JP2011195803A - 筆記具用液体インク組成物 - Google Patents

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仁志 木野
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Abstract

【課題】 ボールペン用、マーカー用、修正液用等に好適な筆記具用液体インク組成物を提供する。
【解決手段】 着色微粒子を分散・内包させたガラス粒子を含有し、該ガラス粒子を溶媒中に分散させたことを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
前記着色微粒子内包ガラス粒子が、シリカガラスであることが好ましく、また、前記着色微粒子内包ガラス粒子が、平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であるもの、または、平均粒子径0.1〜50 μm、真球度0.1〜50μmの粒状であるものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散性、発色性、筆記性等に優れたボールペン用、マーカー用、修正液用等に好適な筆記具用液体インク組成物に関する。
従来より、ガラス粒子を着色剤として使用した筆記具用インク組成物としては、例えば、微小なガラス粒子の表面が金属薄膜で被覆された平均粒径が40μm以下のガラスフレークをインク全量に対して0.5〜40質量%配合したことを特徴とする筆記具用インク組成物(例えば、特許文献1参照)や、特定物性となる鱗片状のガラスフレーク粒子からなる光輝性粒子と、水溶性樹脂、水溶性有機溶剤、着色剤及び水を含有する光輝性水性インク(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
また、顔料微粒子の凝集を防止し、化粧料、塗料、インク等に配合した場合にゴロツキ感を防止して肌上での伸びなどの使用感が良く、また、基板上での伸びが良く、隠蔽性が高く、きれいな色調を呈する、金属酸化物コロイド粒子に由来する金属酸化物を母材とし、その内部に黒色顔料5〜70質量%分散して含有する黒色光輝性薄片(例えば、特許文献3参照)が開示されており、当該文献の実施例21には「インク組成物」の配合が示され、隠蔽性に優れる描線が得られることが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されるガラス粒子等はガラス粒子の表面を金属薄膜で被覆したものであり、光輝性顔料として使用されているものであり、粒子径の大きい光輝性粒子を用いると筆記具や塗布具でのペン先の目詰まりが生じやすく、一方、粒子径が小さいと凝集沈降が生じたり、発色性に劣るなどの課題があり、また、層状に沈降してしまった場合に再分散性に劣るなどの課題もある。
上記特許文献3の実施例21の配合では、ケトン樹脂を19%も含む高粘度のインクとして顔料の凝集沈降を抑制しているものと推測され、かつ、高濃度の黒色光輝性薄片を分散させたものではない。一般に、筆記具、塗布具に収容されるインクは、高い分散性により、ペン先となる繊維束体やボールペンチップの隙間から遅滞なく染み出してくることが要求される。即ち、高濃度の顔料を高分散によって長期に安定して存在させなければならないものである。
また、上記特許文献3の他の実施例12には、乳化型マスカラも記載されているが、その含有量が3質量%の黒色光輝性薄片を分散して使ったとは記載されてはいるものの、かなりの高粘度であると推測され、ペン型の容器に収容して筆記(塗布)することは記載も示唆も認識もされていないものといえる。即ち、含有量10%程度で低粘度のインク組成物は開示されておらず、ペン型の容器(塗布具)に収容して筆記したインク組成物は開示されていないものといえる。
一方、筆跡などの隠蔽性が高く、同時に再筆記性と液吐出性に優れた水性修正液として、酸化チタン、バインダー機能を有する白色のコアシェル構造を有するポリマー微粒子、水溶性樹脂、および水を含む水性修正液が知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、この水性修正液に用いる白色のコアシェル構造を有するポリマー微粒子は、酸化チタン単独配合よりも隠蔽性を向上させるものであるが、低温でのポリマー微粒子の凝集、凝集後の再分散性の点に課題があり、また、白色のコアシェル構造を有するポリマー微粒子を配合する効果も限定的であり、更なる隠蔽性の向上が切望されているのが現状である。
特開2000−72995号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2001−329201号公報(特許請求の範囲、実施例等) 国際公開WO2005/028568号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2005−170968号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記具や塗布具におけるペン先での目詰まりもなく、分散性、発色性、筆記性能等に優れたボールペン用、マーカー用、並びに、隠蔽性、塗布性能に優れた修正液用等に好適な筆記具用液体インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、着色微粒子として特定構造物性を有するガラス粒子を含有することにより、上記目的の筆記具用液体インク組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(12)に存する。
(1) 着色微粒子を分散・内包させたガラス粒子を含有し、該ガラス粒子を溶媒中に分散させたことを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
(2) 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、シリカガラスであることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用液体インク組成物。
(3) 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の筆記具用液体インク組成物。
(4) 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、平均粒子径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の筆記具用液体インク組成物。
(5) 前記着色微粒子内包ガラス粒子に内包される着色微粒子の平均粒子径が1〜300nmであることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物。
(6) 前記着色微粒子内包ガラス粒子に内包される着色微粒子が、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物、無機顔料、有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物。
(7) 溶媒が、水、有機溶剤の少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物
(8) 更に、界面活性剤、分散剤及び粘度調整剤のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(7)に記載の筆記具用液体インク組成物。
(9) 上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物がボールペン用又はマーカー用液体インク組成物であり、該液体インク組成物中に、前記着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%含有することを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
(10) 上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物が修正用液体インク組成物であり、該液体インク組成物中に、前記着色微粒子内包ガラス粒子を30〜80質量%含有することを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
(11) 更に、染料をガラス粒子内、または、溶媒中に含むことを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか一つに記載の筆記具用インク組成物。
(12) 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、有機金属化合物を含有し、更に10〜80質量%の水を含む溶液を用いてゾルゲル法によって合成されることを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか一つに記載の筆記具用インク組成物。
本発明によれば、筆記具や塗布具におけるペン先での目詰まりもなく、分散性、発色性、筆記性等に優れたボールペン用、マーカー用、並びに、隠蔽性、塗布性能に優れた修正液用等に好適な筆記具用液体インク組成物が提供される。
着色微粒子内包ガラス粒子の平面度等を測定するための電子顕微鏡(SEM)画像に基づく説明図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用液体インク組成物は、着色微粒子を分散・内包させたガラス粒子を含有し、該ガラス粒子を溶媒中に分散させたことを特徴とするものである。
本発明に用いるガラス粒子は、金属、半金属酸化物コロイド粒子に由来する金属・半金属酸化物を母材とし、その内部に着色微粒子を分散・内包させたガラス粒子(着色微粒子内包ガラス粒子)であり、母材内部に筆記具用液体インク組成物の着色剤成分となる着色微粒子を分散・内包させることにより、筆記具や塗布具におけるペン先での目詰まりもなく、従来にない、優れた分散性、発色性(描線濃度)、筆記性能、塗布性能を発揮せしめるものである。
用いる着色微粒子内包ガラス粒子において、母材となる金属・半金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどから選ばれる少なくとも1種を主成分とするものが挙げられる。また、金属・半金属酸化物コロイド粒子としては、シリカコロイド粒子、酸化アルミニウムコロイド粒子、酸化亜鉛コロイド粒子、酸化ジルコニウムコロイド粒子または二酸化チタンコロイド粒子などが挙げられる。この金属・半金属酸化物コロイド粒子に由来する金属・半金属酸化物を母材とすることにより母材中に着色剤成分となる着色微粒子を均一に分散した状態で含有させることができ、得られるガラス粒子の隠蔽性(可視光に対する)を高めることができる。
なお、母材として金属・半金属アルコキシドまたは金属・半金属有機酸塩に由来する金属・半金属酸化物を使用した場合には、この母材中に含有させた着色剤成分となる着色微粒子の分散性は不十分となり、得られるガラス粒子の隠蔽性はそれほど高くないものとなる。
本発明に用いる着色微粒子内包ガラス粒子において、母材となる金属・半金属酸化物の内部に分散・内包する着色微粒子としては、インク種(水性インク、油性インク、ゲルインク、修正液)、並びに、筆記具、塗布具の各用途、例えば、ボールペン用、マーカー用、修正液用などの各用途により、好適な着色微粒子を分散・内包することができ、これらに用いる着色微粒子としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド粒子、金属・半金属酸化物、無機顔料、有機顔料から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びランプブラックなどが挙げられる。ダイヤモンド粒子としては、例えば、爆発法、静圧法、衝撃圧縮法、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンド粒子が挙げられ、形態としては、例えば、多結晶ダイヤモンド粒子、単結晶ダイヤモンド粒子およびクラスターダイヤモンドなどが挙げられる。具体的には、ナノ炭素研究所社製の商品名「ナノアマンドB」、東名ダイヤモンド工業社製のMDシリーズ、住石マテリアルズ社製のSCMナノダイヤ、SCMファインダイヤ、ナノテックシステムズ社製CD(Cluster Diamond)、CDS(Cluster Diamond Slurry)、GCD(Graphite Cluster Diamond)、GCDS(graphite Cluster Diamond slurry)、JETRO社製人口ダイヤモンド等を用いることができる。
カーボンナノチューブとしては、例えば、単層ナノチューブ(SWNT)、2層ナノチューブ(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)からなるものが挙げられ、具体的には、三井物産社製のカーボンナノチューブ、CNT.Ltd社製のSWNT、DWNT、MWNT、GSI Creos社製のカルベール、昭和電工社製のVGCFなどを用いることができ、これらは非晶質であっても、フッ素等の添加物が添加されているものであってもよい。
カーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが挙げられ、具体的には、フロンティアカーボン社製ナノムパープル、ナノムブラック、ナノムスペクトラなどの種々のフラーレン製品を使用でき、金属内包フラーレン、分子内包フラーレン等炭素以外の物質を含むものも用いることができる。
黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが挙げられる。
金属・半金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化銀などが挙げられ、無機顔料として、例えば、鉄黒、紺青、群青、青色1号、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化チタン、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、DPPレッド、黄色4号、黄色5号、緑色3号、金ナノ粒子などが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料などが挙げられる。
本発明に用いる着色微粒子内包ガラス粒子において、好ましくは、発色性、平滑性、粉体強度の点から、母材となる金属・半金属酸化物の内部に分散・内包する微粒子の平均粒径は、1〜300nmの範囲、更に好ましくは、10〜250nmの範囲となるナノサイズとなるものが望ましい。
用いる着色微粒子内包ガラス粒子における上記着色微粒子の含有量は、ガラス粉体中に、好ましくは、5〜80質量%、更に好ましくは10〜70質量%含有されることが望ましい。この含有量が5質量%未満の場合は、着色成分の発色が少なく隠蔽性が悪く、一方、80質量%を超えると、着色微粒子内包ガラス粒子が脆くなってその機械的強度が低下することとなる。
また、用いる着色微粒子の形状としては、不定形、球状、円柱状、紡錘状等、特に限定はされないが、好ましくは、上記平均粒径の範囲となるものが望ましい。なお、上記微粒子の含有量(含有率、質量%)は、〔(微粒子の質量)/(ガラス粉体の質量)〕×100によって算出した。
本発明に用いる着色微粒子内包ガラス粒子は、インク種、筆記具、塗布具の各用途により、好適な大きさ、形状のものを用いることができ、好ましくは、フレーク状(平板状)、粒状、球状、棒状、針状、中空状となるガラス粒子が望ましい。
着色微粒子内包ガラス粒子がフレーク状(平板状)の場合には、平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下となるものが好ましく、更に好ましくは、平均厚さ0.1〜1μm、アスペクト比5〜100であり、かつ、平面度が0.1〜100nmとなるものが望ましい。
この平均厚さが0.1μm未満では、製造が困難で、かつ、破砕され易いなどの問題が生じることとなり、一方、2μmを超えると、筆記具用液体インク組成物に含有した場合、結果的に粒子の重さが増大し、経時安定性に問題が生じ、筆記性に影響する可能性が出てくる。また、アスペクト比が5未満では、凝集を起こし易くなり、一方、平均アスペクト比が150を超えると、凝集沈降した際の沈降物が強固となる。更に、平面度が200nmを越えると、結果的に比表面積が増大し、分散不良となる可能性が高くなる。
また、着色微粒子内包ガラス粒子が粒状の場合には、平均粒径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmとなるものが好ましく、更に好ましくは、平均粒径1〜30μm、真球度0.1〜10μmとなるものが望ましい。
この平均粒径が0.1μm未満では、ガラス粒子が凝集し易いため、むらとなりやすく、一方、50μmを超えると、インクの吐出不良や、ペン芯、中綿内での目詰まりが起こりやすくなる。また、真球度0.1μm未満では、粒子の製造が困難で、コストアップの割には、分散性、発色性に見るべきものがなく、一方、50μmを越えると、インク中での分散性、発色性および筆記性に問題が出る可能性が高まり、好ましくない。
なお、上記着色微粒子内包ガラス粒子の平均粒子径はレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックII(日機装(株)製)により、平均厚さは電子顕微鏡によるガラス粒子50個測定の単純平均により、平均アスペクト比は上記平均粒径の値を上記平均厚さ値で除することによりそれぞれ求めることができる。また、本発明(後述する実施例等を含む)において、「真球度」とは、JIS B 1501に玉軸受用鋼球の測定方法として規定されているものと同等のものをいう。これによると真球度は、測定する鋼球1個を真円度測定機で互いに90°をなす2または3赤道平面上の鋼球表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大値として求めるとあるが、本発明のガラス粒子は微小過ぎるためこの方法では計れないためJISに準拠した測定を行うこととした。SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の1赤道平面についてのみ、最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として真円度を画像処理によって測定し、真球度の値とした。
本発明の着色微粒子内包ガラス粒子は、有機金属化合物を含有し、更に、10〜80質量%を含む溶液を用いてゾルゲル法によって合成(製造)することができる。例えば、フレーク状の場合は、金属の有機化合物と水を含む溶液に上記着色微粒子を分散させてなる原液を調製し、この原液を、平滑面を有する基材の表面に塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を加熱乾燥処理により薄片状として、次いで生成した薄片を前記基材より剥離した後、この剥離した薄片を200〜1,200℃で焼成し、必要に応じて粉砕・分級して、任意の平均厚さ、アスペクト比、平面度等となるフレーク状の着色微粒子内包ガラス粒子を製造することができる。
また、粒状の場合は、上記原液をオイルバス中に滴下して、熱硬化させた後、オイルを除去して200〜1200℃で焼成し、必要に応じて粉砕、分級して、目的の平均粒径、真球度等となる着色微粒子内包ガラス粒子を製造することができる。
更に必要に応じて、母材内に着色微粒子を分散・内包する際に、後述する染料を含有しても良く、また、得られた着色微粒子内包ガラス粒子の表面をシリコーン、フッ素系樹脂等で表面処理して適宜疎水化処理を施してもよい。
本発明に用いることができる着色微粒子内包ガラス粒子としては、具体的には、着色微粒子が酸化チタン、母材がシリカとなるフレーク状の微粒子酸化チタン分散・内包多孔質シリカフレーク、市販品では、ナノフレックスNPT30K3TA(日本板硝子社製)、着色微粒子がカーボンブラック、母材がシリカとなるフレーク状の微粒子カーボンブラック分散・内包多孔質シリカフレーク、着色微粒子が群青、母材がシリカとなるフレーク状の微粒子群青分散・内包多孔質シリカフレーク、着色微粒子がベンガラ、母材がシリカとなるフレーク状の微粒子ベンガラ分散・内包多孔質シリカフレーク、酸化クロム分散内包シリカフレーク、金属酸化物焼結顔料分散・内包シリカフレーク、有機顔料(アゾ、フタロシアニン等)分散・内包シリカフレーク、およびそれらの多孔体、着色微粒子がカーボンブラック、母材がシリカとなる微粒子カーボンブラック分散・内包多孔質球状シリカ、着色微粒子が群青、母材がシリカとなる微粒子群青分散・内包多孔質球状シリカ、着色微粒子がベンガラ、母材がシリカとなる微粒子ベンガラ分散・内包多孔質球状シリカ、金属酸化物焼結顔料分散・内包球状シリカ、有機顔料(アゾ、フタロシアニン)分散・内包球状シリカ、およびそれらの多孔体などを用いることができる。
本発明に用いる着色微粒子内包ガラス粒子は、上述の如く、着色微粒子となるカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物、無機顔料、有機顔料などの微粒子(ナノ粒子)が分散した状態で母材中に固定化されるため、再凝集せず、低粘度化が可能となり、同様に微粒子(ナノ粒子)がナノ分散し再凝集しにくいため固体配合比を高めることが可能となり、その結果として発色性が良好となり、描線の乾燥速度が速く、しかも、マトリックスによって付加価値が得られるものとなる。また、ガラス粒子の表面がミクロン〜サブミクロンオーダーでの面となっているため、潤滑性がよく、書き味(筆記性能)にも優れたものとなる。また、ガラス粒子本体(母材)をシリカとすることにより、低屈折率化によって光の散乱や反射が抑えられ、ガラス粒子本体(母材)を酸化アルミウム、酸化ジルコニアとすることにより、硬硬度でき、更に、ガラス粒子本体(母材)を酸化チタンとすることにより、光屈折率化を発揮せしめることができる。
特に好ましくは、上記特性の着色微粒子(ナノ粒子)を分散・内包したガラス粒子本体〔母材がシリカガラスとなるものが、光の散乱や反射が抑えられ特に好ましい発色性、筆記性等を発揮せしめる点から望ましい。
これらの着色微粒子内包ガラス粒子の含有量としては、インク種、筆記具、塗布具の各用途により、変動するものであり、筆記具用液体インク組成物が油性、水性、ゲルタイプのボールペン用又はマーカー用では、該液体インク組成物(全量)中に、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜50質量%、更に好ましくは、5〜40質量%とすることが望ましい。
このガラス粉体の含有量が3質量%未満であると、十分な発色性が得られず、また、光沢の変化も無い結果となり、一方、50質量%を超えると、インクの粘度が著しく増大するので、好ましくない。
また、筆記具用液体インク組成物が油性、水性タイプの修正液用では、該液体インク組成物(全量)中に、着色微粒子内包ガラス粒子を30〜80質量%、更に好ましくは、30〜50質量%とすることが望ましい。
このガラス粉体の含有量が30質量%未満であると、十分な隠蔽性が得られず、また、白の発色も不十分となり、一方、80質量%を超えると、粘度の増大が顕著となり、好ましくない。
本発明の筆記具用液体インク組成物は、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を含有するものであるが、その他の成分はインク種、筆記具(塗布具含む)の用途により、変動するものであり、各用途のインク種の各成分、例えば、溶媒(水、有機溶剤)、界面活性剤、分散剤、粘度調整剤、ゲル化剤、樹脂、染料、防菌材、pH調整剤などを適宜選択して用いることができる。
例えば、溶媒としては、水(精製水、水道水、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等)、有機溶剤の少なくとも1種が用いられる。
有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、グリセリン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピルなどの少なくとも1種が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などの少なくとも1種が挙げられる。
また、分散剤としては、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、アルキッド樹脂、アクリル系樹脂、不飽和熱可塑性樹脂エラストマー、飽和熱可塑性エラストマー、ビニルアルキルエーテル樹脂、環化ゴム、石油樹脂、テルペン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの少なくとも1種が挙げられる。
粘度調整剤としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼインクサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩などの少なくとも1種が挙げられる。
染料は、上述のガラス粒子内に着色微粒子と共に内包、または、溶媒中に溶解させてもよく、インク種等に応じて、油溶性染料、水溶性染料などを用いることができる。
油溶性染料としては、例えば、アゾ染料、造塩体染料、含金属染料、アントラキノン染料、縮合型染料、フタロシアニンスルホアマイド染料等を挙げることができ、具体的な例としては、C.I.Solvent Yellow 2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同23、同56、同61、同80、C.I.Solvent Orange 1、同2、同5、同6、同14、同37、同40、同44、同45、C.I.Solvent Red 1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.Disperse Red 9、C.I.Solvent Violet8、同13、同14、同21、同27、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Solvent Blue 2、同11、同12、同25、同35、同36、同55、同73、C.I.Solvent Green 3、C.I.Solvent Brown 3、同5、同20、同37などの少なくとも1種が挙げられる。
また、水溶性染料としては、例えば、エオシン、フオキシン、ウォーターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB等の酸性染料;ダイレクトブラック154,ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBB等の直接染料;ローダミン、メチルバイオレット等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられる。
防菌剤としては、ペンタクロロフェノールナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2,4−チアゾリルベズイミダゾール、パラオキシ安息香酸エステルなどの少なくとも1種が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、リン酸カリウム、トリエタノールアミンなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明の筆記具用液体インク組成物は、上記着色微粒子内包ガラス粒子の他、インク種、筆記具(塗布具を含む)の用途により、上記各成分を好適に組み合わせ、攪拌機、ビーズミルなどで分散処理などして常法により、油性、水性、ゲルタイプのボールペン用又はマーカー用の液体インク組成物、修正液用の液体インク組成物を調製することができる。
筆記具用液体インク組成物が水性マーカー用インク組成物では、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%、分散剤としてαメチルスチレン−アクリル共重合体(ジョンクリル61J、ジョンソン社製、30質量%水溶液)を1〜30質量%、有機溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテルを2〜30質量%、防腐剤として1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを0.01〜1質量%、水を少なくとも含有することが好ましい。また、油性マーカー用インク組成物では、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%、分散樹脂としてベッコゾールP−470−70(大日本インク社製)を5〜20質量%、固着樹脂としてYSポリスターT−115(ヤスハラケミカル社製)を5〜30質量%、有機溶剤を少なくとも含有することが好ましい。
また、筆記具用液体インク組成物が水性ボールペン用インク組成物では、各成分の含有量としては、インク組成物全量に対して、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%、
上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%、有機溶剤はエチレングリコールを5〜30質量%、分散剤としてジグリセリンのエチレンオキサイド30モル付加物を1〜10質量%、PH調整剤としてトリエタノールアミンを0.1〜5質量%、水を少なくとも含有することが好ましい。また、油性ボールペン用インク組成物では、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%、分散樹脂としてポリビニルピロリドンを5〜30質量%、溶剤を少なくとも含有することが好ましい。
更に、筆記具用液体インク組成物が修正液用インク組成物では、上述の如く、着色微粒子内包ガラス粒子を30〜80質量%、酸化チタン、分散樹脂兼固着樹脂としてアクリベースLP−209(藤倉化成社製)を3〜30質量%、溶剤を少なくとも含有することが好ましい。
このように構成される筆記具用液体インク組成物では、着色微粒子内包ガラス粒子は、上述の如く、着色微粒子となるカーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物、無機顔料、有機顔料などの微粒子(ナノ粒子)が分散した状態で母材中に固定化されるため、インク中で再凝集せず、低粘度化が可能となり、同様に着色微粒子がナノ分散し再凝集しにくいため固体配合比を高めることが可能となり、その結果として発色性が良好となり、描線の乾燥速度が速く、しかも、マトリックスによって付加価値が得られるものとなる。また、ガラス粒子の表面がミクロン〜サブミクロンオーダーでの面となっているため、潤滑性がよく、筆記具、塗布具のペン先での目詰まりもなく、書き味(筆記性能、塗布性能)にも優れたものとなる。また、ガラス粒子本体(母材)をシリカガラスとすることにより、低屈折率化によって光の散乱や反射が抑えられ、特に好ましい発色性、筆記性能等を発揮せしめることができるものとなる。
次に、実施例及び比較例等により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜17及び比較例1〜9〕
用いる着色微粒子内包ガラス粒子として、下記により得た、1)着色微粒としてカーボンブラック(大きさ:24nm、内包量30質量%)を分散・内包したカーボンブラック内包シリカガラス粒子、2)着色微粒としてカーボンブラック(大きさ:24nm、内包量30質量%)、染料(ニグロシン染料、内包量3質量%)を分散・内包したカーボンブラック・ニグロシン染料内包シリカガラス粒子、3)着色微粒子として群青(大きさ:100nm、内包量30質量%)を分散・内包した群青内包シリカガラス粒子、4)着色微粒子としてアゾレーキ赤色顔料(大きさ:100nm、内包量30質量%)を分散・内包したアゾレーキ赤色顔料内包シリカガラス粒子、5)着色微粒子として酸化チタン(大きさ:30nm、内包量30質量%)を分散・内包した酸化チタン内包シリカガラス粒子を用いた。
上記1)のカーボンブラック内包シリカガラス粒子は、シリカと水を含む溶液に上記カーボンブラックを分散させてなる原液を調整し、この原液を加熱オイルバス中に滴下し硬化させた後、200℃で焼成し、必要に応じて粉砕、分級して得たものを用いた。
上記2)のカーボンブラック・ニグロシン染料内包シリカガラス粒子では、上記1)のカーボンブラックと共に、ニグロシン染料を加えて上記1)と同様にして調製し、上記3)の群青内包シリカガラス粒子では、上記1)のカーボンブラックに代えて、群青を加えて上記1)と同様にして調製し、上記4)のアゾレーキ赤色顔料シリカガラス粒子では、上記1)のカーボンブラックに代えて、アゾレーキ赤色顔料を加えて上記1)と同様にして調製し、上記5)の酸化チタン内包シリカガラス粒子では、上記1)のカーボンブラックに代えて、酸化チタンを加えて上記1)と同様にして調製したものを用いた。
また、各着色微粒子内包ガラス粒子の平面度、アスペクト比等の物性、真球度は、下記測定方法により測定した。
(平面度等の測定方法)
a−b面が直角となってSEMで観察されている図1のような粒子に接し、且つ粒子長軸端部同士を結ぶ線分に平行な線の最大値を測定する。(n=10)
アスペクト比は、図1からc軸長を測定し、a−b面は観察画像から計測し、その比により算出した。
(真球度の測定方法)
SEMまたはTEM画面上で観察される粒子10個の最小外接円から粒子表面までの半径方向の距離の最大の値として求めた。
(実施例1、水性マーカー用黒インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 10質量%
分散剤:αメチルスチレン−アクリル共重合体(ジョンクリル61J、ジョンソン社製、30質量%水溶液) 10質量%
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.1質量%
粘度調整剤:ポリビニルピロリドン 5質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコールモノエチルエーテル 5質量%
溶剤:水(精製水) 69.9質量%
上記成分中、水、分散剤、アミノメチルプロパノールを順次添加後、着色微粒子内包ガラス粒子を加え、撹拌機で2時間のプレミキシングを行い、ビーズミルにて分散処理を行い、その後、残りの成分を加え、撹拌機にて撹拌し、水性マーカー用黒インク組成物となる黒インクを調製した。
(実施例2、水性マーカー用黒インク組成物)
上記実施例1の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例1と同様にして水性マーカー用黒インク組成物となる黒インクを調製した。
(実施例3、油性マーカー用黒インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 35質量%
アルキッド樹脂:ベッコゾールP−470−70(大日本インク社製) 8質量%
テルペンフェノール樹脂:YSポリスターT−115(ヤスハラケミカル社製)
15質量%
キシレン 42質量%
上記成分中、着色微粒子内包ガラス粒子、アルキッド樹脂、キシレンの一部を順次加え、撹拌機で2時間のプレミキシングを行い、ビーズミルにて分散処理を行い、ミルベースを作り、その後、テルペンフェノール樹脂、残りのキシレンを加え、撹拌機にて撹拌し、油性マーカー用黒インク組成物となる黒インクを調製した。
(実施例4、油性マーカー用黒インキ組成物)
上記実施例3の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例3と同様にして油性マーカー用黒インク組成物となる黒インクを調製した。
(実施例5、油性ボールペン用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 40質量%
ベンジルアルコール 5質量%
フェノキシエタノール 25質量%
ポリビニルピロリドン 15質量%
オレイン酸 5質量%
ブチルアミン 10質量%
上記成分を混合し、三本ロール後濾過し、黒色の油性ボールペン用インク組成物を調製した。
(実施例6、水性ボールペン用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 8質量%
エチレングリコール 10質量%
ジグリセリンのエチレンオキサイド30モル付加物 5質量%
スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3質量%
リノール酸カリウム 0.3質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
フェノール 0.1質量%
ベンゾトリアゾール 0.1質量%
精製水 73質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ボールペン用インク組成物を調製した。
(実施例7、水性ゲルボールペン用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例8、水性ゲルボールペン用インキ組成物)
上記実施例7の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例7と同様にして水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例9、水性ゲルボールペン用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
カーボンブラック・ニグロシン染料内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm)
10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例10、水性ゲルボールペン用インキ組成物)
上記実施例9の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例9と同様にして水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例11、水性ゲルボールペン用インク組成物
着色微粒子内包ガラス粒子:群青内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm)
10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例12、水性ゲルボールペン用インキ組成物)
上記実施例11の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例11と同様にして水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例13、水性ゲルボールペン用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
アゾレーキ赤色顔料内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例14、水性ゲルボールペン用インキ組成物)
上記実施例13の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例13と同様にして水性ゲルボールペン用インク組成物を得た。
(実施例15、油性ボードマーカー用インク組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
カーボンブラック内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 10質量%
乳化剤:オレオイルザルコシン(サルコシネートOH、日本油脂社製) 3質量%
エチルアルコール 57質量%
ノルマルプロピルアルコール 15質量%
ベンジルアルコール 5質量%
ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマックT−80、ハリマ化成社製) 8質量%
ステアロイル乳酸ナトリウム(武蔵野化学研究所社製) 2質量%
上記配合にて室温で2時間攪拌して黒色のホワイトボードマーカー用インク組成物を調製した。
(実施例16、修正液組成物)
着色微粒子内包ガラス粒子:
酸化チタン(クロノスKR−380、チタン工業社製、アルミナ− シリカ処理酸化チタン)内包シリカ粒子(真球度1μm、粒径5μm) 50質量%
樹脂:アクリベースLP−209(藤倉化成社製) 26質量%
メチルシクロヘキサン(丸善石油化学社製) 13.6質量%
シクロペンタン(丸善石油化学社製) 2.3質量%
2−メチルペンタン(試薬) 2.3質量%
エチルシクロヘキサン(丸善石油化学社製) 4.6質量%
ホモゲノールL−18(花王社、分散剤) 1.2質量%
上記各成分をボールミルにて24時間分散処理して修正液組成物を得た。
(実施例17、修正液組成物)
上記実施例16の着色微粒子内包ガラス粒子の形状を平面度30nm、a−b面粒径11μm、c軸の厚さ1.1μm、アスペクト比10の平板状としたガラス粒子を用いた以外は、上記実施例16と同様にして修正液組成物を得た。
(比較例1、水性マーカー用黒インク組成物)
カーボンブラック〔MA−100、三菱化学社製〕 10質量%
分散剤:αメチルスチレン−アクリル共重合体(ジョンクリル61J、ジョンソン社製、30質量%水溶液) 10質量%
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.1質量%
粘度調整剤:ポリビニルピロリドン 5質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコールモノエチルエーテル 5質量%
溶剤:水(精製水) 69.9質量%
上記成分中、水、分散剤、アミノメチルプロパノールを順次添加後、カーボンブラックを加え、撹拌機で2時間のプレミキシングを行い、ビーズミルにて分散処理を行い、その後、残りの成分を加え、撹拌機にて撹拌し、顔料マーカー用インク組成物となる黒インクを調製した。
(比較例2、油性マーカー用黒インク組成物)
カーボンブラック〔MA−100、三菱化学社製〕 35質量%
アルキッド樹脂(ベッコゾールP−470−70、大日本インク社製) 8質量%
テルペンフェノール樹脂(YSポリスターT−115、ヤスハラケミカル社製)
15質量%
キシレン 42質量%
上記成分中、カーボンブラック、アルキッド樹脂、キシレンの一部を順次加え、撹拌機で2時間のプレミキシングを行い、ビーズミルにて分散処理を行い、ミルベースを作り、その後、テルペンフェノール、残りのキシレンを加え、撹拌機にて撹拌し、顔料マーカー用黒インク組成物となる黒インクを調製した。
(比較例3、油性ボールペンインク組成物)
Valifast Black 1802(オリエント化学工業社製) 20質量%
Valifast Yellow 1105(オリエント化学工業社製) 5質量%
Spilon Violet C−RH(保土谷化学工業社製) 15質量%
ベンジルアルコール 5質量%
フェノキシエタノール 25質量%
ポリビニルピロリドン 15質量%
オレイン酸 5質量%
ブチルアミン 10質量%
上記各成分を混合し、加温撹拌後濾過し、黒色の油性ボールペン用インク組成物を調製した。
(比較例4、水性ボールペンインク組成物)
カーボンブラックMA100(三菱化学社製) 8質量%
エチレングリコール 10質量%
ジグリセリンのエチレンオキサイド30モル付加物 5質量%
スチレンアクリル酸樹脂アンモニウム塩 3質量%
リノール酸カリウム 0.3質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
フェノール 0.1質量%
ベンゾトリアゾール 0.1質量%
精製水 73質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ボールペン用インク組成物を調製した。
(比較例5、水性ゲルボールペン用インク組成物)
カーボンブラックMA100(三菱化学社製) 10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インクを調製した。
(比較例6、水性ゲルボールペン用インク組成物
群青(平均粒径1μm) 10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インクを調製した。
(比較例7、水性ゲルボールペン用インク組成物)
アゾレーキ赤色顔料 10質量%
プロピレングリコール 30質量%
キサンタンガム(KELZAN、三晶社製) 0.15質量%
グァーガム(グアーコール、三栄薬品貿易社製) 0.15質量%
オレイン酸カリウム 0.5質量%
ナトリウムオマジン 0.1質量%
尿素 1質量%
精製水 58.1質量%
以上の各成分を撹拌後濾過し、水性ゲルボールペン用インクを調製した。
(比較例8、油性ボードマーカー用インク組成物)
カーボンブラックMA100(三菱化学社製) 10質量%
乳化剤:オレオイルザルコシン(サルコシネートOH、日本油脂社製) 3質量%
エチルアルコール 57質量%
ノルマルプロピルアルコール 15質量%
ベンジルアルコール 5質量%
ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマックT−80、ハリマ化成社製) 8質量%
ステアロイル乳酸ナトリウム(武蔵野化学研究所社製) 2質量%
上記配合にて室温で2時間攪拌して黒色のホワイトボードマーカー用インク組成物を調製した。
(比較例9、修正液用インク組成物
酸化チタン(クロノスKR−380、チタン工業社製、アルミナ− シリカ処理酸化チタン)
50質量%
樹脂:アクリベースLP−209(藤倉化成社製) 26質量%
メチルシクロヘキサン(丸善石油化学社製) 13.6質量%
シクロペンタン(丸善石油化学社製) 2.3質量%2−メチルペンタン(試薬) 2.3質量%
エチルシクロヘキサン(丸善石油化学社製) 4.6質量%
ホモゲノールL−18(花王社、分散剤) 1.2質量%
上記各成分をボールミルにて24時間分散処理して修正液組成物を得た。
上記実施例1〜15、比較例1〜8で得られた各インク組成物について、下記各方法により、紙面に対する分散性、筆記性能及び反射濃度の評価を行い、また、上記実施例16、17、比較例9で得られた各修正液組成物について、下記各方法により、分散性、紙面に対する塗布性能及び隠蔽率の評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
(分散性の評価方法)
ねじ口瓶SV−30(日電理化硝子株式会社製)に30gそれぞれのインクを採り、密封して25℃の温度で1週間放置し、上澄みの有無などを観察して下記評価基準で評価した。
分散性評価基準
◎:上澄みは見られない。
○:わずかに上澄みが見られる。
△:明らかな沈降が見られ、容器を傾けると沈降物が容易に動く。
×:明らかな沈降が見られ、容器を傾けても沈降物は固まったまま動かない。
(筆記性の評価方法)
1) 実施例1−1、実施例2−1、比較例1−1では、三菱鉛筆社製PC−5M(商品名:ポスカ)のペン体に充填し、ポンピングを行いインク流出確認後、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
2) 実施例1−2、実施例2−2、比較例1−2では、三菱鉛筆株式会社製PCF−350(商品名:筆ポスカ)のペン体に充填し、ポンピングを行いインク流出確認後、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
3) 実施例3、4、比較例2では、三菱鉛筆社製PX−21(商品名:ペイントマーカー)のペン体に充填し、ポンピングを行いインク流出確認後、筆記用紙に25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
4) 実施例5、比較例3では、三菱鉛筆社製SA−Sボールペンのペン体に充填し、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
5) 実施例6、比較例4では、三菱鉛筆社製UB−105ボールペンのペン体に充填し、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
6) 実施例7〜14、比較例5〜7では、三菱鉛筆社製UM−120(商品名:ユニボールシグノ)のペン体に充填し、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
7) 実施例15、比較例8では、三菱鉛筆社製PC−5M(商品名:ポスカ)のペン体に充填し、ポンピングを行いインク流出確認後、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した
8)実施例16、17、比較例9では、三菱鉛筆社製CLB−300(商品名:uni-ホワイティア)のペン体に充填し、インク流出確認後、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋筆記した。
上記1)〜8)の各ペン体を用いて、上述の如く、25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙にフリーハンドで螺旋を5回×16本筆記し、下記評価基準で評価した。
筆記性能評価基準:
◎:筆記動作とともに遅滞なくインクが流出し、描線のカスレも無かった。
○:速書きによってインクの流出が遅れ気味(描線が薄い)だが、描線のカスレは無かった。
△:速書きによってインクの流出が遅れ、描線のカスレが見られた。
×:インクの流出が滞り、筆記できないことがある。
(反射濃度の評価方法)
「JIS K5400−1990」及び「JIS K5600−1999」に準拠した隠ぺい率測定紙を使い、自動アプリケーター(Yasuda seiki製、No.542−AB、Automatic Film Appricator)で1mインチ(約25.4μm)に塗布し、測定紙の白い部分を被覆した塗膜濃度をマクベス反射濃度計RD918で測定した。反射濃度が高いほど、描線濃度が濃く、発色性能が良好なことを示す。
(塗布性能の評価方法)
25℃、65%の環境でISO規格(14145−1)に準拠した筆記用紙に印刷されたフォントサイズ11ポイントの文字を、上記塗布具の先端から10秒間に流出するインクによって、隠蔽するように塗布を行い、目視によって隠蔽の具合を下記表間基準で評価した。
塗布性能評価基準
◎:塗布動作とともに遅滞なくインクが流出し、文字は完全に隠蔽された。
○:速塗りによってインクの流出が遅れ気味(インク量が少ない)だが、文字は完全に隠蔽された。
△:速塗りによってインクの流出が遅れ、隠蔽したはずの文字の一部が見えた。
×:インクの流出が滞り、隠蔽したはずの文字が読めることがある。
(隠蔽率の評価方法)
「JIS K−4−1」に準拠した隠蔽率測定紙を使い、自動アプリケーター(Yasuda seiki製、No.542−AB、Automatic Film Appricator)で50μmに塗布し、多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製)により測定した数値から隠蔽率を計算した。
Figure 2011195803
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲の実施例1〜15の各インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜8に較べて、筆記性能に優れ、反射濃度の高く、十分な描線濃度となり発色性にも優れることが判明した。また、本発明範囲の実施例16、17の修正液は、本発明の範囲外となる比較例9に較べて、塗布性能に優れ、隠蔽性にも優れていることが判明した。
発色性、筆記性能等に優れたボールペン用、マーカー用、修正液用等に好適な筆記具用液体インク組成物が得られる。

Claims (12)

  1. 着色微粒子を分散・内包させたガラス粒子を含有し、該ガラス粒子を溶媒中に分散させたことを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
  2. 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、シリカガラスであることを特徴とする請求項1記載の筆記具用液体インク組成物。
  3. 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、平均厚さ0.1〜2μm、アスペクト比5〜150であり、かつ、平面度が200nm以下のフレーク状であることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用液体インク組成物。
  4. 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、平均粒子径0.1〜50μm、真球度0.1〜50μmの粒状であることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用液体インク組成物。
  5. 前記着色微粒子内包ガラス粒子に内包される着色微粒子の平均粒子径が1〜300nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物。
  6. 前記着色微粒子内包ガラス粒子に内包される着色微粒子が、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、金属酸化物、無機顔料、有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物。
  7. 溶媒が、水、有機溶剤の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物
  8. 更に、界面活性剤、分散剤及び粘度調整剤のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7に記載の筆記具用液体インク組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物がボールペン用又はマーカー用液体インク組成物であり、該液体インク組成物中に、前記着色微粒子内包ガラス粒子を3〜20質量%含有することを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
  10. 請求項1〜8の何れか一つに記載の筆記具用液体インク組成物が修正用液体インク組成物であり、該液体インク組成物中に、前記着色微粒子内包ガラス粒子を30〜80質量%含有することを特徴とする筆記具用液体インク組成物。
  11. 更に、染料をガラス粒子内、または、溶媒中に含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載の筆記具用インク組成物。
  12. 前記着色微粒子内包ガラス粒子が、有機金属化合物を含有し、更に10〜80質量%の水を含む溶液を用いてゾルゲル法によって合成されることを特徴とする請求項1〜11の何れか一つに記載の筆記具用インク組成物。
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