JP2009172898A - 流動体塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性の高い溶剤を含有する流動体塗布液を充填してなる、リフィール型の流動体塗布液収容管において、製品保管時、過酷な条件下においても、チップ先端からの揮発を10mg未満にまで防止し、かつ、製品保管時に装着されるシールのための樹脂層を違和感なく外すことが出来、簡便なリフィーラブル化、かつキャップレス化を達成する。
【解決手段】2種以上の異なる種類のホットメルト接着剤による樹脂被膜により、2層以上の樹脂被膜を形成させチップ先端部をシールし、当該2層以上とした樹脂被膜の引き抜き力を適切な範囲内とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、剪断減粘性を有する油性インキ、修正液などの流動体塗布液を充填した流動体塗布具用塗布液収容管、特に、ボールペンを含めた修正具、筆記具、接着剤塗布具、化粧具等に用いられる流動体塗布具用塗布液収容管、更にはそれらの塗布液収容管を収容してなる流動体塗布具に関する。
従来、流動体塗布具であるゲルインキを収容する修正ボールペンにおいて、環境問題からその修正液(塗布液)が充填される塗布液収容管は所謂リフィーラブル化が望まれている。その場合、リフィール単独の輸送や保管時におけるボール先端の保護、かつ先端よりの溶剤の揮発を抑制する必要がある。このような揮発防止のために、塗布液収容管本体を構成する部品を金属又は樹脂製にし、チップ先端を樹脂被施すなどの対策が採られてきている。
この樹脂被膜によるチップ先端をシールしてなる塗布液収容管は、これまでに数多くの技術が案出されており、例えば、合成樹脂エマルジョンによる樹脂被膜(例えば、特許文献1参照)、加熱溶融熱可塑性樹脂による樹脂被膜(例えば、特許文献2参照)、高分子ラテックスによる被膜(例えば、特許文献3参照)、有色の樹脂被膜(例えば、特許文献4参照)ホットメルト樹脂による樹脂被膜(例えば、特許文献5参照)、などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1〜4及び5に記載される樹脂被膜によるシールは、チップ先端部(筆記先端部)からの水性インキや剪断減粘性を有する水性ゲルインキ等の揮発性が高くない溶剤や水の蒸発を防ぐものであり、揮発性の高いn−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の溶剤を含有する流動体を充填しているものでは合成樹脂エマルジョンや高分子ラテックス等の樹脂被膜があってもその蒸発を抑制することが不充分であり、製造から使用迄に長期間を経た場合等にはシール部分でドライアップのために流動体が固化しやすく流動体がチップから流出できなかった、という課題を有するものである。
また、上記特許文献5に記載される樹脂被膜によるシールは、修正液、化粧液、接着剤、ペイントなどの粘度の高い塗布液を充填してなる塗布具のチップ先端を包括的な樹脂名であるエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹脂などのホットメルト樹脂によるものであり、本願発明の近接技術を示すものである。しかしながら、この特許文献4を精査してみると、実施例の記載はなく、具体的な溶剤種及び具体的なホットメルト樹脂名の記載はないものである。特に、揮発性の高いn−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の溶剤を含有する流動体を充填しているものでは、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂による樹脂被膜であってもその蒸発を抑制することが未だ不充分であり、上述の水性インキの流動体塗布具と同様に、製造から使用迄に長期間要する場合等にはシール部分でドライアップのために流動体が固化しやすく流動体がチップから流出できなかった、という課題を有するものである。
また、本発明の流動体塗布具に収容されるものと同様な流動体を収容する場合において、上記の樹脂被膜によるシールはもとより、上記特許文献6に記載される非極性の有機溶剤に対して耐性を持つとされている重合脂肪酸ポリアミドの樹脂被膜によるシールを用いたとしても、引き抜き力は適度であるが、製造上のバラつきによっては、揮発性の高い溶剤の蒸発防止が不十分な製品が見られ、脱落する可能性もあるという課題を有するものである(比較例3参照)。
また、上記特許文献5に記載される樹脂被膜によるシールは、修正液、化粧液、接着剤、ペイントなどの粘度の高い塗布液を充填してなる塗布具のチップ先端を包括的な樹脂名であるエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹脂などのホットメルト樹脂によるものであり、本願発明の近接技術を示すものである。
しかしながら、この特許文献5を精査してみると、実施例の記載はなく、具体的な溶剤種及び具体的なホットメルト樹脂名の記載はないものである。特に、揮発性の高いn−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の溶剤を含有する流動体を充填しているものでは、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂による樹脂被膜であってもその蒸発を抑制することが未だ不充分であり、上述の水性インキの流動体塗布具と同様に、製造から使用迄に長期間要する場合等にはシール部分でドライアップのために流動体が固化しやすく流動体がチップから流出できなかったりするという課題を有するものである。
また、前記樹脂被膜によるシールを、確実に行うため結晶性ポリアミド樹脂によってシールする先行技術が本出願人により出願されている(特願2007−316685)が、塗布具のチップ(金属製)に対する密着性が向上し、揮発性の高い溶剤の蒸発防止が、実使用上は許容範囲となったものの、長期間にはシール部からの蒸発が累積しドライアップしてしまう可能性があった。また、前記結晶性ポリアミド樹脂によるシール部の引き抜き力の調整が難しく、ともすれば使用開始時における前記シール部の除去に際して過大な引き抜き力を使用者に要求しなければならない可能性もある。
さらに、ここで挙げた先行技術では、いずれも製造上のコストを考え、樹脂によるシールは、単一あるいは混合の樹脂相に関わらず、その樹脂相による単層のシールとなっており、引き抜き力及び、揮発性の高い溶剤の蒸発防止についてのバランスの調整が難しい。
特開昭58−96597号公報(特許請求の範囲等) 特開昭61−35294号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭和57−98396号公報(特許請求の範囲、実施例等) 実用新案登録第3076019号公報(請求の範囲、実施例等) 特開平7−222950号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2005−66892号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、前記塗布液収容管、所謂リフィール型の流動体塗布液収容管を装着できる流動体塗布具において、揮発性の高い溶剤を含有する流動体塗布液を充填し、製品保管時、チップ先端からの揮発を10mg未満にまで防止し、かつ、製品保管時に装着されるシールのための樹脂層を違和感なく外すことが出来、簡便なリフィーラブル化、かつキャップレス化を達成することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとしたものであり、少なくとも有機溶剤と着色剤と樹脂とを含む剪断減粘性を有する油性インキ、修正液などの流動体塗布液を充填し、主にホットメルト接着剤による樹脂被膜によりチップ先端部をシールしてなる塗布液収容管において、2層以上の樹脂被膜を形成させ、2層目以降は1層目とは違う種類の樹脂、好ましくは結晶性のポリエステル樹脂のホットメルトを用いると共に、その形状、及び剥離時の引抜力強度を特定の範囲等とすることにより、上記目的の流動体塗布具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1)流動体塗布具の軸本体内に装填される塗布液収容管であって、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、前記チップ先端部を、異なる2種類以上の樹脂被膜による、2層以上の樹脂被膜によりチップ先端部をシールしてなり、該2層以上の樹脂被膜のプッシュプル試験機を用いた摂氏25度、60RH%条件下での引抜力が1〜20Nである塗布液収容管。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
(2)少なくとも前記チップ先端部に接触して形成される1層目をエチレンビニルアルコール共重合樹脂、または重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜を形成し、前記1層目上に更に積層されて形成される2層目以降を前記1層目と異なる種類の樹脂被膜を形成したことを特徴とする前記(1)に記載の塗布液収容管。
(3)1層目の上に更に積層されて形成される2層目以降に、前記1層目とは異なる種類の樹脂被膜を形成し、かつ、2層目以降のうち少なくとも1層は結晶性の高いポリエステル樹脂を用いたことを特徴とする前記(1)または(2)のいずれか一つに記載の塗布液収容管。
(4)前記ボールペンチップ先端部の樹脂被膜によるシール部の先端からの合計長さが、ボールペンチップのボール出寸法を越え、2.8mm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の流動体塗布具。
(5)前記ボールペンチップ先端部の樹脂被膜によるシール部の被覆幅の合計が、ボールペンチップのボール直径を越え、5mm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の流動体塗布具。
(6)樹脂被膜によるシール形状が滴状、逆釣鐘状、円錐状の何れか一つであることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の塗布液収容管。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の塗布液収容管を収容し、軸本体の後端側に設けたノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて前記チップ先端部を出没可能としたノック式のキャップレス塗布具としたことを特徴とする流動体塗布具。
(8)塗布液収容管は、前記塗布液収容管後端からの加圧機構を有する軸本体に収納自在となることを特徴とする前記(7)に記載の流動体塗布具。
本発明によれば、チップ先端からの揮発の高い溶剤の揮発を、より確実に防止すると共に、チップ先端部の保護を確実にする塗布液収容管が提供され、また、前記塗布液収容管を装着する流動体塗布具において、簡便なリフィーラブル化、及びキャップレス化を達成する流動体塗布具が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の塗布液収容管は、流動体塗布具の軸本体内に装填され、前記塗布液収容管には、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、前記チップ先端部をホットメルト接着剤による樹脂被膜によりシールしてなる塗布液収容管であって、前記ホットメルト接着剤による樹脂被膜は、異なる2種類以上のホットメルト接着剤による、2層以上の樹脂被膜によるものであり、前記被膜のプッシュプル試験機を用いた摂氏25度、60RH%条件下での引抜力が1〜10Nであり、また、前記被膜の形状が特定の形状であることを特徴とするものである。
A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
図1及び図2は、本発明の塗布液収容管及び流動体塗布具の実施形態の一例を示す図面である。図1は塗布液収容管を装着した流動体塗布具の部分縦断面図であり、図2は本発明の塗布液収容管の要部を示す拡大部分断面図である。
流動体収容具Aは、図1に示すように、軸本体18内に装填される塗布液収容管10を備え、前記塗布液収容管10には、少なくとも上記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液30が充填されている。図2に示すように、前記塗布液収容管10の先端には、流出制御機構を有するペン先となるボールペンチップ12を具備し、かつ、前記チップ先端部12をホットメルト接着剤による2層以上の樹脂被膜H(H1+H2+…)によりシールしてなるものである。このペン先となるチップ先端部12内部には、超硬等の金属製(又はセラミック製)転写ボール12aが装填されている。
このボールペン型ペン先となるチップ12は、図2に示すように、略円筒形状の外形を呈し、その先端部が尖塔状に形成されている。前記先端部には平面視円状の開口部が形成され、内蔵される転写ボール12aの外径よりも小さい寸法で開口されている。また、前記先端部の内部には転写ボール12aを抱持するボール抱持部12bが形成され、前記ボール抱持部12bは先端側を前記開口部と連通するとともに後端側が塗布液通路と連通されている。
前記ボール抱持部12bに配置された転写ボール12aの後方には、前記転写ボール12aの背面より先端方向に付勢するボール押し棒部材11bとコイルバネからなる弾性材11cが配置されている。
本発明において、チップ12の先端部に接触して設けられる樹脂被膜H1(1層目)として使用するにあたり好ましい樹脂としては、エチレンビニルアルコール共重合樹脂が挙げられる。ポリビニルアルコールの特長である優れたガスバリアー性、耐有機溶剤性とポリエチレンの特長である熱溶融成形性、耐水性を合わせ持つ結晶性ポリマーだからである。
エチレンビニルアルコールを主剤とする被膜には、セメダイン(株)のホットメルト剤HM200、同202、同207、同210、同223、同204、同320、同326、同409、同712などが挙げられる。
さらには、重合脂肪酸変性ポリアミドが挙げられる。重合脂肪酸(ダイマー酸)とジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリオキシプロピレンンジアミン等)を主原料とする常温で固体となる。
これらの重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜には、トーマイド394、同535、同558、同1350、同1360(以上、富士化成工業社製)などのホットメルト接着剤を用いて形成することができる。
前記のホットメルト接着剤による被膜以外には、オレフィン樹脂を主成分とするホットメルト接着剤が有効であり、これらの例としては、セメダイン(株)のホットメルト剤HM320S、同321、同326、同712などが挙げられる。
これらのホットメルト接着剤をチップ3の先端部に形成(シール)する方法としては、上記ホットメルト接着剤を軟化点以上の温度で加熱溶融せしめたところに、チップ先端部を浸漬せしめた後、チップ先端部を引き上げて冷却(自然乾燥等)することにより、前記加熱溶融ホットメルト接着剤を固化させてチップ先端3に樹脂被膜を形成する方法等が挙げられる。
次に、本発明において、チップ12の先端部を、さらにシールしてなる樹脂被膜H2(2層目)は、結晶性のポリエステル樹脂が、最も好ましい。
溶融粘度(単一円筒回転粘度計、200℃)は150〜4.000mPa・sであり、比重(20/30℃)は1.15〜1.26である。これらの特性を有する結晶性ポリエステル樹脂による被膜は バイロンGM415、GA−6300、GA−6400、GM−920(以上 東洋紡製)SP−165、SP−170、SP−176、SP−180(日本合成化学製)などのホットメルト接着剤を用いて形成することができる。
この結晶性ポリエステル樹脂をチップ3の先端部に形成(シール)する方法としては、前記した1回目のホットメルトを着け、その後上記重合ポリエステルを200度以上の温度で加熱溶融せしめたところに、チップ先端部を浸漬せしめた後、チップ先端部を引き上げて冷却(自然乾燥等)することにより、前記加熱溶融ポリエステル樹脂を固化させてチップ先端3に樹脂被膜を形成する方法等が挙げられる。
3層目以降の樹脂被膜(H3、H4、…)を付着させる場合には、前記した操作を繰り返し行うことによって樹脂被膜の積層体を形成することができる。
この樹脂被膜H(H1+H2+…)は、本発明の効果を達成する点等から、該被膜のプッシュプル試験機を用いた摂氏25度、60RH%条件下での引抜力が1〜20Nであることが必要であり、好ましくは、2〜10Nにすることが望ましい。
この引抜力が1N未満であると、擦過、接触、衝撃等で取れ易くなり、本発明の効果が発揮することができず、また、この引抜力が20Nを越えると、製造から使用迄に長期間要する場合等にもそのシール性能は十分達成できるが、樹脂被膜Hの剥離が困難となり、また、力を込めて引き抜こうとする場合、チップ12が嵌挿されている塗布液収容管10からチップまでも引き抜くおそれがあり、好ましくない。なお、チップ12は、塗布液収容管10の先軸部分に固着されるものであるが、このチップ12を塗布液収容管10から脱離させるための引抜力は上記樹脂被膜Hの最大引抜力20Nより上となっているので、本発明に記載の樹脂被膜の引抜力であるならば樹脂被膜Hを剥がす場合にチップ12が抜ける恐れは全くないものである。
更に、チップ先端からの揮発の高い溶剤の揮発を10mg未満すると共に、チップ先端部の保護を更に確実にする点から、図2に示すような、ボールペンチップ先端部の樹脂被膜Hによるシール部の長さの合計は、好ましくは、ボールペンチップからのボール出寸法を超え、2.8mm以下とすることが望ましい。塗布液収容管10における軸方向の樹脂被膜の長さの合計がボール出寸法以下であるとチップのカシメ部周縁とボールの境界部分を完全に樹脂被膜によるシールが出来なくなり、シール材としての役割が果たせない。塗布液収容管10における軸方向の樹脂被膜の長さの合計が2.8mmを超える樹脂被膜であると、チップに対する密着部分が多く、前記した最大引抜力が大きくなり20Nを超える恐れが出てくる。この場合、シールをする、という目的に対して過剰であるばかりでなく、使用する樹脂の量が多くなり、大量生産を行う場合には経済性という点において不利となる。
次に、図2に示すような、ボールペンチップ先端部の樹脂被膜Hによるシール部の、塗布液収容管10における軸方向に対する幅(直径)の合計は、ボールペンチップのボール直径を超え、5mm以下とすることが望ましい。樹脂被膜Hによるシール部の、塗布液収容管10における軸方向に対する幅(直径)がボール直径以下であると、チップのカシメ部周縁とボールの境界部分を完全に樹脂被膜によるシールが出来なくなり、シール材としての役割が果たせない。塗布液収容管10における軸方向に対する幅(直径)が5mmを超える樹脂被膜であると、引っ掛かりが起きる部位が多く出来、樹脂被膜脱落の要因を増やすこととなる。
また、樹脂被膜によるシールHの全体の形状は、チップ先端からの揮発性の高い溶剤の揮発を確実に防止すると共に、チップ先端部の保護を確実でき、上記寸法条件を満たす形状であれば特に限定されないが、特に、図3(a)に示す逆釣鐘状、(b)に示す円錐状、(c)に示す滴状などが好適な形状として挙げることができる。逆に図3(d)に示す略球形状、(e)に示す円盤状などの「引っ掛かり」の可能性が大である形状では、むしろ脱落の危険も多い。なお、上記引抜力、樹脂被膜Hの形状、塗布量(厚さ)などの調整は、溶融温度、浸漬する深さ、引き上げる速さにより行うことができる。
チップ先端部に接触して形成されるホットメルト接着剤による1層目、好ましくは、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂、または重合脂肪酸変性ポリアミドによる樹脂被膜H1は、特に、揮発性の高い上記A群の溶剤、すなわち、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等の溶剤を含有する流動体を充填しているものであっても、チップ先端部に優れたシール性能を発揮でき、製造から使用迄に長期間保管等を行った場合においてもシール部分からの溶剤等の蒸発は少ない。この1層目の更に上層に設けるホットメルト接着剤による2層目、好ましくは、結晶性ポリエステル樹脂による樹脂被膜H2は、後述する実施例等で実証されるように、今までにない格段に優れたシール性能が発揮でされるものである。また、2層以上の樹脂被膜にした事により、単一の樹脂による単層の被膜と比較して、接着強度がやや弱くなるものの、樹脂被膜H全体は、ステンレスチップに対する接着強度は適切な値を有することとなり、実用上は問題ないものとなる。
前記流動体塗布液収容管10に充填する流動体塗布液30としては、例えば、カーボンブラックや二酸化チタン等の無機顔料や、有機顔料、樹脂顔料、中空樹脂顔料などの顔料類、油溶性染料などの染料類などの着色剤、上記A群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤、該有機溶剤に可溶な増粘剤、バインダーとしての樹脂類、界面活性剤類、香料、並びに、筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等の流動体の用途に応じたその他の任意成分を適宜溶解もしくは分散させたものが使用される。これらの配合量については、例えば、流動体塗布液全量(100重量%)に対して、有機溶剤20〜85重量%、顔料等の着色剤10〜60重量%、樹脂類その他の成分が5〜30重量%程度の配合組成物とすることが望ましい。また、上記流動体塗布液をそのまま使用してもよいが、上記流動体に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジルソルビトール、有機処理ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体、硬化ひまし油及びその誘導体、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスなどの粘性付与剤を含有せしめてゲル状インキ(粘性体)として使用してもよい。このゲル状インキとすることにより、流動体に重たい顔料(酸化チタン等)等の着色剤を配合してもこれら顔料の沈降が抑制し易くなり、更に、紙等の被塗布体にインキや修正液の流動体を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が抑制できることとなる。
また、流動体塗布液収容管10に充填するフォロア(追従体)32は、上記流動体塗布液30と相溶しない難揮発性の液状物であり、上記の流動体塗布液30の後端部に接触状態で収容されるものであり、流動体の消費につれて流動体に追従して移動し可動栓としての作用をなすものである。
流動体塗布液を収容する塗布液収容管10の材質としては、特に揮発性の無極性溶剤を主溶剤とした上述の有機溶剤の収容管側面からの溶剤揮発問題、収容管自体の溶剤による浸食の問題と、流通段階で必要な強度を確保し、かつ使用時に内容物の残量確認を容易となる視認性を有する材質であれば特に限定されず、例えば、ナイロン12などの脂肪族系ポリアミドからなる成形体、芳香族環又はナフテン環を有するモノマーより得られるポリメタキシリレンアジパミド樹脂、テレフタル酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの共重合体による成形体、または、これらの樹脂をブレンドした成形体から構成されるものが挙げられる。
このように構成される流動体塗布具は、従来のボールペン形式と同様に、流動体流出のためにキャップを有する又はキャップを有しない本体部(軸体)に継手(先軸)部材を螺合等の構成により収納自在とした流動体塗布具、または、本願出願人による特開平2000−335173号記載の加圧ポンピング機構を備えたキャップレスとなるノック式のボールペン型流動体塗布具、図1に示すような加圧機構を有する本体部に収納自在としたキャップレスタイプの加圧型のノック式流動体塗布具として使用に供される。
図1に示す形態の加圧型のノック式流動体塗布具の構成等を簡単に説明すると、先端にボーペンチップ(塗布部の例)12と後方に流動体収容管10を備えたリフィールユニット14が、第1のスプリング16で後方に向けて弾発された状態で軸本体18内に装填されると共に、前記リフィールユニット14のボールペンチップ12を、軸本体18の後端側に設けたノック機構20の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて先端開口18aから出没可能となる流動体塗布具であって、前記リフィールユニット14の流動体収容管10内の後部10rが開放され、軸本体18内には、該後部10rとノック機構20との間に流動体収容管10内圧力を増加させる加圧機構22が設けられ、加圧機構22は、シール部24と前端開放の筒部26とシール部24及び筒部26を離隔させる方向に弾発させる第2のスプリング28とを有するものであり、前記ノック機構20の押し出し操作終了後に、軸本体18から突出したボールペンチップ12先端を押圧してリフィールユニット14を後退させた場合に、加圧機構22では前記シール部24が後退して相対的に筒部26が前進して内部加圧室40の内部空気を圧縮し、その圧縮された内部空気により逆止弁46を開きシール部24を通して流動体収容管10内を加圧するようになっている。また、加圧機構22は、ノック機構20の押し出し解除時における前記リフィールユニット14のボールペンチップ12のペン先の軸本体18内への没入状態で流動体収容管10内の加圧状態を解除するものである。また、前記リフィールユニット14は、流動体塗布液30とその後端に流動体塗布液30に追従するフォロア32を充填した流動体収容管10と、該流動体収容管10の前方に圧入されたボールペンチップ12とを備えて構成され、ボールペンチップ12先端内部に回動可能に遊嵌されたボールは、押し棒を介してスプリングにより先方に向けて付勢されて背圧が付与されており、非塗布時にはボールペンチップ12先端開口部を塞いでいる。なお、リフィール10内の流動体塗布液30の後部には、流動体塗布液30の溶剤分の揮発を防止する目的でフォロア32が充填されている。
この流動体塗布具Aによれば、ボールペンチップ先端に樹脂被膜によるシールHを形成した場合であっても、非使用時には軸体18の開口部18aより、樹脂被膜の横への広がり、即ち、外径を小さく製造しておけば、リフィールユニット14は軸本体18内に収容可能な構造となる。使用時には、ノックによりチップ12の先端部を軸本体18から出し(図1参照)、チップ先端12に接着した樹脂被膜Hを指等により脱離せしめることにより使用に供されることとなる。
この流動体塗布具Aでは、流動体塗布液の流量が必要なときには軸本体18より突出したチップ12の先端を塗布面に押し付けることで、流動体収容管10を加圧機構の中に更に押し込ませてより大きな加圧力を流動体収容管10内に加圧することができる。このように使用時のみ加圧できるので、非使用時には修正液の漏れを防止できる。また、ノックしたまま放置しても加圧された空気は徐々にリークするため修正液の漏れの心配はない。また、酸化チタン顔料等の沈降をなくした所定の修正液などの使用を可能にするので修正液を攪拌したりキャップを外したりする煩わしさが無くなる。また、ノックによる動作と連動して同時に加圧することができるので使用者は加圧を意識すること無く使用でき、操作感に優れる。
更に、流動体収容管自体は、透明性、視認性に優れると共に、特に加圧のための部品は必要ないことでリフィールのコストを低く押さえることができ、リフィール交換によるランニングコストを低減できる。
更にまた、ノックを解除することで、筒部の加圧室は大気と通気するため、ノック動作を繰り返しても連続加圧されることはない。また、紙面への流動体塗布液の出すぎといった不具合が生じない。
このように構成される本発明では、ボールペンチップの先端を、2重の樹脂被膜によってシールし、かつ、その剥離時の引抜力強度を特定の範囲等とすることで、目的の性能となる流動体塗布具を得られるものである。また、多重の樹脂被膜の形状等を調整することでシール性を更に向上させることができる。たとえ、リフィールに揮発性の高い溶剤を含有する流動体塗布液を充填したものであっても、チップ先端からの溶剤揮発を長期のわたり確実に防止できると共に、チップ先端部の保護を確実にし、簡便なリフィーラブル化、かつキャップレス化を達成する流動体塗布具を要旨とするものであるので、塗布液収容管の構造、この収容管を収納する塗布具本体の構造などは、特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、塗布液収容管の構造、塗布具本体の構造等は種々変更を加え得ることは勿論である。
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。以下に記載の「部」は重量部を意味する。
〔実施例1〜9及び比較例1〜7〕下記構成の塗布液収容管に下記に示す各組成となる樹脂被膜材料を用いて各方法によりチップ先端部を樹脂被膜等によりシールした。得られたチップ先端部をシールした流動体塗布具について、下記方法により、各引抜力の測定、筆記性の評価について評価した。これらの結果を下記表1に示す。
〔流動体塗布具の構成〕
図1に示すように、先端に、流出抑制機構としてボールペン型ステンレス製ペン先(ボール材質:超硬、ボール径:1.0mm)を具備し、内径6mm、外径8mm、厚さ1mm、長さ80mmのナイロン12、またPOMより構成される収容管に、下記に示される配合組成、粘度の流動体となる修正液を約1.5g注入した。次いで、この流動体の末端部に接触状態で配置されるように下記配合組成及び粘度の追従体0.5gを収容して各流動体塗布具を得た。
得られたチップ先端部をシールした流動体塗布具について、下記方法により、各引抜力の測定、揮発減量値、脱落・割れの状態、引き抜き評価、筆記性の評価について評価した。これらの結果を下記表1に示す。
(流動体の配合組成)
・メチルシクロへキサン 40部
・アクリル樹脂 10部
・二酸化チタン 49部
・粉末シリカ 1部
(追従体の配合組成)
・ジグリセリンのエチレンオキサイド13モル付加物 95部
・微粉末シリカ 5部
この流動体(修正液)の摂氏25度における粘度をTVE−20HT型粘度計(EMD、東機産業社製)1°34′×R24標準コーンプレートにより測定したところ、ずり速度3.83s−1(1rpm)で5000mPa・sec.であり、追従体の粘度は、同様の測定において10,000mPa・sec.であった。
(実施例1)
1回目は、富士化成工業株式会社製トーマイド394(軟化点110℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−415(軟化点113℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例2)
1回目は、富士化成工業株式会社製トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、東洋紡績株式会社製バイロン226(軟化点約70℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例3)
1回目は、富士化成工業株式会社製トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目はセメダイン株式会社製HM320S(軟化点145℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例4)
1回目は、セメダイン株式会社製HM200(軟化点108℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例5)
1回目は、セメダイン株式会社製HM200を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、セメダイン株式会社製HM320Sを、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例6)
1回目は、セメダイン株式会社製HM320Sを、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−470(軟化点185℃)を、該軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例7)
1回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は、東洋紡績株式会社製バイロン226を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例8)
1回目は、富士化成工業株式会社製トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は東洋紡績株式会社製バイロン226を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。3回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、3層目の樹脂被膜を付けた。
(実施例9)
1回目は、セメダイン株式会社製HM200を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付けた。2回目は東洋紡績株式会社製バイロンGM415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、2層目の樹脂被膜を付けた。3回目は、東洋紡績株式会社製バイロン226を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、3層目の樹脂被膜を付けた。
(比較例1)
樹脂被膜を使用しない流動体塗布具をそのまま使用した。
(比較例2)
東洋紡績株式会社製バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を1層だけ設けた。
(比較例3)
富士化成工業株式会社製トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を1層だけ設けた。
(比較例4)
1回目に、東洋紡績株式会社製バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付着させた。更に2回目にも同じく、バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を2重に付着させた。
(比較例5)
富士化成工業株式会社製トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付着させた。更に2回目にも同じく、トーマイド394を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を2重に付着させた。
(比較例6)
1回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−470を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付着させた。2回目は、バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を2層付着させた。
(比較例7)
1回目は、東洋紡績株式会社製バイロンGM−440(軟化点145℃)を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を付着させた。2回目は、バイロンGM−415を、前記軟化点を越えた温度に加熱し、溶融させて、チップ先端部に樹脂被膜を2層付着させた。
上記実施例1〜9及び比較例1〜7で得た流動体塗布具を各条件下において項目毎に下記の要領で測定した。
(引抜力の測定方法)
前記した各樹脂被膜付着後、24時間以上経過後、プッシュプル試験機〔push−pull scale(10Nまたは50N)、株式会社イマダ製〕を用いて摂氏25度、65RH%条件下で、50mm/min.での引抜力を測定した。
(引き抜き評価の方法)
前記した各樹脂被膜付着後、24時間以上経過後、1.2mの高さから杉板上にチップを下向きにして落下させ、樹脂被膜の脱落あるいは破損がなかったものについてのみ、無作為に選んだ成人男性10人に樹脂被膜の引き抜きを行わせ、引き抜いた時の感想をまとめた。
引き抜き評価の基準
H:引き抜き時、1人以上堅いと感じた。
G:引き抜き時、特筆するような抵抗感は無かった。
NG:杉板の落下試験時に樹脂被膜が脱落あるいは破損するものが見られた。
(脱落・割れ、筆記性、揮発減量値の評価方法)
前記した各流動体収容リフィールを50℃の恒温槽に1ヶ月間放置した後、各樹脂被膜の様子を観察し、その後、樹脂被膜が割れたり脱落したりしていないものを、指で剥がして、揮発減量値を測定後、図1に示す塗布具(CLN−250、三菱鉛筆株式会社製)に収容し、書き出し状態を下記評価基準で評価した。(サンプル数:各10本)
筆記性の評価基準:
◎:最初から加圧せずに、流動体が吐出可能である。
○:塗布具により加圧を行えば直ぐに筆記できる。
△:書き出しが鈍いことも含め、カスレる場合がある。
×:筆記不能。
Figure 2009172898
樹脂A:重合脂肪酸変性のポリアミド樹脂〔トーマイド394、東洋紡社製〕
樹脂B:エチレンビニルアルコール〔HM200、セメダイン株式会社製〕
樹脂C:オレフィン樹脂〔HM320S、セメダイン株式会社製〕
樹脂D:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−415、東洋紡社製〕
樹脂E:非晶質のポリエステル樹脂〔バイロン226、東洋紡社製〕
樹脂F:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−470、東洋紡社製〕
樹脂G:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−440、東洋紡社製〕
形状: a:滴状、 b:逆釣鐘状、 c:円錐状、 d:略球状、 e:円盤状
Figure 2009172898
樹脂A:重合脂肪酸変性のポリアミド樹脂〔トーマイド394、東洋紡社製〕
樹脂B:エチレンビニルアルコール〔HM200、セメダイン株式会社製〕
樹脂C:オレフィン樹脂〔HM320S、セメダイン株式会社製〕
樹脂D:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−415、東洋紡社製〕
樹脂E:非晶質のポリエステル樹脂〔バイロン226、東洋紡社製〕
樹脂F:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−470、東洋紡社製〕
樹脂G:結晶性ポリエステル樹脂〔バイロンGM−440、東洋紡社製〕
形状: a:滴状、 b:逆釣鐘状、 c:円錐状、 d:略球状、 e:円盤状
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜9は、本発明の範囲外となる比較例1〜7に較べて、樹脂被膜を違和感無く剥がすことができ、チップ先端からの揮発性の高い溶剤の揮発を10mg未満に防止すると共に、過酷な経時試験後にも筆記性にも優れていることが判明した。
本発明の流動体塗布具は、先端に流出制機構を有するボールペンチップを具備した流動体塗布具であって、使用開始時に樹脂被膜を簡単に剥がすことができ、製造から使用迄に長期間要する場合等にチップのドライアップのために流動体が固化することなく、スムーズに流出して、長期間の保存に有効なものである。
本発明の流動体収容管の実施形態の一例を示す部分縦断面図である。 図1の要部を示す拡大部分縦断面図である。 (a)〜(e)は樹脂被膜Hの各形状を示す部分縦断面図である。
符号の説明
A 流動体塗布具
H1 樹脂被膜(1層目)
H2 樹脂被膜(2層目)
10 塗布液収容管
12 ボールペンチップ
30 流動体塗布液
32 追従体

Claims (8)

  1. 流動体塗布具の軸本体内に装填される塗布液収容管であって、少なくとも下記A群より選ばれる有機溶剤と着色剤とを含有する剪断減粘性を有する流動体塗布液が充填されると共に、先端に流出制御機構を有するボールペンチップを具備し、かつ、前記チップ先端部を、異なる2種類以上の樹脂被膜による、2層以上の樹脂被膜によりチップ先端部をシールしてなり、該2層以上の樹脂被膜のプッシュプル試験機を用いた摂氏25度、60RH%条件下での引抜力が1〜20Nである塗布液収容管。
    A群:n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、エチルシクロへキサン、トルエン、キシレン
  2. 少なくとも前記チップ先端部に接触して形成される1層目をエチレンビニルアルコール共重合樹脂、または重合脂肪酸変性ポリアミドによる被膜を形成し、前記1層目上に更に積層されて形成される2層目以降を前記1層目と異なる種類の樹脂被膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の塗布液収容管。
  3. 1層目の上に更に積層されて形成される2層目以降に、前記1層目とは異なる種類の樹脂被膜を形成し、かつ、2層目以降のうち少なくとも1層は結晶性の高いポリエステル樹脂を用いたことを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の塗布液収容管。
  4. 前記ボールペンチップ先端部の樹脂被膜によるシール部の先端からの合計長さが、ボールペンチップのボール出寸法を越え、2.8mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の流動体塗布具。
  5. 前記ボールペンチップ先端部の樹脂被膜によるシール部の被覆幅の合計が、ボールペンチップのボール直径を越え、5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の流動体塗布具。
  6. 樹脂被膜によるシール形状が滴状、逆釣鐘状、円錐状の何れか一つであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の塗布液収容管。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の塗布液収容管を収容し、軸本体の後端側に設けたノック機構の押し出し操作及び押し出し解除操作に連動させて前記チップ先端部を出没可能としたノック式のキャップレス塗布具としたことを特徴とする流動体塗布具。
  8. 塗布液収容管は、前記塗布液収容管後端からの加圧機構を有する軸本体に収納自在となることを特徴とする請求項7に記載の流動体塗布具。
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