JP4526250B2 - 流動体塗布具 - Google Patents

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本発明は、流動体塗布具に関し、更に詳しくは、サインペン、ボールペンを含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等などに好適に用いることができる流動体塗布具に関する。
従来より、ペイントマーカー、化粧品、修正ペンなど、下地を隠蔽するために白色顔料等を用いた液体塗布具が知られている。この白色顔料と溶剤は分離しやすいため、この種の液体塗布具には使用に際してボール等を振って塗布液を攪拌し混合均一化する必要がある。また、ペン先の乾燥固化を避けるためにキャップが必須であるため、使用に際して、キャップを着脱する煩わしさがある。
このような液体筆記具の欠点を解決するため、インキに酸化チタン、高分子中空粒子などの白色顔料とゲル化剤を含むことで顔料の沈降を防止した塗布具(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
しかしながら、このようなインキ組成の液体筆記具では、次のような課題がある。すなわち、この液体筆記具では、塗布液収容管を加圧する必要があり、従来からある、加圧ガスを封入する方法では、コスト高となり製造設備も複雑化することとなる。また、常時加圧されているためチップ先端のシール性が悪いと、未筆記時にインキ漏れを起こしやすく、更には、インキの消費に伴って内圧が減少するため、最後までインキを使い切るには初期の内圧を高くする必要があり、よりインキ漏れを誘発しやすいという課題がある。
また、ガスを封入する方法以外にも、筆記時にノック動作で加圧をするものが市販等されているが、使用者が筆記に関係ない場面でノック動作を繰り返すことにより塗布液収容管内が連続加圧されてしまい、インキが噴出してしまう可能性や、筆記時にインキが出過ぎてしまう可能性があり、インキの流出量を使用者がコントロールすることが困難になるという課題がある。
更に、現在知られている流動体塗布具において、速乾性で、かつ構造粘性を付与されたインキを有する塗布具で加圧機構を有したものでは、キャップレスのものはないのが現状である。
特開2000−343875公開公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、顔料の沈降をなくした所定のインキなどの流動体塗布液の使用を可能にするので流動体を攪拌したりキャップを外したりする煩わしさがなく、使用時のみ加圧することで非使用時にインキ等の流動体塗布液の漏れを防止でき、必要なときに加圧するので、ガス充填式の筆記具のようなガスバリア性を持つ高価な材料を使用する必要がなく、流動体塗布液の使用に伴って減少する必要加圧力を特に複雑な機構を用いることなく補うことができ、1回のノック操作で適切な塗布量と安定した塗布液流量を確保できるようにした流動体塗布を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、加圧機構により流動体塗布液がボールペン型ペン先より流出する特定構造の流動体塗布具であって、上記加圧機構により塗布液収容管の内圧が外圧より50〜300mmHg高いとき、ボールペン型ペン先からの流動体塗布液の流出量を特定の範囲とし、かつ、加圧機構を特定構造とすることにより、上記目的の流動体塗布具が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜()に存する。
(1) 軸本体内に装填される、先端に流出制御機構を有するボールペン型ペン先と後方に長さ30〜200mmかつ内径3〜10mmの塗布液収容管とを備えたリフィールとを有し、該リフィールのペン先を該軸本体の後端側に設けたノックのストローク3〜100mmのノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて出没可能とすると共に、該塗布液収容管内には25℃における剪断速度3.83s -1 の時の粘度が1500〜5000mPa・secである流動体塗布液が収容され、該塗布液収容管の後部が開放され、該軸本体には、該塗布液収容管後部とノック機構との間に塗布液収容管内圧力を増加させる加圧機構が設けられ、該加圧機構は、上記ノック機構により加圧、かつ解除され、該加圧機構により塗布液収容管の内圧が外圧より50〜300mmHg高くなった際に、上記ボールペン型ペン先からの流動体塗布液の10秒間の流出量が10〜60mgに設定される流動体塗布具であって、
塗布液収容管の末端部に隙間を介しスライド可能に嵌入され中空の略凸字形に形成され内部に拡径面、拡径面、縮径面、及び最縮径面を連続して備えた回転子と、該回転子の外周面に間隔をおいて突設される複数のカムと、更に該回転子内にスライド可能に嵌入され該塗布液収容管の末端面に対向するゴムホルダと、該ゴムホルダの外周面に嵌合され該塗布液収容管の末端面に接離可能に対向するシールゴムと、該ゴムホルダの外周面に嵌合され該回転子の拡径部に密接可能に対向するOリングと、該軸本体の内周面後部に間隔をおいて突設される複数の条体とから構成され、筒形のノック式回転加圧機構からなり、該塗布液収容管を後部方向に弾圧付勢する復帰スプリングとの作用により、該ノック機構を操作して該塗布液収容管の末端部と、該回転子内の該シールゴムが接触した後、該回転子内の該Oリングが該拡径面と密接し、さらに該回転子が前部方向へスライドして該塗布液収容管内部が加圧されることを特徴とする流動体塗布具。
(2) シールゴムは、ショアA硬度が50〜90であることを特徴とする上記(1)に記載の流動体塗布具。
(3) Oリングは、ショアA硬度が50〜90であることを特徴とする上記(1)に記載の流動体塗布具。
) ボールペン型ペン先に備わるボールを押し棒により圧接し前方に付勢してなることを特徴とする上記(1)に記載の流動体塗布具。
) 塗布液収容管には、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、および、キシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を少なくとも含む流動体塗布液が収容されることを特徴とする上記(1)〜()の何れか一つに記載の流動体塗布具。
) 流動体塗布液には、さらに、微粉末シリカ、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、および、ポリエチレンワックスから選ばれる構造粘性付与剤を少なくとも含む流動体塗布液が収容されることを特徴とする上記()に記載の流動体塗布具。
) 塗布液収容管内の流動体塗布液後方に、接触状態で収容され、該流動体塗布液と相溶性のない難揮発性の液状物からなる末端部可動栓を備えたことを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の流動体塗布具。
) 末端部可動栓に樹脂製のフロートが充填されることを特徴とする上記()に記載の流動体塗布具。
) 塗布液収容管が、光線透過率が80%以上となり、単層または複合層となるナイロン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体からなる上記(1)〜()の何れか一つに記載の流動体塗布具。
本発明によれば、非使用時のインキなどの流動体塗布液の漏れを防止できるばかりでなく、使用時に1回のノック操作で適切な塗布液の量と安定した塗布液流量を確保できる塗布具を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の流動体塗布具は、軸本体内に装填される、先端に流出制御機構を有するボールペン型ペン先と後方に塗布液収容管とを備えたリフィールとを有し、該リフィールのペン先を軸本体の後端側に設けたノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて出没可能とすると共に、前記塗布液収容管の後部が開放され、軸本体には、該塗布液収容管後部とノック機構との間に塗布液収容管内圧力を増加させる加圧機構が設けられ、該加圧機構は、上記ノック機構により加圧、かつ解除される流動体塗布具であって、上記加圧機構により塗布液収容管の内圧が外圧より50〜300mmHg高いとき、上記ボールペン型ペン先からの流動体塗布液の10秒間の流出量が10〜60mgであることを特徴とするものである。
本発明で対象とする流動体塗布具とは、サインペン、ボールペン等を含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等である。かかる流動体塗布具の先端には通常、使用時に流動体塗布液が出過ぎたり、出にくくなるのを防止する流動体塗布液の流出抑制機構が具備される。例えば、流動体塗布液(インキ等)がゲル状である場合には、構造粘性破壊手段を有するボールペン型チップや、弾發体で前方の座部に突出付勢させて先端孔を閉塞保持する弁付き塗布体又はニードルバルブ等の流出抑制機能を具備させたものが好ましい。
本発明の流動体塗布具では、後記するような好ましい流動体塗布液及び可動栓を充填して、加圧機構等による加圧力により塗布するが、その加圧力は内圧として外圧より50〜300mmHg高く設定すること、または、加圧機構を用いて塗布液収容管中の空気を6.5〜40(50/760〜300/760)%圧縮することが必要であり、好ましくは、50/750〜265/760mmHg(6.5〜35%圧縮)とすることが望ましい。
この加圧力が50mmHg未満又は塗布液収容管中の空気が6.5%未満の圧縮の場合では、構造粘性を有する比較的粘度の高い塗布液の流出量を十分に与えず、また、チップ先端の乾燥、固化した流動体塗布液の構造物を破壊して流出させるに十分な力が得られないこととなり、好ましくない。また、300mmHgを越えてより大きく加圧しようとすれば、または、塗布液収容管中の空気が40%を越える圧縮の場合には、加圧機構の設計が難しいという問題点がある。
また、塗布液の流出量は、通常の筆記においては、10秒間で10〜60mgとすることが必要であり、好ましくは、15〜35mgとすることが望ましい。この10秒間の流出量が10mg未満では、描線がカスレたり、修正ペンにおいては隠蔽性が不十分である。また、60mgを超える流出量では、出過ぎにより描線が広がったり、また盛り上がったりして、目的の描線が得られない。また、乾燥性が著しく遅くなるなどの問題点がある。
本発明の流動体塗布具では、好ましくは、流動体塗布液収容管の内径が3〜10mmのものが用いられる。この内径が3mm未満の内径では、前記した粘度範囲の流動体塗布液では流出が困難となるばかりでなく、流動体塗布液の量を実用上十分に収容できない。一方、10mmを超える内径とした場合には、塗布具を横向きまたはチップ先端部を上向きに放置された時に、流動体塗布液が収容管壁面で十分保持されず内部で流動し、流動体塗布液収容管後端の開放部から流出する恐れがある。より好ましい塗布液収容管の内径としては、4〜8mmであり、更に好ましくは5〜7mmであることが望ましい。
塗布液収容管の長さとしては、実用上200mm以下であることが好ましく、これを超える長さでは、塗布具として組み立てた時に使用者が扱い辛くなる。より好ましくは、180mm以下であり、更に好ましくは30〜150mmであることが望ましい。
塗布具として組み立てた時に、流動体塗布液収容管を出没させ、収容管内部を加圧させるためのノック機構において、ノックのストロークは最大で100mm以下が望ましく、これを超えるストロークでは、片手の簡便な操作でのノックが困難である。より好ましくは最大で80mm以下であり、更に好ましくは最大で50mm以下である。逆にノックのストロークは最小で3mmあれば流動体塗布液収容管を出没させ、収容管内部を加圧させることも可能である。
以上の流動体塗布液収容管の条件を勘案し、塗布液収容管中の実用的な空気の圧縮率を求めると6.5〜40%であり、好ましくは、6.5〜35%、更に好ましくは、6.5〜30%であることが望ましい。
かかる塗布具の流動体収容管内に収容される流動体塗布液としては、例えば、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒に、カーボンブラックや二酸化チタン等の顔料、染料等の色材その他を溶解もしくは分散させ、構造粘性付与剤、溶剤に可溶な増粘剤・バインダーとしての樹脂類、界面活性剤、香料その他任意の添加剤を配合したものである。これらの配合量については、例えば、有機溶媒20〜85部、顔料(有機顔料、無機顔料、樹脂顔料)等の色材10〜60部、樹脂類その他が5〜30部程度の配合組成物とすることが望ましい。
本発明では、上記した流動体をそのまま使用してもよいが、好ましくは特にゲル状粘性体として使用することが望ましい。ゲル状粘粘性体とするには、上記した流動体に構造粘性付与剤を配合する。通常、粘性付与剤として多種多様の物質が使用されているが、本発明者らによる検討の結果、上記有機溶剤に対しては、微粉末シリカ、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスから選択された少なくとも一つの使用が有効であった。
かかる構造粘性付与剤を含有させたゲル状粘性流動体の粘度が25℃で剪断速度3.83s-1の時の粘度が1500〜5000mPa・secとなるように配合することが好ましい。これによって流動体塗布液に重たい顔料(酸化チタン等)等の色材を配合しても、これらの沈降を抑制し易く、又、紙等の被塗布体に流動体を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が抑制できる効果がある。低剪断速度領域では見かけ上の粘度が増大し顔料の沈降を抑制し、筆記時には先端のボールの回転によって剪断速度が上がり見かけ上の粘度が減少しスムーズに流動体が流出する。このゲル強度は使用する色材(顔料等)の粒子径、比重により適宜調整される。
これらの塗布液流動体は前記したような塗布具(収容管)に充填し、外圧より50〜300mmHg大きな圧力にて加圧した時、10秒間の流出量は10〜60mgとなる。
また、使用性、好適な塗布量とする点から、後端のノック機構を用いて1回ノックした時のボールペン型ペン先より吐出可能な塗布液量が20〜300mgに設定することが好ましい。
本発明では、塗布具の収容管内に上記の流動体塗布液(特にゲル状粘性流動体)が収容され、かつ、該流動体塗布液と相溶性のない難揮発性の液状物が流動体塗布液の末端部可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気開放させるものである。これによって可動栓は流動体塗布液の消費につれて流動体塗布液に追従して移動し可動栓としての作用をなすことになる。本発明で使用される可動栓を形成する難揮発性の液状物としては、「塗布される流動体と相溶しないこと」と「揮発しにくいこと」の2つの性能が要求される。
かかる2つの性能を満足させる可動栓として好適な難揮発性の液状物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコールアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる少なくとも一種以上の高極性且つ難揮発性の液状物が最も好ましい。
本発明では、パイプ状容器内に上記した難揮発性の液状物を流動体塗布液の末端部にそのまま液層として接触した状態で収容して可動栓としてもよい。この時の液層の高さは20〜30mm程度となるようにすることが望ましい。この場合、パイプ状容器の内径が小さい場合(筆記具、修正液容器用途として通常2mm以下)であれば、流動体塗布液及び可動栓とも特に構造粘性を与えずとも、流動体塗布液及び可動栓が有する表面張力によりパイプ状容器内において各々安定して収容される。但し、多量の流動体塗布液を収容すべくパイプ状収容器の径を大きくした場合(筆記具、修正液容器用途として通常3mm以上)に、パイプ状容器を横向き又は逆さにしたときに可動栓の液面が切れる問題があったり、可動栓の液が流動体塗布液へ移行する可能性がある。
上記した問題を解決するために、難揮発性の液状物に前記した構造粘性付与剤を添加してゲル状構造粘性体として流動体と不液の末端部に接触した状態で収容する場合がある。この場合の液層の高さは10〜15mm程度でよく、ゲル状構造粘性体の可動栓が流動体塗布液への移行が起こりにくくなり、逆流防止体としての品質を維持でき、流動体塗布液の品質劣化を長期間に亘って防止する効果がある。更に、可動栓をスポンジ状連続多孔体に難揮発性液状物を含浸させたものとすることにより、流動体塗布液及び可動栓共々パイプ状容器内において安定して収容することを可能とし、本発明の逆流防止機構としての品質を維持し、流動体塗布液の品質劣化を長期間に亘り防止する効果がある。
本発明の流動体塗布具としては、上記したような機構及び流動体塗布液を用いるものであれば、特に限定されず、例えば、本願出願人による特開平2000−335173号記載の加圧ポンピング機構を備えたノック式のボールペン型流動体塗布具、更に、図1〜図6に示すようなキャップレスとなる加圧機構を有する本体部に着脱着自在とした加圧型のノック式流動体塗布具(修正ペン)などが挙げられる。
この図1〜図6に示す、加圧型のキャップレスノック式流動体塗布具は、図1〜図6に示すように、二分割可能な細長い軸本体1と、この軸本体1内に交換可能に収容されてその軸方向に進退動可能なリフィールユニット10と、軸本体1に設けられるカーン式のノック機構20と、リフィールユニット10とノック機構20の回転子22との間に介在する加圧機構40とを備え、この加圧機構による加圧力は内圧として外圧より50〜300mmHg(本実施形態では、150〜170mmHg)に高く設定されており、この流動体塗布液の流出量は、通常の筆記においては、10秒間で10〜60mg(本実施形態で15〜35mg)に設定されており、この流出量の流動体塗布液11により塗布されて使用に供される。また、後端のノック機構を用いて1回ノックした時のボールペン型ペン先より吐出可能な塗布液量は20〜300mg(本実施形態では、150〜180mg)に設定されている。
軸本体1は、図1や図2に示すように、相互に螺嵌する先軸2と後軸4とを備え、ポリカーボネート等からなる所定の合成樹脂を使用して中空の透明に成形され、ASTM D792による光線透過率が30%〜100%、好ましくは50%〜100%、より好ましくは80%〜100%に設定されており、気体である外気の流入を許容するよう機能する。先軸2は、その開口した前部が先細りの円筒形に成形され、開口した後部が薄肉に形成されてその外周面には締結用の螺子溝3が周方向に螺刻される。
後軸4は、円筒形に成形され、前部内周面には、先軸2の螺子溝3と着脱自在に螺合する螺子溝3Aが周方向に螺刻されており、後部外周面には、クリップ5が軸方向に向けて一体成形される。この後軸4の内周面には、螺子溝3Aの後方に位置する略楕円形の脱落防止リブが半径内方向に向けて突設され、この脱落防止リブが所定の間隔で周方向に複数並設される。
リフィールユニット10は、図3に示すように、流動体塗布液11が充填される透明の塗布液収容管12と、この塗布液収容管12の先端部に連通して装着され、筆記時に軸本体1の開口した前部から突出する筆記部14とから構成される。
流動体塗布液11は、少なくとも酸化チタン、高分子中空微粒子、白色顔料、及びゲル化剤を含有し、粘度が高く、初筆性が悪いので加圧を要するという特徴を有している。この流動体塗布液11の粘度は、25℃で剪断速度3.83s-1の時の粘度が1500〜5000mPa・secとなるように配合することが好ましい。
塗布液収容管12は、合成樹脂等の所定の材料を使用して細長い中空の断面略凸字形に成形され、その内径が3〜10mmのものが用いられ、また、光線透過率が30%〜100%、好ましくは50%〜100%、より好ましくは80%〜100%に設定されている。この先細りの塗布液収容管12は、材質、構造(単層又は多層)等が特に限定されるものではないが、流動体塗布液11の残量確認等に優れる観点から、光透過率50%以上、具体的には、ASTM D792による光線透過率50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上が良い。
上記塗布液収容管(リフィール)12の材質としては、例えば、ASTM D792による光線透過率50%以上、更に好ましくは80%以上となるポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ナイロン樹脂(ポリアミド)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSU)、脂肪族ポリケトン、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、シリコーンエラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。流動体塗布液が修正液の場合は、耐溶剤性、視認性、経済性の観点から、単層又は複合層となるナイロン樹脂(ポリアミド)、EVOH等が望ましい。また、軸本体1もASTM D792による光線透過率50%以上、好ましくは80%以上となる視認性に有する樹脂、例えば、光線透過率80%以上となる、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)などを使用すれば、視認性に有する塗布液収容管14に充填される流動体塗布液11の残量が更に簡単に視認することができる。
塗布液収容管12は、その後部に上述の構成となる可動栓13が充填され、末端部が開口して開放される。可動栓13は、流動体塗布液11の後方に位置して追従し、流動体塗布液11の溶剤揮発を抑制防止するよう機能する。この可動栓13は、塗布液収容管12の内径が大きい場合には、ポリプロピレン等からなる樹脂製のフロートが適宜充填される。
塗布部(筆記部)14は、塗布液収容管12の細長い先端部に嵌着される先細りの先端カバー15を備え、この先端カバー15には、回転可能なボール16を出没可能に嵌合支持するチップ17が内蔵される。この塗布液収容管12に連通したチップ17のボール16には、SUS製の押し棒16aが付勢スプリング16bにより後方から圧接され、この押し棒16aの圧接作用により、ボール16がチップ17の開口した先端部を未筆記時に閉塞するよう機能する。
ノック機構20は、図1、図2、図4、図5に示すように、軸本体1と塗布液収容管12との間に介在される復帰スプリング21と、塗布液収容管12の末端部に隙間を介しスライド可能に嵌入される回転子22と、この回転子22の外周面に間隔をおいて突設される複数のカム34と、軸本体1の内周面後部に間隔をおいて突設される複数の条体36とから構成される。また、本実施形態では、ノックのストロークは15mmに設定されている。
復帰スプリング21は、コイルバネからなり、塗布液収容管12の先端部に嵌入されて軸本体1の開口した前部周縁に接触し、塗布液収容管12を軸本体1の後部方向に弾圧付勢する。
回転子22は、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリホルムアルデヒド等からなる合成樹脂を使用して略有底円筒形に成形され、閉じた底部には、軸本体1の開口した後部から露出するノック棒23が着脱自在・相対回転可能に嵌合されており、このノック棒23には、ノック操作用の天冠24が嵌着される。
この回転子22は、拡径部25と縮径部26とを連続して備えた中空の略凸字形に形成され、内部が外気(空気)用の加圧室(体積減少空間)22aに形成されるとともに、内周面が開口方向から閉じた底部方向にかけて最拡径面27、拡径面28、縮径面29、及び最縮径面30に形成されており、軸本体1からの脱落が後軸4の脱落防止リブにより有効に規制される。回転子22の拡径部25と縮径部26との段差面には、連続した複数の鋸歯31が周方向に周設される。
ノック棒23は、ABS樹脂等を用いて円筒形に形成され、回転子22の段差面に接触する対向接触面に、鋸歯31と完全又は不完全に噛合する複数の駆動歯32が周方向に連続して周設される。このノック棒23の外周面には、複数のガイドリブ33が所定の間隔をおいて突設され、各ガイドリブ33が複数の条体36間にスライド可能に挿入されるとともに、軸本体1後部の内周縁に係合してノック棒23の軸本体1後部からの脱落を有効に規制する。
各カム34は、回転子22の軸方向に略線条に形成され、末端面が周方向に直線的に切り欠かれて係合爪35に傾斜形成される。また、各条体36は、軸本体1の軸方向に向けてガイド機能を果たすよう略線条に形成され、先端面が周方向に切り欠かれて係合歯37を形成しており、この係合歯37がカム34の係合爪35と噛合する。
このようなノック機構20は、図1や図2に示すように、筆記時には、ノック棒23の駆動歯32が回転子22の鋸歯31に圧接して駆動力を付与することにより、回転子22が複数の条体36に案内されつつ塗布液収容管12方向にスライドして所定の角度(例えば、30°以下)で回転し、カム34の係合爪35と条体36の係合歯37とが噛合し、軸本体1の前部から突出したリフィールユニット10の筆記部14を後退不能とするとともに、回転子22の加圧室22aから塗布液収容管12に外気を導くよう機能する。
これに対し、未筆記時には、回転した回転子22が所定の角度(例えば、30°以下)でさらに回転し、カム34が条体36の係合歯37を乗り越えて噛合を解除し、回転子22が反塗布液収容管12方向にスライドして各カム34を複数の条体36間に位置させ、軸本体1の前部から突出した筆記部14を後退可能とする。
加圧機構40は、図1、図2、図6に示すように、ノック機構20の回転子22内にスライド可能に嵌入されて塗布液収容管12の末端面に対向するゴムホルダ41と、このゴムホルダ41と回転子22との間に介在する加圧スプリング42と、ゴムホルダ41の外周面に嵌合され、塗布液収容管12の末端面に接離可能に対向接触する気密確保用のシールゴム43と、ゴムホルダ41の外周面に嵌合され、筆記時には回転子22の内周面に密接して外気を回転子22内に流入不能とし、未筆記時には回転子22の内周面から離れて外気を回転子22内に流入可能とする気密確保用のOリング44とから構成され、その加圧力は内圧として外圧より50〜300mmHg高く設定できるようになっている。
ゴムホルダ41は、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリホルムアルデヒド等からなる合成樹脂を使用して略円筒形に成形され、外周面には、複数の嵌合溝が周方向に切り欠かれる。
加圧スプリング42は、弾発力が復帰スプリング21よりも大きいコイルバネからなり、ゴムホルダ41内と回転子22の縮径部26内とに取付リブを介し密嵌状態で接続されており、ゴムホルダ41を塗布液収容管12の末端部方向に弾圧付勢するよう機能する。
加圧スプリング42と復帰スプリング21とは、ノック機構20のノック操作終了後に軸本体1から突出した筆記部14のボール16を押圧してリフィールユニット10を後退させる場合における反発力が3〜15N、好ましくは5Nに設定される。これは、加圧スプリング42と復帰スプリング21の反発力が3〜15Nの範囲内ならば、筆記時に筆記部14が筆圧でフワフワすることがなく、しっかりとした筆記感を使用者に与えることができるからである。
シールゴム43は、弾性のシリコーンゴムやNBR等を使用してエンドレスのリングに成形され、ゴムホルダ41のリフィールユニット10側の嵌合溝に嵌合される。このシールゴム43は、塗布液収容管12やゴムホルダ41に対する密着性、摺動性、耐磨耗性、耐ヨジレ性、耐クリープ性、耐亀裂性の観点から、ショアA硬度が50〜90、好ましくは50〜80に設定される。
さらに、Oリング44は、弾性のシリコーンゴムやNBR等を使用してエンドレスのリングに成形され、ゴムホルダ41の回転子22側の嵌合溝に嵌合される。このOリング44は、回転子22やゴムホルダ41に対する密着性、摺動性、耐磨耗性、耐ヨジレ性、耐クリープ性、耐亀裂性の観点から、ショアA硬度が50〜90、好ましくは50〜80に設定される。
このようなOリング44は、筆記時には、回転子22の拡径面28に変形密接して軸本体1内の外気を回転子22内に流入不能とし、この回転子22の加圧室22aから塗布液収容管12の末端部に対して圧縮された外気を流入させる。そして、未筆記時には、回転子22の拡径面28に隙間を介して対向し、外気を回転子22内に流入可能とする。
上記構成において、流動体塗布具により筆記しない場合には、回転子22の拡径面28とゴムホルダ41のOリング44とが相互に離隔して外気の流通路を区画形成するので、軸本体1の内部と回転子22の加圧室22aとが相互に連通する。この連通作用により、回転子22の加圧室22aや塗布液収容管12は加圧されることがない(図1参照)。
次に、流動体塗布具を使用して筆記する場合には、ノック機構20の天冠24をノック操作してノック棒23をスライドさせれば良い。すると、ノック棒23、加圧機構40を内蔵した回転子22、及びリフィールユニット10が軸本体1の前部方向にそれぞれスライドする。このスライドの際、塗布液収容管12の末端部にゴムホルダ41がシールゴム43を介して密接しているが、回転子22の拡径面28とゴムホルダ41のOリング44とが未だ離隔して外気を流通させるので、軸本体1の内部と回転子22の加圧室22aとが相互に連通する。
次いで、塗布液収容管12が復帰スプリング21を圧縮しながら徐々に進出し、軸本体1の前部から筆記部14が突出し、白色顔料インキ11による筆記が可能な状態となる。この際、軸本体1の前部に塗布液収容管12の先端部が接触して停止すると、ノック棒23、加圧機構40を内蔵した回転子22のみが軸本体1の前部方向にそれぞれスライドし、回転子22の拡径面28とゴムホルダ41のOリング44とが密接して外気の流通を遮断し、軸本体1と回転子22の連通が規制されて回転子22の加圧室22aが加圧可能な密閉状態となる。
こうして軸本体1と回転子22の連通が規制された後、ノック棒23、加圧機構40を内蔵した回転子22のみが軸本体1の前部方向にさらにスライドすると、加圧室22aの外気が徐々に加圧され、圧縮された加圧室22aの外気が塗布液収容管12の末端部にゴムホルダ41内を経由して流入し、塗布液収容管12の内圧が増加する(図2参照)。
この際、回転子22が複数の条体36よりも前方に位置して所定の角度で回転し、カム34の係合爪35と条体36の係合歯37とが噛合し、軸本体1の前部から突出した筆記部14が後退不能となる。
次いで、流動体塗布液11の消費に伴い、十分な量の流動体塗布液11を得られなくなった場合には、筆記面に筆記部14を圧接して塗布液収容管12と回転子22をさらに接近させれば良い。
すると、塗布液収容管12が後退して嵌合した回転子22の加圧室22aにおける外気を加圧し、圧縮された加圧室22aの外気が塗布液収容管12の末端部にゴムホルダ41内を経由して流入し、塗布液収容管12の内圧が増加することとなる。
次に、流動体塗布具の使用を終了する場合には、ノック機構20の天冠24を再度ノック操作してノック棒23をスライドさせれば良い。こうすれば、流動体塗布具は、圧縮された復帰スプリング21の復帰作用、及びカム34の係合爪35と条体36の係合歯37との噛合解除により、図2の筆記状態から図1の未筆記状態に復帰し、塗布液収容管12の加圧が解除される。
流動体塗布具のリフィールユニット10を交換したい場合には、後軸4を回して先軸2と後軸4とを分離し、先軸2の中から使用済みのリフィールユニット10を復帰スプリング21と共に取り出せば、リフィールユニット10を簡単に交換することができる。
また、塗布液収容管12の加圧に際し、加圧ガスを封入する必要が全くないので、製造設備を簡素化し、コスト低減を図ることができる。
また、塗布液収容管12を常時加圧する必要がないので、例え筆記部14のシール性に問題のある場合でも、未筆記時のインキ漏れを招くおそれが実に少ない。また、流動体塗布液11を消費し、最後まで流動体塗布液11を有効に使用したい場合には、筆記面に筆記部14を圧接して塗布液収容管12と回転子22を接近させれば、加圧室22aの外気を加圧することができる。これにより、加圧を十分に高めることができ、流動体塗布液の漏れを招くおそれを有効に排除することが可能になる。
また、使用者が遊び等で筆記に関係なくノック操作を繰り返す場合、ノック操作の度に塗布液収容管12が加圧されたり、加圧が解除されるので、塗布液収容管12が連続的に加圧されることがない。したがって、流動体塗布液11が噴き出したり、流動体塗布液11が必要以上に供給等され、流動体塗布液11の流量調整が困難になるという問題をきわめて有効に解消することが可能になる。
さらに、ノック機構20の回転子22に加圧機構40が支持され、リフィールユニット10の末端部に加圧機構40、嵌着部材、又は被覆部材等が何ら一体的に設けられることがないので、リフィールユニット10が著しく安価となり、しかも、リフィールユニット10の交換の容易化が大いに期待できる。
このように構成される本発明の流動体塗布具では、上記したような加圧機構及び流動体塗布液を用いて流動体塗布具を構成した場合、上記加圧機構により塗布液収容管の内圧が外圧より50〜300mmHg高いとき、上記ボールペン型ペン先からの流動体塗布液の10秒間の流出量が10〜60mgであるので、顔料の沈降をなくした所定のインキなどの流動体塗布液の使用を可能にし、流動体塗布液を攪拌したりキャップを外したりする煩わしさがなく、使用時のみ加圧することで非使用時にインキ等の流動体塗布液の漏れを防止でき、必要なときに加圧するので、ガス充填式の筆記具のようなガスバリア性を持つ高価な材料を使用する必要がなく、流動体塗布液の使用に伴って減少する必要加圧力を特に複雑な機構を用いることなく補うことができ、また、1回のノックで流出が可能な流動体塗布液の量は20〜300mgであり、これらの流出可能量の範囲内であれば、塗布を完了させるために十分な塗布液量を確保する目的で頻繁にノックを行わなければならない煩わしさもなく、流出のし過ぎによる塗布量過多および塗布部の乾燥性も防止できるものとなる。
次に、試験例となる実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、下記実施例等に限定されるものではない。
(試験例)
先端に流出抑制機構として直径1mmのボールペン型チップを具備し、内部に内径6mm、外径8mm、長さ80mmのナイロン12からなるパイプ状の塗布液収容管を具備した塗布具の該収容管に、下記の配合組成物を混合分散させたゲル状の流動体Aを約1.5g注入した。
流動体A
・メチルシクロヘキサン(A群) 40部
・アクリル樹脂 10部
・二酸化チタン 50部
・ゲル化剤 適宜
ゲル化剤を適宜配合して、種々の粘度の流動体塗布液(インキ)を調製した。
更に、収容管の流動体Aの末端部にグリセリンからなる液体可動栓を0.4g接触状態で収容したものをリフィールとした。
これを加圧機構(各加圧力)を有する図7に示すような、本体軸に組み込み筆記した時の各加圧力、粘度の流動体塗布液(インキ)におけるペン先からの流出量(mg)、隠ぺい力、レベリング性を下記評価方法により評価した。
また、加圧機構における圧力は、コンプレッサーによる空気を圧力制御装置によりコントロールして模擬テスト(図7参照)とした。
これらの結果を下記表1、図1及び表2に示す。
なお、下記表1及び図1に各加圧力(30〜400mmHg)、ずり速度3.83s-1の時の流動体塗布液の各粘度(1500〜5000mPa・sec)となる流動体塗布液(インキ)におけるペン先からの流出量(mg)を示す。また、下記表2は、30〜400mmHgの各加圧力とずり速度3.83s-1における各粘度の流動体塗布液(インキ)におけるペン先からの流出量(mg)、隠ぺい力、レベリング性を示す。
(ずり速度3.83s-1における各粘度の測定方法)
トキメック株式会社製 VISCOMETER TV−20の1°34´R24ローターを用いて25℃で測定した。
(ペン先からの流出量の測定方法)
フォントサイズ11ポイントの文字を印字したものをPPC用紙にコピーし、そのコピーされた文字を隠ぺい(修正)するように塗布し、ボールペン型ペン先よりの流動体塗布液の10秒間の流出量を測定した。
(隠ぺい力の評価方法)
上記流出量測定によって塗布された状態を目視により、下記評価基準で、隠ぺい力を評価した。
評価基準:
○:塗布した箇所の元の文字が全く見えない。
△:塗布した箇所の元の文字がうっすらと見える。
×:塗布した箇所の元の文字が見える。
(レベリング性の評価方法)
上記と同様に塗布された状態を目視により、下記評価基準で、レベリング性を評価した。
評価基準:
○:塗布された面が平滑である。
△:塗布された面がやや平滑である。
×:塗布された面が平滑でない。
Figure 0004526250
Figure 0004526250
上記表1及び図8の結果から明らかなように、ずり速度3.83s-1の時の流動体塗布液の各粘度が1000〜7000mPa・secで、各加圧力が外圧より30〜400mmHg)の場合に、ペン先からの各流出量が3〜100mgであり、流動体塗布液の各粘度が1500〜5000mPa・secで、各加圧力が外圧より50〜300mmHgの場合に、ペン先からの各流出量が15〜58mgとなることが判明した。
また、上記表2の結果から明らかなように、本発明の範囲となる試験2〜5、8〜11は、本発明の範囲外となる試験1、6、7、12に較べ、隠ぺい力、レベリング性に優れていることが判明した。
本発明に係る流動体塗布具の実施形態における未筆記時の状態を示す部分断面説明図である。 本発明に係る流動体塗布具の実施形態における筆記時の状態を示す部分断面説明図である。 (a)は本発明に係る流動体塗布具の実施形態におけるリフィールユニットを示す部分断面説明図であり、(b)はペン先の部分拡大断面図である。 本発明に係る流動体塗布具の実施形態におけるノック機構のカムを示す展開説明図である。 本発明に係る流動体塗布具の実施形態におけるノック機構の条体を示す説明図である。 本発明に係る流動体塗布具の実施形態における加圧機構を示す断面説明図である。 試験例(実施例及び比較例、模擬テスト)に用いた流動体塗布具の説明図である。 各加圧力(30〜400mmHg)−ずり速度3.83s-1の時の流動体塗布液の各粘度(1500〜5000mPa・sec)−ペン先からの各出量(mg)を示す図表である。
符号の説明
1 軸本体
10 リフィールユニット
11 流動体塗布液
12 塗布液収容管
13 可動栓
14 筆記部(塗布部)
17 チップ
20 ノック機構
21 復帰スプリング
22 回転子(ノック機構の一部)
22a 加圧室
34 カム
35 係合爪
36 条体
37 係合歯
40 加圧機構
41 ゴムホルダ(ホルダ)
43 シールゴム
44 Oリング(密封体)

Claims (9)

  1. 軸本体内に装填される、先端に流出制御機構を有するボールペン型ペン先と後方に長さ30〜200mmかつ内径3〜10mmの塗布液収容管とを備えたリフィールとを有し、該リフィールのペン先を該軸本体の後端側に設けたノックのストローク3〜100mmのノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて出没可能とすると共に、該塗布液収容管内には25℃における剪断速度3.83s -1 の時の粘度が1500〜5000mPa・secである流動体塗布液が収容され、該塗布液収容管の後部が開放され、該軸本体には、該塗布液収容管後部とノック機構との間に塗布液収容管内圧力を増加させる加圧機構が設けられ、該加圧機構は、上記ノック機構により加圧、かつ解除され、該加圧機構により塗布液収容管の内圧が外圧より50〜300mmHg高くなった際に、上記ボールペン型ペン先からの流動体塗布液の10秒間の流出量が10〜60mgに設定される流動体塗布具であって、
    塗布液収容管の末端部に隙間を介しスライド可能に嵌入され中空の略凸字形に形成され内部に拡径面、拡径面、縮径面、及び最縮径面を連続して備えた回転子と、該回転子の外周面に間隔をおいて突設される複数のカムと、更に該回転子内にスライド可能に嵌入され該塗布液収容管の末端面に対向するゴムホルダと、該ゴムホルダの外周面に嵌合され該塗布液収容管の末端面に接離可能に対向するシールゴムと、該ゴムホルダの外周面に嵌合され該回転子の拡径部に密接可能に対向するOリングと、該軸本体の内周面後部に間隔をおいて突設される複数の条体とから構成され、筒形のノック式回転加圧機構からなり、該塗布液収容管を後部方向に弾圧付勢する復帰スプリングとの作用により、該ノック機構を操作して該塗布液収容管の末端部と、該回転子内の該シールゴムが接触した後、該回転子内の該Oリングが該拡径面と密接し、さらに該回転子が前部方向へスライドして該塗布液収容管内部が加圧されることを特徴とする流動体塗布具。
  2. シールゴムは、ショアA硬度が50〜90であることを特徴とする請求項1に記載の流動体塗布具。
  3. Oリングは、ショアA硬度が50〜90であることを特徴とする請求項1に記載の流動体塗布具。
  4. ボールペン型ペン先に備わるボールを押し棒により圧接し前方に付勢してなることを特徴とする請求項1に記載の流動体塗布具。
  5. 塗布液収容管には、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、および、キシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を少なくとも含む流動体塗布液が収容されることを特徴とする請求項1〜に記載の流動体塗布具。
  6. 流動体塗布液には、さらに、微粉末シリカ、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、および、ポリエチレンワックスから選ばれる構造粘性付与剤を少なくとも含む流動体塗布液が収容されることを特徴とする請求項に記載の流動体塗布具。
  7. 塗布液収容管内の流動体塗布液後方に、接触状態で収容され、該流動体塗布液と相溶性のない難揮発性の液状物からなる末端部可動栓を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の流動体塗布具。
  8. 末端部可動栓に樹脂製のフロートが充填されることを特徴とする請求項に記載の流動体塗布具。
  9. 塗布液収容管が、光線透過率が80%以上となり、単層または複合層となるナイロン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体からなる請求項1〜8の何れか一つに記載の流動体塗布具。
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