JP2012017437A - 水性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】経時的に色材の沈降や凝集が生じにくく、描線上で充分な発色性を呈し、筆記感に優れた水性ボールペンを提供する。
【解決手段】着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
インク組成物中の前記着色微粒子の被内包物質がシリカを主成分とするガラスであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
インク組成物中の前記着色微粒子の被内包物質がシリカを主成分とするガラスであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性ボールペンに関し、更に詳しくは、発色性、筆記感(書き味)、経時安定性に優れた水性ボールペンに関する。
従来より、水性ボールペン用インクに用いる色材としては、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、金属酸化物を溶媒中に分散させたものや、染料を色材として使用している。
これらの色材を含有するインク組成物を搭載した水性ボールペンは、描線の発色性が充分でなかった。その理由としては、1)色材の濃度を高めにくいこと(濃度を高めると幾分発色性は向上するが、インク収容管内で色材の凝集などが生じやすく、経時安定性低下などの弊害が生じる。)、2)色材が紙の繊維中に浸透してしまい、紙繊維が露出しやすいこと(紙の上に充分に色材が載られていないこと)、3)色材の屈折率が高いため、光の散乱や反射がおきやすく、描線にテカリが生じること、などが挙げられる。
これらの色材を含有するインク組成物を搭載した水性ボールペンは、描線の発色性が充分でなかった。その理由としては、1)色材の濃度を高めにくいこと(濃度を高めると幾分発色性は向上するが、インク収容管内で色材の凝集などが生じやすく、経時安定性低下などの弊害が生じる。)、2)色材が紙の繊維中に浸透してしまい、紙繊維が露出しやすいこと(紙の上に充分に色材が載られていないこと)、3)色材の屈折率が高いため、光の散乱や反射がおきやすく、描線にテカリが生じること、などが挙げられる。
そこで、上記描線の発色性を向上させたものとして、例えば、ガラス粉に着色処理を施して有色彩化した10μm〜100μmの平均粒径を有する顔料、具体的には、表面に顔料や金属などを薄膜コーティングして着色したフレーク状ガラス粉末顔料、水、及び粘度調整剤を含有する水性ボールペン用インク組成物が知られている(例えば、本願出願人よる特許文献1参照)。
しかしながら、この水性ボールペンに用いるガラス粉末顔料は、虹彩色調の色々なメタリック色を発色させた描線を得ることを目的とするものであり、メタリックの発色を出すために、色材の表面は、平面であることが必要で、その形状はフレーク状ガラスであることが望まれており、また、十分な光沢性を出すために、この色材の粒径は10μm〜100μmに整えることが必要で、更に、ガラス粉の「表面」に着色処理を施している点も特徴を有するものであるため、顔料の凝集や経時的な沈降がややあり、混色した際に分離等の不具合が若干あるなどの課題があった。
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、経時的な色材の沈降や凝集が生じにくく、描線上で充分な発色性を呈し、筆記感に優れた水性ボールペンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、着色微粒子として特定構造物性を有するガラス粒子を含有するインク組成物を搭載することにより、上記目的の水性ボールペンが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(9)に存する。
(1) 着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
(2) インク組成物中の前記着色微粒子の被内包物質がシリカを主成分とするガラスであることを特徴とする上記(1)記載の水性ボールペン。
(3) インク組成物中に粘度調整剤を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の水性ボールペン。
(4) インク組成物中の前記着色微粒子の含有量が2〜40質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(5) インク組成物中の前記着色微粒子が平均粒子径0.1〜20μm、真球度0.1〜20μmの粒状であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(6) インク組成物の剪断速度38.3s-1における25℃の粘度値が1200mPa・s以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(7) ボールペンチップを直接又は中継部材を介して挿着したインク収容管内に充填されたインク組成物後端面にインク追従体を配設してなることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(8) インク追従体の剪断速度1.0s-1における25℃の粘度値が15000mPa・s以上、剪断速度100s-1における25℃の粘度値が3000mPa・s以上であることを特徴とする上記(7)に記載の水性ボールペン。
(9) インク追従体の温度25℃、角周波数0.1〜630rad/secの全周波数領域におけるtanδの値が、0.1〜4.5であることを特徴とする上記(7)又は(8)記載の水性ボールペン。
(1) 着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
(2) インク組成物中の前記着色微粒子の被内包物質がシリカを主成分とするガラスであることを特徴とする上記(1)記載の水性ボールペン。
(3) インク組成物中に粘度調整剤を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の水性ボールペン。
(4) インク組成物中の前記着色微粒子の含有量が2〜40質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(5) インク組成物中の前記着色微粒子が平均粒子径0.1〜20μm、真球度0.1〜20μmの粒状であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(6) インク組成物の剪断速度38.3s-1における25℃の粘度値が1200mPa・s以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(7) ボールペンチップを直接又は中継部材を介して挿着したインク収容管内に充填されたインク組成物後端面にインク追従体を配設してなることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の水性ボールペン。
(8) インク追従体の剪断速度1.0s-1における25℃の粘度値が15000mPa・s以上、剪断速度100s-1における25℃の粘度値が3000mPa・s以上であることを特徴とする上記(7)に記載の水性ボールペン。
(9) インク追従体の温度25℃、角周波数0.1〜630rad/secの全周波数領域におけるtanδの値が、0.1〜4.5であることを特徴とする上記(7)又は(8)記載の水性ボールペン。
本発明によれば、経時的な色材の沈降や凝集が生じにくく、描線上で充分な発色性を呈し、筆記感に優れた水性ボールペンが提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の水性ボールペンは、着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とするものである。
本発明の水性ボールペンは、着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とするものである。
本発明に用いる着色微粒子は、ガラスを母材とし、その内部に少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料を分散・内包させたガラス粒子を使用するものであり、母材内部に水性ボールペン用インク組成物の色材(着色剤)成分となる少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料を分散・内包させることにより、水性ボールペンにおけるペン先での目詰まりもなく、従来にない、優れた発色性(描線濃度)、筆記性能、経時安定性を発揮せしめるものである。
用いる着色微粒子において、母材となるガラスとしては、例えば、石英ガラス(シリカガラス)、ソーダ石灰ガラス(ソーダガラス)、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス(フリントガラス)が挙げられる。母材中に着色剤成分となる少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料を分散した状態で含有させることにより、得られる着色微粒子の隠蔽性(可視光に対する)を高めることができる。
用いる着色微粒子において、母材となるガラスとしては、例えば、石英ガラス(シリカガラス)、ソーダ石灰ガラス(ソーダガラス)、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス(フリントガラス)が挙げられる。母材中に着色剤成分となる少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料を分散した状態で含有させることにより、得られる着色微粒子の隠蔽性(可視光に対する)を高めることができる。
本発明に用いる着色微粒子において、母材となるガラスの内部に分散・内包する着色剤成分としては、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料を分散・内包することができる。具体的には、油溶性染料、水溶性染料、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、金属・半金属酸化物、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド粒子、蓄光性顔料から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料などが挙げられる。
無機顔料として、例えば、カーボンブラック、鉄黒、紺青、群青、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化チタン、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、金ナノ粒子などが挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びランプブラックなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料などが挙げられる。
無機顔料として、例えば、カーボンブラック、鉄黒、紺青、群青、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化チタン、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、金ナノ粒子などが挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びランプブラックなどが挙げられる。
蛍光顔料としては、蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料等が挙げられる。
金属粉顔料としては、アルミニウム、銅、真鍮粉などが挙げられる。金属・半金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化銀などが挙げられる。
ダイヤモンド粒子としては、例えば、爆発法、静圧法、衝撃圧縮法、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンド粒子が挙げられ、形態としては、例えば、多結晶ダイヤモンド粒子、単結晶ダイヤモンド粒子およびクラスターダイヤモンドなどが挙げられる。カーボンナノチューブとしては、例えば、単層ナノチューブ(SWNT)、2層ナノチューブ(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)からなるものが挙げられる。
カーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが挙げられる。
黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが挙げられる。
染料としては、例えば、後述する油溶性染料、水溶性染料などを挙げることができる。
金属粉顔料としては、アルミニウム、銅、真鍮粉などが挙げられる。金属・半金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化銀などが挙げられる。
ダイヤモンド粒子としては、例えば、爆発法、静圧法、衝撃圧縮法、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンド粒子が挙げられ、形態としては、例えば、多結晶ダイヤモンド粒子、単結晶ダイヤモンド粒子およびクラスターダイヤモンドなどが挙げられる。カーボンナノチューブとしては、例えば、単層ナノチューブ(SWNT)、2層ナノチューブ(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)からなるものが挙げられる。
カーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが挙げられる。
黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが挙げられる。
染料としては、例えば、後述する油溶性染料、水溶性染料などを挙げることができる。
本発明に用いる着色微粒子において、好ましくは、発色性、平滑性、粉体強度の点から、母材となるガラスの内部に分散・内包する着色剤成分となる着色剤成分の平均粒子径は、1〜300nmの範囲、更に好ましくは、10〜250nmの範囲となるナノサイズとなるものが望ましい。
用いる着色剤成分となる少なくとも1種以上の顔料、染料などの含有量は、ガラス成分に対して、好ましくは、5〜80質量%、更に好ましくは、10〜70質量%含有されることが望ましい。この含有量が5質量%未満の場合は、着色微粒子の発色および隠蔽性が不十分であり、一方、80質量%を超えると、着色微粒子が脆くなってその機械的強度が低下することとなる。
また、用いる着色剤成分となる微粒子の形状としては、不定形、球状、円柱状、紡錘状等、特に限定はされないが、好ましくは、上記平均粒子径の範囲となるものが望ましい。なお、上記着色剤成分の含有量(含有率、質量%)は、〔(着色剤成分の質量)/(ガラス成分の質量)〕×100によって算出した。
また、用いる着色剤成分となる微粒子の形状としては、不定形、球状、円柱状、紡錘状等、特に限定はされないが、好ましくは、上記平均粒子径の範囲となるものが望ましい。なお、上記着色剤成分の含有量(含有率、質量%)は、〔(着色剤成分の質量)/(ガラス成分の質量)〕×100によって算出した。
本発明に用いる着色微粒子は、インク種、水性ボールペンのペン先構造等により、好適な大きさ、形状のものを用いることができ、好ましくは、粒状、球状、棒状、針状となるガラス粒子が望ましく、更に好ましくは、適度に粒子径制御することで、紙の上に色材が残りやすくなり、描線濃度が高まり、発色性も向上する点から、平均粒子径0.1〜20μm、真球度0.1〜20μmの粒状となるものが好ましい。
この粒状の平均粒子径が0.1μm未満であると、紙繊維のなかに色材が浸透し、描線濃度が充分に高まらないこととなり、平均粒子径が20μmを超えると、消去具などで描線を擦過した際に粒子が取れてしまい、発色の維持が困難となる。更に、真球度0.1〜20μmの粒状とすることで、筆記した際のボールの回転抵抗を妨げにくくなり、更に良好な筆記感を得ることが出来る。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において、上記着色微粒子の平均粒子径はレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックII(日機装社製)により求めることができる。また、本発明(後述する実施例等を含む)において、「真球度」とは、JIS B 1501に玉軸受用鋼球の測定方法として規定されているものと同等のものをいう。これによると真球度は、測定する鋼球1個を真円度測定機で互いに90°をなす2または3赤道平面上の鋼球表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大値として求めるとあるが、本発明のガラス粒子は微小過ぎるためこの方法では計れない。したがって、JISに準拠した測定を行うこととした。
具体的には、SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の1赤道平面についてのみ、最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として真円度を画像処理によって測定し、真球度の値とした。
この粒状の平均粒子径が0.1μm未満であると、紙繊維のなかに色材が浸透し、描線濃度が充分に高まらないこととなり、平均粒子径が20μmを超えると、消去具などで描線を擦過した際に粒子が取れてしまい、発色の維持が困難となる。更に、真球度0.1〜20μmの粒状とすることで、筆記した際のボールの回転抵抗を妨げにくくなり、更に良好な筆記感を得ることが出来る。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において、上記着色微粒子の平均粒子径はレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックII(日機装社製)により求めることができる。また、本発明(後述する実施例等を含む)において、「真球度」とは、JIS B 1501に玉軸受用鋼球の測定方法として規定されているものと同等のものをいう。これによると真球度は、測定する鋼球1個を真円度測定機で互いに90°をなす2または3赤道平面上の鋼球表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大値として求めるとあるが、本発明のガラス粒子は微小過ぎるためこの方法では計れない。したがって、JISに準拠した測定を行うこととした。
具体的には、SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の1赤道平面についてのみ、最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として真円度を画像処理によって測定し、真球度の値とした。
本発明の着色微粒子は、ゾル−ゲル法によって合成(製造)することができる。例えば、粒状の場合、シリカ化合物と水を含む溶液に上記着色剤成分を分散させてなる原液を調製し、この原液をオイルバス中に滴下して、熱硬化させた後、オイルを除去して200〜1200℃で焼成し、必要に応じて粉砕、分級して、目的の平均粒径、真球度等となる着色微粒子を製造することができる。
更に必要に応じて、母材内に着色微粒子を分散・内包する際に、後述する染料を含有しても良く、また、得られた着色微粒子の表面をシリコーン、フッ素系樹脂等で表面処理して適宜疎水化処理を施してもよい。
更に必要に応じて、母材内に着色微粒子を分散・内包する際に、後述する染料を含有しても良く、また、得られた着色微粒子の表面をシリコーン、フッ素系樹脂等で表面処理して適宜疎水化処理を施してもよい。
本発明に用いる着色微粒子は、上述の如く、着色剤成分となるカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料などの微粒子(ナノ粒子)が分散した状態で母材中に固定化されるため、再凝集せず、低粘度化が可能となり、同様に微粒子(ナノ粒子)がナノ分散し再凝集しにくいため固体配合比を高めることが可能となり、その結果として発色性が良好となり、描線の乾燥速度が速く、しかも、マトリックスによって付加価値が得られるものとなる。また、ガラス粒子の表面がミクロン〜サブミクロンオーダーでの面となっているため、潤滑性がよく、書き味(筆記性能)にも優れたものとなる。また、ガラス粒子本体(母材)をシリカとすることにより、低屈折率化によって光の散乱や反射が抑えられ、描線にテカリが生じにくく、発色性が高くなる。また、着色微粒子同士の凝集が起こり難い材料であるため、インク中での配合量を高めても不具合か起こりにくく、描線濃度が高められる。更に、良好な筆記感を保つことも出来る。
これらの着色微粒子の含有量としては、水性ボールペン用インク組成物(全量)中に、着色微粒子を2〜40質量%、更に好ましくは、5〜40質量%とすることが望ましい。
この着色微粒子の含有量が2質量%未満であると、十分な発色性が得られず、また、光沢の変化も無い結果となり、一方、40質量%を超えると、固形分の体積が過度に多くなり、線割れ、カスレが生じやすく、また、ペン先からのインク流出性が低下することもある。
この着色微粒子の含有量が2質量%未満であると、十分な発色性が得られず、また、光沢の変化も無い結果となり、一方、40質量%を超えると、固形分の体積が過度に多くなり、線割れ、カスレが生じやすく、また、ペン先からのインク流出性が低下することもある。
本発明に用いる水性ボールペン用インク組成物は、上述の如く、着色微粒子を含有するものであるが、他の成分としては、水(精製水、水道水、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等)の他、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、水溶性有機溶剤、粘度調整剤を含有することが好ましく、更に、界面活性剤、分散剤、樹脂、防菌材、pH調整剤、防腐剤、防錆剤、保湿剤などを適宜量選択して用いることができる。また、前述した水溶性染料、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、金属・半金属酸化物、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド粒子、蓄光性顔料から選ばれる少なくとも1種を補色剤として配合しても良い。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、特に限定されず、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等や、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができ、その使用量はインク組成物全量に対して、5〜40質量%程度である。
用いることができる粘度調整剤としては、例えば、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩などの少なくとも1種が挙げられる。この粘度調整剤の好適な含有により、適度に増粘させること、好ましくは後述する粘度範囲内とすることで着色微粒子の沈降をより抑えられるものとなる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などの少なくとも1種が挙げられる。
また、分散剤としては、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの少なくとも1種が挙げられる。
染料は、上述の着色微粒子内に顔料などと共に内包、または、インク成分中に溶解させてもよく、例えば、油溶性染料、水溶性染料などを用いることができる。
油溶性染料としては、例えば、アゾ染料、造塩体染料、含金属染料、アントラキノン染料、縮合型染料、フタロシアニンスルホアマイド染料等を挙げることができ、具体的な例としては、C.I.Solvent Yellow 2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同23、同56、同61、同80、C.I.Solvent Orange 1、同2、同5、同6、同14、同37、同40、同44、同45、C.I.Solvent Red 1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.Disperse Red 9、C.I.Solvent Violet8、同13、同14、同21、同27、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Solvent Blue 2、同11、同12、同25、同35、同36、同55、同73、C.I.Solvent Green 3、C.I.Solvent Brown 3、同5、同20、同37などの少なくとも1種が挙げられる。
また、水溶性染料としては、例えば、青色1号、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、DPPレッド、黄色4号、黄色5号、緑色3号、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられる。
油溶性染料としては、例えば、アゾ染料、造塩体染料、含金属染料、アントラキノン染料、縮合型染料、フタロシアニンスルホアマイド染料等を挙げることができ、具体的な例としては、C.I.Solvent Yellow 2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同23、同56、同61、同80、C.I.Solvent Orange 1、同2、同5、同6、同14、同37、同40、同44、同45、C.I.Solvent Red 1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.Disperse Red 9、C.I.Solvent Violet8、同13、同14、同21、同27、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Solvent Blue 2、同11、同12、同25、同35、同36、同55、同73、C.I.Solvent Green 3、C.I.Solvent Brown 3、同5、同20、同37などの少なくとも1種が挙げられる。
また、水溶性染料としては、例えば、青色1号、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、DPPレッド、黄色4号、黄色5号、緑色3号、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられる。
防腐剤としては、ペンタクロロフェノールナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2,4−チアゾリルベズイミダゾール、パラオキシ安息香酸エステルなどの少なくとも1種が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、リン酸カリウム、トリエタノールアミンなどの少なくとも1種が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、リン酸カリウム、トリエタノールアミンなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明に用いる水性ボールペン用インク組成物は、上記着色微粒子の他、上記各成分を好適に組み合わせ、通常の水性ボールペン用インクの製造方法と同様に、攪拌機、ビーズミルなどで分散処理などして常法により、水性ボールペン用インク組成物を調製することができる。
本発明に用いる水性ボールペン用インク組成物は、充分なインク流出性を確保する点から、剪断速度38.3s-1における25℃の粘度値が1200mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは、50〜500mPa・sとすることが望ましい。
更に、疑塑性を付与することにより非筆記状態での着色微粒子(色材)の分散状態を保つことができ、筆記状態では(粘度が下がるため)充分な流出性を更に確保しやすくなる。
更に、疑塑性を付与することにより非筆記状態での着色微粒子(色材)の分散状態を保つことができ、筆記状態では(粘度が下がるため)充分な流出性を更に確保しやすくなる。
本発明の水性ボールペンは、上記組成となる水性ボールペン用インク組成物を搭載したものであり、好ましくは、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又は中継部材を介して挿着したパイプ又はパイプ形状の成形物等からなるインク収容管内に上記特性のインク組成物を充填し、かつ、該インク組成物後端面にインク追従体を配設してなる構成となるものが望ましい。このインク追従体を配設することで、水性ボールペン体を落下させてもインクが飛散しにくく、インクの消費残量も明確になる。
用いるインク追従体としては、好ましくは、インクの追従性と落下衝撃耐性を高度に両立する点から、用いるインク追従体の25℃、剪断速度1.0sec-1における粘度値が15000mPa・s以上、剪断速度100sec-1における粘度値が3000mPa・s以上であることが望ましく、更に好ましくは、剪断速度1.0sec-1における粘度値が15000〜50000mPa・s、剪断速度100sec-1における粘度値が3000〜10000mPa・sであることが望ましい。
また、インクの追従性と落下衝撃耐性、インク収容管への充填性(充填しやすさ)を更に確保する点から、前記インク追従体の温度25℃、角周波数0.1〜630rad/secの全周波数領域におけるtanδの値が、0.1〜4.5とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜2.0であることが望ましい。このtanδは、tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率を示す値であり、この値が大きいこと(tanδ>1)流動性が高いこと(あるいは粘性体)であり、小さいこと(tanδ<1)は、固体状(あるいは弾性体)に近いことである。tanδの値が4.5を上回ると、流動性が高まりすぎるため、リフィール中でインク追従体がインク側に移行しやすくなり、一方tanδが0.1を下回ると、インク追従体の弾性がかなり強くなるため、インク収容管への充填が困難となり、実用性が低下する。
更に好ましくは、本発明に用いるインク追従体は、上記各剪断域の粘度値、上記tanδの範囲を充足すると共に、インク追従体のJIS K2220−2003に準拠した離油度試験60℃、24hの値が0.5〜10%とすることが好ましい。
60℃、24hの離油度を0.5〜10%とすることにより、インク消費に伴なうインク追従体の追従応答性が高く、流量が多い太字使用にも好適に適用でき、クリアドレイン性も高くなるなどの特性を発揮することができる。
更に好ましくは、本発明に用いるインク追従体は、上記各剪断域の粘度値、上記tanδの範囲を充足すると共に、インク追従体のJIS K2220−2003に準拠した離油度試験60℃、24hの値が0.5〜10%とすることが好ましい。
60℃、24hの離油度を0.5〜10%とすることにより、インク消費に伴なうインク追従体の追従応答性が高く、流量が多い太字使用にも好適に適用でき、クリアドレイン性も高くなるなどの特性を発揮することができる。
用いるインク追従体は、基油(非水溶性有機溶剤)に増粘剤などを配合することにより調製することができ、インク追従体の上記諸特性(各剪断域の粘度値、tanδ、離油度)は、追従体に使用する基油(非水溶性有機溶剤)および増粘剤の種類や配合量などを適切に選択することにより、また場合により、適切な製造条件を選択することにより、得られるものである。
好ましいインク追従体に用いる基油の性質としては、水に不溶もしくは難溶であることが当然要求される。
基油としては、例えば、ポリブデン、鉱物油、シリコーンオイル等が挙げられる。好ましいポリブテンの市販品としては、例えば、ニッサンポリブテン200N、ポリブテン30N(日本油脂株式会社製;商品名)、ポリブテンHV−15(日本石油化学株式会社製;商品名)、35R(出光興産株式会社製;商品名)などが挙げられ、好ましい鉱物油の市販品としては、例えば、ダイアナプロセスオイルMC−32S,MC−W90(出光興産株式会社製;商品名)などが挙げられる。また、好ましいシリコーンオイルの市販品としては、例えば、TFS451シリーズ、TSF456シリーズ、TSF458シリーズ(いずれも東芝シリコ−ン株式会社製;商品名)などが挙げられる。
好ましいインク追従体に用いる基油の性質としては、水に不溶もしくは難溶であることが当然要求される。
基油としては、例えば、ポリブデン、鉱物油、シリコーンオイル等が挙げられる。好ましいポリブテンの市販品としては、例えば、ニッサンポリブテン200N、ポリブテン30N(日本油脂株式会社製;商品名)、ポリブテンHV−15(日本石油化学株式会社製;商品名)、35R(出光興産株式会社製;商品名)などが挙げられ、好ましい鉱物油の市販品としては、例えば、ダイアナプロセスオイルMC−32S,MC−W90(出光興産株式会社製;商品名)などが挙げられる。また、好ましいシリコーンオイルの市販品としては、例えば、TFS451シリーズ、TSF456シリーズ、TSF458シリーズ(いずれも東芝シリコ−ン株式会社製;商品名)などが挙げられる。
用いる増粘剤としては、基油に適度な粘弾性を付与できる性質を持つものであれば、全ての材料が使用可能である。その具体例としては、燐酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー及び/又はポリスチレン−ポリエチレン/プロピレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、水添スチレンブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、ポリスチレン−ブタジエンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、ポリスチレン−イソプレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、アセトアルコキシアルミニウムジアルキレート、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の少なくとも1種が挙げられる。
その他必要に応じて、例えば、インク追従体の追従性向上剤(フッ素系界面活性剤など)、酸化防止剤等を配合することができる。
その他必要に応じて、例えば、インク追従体の追従性向上剤(フッ素系界面活性剤など)、酸化防止剤等を配合することができる。
用いるインク追従体の製法は、例えば、基油80〜99質量%、増粘剤1〜20質量%、添加剤などのすべてのインク追従体成分を室温で予備混練し、ロールミル、ニーダーなどの分散機で混練する方法等を採用できる。また、室温下で溶解、分散が困難なポリマーなどを添加する際は、必要に応じて、加熱撹拌、加熱混練等することができる。また、製造されたインク追従体を、更にロールミル、ニーダーなどの分散機で再混練したり、加熱したりすることで、上記諸特性(各剪断域の粘度値、tanδ、離油度)に調整することができる。
図1は、本発明の水性ボールペンのリフィールホルダーの一例を示す断面図である。図中10は、インク収容管、20は上記組成のボールペン用水性インク組成物、30は上記組成のインク追従体、40はペン先部とインク収容管の継ぎ手部材、41はペン先部(ボールペンチップホルダー)を示すものであり、このインク収容管10を装着した筆記具本体(軸体)を含むノック式、非ノック式(キャップ式)の各種ボールペン構成を採用することにより、実施等に供することができる。
このように構成される本発明の水性ボールペンでは、上記構成のボールペン用水性インク組成物を搭載したボールペン体にて紙面に筆記すると、経時的に色材の沈降や凝集が生じにくく、描線上で充分な発色性を呈し、筆記感に優れた水性ボールペンが提供でき、しかも、インク追従体を備えることによりインク消費に伴うインク追従体の追従応答性が高く、流量が多い太字使用にも好適に適用できるものとなる。
このように構成される本発明の水性ボールペンでは、上記構成のボールペン用水性インク組成物を搭載したボールペン体にて紙面に筆記すると、経時的に色材の沈降や凝集が生じにくく、描線上で充分な発色性を呈し、筆記感に優れた水性ボールペンが提供でき、しかも、インク追従体を備えることによりインク消費に伴うインク追従体の追従応答性が高く、流量が多い太字使用にも好適に適用できるものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜15及び比較例1〜8〕
実施例、比較例の水性ボールペンに用いる着色微粒子A〜E(下記表1参照)、これらの着色微粒子A〜Eを含有する各水性ボールペン用インク(下記表2参照)、各インク追従体(下記表3参照)を下記製法等により調製した。
これらの水性ボールペン用インク、インク追従体を用いて下記方法により実施例1〜15及び比較例1〜8の各水性ボールペンを作製した。
得られた各水性ボールペンについて、下記各評価方法により書き味、描線の黒さ・鮮やかさ、速書追従性、経時安定性(色分れ)について評価した。これらの結果を下記表4に示す。
実施例、比較例の水性ボールペンに用いる着色微粒子A〜E(下記表1参照)、これらの着色微粒子A〜Eを含有する各水性ボールペン用インク(下記表2参照)、各インク追従体(下記表3参照)を下記製法等により調製した。
これらの水性ボールペン用インク、インク追従体を用いて下記方法により実施例1〜15及び比較例1〜8の各水性ボールペンを作製した。
得られた各水性ボールペンについて、下記各評価方法により書き味、描線の黒さ・鮮やかさ、速書追従性、経時安定性(色分れ)について評価した。これらの結果を下記表4に示す。
〔着色微粒子A〜Eの調製〕
用いる着色微粒子として、下記製法、特性となる着色微粒子A〜Eを用いた。得られた着色微粒子A〜Eの平均粒子径、真球度は、下記測定方法により測定した。
(平均粒子径の測定方法)
レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置〔マイクロトラックII(日機装社製)〕により測定した。
(真球度の測定方法)
SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として求めた。
用いる着色微粒子として、下記製法、特性となる着色微粒子A〜Eを用いた。得られた着色微粒子A〜Eの平均粒子径、真球度は、下記測定方法により測定した。
(平均粒子径の測定方法)
レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置〔マイクロトラックII(日機装社製)〕により測定した。
(真球度の測定方法)
SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として求めた。
(着色微粒子Aの調製)
着色微粒子Aとしてカーボンブラック(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包したカーボンブラック内包シリカガラス粒子を用いた。このカーボンブラック内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記カーボンブラックを分散させてなる原液を調整し、この原液を加熱オイルバス中に滴下し硬化させた後、200℃で焼成し、粉砕、分級して得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Bの調製)
着色微粒子Bとして、群青(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包した群青内包シリカガラス粒子を用いた。この群青内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記群青を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
着色微粒子Aとしてカーボンブラック(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包したカーボンブラック内包シリカガラス粒子を用いた。このカーボンブラック内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記カーボンブラックを分散させてなる原液を調整し、この原液を加熱オイルバス中に滴下し硬化させた後、200℃で焼成し、粉砕、分級して得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Bの調製)
着色微粒子Bとして、群青(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包した群青内包シリカガラス粒子を用いた。この群青内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記群青を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Cの調製)
着色微粒子Cとして、着色微粒子としてアゾレーキ赤色顔料(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包したアゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子を用いた。このアゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記アゾレーキ赤色顔料を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Dの調製)
着色微粒子Dとして、酸化チタン(平均粒径250nm、内包量30質量%)を分散・内包した酸化チタン内包シリカガラス粒子を用いた。この酸化チタン内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記酸化チタンを分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径5μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Eの調製)
着色微粒子Eとして、酸化チタン(平均粒径250nm、内包量15質量%)と、アゾレーキ赤色顔料(平均粒径100nm、内包量30質量%)とを分散・内包した酸化チタン・アゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子を用いた。
この酸化チタン・アゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記酸化チタンとアゾレーキ赤色顔料を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
着色微粒子Cとして、着色微粒子としてアゾレーキ赤色顔料(平均粒径100nm、内包量30質量%)を分散・内包したアゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子を用いた。このアゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記アゾレーキ赤色顔料を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Dの調製)
着色微粒子Dとして、酸化チタン(平均粒径250nm、内包量30質量%)を分散・内包した酸化チタン内包シリカガラス粒子を用いた。この酸化チタン内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記酸化チタンを分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径5μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(着色微粒子Eの調製)
着色微粒子Eとして、酸化チタン(平均粒径250nm、内包量15質量%)と、アゾレーキ赤色顔料(平均粒径100nm、内包量30質量%)とを分散・内包した酸化チタン・アゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子を用いた。
この酸化チタン・アゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記酸化チタンとアゾレーキ赤色顔料を分散させてなる原液を調整し、この原液を上記着色微粒子Aの製法と同様にして得た平均粒子径4μm、真球度1μmとなるものを用いた。
(水性ボールペン用インクの調製)
下記表2に示される配合組成となる実施例用インク10種(インク実1〜インク実10)及び比較例用インク7種(インク比1〜インク比7)を用いた。具体的には、下記表2の配合成分中、基本媒体となる水(イオン交換水)、水溶性液体媒体、分散剤、着色剤(上記表1の着色微粒子A〜E、顔料、染料)、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、粘度調整剤を順次添加後、撹拌機にて撹拌等することにより、各水性ボールペン用インク組成物を調製した。
得られた各水性ボールペン用インク組成物の25℃における剪断速度38.3s-1の粘度値を下記測定方法により測定した。これらの結果を下記表2に示す。
下記表2に示される配合組成となる実施例用インク10種(インク実1〜インク実10)及び比較例用インク7種(インク比1〜インク比7)を用いた。具体的には、下記表2の配合成分中、基本媒体となる水(イオン交換水)、水溶性液体媒体、分散剤、着色剤(上記表1の着色微粒子A〜E、顔料、染料)、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、粘度調整剤を順次添加後、撹拌機にて撹拌等することにより、各水性ボールペン用インク組成物を調製した。
得られた各水性ボールペン用インク組成物の25℃における剪断速度38.3s-1の粘度値を下記測定方法により測定した。これらの結果を下記表2に示す。
(インク組成物の粘度値の測定)
測定装置 :E型回転粘度計、VISCOMETER RC−215R(東機産業株式会社製)
測定条件 :コーン :1°34‘*R24
剪断速度 :38.3sec-1
測定時間 :60sec
測定温度 :25℃
測定装置 :E型回転粘度計、VISCOMETER RC−215R(東機産業株式会社製)
測定条件 :コーン :1°34‘*R24
剪断速度 :38.3sec-1
測定時間 :60sec
測定温度 :25℃
(インク追従体A〜Eの調製)
下記表3に示す基油、増粘剤(及び添加剤)を調合し、120℃でミキサーにて高速で120分間攪拌し、室温まで冷却後、ロール処理を1回行い、インク追従体A〜Eを調製した。
得られたインク追従体A〜Eについて、下記各測定方法により、1.0s-1の粘度値、100s-1の粘度値、tanδ、離油度(60℃−24h)を測定した。
これらの結果を下記表3に示す。
下記表3に示す基油、増粘剤(及び添加剤)を調合し、120℃でミキサーにて高速で120分間攪拌し、室温まで冷却後、ロール処理を1回行い、インク追従体A〜Eを調製した。
得られたインク追従体A〜Eについて、下記各測定方法により、1.0s-1の粘度値、100s-1の粘度値、tanδ、離油度(60℃−24h)を測定した。
これらの結果を下記表3に示す。
(各インク追従体の粘度値の測定方法)
測定装置 :E型回転粘度計、DIGITAL VISCOMETER DUV−EII(
東機産業株式会社製)
測定条件 :コーン :3°*R14
剪断時間 :1.0sec-1、100sec-1
測定時間 :120sec
測定温度 :25℃
測定装置 :E型回転粘度計、DIGITAL VISCOMETER DUV−EII(
東機産業株式会社製)
測定条件 :コーン :3°*R14
剪断時間 :1.0sec-1、100sec-1
測定時間 :120sec
測定温度 :25℃
(各インク追従体のtanδ値の測定方法)
測定装置:ダイナミックスペクトロメーター RDS−II、(レオメトリック・サイエンティフィック製)
測定条件(周波数依存性):ジオメトリー :パラレルプレート20mmφ 動的測定
SWEEP TYPE:FREQUENCY SWEEP
周波数範囲 :0.06〜630rad/sec
測定間隔 :5points/decade
ひずみ :100%
測定温度 :25℃
雰囲気 :窒素気流中
測定装置:ダイナミックスペクトロメーター RDS−II、(レオメトリック・サイエンティフィック製)
測定条件(周波数依存性):ジオメトリー :パラレルプレート20mmφ 動的測定
SWEEP TYPE:FREQUENCY SWEEP
周波数範囲 :0.06〜630rad/sec
測定間隔 :5points/decade
ひずみ :100%
測定温度 :25℃
雰囲気 :窒素気流中
〔離油度の測定方法(JIS K 2220−5.7−1993に準拠)〕
測定装置は、下記構成のものを用いた。
金網円錐濾過器:円錐部は、JIS Z 8801−1993に規定する呼び寸法250μmのニッケル金網、上部の外周に直径約0.8mmのニッケル線をろう付けし、同径のニッケル線吊り手をつけたもの。
ビーカー:JIS K 2039−1993に規定するもの。
ふた:厚さ約1mmの黄銅製で、そのほぼ中央の内面に、直径約1.5mmの黄銅製のかぎをロウ付けしたもの。
ガスケット:直径がふたの内径と同寸法、厚さ約1.5mmの合成ゴム製で、中央部に約20mmの孔をあけたもの。
測定環境:測定温度60±0.5℃
放置時間24h
測定方法:金網円錐ろ過器に試料約10gを満たし、蓋のかぎにつるした。これをビーカー中に納め、恒温槽中に規定時間入れた。ビーカーを恒温槽から取り出し、室温まで放冷後、円錐に付着している油をビーカーに移し、ビーカー中の分離油の質量を下記算出式により求めた。
離油度算出式:A=C/B×100
〔銃沖式中、A:離油度(%)、B:試料の質量(g)、C:分離油の質量(g)〕
測定装置は、下記構成のものを用いた。
金網円錐濾過器:円錐部は、JIS Z 8801−1993に規定する呼び寸法250μmのニッケル金網、上部の外周に直径約0.8mmのニッケル線をろう付けし、同径のニッケル線吊り手をつけたもの。
ビーカー:JIS K 2039−1993に規定するもの。
ふた:厚さ約1mmの黄銅製で、そのほぼ中央の内面に、直径約1.5mmの黄銅製のかぎをロウ付けしたもの。
ガスケット:直径がふたの内径と同寸法、厚さ約1.5mmの合成ゴム製で、中央部に約20mmの孔をあけたもの。
測定環境:測定温度60±0.5℃
放置時間24h
測定方法:金網円錐ろ過器に試料約10gを満たし、蓋のかぎにつるした。これをビーカー中に納め、恒温槽中に規定時間入れた。ビーカーを恒温槽から取り出し、室温まで放冷後、円錐に付着している油をビーカーに移し、ビーカー中の分離油の質量を下記算出式により求めた。
離油度算出式:A=C/B×100
〔銃沖式中、A:離油度(%)、B:試料の質量(g)、C:分離油の質量(g)〕
*1:ポリブテン30N(日本油脂社製)
*2:ダイアナプロセスオイルMC−32S(出光興産社製)
*3:ポリブテンHV−15(日本石油化学社製)
*4:AEROSIL−974D(日本アエロジル社製)
*5:セプトン8004(クラレ社製)
*6:クレイトン G−1730(シェルジャパン社製 )
*7:DYNARON6200P(JSR社製)
*8:エフトップ EF−801(三菱マテリアル社製)
(水性ボールペン体の作製)
上記表2で得られた各水性ボールペン用インク組成物17種(インク実1〜インク実10及びインク比1〜インク比7)と、上記表3で得られた各インク追従体A〜Eを下記表4に示す組み合わせでボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM−100〕の軸を使用し、内径4.0mm、長さ113mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール)及び該インク収容管と該チップを連結する継手からなる三菱鉛筆社製インク収容管(リーフィールチューブ)インク1.1g、インク追従体0.1gを夫々充填し、実施例1〜15及び比較例1〜8の各水性ボールペン体を作製した。
上記表2で得られた各水性ボールペン用インク組成物17種(インク実1〜インク実10及びインク比1〜インク比7)と、上記表3で得られた各インク追従体A〜Eを下記表4に示す組み合わせでボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM−100〕の軸を使用し、内径4.0mm、長さ113mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール)及び該インク収容管と該チップを連結する継手からなる三菱鉛筆社製インク収容管(リーフィールチューブ)インク1.1g、インク追従体0.1gを夫々充填し、実施例1〜15及び比較例1〜8の各水性ボールペン体を作製した。
(書き味の評価方法)
上記で得られた各水性ボールペン体を用いてフリーハンドで筆記用紙に「らせん筆記」し、筆記感を下記の基準で判定した。
評価基準:
○:滑らかで安定した書き味。
△:比較的ゴツゴツした硬い書き味。
×:ゴツゴツした硬い書き味でかつ線切れ、方向性がある。
上記で得られた各水性ボールペン体を用いてフリーハンドで筆記用紙に「らせん筆記」し、筆記感を下記の基準で判定した。
評価基準:
○:滑らかで安定した書き味。
△:比較的ゴツゴツした硬い書き味。
×:ゴツゴツした硬い書き味でかつ線切れ、方向性がある。
(描線の黒さ、鮮やかさの評価方法)
上記で得られた各水性ボールペン体を用いてフリーハンドで筆記用紙に「らせん筆記」し、黒インクは同条件で筆記した比較例2と、青インクは比較例3のペン体と、赤インクは比較例4のペン体と、ブルーブラックインクは比較例7のペン体と共に蛍光灯の下で描線を目視で観察し、下記評価基準で描線の黒さ、または、鮮やかさを評価した。
黒さの評価基準:
◎:比較例2よりも格段に描線が黒い。
○:比較例2よりも描線が黒い。
△:比較例2と描線の黒さが同レベルである。
×:比較例2の描線よりも黒さが劣る。
鮮やかさの評価基準:
◎:比較例3または4または7よりも格段に描線が鮮やかである。
○:比較例3または4または7よりも描線が鮮やかである。
△:比較例3または4または7と鮮やかさが同レベルである。
×:比較例3または4または7よりも鮮やかさが劣る(描線にくすみがある、若しくは白っぽい)。
上記で得られた各水性ボールペン体を用いてフリーハンドで筆記用紙に「らせん筆記」し、黒インクは同条件で筆記した比較例2と、青インクは比較例3のペン体と、赤インクは比較例4のペン体と、ブルーブラックインクは比較例7のペン体と共に蛍光灯の下で描線を目視で観察し、下記評価基準で描線の黒さ、または、鮮やかさを評価した。
黒さの評価基準:
◎:比較例2よりも格段に描線が黒い。
○:比較例2よりも描線が黒い。
△:比較例2と描線の黒さが同レベルである。
×:比較例2の描線よりも黒さが劣る。
鮮やかさの評価基準:
◎:比較例3または4または7よりも格段に描線が鮮やかである。
○:比較例3または4または7よりも描線が鮮やかである。
△:比較例3または4または7と鮮やかさが同レベルである。
×:比較例3または4または7よりも鮮やかさが劣る(描線にくすみがある、若しくは白っぽい)。
(速書追従性の評価方法)
各水性ボールペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、フリーハンドで3倍速と2倍速と通常速度でそれぞれ筆記し、各筆記描線を下記の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:3倍速の筆記でも全くカスレがなく、スムースに安定して筆記できる。
○:通常速度、2倍速の筆記とも全くカスレがなく、スムースに安定して筆記できる。
△:2倍速筆記で明らかな線切れが起きる。通常速度での筆記は可能。
×:通常に筆記してもインクが追従せず線切れが起こる。
各水性ボールペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、フリーハンドで3倍速と2倍速と通常速度でそれぞれ筆記し、各筆記描線を下記の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:3倍速の筆記でも全くカスレがなく、スムースに安定して筆記できる。
○:通常速度、2倍速の筆記とも全くカスレがなく、スムースに安定して筆記できる。
△:2倍速筆記で明らかな線切れが起きる。通常速度での筆記は可能。
×:通常に筆記してもインクが追従せず線切れが起こる。
〔経時安定性(色分かれ)の評価方法)〕
上記で得られた各水性ボールペン体を用いて50℃相対湿度30%の雰囲気で、ペン先を下向きにして60日間放置し、取り出した後、室温まで放冷し、フリーハンドで20周らせん筆記し、下記評価基準で経時安定性を評価した。
評価基準:
○:初期状態と比べ、描線濃度にほとんど変化がない。
△:初期状態と比べ、はじめの描線濃度が濃い(色材が沈降している)。
×:明らかな掠れが発生しており、正常に筆記ができない(沈降した色材がペン先に目詰まって、筆記性に影響が生じている)。
上記で得られた各水性ボールペン体を用いて50℃相対湿度30%の雰囲気で、ペン先を下向きにして60日間放置し、取り出した後、室温まで放冷し、フリーハンドで20周らせん筆記し、下記評価基準で経時安定性を評価した。
評価基準:
○:初期状態と比べ、描線濃度にほとんど変化がない。
△:初期状態と比べ、はじめの描線濃度が濃い(色材が沈降している)。
×:明らかな掠れが発生しており、正常に筆記ができない(沈降した色材がペン先に目詰まって、筆記性に影響が生じている)。
上記表1〜4の結果から明らかなように、本発明範囲の実施例1〜15の着色微粒子を含有する各インク組成物を充填した水性ボールペンは、本発明の範囲外となる比較例1〜8の水性ボールペンに較べて、書き味、描線の黒さ・鮮やかさ、速書追従性、経時安定性(色分れ)に優れていることが判明した。
書き味、描線の黒さ・鮮やかさ、速書追従性、経時安定性(色分れ)等に優れた水性ボールペンが得られる。
10 インク収容管
20 ボールペン用水性インク組成物
30 インク追従体
40 ペン先部とインク収容管の継ぎ手部材
41 ペン先部(ボールペンチップホルダー)
20 ボールペン用水性インク組成物
30 インク追従体
40 ペン先部とインク収容管の継ぎ手部材
41 ペン先部(ボールペンチップホルダー)
Claims (9)
- 着色微粒子として、少なくとも1種以上の顔料及び/又は染料をその内部に含むガラス粒子を使用し、該着色微粒子と水を含有するインク組成物を搭載したことを特徴とする水性ボールペン。
- インク組成物中の前記着色微粒子の被内包物質がシリカを主成分とするガラスであることを特徴とする請求項1記載の水性ボールペン。
- インク組成物中に粘度調整剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の水性ボールペン。
- インク組成物中の前記着色微粒子の含有量が2〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の水性ボールペン。
- インク組成物中の前記着色微粒子が平均粒子径0.1〜20μm、真球度0.1〜20μmの粒状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の水性ボールペン。
- インク組成物の剪断速度38.3s-1における25℃の粘度値が1200mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の水性ボールペン。
- ボールペンチップを直接又は中継部材を介して挿着したインク収容管内に充填されたインク組成物後端面にインク追従体を配設してなることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の水性ボールペン。
- インク追従体の剪断速度1.0s-1における25℃の粘度値が15000mPa・s以上、剪断速度100s-1における25℃の粘度値が3000mPa・s以上であることを特徴とする請求項7に記載の水性ボールペン。
- インク追従体の温度25℃、角周波数0.1〜630rad/secの全周波数領域におけるtanδの値が、0.1〜4.5であることを特徴とする請求項7又は8記載の水性ボールペン。
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- 2010-07-09 JP JP2010156701A patent/JP2012017437A/ja active Pending
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