JP4744917B2 - 流動体塗布具 - Google Patents

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本発明は、流動体塗布具に関し、更に詳しくは、サインペン、ボールペンを含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等に用いられる流動体塗布具に関する。
従来より、流動体の飛散防止、揮発防止のために、流動体を収容したパイプ状容器内の流動体末端部に液状の可動栓を生のまま具備したボールペン等の塗布具が広く知られている。
しかしながら、上記従来の流動体塗布具の液状可動栓としては、鉱物油、シリコーンオイル、エステル油、ポリブテン等の不揮発性オイルを主成分としたものが用いられているが、水のような高極性の揮発性液体を配合したインキには揮発防止効果があるものの、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンといった低極性の揮発性液体を配合した流動体では、可動栓と相溶してしまったり、可動栓を通過して揮発してしまうという問題があり実用に至っていないものである。
なお、低極性で揮発性の有機溶媒は、インキ配合により描線が速く乾きやすいこと、非吸収面での固着性が強く、修正液に使うと水性のインキのブリードが起こりにくいこと等の点で好ましい。
また、上記従来の流動体塗布具において、シリコーンゴム等を用いた固体の可動栓も知られているが、上述の如く、低極性の揮発性液体を配合した流動体では、揮発防止効果が不十分であり、またゴムが膨潤して可動できなくなるといった問題があった。
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決した流動体塗布具をこれまで開発してきている。すなわち、流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の後方には、該流動体塗布液と相溶しない、難揮発性の液状物が末端可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気解放させ、その可動栓としてグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物のうちの1種もしくは2種以上の混合物とすること、さらには可動栓としての性能を向上させるためこれらに構造粘性を賦与したゲル状可動栓とすること、構造粘性賦与剤として微粉末のシリカ、有機ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体、アルミナやジベンジリデンソルビトール等を添加しゲル化させる方法、これらの液体をポリウレタンフォームのような連続気泡性発泡体に含浸させた状態で用いることなどを出願している(例えば、特許文献1参照)。
なお、上記公報で規定される液状の可動栓には、「流動体塗布液と相溶せず、流動体塗布液の揮発を防止すること」と「可動栓自身が揮発しにくいこと」の2つの性能が要求されるものである。
しかしながら、これらの物質は、確かに「流動体塗布液と相溶せず、流動体の揮発を防止すること」と「自己揮発しにくいこと」の2つの性能は満たされているが、後端部が大気開放されている流動体塗布具では、これらの物質は溶剤と相溶しない反面、吸湿性があるために高湿度下に置かれた場合には吸湿のために体積の膨張や粘度低下、さらには水滴や水層の発生等の不具合が生じることが判った。
そこで、本発明者らは、水と構造粘性付与剤からなるゲル状可動栓Bと、さらにはその後端に鉱物油、シリコーンオイル、エステル油、ポリブテン等の不揮発性オイルと構造粘性付与剤からなるゲル状可動栓Cとからなる二重(二層式)の可動栓を具備する流動体塗布具(例えば、特許文献2参照)、更に、可動栓を特定のジグリセリンのプロピレンオキサイド付加物を主成分とすることを特徴とする流動体塗布具(例えば、特許文献3参照)を出願している。
しかしながら、上記特許文献2に示される流動体塗布具における二層式可動栓の効果は優れているものであるが、流動体を含めた3層の比重差の管理、抱き込まれた空気の除去、充填方法など組み立ての煩雑さといった2次的な課題を生じる点に若干の課題があり、また、上記特許文献3に示される流動体塗布具では、今までにない高湿度下での経時安定性に優れたものであるが、更なる高湿度下での経時安定性の確保及び早書き筆記等においても優れた追従性を有する流動体塗布具の出現が切望されているのが現状である。
特開2000−343875号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2000−343879号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−34098号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどいった低極性の高揮発性溶媒を配合した流動体塗布液を、後端が大気中に解放された収容管に直接収容した塗布具において、高湿度下での経時安定性に更に優れると共に、更に優れた追従性を備えた可動栓を具備した流動体塗布具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、先端に塗布液の流出制御機構を具備し、後端部が大気に解放されている塗布具の収納管内に収容する流動体塗布液と液状可動栓との組み合わせを種々検討した結果、優れた追従性を有すると共に、長期にわたり湿度の影響を受けにくく、かつ、流動体塗布液と相溶しない高極性かつ低揮発性である液状可動栓として、主成分がジグリセリンのエチレンオキサイド付加物に、更にプロピレンオキサイドを付加重合したものが最も好ましいことを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の後方には、該流動体塗布液と相溶しない、難揮発性の液状物が末端可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気解放される流動体塗布具であって、上記可動栓が下記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイドを付加重合したものを主成分とすることを特徴とする流動体塗布具。
Figure 0004744917
(2) 上記(1)記載の可動栓がジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物(s=13)にプロピレンオキサイド(付加モル数2〜5モル)を付加重合したものを主成分とすることを特徴とする流動体塗布具。
(3) 上記(1)又は(2)記載の可動栓がシリカ及び/又はアルミナにより構造粘性を有することを特徴とする流動体塗布具。
(4) 上記(3)記載の構造粘性を有する可動栓は、可動栓の全量に対して、シリカ及び/又はアルミナが5〜10重量%含有することを特徴とする流動体塗布具。
本発明によれば、高湿度下においても経時安定性に更に優れると共に、早書きなどの苛酷な条件下でも優れた追従性を備えた流動体塗布具が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の流動体塗布具は、流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の後方には、該流動体塗布液と相溶しない、難揮発性の液状物が末端可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気解放される流動体塗布具であって、上記可動栓が下記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイドを付加重合したものを主成分とすることを特徴とするものである。
Figure 0004744917
本発明で対象とする流動体塗布具としては、例えば、サインペン、ボールペン等を含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等が挙げられる。
これらの流動体塗布具の先端には、通常、使用時に流動体が出過ぎたり、出にくくなるのを防止する流動体塗布液の流出制御機構が具備される。例えば、流動体(インキ等)がゲル状である場合には、構造粘性破壊手段を有するボールペン型チップや、弾撥体で前方の弁座に突出付勢させて先端孔を閉塞保持する弁付き塗布体又はニードルバルブ等の流出制御機構を具備させたものが挙げられる。
これらの流動体塗布具において、流出制御機構を具備する収容管内、例えば、パイプ状容器からなる収容管内には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容される構成となっている。
本発明における流動体塗布液としては、例えば、上記有機溶媒に、カーボンブラックや二酸化チタン等の顔料・染料等の色材、溶剤に可溶な増粘剤・バインダーとしての樹脂類、界面活性剤類、香料、並びに、筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等の用途に応じたその他の任意成分を適宜溶解もしくは分散させたものが使用される。
これらの配合量については、例えば、流動体塗布液全量(100重量%)に対して、有機溶媒20〜85重量%、顔料等の色材10〜60重量%、樹脂類その他成分が5〜30重量%程度の配合組成物とすることが望ましい。
また、上記流動体塗布液をそのまま使用してもよいが、上記流動体塗布液に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジルソルビトールなどの粘性付与剤を含有せしめてゲル状粘性体として使用してもよい。このゲル状粘性体とすることにより、流動体塗布液に重たい顔料(酸化チタン等)等の色材を配合してもこれらの沈降を抑制し易く、更に、紙等の被塗布体にインキ(流動体)を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が抑制できることとなる。このゲル強度は使用する色材(顔料等)の粒子径、比重により適宜調整される。
本発明では、塗布具の収容管内に上記流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液と相溶性のない難揮発性の液状物が流動体塗布液の末端部可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内が大気解放される構成となるものである。
これによって可動栓は流動体塗布液の消費につれて流動体塗布液に追従して移動し可動栓としての作用をなすことになる。
本発明における可動栓を形成する難揮発性の液状物としては、上述したように「流動体塗布液と相溶せず、流動体の揮発を防止すること」と「自己揮発しにくいこと」の2つの基本性能の他に、「非吸湿性」の性能が要求されると共に、優れた追従性が要求される。
上記2つの基本性能を満足する可動栓には、その性質を有するがために親水性=吸湿性を併せ持つという欠点があり、これを回避するためには親水性と親油性のバランスが適度のものを選ぶ必要がある。
従って、グリセリンやポリグリセリンでは吸湿性が高過ぎることとなる。また、種々の重合度を有するアルキレンオキサイドのうちエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドより炭素数が大きなアルキル基になると、親油性が勝ってしまい、上記低極性の有機溶媒と相溶してしまったり、溶媒の揮発性を抑制することができなくなってしまうという問題がある。
そこで、本発明においては、可動栓を形成する難揮発性の液状物は、グリセリンおよびポリグリセリンによって親水性を持たせ、アルキレンオキサイド付加物により親油性を付与して、両親媒性のバランスを調整した結果、主成分を上記各性能を有する一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物(s=w+x+y+z=13)にプロピレンオキサイド付加物1〜10モル付加物〔w´+x´+y´+z´が1〜10の数〕を主成分とするもの、好ましくは、2〜5モル付加物から選ばれ、特に3モル付加物が最もバランスが優れている点で望ましい。
この1〜10モル付加物が可動栓全量(100重量%)に対して、80〜100重量%、更に好ましくは、90〜100重量%となるものから選ばれることが望ましい。
本発明では、可動栓を構成することとなる上記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物に、プロピレンオキサイド1〜10モル付加物が可動栓全量(100重量%)に対して、80重量%以上含有せしめること(主成分とすること)により、本発明の効果を発揮せしめることとなる。
なお、本発明では、上記ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物に、プロピレンオキサイド1〜10モルを付加重合した以外のもの、例えば、ジグリセリンのプロピレンオキサイド付加物、または、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物などでは本発明の効果より劣ることとなり、目的の効果を発揮することができないものとなる。
本発明では、更に可動栓としての性能を向上させるため、すなわち、ペン先を上向きにしておいた場合の逆流防止のために微粉末のシリカ、アルミナ又はこれらの混合物やジベンジリデンソルビトールといった構造粘性付与材を上記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物・プロピレンオキサイド付加物に添加しゲル化させた状態での使用が望ましい。
本発明に用いることができる構造粘性付与材としては、例えば、微粉末シリカとアルミナとの混合物を用いたものが使用性、経時安定性の点から最も優れている。なお、上記微粉末シリカ(S)とアルミナ(A)の混合物の配合比は、重量比でS:Aが1:4〜9:1となるものが好ましい。
具体的な微粉末シリカとアルミナとの混合物としては、日本アエロジル社製のCOK84(S:A=5:1)等の市販品が挙げられる。
この構造粘性付与材の含有量は、可動栓全量に対して5〜10重量%含有されることが好ましい。この構造粘性付与材の含有量が5重量%未満であると、構造粘性が弱く、強い衝撃により逆流してしまう場合がある。また、10重量%を越えると、構造粘性が強くなり、早書きによってはインキの消費に伴う追従性が劣ってしまう場合もある。なお、これらの量のいずれの場合においても目的の親油性と吸湿性のバランスを阻害するものではない。
本発明では、上記した難揮発性の液状物を流動体塗布液の末端部にそのまま液層として接触した状態で収容して可動栓としてもよい。この時の液層の高さは20〜30mm程度となるようにすることが望ましい。その他に本発明の好ましい可動栓としては、難揮発性の液状物に前記した構造粘性付与材を添加してゲル状構造粘性体として流動体塗布液の末端部に接触した状態で収容する場合である。この場合の液層の高さは10〜15mm程度でよく、ゲル状構造粘性体の可動栓が流動体塗布液への移行が起こりにくくなり、逆流防止体としての品質を維持でき、流動体塗布液の長期間の品質劣化を防止する効果を発揮せしめることとなる。
また、本発明では、別の方法として、可動栓を構成する難揮発性の液状物を、ポリウレタンフォームのような連続気泡性発泡体に含浸させた状態で用いることができる。例えば、収容管の内径に近似して高さ10〜15mm程度の円柱状としてスポンジ状連続多孔体に含浸させたものを流動体塗布液の末端部に接触した状態で収容する。この場合は、収容管の内径の大小に関わりなく可動栓の耐衝撃性が高まり、スポンジ等の連続多孔体中で難揮発性の液状物の流動が抑制される。特に、可動栓が流動体塗布液へ移行することがなく物理的にも流動体塗布液とはさらに交わりにくくなり、逆流防止体としての品質を更に高めて維持でき、流動体塗布液の長期間の品質劣化を防止する効果を発揮せしめることとなる。
図1及び図2は、本発明の流動体塗布具の具体的な実施形態の一例を示す図面であり、図1は軸体を除く収容管と流出制御機構(塗布部)の部分縦断面図、図2は、流動体塗布具の実施形態の一例を示す部分縦断面図である。
この実施形態における流動体塗布具の収容管10は、図1に示すように、先端に塗布部となるボールペン型のチップ12を備えると共に、後方にメチルシクロヘキサンを含有する流動体塗布液(修正液)30及び本発明の上記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイドを付加重合したものを主成分とする可動栓32を収容したものであり、先端チップ12には押し棒11a、スプリング部材11b、ボール収納室12a、前端開口部12b、チップ本体12c、ボール12dからなる先端チップ構造体を有したものである。
図2は、図1に示したチップ構造を備えた塗布液収容管10を具備した加圧型のノック式流動体塗布具Aである。この流動体塗布具Aは、先端に塗布部となるボーペンチップ12と収容管10を備えたユニット14が、第1のスプリング16で後方に向けて弾発された状態で軸本体18内に装填されると共に、前記ユニット14のボールペンチップ12を、軸本体18の後端側に設けたノック機構20の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて先端開口18aから出没可能となるものである。この流動体塗布具Aでは、前記ユニット14の流動体収容管10内の後部10rが開放され、軸本体18内には、該後部10rとノック機構20との間に収容管10内圧力を増加させる加圧機構22が設けられ、加圧機構22は、シール部24と前端開放の筒部26とシール部24及び筒部26を離隔させる方向に弾発させる第2のスプリング28とを有するものであり、前記ノック機構20の押し出し操作終了後に、軸本体18から突出したボールペンチップ12先端を押圧してユニット14を後退させた場合に、加圧機構22では前記シール部24が後退して相対的に筒部26が前進して内部加圧室40の内部空気を圧縮し、その圧縮された内部空気により逆止弁29を開きシール部24を通してリフィール10内を加圧するようになっている。また、加圧機構22は、ノック機構20の押し出し解除時における前記リフィールユニット14のボールペンチップ12のペン先の軸本体18内への没入状態でリフィール10内の加圧状態を解除するものである。
このように構成される本発明では、流動体塗布具の収容管内に、上記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物・プロピレンオキサイド付加物を主成分とする難揮発性の液状物を流動体塗布液の末端部に接触状態で収容して可動栓とし、該可動栓の後方収容管内を大気解放される流動体塗布具とするものであり、この場合、収容管の内径が小さい場合(筆記具、修正液容器用途として通常2mm以下)であれば、流動体塗布液及び可動栓とも特に構造粘性を与えずとも、流動体塗布液及び可動栓が有する表面張力により収容管内において各々安定して収容される流動体塗布具とすることができる。
なお、塗布液収容管内に多量の流動体塗布液を収容すべく収容管の内径を大きくした場合(筆記具、修正液容器用途としては通常3mm以上)、そのままでは収容管を横向き、逆さにしたときにフォロアーの液面が切れる等の問題が発生してしまう場合がある。この場合は、上述の如く、可動栓を構造粘性を有するものとしたり、可動栓をスポンジ状連続多孔体に難揮発性液状物を含浸させたものとすることにより、流動体塗布液及び可動栓共々収容管内において安定して収容する流動体塗布具とすることができ、本発明の逆流防止構造としての品質を維持し、流動体塗布液の長期間の品質劣化を防止する効果、特に、高湿度下でも優れた経時安定性を有すると共に、優れた追従性を発揮せしめる流動体塗布具とすることができるものとなる。
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。以下に記載の「部」は重量部を意味する。
〔実施例1〜12及び比較例1〜7〕
図1に示すように、先端に、流出抑制機構としてボールペン型チップを具備した内径6mm、外径8mmのポリアミド製パイプ状の容器に、下記配合組成の流動体塗布液を約1.5g注入した。次いで、この流動体塗布液の末端部に接触状態で収容してなる下記各実施例及び各比較例により調製した可動栓を収容して各流動体塗布具(三菱鉛筆社製、CLN250)を作製した。
得られた各流動体塗布具を25℃、60%RHの環境試験室に入れ、1ケ月後の重量変化の測定と可動栓の外観状態を官能評価すると共に、下記方法により早書きによる可動栓の追従性、落下による可動栓の逆流性及び50℃での揮発減量を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(流動体の配合組成)
下記成分を混合分散しゲル状の流動体Aを調製した。
・メチルシクロヘキサン 46部
・アクリル樹脂(N−ブチルメタクリレート、ブチルアクリリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、アゾビスブチロニトリルを重合したもの。数平均分子量41000) 12部
・二酸化チタン(KR−380N、チタン工業社製) 40部
・ゲル化剤(GP−1;N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ブチルアミド、味の素社製) 2部
〔早書きによる可動栓の追従性の評価法〕
筆記試験機にて4.2m/分の速度で筆記して下記評価基準により官能評価した。
評価基準:
◎:非常に良好な追従性を有する。
〇:良好な追従性を有する。
△:追従性がやや劣る。
×:追従性が劣る。
〔落下による可動栓の逆流性の評価法〕
図1(a)の状態で、1.2mの高さからペン先を水平にして杉板上に落下させて下記評価基準により官能評価した。
評価基準:
◎:全く逆流することがない。
〇:わずかに逆硫した。
△:逆硫するが本体から垂れはない。
×:逆流して本体からの垂れてしまう。
〔50℃での揮発減量の測定法〕
図2の状態で、50℃のオーブンに入れ、1カ月後の重量の変化を揮発減量として測定した。
〔実施例1〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(2モル)を付加重合したものからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔実施例2〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(3モル)を付加重合したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例3〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(4モル)を付加重合したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例4〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(5モル)を付加重合したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例5〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(2モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカ(日本アエロジル社製、R972)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例6〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(3モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカ(日本アエロジル社製、R972)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例7〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(4モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカ(日本アエロジル社製、R972)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例8〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(5モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカ(日本アエロジル社製、R972)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例9〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(2モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカとアルミナとの混合物(日本アエロジル社製、COK84)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例10〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(3モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカとアルミナとの混合物(日本アエロジル社製、COK84)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例11〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(4モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカとアルミナとの混合物(日本アエロジル社製、COK84)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔実施例12〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物にプロピレンオキサイド(5モル)を付加重合したもの95部に微粉末シリカとアルミナとの混合物(日本アエロジル社製、COK84)を5部混合分散したものを可動栓とした他は実施例1と同様に流動体塗布具を作製した。
〔比較例1〕
グリセリンからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例2〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物からなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例3〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物にプロピレンオキサイド(2モル)を付加重合したものからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例4〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物にプロピレンオキサイド(3モル)を付加重合したものからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例5〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物にプロピレンオキサイド(4モル)を付加重合したものからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例6〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物にプロピレンオキサイド(5モル)を付加重合したものからなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
〔比較例7〕
ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物からなる可動栓を0.4g注入し、流動体塗布具を作製した。
Figure 0004744917
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜12は、本発明の範囲外となる比較例1〜7に較べて、25℃、60%RHの環境条件における1ケ月後の重量変化量は少なく、しかも、その可動栓の外観状態の変化もなく、また、早書きによる可動栓の追従性も良好であり、落下による可動栓の逆流性もなく、50℃での揮発減量も少ないことが判明した。
これに対して、比較例を見ると、比較例1は、グリセリンからなる可動栓、比較例2〜6は、ジグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物にプロピレンオキサイドの各モル(2〜5モル)を付加重合した可動栓であり、比較例7は、ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物からなる可動栓であり、これらの本発明の範囲外なるものでは、本発明の効果を発揮できないことが判った。
本発明の流動体塗布具の軸体を除く収容管と流出制御機構(塗布部)の部分縦断面図である。 本発明の流動体塗布具の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
A 流動体塗布具
10 収容管
30 流動体塗布液
32 可動栓

Claims (4)

  1. 流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の後方には、該流動体塗布液と相溶しない、難揮発性の液状物が末端可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気解放される流動体塗布具であって、上記可動栓が下記一般式(I)で示されるジグリセリンのエチレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイドを付加重合したものを主成分とすることを特徴とする流動体塗布具。
    Figure 0004744917
  2. 請求項1記載の可動栓がジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物(s=w+x+y+z=13)にプロピレンオキサイド(付加モル数2〜5モル)を付加重合したものを主成分とすることを特徴とする流動体塗布具。
  3. 請求項1又は2記載の可動栓がシリカ及び/又はアルミナにより構造粘性を有することを特徴とする流動体塗布具。
  4. 請求項3記載の構造粘性を有する可動栓は、可動栓の全量に対して、シリカ及び/又はアルミナが5〜10重量%含有することを特徴とする流動体塗布具。
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