JP6608607B2 - 化粧料塗布具 - Google Patents
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Description
(1) 筒状の充填室と、該筒状の充填室の先端に装着される塗布部と、該筒状の充填室へ外気を導入する通気孔と、該塗布部に上記充填室への流動を防止する弁体を含む介在部材を介して連通する該筒状の充填室に直接充填される測定温度25℃、コーンプレートタイプ粘度計による測定で500〜3000(mPa・s)である液体化粧料と、該液体化粧料に接し、該液体化粧料の消費による減少に追従して移動し、該液体化粧料の色相とは異なる、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤からなり、該液体化粧料に対して不溶性若しくは難溶性の液体、及び、該不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と増粘剤とを含有するものからなる液体のゲル状物から選ばれる少なくとも1種からなる液体のフォロワーとを設けてなり、該液体化粧料の体積1に対して該フォロワーの体積が0.5以上であることを特徴とする化粧料塗布具。
(2) 前記液体のフォロワーは、前記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤を70〜99.8質量%、前記増粘剤を、0.2〜30質量%からなることを特徴とする上記(1)に記載の化粧料塗布具。
(3) 前記液体化粧料が水を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化粧料塗布具。
(4) 前記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤がポリブテン、鉱油、シリコーンオイル、流動パラフィン、ポリ−α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化粧料塗布具。
(5) 前記増粘剤がスチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、リン酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、アセトアルコキシアルミニウムジアルキレートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化粧料塗布具。
(6) 前記フォロワーは、前記液体化粧料の比重に対して、その比重が100%未満であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の化粧料塗布具。
(7) 前記筒状の充填室は、光線透過率が50%以上である材質で形成されていることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の化粧料塗布具。
(8) 前記塗布部は、ボールを保持するボールホルダーであることを特徴とする上記(1)に記載の化粧料塗布具。
(9) 前記ボールホルダーは、金属で構成されることを特徴とする上記(8)に記載の化粧料塗布具。
(10) 前記塗布部は繊維束芯であることを特徴とする上記(1)に記載の化粧料塗布具。
(11) 前記塗布部は焼結芯であることを特徴とする上記(1)に記載の化粧料塗布具。
図1及び図2は、本発明の化粧料塗布具の実施形態の一例を示す図面である。
本実施形態の化粧料塗布具Aは、図1及び図2に示すように、後述する液体化粧料20が直接充填されるリフィール型の筒状の充填室10を備え、該筒状の充填室10の先端には塗布ボールを保持するボールホルダーから構成される塗布部30が装着されている。
より好ましくは、前記筒状の充填室10、並びに、前軸15と有底筒状の後軸16とから構成される軸筒17は、光線透過率が50%以上である材質で形成されていることが望ましく、特に好ましくは、液体化粧料の使い終わりを更に判りやすく(視認しやすく)するため光線透過率が80%以上のものが望ましい。なお、本発明において、「光線透過率」とは、可視光透過率を意味する。
本実施形態では、液体化粧料20として美爪料組成物(ネイル液、白色)が充填室10内に収容されている。
この液体のフォロワー25は、液体化粧料20としての機能を損なわず高度にその品質を維持する点から、前記液体化粧料20に対して不溶性若しくは難溶性の液体、及びその液体のゲル状物から選ばれる少なくとも1種から構成されることが好ましくい。
前記不溶性若しくは難溶性の液体としては、例えば、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤からなり、前記不溶性若しくは難溶性の液体のゲル状物は不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と増粘剤とを含有するから構成されるものが望ましい。
用いる増粘剤は、上記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤に可溶若しくは膨潤するものであり、不溶性若しくは難溶性の液体をゲル状物にできるものであれば良く、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、リン酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、アセトアルコキシアルミニウムジアルキレートから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と増粘剤とを含有するゲル状物からなる液体のフォロワー22は、液体のフォロワー全量に対して、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤を70〜99.8質量%、好ましくは、85〜99.5質量%、更に好ましくは、87〜99.5質量%とし、増粘剤を、0.2〜30質量%、好ましくは、0.5〜15質量%、更に好ましくは、0.5〜10質量%とすることが望ましい。
本発明では、用いる液体化粧料の種類及びその濃度により、液体のフォロワー22の比重が変動するものとなる。例えば、液体化粧料20として美爪料組成物(ネイル液)の比重が1.2となる場合は、不溶性若しくは難溶性の液体からなる液体のフォロワー25、または、これらの液体のゲル状物からなる液体のフォロワー25の比重は、100%(比重1)未満とすることが好ましく、更に好ましくは、80〜30%(0.8〜0.3)とすることが望ましい。
本発明において、液体化粧料20はその用途、配合種に応じてその比重が変動するため、用いる上記好ましい比重範囲となる液体のフォロワー25を作製するには、上記不溶性若しくは難溶性の液体の種類及びその使用量、並びに、増粘剤及びその使用量、及びその製法等を好適に組み合わせて、調製することができる。
また、上記構成の液体のフォロワー25は、液体化粧料20との識別を明確化する点から、液体化粧料20の色相とは異なる色相となるものであり、例えば、液体化粧料20が有色であれば、液体のフォロワー25は無色、液体化粧料20が無色であれば、液体のフォロワー25は有色となるものが挙げられる。本実施形態では、液体のフォロワー25は、流動パラフィンとオレフィン系熱可塑性エラストマーから構成され(色:無色)、上記液体化粧料の体積1に対して該フォロワーの体積は0.63となっている。
塗布部30は、先端に塗布ボール31を有する金属パイプ型(ニードル型)ボールペンチップ32を備え、先端側が口プラ18、後端側が充填室10内の液体化粧料を塗布部30のボールペンチップ32へ流入せしめる継手部材35内に圧入固定されている。
継手部材35は、内部に弁室36が設けられ、弁室36内にボール弁37が装備され、ボールペンチップ32を下向きにした塗布状態においては、ボール弁37は継手部材35の前側に接し、継手部材35の後端部が隙間となって液体化粧料がボールペンチップ32に流入する。また、ボールペンチップ32を上向きとした状態においては、ボール弁37は継手部材35のボール受座側となる後端側に接して液体化粧料の流路を密閉するため、上向きで塗布されても液体化粧料のリフィール後方側への移動は起こらないため逆流等が防止される構造となっている。また、上記キャップ40には、封止部41が固着され、封止部41の凹部42に塗布ボール31の先端をシールするシール栓体43が設けられている。
本実施形態の化粧料塗布具Bは、図3(a)及び(b)に示すように、使用者が握る軸筒(軸本体)となり、上記実施形態と同様の構成となる液体化粧料20が直接充填される上記実施形態と同様の構成となる筒状の充填室10を備えている。
バルブ機構部60は、前記ガイド部材19を前側内部に嵌着すると共に、ガイド部材19後方に弁棒62とその弁棒62を前方に向けて弾発する弾発部材61とを収容する筒状支持部材63を有し、この筒状支持部材63には、後端部に充填室10内と弁体を連通する連通孔64が形成されている。
弾発部材61は、ステンレス製のコイルスプリングが好適であるが、その他、弁棒62を前方に付勢できるものであれば、板状であったりエラストマーであったり等、形状、材質は問わない。
バルブ機構部60では、ガイド部材19の後端部面と筒状支持部材63の前方小径の縮径段部63aとの間に弁体65の外周部が挟持されていることにより、弁体65はバルブ機構部60内に固定されている。弁体65の中央孔65aには、塗布部50の前部51よりも小径の後部52が挿通している。
詳しくは、筒状支持部材63は後部が概ね壁状に閉鎖した前端部が開放した概略容器形状を呈し、後端部に形成された透孔63bに塗布部50後部の小径部分53が前後動自在に装着されている。筒状支持部材63の側面部に適宜寸法・数の連通孔64が形成されている。
弾発部材61は、弁棒62の大径の前部62a外周面の段部と筒状支持部材63後端の壁状部との間に介装されて弁棒62を周囲に位置して設けられている。
弁体65は、内周端部が塗布部50の外側面に押圧状態で密着し、かつ、塗布部50の移動によって該内周端部が密着状態を維持しつつ変形して、塗布部50外側面と充填室10との外気流通を遮断する構成としている。この可撓性の弁体65が塗布部50の側面に嵌着され、且つ、可撓性の弁体65の後端がコイルスプリングからなる弾発部材61の押圧により弁棒62前端と当接し、外部と充填室10を遮断する構造となっている。
例えば、上記実施形態では、追従体の色は無色としたが、液体化粧料の色相と異なり、かつ、意匠的に許されるのであれば他の色相(黒、赤、青、黄など)としてもよい。
また、該筒状の充填室10の先端に装着される塗布部をボールを保持するボールホルダーや繊維束芯、焼結芯としたが、筆穂型、エラストマー塗布具であってもよい。
実施例1〜2及び比較例1〜2に用いる液体化粧料
下記配合処方で、ホモミキサーあるいはディスパーで混合分散して、美爪料組成物(ネイル液、全量100質量%)を調製した。
〔液体化粧料組成、色:白色〕
着色剤:酸化チタン(CR−50、石原産業社製) 55質量%
被膜樹脂、分散剤:アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸エステル共重合体
(AMPHOMER HC水溶液、アクゾノーベル社製) 10質量%
増粘剤:サクシノグリカン(RHEOZAN SH、ソルベイ日華社製) 26質量%
潤滑剤:リン酸エステル(C12〜15)パレス−9リン酸
(フォスファノール RS−710、東邦化学工業社製) 1質量%
濡れ剤:エチルヘキシルグリセリン
(Sensiva SC50JP、Shulke&Mayr社製) 1質量%
消泡剤:シリコーン系消泡剤(KM−72、信越化学工業社製) 1質量%
溶剤:1.3−ブチレングリコール 0.3質量%
防腐剤:エチルパラベン、メチルパラベン(みどり化学社製) 0.4質量%
精製水 5.3質量%
この粘度値は、25℃、コーンプレート型粘度計による測定で500〜3000(mPa・s)であった。
〔液体のフォロワーAの組成、色:無色〕
ポリブテン:30N(日本油脂社製) 95.5質量%
オレフィン系熱可塑性エラストマー:エンゲージ 8842(デュポン・ダウエラストマー社製) 4.5質量%
液体のフォロワーAの比重は、上記液体化粧料の比重に対して、40%程度であった。
〔液体のフォロワーBの組成色:黒色〕
鉱物油:ダイアナプロセスオイルPW−380(出光興産社製) 93.5質量%
オレフィン系熱可塑性エラストマー:ミラストマー803N(三井化学社製)
3.5質量%
油溶性染料:オイルブラック860(オリエント化学工業社製) 3.0質量%
液体のフォロワーBの比重は、上記液体化粧料の比重に対して、40%程度であった。
塗布ボール31:φ1mm
ボールペンチップ32:ステンレス製
充填室10:ポリプロピレン製、内径4mm,外径6mm,長さ96mm,光線透過率80%
軸筒17,前軸15:ポリプロピレン製、光線透過率80%
後軸16:ABS製、光線透過率80%
これらの結果を下記表1に示す。
得られた各化粧料塗布具(n=2本、以下同様)を用いて、専門パネルの両手の各指の爪に塗布し、下記評価基準で爪への塗布性を評価した。
爪への塗布性の評価基準:
◎:1回の塗布で均一に塗布できた
○:3回以内の塗布で均一に塗布できた
△:10回以内の塗布で均一に塗布できた
×:10回塗布しても均一に塗布できなかった
得られた各化粧料塗布具を70cmの高さからプラスチック製の板の上に落下させて、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:異常なし
○:軽微な異常はあるが、使用性に影響ない
△:使用性に影響が出る程度の異常あり
×:使用不可
得られた各化粧料塗布具を上向きと下向きで50℃環境下に放置し、1か月後の状態を、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:変化無し
○:多少外観上の変化はあるが、使用性に影響ない
△:外観上の変化が大きく、使用性に影響がでる
×:使用不可
得られた各化粧料塗布具を上向きと下向きで50℃環境下に放置し、1か月後の状態を、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:1回の塗布で均一に塗布できた
○:3回以内の塗布で均一に塗布できた
△:10回以内の塗布で均一に塗布できた
×:10回塗布しても均一に塗布できなかった
10 充填室
20 液体化粧料
25 液体のフォロワー
30 塗布部
Claims (11)
- 筒状の充填室と、該筒状の充填室の先端に装着される塗布部と、該筒状の充填室へ外気を導入する通気孔と、該塗布部に上記充填室への流動を防止する弁体を含む介在部材を介して連通する該筒状の充填室に直接充填される測定温度25℃、コーンプレートタイプ粘度計による測定で500〜3000(mPa・s)である液体化粧料と、該液体化粧料に接し、該液体化粧料の消費による減少に追従して移動し、該液体化粧料の色相とは異なる、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤からなり、該液体化粧料に対して不溶性若しくは難溶性の液体、及び、該不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と増粘剤とを含有するものからなる液体のゲル状物から選ばれる少なくとも1種からなる液体のフォロワーとを設けてなり、該液体化粧料の体積1に対して該フォロワーの体積が0.5以上であることを特徴とする化粧料塗布具。
- 前記液体のフォロワーは、前記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤を70〜99.8質量%、前記増粘剤を、0.2〜30質量%からなることを特徴とする請求項1に記載の化粧料塗布具。
- 前記液体化粧料が水を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料塗布具。
- 前記不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤がポリブテン、鉱油、シリコーンオイル、流動パラフィン、ポリ−α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料塗布具。
- 前記増粘剤がスチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、リン酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、アセトアルコキシアルミニウムジアルキレートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料塗布具。
- 前記フォロワーは、前記液体化粧料の比重に対して、その比重が100%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料塗布具。
- 前記筒状の充填室は、光線透過率が50%以上である材質で形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の化粧料塗布具。
- 前記塗布部は、ボールを保持するボールホルダーであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料塗布具。
- 前記ボールホルダーは、金属で構成されることを特徴とする請求項8に記載の化粧料塗布具。
- 前記塗布部は繊維束芯であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料塗布具。
- 前記塗布部は焼結芯であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料塗布具。
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