JP2014148084A - ボールペン用ボール - Google Patents
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Abstract
【目的】 長期経時してもボールが腐食しにくく、軽く滑らかな書き味と潤滑性を維持
するボールペンを提供することを目的とするものである。
【構成】 タングステンカーバイトと、結合成分としてのコバルトを少なくとも含有するボールペン用ボールにおいて、ボール表面から1μmの深さの範囲におけるコバルト原子に対するニッケル原子の割合が0.01重量%以上0.3重量%以下であるボールペン用ボール。
【選択図】 なし
するボールペンを提供することを目的とするものである。
【構成】 タングステンカーバイトと、結合成分としてのコバルトを少なくとも含有するボールペン用ボールにおいて、ボール表面から1μmの深さの範囲におけるコバルト原子に対するニッケル原子の割合が0.01重量%以上0.3重量%以下であるボールペン用ボール。
【選択図】 なし
Description
本発明は、被筆記面に接触してインキを転写し筆跡を形成する部材であるボールペン用ボールに関するものである。
タングステンカーバイド(以下WCと称する)の微粒子をコバルト(以下Coと称する)等の結合成分と共に焼結温度にまで熱処理を施した焼結体は、WC−Co系超硬材料とも呼ばれ、優れた機械的性質により、ボールペン用ボールとして広く用いられている。
このようなWC−Co系超硬材料を使用したボールは、酸性および中性溶液中で結合成分であるCoが溶出するという性質があることから、pHが低いインキや、長期経時による酸化によってpHの低下したインキと接触することによって、ボール中の結合成分であるCoが溶出し、ボール表面の表面粗さが増加し始める。
また、WC−Co系超硬ボールの結合成分であるCo原子の相内には微量元素としてニッケル原子(以下Niと称する)が固溶している。Co原子に固溶しているNi原子の量が多いと(Co,Ni)23C6や、(Co,Ni)3Cの炭化物が多く生じ易く、これら炭化物とCoとの電位差により電池が形成され、ボールの結合成分であるCoが、標準電極電位が卑な金属となり溶出してしまい、同様にボール表面の表面粗さが増加する問題がある。ここでの表面粗さとは、JIS B 0601に記載の平均面粗さ(Ra)を指す。
市販されている概ねのボールペン用WC−Co超硬ボールは、pHが低いインキや、長期経時による酸化によってpHの低下したインキと触れる環境に置かれることで、まず、ボール中の結合成分であるCoが溶出しボールの表面粗さ(Ra)が1から3nm程度増加し、さらにWCの結晶粒子が脱落し、ボール表面の粗さが4nm以上増加することで、ボールとボール抱持部との間の摩擦抵抗が増大し、ボールの回転が阻害され書き味の滑らかさが失われるものであった。
このようなWC−Co系超硬材料を使用したボールは、酸性および中性溶液中で結合成分であるCoが溶出するという性質があることから、pHが低いインキや、長期経時による酸化によってpHの低下したインキと接触することによって、ボール中の結合成分であるCoが溶出し、ボール表面の表面粗さが増加し始める。
また、WC−Co系超硬ボールの結合成分であるCo原子の相内には微量元素としてニッケル原子(以下Niと称する)が固溶している。Co原子に固溶しているNi原子の量が多いと(Co,Ni)23C6や、(Co,Ni)3Cの炭化物が多く生じ易く、これら炭化物とCoとの電位差により電池が形成され、ボールの結合成分であるCoが、標準電極電位が卑な金属となり溶出してしまい、同様にボール表面の表面粗さが増加する問題がある。ここでの表面粗さとは、JIS B 0601に記載の平均面粗さ(Ra)を指す。
市販されている概ねのボールペン用WC−Co超硬ボールは、pHが低いインキや、長期経時による酸化によってpHの低下したインキと触れる環境に置かれることで、まず、ボール中の結合成分であるCoが溶出しボールの表面粗さ(Ra)が1から3nm程度増加し、さらにWCの結晶粒子が脱落し、ボール表面の粗さが4nm以上増加することで、ボールとボール抱持部との間の摩擦抵抗が増大し、ボールの回転が阻害され書き味の滑らかさが失われるものであった。
これらのCoの溶出が原因となる表面粗さ(Ra)の増大を防止するために、インキ中に一般的な金属防錆剤であるカルボキシベンゾトリアゾールを添加したもの(特許文献1)、ボール表面に物理的蒸着にて層状に酸化アルミニウム等を被覆するもの(特許文献2)が知られている。
特許文献1に記載の発明では、インキ中に一般的な金属防錆剤を添加する方法が記載されているが、インキ自体のpHの低下を抑えるものではないので、長期経時による酸化によりインキのpHが低下してしまうため、結合成分であるCoが溶出してしまい、十分な腐食防止効果を得ることができなかった。
特許文献2に記載の発明では、物理的蒸着にてボール表面に層状に酸化アルミニウム等を被覆する方法が記載されているが、ボールペンのボールのような小径の球状物質への均一な物理蒸着は困難であり、その結果被覆されていない場所が多数存在してしまうため、十分な腐食防止効果を得ることができなかった。
特許文献2に記載の発明では、物理的蒸着にてボール表面に層状に酸化アルミニウム等を被覆する方法が記載されているが、ボールペンのボールのような小径の球状物質への均一な物理蒸着は困難であり、その結果被覆されていない場所が多数存在してしまうため、十分な腐食防止効果を得ることができなかった。
本発明は、タングステンカーバイトと、結合成分としてのコバルトとを少なくとも含有するボールペン用ボールにおいて、ボール表面から1μmの深さの範囲におけるコバルト原子に対するニッケル原子の重量の割合が0.01重量%以上0.3重量%以下であるボールペン用ボールを要旨とする。
WCの結合成分であるCoに固溶するNiは、靱性を持ち、また、周期表でCo元素と近く、類似した性質を備えているため、Co原子と結合しやすく、Co原子に対するNi原子の割合が0.01重量%以上でCoに対する強い結合力を発揮する。
また、Niは、WC粒子に対する金属結合相の役割をも担えるようになり、WCとCoとをより強く結合させることができる。しかし、Co原子に固溶するNi原子の割合が0.3重量%を超えると、(Co,Ni)23C6または(Co,Ni)3Cの炭化物が生じやすくなるため、Co原子に対するNi原子の割合を0.01重量%以上0.3重量%以下にすることで、結合成分であるCoの溶出を防ぎ、そこから生ずるWCの脱落を抑えることができ、ボールの表面粗さの増大を抑制するので良好な書き味を長期継続できるようになる。
また、Niは、WC粒子に対する金属結合相の役割をも担えるようになり、WCとCoとをより強く結合させることができる。しかし、Co原子に固溶するNi原子の割合が0.3重量%を超えると、(Co,Ni)23C6または(Co,Ni)3Cの炭化物が生じやすくなるため、Co原子に対するNi原子の割合を0.01重量%以上0.3重量%以下にすることで、結合成分であるCoの溶出を防ぎ、そこから生ずるWCの脱落を抑えることができ、ボールの表面粗さの増大を抑制するので良好な書き味を長期継続できるようになる。
本発明のボールペン用ボールは、WCを主成分とし、Coを結合成分として焼結させた所謂WC−Co系超硬合金であり、WC粉体の形状は、焼結できるものであれば特に限定されないが、好ましくは平均粒子径が1μm以下のもの、更にはエッジのない粒子が良い。また、粉体の平均粒子径も特に限定されないが、小球状の表面を研磨し、ナノスケールレベルの平滑性を要求されるボールペン用ボールにおいては、平均粒子径が10μm以下であることが望ましい。
結合成分として使用されるCo粉末は微量元素として固溶しているNi原子の量が0.01重量%以上0.3重量%以下のものであればそのまま使用できるが、0.3重量%を越えるものであっても、焼結後ボールペン用ボールが得られた後に、1100℃以上で加熱した後に徐冷させることで、表面のCo内に存在していたNiをボール全体に均一に拡散されることにより、表面のCo内のNi濃度を0.01重量%以上0.3重量%以下に減少させることが可能である。また、WC−Co超硬ボール耐食性を向上させるには微粒の低Co合金が好ましいため、前記Co粉体は超硬ボール全体に対して5重量%以上15重量%以下が好ましい。
また、さらに耐食性を向上させる目的として、Cr3C2を添加することもできる。Cr3C2は粒子状でボール表面に存在し、Cr3C2粒子の平均粒子径は特に限定されないが、超硬ボール全体に対して1重量%以上8重量%以下であることが好ましい。
超硬ボールを焼結させる方法としては、WC粉体とCo粉体、さらに必要であればCr3C2粉末を混合させた後、熱プラズマ焼結法やマイクロ波焼結法やミリ波焼結法などの無加圧焼結法、ホットプレス焼結法や放電プラズマ焼結法や超高電圧焼結や熱間等方加圧焼結法や高圧ガス反応焼結法などの加圧焼結法が用いることができる。焼結合金の欠陥である微小孔は圧粉時における密度不足や焼結条件によって生じやすく、その欠陥を極力なくすためには加圧焼結法がよく、特に放電プラズマ焼結法は、粉体が自己発熱し表面の金属皮膜への熱の伝わりがよいことから材料中の欠陥(微小孔)をつぶすため好適に使用できる。
本発明に係るボールを使用したボールペンとしては、このボールをステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダーに、ボールの一部を突出した状態で抱持させてボールペンチップとし、このボールペンチップにインキ収容管を接続したものに好適に使用することができる。ボールホルダーの形態としては、棒材を削りだして作られるものの他に、パイプ材を加工して得られるパイプ式ボールペンチップを使用することもできる。更に、ペン先の乾燥や、インキの漏れを防ぐためにコイルスプリングなどを配置して、ボールをボールホルダーの開口部内縁に押し付ける構造のものとすることもできる。
本発明に係るボールを使用したボールペンにて使用するインキは、筆跡・塗布跡を形成するものであり水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。
水性インキとしては、液媒体として、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
油性インキとしては、有機溶剤は、初筆かすれ性能や経時減量速度のコントロールや、インキ洩れ性能、書き味、ボテ等を両立させるため、または配合成分の溶解助剤として補助的な溶剤として用いるものであり、使用する着色剤の溶解性、分散安定性を考慮し、適宜選択する事ができる。特に好ましい有機溶剤は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルモノグリコール、ベンジルジグリコール、プロピレングリコールモノフェニルエーテルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコールなどの芳香環を含む溶剤などがある。
水性インキとしては、液媒体として、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
油性インキとしては、有機溶剤は、初筆かすれ性能や経時減量速度のコントロールや、インキ洩れ性能、書き味、ボテ等を両立させるため、または配合成分の溶解助剤として補助的な溶剤として用いるものであり、使用する着色剤の溶解性、分散安定性を考慮し、適宜選択する事ができる。特に好ましい有機溶剤は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルモノグリコール、ベンジルジグリコール、プロピレングリコールモノフェニルエーテルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコールなどの芳香環を含む溶剤などがある。
インキに使用する着色剤としては、染料及び/又は顔料が使用できる。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料が例示できる。具体例を挙げると、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、同ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。油溶性の染料としては、ローダミンBベース(C.I.45170B)、ソルダンレッド3R(C.I.21260)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー−111等が挙げられる。
顔料としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。具体例を挙げると、顔料ではアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げるとアニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660)、ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460)、パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、インキ全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。0.5重量%未満では、薄くて筆跡としての性能を果たさず、30重量%を超えるとチップ内でのドライアップが増長し書き出し性能が悪くなる傾向が有る。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、RenolYellow GG−HW30、同HR−HW30、同OrangeRL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同CarmineFBB−HW30、同Violet RL−HW30、同BlueB2G−HW30、同CF−HW30、同GreenGG−HW30、同BrownHFR−HW30、BlackR−HW30(以上クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上大日精化工業(株)製)、MICROLITHYellow4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown5R−A、Scarlet R−A、Red2C−A、同3R−A、Magenta2B−A、VioletB−A、Blue4G−A、GreenG−A(以上チバスペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
着色剤に顔料を用いた場合は顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸等の防錆剤、デハイドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸等の防錆剤、デハイドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的で、粘調性の流体であるインキ逆流防止体を使用することもできる。
インキ逆流防止体は、基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体などに、ゲル化剤として、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物などを添加したものとすることができる。そして、これに着色防止としてアルコール系溶剤やグリコール系溶剤、逆流防止として界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加することもできる。
インキ逆流防止体は、基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体などに、ゲル化剤として、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物などを添加したものとすることができる。そして、これに着色防止としてアルコール系溶剤やグリコール系溶剤、逆流防止として界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加することもできる。
実施例1
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89gと、コバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8gと、二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gとを、ステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89gと、コバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8gと、二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gとを、ステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例2
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gと、コバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8gとをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gと、コバルト粉体(COE03PB;(株)高純度化学研究所製)8gとをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例3
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)90gと、コバルト粉体(コバルト(高純度);三津和化学薬品(株)製)10gとをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)90gと、コバルト粉体(コバルト(高純度);三津和化学薬品(株)製)10gとをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例4
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)88gとコバルト粉体(高純度コバルト;日本重化学工業(株)製)12gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)88gとコバルト粉体(高純度コバルト;日本重化学工業(株)製)12gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例5
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1200℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1200℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例6
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1300℃で1時間熱処理をし、その後75℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1300℃で1時間熱処理をし、その後75℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
実施例7
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1120℃で1時間熱処理をし、その後25℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1120℃で1時間熱処理をし、その後25℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例1
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)85gとコバルト粉体(関東化学(株)製)12gと二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)85gとコバルト粉体(関東化学(株)製)12gと二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例2
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gと二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)89gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gと二炭化三クロム(三津和化学薬品(株)製)3gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例3
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)88gとコバルト粉体(関東化学(株)製)12gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)88gとコバルト粉体(関東化学(株)製)12gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例4
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨し、φ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
比較例5
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1000℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
炭化タングステン粉体(WC15;(株)アライドマテリアル製)92gとコバルト粉体(関東化学(株)製)8gをステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、ボールミルで48時間の混合粉砕後、乾燥して100gの混合粉末を得た。これらの混合粉末を内部が球状の金型に投入し、放電プラズマ焼結法にて球状焼結合金を得た。なお、放電プラズマ焼結は、放電プラズマ焼結装置(SPS−1050;SPSシンテックス(株)製)を用いて、焼結圧力15MPa、on−off時間100ms、短形波直流パルス電流100Aの条件で900sの予備焼結を行った後、焼結圧力を40MPaに上げ焼結温度が1500℃になるように連続パルス通電を600s間行った。さらに前記球状焼結合金の表面を鏡面状態にまで研磨した後、1000℃で1時間熱処理をし、その後50℃/hで徐冷することでφ0.7mmのボールペン用ボールを得た。
ボール表面のCo原子に固溶するNi原子の割合の測定
実施例1〜7および比較例1〜3のボールペン用ボールのボールに対し、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置(LA/ICP−MS、レーザー部;LSX−100、CETAC Technologies社製、米国、ICP−MS部;HP−4500、横河アナリティカルシステムズ(株)製)を用いて、表面から1μmの深さの中のCo原子に対するNi原子の割合を測定した。具体的には、レーザー1回照射あたりのスパッタ深さを0.02μmに設定し、ボールの任意位置50×50μmの領域を50回測定することで、各元素の割合を測定し、得られたCo量に対するNi量を算出した。
実施例1〜7および比較例1〜3のボールペン用ボールのボールに対し、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置(LA/ICP−MS、レーザー部;LSX−100、CETAC Technologies社製、米国、ICP−MS部;HP−4500、横河アナリティカルシステムズ(株)製)を用いて、表面から1μmの深さの中のCo原子に対するNi原子の割合を測定した。具体的には、レーザー1回照射あたりのスパッタ深さを0.02μmに設定し、ボールの任意位置50×50μmの領域を50回測定することで、各元素の割合を測定し、得られたCo量に対するNi量を算出した。
ボール表面粗さ測定
実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールの、ボールの表面の粗さ(算術平均粗さ)の変化を原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡SPI−400、(株)セイコーインスツルーメント製)を用いて、初期状態のボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)のボールと取り換えて、50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置し、経時後のボールペンのボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。このとき使用したインキは以下のインキ1とした。
実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールの、ボールの表面の粗さ(算術平均粗さ)の変化を原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡SPI−400、(株)セイコーインスツルーメント製)を用いて、初期状態のボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)のボールと取り換えて、50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置し、経時後のボールペンのボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。このとき使用したインキは以下のインキ1とした。
インキ1
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)
製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(S)(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、アビシア(株)) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
水 41.5重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部に攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このもののインキpHは8.5であった。
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)
製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(S)(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、アビシア(株)) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
水 41.5重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部に攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このもののインキpHは8.5であった。
筆記荷重の測定
実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)のボールと取り換えて、筆記試験用のボールペンを作成した。初期値として、静・動摩擦測定器(トリラボ トライボマスター Type:TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定し、その後、同じボールペンサンプルを50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置し、初期値測定と同条件にて測定を行った。このとき使用したインキは上記のインキ1とした。
結果を表1に示す。
実施例1〜7および比較例1〜5のボールペン用ボールを、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BL57)のボールと取り換えて、筆記試験用のボールペンを作成した。初期値として、静・動摩擦測定器(トリラボ トライボマスター Type:TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度2mm/秒、筆記角度70条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定し、その後、同じボールペンサンプルを50℃30%RHの高温槽に、ペン先を下向きにして90日間放置し、初期値測定と同条件にて測定を行った。このとき使用したインキは上記のインキ1とした。
結果を表1に示す。
実施例1〜4のボールペン用ボールは、結合成分として使用されるCo粉体内のNiの量が0.01重量%以上0.3重量%以下であることから、腐食発生の原因である(Co,Ni)23C6または(Co,Ni)3Cの炭化物を生じにくくなり、Coの硬度と靱性を維持できるため、Coの溶出が発生しなくなり、良好な書き味を長期継続できた。
実施例5〜7のボールペン用ボールは、結合成分として使用されるCo粉体内のNiの量が0.3重量%を越えているが、焼結後ボールペン用ボールが得られた後に、1100℃以上で1時間加熱した後に徐冷させることで、表面Co内のNi濃度を減少させたため、腐食発生の原因である(Co,Ni)23C6または(Co,Ni)3Cの炭化物を生じにくくなり、Coの硬度と靱性を維持できるため、Coの溶出が発生しなくなることから、良好な書き味を長期継続できた。
これに対して比較例1、3、5のボールペン用ボールは、結合成分として使用されるCo粉体内のNiの量が0.3重量%を越えているため、腐食発生の原因である(Co,Ni)23C6または(Co,Ni)3Cの炭化物が多く生じ、前記炭化物とCoとの炭化物の電位の差から電流が流れて腐食が発生しやすくなるめ、Coの溶出が発生し、WCの脱落が発生し、ボール表面の粗さが4nm以上増加してしまうので、長期経時により書き味の滑らかさが失われてしまう。また、比較例2、4のボールペン用ボールは、結合成分として使用されるCo粉体内のNiの量が0.01重量%未満のため、結合力が発揮されず、Coの溶出が発生し、WCの脱落が発生し、ボール表面の粗さが4nm以上増加してしまうので、長期経時により書き味の滑らかさが失われてしまう。
Claims (1)
- タングステンカーバイトと、結合成分としてのコバルトとを少なくとも含有するボールペン用ボールにおいて、ボール表面から1μmの深さの範囲におけるコバルト原子に対するニッケル原子の重量の割合が0.01重量%以上0.3重量%以下であるボールペン用ボール。
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2013
- 2013-01-31 JP JP2013017667A patent/JP2014148084A/ja active Pending
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