JP4137534B2 - 中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間の経過の後にも、筆記の際に色別れが起こらず、また、中芯中で顔料の沈降が抑えられ、かくして、保存性にすぐれると共に、筆記性にもすぐれる中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マーキングペン用インキ組成物は、着色剤として染料を用いると共に、溶剤として有機溶剤を用いるものから、着色剤として顔料を用いると共に、溶剤として水性溶剤を用いるものに転換しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
着色剤として顔料を用いるマーキングペンインキ組成物は、堅牢性や隠蔽性にすぐれる反面、インキ組成物中において、顔料の沈降分離が生じやすい。特に、胴部のインキ貯蔵手段から毛細管現象にてインキをペン先に流出させて筆記する所謂中芯式マーキングペンに用いた場合に、経時的に中芯中で顔料が沈降して、筆跡に濃淡を生じたり(色別れ)、また、フェルトチップやプラスチック成形物等からなるペン先でインキ組成物が目詰まりを起こして、筆記のかすれを引起し、場合によっては、筆記を不可能とすることさえある。特に、酸化チタンなどの白色顔料やアルミニウム顔料などの金属粉顔料などが含まれる顔料インキの場合はこの傾向が顕著である。
【0004】
例えば、アルミニウム顔料を含むメタリックインキ組成物を中芯式マーキングペンとして使用すると、アルミニウム顔料の粒径は、通常の顔料と比較して大きい為、筆記中に繊維束であるペン先にアルミニウム顔料が詰まり、筆記できなくなる。また、従来のマーキングペン用インキ組成物は、ボールペン用インキ組成物等と比較して低粘度であり、アルミニウム顔料が沈降しやすい。しかし、中芯式構造をもつマーキングペンは、インキフリー構造の様に、筆記具を振る等の手段によって容器内に収納されたインキの攪拌を行うことができない。よって、中芯式マーキングペンにおいては、アルミニウム顔料の沈降により不均一化されたインキを再び均一な状態に回復することができず、筆跡又は塗膜の濃淡が発生しやすい。また、ペンの上下両側にペン先を有するツイン式のマーキングペンに充填し正立させた場合、上側と下側とで筆跡の濃淡が顕著となる。
【0005】
また、中芯式マーキングペン用インキ組成物は、インキフリータイプのマーキングペン用インキ組成物の製造と同様に、公知の撹拌装置等により顔料等を分散して製造されるものであるが、アルミニウム顔料を含む場合についても均一な筆跡を得るために分散等が行われる。そのためインキ組成物製造時において、アルミニウム顔料は、撹拌等により衝撃などの物理的外力を受けることとなる。特に低粘度下での撹拌は、より衝撃を受けやすくなる。ここで、アルミニウム顔料は、アルミニウムと水とが直接反応した場合に水素ガスを発生し、金属光沢を失って白色となる現象を生じるので、かかる現象を防止するためにアルミニウム顔料の表面を脂肪酸、脂肪酸塩または無機燐酸塩で付着処理を施しているのが通常である。しかし、このような脂肪酸、脂肪酸塩または無機燐酸塩の処理剤により付着処理されたアルミニウム顔料は、分散のためにインキ中に配合された界面活性剤や製造時の撹拌等の物理的外力により、折れ曲がり、付着処理に用いた処理剤がアルミニウム顔料表面から部分的に脱離するために、水溶媒中でアルミニウム自体が露出する。かかる場合には、アルミニウムと水とが直接反応して、マーキングペン中で水素ガスが発生し、また、表面のアルミニウムが水酸化物に変化するためにアルミニウム顔料が金属色を呈さなくなる。また、中芯式マーキングペン用水性インキ組成物は、ペン内部のインキ貯蔵部である繊維束に保持されるものであるから、中芯式マーキングペン用水性インキ組成物に用いられる添加剤等が繊維束に吸着される場合もある。
【0006】
本発明は、従来の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物における上述した問題を解決するためになされたものであって、中芯中で顔料が沈降することを防止することができ、時間の経過後に中芯中で顔料が沈降しても、筆跡に濃淡が生じたり(色別れ)、また、フェルトチップやプラスチック成形物等からなるペン先でインキ組成物が目詰まりを起こして、筆記のかすれを引起すこともなく、保存性に優れ、筆記性にすぐれた中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物を提供することを目的とする。
【0007】
特に、本発明の目的は、アルミニウム顔料を含む中芯式マーキングペン用メタリックインキ組成物において、中芯中でアルミニウム顔料が経時的に沈降しても、筆跡又は塗膜に濃淡が生じたり、アルミニウム顔料による繊維束からなるペン先の目詰まりが発生せず、良好なインキの流出性と筆記距離とを与えることができる水性メタリックインキ組成物を提供するところにある。
【0008】
さらには、本発明の目的は、アルミニウム顔料を含む中芯式マーキングペン用メタリックインキ組成物において、水素ガスの発生に問題がなく、経時後に筆記しても光輝性に優れた筆跡を得ることができる水性メタリックインキ組成物を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物である。
これにより、中芯に前記インキを貯蔵させ、静置時に顔料が中芯の繊維組織内で沈降しても、筆跡に濃淡が生じたり、ペン先でインキ組成物が目詰まりを起こして、筆記のかすれを引起すこともなく、すぐれた筆記性を実現することができる。
【0010】
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、中芯に前記インキを貯蔵させ、静置時に、中芯を構成する繊維の毛管組織のそれぞれの孔(セル)内において顔料が沈降しても、インキは上記の通りに増粘していることから、顔料の沈降を抑えることができ、顔料の沈降は緩慢となる結果、顔料が凝集し沈降しても、その顔料の沈降物はいわばソフトケーキ状態で凝集することになる。一方、筆記時、インキに剪断力が作用すると、粘度降下を伴いながら繊維の毛管組織内をインキが流動していくが、その際、前記沈降物はいわばハードケーキ化していないため、その粘度降下に伴う流動によって、インキは前記孔(セル)内でミクロ的な再攪拌が起こり、前記中芯と同様の繊維組織を持つペン先でも顔料が分散された状態で流出していき、筆跡に濃淡が生じず、かつ目詰まりを起こすことなく、優れた筆記性が実現できるものと考えられる。
【0011】
従って、インキ組成物には前記の粘度に調整することができる増粘剤を含有することが好ましく、中でも、本発明は、増粘剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体、ポリアクリル酸有機アミン塩及びポリオールから選ばれる少なくとも1種の揺変剤を含有することが望ましい。
【0012】
また、顔料としてアルミニウム顔料を用いる場合は、そのメジアン径が7μm以下であるアルミニウム顔料を用いることが好ましい。
【0013】
そして、アルミニウム顔料、定着性樹脂、増粘剤、水溶性有機溶剤、水を含み、上記アルミニウム顔料粒子のメジアン径が7μm以下である中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物であれば、中芯中でアルミニウム顔料の沈降を抑制することができ、アルミニウム顔料が経時的に沈降しても、ペン先からは再分散されたインキが流出され、繊維束からなるペン先の目詰まりも発生しないため、良好なインキの流出性と筆記距離を与えることができることを見出した。
【0014】
また本発明者らは、アルミニウム顔料及び燐酸エステル型界面活性剤を含み、前記燐酸エステル型界面活性剤がアルキル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸及びこれらの燐酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物である中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物を用いることにより、水素ガスの発生を抑えることができ、経時後に筆記しても光輝性が変ることが無く、繊維束の孔内でのつまりが生じにくいために良好なインキの流出性と長い筆記距離とを維持することができることを見出した。
【0015】
また、本発明者らは、糸密度が0.150〜0.240g/cmである中芯に、前記の様なインキ組成物が吸蔵された中芯式マーキングペンは、更に優れたインキの流出性と筆記適性を発現することを見出した。
【0016】
また本発明者は、pHが6〜9に調整された中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物は、保存安定性が良好であり、優れたインキの流出性と筆記特性を長期にわたって維持できることを見出した。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、中芯式マーキングペンとは、筒状の本体の先端にフェルトチップやプラスチック成形物等からなるペン先を備えると共に、本体内に、繊維束にインキを含浸させてなるインキ貯蔵部を備え、このようなインキ貯蔵部からペン先に毛細管現象を利用してインキを供給し、筆記を可能とする筆記具をいう。本発明による中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物は格別限定されるものでない。通常、それは、溶剤、着色剤、定着用樹脂及び増粘剤を含み、更に、必要に応じて、隠蔽剤、湿潤剤、乾燥促進剤、レベリング剤等を含むが、特に、水性顔料インキ組成物をメタリックインキとする場合は、さらにアルミニウム顔料などの金属顔料が含まれる。
【0018】
(増粘剤)
本発明によるインキ組成物は、増粘剤、特に揺変剤を含み、これによって、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるように、粘度が調節されている。
【0019】
本発明においては、上記増粘剤としては、通常、水溶性樹脂が好ましく用いられる。特に、増粘剤としては、既述の様な剪断減粘性の性質を示し、静置時にインキの粘度によって顔料が沈降することを防止することができる揺変剤が好ましい。中でも、顔料粒子の沈降が抑えられ、顔料が沈降しても当該顔料の沈降物がいわゆるハードケーキではなくソフトケーキをつくる程度に、顔料に凝集作用を与えることができる揺変剤を用いることが重要である。なお、本発明において「顔料の沈降防止」とは、文字通りインキ中で顔料が沈降することを防止することのみならず、顔料の沈降を抑止し、顔料の沈降を緩慢にして顔料の沈降物がハードケーキ化しないことを意味している。
【0020】
従って、本発明で用いることができる増粘剤は、粘度調整ができ、顔料の沈降をゆっくり行わせることができるものであればよい。
【0021】
このような増粘剤乃至揺変剤として、例えばポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリオール、ウレタン変性ポリオール、ポリアクリル酸有機アミン塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマーの共重合体等を用いることができる。これらの化合物は、1種を用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。さらに具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等や、ポリアクリル酸有機アミン塩、例えば、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩等や、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリ―N―ビニルアセトアミド、ポリオールやポリエーテル、なかでも、種々の変性ポリオールや変性ポリエーテル等を挙げることができる。ポリアクリル酸としては、日本純薬社製「ジュリマーAC−20」、「ジュリマーAC−20L」、「ジュリマーAC−20H」、クラリアント株式会社製「MOWIPLAS XW−330」を例示することができる。ポリオールとしては、サンノプコ株式会社製「SNシックスナー615」を例示することができる。ウレタン変性ポリオールとしては、旭電化工業株式会社製「アデカノールUH−752」を例示することができる。ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体としては、昭和電工株式会社製「PNVAGE−167L」、「PNVA GE−191LH」を例示することができる。
【0022】
このような増粘剤乃至揺変剤は、インキ組成物において、得られるインキ組成物が上述した範囲の粘度を有するように配合される。従って、増粘剤(揺変剤)の配合量は、一律に定めることができないが、本発明の増粘剤乃至揺変剤は、インキ組成物全量に対して0.01〜20重量%含まれていることが好ましい。増粘剤乃至揺変剤がインキ組成物全量に対して0.01重量%未満の場合は、粘度が低下して顔料、特にアルミニウム顔料の沈降が生じやすく、経時後に緩慢な沈降が得られにくい。一方、増粘剤乃至揺変剤がインキ組成物全量に対して20重量%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなり、筆記し難くなり、筆記適性が低下する。更に好適な増粘剤乃至揺変剤の含有量は、水性顔料インキ組成物全量に対して0.01〜10重量%である。なお、ポリアクリル酸の場合であれば、インキ組成物に基づいて、0.01〜3重量%の範囲、中でも、0.5〜1.5重量%の範囲で用いることが最適である。
【0023】
(粘度)
本発明によれば、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・sよりも小さいインキ組成物は、時間の経過につれて、顔料が中芯内でいわばハードケーキ状態の沈降物となるように沈降する。一方、温度20℃において、応力10Paのときの粘度が12mPa・sよりも大きいインキ組成物は、筆記に際して、繊維束チップからなるペン先からの流出性が良くなく、筆跡にかすれを生じる。
【0024】
従来、マーキングペン用インキ組成物の粘度は、回転式粘度計を用いて測定されることが多いが、本発明によれば、回転式粘度計による粘度によっては、インキ組成物における前記色別れや顔料の前記の様な沈降を防止する粘度値を求めることができない。しかし、本発明に従って、特に、応力0.01Paのときの粘度を45mPa・s以上としたインキ組成物によれば、経時的な色別れや顔料の沈降が規制される。応力が0.01Paの状態とは、応力が極めて小さい状態であって、この状態において、インキ組成物の粘度が45mPa・sよりも大きいことが、顔料の沈降を規制し、経時後における顔料沈降物のハードケーキ化を阻止し、繊維組織内を通過するインキの流出によって再分散性を持ったインキとすることができる。
【0025】
なお、顔料としてアルミニウム顔料を水性顔料インキ中に含有する場合、ELD型粘度計を用い、ローターに1°34´、R24を用い、温度20℃において計測することを測定条件とした場合は、回転数50rpmでの粘度が3〜12mPa・sであることが好ましく、さらに前記測定条件において50rpmでの粘度が3〜12mPa・sであって、且つT.I.値(2.5rpm/50rpm)が1.2以上であることが好ましい。前記測定条件において回転数50rpmでの粘度が3mPa・s未満である場合には、筆記時のインキ流出が多くなりすぎる。前記測定条件において回転数50rpmでの粘度が12mPa・sを超える場合には、筆記時の流出量が少なくなる。また、前記の測定条件においてT.I.値(2.5rpm/50rpm)が1.2未満である場合は、アルミニウム顔料の沈降が生じやすくなる。なお、前記T.I.値は、粘度計がELD型粘度計、温度が20℃の条件において、同一のローターを用い、ローターの回転数が2.5rpmで測定された粘度を、回転数50rpmで測定された粘度で除したものであり、また、回転数2.5rpmでの粘度を測定し、一定時間経過後に回転数50rpmの粘度を測定したものである。
【0026】
(着色剤)
本発明によれば、着色剤として、有彩色顔料、黒色顔料、着色樹脂粒子等が用いられる。上記有彩色顔料、黒色顔料などは、無機顔料でも有機顔料でもよい。例えば、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色エマルションなどが挙げられる。また、これらの顔料分散体や市販の顔料分散体も前記着色剤として使用することができる。なお、着色剤として、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料などの水溶性染料(トリフェニルメタン系、キサンテン系、アントラキノン系、金属錯体系、銅フタロシアニン系など)を用いることもできる。これらの着色剤は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
このような着色剤は、インキ組成物において、通常、1〜50重量%の範囲、好ましくは、3〜30重量%の範囲で用いられる。インキ組成物における着色剤の割合が50重量%を越えるときは、得られるインキ組成物の粘度が高すぎて、筆記時にペン先で目詰まりを起こしやすい。しかし、インキ組成物における割合が1重量%よりも少ないときは、実用的な濃度の筆跡が得られない。
【0028】
本発明において着色剤を顔料分散体として用いる場合には、特に限定されるものではないが、例えば、着色剤に分散樹脂を加え、更に中和剤を加えて溶解させた後にボールミル等の公知の装置を用いて分散することにより顔料分散体を得ることができる。上記の分散剤としては、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体並びにアルキド系、エポキシ系、ポリエステル系、ウレタン系等の水溶性樹脂等を挙げることができ、好適なものとしてはスチレン−アクリル系樹脂を挙げることができる。また、上記中和剤としては、中和剤として使用できるものであれば特に限定されるものではないが、アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム等が挙げられ、好適なものとしてはアンモニアを挙げることができる。
【0029】
(アルミニウム顔料)
本発明において、水性メタリックインキ組成物を得る場合は、アルミニウム顔料を用いることができる。当該アルミニウム顔料は、金属光沢を有し、分散性の良いものであれば用いることができるが、強いメタリック感を得るために鱗片状粒子であるものが好ましい。また、アルミニウム顔料は、ペーストとして用いることができ、顔料粒子表面に耐水処理が施されたものが好ましい。例えば、アルミニウム片をステアリン酸、無機燐酸などの減磨剤等と適当な液体と共にボールミルで粉砕する方法などの公知の方法により得られたものを用いることができる。なお、より強い光輝感を得るために、リーフィングタイプのアルミニウム顔料のペーストを用いることが好ましい。しかし、ペン先での目詰まりを防止し、良好なインキの流出性と筆記距離を得る為には、繊維束の孔より流出しやすくするためにメジアン径が7μm以下であるものが好適である。また、アルミニウム顔料による強いメタリック感を得る為には、メジアン径が3μm以上であることが好ましい。
【0030】
本発明のアルミニウム顔料としては、具体的には、商品名「アルペーストWXM0660」(メジアン径約4.5μm、固形分約60%)、商品名「アルペーストWXM0650」(メジアン径約5μm、固形分約60%)、商品名「アルペーストWXM0630」(メジアン径約7μm、固形分約60%)(以上、リーフィングタイプ、東洋アルミニウム株式会社製)を用いることができる。なお、前記メジアン径は、レーザー回折式粒度分布計により測定されたものである。アルミニウム顔料は、メジアン径や形状について1種を用いることもできるが、異なるメジアン径や形状のものを2種以上組み合わせて用いることも可能である。
アルミニウム顔料を含有する水性メタリックインキ組成物の場合、当該アルミニウム顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して固形分で0.01〜30重量%含まれていることが好ましい。アルミニウム顔料の含有量がインキ組成物全量に対して固形分で0.01重量%未満であると、筆跡又は塗膜のメタリック感(光輝感)を得にくくなる。一方、アルミニウム顔料の含有量がインキ組成物全量に対して固形分で30重量%を越えると、固形分が多くなり、粘度、流動性への影響が大きくなり、ペン先からのインキの流出がしにくくなる。更に好適なアルミニウム顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して0.3〜20重量%である。アルミニウム顔料とそれ以外の着色剤を用いる場合、当該着色剤は、アルミニウム顔料と反応しないものであり、アルミニウム顔料の発色性を阻害せず、溶解性若しくは分散性が良いものが好ましい。
【0031】
なお、アルミニウム顔料を含有する水性メタリックインキ組成物の場合、当該アルミニウム顔料以外に前記着色剤を用いることができる。この場合、着色剤としてメジアン径が0.5μm以下である顔料が好ましく、さらに90%粒径(D90)が1μm以下である顔料がより好ましい。当該着色剤のメジアン径が0.5μmより大きい場合には、アルミニウム顔料の発色性に影響を与え、塗膜のメタリック感を阻害する場合があるからである。前記メジアン径及び90%粒径は、動的光散乱式粒度分布計により測定されたものである。
【0032】
アルミニウム顔料を含有する水性メタリックインキ組成物の場合、前記着色剤は、インキ組成物全量に対して0.05〜15重量%含まれていることが好ましい。着色剤がインキ組成物全量に対して0.05重量%未満の場合は着色による着色効果を視認できない。着色剤がインキ組成物全量に対して15重量%を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下する。更に好適な着色剤の含有量は、インキ組成物全量に対して0.5〜10重量%である。
【0033】
(隠蔽剤)
本発明では隠蔽剤を用いることができる。隠蔽剤は、筆跡に隠蔽性(不透明性)を与えるために用いることができる。このような隠蔽剤としては、例えば、酸化チタン、中空樹脂粒子、偏平樹脂粒子、板状アルミナ、フレーク状窒化ホウ素等が用いられるが、これらに限定されるものではない。なお、前記アルミニウム顔料を隠蔽剤としても用いることができる。しかし、本発明によれば、隠蔽剤として、白色顔料である酸化チタンが好ましく用いられる。このような隠蔽剤は、通常、インキ組成物において、1〜30重量%の範囲、好ましくは、2〜15重量%の範囲で用いられる。インキ組成物において、隠蔽剤の割合が30重量%を越えるときは、得られるインキ組成物の粘度が高すぎて、筆記時にペン先で目詰まりを起こしやすい。しかし、インキ組成物における割合が1重量%よりも少ないときは、得られるインキ組成物が隠蔽力に劣る。
【0034】
なお、隠蔽剤も、前記着色剤と同じく、これらを予め分散剤を用いて水に分散させた分散体として用いることができる。上記分散剤としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等の樹脂や界面活性剤が好ましく用いられるが、しかし、これらに限定されるものではない。また、酸化チタンや着色した樹脂球のそのような分散体は、市販品としても入手することができる。
【0035】
(定着性樹脂)
更に、本発明によるインキ組成物には、適宜の筆記面上に筆記し、水が揮散した後に、筆跡を筆記面に定着させるために、常温で造膜性を有する定着用樹脂が用いられる。この定着用樹脂としては、通常、水溶性樹脂が用いられる。このような水溶性樹脂としては、例えば、水不溶性の樹脂も、エマルジョンとして用いられる。本発明で用いることができる定着性樹脂(接着用樹脂)としては、筆跡乃至塗膜の皮膜形成機能を有しているものであれば天然、合成の樹脂を問わない。特に、アルミニウム顔料を含む水性メタリックインキ組成物の場合は、アルミニウム顔料を被塗物に強く定着することができるので、当該定着性樹脂を用いることが好ましい。なお、アルミニウム顔料を用いる場合、定着性樹脂は、アルミニウム顔料による金属光沢を阻害せず、着色剤の分散性及び発色に影響しないもの、または、発色濃度の高いメタリック調の塗膜を形成できるものであり、着色剤の分散及び発色に影響しないものが好ましい。
【0036】
常温で造膜性を有する定着用樹脂の具体例として、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等のような水溶性樹脂のほか、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等をアルカリ金属やアンモニア等にて可溶化したアルカリ水溶液可溶性樹脂を挙げることができる。前述のように、水不溶性樹脂であっても、エマルジョンとして用いることができる。このような樹脂エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂や種々の酢酸ビニル共重合体の樹脂エマルジョン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等のエマルジョンを挙げることができる。中でも、合成樹脂エマルション、アルカリ可溶性樹脂が好適である。また特に、前記定着性樹脂としては、水系合成樹脂エマルションを用いることが、水不溶成分である樹脂が水中で球形を形成しているために添加量に対する粘度増加が少ないので、好ましい。
【0037】
合成樹脂エマルションとしては、スチレン―アクリル系合成樹脂エマルジョンとして、ジョンソンポリマー株式会社製「ジョンクリル1535」、クラリアントポリマー株式会社製「モビニール940」、「モビニール942」を例示することができ、酢酸ビニル系合成樹脂エマルションとして商品名「ニカゾールTG134A」(日本カーバイド工業社製)を例示することができる。スチレンーアクリル系アルカリ可溶性樹脂として、ジョンソンポリマー株式会社製「ジョンクリル62」、「ジョンクリル70」を例示することができる。スチレン―マレイン酸系アルカリ可溶性樹脂として、星光化学工業株式会社製「X−200」、「X−220」、「X−1202S」、「X−1216」を例示することができる。
【0038】
このような定着用樹脂は、本発明によれば、インキ組成物において、通常、0.5〜50重量%、好ましく1〜15重量%の範囲、さらに好ましくは1.5〜10重量%の範囲に含まれていることが最適である。インキ組成物において、定着用樹脂の割合が50重量%を越えるときは、得られるインキ組成物の粘度が高すぎて、筆記時にペン先で目詰まりを起こし、筆記適性が低下する。他方、インキ組成物における割合が0.5重量%よりも少ないときは、筆跡が定着性に劣る。
【0039】
(水溶性有機溶剤)
本発明によれば、必要に応じて、溶剤として水溶性有機溶剤が用いられる。この水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等のグリコ−ル類、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル等のグリコールエーテル類、又は,グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類などを挙げることができる。中でも好適なものとしては、炭素数1〜4の脂肪族アルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンを用いることが適度の蒸発速度有しているために好ましい。尚、本発明の水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0040】
前記水溶性有機溶剤は、インキ組成物全量に対して0.01〜30重量%含まれていることが好ましい。水溶性有機溶剤がインキ組成物全量に対して0.01重量%未満の場合はペン先が乾燥しやすく、またインキが凍結しやすくなる。水溶性有機溶剤がインキ組成物全量に対して30重量%を超えると、水溶性増粘樹脂の溶解性に影響を与えると共に、筆跡乃至塗膜が乾燥し難くなる。更に好適な水溶性有機溶剤の含有量はインキ組成物全量に対して0.5〜20重量%である。
【0041】
(水)
本発明によれば、溶剤として水を用いることができる。インキ組成物における水の量は、特に、限定されるものではないが、通常、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%の範囲である。
【0042】
(燐酸エステル型界面活性剤)
アルミニウム顔料を含有する本発明の中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物の場合は、燐酸エステル型界面活性剤を用いることが好ましい。燐酸エステル型界面活性剤は、アルキル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸及びこれらの燐酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物である。定かではないが、燐酸エステル型界面活性剤はスルホン酸型界面活性剤等にくらべて極性が弱く穏やかで、しかも分散性に優れているので界面活性剤同士の凝集・反発がしにくいために経時での分散能に優れるので、経時での光輝性に優れ、繊維束の孔内でのつまりが生じにくく、そのために燐酸エステル型界面活性剤が他の界面活性剤に比べて有利であるものと考えられる。これにより、良好なインキの流出性と長い筆記距離とを維持することができる。
【0043】
前記アルキル燐酸またはアルキル燐酸塩としては、下記の式(1)で表されるモノアルキル燐酸エステルまたはモノアルキル燐酸エステル塩、または下記の式(2)で表されるジアルキル燐酸エステルまたはジアルキル燐酸エステル塩を用いることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸またはポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩としては、下記の式(3)で表されるポリオキシエチレン鎖が1つの化合物であるモノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸またはその塩を用いることが好ましい。これらの式(1)、(2)及び(3)の化合物は、主な親水部が電離により生じた燐酸基の酸素イオンであるために、陰イオンである酸素イオンが選択的にアルミニウム顔料の金属表面に配向しやすいので、配合量が比較的少なくても効果的に水素ガスの発生を防止し、アルミニウム顔料の表面の白色化を防止することが容易にできる。
【0044】
【化1】
Figure 0004137534
(Eは、水素または金属イオン、アンモニウムイオン等のルイス酸)
【0045】
【化2】
Figure 0004137534
(Eは、水素または金属イオン、アンモニウムイオン等のルイス酸)
【0046】
【化3】
Figure 0004137534
(Eは、水素または金属イオン、アンモニウムイオン等のルイス酸)
【0047】
前記モノアルキル燐酸エステルまたはモノアルキル燐酸エステル塩は、単独で用いても良いが、ジアルキル燐酸エステルまたはジアルキル燐酸エステル塩との混合物として用いても良い。モノアルキル燐酸エステルまたはモノアルキル燐酸エステル塩は、通常の製造法においては、製造時の副生物であるジアルキル燐酸エステルまたはジアルキル燐酸エステル塩との混合物となりやすいので、ジアルキル燐酸エステルまたはジアルキル燐酸エステル塩との混合物として用いることが単離等の必要が無いために好ましい。ジアルキル燐酸エステルまたはジアルキル燐酸エステル塩とモノアルキル燐酸エステルまたはモノアルキル燐酸エステル塩との混合物としては、公知の混合物を用いることができ、ジアルキル燐酸エステルとモノアルキル燐酸エステルとの混合物として商品名「フォスファノール RE−610」を挙げることができるが、これに格別限定されるものではない。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸またはポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩としては、具体的には、商品名「フォスファノールRD720」(HLB=14.4、Na塩、東邦化学工業社製)が例示できる。
【0048】
前記燐酸エステル型界面活性剤は、水中でアルミニウム顔料と前記燐酸エステル型界面活性剤の親水部が接触する必要があり、分子として均一に溶解して存在する必要があり、またインキ貯蔵部である繊維束よりもアルミニウム顔料の金属表面に選択的に吸着される必要があるために、前記燐酸エステル型界面活性剤のHLBが10以上であることが好ましい。また、前記燐酸エステル型界面活性剤は、2つのイオン性官能基を備えた化合物である式(1)で表されるモノアルキル燐酸エステル及びモノアルキル燐酸エステル塩、式(3)で表されるモノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸及びこれらの塩から選ばれるものであることが好ましい。前記燐酸エステル型界面活性剤に前記の2つのイオン性官能基を備えた化合物を用いることにより、1つのイオン性官能基を備えた化合物を用いた場合に比べてよりアルミニウム顔料の金属表面に選択的に吸着されるからである。
【0049】
前記燐酸エステル型界面活性剤は、製造時の溶解が容易であることから、塩基との中和物である塩であることが好ましい。燐酸の酸素原子と対を形成する陽イオンとしては、特に限定されるものでなく、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンやマグネシウムイオン等の金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機塩基イオンなどを挙げることが1価の陽イオンであっても2価の陽イオンであっても用いることができるが、イオン解離のし易さからナトリウムイオン及び/またはカリウムイオンであることが好ましい。
【0050】
また、前記燐酸エステル型界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水性インキ組成物全量に対して、0.01〜3.0重量%であることが好ましく、0.1〜1.0重量%であることがより好ましい。前記配合量が水性インキ組成物全量に対して0.01重量%より少ない場合には、ガス発生を抑制する効果が低下し、経時後に筆記した筆跡の光輝感が低下する。また、前記配合量が水性インキ組成物全量に対して3.0重量%より多い場合には、水性インキ組成物としての表面張力が低下するために、ペン先からのインキ漏れが生じやすく、吸収面を被塗物とした場合での発色性が悪くなり、被塗物に対する定着性も低下する。前記燐酸エステル型界面活性剤は、1種を用いることもできるが、2種以上を組合わせて用いることも可能である。
【0051】
(その他)
また、必要に応じて、レベリング剤も用いられる。レベリング剤としては、界面活性剤が好ましく用いられる。そのような界面活性剤の具体例としては、例えば、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム(例えば、第一工業製薬(株)製ネオコールYSK)、アルキルスルホ琥珀酸ナトリウム(例えば、サンノプコ(株)製ノプコウェット50)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(例えば、ダイキンエ業(株)製ユニダインDS−401)等を挙げることができる。
【0052】
そのほか、本発明によるインキ組成物においては、必要に応じて、苛性ソーダ等のpH調整剤、防錆剤、防腐防黴剤、染料可溶化剤、消泡剤等を用いることができる。
【0053】
(製造方法)
本発明によるインキ組成物は、その製造方法において何ら限定されるものではないが、例えば、顔料分散体を攪絆しながら、これに必要に応じて隠蔽剤を加え、pHを調節した後、定着用樹脂、増粘剤(揺変剤)を加え、必要に応じて、その他を加え、攪拌することによって得ることができる。
【0054】
また、アルミニウム顔料を含む本発明のインキ組成物の製造方法も格別限定されるものではないが、例えば次の方法によって製造することが好ましい。まず、水にアルミニウム顔料を、分散剤を用いずに機械的に分散させた後、増粘剤(揺変剤)、水溶性有機溶剤、必要に応じてその他の添加剤を混合して攪拌する。次に、この混合液に必要に応じてpHの調整を行ってから着色剤、定着性樹脂を加えて攪拌する。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用することができる。特に、前記水性メタリックインキ組成物の主溶剤(水)にアルミニウム顔料を分散する工程おいては、本発明に用いる前記燐酸エステル型界面活性剤が溶解されることが好ましい。前記燐酸エステル型界面活性剤は、水性メタリックインキ組成物の製造時において、水性メタリックインキ組成物の主溶剤である水の中に前記アルミニウム顔料を分散させる際に、撹拌等による衝撃などの物理的外力を受けて前記アルミニウム顔料表面の脂肪酸等の被覆部分が損傷を受けるので、主溶剤(水)にアルミニウム顔料を分散する工程おいて前記燐酸エステル型界面活性剤が溶解されることが好ましいものである。なお、前記水性メタリックインキ組成物の主溶剤(水)にアルミニウム顔料を分散する工程おいて、本発明に用いる前記燐酸エステル型界面活性剤が溶解されることは、主溶剤である水に前記燐酸エステル型界面活性剤を溶解した後にアルミニウム顔料を投入して撹拌、分散しても良いし、主溶剤である水にアルミニウム顔料を投入して撹拌、分散した後に前記燐酸エステル型界面活性剤を溶解しても良い。
【0055】
前記燐酸エステル型界面活性剤を用いる場合において、具体的には、次の方法によって製造することが好ましい。まず、水にアルミニウム顔料と燐酸エステル型界面活性剤とを投入し分散させた後、増粘剤(揺変剤)、水溶性有機溶剤、必要に応じてその他の添加剤を混合して攪拌する。次に、この混合液に必要に応じてpHの調整を行ってから着色剤、接着用樹脂を加えて攪拌する。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用することができる。また、着色剤については、特に限定されるものではないが、例えばフタロシアニンブルーとスチレン−アクリル共重合体とを重量比で5対1の割合にてNaOHを加えて溶解した後に、ボールミルにて分散して得られたメジアン径0.08μmで固形分濃度10重量%の顔料分散体を用いることができる。
【0056】
(中芯式マーキングペン)
本発明のインキ組成物は中芯式マーキングペンに適用される。本発明に係る中芯式マーキングペンは、より好ましくは糸密度0.150〜0.240g/cmでの繊維束の中芯に収蔵されたマーキングペンである。これにより、良好なインキの流出性と筆記距離とを有し、筆跡又は塗膜に濃淡を生じることがない。中芯の糸密度が0.150g/cm未満である場合は、保存安定性が低下し、筆跡又は塗膜の濃淡が発生し易くなる。一方、糸密度が0.240g/cmを超える場合は、筆記時のインキの流出性が低下する。
【0057】
前記中芯式マーキングペンは、公知の構造を備えた中芯式マーキングペンであれば使用できるが、その具体例として、例えば、繊維束が外皮により収束されている中芯と、樹脂で固められた繊維束が研磨されたペン先(チップ)とを具備し、インキを吸蔵可能な前記中芯(インキ貯蔵部)と前記ペン先とが接合され、前記中芯の繊維と前記ペン先の繊維との毛細管力によりインキがペン先に充填されるマーキングペンを用いることができる。
【0058】
前記中芯またはペン先に用いられる繊維束は、素材として特に限定されるものではない。前記中芯としては、例えば、アクリル系樹脂製繊維、ポリエステル樹脂製繊維、アセテートやポリプロピレン等の公知の樹脂製繊維等の繊維束を樹脂で固めた繊維芯、ポリアセタール、フッ素系樹脂、ナイロン樹脂等を用いたプラスチック芯を用いることができる。前記ペン先としては、例えば、羊毛を主な原料とするフェルトペンチップやアクリル系樹脂製やポリエステル樹脂製等のプラスチックペンチップを素材として用いることができる。また、前記中芯についての繊維束を収束させる外皮と前記ペン先についての繊維束を固める樹脂とは、その素材について特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができる。
【0059】
なお、中芯がポリエステル製の繊維束であれば、適度な多孔状態となるため、インキを吸蔵し貯蔵しやすく、塗布量の調整が容易であるために好ましい。また、前記ペン先(チップ)は、繊維束がアクリル系樹脂製であると耐久性が良く、長距離筆記に適しているために好ましい。
【0060】
特に、中芯をポリエステル製の繊維束、ペン先(チップ)をアクリル系樹脂製の繊維を樹脂で固めて構成した中芯式マーキングペンは、前記ポリエステル繊維束からなる中芯の当該繊維の毛管組織が前記チキソトロピー性に由来する増粘したインキを良好に貯蔵することができる。しかも、ペン先(チップ)にポリエステル繊維より硬いアクリル系繊維を配しているため、この比較的硬いアクリル系繊維の毛管組織が、筆記の際に、ペン先(チップ)にかかる力に抗して、筆記面に至るまで前記チキソトロピー性に由来して減粘したインキの流出路を十分確保し、因って当該インキの剪断減粘性を発揮しやすくし、しかも前記ポリエステル繊維束の中芯から前記貯蔵されたインキをペン先において吸引しやすくしている。従って、特に最大7μmのメジアン径のアルミニウム顔料を含む水性メタリックインキ組成物であっても、増粘した粘度により顔料の沈降を規制し、経時後のその沈降物のハードケーキ化を阻止することができ、筆記時、インキに剪断力が作用し、その粘度が降下すると、繊維組織内において再分散されながら中芯からチップ内を経て紙面等に良好に流出するものである。
【0061】
具体的な中芯式マーキングペンとしては、例えば、前記中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、前記中芯には、増粘剤(揺変剤)が含まれ、当該インキの粘度が、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である水性インキが含まれている中芯式マーキングペンが好適である。
【0062】
また例えば、中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、
前記中芯には下記成分を含むインキが含まれ、当該インキの粘度が、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である中芯式マーキングペンが好ましい。
(a)着色剤
(b)隠蔽剤
(c)定着性樹脂
(d)増粘剤
(e)溶剤
【0063】
また特に、筆跡にメタリック色を実現する中芯式マーキングペンとしては、中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、
前記中芯には下記の成分を含むインキが吸蔵されている中芯式マーキングペンが好ましい。
(a)メジアン径が7μm以下のアルミニウム顔料
(b)定着性樹脂
(c)増粘剤
(d)水溶性有機溶剤
(e)水
【0064】
特に、上記成分に代えて、前記中芯に下記の成分を含むインキが吸蔵されている中芯式マーキングペンがさらに好ましい。
(a)メジアン径が7μm以下のアルミニウム顔料
(b)着色剤
(c)定着性樹脂
(d)増粘剤
(e)燐酸エステル型界面活性剤
(f)水溶性有機溶剤
(g)水
【0065】
またさらに好ましい中芯式マーキングペンとしては、中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備え、メタリック調の筆跡を与える中芯式マーキングペンであって、前記中芯がポリエステルの繊維束からなり、前記ペン先がアクリルの繊維束であって、前記中芯には、下記のインキ組成物が含まれ、当該インキの粘度が、回転数50rpmにおける粘度が3〜12mPa・sであり、且つ、T.I.値(2.5rpm/50rpm)が1.2以上である中芯式マーキングペンが好ましい。
(a)顔料粒子表面に前記耐水処理が施されており、メジアン径が7μm以下のアルミニウム顔料
(b)着色剤
(c)定着性樹脂
(d)増粘剤
(e)燐酸エステル型界面活性剤
(f)水溶性有機溶剤
(g)水
【0066】
なお、さらに好ましい具体的な中芯式マーキングペンとしては、第1図及び第2図に示すように、ペン軸本体1内に収納された中芯のインキ貯蔵部2と、当該中芯のインキ貯蔵部2に接合され、先端開口部3を有するペン軸本体1先端部のソケット部4に保持されたペン先5を備えた中芯式マーキングペンである。そして、上記ペン先5は、ペン軸本体1の前記先端開口部3を閉鎖しない状態で空気孔6を確保しながらソケット部4に保持されている。ペン軸本体1の前記先端開口部3を閉鎖しない状態で空気孔6を確保する手段としては、例えばソケット部4の内壁に前記ペン先を保持する突起7を設けることで達成できる。
【0067】
なお、中芯にインキを収蔵させる場合、通常は当該インキをそのまま中芯に吸蔵させればよいのであるが、本発明のインキの顔料、特にインキ中で経時的に緩慢な沈降を起こすアルミニウム顔料の場合は、機械的に攪拌して当該インキを分散し、その後これを中芯に収蔵させることが好ましい。これにより、一旦分散されたインキが、中芯などの繊維組織の孔内に貯蔵されることになる。これにより、顔料の沈降は当該繊維組織のそれぞれの孔(セル)の内部でミクロ的に緩慢に起こり、筆記時にインキが減粘すると、当該インキが繊維組織内を流動してペン先に流出する際に再分散され、結果として色別れのない筆跡乃至塗膜を形成することができるものである。
【0068】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、成分量は重量%にて示されており、残部は水である。
【0069】
比較例1
着色樹脂粒子分散体(固形分55%)1) 45.0
酸化チタン分散体(固形分65%)2) 5.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体3)) 5.0
増粘剤(ポリアクリル酸4)) 1.0
レベリング剤(アセチレングリコール5)) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0070】
実施例1
着色樹脂粒子分散体1) 45.0
酸化チタン分散体2) 5.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体3)) 5.0
増粘剤(ポリアクリル酸4)) 3.0
レベリング剤(アセチレングリコール5)) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0071】
実施例2
フタロシアニンブルー分散体(固形分10%)6) 25.0
酸化チタン分散体 15.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体) 2.0
増粘剤(ポリアクリル酸) 4.0
レベリング剤(アセチレングリコール) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0072】
実施例3
着色樹脂粒子分散体 40.0
酸化チタン分散体 10.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体) 5.0
増粘剤(ウレタンポリオール7)) 2.0
レベリング剤(アセチレングリコール) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0073】
比較例2
着色樹脂粒子分散体 45.0
酸化チタン分散体 5.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体) 5.0
増粘剤(キサンタンガム8)) 0.1
レベリング剤(アセチレングリコール) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0074】
比較例3
フタロシアニンブルー分散体 25.0
酸化チタン分散体 15.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体) 2.0
増粘剤(キサンタンガム) 0.1
レベリング剤(アセチレングリコール) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0075】
比較例4
着色樹脂粒子分散体 45.0
酸化チタン分散体 5.0
定着用樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体) 5.0
増粘剤(ウレタンポリオール) 4.5
レベリング剤(アセチレングリコール) 0.5
エチレングリコール 3.0
防腐防かび剤 0.3
【0076】
(注)1)日本蛍光化学(株)製ルミコールNKW−2104
2)酸化チタン55重量部とスチレン−アクリル酸共重合体9重量部にアンモニア水を加えて、スチレン−アクリル酸共重合体を溶解させた後、ボールミルで分散させて、固形分(酸化チタン)濃度65重量%の酸化チタン分散体とした。
3)ジョンソンポリマー(株)製ジョンクリル62
4)クラリアント社製MOWIPLAS XW−330(固形分30重量%)
5)日信化学工業(株)製サーフィノール104H
6)フタロシアニンブルー5重量部とスチレン−アクリル酸共重合体1重量部に水酸化ナトリウム水溶液を加え、スチレン−アクリル酸共重合体を溶解させた後、ボールミルで分散させて、平均粒径0.08μmの顔料分散体とした。固形分濃度は10重量%とした。
7)旭電化(株)製アデカノールUH−752
8)三晶(株)製ケルザン
【0077】
上記実施例のインキ組成物を放置すると、時間の経過とともに凝集し、緩慢に沈降した。その沈降物はハードケーキ化しておらず、再分散させることができた。これにより、ハードケーキを形成する顔料の沈降は防止された。上記実施例及び比較例によるインキ組成物を糸密度0.185g/c mの繊維束からなる中芯に充填し、これにフェルトチップをペン先として取付けて試験用マーキングペンとし、これを用いて以下の試験を行った。結果を表1に示す。
【0078】
(保存性)
温度50℃において、ペン先を上向き、下向き又は横向きの状態で1か月保存した後、筆記して、筆跡の濃度が保存前と比べて変化のないときを○とし、変化のあるときを×とした。
【0079】
(筆記性)
室温において、荷重50g、筆記角度65°、筆記速度20cm/秒の条件下に筆記し、筆跡が正常であるときを○、筆跡にかすれがあるときを×とした。
【0080】
(応力下の粘度測定)
Haake社製粘度計RS75を用いて、20℃において、DG41ALローターでのCS−フローカーブを測定した。
【0081】
(E型回転粘度計による粘度測定)
トキメック社製E型粘度計ELDを用いて、20℃において、せん断速度Dが10 - (1°34’R24コーンで2.5rpmの回転数で測定したときのせん断粘度)のときと、せん断速度Dが200 - (1°34’R24コーンで50rpmの回転数で測定したときのせん断粘度)のときについて粘度を測定した。
【0082】
【表1】
Figure 0004137534
【0083】
実施例に示されているように、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるインキ組成物は、時間の経過の後にも、中芯中で顔料の沈降がインキの粘度によって抑えられており、筆記の際に色別れが起こらない。しかも、筆記性にもすぐれる。
【0084】
これに対して、比較例に示されているように、E型回転粘度計による粘度が実施例によるものとほぼ同じであっても、応力が0.01Pa又は10Paのときの粘度が本発明で規定する範囲をはずれるインキ組成物は、時間の経過の後には、中芯中で顔料が沈降し、筆記の際に色別れが生じ、筆記性も悪い。
【0085】
(実施例4〜23)
次に、表2または表3に示す組成及び配合量(重量部)で、前記のアルミニウム顔料を含む中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物の製造方法により、実施例4〜23の水性メタリックインキ組成物を得た。このインキ組成物を放置すると、時間の経過とともにアルミニウム顔料は着色剤とともに凝集し、緩慢に沈降した。その沈降物はハードケーキ化しておらず、再分散させることができた。これにより、ハードケーキを形成するアルミニウム顔料の沈降は防止された。
【0086】
(比較例5〜8)
表4に示す組成及び配合量(重量部)であること以外は、実施例と同様にして比較例5〜8の中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物を得た。
【0087】
なお、実施例3〜23及び比較例5〜8では、いずれも、分散方法、脱泡方法、濾過等は従来公知の方法を用いた。
【0088】
【表2】
Figure 0004137534
【0089】
【表3】
Figure 0004137534
【0090】
【表4】
Figure 0004137534
【0091】
表2〜4中、各原料組成は下記の通りである。
(アルミニウム顔料)
I 商品名「アルペーストWXM0660」、東洋アルミニウム社製、メジアン径約4.5μm
II 商品名「アルペーストWXM0630」、東洋アルミニウム社製、メジアン径約7μm
III 商品名「アルペーストWXM5660」、東洋アルミニウム社製、メジアン径約11.5μm
(接着用樹脂)
I スチレン―アクリル系合成樹脂エマルジョン:商品名「ジョンクリル1535」、ジョンソンポリマー社製
II スチレン―アクリル系アルカリ可溶性樹脂:商品名「ジョンクリル62」、ジョンソンポリマー社製
III 酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルション:商品名「モビニールDM−5」、クラリアントポリマー社製
(増粘剤乃至揺変剤)
I ポリアクリル酸:商品名「ジュリマーAC−20L」、日本純薬社製
II ポリアクリル酸:商品名「MOWIPLASXW―330」、クラリアントポリマー社製
(水溶性有機溶剤)
エチレングリコール(試薬)
【0092】
(着色剤)
次の調製方法により調製された青色顔料分散体。
フタロシアニンブルーが5重量部に対して、スチレン−アクリル共重合体が1重量部の割合にて、NaOHを加えて溶解させた後、ボールミルにて分散を行い、平均粒径0.08μm、固形分濃度10重量%の顔料分散体を得た。
(防腐防黴剤)
2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名「プロクセルXL−2」、アピシア合成株式会社製)
(界面活性剤)
A:ポリオキシアルキル燐酸塩(HLB=14.9、モノポリオキシアルキル、Na塩、商品名「プライサーフA−217E」、第一工業製薬社製)
B:ポリオキシアルキル燐酸塩(HLB=7.0、モノポリオキシアルキル、Na塩、商品名「プライサーフA−208S」、第一工業製薬社製)
C:アルキル燐酸塩(K塩、商品名「エレクトロストリッパーF」、花王社製)
D:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(商品名「エマール20CM」、花王社製)
E:ジスルフォン酸塩(商品名「ペレックスSS−H」、花王社製)
【0093】
〔評価〕
実施例4〜23及び比較例5〜8により得られた水性メタリックインキ組成物について、筆記性、保存性、定着性、経時光輝性及びガス発生抑制度について評価した。結果は表2〜4に示す。なお、筆記性、保存性、定着性及び経時光輝性については、実施例4〜23及び比較例5〜8の各水性メタリックインキ組成物を、表に示した糸密度のポリエステル繊維製中芯に充填し、試験サンプルとした。なお、実施例4〜15及び比較例5〜8についてはフェルトペンチップをセットし、実施例16〜23についてはアクリル繊維製ペンチップをセットし、各試験サンプルについてのペン容量(中芯のインキ保持量)は6.0gであり、インキの充填量は5.6gであった。
【0094】
(筆記性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを用いて、荷重50g、筆記角度65°、筆記速度7cm/secの条件において筆記試験を行い、以下の評価基準によって評価した。
◎:150m以上の筆記が可能である。
○:100m以上の筆記が可能である。
×:100m以上筆記することができない。
(保存性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを、ペン先が上向き、下向き及び横置きの状態にし、それぞれ50℃において1ヶ月間放置し、以下の評価基準において評価した。
○:筆跡の濃淡が発生していない。
△:筆跡の濃淡が若干認められるが、実用上問題ない。
×:筆跡の濃淡が発生しており実用上問題がある。
【0095】
(定着性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記し乾燥後、その筆跡の上に市販のセロテープ(登録商標)を貼り、剥がした後の状態を目視で観察し、以下の評価基準により定着性を評価した。
◎:筆跡が完全に視認でき、試験前と差が無い。
○:筆跡が視認できるが、実用上問題ない範囲であるが試験前と若干の色差が発生している。
×:筆跡が全く視認できない。
(経時光輝性)
各試験サンプルの調製直後にPET製の非吸収面に膜厚20μmとなるように各実施例及び各比較例の水性メタリックインキ組成物をそれぞれ塗布し、各試験サンプルを50℃1ヶ月保存した後にPET製の非吸収面に膜厚20μmとなるようにそれぞれ塗布し、各試験サンプルの調製直後の筆跡と50℃1ヶ月保存した後の筆跡とを比較し、目視で光輝感の差異を下記の基準で評価した。
【0096】
(評価基準)
◎:光輝感に差異が全く無い。
〇:光輝感にわずかな差異がある。
×:光輝感に顕著な差異がある。
(ガス発生抑制度)
実施例4〜23及び比較例5〜8により得られた水性メタリックインキ組成物をそれぞれガラス製ネジ口ビンの中にインキを静置して、各水性メタリックインキ組成物の製造後から24時間経過後における、インキ中の気泡発生状況を観察し、下記の基準により評価した。
(評価基準)
◎:ガスの発生なし。
○:ガスが若干発生した。
×:ガスの発生を容易に認めることができた。
【0097】
〔結果〕
表2〜4より、実施例4〜21に係るインキ組成物では、筆記性、保存性、及び定着性が良好である。
一方、比較例5〜7に係るインキ組成物では、含まれるアルミニウム顔料全体のメジアン径が7μmを超えている為、100m以上の連続筆記が不可能であり、また、保存性試験後のサンプルでは、筆跡の濃淡が見られた。
また、比較例8のインキ組成物では、筆記性が良好ではあるが、増粘剤(揺変剤)が含まれていないために、保存試験においてアルミニウム顔料の沈降物がハードケーキ化し、筆跡に濃淡が見られた。
【0098】
また、表3より、実施例12〜15に係るインキ組成物では、筆記性、保存性及び定着性が良好であるが、中芯の糸密度は0.150〜0.240g/cmが好適範囲であると認められる。
【0099】
実施例16の水性メタリックインキ組成物は、HLBが14.9の燐酸エステル型界面活性剤を用いているので、筆跡の光輝性及びガスの抑制度が非常に良好であった。実施例17の水性メタリックインキ組成物はHLBが7.0の燐酸エステル型界面活性剤を用いているので、光輝性が良好でありガス抑制度については若干のガスが発生しているが実用上問題の無い程度であった。また実施例18の水性メタリックインキ組成物も、HLBが14.4の燐酸エステル型界面活性剤を用いているので筆跡の光輝性及びガスの抑制度が非常に良好であった。実施例19の水性メタリックインキ組成物は燐酸エステル型界面活性剤を用いなかったので、筆跡の光輝性及びガスの抑制度が共に不良であった。実施例20及び実施例21の水性メタリックインキ組成物は、それぞれポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩とジスルフォン酸塩を界面活性剤に用いたので筆跡の光輝性及びガスの抑制度が共に不良であった。
【0100】
本インキは、アルミニウム顔料、増粘剤(揺変剤)、接着用樹脂、水溶性有機溶剤、水を含み、前記アルミニウム顔料のメジアン径が7μm以下である中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物であるので、アルミニウム顔料による繊維束からなるペン先の目詰まりが発生せず、インキの流出性が良好で、筆記距離が長い。更に、本発明は、アルミニウム顔料、増粘剤(揺変剤)、接着用樹脂、水溶性有機溶剤、水からなるインキ組成物において、上記増粘剤(揺変剤)がインキ組成物全量中0.01〜20重量%含まれており、さらに、回転数50rpmにおける粘度が3〜12mPa・sであり、且つ、T.I.値(2.5rpm/50rpm)が1.2以上である中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物であるので、静置時はインキの粘度が高い為、アルミニウム顔料の沈降を抑止することができるが、筆記時にはペン先と紙面との摩擦により粘度が低下する為、インキの流出性が良好である。また本発明は、糸密度が0.150〜0.240g/cmである中芯に、前期の様なインキ組成物が吸蔵された中芯式マーキングペンであるので、更に優れたインキの流出性と筆記適性を発現する。さらに保存安定性を優れたものとする為にはインキ組成物のpHを6〜9に調整することが好ましい。
【0101】
また、従来のメタリックインキではアルミニウム顔料が沈降するため、ツイン式のマーキングペンに充填し正立させた場合、上側になったチップからは筆跡の濃淡が発生しやすい。しかし、本発明のインキであればアルミニウム顔料の沈降が抑えられるため、ツイン式のマーキングペンに充填し正立させてもどちらのチップからも濃淡のない筆跡が得られる。
【0102】
本中芯式マーキングペン用水性メタリックインキ組成物は、特定の燐酸エステル型界面活性剤を含むことにより、インキがインキ貯蔵部である多孔質の繊維束に保持される中芯式マーキングペンに使用しても水素ガスの発生がなく、経時後に筆記しても光輝性を持つ筆跡が得られ、良好なインキの流出性と長い筆記距離とを維持することができる。
【0103】
【発明の効果】
以上の様に、本発明の水性顔料インキ組成物は、マーキングペンの中芯に収蔵しても、時間の経過の後にも、中芯中での顔料の沈降が抑えられており、筆記の際に色別れが起こらず、保存性にすぐれると共に、筆記性にもすぐれ、中芯式マーキングペンとして好適に用いることができる。特に、アルミニウム顔料が含まれた本発明の水性メタリックインキ組成物は、メタリック調の筆跡を得ることができる中芯式マーキングペンとして最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明にかかる好ましい中芯式マーキングペンの一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】第2図は第1図におけるA−A線概略断面図である。
【符号の説明】
1 ペン軸本体
2 インキ貯蔵部
3 先端開口部
4 ソケット部
5 ペン先
6 空気孔

Claims (21)

  1. アルミニウム顔料、定着用樹脂、増粘剤、水溶性有機溶剤、水を含み、
    上記顔料がメジアン径が7μm以下であるアルミニウム顔料であり、
    上記定着用樹脂として合成樹脂エマルションを含み、
    上記増粘剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体から選ばれる少なくとも1種の揺変剤を含有し、
    回転数50rpmにおける粘度が3〜12mPa・sであり、且つ、T.I.値(2.5rpm/50rpm)が1.2以上である中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  2. 上記増粘剤がインキ組成物全量中0.01〜20重量%含まれる請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  3. さらに燐酸エステル型界面活性剤を含み、前記燐酸エステル型界面活性剤がアルキル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物である請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  4. 前記燐酸エステル型界面活性剤がアルキル燐酸及び/またはアルキル燐酸塩である請求項3記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  5. 前記燐酸エステル型界面活性剤のHLBが10以上である請求項3記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  6. 前記燐酸エステル型界面活性剤がモノアルキル燐酸及び/またはモノアルキル燐酸塩である請求項3記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  7. 前記燐酸エステル型界面活性剤がモノアルキル燐酸塩である請求項3記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  8. 前記燐酸エステル型界面活性剤がナトリウム塩またはカリウム塩である請求項3記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  9. pHが6〜9である請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  10. さらに隠蔽剤を含み、隠蔽剤として、酸化チタン、中空樹脂粒子、偏平樹脂粒子、板状アルミナ及びフレーク状窒化ホウ素から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  11. 顔料として、有彩色顔料、着色樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  12. 温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である請求項1記載の中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物。
  13. 請求項3記載の水性顔料インキ組成物の製造方法であって、
    前記水性顔料インキ組成物の主溶媒に前記アルミニウム顔料を分散する工程おいて前記燐酸エステル型界面活性剤が溶解される中芯式マーキングペン用水性顔料インキ組成物の製造方法。
  14. 中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、
    前記中芯には
    顔料、定着用樹脂、増粘剤、水溶性有機溶剤、水を含み、
    上記定着用樹脂として合成樹脂エマルションを含み、
    上記増粘剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体から選ばれる少なくとも1種の揺変剤を含有するインキが収容されており、
    当該インキの粘度が、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である中芯式マ ーキングペン。
  15. 上記顔料がメジアン径が7μm以下であるアルミニウム顔料である、請求項14記載の中芯式マーキングペン。
  16. 前記中芯はポリエステルの繊維束からなり、前記ペン先はアクリルの繊維束からなる、請求項14又は15記載の中芯式マーキングペン。
  17. 前記中芯の糸密度が0.150〜0.240g/cm である請求項14又は15記載の中芯式マーキングペン。
  18. 中芯のインキ貯蔵部とこれに接合されたペン先を備え、メタリック調の筆跡を与える中芯式マーキングペンであって、前記中芯がポリエステルの繊維束からなり、前記ペン先がアクリルの繊維束であって、
    前記中芯には、請求項1記載のインキが収容されている中芯式マーキングペン。
  19. ペン軸本体内に収納された中芯のインキ貯蔵部と、当該中芯のインキ貯蔵部に接合され、先端開口部を有するペン軸本体先端部のソケット部に保持されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、
    上記ペン先は、ペン軸本体の前記先端開口部を閉鎖しない状態で空気孔を確保しながらソケット部に保持されており、
    前記中芯には、顔料、定着用樹脂、増粘剤、水溶性有機溶剤、水を含み、
    上記定着用樹脂として合成樹脂エマルションを含み、
    上記増粘剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体から選ばれる少なくとも1種の揺変剤を含有するインキが収容されており、
    当該インキの粘度が、当該インキの粘度が、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である中芯式マーキングペン。
  20. ペン軸本体内に収納された中芯のインキ貯蔵部と、当該中芯のインキ貯蔵部に接合され、先端開口部を有するペン軸本体先端部のソケット部に保持されたペン先を備えた中芯式マーキングペンであって、
    上記ペン先は、ペン軸本体の前記先端開口部を閉鎖しない状態で空気孔を確保しながらソケット部に保持されており、
    前記中芯には、請求項1記載のインキが収容されているインキ組成物が含まれた中芯式マーキングペン。
  21. 顔料、定着用樹脂、増粘剤、水溶性有機溶剤、水を含み、
    上記定着用樹脂として合成樹脂エマルションを含み、
    上記増粘剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩、ポリN−ビニルアセトアミド−アクリルポリマー共重合体から選ばれる少なくとも1種の揺変剤を含有するインキであって、
    当該インキの粘度が、当該インキの粘度が、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるインキ組成物を、攪拌して分散させた後、これを中芯に吸蔵させることを特徴とする中芯式マーキングペンの製造方法。
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