JP4202471B2 - 小型滑走艇 - Google Patents

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JP4202471B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型滑走艇に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型滑走艇、例えばジェット推進艇は、ジェット推進機を駆動して艇体を推進するように構成されている。
【0003】
上記のようなジェット推進艇では、艇内の後部にジェット推進機が配置され、このジェット推進機の前方位置にエンジンが配置されて、このエンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室に近傍において艇外に開口されて、排気ガスを艇外に排出するようになっている。
【0004】
そして、この排気ガスの排気騒音を低減するために、排気管の途中には排気サイレンサが取付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、限られたスペースの艇内に、排気騒音の低減効果が大きい大容量の排気サイレンサ(容積室…レゾネータ)を配置するのは非常に困難であることから、排気騒音の低減にも限界があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、艇内のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けられるようにした小型滑走艇を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、艇内の後部にジェット推進機が配置され、このジェット推進機の前方位置にエンジンが配置されて、このエンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室近傍において艇外に開口された小型滑走艇において、上記排気管の一部が上記ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように立ち上げられて、この排気管の立上がり部にレゾネータが接続され、このレゾネータの少なくとも一部はジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置させている一方、上記レゾネータは上記排気管の立ち上がり部の前部に接続されて、この立ち上がり部と上記エンジンとの間に位置しているとともに、上記立ち上がり部は後方に傾斜されていることを特徴とする小型滑走艇を提供するものである。
【0008】
本発明の請求項1によれば、ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように排気管の一部を立ち上げて、この立ち上がり部に、密閉状のレゾネータをその少なくとも一部がジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置するように接続することにより、ジェット推進機若しくはポンプ室の上方のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。なお、エンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室近傍において艇外に開口されているとは、排気管の下流端がポンプ室に接続され、ポンプ室を介して艇外に開口している場合と、排気管の下流端がトランサムに接続され、直接艇外に開口している場合とがある。
【0009】
また、上記レゾネータは上記排気管の立ち上がり部の前部に接続されて、この立ち上がり部と上記エンジンとの間に位置しているから、排気管の立ち上がり部とエンジンとの間のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。さらに、上記立ち上がり部は後方に傾斜されているから、立ち上がり部とともにレゾネータも後方に傾斜されるので、エンジンの後方のデッドスペースが広くなって、このデッドスペースに、シート台の上面に開口する物入れを配置することができる。また、立ち上がり部を後方に傾斜させることで各レゾネータは前上がり状態となるので、各レゾネータに浸入した水がレゾネータから立ち上がり部に排出されやすくなって、レゾネータの容積の変動が防止できる。
【0010】
本発明の請求項2は、艇内の後部にジェット推進機が配置され、このジェット推進機の前方位置にエンジンが配置されて、このエンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室近傍において艇外に開口された小型滑走艇において、上記排気管の一部が上記ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように立ち上げられて、この排気管の立上がり部にレゾネータが接続され、このレゾネータの少なくとも一部はジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置させている一方、上記レゾネータの底部が排気管の立ち上がり部に接続されていることを特徴とする小型滑走艇を提供するものである。
【0011】
本発明の請求項2によれば、ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように排気管の一部を立ち上げて、この立ち上がり部に、密閉状のレゾネータをその少なくとも一部がジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置するように接続することにより、ジェット推進機若しくはポンプ室の上方のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。また、上記レゾネータの底部が排気管の立ち上がり部に接続されているからレゾネータに浸入した水が自然にレゾネータから排気管の立ち上がり部に排出されやすくなって、レゾネータの容積の変動が防止できる。
【0012】
請求項3のように、上記レゾネータは艇体のほぼ中心線上に配置されている構成であれば、艇体に対する左右の重量バランスが良くなる。
【0013】
請求項4のように、上記レゾネータは複数個設けられて、各レゾネータは艇体の中心線に対してほぼ左右対称となるように配置されている構成であれば、艇体に対する左右の重量バランスが良くなると共に、各レゾネータの合計容積を大きくできて排気騒音の低減効果が大きくなる。また、各レゾネータの容積をそれぞれ異ならせることにより、周波数領域が違う排気騒音を減衰できるので、排気騒音の低減効果がより大きくなる。
【0014】
請求項5のように、上記レゾネータは、前後方向向きの円筒形状であり、このレゾネータの頭部は、偏平状で拡径されている構成であれば、レゾネータが球状の場合と比較して、同じ容積であれば前後方向の外形幅を薄くすることが可能となるので、前後方向の配置スペースが少なくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は水上走行船(ジェット推進艇)の側面図、図2はその要部平面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図2の部分の斜視図である。
【0016】
小型滑走艇であるジェット推進艇1の艇体2は、船体部材3とデッキ部材4とが互いにその周縁部で接合されてなり、上記船体部材3の上部には中央部よりやや前側における船体中心線上に操舵ハンドル5が設けられ、その後側には両側のフートステップ4aから上方に立ち上がって船尾方向に延びるシート台4bが形成され、このシート台4bの上面には着脱自在な跨座式シート6が設けられている。
【0017】
上記シート台4bの上面には、後述するエンジン室7内の点検用開口4cが形成され、この点検用開口4cの後側には、上方から着脱自在な有底箱状の物入れ9をはめ込むための物入れ開口4dが形成されていて、各開口4c,4dは装着時のシート6で覆われるようになっている。
【0018】
上記艇体2の内部には、前側にエンジン室7が形成されると共に、後側には船体部材3の後底部を上向きに窪ませたポンプ室8がそれぞれ形成され、上記エンジン室7内には、上記点検用開口4cの下方であって艇体2の左右方向の中央部にエンジン10が設置され、このエンジン10は、船体長手方向に延びるクランク軸を有しており、このクランクケース軸がジェット推進機11のインぺラ軸13に連結されている。なお、12はポンプ室8の下方を覆う船底プレートである。
【0019】
上記ジェット推進機11は、艇体2によって形成された水吸込みダクト11aと、ポンプ室8に収容されたジェット推進機本体11bとから構成されている。
【0020】
そして、エンジン10によってインぺラ軸13が駆動されて、ジェット推進機本体11bに収容されたインぺラ(不図示)が回転すると、船底に開口した水吸込み口14から水吸込みダクト11aを介して水がジェット推進機本体11bに吸込まれて、この水をノズル15から後方に噴射させることにより、ジェット推進艇1が推進されるようになる。また、上記操舵ハンドル5の操舵でノズル15を左右揺動させることにより、ジェット推進艇1が旋回されるようになる。
【0021】
上記エンジン10の左側には排気マニホールド18が設けられ、この排気マニホールド18の下流端部に上流端部19aが接続された第1排気管19は、エンジン10の前上方をU字状に迂回し、エンジン10の右側上方で後方に延びて、エンジン10の後方で船体後面視で斜め左下方に延びた後に、その下流端部19bが円筒状のアルミ合金製ウォータロック20の入口端部20aに接続されている。
【0022】
上記ウォータロック20は、上記ポンプ室8の左側方位置で、入口端部20aが内方向き、後部が外向きの平面視斜め状態で配置され、船体部材3の内面に取付けられた補強部材21の凹部21aにクッション材21bを介して当てがわれて、バンド22により固定されている。なお、船体部材3と補強部材21との間の空間には浮体23が充填されている。
【0023】
上記ウォータロック20の長さ方向のほぼ中間位置の上部には上向きの出口端部20bが設けられ、この出口端部20bには、上記ポンプ室8の付近で艇体中心線C(図3参照)を横切るよう逆U字状に立ち上げた第2排気管(立ち上がり部)24の左下端部24aが耐熱ゴム製のジョイントホース25を介して接続されている。また、第2排気管24の右下端部24bは、上記ポンプ室8の右側を後方に延びて下流端部26aがポンプ室8の側壁に接続された耐熱ゴム製の排出管26の上向き上流端部26bに接続されている。
【0024】
上記第2排気管24は、上記物入れ9の後面9aと上記シート台4bの斜め下向きに傾斜された傾斜後面4eとの間の空間部(デッドスペース)27に配置されて、平面視(図2参照)において、左下端部24aに対して右下端部24bがやや後位置となるように傾斜されると共に、側面視(図1参照)において、上部が上記傾斜後面4eに接近するまで後方に傾斜されている。このように、第2排気管24の上部を後方に傾斜させることにより、真っ直ぐ上方に立ち上げる場合と比較して、第2排気管24と物入れ9の後面9aとの間の空間部27が拡大するようになる。
【0025】
上記第2排気管24の上部の前部には、容積の異なる3個の排気サイレンサ(密閉状容積室…レゾネータ)30A,30B,30Cが所定の位置と向きで接続されている。例えば、排気サイレンサ30Aの容積を4リットル、排気サイレンサ30Bの容積を2リットル、排気サイレンサ30Cの容積を1リットルとすることができる。これにより、各排気サイレンサ30(A〜C)で周波数領域が違う排気騒音をそれぞれ減衰できるようになる。
【0026】
上記各排気サイレンサ30(A〜C)は、図5に詳細に示すように、上記第2排気管24と同じ内外径(外径D3)で、第2排気管24の上部の前部に接続されて連通する円筒形状の底部30a(外径D3)をそれぞれ有している。
【0027】
そして、容積4リットルの排気サイレンサ30Aは、図6(a)に示すように、底部30aの上端に連続して偏平状で拡径された円筒状の頭部30bが偏心位置に設けられて、底部30aと、頭部30bの直径D1と高さT1とで容積を確保するようになっている。
【0028】
同様に、容積2リットルの排気サイレンサ30Bは、図6(b)に示すように、底部30aの上端に連続して偏平状で拡径された円筒状の頭部30cが偏心位置に設けられて、底部30aと、頭部30cの直径D2と高さT2とで容積を確保するようになっている。
【0029】
また、容積1リットルの排気サイレンサ30Cは、図7に示すように、底部30aの上端に連続して同じ内外径の円筒状の頭部30dが同心位置に設けられて、底部30aと、頭部30dの直径D3と高さT3とで容積を確保するようになっている。
【0030】
図5の正面視において、各排気サイレンサ30(A〜C)の内、排気サイレンサ30Aは、底部30aが艇体中心線Cに近い左側に位置して、頭部30bの一部が艇体中心線Cをやや右方向に超えるように配置され、排気サイレンサ30Bは、底部30aが艇体中心線Cに近い右側に位置して、頭部30cが上記排気サイレンサ30Aの頭部30bに接近するように配置され、排気サイレンサ30Cは、底部30aが排気サイレンサ30Aの底部30aに近い左側に位置して、頭部30dが上記排気サイレンサ30Aの頭部30bに接近するように配置されている。これにより、各排気サイレンサ30(A〜C)は、艇体2の中心線Cに対してほぼ左右対称となるようにバランス良く配置されることになる。
【0031】
また、図1の側面視において、各排気サイレンサ30(A〜C))は、上部を後方に傾斜させた第2排気管24の前部に、各底部30aがほぼ直角に前後方向向きに接続されて、各頭部30b,30c,30dをそれぞれ斜め上向き状態としている。これにより、各排気サイレンサ30(A〜C)は、前上がり状態で第2排気管24と物入れ9の後面9aとの間の拡大された空間部27にうまく収まるようになる。
【0032】
図1及び図2に示したように、上記排気サイレンサ30A,30Bの一部は、上記ジェット推進機11を構成する水吸込みダクト11aの上方に位置している。
【0033】
上記第2排気管24と各排気サイレンサ30(A〜C)とは、例えば耐熱ポリプロピレン製であって、各排気サイレンサ30(A〜C)はブロー成形により製造している。なお、各排気サイレンサ30(A〜C)はブロー成形により製造するに際しては、底部30a及び各頭部30b,30c,30dとも全体に丸みをもたせているので、肉厚が均一化できて強度が良好になる。
【0034】
上記第2排気管24と各排気サイレンサ30(A〜C)とを別々に製造した後に、第2排気管24に各排気サイレンサ30(A〜C)の各底部30aを溶着等して一体的に結合する。なお、上記第2排気管24と各排気サイレンサ30(A〜C)をアルミ合金によって形成しても良く、また、第2排気管24と各排気サイレンサ30(A〜C)とを一体に形成したり、これらを別々に製造して耐熱ゴム製の連結管などを介して互いに着脱自在に連結しても良い。
【0035】
上記のような排気管構造であれば、ジェット推進機11のポンプ室8の付近で艇体2の中心線Cを横切るように排気管19,24の一部、つまり第2排気管24を逆U字状に立ち上げて、この第2排気管24(立ち上がり部)に、各排気サイレンサ30(A〜C)の少なくとも一部がジェット推進機11若しくはポンプ室8の上方に位置するように各底部30aを第2排気管24に接続することにより、ジェット推進機11若しくはポンプ室8の上方のデッドスペース、特に第2排気管24と物入れ9の後面9aとの間の空間部27を合理的に利用して、大容量の排気サイレンサ30(A〜C)を第2排気管24に取付けることができるから、排気騒音の低減効果が大きくなる。また、3個の排気サイレンサ30(A〜C)を艇体2の中心線Cに対してほぼ左右対称となるように配置しているから、艇体2に対する左右の重量バランスが良くなる。
【0036】
さらに、各排気サイレンサ30(A〜C)を設けることにより合計容積が大きくなって排気騒音の低減効果が大きくなる。この排気騒音を実測したデータを図8の上段部分にグラフで示している。実線aは排気サイレンサ30(A〜C)を取付けた場合において排気出口で計測した騒音、破線bは排気サイレンサ30(A〜C)を取付けない場合において排気出口で計測した騒音である。このグラフから排気サイレンサ30(A〜C)を取付けた場合には排気騒音の低減効果が大きくなっていることが明らかである。
【0037】
さらにまた、各排気サイレンサ30(A〜C)の容積をそれぞれ異ならせているから、周波数領域が違う排気騒音を減衰できるので、排気騒音の低減効果がより大きくなる。各排気サイレンサ30(A〜C)によって減衰される周波数を実測したデータを図8の下段部分にグラフで示している。一点鎖線cは排気サイレンサ30Aにより減衰される周波数、実線dは排気サイレンサ30Bによる減衰される周波数、破線eは排気サイレンサ30Cによる減衰される周波数である。
【0038】
そして、このグラフから排気サイレンサ30Aでは主として低周波数fの騒音がf1→f2に減衰され、排気サイレンサ30Cでは主として高周波数hの騒音がh1→h2に減衰され、排気サイレンサ30Bでは主として低周波数fと高周波数hの中間低周波数gの騒音がg1→g2に減衰されて、それぞれの減衰効果が大きくなっていることが明らかである。
【0039】
なお、上記実施形態は、3個の排気サイレンサ30(A〜C)を設けたが、1個の排気サイレンサのみであっても良く、この場合には、艇体2のほぼ中心線C上に配置すれば艇体2に対する左右の重量バランスが良くなる。また、3個の排気サイレンサ30(A〜C)の配列順序は実施形態の通りでなくても、排気騒音の低減や減衰の効果には影響しない。
【0040】
一方、上記各排気サイレンサ30(A〜C)を立ち上がった第2排気管24の前部に接続して、この各排気サイレンサ30(A〜C)を第2排気管24と上記エンジン10、具体的には物入れ9との間に位置させると共に、第2排気管24を後方に傾斜させているから、ジェット推進機11の上方位置にあるシート台4bの傾斜後面4eに沿って第2排気管24と各排気サイレンサ30(A〜C)とを配置することができる。
【0041】
また、第2排気管24とともに各排気サイレンサ30(A〜C))も後方に傾斜させているから、エンジン10の後方のデッドスペースが広くなって、このデッドスペースに、シート台4bの上面の物入れ用開口3dに嵌め込んだ物入れ9を合理的に配置できる。さらに、第2排気管24を後方に傾斜させることで各排気サイレンサ30(A〜C)は前上がり状態となることに加え、航走時の艇体2の前トリムにより、各排気サイレンサ30(A〜C)に浸入した水が各排気サイレンサ30(A〜C)から自然に排出されやすくなって、各排気サイレンサ30(A〜C)の容積の変動が防止できる。
【0042】
さらに、各排気サイレンサ30(A〜C)の各底部30aが立ち上がった第2排気管24に接続されているから、各排気サイレンサ30(A〜C)に浸入した水が自然に各排気サイレンサ30(A〜C)から第2排気管24に排出されやすくなって、各排気サイレンサ30(A〜C)の容積の変動が防止できる。
【0043】
また、上記各排気サイレンサ30(A〜C)は、全体が前後方向向きの円筒形状であり、かつ第1、第2排気サイレンサ30A,Bの頭部30b,30cは、偏平状で拡径されているから、各排気サイレンサ30(A〜C)が球状の場合と比較して、同じ容積であれば前後方向の外形幅を薄くすることが可能となるので、前後方向の配置スペースが少なくなる。なお、各排気サイレンサ30(A〜C)は必ずしも実施形態のような円筒形状である必要はなく、容積が確保できれば良いので、球状は無論、楕円状、多角箱状であっても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の請求項1によれば、ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように排気管の一部を立ち上げて、この立ち上がり部に、密閉状のレゾネータをその少なくとも一部がジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置するように接続することにより、ジェット推進機若しくはポンプ室の上方のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。
【0045】
また、上記レゾネータは上記排気管の立ち上がり部の前部に接続されて、この立ち上がり部と上記エンジンとの間に位置しているから、排気管の立ち上がり部とエンジンとの間のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。
【0046】
さらに、上記立ち上がり部は後方に傾斜されているから、立ち上がり部とともにレゾネータも後方に傾斜されるので、エンジンの後方のデッドスペースが広くなって、このデッドスペースに、シート台の上面に開口する物入れを配置することができる。また、立ち上がり部を後方に傾斜させることで各レゾネータは前上がり状態となるので、各レゾネータに浸入した水がレゾネータから立ち上がり部に排出されやすくなって、レゾネータの容積の変動が防止できる。
【0047】
本発明の請求項2によれば、ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように排気管の一部を立ち上げて、この立ち上がり部に、密閉状のレゾネータをその少なくとも一部がジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置するように接続することにより、ジェット推進機若しくはポンプ室の上方のデッドスペースを合理的に利用して、排気騒音の低減効果が大きい大容量のレゾネータを排気管に取付けることができる。また、上記レゾネータの底部が排気管の立ち上がり部に接続されているからレゾネータに浸入した水が自然にレゾネータから排気管の立ち上がり部に排出されやすくなって、レゾネータの容積の変動が防止できる。
【0048】
上記レゾネータを艇体のほぼ中心線上に配置している構成であれば(請求項3)、艇体に対する左右の重量バランスが良くなる。
【0049】
上記レゾネータは複数個設けられて、各レゾネータは艇体の中心線に対してほぼ左右対称となるように配置されている構成であれば(請求項4)、艇体に対する左右の重量バランスが良くなると共に、各レゾネータの合計容積を大きくできて排気騒音の低減効果が大きくなる。また、各レゾネータの容積をそれぞれ異ならせることにより、周波数領域が違う排気騒音を減衰できるので、排気騒音の低減効果がより大きくなる。
【0050】
上記レゾネータは、前後方向向きの円筒形状であり、このレゾネータの頭部は、偏平状で拡径されている構成であれば(請求項5)、レゾネータが球状の場合と比較して、同じ容積であれば前後方向の外形幅を薄くすることが可能となるので、前後方向の配置スペースが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はジェット推進艇の側面図である。
【図2】 図1の要部平面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 図2の部分の斜視図である。
【図5】 排気サイレンサの正面図である。
【図6】 (a)は図5のA−A線断面図、(b)はB−B線断面図である。
【図7】 図5のC−C線断面図である。
【図8】 排気サイレンサによる排気騒音の実測データのグラフである。
【符号の説明】
1 ジェット推進艇
2 艇体
4 デッキ部材
4b シート台
4e 傾斜後面
5 操舵ハンドル
6 シート
7 エンジン室
8 ポンプ室
9 物入れ
10 エンジン
11 ジェット推進機
19 第1排気管
20 ウォータロック
24 第2排気管
26 排出管
27 空間部
30A〜30C 排気サイレンサ(レゾネータ
30a 底部
30b,30c,30d 頭部

Claims (5)

  1. 艇内の後部にジェット推進機が配置され、このジェット推進機の前方位置にエンジンが配置されて、このエンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室近傍において艇外に開口された小型滑走艇において、
    上記排気管の一部が上記ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように立ち上げられて、この排気管の立上がり部にレゾネータが接続され、このレゾネータの少なくとも一部はジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置させている一方、上記レゾネータは上記排気管の立ち上がり部の前部に接続されて、この立ち上がり部と上記エンジンとの間に位置しているとともに、上記立ち上がり部は後方に傾斜されていることを特徴とする小型滑走艇。
  2. 艇内の後部にジェット推進機が配置され、このジェット推進機の前方位置にエンジンが配置されて、このエンジンの排気管の下流端部がジェット推進機の少なくとも一部を収容するポンプ室近傍において艇外に開口された小型滑走艇において、
    上記排気管の一部が上記ジェット推進機のポンプ室の付近で艇体中心線を横切るように立ち上げられて、この排気管の立上がり部にレゾネータが接続され、このレゾネータの少なくとも一部はジェット推進機若しくはポンプ室の上方に位置させている一方、上記レゾネータの底部が排気管の立ち上がり部に接続されていることを特徴とする小型滑走艇。
  3. 上記レゾネータは艇体のほぼ中心線上に配置されている請求項1または請求項2に記載の小型滑走艇。
  4. 上記レゾネータは複数個設けられて、各レゾネータは艇体の中心線に対してほぼ左右対称となるように配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の小型滑走艇。
  5. 上記レゾネータは、前後方向向きの円筒形状であり、このレゾネータの頭部は、偏平状で拡径されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の小型滑走艇。
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