JP2011031510A - ボールペンチップ及びそれを備える水性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないペン先および水性インキボールペンを提供する。
【解決手段】着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とから少なくともなる水性インキを充填してなる水性インキ用ボールペンにおいて、ボールホルダー2に回転自在に抱持される金属を含有するボールの表面全体をポリエチレンワックスで被覆したペン先および該ペン先を具備した水性インキボールペン。
【選択図】図3
【解決手段】着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とから少なくともなる水性インキを充填してなる水性インキ用ボールペンにおいて、ボールホルダー2に回転自在に抱持される金属を含有するボールの表面全体をポリエチレンワックスで被覆したペン先および該ペン先を具備した水性インキボールペン。
【選択図】図3
Description
本発明は、筆記部材としてのボールと、これを先端開口部より一部突出して回転自在に抱持するボールホルダーとから少なくともなるボールペンチップに関し、長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないボールペンチップおよびそれを具備した水性インキボールペンに関する。
インキとして水を主溶剤とする水性インキを充填してなる水性インキ用ボールペンは、ボールに金属を含有するボール、例えば、炭化タングステンをクロムやコバルト等で焼結させたいわゆる超硬と呼ばれるボールを使用した場合、長期経時によりボール中の金属が溶出するいわゆる腐食が発生したり、さらには炭化タングステンの粒子が剥がれ落ちてボール表面に孔が生じ、その孔にボールホルダー内でボールを支持しているボール受け座表面の微細な凹凸が引っかかることで書き味の滑らかさが失われる場合が有った。
これを防止するために、インキ中にカルボキシベンゾトリアゾール(特許文献1)やジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩(特許文献2)を添加して腐食防止する例が知られている。
また、ボール表面をシリコンオイル、フッ素オイル、炭化水素オイル等の撥水性の物質で被覆して腐食防止する例が知られている(特許文献3)。
そのほかに、ボール受け座の摩耗を防ぎ、ボールの円滑な回転を維持するために、ボール受け座面やボール表面を低温プラズマCVD法によりダイヤモンド状炭素膜で被覆(特許文献4)する方法や、ボール表面に有機微粒子を付着(特許文献5)させる方法が知られている。油性ボールペン用ボールでインキの濡れ性を良くするためであるが、ボール表面に酸化チタンを分布(特許文献6)させる方法も知られている。
これを防止するために、インキ中にカルボキシベンゾトリアゾール(特許文献1)やジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩(特許文献2)を添加して腐食防止する例が知られている。
また、ボール表面をシリコンオイル、フッ素オイル、炭化水素オイル等の撥水性の物質で被覆して腐食防止する例が知られている(特許文献3)。
そのほかに、ボール受け座の摩耗を防ぎ、ボールの円滑な回転を維持するために、ボール受け座面やボール表面を低温プラズマCVD法によりダイヤモンド状炭素膜で被覆(特許文献4)する方法や、ボール表面に有機微粒子を付着(特許文献5)させる方法が知られている。油性ボールペン用ボールでインキの濡れ性を良くするためであるが、ボール表面に酸化チタンを分布(特許文献6)させる方法も知られている。
しかしながら、カルボキシベンゾトリアゾールやジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩をインキ中に添加してもその腐食防止効果は不十分であり、長期的には腐食でボール表面に孔が生じ、そこにボール受け座表面の微細な凹凸が引っかかることで書き味が重くなったりボールの回転が滑らかでなくなったりするのが現状であった。
また、ボールペンを長期に保管するときに、保管中のインキの漏れを防止し、ボールとボールホルダーの先端開口部との隙間からのインキ中の溶剤の蒸発を防止し、且つペン先を衝撃等の外力から保護するために合成樹脂製のホットメルト接着剤をペン先に付けることが行われている。しかし、ホットメルト接着剤をペン先に付けた場合、ホットメルト接着剤と接したボール表面に腐食が発生することがあり、同様にボール表面に孔が生じ、そこにボール受け座表面の微細な凹凸が引っかかることで滑らかな書き味を損なう問題が有った。これはボールペンチップ小口周辺にあるインキ中の水分がホットメルト接着剤に蒸発を阻まれて、ボールとホットメルト接着剤の間に溜まったり、または吸湿性の高い樹脂(例えばポリアミド等)を使用したホットメルト接着剤では外気の高い湿度から水分を吸収し、それがボールとホットメルト接着剤の隙間に溜まり、水分の存在下でボール、ボールホルダー、バネ等の異種金属の接触による局部電池が形成されるためと考えられる。この場合、インキ中に防錆剤を添加していても、インキがホットメルト接着剤に接着したボールの表面に浸透することが出来ないため、ホットメルト接着剤が接着したボール表面の腐食発生を防止することはできなかった。
文献3に記載のボール表面をシリコンオイル、フッ素オイル、炭化水素オイル等の撥水性の物質で被覆する方法は、文献1、文献2に記載の方法に比べ腐食防止に効果があったが、撥水性物質が液体であるために長期的な経時で撥水性物質がインキ中やホットメルト接着剤中に拡散する場合があり、確実に腐食防止出来ない場合があった。
更に、文献4に記載のダイヤモンド状炭素は炭素原子がダイヤモンド結合とグラファイト結合の混ざった非晶質状態のため導電性がある。このため、ダイヤモンド状炭素膜による表面の被覆は、低温プラズマCVD法により均一で緻密な膜でボール表面を被覆できたとしても、ボール表面に接触する導電性物質が増えることになり、腐食の原因である局部電池が更に形成されやすくなるため、ボール表面の腐食発生を防止することは出来ない。
文献5に記載のボール表面に有機顔料や合成樹脂粒子といった有機微粒子を付着させた場合、有機粒子の材料的な柔らかさによる変形とこの変形を許容する空間が粒子間の隙間として存在することにより衝撃吸収能が付与されてボールの回転を円滑にしているため、ボール表面は粒子径レベルの大きさで隙間があるため、ボール表面へ水が接触するものであり、ボール表面の腐食発生を防止することは出来ない。
文献6に記載のボール表面に酸化チタンを分布させる方法は粒子状酸化チタンよりもペルオキソチタン溶液を使用したほうがボール表面を緻密に被覆できるが、ペルオキソチタン膜は多孔性のため完全にボール表面を被覆できない。ボール表面へのインキの濡れ性向上のためにはボール表面に適度な凹凸と隙間を持つ粒子被覆は効果があるが、水分を遮蔽し局部電池の形成を阻止して腐食防止を行う方法とならない。
発明が解決しようとする課題は長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないボールペン用ペン先を得ること、および該ペン先を具備した水性インキボールペンを得ることである。
また、ボールペンを長期に保管するときに、保管中のインキの漏れを防止し、ボールとボールホルダーの先端開口部との隙間からのインキ中の溶剤の蒸発を防止し、且つペン先を衝撃等の外力から保護するために合成樹脂製のホットメルト接着剤をペン先に付けることが行われている。しかし、ホットメルト接着剤をペン先に付けた場合、ホットメルト接着剤と接したボール表面に腐食が発生することがあり、同様にボール表面に孔が生じ、そこにボール受け座表面の微細な凹凸が引っかかることで滑らかな書き味を損なう問題が有った。これはボールペンチップ小口周辺にあるインキ中の水分がホットメルト接着剤に蒸発を阻まれて、ボールとホットメルト接着剤の間に溜まったり、または吸湿性の高い樹脂(例えばポリアミド等)を使用したホットメルト接着剤では外気の高い湿度から水分を吸収し、それがボールとホットメルト接着剤の隙間に溜まり、水分の存在下でボール、ボールホルダー、バネ等の異種金属の接触による局部電池が形成されるためと考えられる。この場合、インキ中に防錆剤を添加していても、インキがホットメルト接着剤に接着したボールの表面に浸透することが出来ないため、ホットメルト接着剤が接着したボール表面の腐食発生を防止することはできなかった。
文献3に記載のボール表面をシリコンオイル、フッ素オイル、炭化水素オイル等の撥水性の物質で被覆する方法は、文献1、文献2に記載の方法に比べ腐食防止に効果があったが、撥水性物質が液体であるために長期的な経時で撥水性物質がインキ中やホットメルト接着剤中に拡散する場合があり、確実に腐食防止出来ない場合があった。
更に、文献4に記載のダイヤモンド状炭素は炭素原子がダイヤモンド結合とグラファイト結合の混ざった非晶質状態のため導電性がある。このため、ダイヤモンド状炭素膜による表面の被覆は、低温プラズマCVD法により均一で緻密な膜でボール表面を被覆できたとしても、ボール表面に接触する導電性物質が増えることになり、腐食の原因である局部電池が更に形成されやすくなるため、ボール表面の腐食発生を防止することは出来ない。
文献5に記載のボール表面に有機顔料や合成樹脂粒子といった有機微粒子を付着させた場合、有機粒子の材料的な柔らかさによる変形とこの変形を許容する空間が粒子間の隙間として存在することにより衝撃吸収能が付与されてボールの回転を円滑にしているため、ボール表面は粒子径レベルの大きさで隙間があるため、ボール表面へ水が接触するものであり、ボール表面の腐食発生を防止することは出来ない。
文献6に記載のボール表面に酸化チタンを分布させる方法は粒子状酸化チタンよりもペルオキソチタン溶液を使用したほうがボール表面を緻密に被覆できるが、ペルオキソチタン膜は多孔性のため完全にボール表面を被覆できない。ボール表面へのインキの濡れ性向上のためにはボール表面に適度な凹凸と隙間を持つ粒子被覆は効果があるが、水分を遮蔽し局部電池の形成を阻止して腐食防止を行う方法とならない。
発明が解決しようとする課題は長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないボールペン用ペン先を得ること、および該ペン先を具備した水性インキボールペンを得ることである。
即ち、本発明は、ボールホルダーに回転自在にボールを抱持したボールペンチップにおいて、金属を含有する該ボールの表面全体をワックスで被覆したボールペンチップを要旨とするものである。
本発明において、長期的にボールの腐食が防止される理由は、ボールの表面全体をワックスで被覆することにより、ボールがインキ等の水分と直接的に接触することが無くなり、ボール表面での局部電池の形成が抑制され、金属の溶出が無くなるのでボール表面の腐食が防止されると考えられる。特に、ボールと合成樹脂製のホットメルト接着剤の間に水分が溜まり、ボール表面の腐食が促進されるような環境下でも、水と直接接触しないので局部電池は形成されず腐食は抑制される。
ボールがいわゆる超硬の場合は、金属が溶出しなければ金属によって接着されていた炭化タングステン等の粒子も脱落しなくなるため、ボール表面に孔が生じずボールとボール受け座との摩擦抵抗がボールペンを組み立てた直後からあまり変わらないため、長期経時した後でも書き味が重くなったり、ボールの回転が阻害されることが無くボールペンを組み立てた直後の書き味が維持される。
ボールがいわゆる超硬の場合は、金属が溶出しなければ金属によって接着されていた炭化タングステン等の粒子も脱落しなくなるため、ボール表面に孔が生じずボールとボール受け座との摩擦抵抗がボールペンを組み立てた直後からあまり変わらないため、長期経時した後でも書き味が重くなったり、ボールの回転が阻害されることが無くボールペンを組み立てた直後の書き味が維持される。
また、まずワックスは耐透湿性が極めて高く、更に、常温で固体であるため、液体のように外力で流れず、ボール表面上に安定して存在し湿気が浸透することを防止し得る。さらに、ワックスは樹脂のように凝集力が大きくないため金属面への密着が良い。そして、ワックスは結晶性であるため溶融状態から固体状態に冷却すると大きく容積収縮するため、溶融状態でボール表面を被覆したワックスが冷却固化するときに容積収縮の力でボール表面に強く密着する。これらの特性を持つために、ワックスはボール表面を強固に被覆して、ボール表面に水分を近づけない。ワックス層はボール表面を被覆することによりボールとボールホルダー、バネ等の異種金属の直接の接触を防ぐだけでなく、耐透湿性のよいワックス層は良好な絶縁層のため、間接的な接触による局部電池形成をも防止するためにボールの腐食を防止できる。
本発明に係る水性インキ用ボールペンの形態の一例を図1、図2に示す。
図1は所謂リフィルと称される、筆記具外装体内に交換可能に設置される、インキ収容管とペン先がセット化された部材として示している。筆記部材であるボール1を回転自在に抱持するボールホルダー2は、チップホルダー3を介してインキ収容管4と接続されている。ボール1は、ボールホルダー2の先端開口部2aとボール1との隙間部分よりインキ5が洩れ出すのを抑制するために、ボールホルダー2内にコイルスプリング6を配してボール1をボールホルダー2の後述する先端開口部内縁部分2bに周状密着するようにしてある。チップホルダー3の内孔3aは、インキ収容管4内と接続されており、インキ5がボールホルダー2の内孔2cを通じている。インキ収容管4の後端は開放されており、インキ5の消費に伴ってインキ収容管4内に空気を入れ内圧を維持しているが、インキ5の後端からの漏れだしを抑制するために、インキ5の界面に接触して粘性流体逆流防止体組成物7を配置し、粘性流体逆流防止体組成物7内にその界面形状を安定に維持するために、コップ状の浮体8を配置している。これら粘性流体逆流防止体組成物7と浮体8とはインキ5の消費に伴うインキ5の界面の移動に追従して移動する。
図1は所謂リフィルと称される、筆記具外装体内に交換可能に設置される、インキ収容管とペン先がセット化された部材として示している。筆記部材であるボール1を回転自在に抱持するボールホルダー2は、チップホルダー3を介してインキ収容管4と接続されている。ボール1は、ボールホルダー2の先端開口部2aとボール1との隙間部分よりインキ5が洩れ出すのを抑制するために、ボールホルダー2内にコイルスプリング6を配してボール1をボールホルダー2の後述する先端開口部内縁部分2bに周状密着するようにしてある。チップホルダー3の内孔3aは、インキ収容管4内と接続されており、インキ5がボールホルダー2の内孔2cを通じている。インキ収容管4の後端は開放されており、インキ5の消費に伴ってインキ収容管4内に空気を入れ内圧を維持しているが、インキ5の後端からの漏れだしを抑制するために、インキ5の界面に接触して粘性流体逆流防止体組成物7を配置し、粘性流体逆流防止体組成物7内にその界面形状を安定に維持するために、コップ状の浮体8を配置している。これら粘性流体逆流防止体組成物7と浮体8とはインキ5の消費に伴うインキ5の界面の移動に追従して移動する。
図2に図1におけるA部拡大図を示す。ボールホルダー2はインキ5の通路としての内孔2cを有しており、その先端開口部2aはボール1を設置した後にボール1の直径未満にかしめ加工が施されてボール1の抜け止めがなされている。内孔2cには、複数の内方突出部9が放射状に形成されており、ボール1の後方移動位置を規定している。内方突出部9には、ボール1を押し付けることによって形成されるボール受け座10が形成されている。隣り合った内方突出部9の間は、インキ通路の一部となる溝部分として形成されており、内方突出部9の中心部分のインキ通路である中孔11と連通した放射状溝12である。この放射状溝12はボール1がボール受け座10と接触して中孔11を塞いだ場合に実質的にインキの通路を確保する部分となる。
ボール1は炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素などの焼結体が使用できる。これら炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素などの焼結体には、通常粒子同士の隙間を埋め、固く接着させるための鉄、コバルト、クロム、ニッケル、チタン等の金属が配合されている。これらの金属は通常、ボール全重量に対して20重量%未満が好ましい。
ボール1の表面全体をワックスで被覆する方法の一例は、ボールを加熱溶融したワックスまたは溶剤にワックスを溶解したワックス溶液またはワックスエマルションといった液状のワックスに浸漬した後、ボール1をボールホルダー2に挿入してボールホルダー2の先端開口部2aにかしめ加工を施して縮径する方法や、ボール1をボールホルダー2に取り付けた後にボール1とボールホルダー2の先端部分を加熱溶融したワックスまたは溶剤にワックスを溶解したワックス溶液またはワックスエマルションに漬けた状態でボール1を回転させることにより、ボール表面全体にワックスを付ける等の方法が考えられるが、これらに限らずボール表面全体をワックスで被覆すれば良い。特に、ワックスエマルジョンを使用すると、ボール表面全体を薄く均一に被覆することが出来る。
溶剤にワックスを溶解したワックス溶液やワックスエマルションを使用する場合、ボール表面をワックスで被覆後、一度ワックスの融点以上に加熱してワックスを溶融するとより一層、腐食防止効果がある。または、ホットメルト接着剤を付けるときのホットメルト接着剤の余熱でワックスを溶融することも出来る。
溶剤にワックスを溶解したワックス溶液やワックスエマルションを使用する場合、ボール表面をワックスで被覆後、一度ワックスの融点以上に加熱してワックスを溶融するとより一層、腐食防止効果がある。または、ホットメルト接着剤を付けるときのホットメルト接着剤の余熱でワックスを溶融することも出来る。
ワックスとしては、蝋の主成分である脂肪酸と高級一価または二価アルコールのエステルに限らず、常温で固体であり融点または軟化点が凡そ160℃以下であり、溶融時の粘度が低いアルキル基を有する有機物であるところの所謂ワックスが使用できる。
ワックスは一般的に天然系と合成系に分けられる。天然系ワックスとして具体的には、植物系としてキャンデリラワックス(融点 約66〜71℃)、カルナウバワックス(融点 約80〜86℃)、ライスワックス(融点 rice bran wax 約79〜83℃、hydrogenated rice wax 約70〜77℃)、木蝋(融点 約50〜56℃)等が知られており、動物系として蜜蝋(融点 約60〜70℃)、ラノリンおよびラノリン誘導体(融点 約35〜75℃)、鯨蝋(融点 約42℃〜50℃)等が知られており、鉱物系としてモンタンワックス(融点 約69〜87℃)、オゾケライト(融点 約65〜80℃)、セレシン(融点 約61〜95℃)等が知られており、石油系としてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が知られている。パラフィンワックスはn−パラフィンを主成分とし、イソパラフィンを少量含むものがあり、組成により融点が約35℃〜100℃のものがある。マイクロクリスタリンワックスは、イソパラフィンを主成分とし、少量のn−パラフィン、ナフテン、芳香族を含有し、パラフィンワックスより分子量が大きく、融点も約130℃のものまである。
合成系ワックスとして具体的には合成炭化水素としてフィッシャー・トロプシュワックス(凝固点 およそ80〜90℃)、ポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス(重合度により異なるが融点 約100℃〜130℃)、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックス(重合度により異なるが融点 約130〜150℃)等が知られており、変性ワックスとしてモンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等が知られており、水素化ワックスとして硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等が知られており、その他高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等が知られている。中でもポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックスまたはポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスは、重合度による融点、溶融粘度の選択が容易に行える上、酸化の程度や酸変性により金属に対する密着性を更によくすることが可能である。
本発明で使用するワックスの形態としては、エマルション状のものがボール表面の緻密な被覆を行い易いのでより好適に使用できる。また、ワックスの中でもポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスが好適に使用できる。ポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスは、他の合成系ワックスおよび天然系ワックスに比べ分子量が大きく、且つ主に重合方法により製造されるため分子構造が画一となり結晶化が強いので緻密な被覆が行える。また、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂の熱分解法による製造されたワックスや酸化されたポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスは部分的な極性基により金属ボールへの密着が強い。これらの点より、使用するワックスとしてはポリエチレンワックスエマルションおよび酸化ポリエチレンワックスエマルション、ポリプロピレンワックスエマルションおよび酸化ポリプロピレンワックスエマルションが最も好適である。
その具体例を挙げると、ポリエチレンワックスエマルションおよび酸化ポリエチレンワックスエマルションとして、ハイテック E−4A(軟化点138℃)、E−68A(軟化点110℃)、E−5403B(軟化点108℃)、E−4B(軟化点138℃)、E−1000(軟化点138℃)、E−4000(軟化点138℃)、E−4400(軟化点138℃)、E−6000S(軟化点140℃)、E−6314(軟化点138℃)(以上、東邦化学工業株式会社製)、メイカテックス PENO、HP−70、HP−600(以上、明成化学工業株式会社製)、ジョンクリルワックス 22(融点81℃)、26J(融点138℃)、150(融点104℃)(以上、BASFジャパン株式会社製)等があり、ポリプロピレンワックスエマルションとして、ハイテック E−433N(軟化点157℃)、P−5043(軟化点157℃)、P−5060S(軟化点145℃)、P−5300(軟化点145℃)(以上、東邦化学工業株式会社製)、ペトロックス P−300、PPEM40(以上、明成化学工業株式会社製)等がある。
これらのワックスは、常温で固体であることが必要であるが、更には融点または軟化点が80℃以上160℃以下であることが好ましい。融点または軟化点が80℃未満の場合、環境変化等で保管温度が上昇した場合、溶融して液状になり腐食防止効果が得られなくなる。80℃以上の環境温度は、ペンを構成するプラスチック部品が軟化変形するため、ワックスの融点または軟化点は80℃以上であればよい。また、ワックスの融点または軟化点が160℃超になると、ワックスの凝集力が大きくなるため金属面への密着が悪くなり、腐食防止効果が得られなくなる。
また、ワックスはこれらから選ばれる1種又は2種以上が使用できる。
ワックスは一般的に天然系と合成系に分けられる。天然系ワックスとして具体的には、植物系としてキャンデリラワックス(融点 約66〜71℃)、カルナウバワックス(融点 約80〜86℃)、ライスワックス(融点 rice bran wax 約79〜83℃、hydrogenated rice wax 約70〜77℃)、木蝋(融点 約50〜56℃)等が知られており、動物系として蜜蝋(融点 約60〜70℃)、ラノリンおよびラノリン誘導体(融点 約35〜75℃)、鯨蝋(融点 約42℃〜50℃)等が知られており、鉱物系としてモンタンワックス(融点 約69〜87℃)、オゾケライト(融点 約65〜80℃)、セレシン(融点 約61〜95℃)等が知られており、石油系としてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が知られている。パラフィンワックスはn−パラフィンを主成分とし、イソパラフィンを少量含むものがあり、組成により融点が約35℃〜100℃のものがある。マイクロクリスタリンワックスは、イソパラフィンを主成分とし、少量のn−パラフィン、ナフテン、芳香族を含有し、パラフィンワックスより分子量が大きく、融点も約130℃のものまである。
合成系ワックスとして具体的には合成炭化水素としてフィッシャー・トロプシュワックス(凝固点 およそ80〜90℃)、ポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス(重合度により異なるが融点 約100℃〜130℃)、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックス(重合度により異なるが融点 約130〜150℃)等が知られており、変性ワックスとしてモンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等が知られており、水素化ワックスとして硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等が知られており、その他高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等が知られている。中でもポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックスまたはポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスは、重合度による融点、溶融粘度の選択が容易に行える上、酸化の程度や酸変性により金属に対する密着性を更によくすることが可能である。
本発明で使用するワックスの形態としては、エマルション状のものがボール表面の緻密な被覆を行い易いのでより好適に使用できる。また、ワックスの中でもポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスが好適に使用できる。ポリエチレンワックスおよび酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよび酸化ポリプロピレンワックスは、他の合成系ワックスおよび天然系ワックスに比べ分子量が大きく、且つ主に重合方法により製造されるため分子構造が画一となり結晶化が強いので緻密な被覆が行える。また、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂の熱分解法による製造されたワックスや酸化されたポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスは部分的な極性基により金属ボールへの密着が強い。これらの点より、使用するワックスとしてはポリエチレンワックスエマルションおよび酸化ポリエチレンワックスエマルション、ポリプロピレンワックスエマルションおよび酸化ポリプロピレンワックスエマルションが最も好適である。
その具体例を挙げると、ポリエチレンワックスエマルションおよび酸化ポリエチレンワックスエマルションとして、ハイテック E−4A(軟化点138℃)、E−68A(軟化点110℃)、E−5403B(軟化点108℃)、E−4B(軟化点138℃)、E−1000(軟化点138℃)、E−4000(軟化点138℃)、E−4400(軟化点138℃)、E−6000S(軟化点140℃)、E−6314(軟化点138℃)(以上、東邦化学工業株式会社製)、メイカテックス PENO、HP−70、HP−600(以上、明成化学工業株式会社製)、ジョンクリルワックス 22(融点81℃)、26J(融点138℃)、150(融点104℃)(以上、BASFジャパン株式会社製)等があり、ポリプロピレンワックスエマルションとして、ハイテック E−433N(軟化点157℃)、P−5043(軟化点157℃)、P−5060S(軟化点145℃)、P−5300(軟化点145℃)(以上、東邦化学工業株式会社製)、ペトロックス P−300、PPEM40(以上、明成化学工業株式会社製)等がある。
これらのワックスは、常温で固体であることが必要であるが、更には融点または軟化点が80℃以上160℃以下であることが好ましい。融点または軟化点が80℃未満の場合、環境変化等で保管温度が上昇した場合、溶融して液状になり腐食防止効果が得られなくなる。80℃以上の環境温度は、ペンを構成するプラスチック部品が軟化変形するため、ワックスの融点または軟化点は80℃以上であればよい。また、ワックスの融点または軟化点が160℃超になると、ワックスの凝集力が大きくなるため金属面への密着が悪くなり、腐食防止効果が得られなくなる。
また、ワックスはこれらから選ばれる1種又は2種以上が使用できる。
筆跡・塗布跡を形成するインキとしては、水を媒体とする所謂水性インキを使用することができる。
水性インキは主溶剤である水の他に、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などを配合したものである。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
水性インキは主溶剤である水の他に、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などを配合したものである。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
製造されたボールペンのユーザーがはじめて使用するまでの保管中のインキの漏れを防止し、ボールとボールホルダーの先端開口部との隙間からのインキ中の溶剤の蒸発を防止し、且つペン先を衝撃等の外力から保護するために、または未使用であることの表示などの目的で、ボールペンチップの先端にホットメルト接着剤を配置することもできる。このような状態のものの模式図を図3に示す。これは、熱可塑性の合成樹脂を主成分とするホットメルト接着剤を溶融させて必要部分に玉状に付着させたものである。ホットメルト剤接着剤13は未使用状態でのインキの漏れを防止し、ボールとボールホルダーの先端開口部との隙間からのインキ中の溶剤の蒸発を防止し、且つペン先を衝撃等の外力から保護する役割をするものである。このホットメルト剤接着剤としては、ポリアミド樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、軟質プラスチック等の熱可塑性樹脂を主剤とし、その他溶融温度および溶融粘度調整用のワックス、石油系樹脂のような粘着性付与樹脂、安定剤、軟化剤等の混合物が好適に使用される。
具体的な商品として、ポリアミド樹脂を主剤とするものにはセメダイン(株)ホットメルト剤HM360、HM370、HM373や、ダイアボンド工業(株)ホットメルト剤メルトロンA703T、同A704、同A705、同A706、同A707、同1Y15などが挙げられ、エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするものには、セメダイン(株)のホットメルト剤HM200,同202,同207,同210,同223,同204、同320、同326,同409,同712や、ヒロダイン(株)の1585,2017,2025,2030,2040,2060,2090,2256,2265などがある。これら一種もしくは二種以上の混合物を使用できる。また、これらに、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂などの粘着性付与剤やパラフィン系オイルなどの軟化剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、無機・有機顔料などの充填剤、ゼオライト、シリカゲル等の吸着剤等を必要に応じて添加することもできる。
具体的な商品として、ポリアミド樹脂を主剤とするものにはセメダイン(株)ホットメルト剤HM360、HM370、HM373や、ダイアボンド工業(株)ホットメルト剤メルトロンA703T、同A704、同A705、同A706、同A707、同1Y15などが挙げられ、エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするものには、セメダイン(株)のホットメルト剤HM200,同202,同207,同210,同223,同204、同320、同326,同409,同712や、ヒロダイン(株)の1585,2017,2025,2030,2040,2060,2090,2256,2265などがある。これら一種もしくは二種以上の混合物を使用できる。また、これらに、石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂などの粘着性付与剤やパラフィン系オイルなどの軟化剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、無機・有機顔料などの充填剤、ゼオライト、シリカゲル等の吸着剤等を必要に応じて添加することもできる。
ボールペンチップの先端にホットメルト接着剤を配置する方法について、その一例を説明する。ホットプレート等の加熱機器上に、エチレングリコール等の高沸点溶剤を入れた油浴を設置し、この油浴にポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤のペレットを適量入れた容器を浸し、加熱機器にて加熱し、前記油浴の温度を210℃程度に設定して、容器内のポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤のペレットを溶融状態とする。次いで、ボールペンチップの先端を必要な深さまで漬けて、一秒後に引き上げ、30秒〜60秒放置して、ポリアミド樹脂を取材とするホットメルト接着剤を冷却固化させる。尚、油浴を使用せずに、ペレットが入った容器を直接ホットプレートなどで加熱しもよい。
インキを収容するものとしては各種の繊維を束ねたいわゆる中綿と呼ばれるものや、インキを直接インキ収容管に充填する方式のものが使われるが、インキを直接充填するインキ収容管の材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が使用可能であるが、透湿性、透明性、コスト等を考えるとポリプロピレン製が好ましい。
本発明のボールペンの製造に当たって、インキの充填は従来一般的に行われている方法で充填することで特に問題は無い。
例えば、インキ収容管に直接インキを充填する場合、減圧下にインキを放置してインキ中の溶存気体を不飽和としたインキを充填したり、インキを充填したボールペンを常圧下又は減圧下で遠心したりしてインキ中又は逆流防止体中に存在する気泡を除去することは経時的に気泡が発生してボールペンチップ先端でインキの吐出を妨げることを防止する意味で有効である。ここにおいて、減圧下で遠心するには、遠心しながら徐々に又は一気に減圧する方法、最初に減圧しておいてから遠心する方法、遠心しながら減圧しておいてから減圧を緩めた後再度減圧する方法、場合によってはこの減圧と減圧を緩めることを繰り返し行う方法等がある。
例えば、インキ収容管に直接インキを充填する場合、減圧下にインキを放置してインキ中の溶存気体を不飽和としたインキを充填したり、インキを充填したボールペンを常圧下又は減圧下で遠心したりしてインキ中又は逆流防止体中に存在する気泡を除去することは経時的に気泡が発生してボールペンチップ先端でインキの吐出を妨げることを防止する意味で有効である。ここにおいて、減圧下で遠心するには、遠心しながら徐々に又は一気に減圧する方法、最初に減圧しておいてから遠心する方法、遠心しながら減圧しておいてから減圧を緩めた後再度減圧する方法、場合によってはこの減圧と減圧を緩めることを繰り返し行う方法等がある。
(実施例1)
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを、ジョンクリルワックス 26J(BASFジャパン株式会社製)に3分間浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールホルダーに取り付け、これを50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからボールペンチップの先端開口部チップ小口をかしめた後、150℃の恒温槽で3分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを、ジョンクリルワックス 26J(BASFジャパン株式会社製)に3分間浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールホルダーに取り付け、これを50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからボールペンチップの先端開口部チップ小口をかしめた後、150℃の恒温槽で3分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
(実施例2)
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ハイテック E−1000(東邦化学工業株式会社製)中にペン先約2mmを浸けボールを回転させてボール表面全体にハイテック E−1000を付着させた。これの先端をろ紙にあて、余分なハイテック E−1000を吸い取ってから50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させた後、150℃の恒温槽で5分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ハイテック E−1000(東邦化学工業株式会社製)中にペン先約2mmを浸けボールを回転させてボール表面全体にハイテック E−1000を付着させた。これの先端をろ紙にあて、余分なハイテック E−1000を吸い取ってから50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させた後、150℃の恒温槽で5分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
(実施例3)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを、ハイテック E−6314(東邦化学工業(株)製)に3分間超音波を掛けながら浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールホルダーに取り付け、ボールペンチップの先端開口部チップ小口をかしめた後、150℃の恒温槽で3分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを、ハイテック E−6314(東邦化学工業(株)製)に3分間超音波を掛けながら浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させてからエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールホルダーに取り付け、ボールペンチップの先端開口部チップ小口をかしめた後、150℃の恒温槽で3分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
(実施例4)
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ハイテック P−5300(東邦化学工業(株)製)に10分間浸漬した後、これを室温にて1晩乾燥させてから、105℃の恒温槽で2分間加熱し、更に165℃の恒温槽で3分間加熱し室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ハイテック P−5300(東邦化学工業(株)製)に10分間浸漬した後、これを室温にて1晩乾燥させてから、105℃の恒温槽で2分間加熱し、更に165℃の恒温槽で3分間加熱し室温に冷却したボールペンチップ。
(実施例5)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボール取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、メイカテックス PENO(軟化点 およそ140℃、明成化学工業(株)製)に超音波を掛けながら3分間浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れて1時間乾燥させてから室温に冷却後、105℃の恒温槽で2分間加熱し、更に150℃の恒温槽で3分間加熱し室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボール取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、メイカテックス PENO(軟化点 およそ140℃、明成化学工業(株)製)に超音波を掛けながら3分間浸漬した後、これをろ紙上に取り50℃の乾燥機に入れて1時間乾燥させてから室温に冷却後、105℃の恒温槽で2分間加熱し、更に150℃の恒温槽で3分間加熱し室温に冷却したボールペンチップ。
(実施例6)
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ジョンクリルワックス 26J中にペン先約2mmを浸けボールを回転させてボール表面全体にジョンクリルワックス 26Jを付着させた。これを50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させた後、150℃の恒温槽で5分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップを、ジョンクリルワックス 26J中にペン先約2mmを浸けボールを回転させてボール表面全体にジョンクリルワックス 26Jを付着させた。これを50℃の乾燥機に入れ1時間乾燥させた後、150℃の恒温槽で5分間加熱してから室温に冷却したボールペンチップ。
(比較例1)
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト8重量%、クロム3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
(比較例2)
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としチタン8.3重量%、クロム1.6重量%、ニッケル1.7重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
(比較例3)
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
炭化タングステンを主成分としコバルト3重量%を含むいわゆる超硬の直径0.7mmのボールを取り付けたエナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のボールペンチップ。
各実施例、比較例の評価に使用したインキの配合は以下の通りである。例中の部は重量部を示す。
(インキa)
Water Blue 9(C.I.AcidBlue1,オリエント化学工業(株)
製) 4.2部
ダイワレッド106WB(C.I.AcidRed52,ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
水 76.2部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5部に攪拌しながら加えた後、1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して青色インキを得た。
(インキa)
Water Blue 9(C.I.AcidBlue1,オリエント化学工業(株)
製) 4.2部
ダイワレッド106WB(C.I.AcidRed52,ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
水 76.2部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5部に攪拌しながら加えた後、1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して青色インキを得た。
(インキb)
Water Blue 9(C.I.AcidBlue1,オリエント化学工業(株)
製) 4.2部
ダイワレッド106WB(C.I.AcidRed52,ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
亜硝酸ナトリウム 0.2部
水 76.0部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5部に攪拌しながら加えた後、1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して青色インキを得た。
Water Blue 9(C.I.AcidBlue1,オリエント化学工業(株)
製) 4.2部
ダイワレッド106WB(C.I.AcidRed52,ダイワ化成(株)製)
0.6部
エチレングリコール 10.0部
ジエチレングリコール 8.0部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5部
亜硝酸ナトリウム 0.2部
水 76.0部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5部に攪拌しながら加えた後、1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して青色インキを得た。
各実施例、比較例の評価に使用したホットメルト剤及びその取り付け工程は以下の通りである。
(ホットメルト接着剤取り付け工程a)
ポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤メルトロンA704(ダイアボンド(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、該ポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤メルトロンA704の温度が200℃となるようにしたものにボールペンチップ先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、ポリアミド系ホットメルト剤を冷却固化した。
(ホットメルト接着剤取り付け工程a)
ポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤メルトロンA704(ダイアボンド(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、該ポリアミド樹脂を主剤とするホットメルト接着剤メルトロンA704の温度が200℃となるようにしたものにボールペンチップ先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、ポリアミド系ホットメルト剤を冷却固化した。
(ホットメルト接着剤取り付け工程b)
エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤HM200(セメダイン(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を210℃に設定し、該エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤HM200の温度が190℃となるようにしたものにボールペンチップの先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤を冷却固化した。
エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤HM200(セメダイン(株))のペレットを500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を210℃に設定し、該エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤HM200の温度が190℃となるようにしたものにボールペンチップの先端を1秒間漬けて、引き上げ、60秒間放置して、エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするホットメルト接着剤を冷却固化した。
エナージェル(BL17、水性インキボールペン、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に上記の水性インキを充填したものに、上記の各実施例、比較例のボールペンチップを取り付け、上記のホットメルト接着剤取り付け工程にてペン先にホットメルト接着剤を取り付け、遠心処理を経て評価用の水性インキボールペンを得た。初期評価は、ホットメルト接着剤を取り外したものを使用し。経時後評価は、初期評価のサンプルとは異なる個体であるが、ホットメルト接着剤を付けたままで経時試験を行った評価用の水性インキボールペンおよびホットメルト接着剤を取り除いて経時試験を行った評価用の水性インキボールペンを使用して行った。
経時試験:温度60℃、湿度80%の高温高湿槽内に、上記評価用水性インキボールペンを3週間保管後、取り出して室温に戻した。
書き味の軽さ、滑らかさ:筆記抵抗値を測定した。筆記抵抗値は自動筆記機を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70度の条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定した。
ボールの腐食:ボール表面の粗さ(算術平均粗さ)の変化を原子間力顕微鏡にて測定した。経時後のボールは顕微鏡で腐食したと思われる部分を確認し、そのうちもっとも荒れた部分の表面粗さを測定した。測定は(株)セイコーインスツルーメント製、走査型プローブ顕微鏡SPI−400を用いて行った。単位はnm。
表1より、ボール表面をワックスで被覆した実施例1〜6については、ボール表面の粗さ(算術平均粗さ)がわずかに大きくなるだけで、ほとんど腐食は発生せず、書き味も良好であった。比較例1、2、3についてはホットメルト接着剤に接触している部分に激しい腐食が発生し、インキに接触している部分についても腐食が発生し、筆記抵抗値も大きくなった。インキ中に従来防錆剤として使用されている亜硝酸ナトリウムを含有するインキbを使用した比較例3でも、ホットメルト接触側、インキ接触側の両方についてボール表面の腐食を防ぐことはできなかった。
以上、詳細に説明したように本発明は長期経時した後でもボール表面が腐食しにくく、書き味が重くならないボールペン用ペン先および該ペン先を具備した水性インキボールペンに関する。
1 ボール
2 ボールホルダー
2a 先端開口部
2b 先端開口部内縁部分
2c 内孔
3 チップホルダー
3a 内孔
4 インキ収容管
5 インキ
6 コイルスプリング
7 粘性流体逆流防止体組成物
8 浮体
9 内方突出部
10 ボール受け座
11 中孔
12 放射状溝
2 ボールホルダー
2a 先端開口部
2b 先端開口部内縁部分
2c 内孔
3 チップホルダー
3a 内孔
4 インキ収容管
5 インキ
6 コイルスプリング
7 粘性流体逆流防止体組成物
8 浮体
9 内方突出部
10 ボール受け座
11 中孔
12 放射状溝
Claims (3)
- ボールホルダーに回転自在にボールを抱持したボールペンチップにおいて、金属を含有する該ボールの表面全体をワックスで被覆したボールペンチップ。
- 着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とから少なくともなる水性インキを収容し前記請求項1記載のペン先を備える水性インキボールペン。
- 加熱溶融させたワックスをボール表面に被覆させ、その後冷却固化させる請求項1に記載のボールペン用ペン先の製造方法。
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JP2014087953A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Pentel Corp | ボールペン用ボール |
JP2014125514A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Pilot Corporation | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン |
JP2014148084A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Pentel Corp | ボールペン用ボール |
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2009
- 2009-08-03 JP JP2009180429A patent/JP2011031510A/ja active Pending
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