は、比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合量子化信号SQに変動要素を含ませる。
例えば、中間値処理回路8が乱数データを記憶するメモリ(不図示)を内蔵し、比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、前記乱数データを用いて量子化信号SQがランダムな値をとるようにするとよい。なお、入力信号SINがオーディオ信号である場合、前記乱数データの設定により、前記ランダムな値が可聴帯域(オーディオ帯域)の成分を含まないようにすることが望ましい。
また、例えば、中間値処理回路8がn−1(nは2以上の自然数)番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルを内蔵メモリ(不図示)に記憶し、n番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、n番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルをn−1番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルと逆にするようにしてもよい。なお、1番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、前回のサンプリング結果が無いので、1番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルは予め設定しているレベルにするとよい。
また、例えば、中間値処理回路8がn−1(nは2以上の自然数)番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルを内蔵メモリ(不図示)に記憶し、n番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、n番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルをn−1番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルと同じにするようにしてもよい。なお、1番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、前回のサンプリング結果が無いので、1番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルは予め設定しているレベルにするとよい。
また、例えば、中間値処理回路8がn−1(nは2以上の自然数)番目迄のサンプリングにおける量子化信号SQのレベル履歴を内蔵メモリ(不図示)に記憶し、n番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、上記内蔵メモリに記憶されているレベル履歴を参照して、n番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルを量子化信号SQのレベルの繰り返し性が低減される値にするようにしてもよい。なお、1番目のサンプリングにおいて比較器COMP2の出力信号CaがLowレベルであって比較器COMP3の出力信号CbがHighレベルである場合、上記内蔵メモリに記憶されているレベル履歴が無いので、1番目のサンプリングにおける量子化信号SQのレベルは予め設定しているレベルにするとよい。
負帰還信号生成回路5は、入力信号SINがアナログ信号である場合、量子化信号SQに応じたパルス波形信号を生成し、そのパルス波形信号を負帰還信号として加算器1に出力し、入力信号SINがデジタル信号である場合、量子化信号SQに応じたデジタル値を生成し、そのデジタル値を負帰還信号として加算器1に出力する。このようなループによりデルタシグマ変調動作が行われる。
上記構成により、入力信号系に直接ディザ信号を加えることなく、変動要素(ディザ)をデルタシグマ変調動作に付加することが可能となるので、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができる。また、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路ではディザ信号の雑音が入力信号系の雑音に影響を及ぼしたが、上記構成の本発明に係るデルタシグマ変調回路は、量子化器が受け取る信号が所定の範囲であるときに量子化器から出力される量子化信号に変動要素が含まれるように量子化器において量子化処理が行われるため、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプの従来のデルタシグマ変調回路に比べて雑音の影響を受けにくい。
次に、本発明に係るスイッチングアンプの一構成例を図6に示す。なお、図6において図4と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図6に示す本発明に係るスイッチングアンプは、デルタシグマ変調回路と、パルス増幅器9と、ローパスフィルタ10と、減衰器11とを備え、前記デルタシグマ変調回路に図4に示す本発明に係るデルタシグマ変調回路を適用した構成である。
ただし、負帰還信号生成回路5は、量子化器4’’から出力される量子化信号ではなく、パルス増幅器9の出力信号を受け取る。また、負帰還信号生成回路5から出力される負帰還信号は、直接加算器1に供給されるのではなく減衰器11によって減衰された後、加算器1に供給される。これにより、パルス増幅器9自身の歪率やSN比の改善を図ることができる。
パルス増幅器9は、FET等のスイッチング素子(不図示)を有しており、量子化器4’’から供給された量子化信号に応じて前記スイッチング素子をスイッチングすることによって前記量子化信号を電力増幅し、その電力増幅した量子化信号をローパスフィルタ10及び負帰還信号生成回路5に送出する。パルス増幅器9の出力信号は、ローパスフィルタ10によって高周波成分が除去されたアナログ信号である出力信号SOUTとなる。そして、この出力信号SOUTが、スイッチングアンプの出力信号となる。入力信号SINがオーディオ信号である場合、ローパスフィルタ10の出力端をスピーカーシステム等の負荷に接続することで、音響再生を行うことができる。
上述した図6に示す本発明に係るスイッチングアンプによると、ダイナミックレンジを狭くすることなく巡回ノイズを低減することができる。また、入力信号系に直接ディザ信号を加えるタイプに比べて雑音の影響を受けにくいという利点を有する。なお、図6に示す本発明に係るスイッチングアンプでは、図4に示すデルタシグマ変調回路を適用したが、図1に示すデルタシグマ変調回路を適用した場合でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
は、本発明に係るデルタシグマ変調回路の一構成例を示すブロック図である。 は、7次のデルタシグマ変調のアルゴリズムに対応した積分器・乗算器群及び加算器の一構成例を示すブロック図である。 は、図1に示す本発明に係るデルタシグマ変調回路が具備する量子化器の一構成例を示す図である。 は、本発明に係るデルタシグマ変調回路の他の構成例を示すブロック図である。 は、図4に示す本発明に係るデルタシグマ変調回路が具備する量子化器の一構成例を示す図である。 は、本発明に係るスイッチングアンプの一構成例を示すブロック図である。 は、従来のデルタシグマ変調回路の一構成例を示すブロック図である。 は、従来のデルタシグマ変調回路の他の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 加算器
2、2’ 積分器乗算器群
3 加算器
4、4’、4’’ 量子器
5 負帰還信号生成回路
6 ディザ生成回路
7 加算器
8 中間値処理回路
9 パルス増幅器
10 ローパスフィルタ
11 減衰器
A1〜A3 加算器
COMP1〜COMP3 比較器
D1〜〜D3 遅延器
INT1〜INT7 積分器
M1〜M9 乗算器
R1〜R8 抵抗

Claims (4)

  1. 入力信号をデルタシグマ変調して量子化信号を出力する回路であって、
    前記入力信号に演算処理を施して出力する演算部と、
    前記演算部の出力信号を量子化して得られる前記量子化信号を出力する量子化器と、
    前記量子化信号に基づく信号を前記演算部に負帰還する負帰還部とを備え、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれるように量子化処理を行い、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲の上限値より大きいとき及び前記演算部の出力信号が所定の範囲の下限値より小さいときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれないように量子化処理を行い、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに前記量子化信号が前回標本化時と異なる値をとることを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  2. 入力信号をデルタシグマ変調して量子化信号を出力する回路であって、
    前記入力信号に演算処理を施して出力する演算部と、
    前記演算部の出力信号を量子化して得られる前記量子化信号を出力する量子化器と、
    前記量子化信号に基づく信号を前記演算部に負帰還する負帰還部とを備え、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれるように量子化処理を行い、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲の上限値より大きいとき及び前記演算部の出力信号が所定の範囲の下限値より小さいときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれないように量子化処理を行い、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに前記量子化信号が前回標本化時と同じ値をとることを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  3. 入力信号をデルタシグマ変調して量子化信号を出力する回路であって、
    前記入力信号に演算処理を施して出力する演算部と、
    前記演算部の出力信号を量子化して得られる前記量子化信号を出力する量子化器と、
    前記量子化信号に基づく信号を前記演算部に負帰還する負帰還部とを備え、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれるように量子化処理を行い、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲の上限値より大きいとき及び前記演算部の出力信号が所定の範囲の下限値より小さいときに、前記量子化器が、前記量子化信号に変動要素が含まれないように量子化処理を行い、
    前記量子化器がメモリを有し、
    以前に標本化された前記量子化信号の値の履歴を前記メモリが記憶し、
    前記演算部の出力信号が所定の範囲であるときに、前記量子化器が、以前に標本化された前記量子化信号の値の履歴を参照して、量子化処理を行うことを特徴とするデルタシグマ変調回路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のデルタシグマ変調回路と、
    スイッチング素子を有し前記デルタシグマ変調回路から出力される量子化信号に応じて前記スイッチング素子をスイッチングして前記量子化信号をパルス増幅するパルス増幅器とを備えることを特徴とするスイッチングアンプ。
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