JP4534289B2 - 反応染料組成物およびそれを用いる染色法 - Google Patents
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- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、青色系の反応染料組成物及びそれを用いる繊維材料の染色又は捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロース系繊維材料を染色及び捺染するための青色系の反応染料としては、従来より、例えばアントラキノン系反応染料と銅ホルマザン系反応染料からなる混合物(特開平2−99564号公報、特開平1−103668号公報等)、ビスアゾ系反応染料からなる混合物(特開平1−170663号公報、特開平8−209021号公報)や、銅ホルマザン系反応染料とビスアゾ系反応染料からなる混合物(特開平5−70707号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
反応染料に関しては、(i)ビルドアップ性、均染性、洗浄性が良好で、染色温度依存性、無機塩濃度依存性及び浴比依存性等が小さい、(ii)耐光堅牢度や汗と日光との複合堅牢度、洗濯堅牢度、塩素堅牢度、NOxガス堅牢度など諸堅牢度が優れており、且つ使用する染料の堅牢度のレベルが揃っていることが好ましい。特に、(i)項の性能については、近年、工場の自動化、染色時間の短縮化による操作の簡略化、及び、素材の種類や形態の多様化などに伴い、均染性、染色の再現性や洗浄性が優れた反応染料が強く望まれている。又、(ii)項の性能については、染色に使用する染料の堅牢度のレベルが揃っていない場合は、耐光堅牢度、汗日光堅牢度、洗濯堅牢度及び塩素堅牢度の一部や全てにおいて変色が目立つ等の問題が生じる。青色反応染料については、特に汗日光堅牢度、塩素堅牢度及びNOxガス堅牢度において満足できるものが少なく、これに起因して諸堅牢度が良好な染色物を得ることが困難である等の問題が生じる。
一方、反応染料を用いた染色、特に染色濃度が高い染色の場合は、多量の無機中性塩を必要とするが、多量の無機中性塩の添加は、多大な時間と労力を要するので、染色作業の操作性を著しく低下させる。又、多量の無機中性塩の添加は、染色排水への無機中性塩の含量を増大させ、環境問題を考えると好ましくない。従って、少量の無機中性塩の添加で高濃度の染色物が得られる反応染料組成物が強く要望されている。
更に、近年の環境問題への関心の高まりから、染色排水の着色負荷に対する規則も厳しくなる傾向にあり、固着率が高く、染色排水の着色度の低い青色系の反応染料が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、青色系の反応染料の染色及び捺染における上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の青色反応染料組成物がこの目的を達成することを見出して、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、下記a)及びb)の反応染料を含有してなる反応染料組成物、及び、それを用いる繊維材料の染色又は捺染法を提供する。
【0006】
a)遊離酸の形が、下記式(I)で示される青色反応染料、
b)遊離酸の形が、下記式(II)、(X)及び(XVI)で示される青色反応染料の群から選ばれる1つ以上の染料群:
【0007】
【化12】
(I)
【0008】
[式中、R1及びR2は、互いに独立に、ハロゲン原子又は置換されていてもよいピリジニオ基を表し、R3、R4及びR5は、互いに独立に、水素原子又は置換されていてもよい低級アルキル基を表し、U1は、置換されていてもよいフェニレン、置換されていてもよいナフチレン又は置換されていてもよいC2〜C6アルキレンを表し、Y1は、−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Z1を表し、Z1はアルカリの作用で脱離する基を表す。]
D−A1 (II)
[式中、A1は、下記式(III)又は(IV)
【0009】
【化13】
(III)
【0010】
{式中、X1は、水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、X2及びX3は、互いに独立に、フッ素原子又は塩素原子を表す。}
【0011】
【化14】
(IV)
【0012】
{式中、X4は、ハロゲン原子又は置換されていてもよいピリジニオ基を表し、R6は、下記式(V)で示される基を表す。
【0013】
【化15】
(V)
【0014】
(式中、R7は、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を表し、R8は、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基又は下記式(VI)
−U2−Y2 (VI)
で示される基を表し、U2は、置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいナフチレン基、置換されていてもよいC2〜C6アルキレン基、式 −(CH2)2O(CH2)2− (VII)で示される基、又は、式 −CONH(CH2)2−* (VIII)で示される基を表し、*印はY2に通ずる結合を表し、Y2は、−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Z2を表し、Z2はアルカリの作用で脱離する基を表す。)}
で示される基を表わし、Dは、下記式(IX)
【0015】
【化16】
(IX)
【0016】
{式中、Rは、水素原子、−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Z3を表し、Z3はアルカリの作用で脱離する基を表す。}
で示される基を表す。]
【0017】
【化17】
(X)
【0018】
[式中、Dは前記の意味を表し、X5及びX6は、互いに独立に、ハロゲン原子を表し、mは0又は1を表し、mが0であるとき、A2は、−NH−基を表し、mが1であるとき、A2は、下記式(XII)〜(XV)で示される基のいずれかを表す。]
【0019】
【化18】
(XII)
【0020】
【化19】
(XIII)
【0021】
【化20】
(XIV)
【0022】
【化21】
(XV)
【0023】
【化22】
(XVI)
【0024】
[式中、Y3は、−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Z4を表し、Z4はアルカリの作用で脱離する基を表す。]
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
【発明の実施の形態】
前記式(I)及び(V)におけるR3、R4、R5、R7及びR8で表される置換されていてもよい低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。低級アルキル基の置換基としては、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、ハロゲン、カルバモイル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、スルホ及びスルファモイル等を挙げることができる。これらの置換された低級アルキル基として、具体的には、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、シアノメチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、メトキシエチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、クロロメチル、ブロモメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、1,2−ジカルボキシエチル、カルバモイルエチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、4−カルバモイルブチル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−メトキシカルボニルブチル、4−エトキシカルボニルブチル、メチルカルボニルオキシメチル、エチルカルボニルオキシメチル、2−メチルカルボニルオキシエチル、2−エチルカルボニルオキシエチル、3−エチルカルボニルオキシプロピル、4−メチルカルボニルオキシブチル、4−エチルカルボニルオキシブチル、スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、スルファモイルメチル、2−スルファモイルエチル、3−スルファモイルプロピル及び4−スルファモイルブチル等が挙げられる。
【0026】
前記式(I)におけるU1で表される置換されていてもよいフェニレンとしては、好ましくは、C1〜C4アルキル基(メチル基、エチル基等)、C1〜C4アルコキシ基(メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン(塩素、臭素等)及びスルホ基の群から選ばれる1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニレンであり、例えば、
【0027】
【化23】
【0028】
(式中、星印は、−Y1に通じている結合を意味する。)
等を挙げることができる。
前記式(I)におけるU1で表される置換されていてもよいナフチレンとしては、好ましくは、1個のスルホ基で置換されていてもよいナフチレンが挙げられる。これらの具体例としては、例えば、
【0029】
【化24】
【0030】
(式中、星印は、−Y1に通じている結合を意味する。)
等を挙げることができる。
【0031】
前記式(I)におけるU1で表される置換されていてもよいC2〜C6アルキレンとしては、好ましくは、−(CH2)2−、−(CH2)3−及び−CH(CH3)CH2−等のC2〜C4アルキレン基が挙げられる。
【0032】
前記式(I)におけるY1は、ビニルスルホン系の繊維反応基を表す。又、アルカリの作用で脱離する基であるZ1としては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロム等のハロゲン原子、スルファート、チオスルファート、フォスファート及びアセチルオキシ等を挙げることができ、特にスルファートが好ましい。
【0033】
前記式(I)におけるR1及びR2は、互いに独立に、ハロゲン又は置換されていてもよいピリジニオを表す。
ハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ及びブロモ等を挙げることができ、クロロ又はフルオロが好ましい。
【0034】
R1及びR2で表される置換されていてもよいピリジニオとしては、例えば、カルボキシ、カルバモイル、スルホ、ハロゲノ及び置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルの群から選ばれる基で置換されていてもよいピリジニオ等が挙げられる。ここで、置換された炭素数1〜4のアルキルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル及び2−スルホエチル等を挙げることができる。
【0035】
R1及びR2で表される置換されていてもよいピリジニオの具体例としては、ピリジニオ、2−、3−又は4−カルボキシピリジニオ、2−、3−又は4−カルバモイルピリジニオ、3−スルホピリジニオ、4−(2−スルホエチル)ピリジニオ、3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニオ、4−クロロピリジニオ、3−メチルピリジニオ及び3,5−ジカルボキシピリジニオ等を挙げることができる。
好ましくは、カルボキシ又はカルバモイルで置換されているピリジニオであり、特に3−又は4−カルボキシピリジニオが好ましい。
【0036】
前記式(II)におけるA1が式(III)で表される基の場合、式(IX)で示されるDにおいて、−SO3Hの置換位置は、−NH−が置換されているベンゼン環の炭素原子に対してパラ位であることが好ましく、一方、前記A1が式(IV)で表される基の場合、式(IX)で示されるDにおいて、−SO3Hの置換位置は、−C(O)−O−基が置換されているベンゼン環の炭素原子に対してパラ位であることが好ましい。
【0037】
前記式(III)におけるX1は水素、塩素又はフッ素を表し、X2及びX3は、互いに独立に、塩素又はフッ素を表すが、特に、X1,X2及びX3の全てが塩素であるか、X1が塩素であり、且つ、X2及びX3がフッ素であるか、或いは、X1が水素であり、且つ、X2及びX3がフッ素である場合が好ましい。
【0038】
前記式(IV)におけるX4は、ハロゲン又は置換されていてもよいピリジニオを表す。
ハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ及びブロモ等を挙げることができ、クロロ又はフルオロが好ましい。
【0039】
X4で表される置換されていてもよいピリジニオとしては、例えば、カルボキシ、カルバモイル、スルホ、ハロゲノ及び置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルの群から選ばれる基で置換されていてもよいピリジニオ等が挙げられ、置換された炭素数1〜4のアルキルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルや2−スルホエチル等を挙げることができる。
【0040】
X4で表される置換されていてもよいピリジニオの具体例としては、ピリジニオ、2−、3−又は4−カルボキシピリジニオ、2−、3−又は4−カルバモイルピリジニオ、3−スルホピリジニオ、4−(2−スルホエチル)ピリジニオ、3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニオ、4−クロロピリジニオ、3−メチルピリジニオ及び3,5−ジカルボキシピリジニオ等を挙げることができる。
好ましくはカルボキシ又はカルバモイルで置換されているピリジニオであり、特に、3−又は4−カルボキシピリジニオが好ましい。
【0041】
前記式(IV)におけるR6は前記式(V)で示される基を表す。式(V)におけるR8で表される置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、炭素数1〜4個のアルキル、炭素数1〜4個のアルコキシ、スルホ、カルボキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイル、スルファモイル、カルボン酸エステル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、アミノ、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノやフェニルカルボニルアミノ等)及び炭素数1〜4個のアルキル基により置換されたアミノの群から選ばれる1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニル等を挙げることができる。
【0042】
かかるフェニルとして好ましくは、例えば、フェニル、2−、3−又は4−メチルフェニル、2−、3−又は4−メトキシフェニル、2−、3−又は4−エチルフェニル、2−、3−又は4−エトキシフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2−スルホ−4−メトキシフェニル、2−、3−又は4−ヒドロキシフェニル、2−、3−又は4−クロロフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、2−スルホ−4−クロロフェニル、2−スルホ−5−クロロフェニル及び3−スルホ−6−クロロフェニル等が挙げられる。
【0043】
前記式(VI)におけるU2は、置換されていてもよいフェニレン、置換されていてもよいナフチレン、置換されていてもよいC2〜C6アルキレン、−(CH2)2O(CH2)2−又は−CONH(CH2)2−*[ここで、*印は、Y2に通じる結合を表し、Y2はビニルスルホン系の繊維反応基を表し、Z2で表されるアルカリの作用で脱離する基は、前記Z1で例示したものと同様のものが挙げられる。]を表す。
U2で表される置換されていてもよいフェニレン、置換されていてもよいナフチレン及び置換されていてもよいC2〜C6アルキレンとしては、各々、前記U1で例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0044】
式(IX)で表される前記Dの基におけるRは、水素又はビニルスルホン系の繊維反応基を表す。アルカリの作用で脱離する基であるZ3としては、例えばフルオロ、クロロ、ブロム等のハロゲン原子、スルファート、チオスルファート、フォスファート及びアセチルオキシ等を挙げることができる。
【0045】
前記式(X)におけるX5およびX6は、互いに独立に、ハロゲンを表すが、ハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ及びブロモ等を挙げることができ、クロロ及びフルオロが好ましい。
【0046】
前記式(XVI)におけるY3は、ビニルスルホン系の繊維反応基を表す。又、アルカリの作用で脱離する基であるZ4としては、前記Z1で例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0047】
式(I)で示される青色反応染料の製造方法は特に限定されないが、例えば次のようにして製造することができる。
【0048】
式(I)におけるR1及びR2が共にハロゲンである場合、例えば、以下の方法を例示することができる。
式 H2NCN (XVII)で示される化合物と下記式(XVIII)
【0049】
【化25】
(XVIII)
【0050】
〔式中、R3は前記の意味を有する。〕
で示されるジアミン化合物を、2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンと公知の方法に準じて縮合させることにより、下記式(XIX)
【0051】
【化26】
(XIX)
【0052】
〔式中、R3は前記の意味を表し、W1はハロゲンを表す。〕を得ることができる。
【0053】
一方、式 R5NH−U1−Y1 (XX)
〔式中、R5、U1及びY1は前記の意味を有する。〕で示される化合物及び下式(XXI)
【0054】
【化27】
(XXI)
【0055】
〔式中、R4は前記の意味を有する。〕
で示されるジアミン化合物を、2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンと公知の方法に準じて縮合させることにより、下式(XXII)
【0056】
【化28】
(XXII)
【0057】
〔式中、R4、R5、U1及びY1は前記の意味を表し、W2はハロゲンを表す。〕を得ることができる。
【0058】
上式(XIX)及び(XXII)で示されるアミン化合物を各々常法に従ってジアゾ化し、得られたジアゾ化物の内後者のものを、遊離酸の形が、下式(XXIII)
【0059】
【化29】
(XXIII)
【0060】
で示される1−アミノ−8−ナフトール化合物と、温度−10℃〜30℃でpH0〜4に調整しながらカップリングし、次いで、得られたカップリング反応生成物に前者のジアゾ化物を0℃〜40℃でpH2〜8に調整しながら、カップリングすることにより、下式(XXIV)で示される化合物又はその塩を得ることができる。
【0061】
【化30】
(XXIV)
【0062】
〔式中、R3、R4、R5、U1及びY1は前記の意味を表し、W1及びW2はハロゲンを表す。〕を得ることができる。
【0063】
又、青色反応染料(I)のうち、R1及びR2が置換されていてもよいピリジニオであるものは、例えば、遊離酸の形が前記式(XIV)の化合物を上述と同様の方法で合成し、置換されていてもよいピリジニオに対応するピリジン化合物を温度10℃〜100℃でpH2〜9の条件下で反応させることにより、下式(XXV)の化合物を得ることができる。
【0064】
【化31】
(XXV)
【0065】
〔式中、R3、R4、R5、U1及びY1は前記の意味を表し、W3及びW4は置換されていてもよいピリジニオを表す。〕
【0066】
上述した製造方法における2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンとの縮合反応においては、その順序や反応条件は特に制限されないが、例えば、一番目の縮合反応は温度−10℃〜40℃、pH1〜10の条件下で実施し、二番目の縮合反応は温度0℃〜70℃、pH2〜10の条件下で実施することができる。
【0067】
式(II)、(X)及び(XVI)で示される青色反応染料は、公知の方法で、例えば特公平3−10669号公報、特開平4−258674号公報や特開平6−49381号公報等に記載の方法に準拠して、製造することができる。
【0068】
前記a)及びb)の青色反応染料は、遊離酸の形で又はその塩の形で存在し、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩が好ましく、とりわけ、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好ましい。
本発明において用いられる反応染料の混合方法は、特に限定されるものではなく、固体状で混合してもよいし、又、液状で混合してもよい。
【0069】
本発明の反応染料組成物は、前記aの反応染料とb)の反応染料を含有してなるものであり、式(I)の青色反応染料と式(II)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(X)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(XVI)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(II)の青色反応染料と式(X)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(II)の青色反応染料と式(XVI)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(X)の青色反応染料と式(XVI)の青色反応染料の混合物でもよく、式(I)の青色反応染料と式(II)の青色反応染料と式(X)の青色反応染料と式(XVI)の青色反応染料の混合物でもよい。
【0070】
又、本発明の反応染料組成物は、式(I)の青色反応染料の1種以上と、上式(II)、(X)及び(XVI)の反応染料の群から選ばれる1つ以上の染料群の1種以上の青色反応染料の混合物であればよい。
【0071】
本発明の反応染料組成物において、各青色反応染料の混合割合は特に限定されるものではないが、式(I)、(II)、(X)及び(XVI)の反応染料の総量1000重量部中、式(I)の青色反応染料が50〜950重量部であることが好ましい。
【0072】
本発明の反応染料組成物は、必要に応じ、芒硝や食塩等の無機塩、β−ナフタレンスルホン酸ソーダ/ホルマリン縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ソーダ/ホルマリン縮合物、アセチルアミノナフトール系化合物等の分散剤、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレート系等の粉塵飛散防止剤、酢酸ナトリウム塩、燐酸ナトリウム塩等のpH緩衝剤、ポリ燐酸塩等の硬水軟化剤等の公知の染色助剤、そのほかの染料等を含有することができる。
【0073】
本発明の反応染料組成物は、その形態において特に限定されるものではなく、例えば粉末状であってもよく、顆粒状であってもよく、液体状であってもよい。
【0074】
本発明の反応染料組成物は、繊維材料、特にセルロース系繊維材料やポリアミド系繊維材料、及びそれを含有する繊維材料の染色または捺染に有用である。セルロース系繊維材料は特に限定されるものではないが、木綿、リネン、麻、ジュード、ラミー繊維、ビスコース人絹、ベンベルグ等の天然あるいは再生セルロース繊維が例示され、ポリアミド系繊維材料としては特に限定されるものではないが、羊毛、絹等が例示される。また、これらを含有する繊維材料としては、木綿/ポリエステル、木綿/ナイロン、木綿/アクリル、木綿/羊毛、羊毛/ポリエステル混交品等が例示される。
【0075】
本発明における染色及び捺染方法としては、公知のいずれの方法でもよい。吸尽染色方法では、無水芒硝や食塩等の公知の無機中性塩、及び、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダ、第三燐酸ソーダ等の公知の酸結合剤を単独に、あるいは併用して染色する方法が例示される。この際に用いる無機中性塩や酸結合剤の使用量についても制約はないが、少なくとも1g/L以上が好ましく、又、100g/L以上用いてもよい。又、これらの無機中性塩や酸結合剤の染浴への投入は一度に行ってもよいし、又、常法により分割して投入してもよい。又、その他、均染剤、緩染剤、浴中柔軟剤等の染色助剤を公知の方法で併用してもよいが、染色助剤としては特にこれらのものに限定されない。又、染色温度は通常40〜90℃であるが、好ましくは50〜90℃である。コールドバッチアップ染色法では無水芒硝や食塩等の公知の無機中性塩及び、苛性ソーダや珪酸ソーダ等の公知の酸結合剤を用いてパジング後、密閉包装材料中に0〜90℃の温度で好ましくは10〜40℃の温度で放置して染色する方法が例示される。連続染色方法では炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダ等の公知の酸結合剤を染料パジング液に混合し、公知の方法でパジング後、乾熱または蒸熱により染色する一浴パジング法及び、染料パジング後、無水芒硝や食塩等の公知の無機中性塩及び、苛性ソーダや珪酸ソーダ等の公知の酸結合剤をパジングし、公知の方法で乾熱または蒸熱により染色する二浴パジング法が例示されるが、染色方法としてはこれらに限定されない。捺染方法では、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等の公知の酸結合剤を含む捺染ペーストを印捺後、乾燥後蒸熱して捺染する一相捺染法、及び捺染ペーストを印捺後、無水芒硝や食塩等の公知の無機中性塩、及び苛性ソーダや珪酸ソーダ等の公知の酸結合剤溶液の80℃以上の高温中に投入して捺染する二相捺染法等で捺染する公知の方法が例示される。又、染色又は捺染においては公知の均染剤、緩染剤、浴中柔軟剤を公知の方法で併用してもよい。
【0076】
セルロース繊維上に本発明の反応染料組成物を固定させるのに適した酸結合剤は、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属と無機塩又は有機酸あるいは加熱状態でアルカリを遊離する化合物との水溶性塩基性塩である。特に、アルカリ金属の水酸化物及び弱ないし中程度の強さの無機又は有機酸のアルカリ金属が挙げられ、そのうち、特にソーダ塩及びカリウム塩が好ましい。この様な酸結合剤として、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、重曹、炭酸ソーダ、蟻酸ソーダ、炭酸カリ、第一、第二又は第三燐酸ソーダ、珪酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダ等が挙げられる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の反応染料組成物を用いてセルロース繊維材料等を染色又は捺染すると、均染性、ビルドアップ性及び染色再現性等の各種染料特性が良好であり、且つ、汗−日光の複合作用に対する堅牢度、塩素堅牢度、酸化性ガスに対する堅牢度等の諸堅牢度の良好な染色物又は捺染物が得られる。
特に、吸尽染色において染色温度依存性及び浴比依存性が小さく、染色再現性に優れ、しかも、固着率が高いので、高い染色濃度でも少ない中性無機塩の添加で十分なカラーイールドが得られ、染色排水の着色負荷も小さい。
【0078】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、例中、%及び部は、特記しない限り、重量%及び重量部を表す。
【0079】
実施例1
遊離酸の形が、式(1)
【0080】
【化32】
(1)
【0081】
で示される染料400部、遊離酸の形が、式(2)
【0082】
【化33】
(2)
【0083】
で示される染料600部を混合すると、青色の反応染料組成物が得られる。
このようにして得られる組成物0.3g及び無水芒硝3.0gを、綿繊維からなる編み物10gをセットした染色装置(浴比が1:10、浴温が80℃)中に公知の方法で投入し、投入後60℃で約20分間編み物を処理し、次いで、炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入し、更に、この温度で60分間編み物を染色及び洗浄すると、耐光、塩素及び洗濯堅牢度の良好な、斑のない均一な青色の染色物が得られる。又、上記染色の再現性も良好である。
【0084】
実施例2
遊離酸の形が、下式(3)
【0085】
【化34】
(3)
【0086】
で示される染料700部、及び、遊離酸の形が、下式(4)
【0087】
【化35】
(4)
【0088】
で示される染料300部を混合すると、紺色の組成物が得られる。
この組成物0.8g及び無水芒硝5.0gを、実施例1と同様に、綿繊維からなる編み物10gをセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に公知の方法で投入し、投入後60℃で約20分間編み物を処理し、次いで、38度ボーメの苛性ソーダ0.3mlを浴中に投入し、更に、この温度で50分間編み物を染色及び洗浄すると、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度の良好な、斑のない均一な紺色の染色物が得られる。又、上記染色の再現性も良好である。
【0089】
実施例3
遊離酸の形が、下式(5)
【0090】
【化36】
(5)
【0091】
で示される染料700部、遊離酸の形が、下式(6)
【0092】
【化37】
(6)
で示される染料300部を混合すると、紺色の組成物が得られる。
この組成物50gと食塩500gを、綿繊維からなる糸1000gをセットしたチーズ染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)に公知の方法で投入し、60℃で20分間処理後、炭酸ソーダ200gを浴中に投入し、次いで、この温度で60分間染色及び洗浄すると、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な、チーズの内外層間で濃度差のない均一な紺色の染色糸が得られる。又、このチーズ染色の再現性も良好である。
【0093】
実施例4
遊離酸の形が、下式(7)
【0094】
【化38】
(7)
【0095】
で示される染料400部、遊離酸の形が、下式(8)
【0096】
【化39】
(8)
【0097】
で示される染料600部を混合すると、青色の反応染料組成物が得られる。
レーヨンからなる編み物10gをセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に、上記組成物0.2g及び無水芒硝3.0gを投入し、60℃で20分間編み物を処理し、炭酸ソーダ2.0gを投入後、この温度で60分間染色及び洗浄すると、斑の無い均一な青色の、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な染色物が得られる。又、上記染色を繰り返しても、再現性は良好である。
【0098】
実施例5
レーヨンからなる編み物10gを染色装置にセットし、浴比を1:10、浴温を70℃にした。
遊離酸の形が、下式(9)
【0099】
【化40】
(9)
【0100】
で示される染料150部、遊離酸の形が、下式(10)
【0101】
【化41】
(10)
【0102】
で示される染料700部、上式(5)で示される染料150部を混合することにより得られる組成物0.6g、及び、無水芒硝5.0gを公知の方法で浴中に投入した後、この温度で20分間編み物を処理し、公知の方法で炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入した。次いで、この温度で60分間編み物を処理し、染色を終了した。得られた染色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は斑の無い均一な青色であった。得られた染色物の耐光、汗日光、塩素、洗濯堅牢度はいずれも良好であった。又、上記染色を繰り返し行ったが、いずれも染色の再現性が良好であった。
【0103】
実施例6
遊離酸の形が、下式(11)
【0104】
【化42】
(11)
【0105】
で示される染料700部、遊離酸の形が、上式(5)で示される染料300部を十分混合すると、紺色の染料組成物が得られる。
この染料組成物200部を熱水で溶解後、25℃に冷却し、アルギン酸ソーダ1部、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ10部、及び、炭酸水素ナトリウム20部を添加し、更に水を加えて全量を25℃で1000容量部とし、この液をパジング液として用いて木綿織物をパジングし、織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で5分間スチーミングして染料を固着させると、均一な紺色であり、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な染色物が得られる。又、上記染色を繰り返しても、染色の再現性は良好である。
【0106】
実施例7
レーヨンからなる編み物10gを染色装置にセットし、浴比を1:10、水温を60℃にした。
遊離酸の形が、下式(12)
【0107】
【化43】
(12)
【0108】
で示される染料800部、上式(1)で示される染料200部を充分に混合することにより得られる組成物0.7g、及び、無水芒硝5.0gを公知の方法で浴中に投入した後、この温度で20分間編み物を処理し、公知の方法で炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入した。次いで、この温度で60分間編み物を処理し、染色を終了した。得られた染色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は斑の無い均一な青色であった。得られた染色物の耐光、汗日光、塩素、洗濯堅牢度はいずれも良好であった。又、上記染色を繰り返し行ったが、いずれも染色の再現性が良好であった。
【0109】
実施例8
レーヨンからなる編み物10gを染色装置にセットし、浴比を1:10、浴温を80℃にした。
遊離酸の形が、上式(9)で示される染料600部、遊離酸の形が、式(13)
【0110】
【化44】
(13)
【0111】
で示される染料400部を混合することにより得られる組成物0.6g、及び、無水芒硝5.0gを公知の方法で浴中に投入した後、この温度で20分間編み物を処理し、公知の方法で炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入した。次いで、この温度で60分間編み物を処理し、染色を終了した。得られた染色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は斑の無い均一な紺色であった。得られた染色物の耐光、汗日光、塩素、洗濯堅牢度はいずれも良好であった。又、上記染色を繰り返し行ったが、いずれも染色の再現性が良好であった。
【0112】
実施例9
遊離酸の形が、下式(14)
【0113】
【化45】
(14)
【0114】
で示される染料140部、遊離酸の形が、式(15)
【0115】
【化46】
(15)
【0116】
で示される染料140部、遊離酸の形が、上式(3)で示される染料720部を十分混合すると、紺色の染料組成物が得られる。
この染料組成物200部を熱水で溶解後、25℃に冷却し、アルギン酸ソーダ1部、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ10部、及び、炭酸水素ナトリウム20部を添加し、更に水を加えて全量を25℃で1000容量部とし、この液をパジング液として用いて木綿織物をパジングし、織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で5分間スチーミングして染料を固着させると、均一な紺色であり、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な染色物が得られる。又、上記染色を繰り返しても、染色の再現性は良好である。
【0117】
実施例10
レーヨンからなる編み物10gを染色装置にセットし、浴比を1:10、浴温を80℃にした。
遊離酸の形が、下式(16)
【0118】
【化47】
(16)
【0119】
で示される染料800部、上式(1)で示される染料200部を充分に混合することにより得られる組成物0.7g、及び、無水芒硝5.0gを公知の方法で浴中に投入した後、この温度で20分間編み物を処理し、公知の方法で炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入した。次いで、この温度で60分間編み物を処理し、染色を終了した。得られた染色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は斑の無い均一な青色であった。得られた染色物の耐光、汗日光、塩素、洗濯堅牢度はいずれも良好であった。又、上記染色を繰り返し行ったが、いずれも染色の再現性が良好であった。
実施例11
遊離酸の形が、式(1)で示される染料400部、遊離酸の形が、式(17)
【0120】
【化48】
(17)
【0121】
で示される染料600部を混合すると、青色の反応染料組成物が得られる。
このようにして得られる組成物0.3g及び無水芒硝3.0gを、綿繊維からなる編み物10gをセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に公知の方法で投入し、投入後60℃で約20分間編み物を処理し、次いで、炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入し、更に、この温度で60分間編み物を染色及び洗浄すると、耐光、塩素及び洗濯堅牢度の良好な、斑のない均一な青色の染色物が得られる。又、上記染色の再現性も良好である。
【0122】
実施例12
遊離酸の形が、式(3)で示される染料450部及び遊離酸の形が、式(18)
【0123】
【化49】
(18)
【0124】
で示される染料550部を混合すると、青色の組成物が得られる。
この組成物0.8g及び無水芒硝5.0gを、実施例1と同様に、綿繊維からなる編み物10gをセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は60℃)中に公知の方法で投入し、投入後60℃で約20分間編み物を処理し、次いで、38度ボーメの苛性ソーダ0.3mlを浴中に投入し、更に、この温度で50分間編み物を染色及び洗浄すると、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度の良好な、斑のない均一な青色の染色物が得られる。又、上記染色の再現性も良好である。
【0125】
実施例13
遊離酸の形が、式(5)で示される染料700部、遊離酸の形が、下式(19)
【0126】
【化50】
(19)
【0127】
で示される染料300部を混合すると、紺色の組成物が得られる。
この組成物50gと食塩500gを、綿繊維からなる糸1000gをセットしたチーズ染色装置(浴比は1:10、浴温は80℃)に公知の方法で投入し、80℃で20分間処理後、炭酸ソーダ200gを浴中に投入し、次いで、この温度で60分間染色及び洗浄すると、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な、チーズの内外層間で濃度差のない均一な紺色の染色糸が得られる。又、このチーズ染色の再現性も良好である。
【0128】
実施例14
遊離酸の形が、式(7)で示される染料800部、遊離酸の形が、下式(20)
【0129】
【化51】
(20)
【0130】
で示される染料200部を混合すると、青色の反応染料組成物が得られる。
レーヨンからなる編み物10gをセットした染色装置(浴比は1:10、浴温は80℃)中に、上記組成物0.2g及び無水芒硝3.0gを投入し、80℃で20分間編み物を処理し、炭酸ソーダ2.0gを投入後、この温度で60分間染色及び洗浄すると、斑の無い均一な紺色の、耐光、汗日光、塩素及び洗濯堅牢度が良好な染色物が得られる。又、上記染色を繰り返しても、再現性は良好である。
【0131】
実施例15
レーヨンからなる編み物10gを染色装置にセットし、浴比を1:10、浴温を70℃にした。
遊離酸の形が、式(9)で示される染料600部、遊離酸の形が、下式(21)
【0132】
【化52】
(21)
【0133】
で示される染料400部を混合することにより得られる組成物0.6g、及び、無水芒硝5.0gを公知の方法で浴中に投入した後、この温度で20分間編み物を処理し、公知の方法で炭酸ソーダ2.0gを浴中に投入した。次いで、この温度で60分間編み物を処理し、染色を終了した。得られた染色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は斑の無い均一な紺色であった。得られた染色物の耐光、汗日光、塩素、洗濯堅牢度はいずれも良好であった。又、上記染色を繰り返し行ったが、いずれも染色の再現性が良好であった。
Claims (10)
- 下記a)及びb)の反応染料を含有してなる反応染料組成物。
a)遊離酸の形が、下記式(I)で示される青色反応染料、
b)遊離酸の形が、下記式(II)、(X)及び(XVI)で示される青色反応染料の群から選ばれる1つ以上の染料:
[式中、R1及びR2は、互いに独立に、ハロゲン原子を表し、R3、R4及びR5は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、U1は、フェニレンを表し、Y1は、−SO2CH=CH2あるいは−SO2CH2CH2OSO3Hを表す。]
D−A1 (II)
[式中、A1は、下記式(III)又は(IV)
{式中、X1は、塩素原子を表し、X2及びX3は、互いに独立に、フッ素原子又は塩素原子を表す。}
{式中、X4は、ハロゲン原子又はカルボキシにより置換されていてもよいピリジニオ基を表し、R6は、下記式(V)で示される基を表す。
(式中、R7は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R8は、水素原子、スルホ及び/又はハロゲノにより置換されていてもよいフェニル基又は下記式(VI)
−U2−Y2 (VI)
で示される基を表し、U2は、フェニレン基、C2〜C6アルキレン基、式 −(CH2)2O(CH2)2−* (VII)で示される基、又は、式 −CONH(CH2)2−* (VIII)で示される基を表し、*印はY2に通ずる結合を表し、Y2は、−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2OSO3Hを表す。)}
で示される基を表わし、Dは、下記式(IX)
{式中、Rは、水素原子又は−SO2CH2CH2Clを表す。}
で示される基を表す。]
[式中、Dは前記の意味を表し、X5及びX6は、互いに独立に、ハロゲン原子を表し、mは0又は1を表し、mが0であるとき、A2は、−NH−基を表し、mが1であるとき、A2は、下記式(XII)〜(XV)で示される基のいずれかを表す。]
[式中、Y3は、−SO2CH2CH2OSO3Hを表す。] - 前記b)の反応染料として式(II)で示される染料を含み、式(II)におけるA1が式(III)で示される基であり、X2及びX3が共にフッ素原子である請求項1に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(II)で示される染料を含み、式(II)におけるA1が式(IV)で示される基であり、R6が式(V)で示される基であり、且つ、式(V)におけるR8がスルホにより置換されていてもよいフェニル基である請求項1に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(II)で示される染料を含み、式(II)におけるA1が式(IV)で示される基であり、R6が、式(V)で示される基であり、且つ、式(V)におけるR8が、式(VI)で示される基である請求項1に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(II)で示される染料を含み、且つ、式(IX)で示されるDにおける−SO3Hの置換位置が、−NH−が置換されているベンゼン環の炭素原子に対してパラ位である請求項2に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(II)で示される染料を含み、且つ、式(IX)で示されるDにおける−SO3Hの置換位置が、−C(O)−O−基が置換されているベンゼン環の炭素原子に対してパラ位である請求項1又は3に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(X)で示される染料を含み、式(X)におけるmが1であり、且つ、式(IX)で示されるDにおける−SO3Hの置換位置が、−C(O)−O−基が置換されているベンゼン環の炭素原子に対してパラ位である請求項1に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(X)で示される染料を含み、式(X)におけるX5及びX6がフルオロであり、且つ、A2が式(XV)で示される基である請求項1又は7に記載の組成物。
- 前記b)の反応染料として式(X)で示される染料を含み、式(X)におけるX5及びX6がクロロであり、且つ、A2が式(XII)、(XIII)及び(XIV)で示される基から選ばれるいずれかの基である請求項1又は7に記載の組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の組成物を用いることを特徴とする繊維材料の染色又は捺染方法。
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