JP4532222B2 - 小型艇の排気装置 - Google Patents
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ここで、レゾネータとは、共鳴によって排気音を低減する共鳴形消音器をいう。
図10は従来の基本構成を説明する図である。
小型艇の排気装置200は、エンジンの排気系統の途中にマフラー201を備え、マフラー201に略逆U字形の排気管202を備え、排気管202の壁面に、排気管202の軸線に対して略直行させる方向に延びる消音用のレゾネータ203を備える。
この際に、排気管202の排気騒音をレゾネータ203で共鳴させることにより、排気騒音の低減する。
排気管202を略U字形に形成することで排気管202の長さがある程度長くなる。
このため、レゾネータ203が排気管202から離れる方向に大きく延びる。排気管202から大きく離れたレゾネータ203を、艇体の内部に収納するためには、艇体の内部に十分に大きな収納スペースを確保する必要がある。
レゾネータ203を収納する大きな収納スペースを確保するためには、艇体の内部に取り付ける多種の艇付属部品のレイアウトを十分に検討する必要がある。
このため、検討時間が長くなり、そのことが生産性を高める妨げになっていた。
これにより、レゾネータの収納スペースを新たに確保する検討時間を不要にすることができる。
これにより、排気騒音の共鳴を利用して、排気騒音の消音効果を十分に高めることができる。
また、排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、排気部にはテールパイプが設けられるので、複数の共鳴用通孔を連続的に形成しても、この部分の剛性を確保することができる。
請求項3では、排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、排気部にはテールパイプが設けられるので、複数の共鳴用通孔を連続的に形成しても、この部分の剛性を確保することができるとともに、レゾネータを収納する専用スペースを、新たに確保する必要がない。
加えて、レゾネータを、排気管の長手方向に沿わせることで、レゾネータを排気管の長さに確保して共鳴による消音効果を高めることができるという利点がある。
また、排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、排気部にはテールパイプが設けられるので、複数の共鳴用通孔を連続的に形成しても、この部分の剛性を確保することができる。
請求項2に係る発明では、水抜き孔をレゾネータ空間に臨ませることにより、レゾネータ空間は水抜き孔を介して排気管の内部に連通し、レゾネータ空間のうち、排気管の導入部に溜まった水を、水抜き孔を介して排気管の内部に逃がすことができ、水抜きができる。
また、排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、排気部にはテールパイプが設けられるので、複数の共鳴用通孔を連続的に形成しても、この部分の剛性を確保することができる。
小型艇10は、艇体11の前部12に取り付けた燃料タンク13と、この燃料タンク13の後方に設けたエンジン14と、このエンジン14の後方に設けたポンプ室16と、このポンプ室16に設けた水ジェットポンプ17と、エンジン14に導入側を取り付けるとともに排出側をポンプ室16に取り付けた小型艇の排気装置20と、燃料タンク13の上方に取り付けた操舵ハンドル22と、この操舵ハンドル22の後方に取り付けたシート23とを備えたウォータージェット推進艇である。
水ジェットポンプ17によれば、エンジン14を駆動してインペラ27を回転させることにより、艇底24の吸込口25から吸引した水を、ハウジング26の後部ノズルを介してステアリングノズル(操舵ノズル)29から艇体11の後方へ噴射する。
これにより、小型艇10が推進(滑走)する。
このステアリングノズル29は、操舵ハンドル22の操作で左右方向にスイングすることにより艇体11の操舵方向をコントロールする操舵用のノズルである。
小型艇の排気装置20は、図1に示すエンジン14の排気マニホールド(図示しない)にエキゾーストパイプ36(図1参照)を繋ぎ、このエキゾーストパイプ36の出口にエキゾーストボディ37(図1参照)を繋ぎ、このエキゾーストボディ37の出口側37aにマフラー38を繋ぎ、このマフラー38の出口パイプ38aに連通管構造40の導入部41を繋ぎ、連通管構造40の排気部42にテールパイプ43を繋ぎ、テールパイプ43をポンプ室16の天井壁32に取り付け、テールパイプ43の排気口44をポンプ室16の内部空間34に臨ませたものである。
連通管構造40は、排気ガスを導く排気管45の外側に、排気管45の長手方向に沿わせてレゾネータ46を重ね合わせ、排気管45とレゾネータ46との間に環状のレゾネータ空間49を形成し、この状態で、レゾネータ45の導入部46aを排気管45の導入部45aに密着させた状態に重ね合わせるとともに、レゾネータ46の排気部46bを排気管45の排気部45bに密着させた状態に重ね合わせたものである。
すなわち、この排気管45はウォーターロックの機能を備えている。
レゾネータ46を、排気管45の長手方向に沿わせることで、レゾネータ46を排気管45の長さに確保する。
これにより、レゾネータ46の収納スペースを新たに確保するための検討時間を不要にすることができる。
テールパイプ43の上端部43aに、周縁43bに沿って複数の共鳴用通孔52…(…は複数を示す)を形成し、複数の共鳴用通孔52…に合わせて、排気管45の排気部45bに複数の共鳴用通孔53…を形成する。
排気部45bの共鳴用通孔53…を環状のレゾネータ空間49に臨ませることにより、排気管45の内部を、共鳴用通孔52…および共鳴用通孔53…を経て環状のレゾネータ空間49に連通する。
これにより、環状のレゾネータ空間49は、排気管45内の排気騒音を共鳴により低減する役割を果たす。
そこで、複数の共鳴用通孔53…を形成した部位45cを、テールパイプ43の上端部43aに嵌合させることで、テールパイプ43の上端部43aで支えることにした。
これにより、複数の共鳴用通孔53…を形成した部位45cの剛性を確保することが可能になる。
排気管45の導入部45aにおいて、出口パイプ38aの上端部38bの上方近傍に、一対の水抜き孔55,55を形成し、水抜き孔55,55を環状のレゾネータ空間49に臨ませる。
水抜き孔55,55を環状のレゾネータ空間49に臨ませることにより、環状のレゾネータ空間49を水抜き孔55,55を介して排気管45の内部に連通する。
これにより、環状のレゾネータ空間49のうち、排気管45の導入部45a側に溜まった水を、水抜き孔55,55を介して排気管45の内部に逃がす。
図1に示すエンジン14から排出された排気ガスは、排気マニホールド(図示しない)からエキゾーストパイプ36およびエキゾーストボディ37(図1参照)を経てマフラー38内に流入する。
排気管45内に流れた排気ガスは、排気管45内からテールパイプ43に矢印bの如く流れる。テールパイプ43に流れた排気ガスは、テールパイプ43の排出口44からポンプ室16の内部空間34に矢印cの如く排出する。
これにより、レゾネータ46の環状のレゾネータ空間49を利用して、排気管45内の排気騒音を共鳴により十分に低減することができる。
そして、環状のレゾネータ空間49に侵入した水が、レゾネータ46の導入部46a側に流入することが考えられる。
排気管45内に逃がした水は、排気ガスとともにテールパイプ43の排出口44からポンプ室16内に排出する。
図6(a)は本発明に係る小型艇の排気装置(第2実施形態)を示す断面図、図6(b)は図6(a)の6b−6b断面図である。
第2実施の形態の小型艇の排気装置60は、連通管構造61を第1実施の形態の連通管構造40に変えたもので、その他の構成は第1実施の形態の排気装置20と同じである。
仕切壁64の排出側端部72を外側に傾斜させて排出部68の外側部位68aに連結し、排出部側端部72に共鳴用通孔72aを形成する。
加えて、テールパイプ43の上端部43aに排気部68を嵌め込み、締付けバンド74でテールパイプ43の上端部43aに締め付ける。
すなわち、この排気管65はウォーターロックの機能を備えている。
レゾネータ66を、排気管65の長手方向に沿わせることで、レゾネータ66を排気管65の長さに確保する。
これにより、レゾネータ66の収納スペースを新たに確保するための検討時間を不要にすることができる。
図1に示すエンジン14から排出された排気ガスは、マフラー38内に流入する。マフラー38内に流入した排気ガスは、出口パイプ38aに矢印dの如く流れ、出口パイプ38aを経て排気管65内に矢印eの如く流れる。
排気管65内に流れた排気ガスは、排気管65内からテールパイプ43に矢印fの如く流れる。テールパイプ43に流れた排気ガスは、テールパイプ43の排出口44からポンプ室16の内部空間34に矢印gの如く排出する。
これにより、レゾネータ66のレゾネータ空間69を利用して、排気管65内の排気騒音を共鳴により十分に低減することができる。
そして、レゾネータ空間69に侵入した水が、導入部側端部71側に流入することが考えられる。
排気管65内に逃がした水は、排気ガスとともにテールパイプ43の排出口44からポンプ室16内に排出する。
連通管構造81は、排気管82とレゾネータ83とを、一部の周壁84で一体に形成したもので、その他の構成は第1実施の形態の連通管構造40と同じである。
すなわち、連通管構造91は、仕切壁92を、湾曲状に形成してレゾネータ94のレゾネータ空間95側に向けて突出させたもので、その他の構成は第2実施の形態の連通管構造61と同じである。
さらに、第4実施の形態の小型艇の排気装置90によれば、第2実施の形態の小型艇の排気装置60と同様の効果を得ることができる。
第5実施の形態の小型艇の排気装置100は、連通管構造101を第1実施の形態の連通管構造40に変えたもので、その他の構成は第1実施の形態の排気装置20と同じである。
共鳴用通孔109…を環状の排気空間104に臨ませることにより、排気管102の排気空間104を、共鳴用通孔52…および共鳴用通孔109…を経てレゾネータ103のレゾネータ空間105に連通する。
すなわち、この排気管102はウォーターロックの機能を備えている。
なお、レゾネータ103の先端部103bを、ステーなどの保持部材(図示せず)を用いて排気管102に保持することも可能である。
レゾネータ103を、排気管102の長手方向に沿わせることで、レゾネータ103を排気管102の長さに確保する。
これにより、レゾネータ103の収納スペースを新たに確保するための検討時間を不要にすることができる。
図1に示すエンジン14から排出された排気ガスは、排気マニホールド(図示しない)からエキゾーストパイプ36およびエキゾーストボディ37(図1参照)を経てマフラー38内に流入する。
環状の排気空間104に流れた排気ガスは、排気空間104から共鳴用通孔109…および共鳴用通孔52…を介してテールパイプ43内に矢印jの如く流れる。テールパイプ43内に流れた排気ガスは、テールパイプ43の排出口44からポンプ室16の内部空間34に矢印kの如く排出する。
これにより、レゾネータ空間105を利用して、排気空間104内の排気騒音を共鳴により十分に低減することができる。
そして、レゾネータ103内に侵入した水が、レゾネータ103の先端部103b側に流入することが考えられる。
排気管102内に逃がした水は、排気ガスとともにテールパイプ43の排出口44からポンプ室16内に排出する。
参考例に係る小型艇の排気装置120は、連通管構造121を第1実施の形態の連通管構造40に変えたもので、その他の構成は第1実施の形態の排気装置20と同じである。
共鳴用通孔129は、(b)に示すように、テールパイプ43の上端部43aに形成された通孔である。
すなわち、この排気管122はウォーターロックの機能を備えている。
ここで、レゾネータ126を排気管122に取り付けるために、レゾネータ126を接着剤などで排気管122に接合することも可能である。
レゾネータ126を、排気管122に螺旋状に巻き付けたので、排気管122の途中まで巻き付けることで、レゾネータ126の長さを、排気管122と同等の長さに確保することが可能になる。
これにより、レゾネータ126の収納スペースを新たに確保する検討時間を不要にすることができる。
図1に示すエンジン14から排出された排気ガスは、排気マニホールド(図示しない)からエキゾーストパイプ36およびエキゾーストボディ37(図1参照)を経てマフラー38内に流入する。
排気管122内に流れた排気ガスは、排気管122内からテールパイプ43に向けて矢印mの如く流れる。テールパイプ43に流れた排気ガスは、テールパイプ43の排出口44からポンプ室16の内部空間34に矢印nの如く排出する。
これにより、レゾネータ126を利用して、排気管122内の排気騒音を共鳴により十分に低減することができる。
テールパイプ43から共鳴用通孔127,128,129を経てレゾネータ126内に水が侵入した場合、侵入した水は、共鳴用通孔127,128,129からテールパイプ43に排出される。排出された水は、テールパイプ43の排出口44からポンプ室16内に排出する。
参考例に係る形態では、レゾネータ126を略矩形状に形成した例について説明したが、断面形状を、例えば楕円などのその他の形状にすることも可能である。
Claims (3)
- 小型艇に搭載したエンジンに排気管を連通し、この排気管を一旦上方に延ばしたのち下方に延ばした略逆U字形とし、この略逆U字形の排気管に消音用のレゾネータを設け、このレゾネータで排気管の排気騒音を低減する小型艇の排気装置において、
前記排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、前記排気管の内部を前記共鳴用通孔を経て前記レゾネータの空間に連通し、
前記レゾネータを、前記排気管の長手方向に沿わせるように逆U字状に構成し、
前記排気管の排気部を、前記レゾネータに連通した、
ことを特徴とする小型艇の排気装置。 - 前記排気管の導入部に、前記レゾネータ空間に臨んで水抜き孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の小型艇の排気装置。
- 小型艇に搭載したエンジンに排気管を連通し、この排気管を一旦上方に延ばしたのち下方に延ばした略逆U字形とし、この略逆U字形の排気管に消音用のレゾネータを設け、このレゾネータで排気管の排気騒音を低減する小型艇の排気装置において、
前記排気管の排気部に複数の共鳴用通孔を連続的に形成し、前記排気管の内部を前記共鳴用通孔を経て前記レゾネータの空間に連通し、
前記レゾネータを、前記排気管の外側に、前記排気管の長手方向に沿わせて重ね合わせ、前記レゾネータの導入部に密着した状態に重ね合わせるとともに、前記レゾネータの排気部を前記排気管の排気部に密着した状態で重ね合わせた、
ことを特徴とする小型艇の排気装置。
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