JP2015024589A - ボールペン - Google Patents

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将樹 飯塚
Masaki Iizuka
将樹 飯塚
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Pentel Co Ltd
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Abstract

【目的】 未使用時におけるボールペン先端部の腐蝕性を改良したボールペンを得る。
【構成】 筆記部材としてのボールを、ボールホルダーの先端開口部より一部突出させた状態で回転可能に抱持したボールペンチップの、ボールホルダーの先端開口部とボールとの隙間である先端インキ吐出口を、常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルまたは常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する熱可塑性樹脂組成物の被膜にて閉塞してなるボールペン。
【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記部材としてのボールとボールホルダーとの隙間であるインキ吐出口をシール部材で被覆されたボールペンに関するものであり、未使用時において、ボールペン先端部の腐蝕性を改良したボールペンに関する。
使用時にキャップを着脱しなくて済むノック式ボールペンや塗布具は、エンドユーザーが筆記に使用するまでにボールペンチップの先端開口部からのインキの洩れや、インキの乾燥等を防ぐために、ボールペンの先端部に、溶融したホットメルト剤を被覆させシールしたものが知られている。(特許文献1乃至2参照)
しかし、こういった溶融したホットメルト剤をボールペンチップの先端インキ吐出口に被覆した場合、インキの洩れやインキの乾燥などは防げるが、ホットメルト剤とボールやボールペンチップとの間に極小の隙間を作ってしまい、酸素や水分が介在すると、濃淡電池が構成され、腐蝕が生じてしまう隙間腐蝕が起きてしまう場合がある。この隙間腐蝕によりボール表面の凹凸が大きくなってしまい、筆記性能が低下してしまう問題があった。
これらの問題を解決するために、熱可塑性複合材に酸素吸収剤を添加して酸素を除去し、腐蝕が発生するまでの期間を延長するものがある。(特許文献3)
特開昭53−085623号公報 特開平07−222948号公報 特開2006−123375号公報
特許文献3に記載の発明のように、ホットメルト剤に酸素吸収剤を添加したものは、腐蝕が発生するまでの期間を延長するが長期経時により酸素吸収剤の酸素吸収能力が低下してしまうため、腐蝕が生じてしまうことがあった。
本発明は、筆記部材としてのボールをボールホルダーの先端開口部より一部突出させた状態で回転可能に抱持したボールペンチップの、ボールホルダーの先端開口部とボールとの隙間である先端インキ吐出口を、常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルまたは常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する熱可塑性樹脂組成物の被膜にて閉塞してなるボールペンを要旨とする。
本発明によれば、ボールペンチップの先端インキ吐出口を、少なくともポリグリセリン脂肪酸エステルにて被覆することで、低温で溶融することができるポリグリセリン脂肪酸エステルがボールペンチップと隙間を埋めて密着し、濃淡電池を構成することを防ぎ、そこから生じる隙間腐蝕などを防止でき、腐蝕から生じる筆記性能の低下も抑えることができる。
ボールペンチップの先端インキ吐出口を被覆するポリグリセリン脂肪酸エステルは、常温で固体であり、融点が80℃以下の低温で容易に均一に溶融し、溶融粘度も低いため、ボールペンチップの先端に均一に被膜することが可能であり、消泡剤としての機能も有するため、溶融し、ボールやボールペンチップに被覆する際に気泡が入りにくい等の性質があり、隙間なく被覆することができ、腐蝕を抑制できる。
また、分散性にも優れ、熱可塑性樹脂等との相溶性も優れる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルに使用される脂肪酸としては特に限定されるものではなく、使用される脂肪酸としては、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、縮合リシノール酸などが挙げられる。
また、溶融状態の熱可塑性樹脂と混合させて、熱可塑性樹脂組成物として使用する場合、熱可塑性樹脂としては、単体又は複数種の混合物が使用でき、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、シリコーン、スチレン共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイソブチレン、アクリル、ポリアセタール、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル及び共重合体、ポリビニルブチラール、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、シリコーン、セルロース誘導体、ポリオレフィン系樹脂、合成ゴム系樹脂、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体が例示できる。
このような熱可塑性樹脂組成物として使用した場合には、熱可塑性樹脂として、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体が熱可塑性樹脂を使用すると、冷却状態でも適度な柔らかさを付与でき、ペン先に衝撃が加わった時、外れたり、破損したりしにくいので好ましいと言える。また、これらの熱可塑性樹脂は、溶融状態での粘度が低く、被覆するボールペンチップの先端部とのぬれ性が高いので固着力が高いものとなり好ましい。更に、溶融温度も低いので作業性及び安全性が高いものである
具体的な商品として、ポリアミド樹脂を主剤とするものには、セメダイン(株)製ホットメルト剤HM360や、住友スリーエム(株)製ホットメルト剤EC─3779、同7375、ダイセル・エボニック(株)製ホットメルト剤ベスタメルト722などが挙げられ、エチレン酢酸ビニル共重合体を主剤とするものには、セメダイン(株)製ホットメルト剤HM200、同207、同208S、同214、同223、同224、同244、日立化成ポリマー(株)製ホットメルト剤ハイボン9800、同9822、同9876、同9877、同9888などがある。これら一種もしくは二種以上の混合物を使用できる。
前記熱可塑性樹脂組成物中に粘着性付与剤を添加することもできる。テルペン樹脂及びその誘導体、テルペンフェノール共重合体、ロジン及びその誘導体、水添ロジン、ロジンエステル、石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン樹脂、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体、スチレンとアクリロニトリル及びインデンのターポリマー、イソプレン系樹脂などが例示できる。
前記熱可塑性樹脂組成物中に軟化剤、可塑剤を添加することもできる。ポリブテン、液状ロジンエステル、低分子スチレン樹脂、塩素化パラフィン、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジブチルなどが例示できる。
その他熱可塑性樹脂組成物中に、粘着性付与剤やその他添加物を混合したものを使用することができ、粘着付与剤としては、テルペン樹脂及びその誘導体、テルペンフェノール共重合体、ロジン及びその誘導体、水添ロジン、ロジンエステル、石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン樹脂、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体、スチレンとアクリロニトリル及びインデンのターポリマー、イソプレン系樹脂などが例示できる。
軟化剤、可塑剤として、ポリブテン、液状ロジンエステル、低分子スチレン樹脂、塩素化パラフィン、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジブチルなどが例示できる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリビニルメチルエーテルなどが例示できる。
その他添加材として、充填材としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、粉末パルプ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、その他無機・有機顔料など、吸着材としては、ゼオライト、シリカゲルなど、酸化剤としては、フェノール系、アミン系、リン酸系などが例示できる。
熱可塑性樹脂組成物としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルと熱可塑性樹脂とを加熱溶融した熱可塑性樹脂浴にホットメルト剤に直接添加したり、ペレットの状態の熱可塑性樹脂に練り込んだり、付着させることも可能である。
本発明に関わるボールペンにて使用するインキは、筆跡・塗布跡を形成するものであり水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。
水性インキとしては、液媒体として、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
油性インキとしては、有機溶剤は、初筆かすれ性能や経時減量速度のコントロールや、インキ洩れ性能、書き味、ボテ等を両立させるため、または配合成分の溶解助剤として補助的な溶剤として用いるものであり、使用する着色剤の溶解性、分散安定性を考慮し、適宜選択する事ができる。特に好ましい有機溶剤は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルモノグリコール、ベンジルジグリコール、プロピレングリコールモノフェニルエーテルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコールなどの芳香環を含む溶剤などがある。
インキに使用する着色剤としては、染料及び/又は顔料が使用できる。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料が例示できる。具体例を挙げると、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、同ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。油溶性の染料としては、ローダミンBベース(C.I.45170B)、ソルダンレッド3R(C.I.21260)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエント スピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、スピロンブラック GMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー−111等が挙げられる。
顔料としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。具体例を挙げると、顔料ではアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げるとアニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660)、ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460)、パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、インキ全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。0.5重量%未満では、薄くて筆跡としての性能を果たさず、30重量%を超えるとチップ内でのドライアップが増長し書き出し性能が悪くなる傾向が有る。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同GreenGG−HW30、同BrownHFR−HW30、BlackR−HW30(以上クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上大日精化工業(株)製)、MICROLITH Yellow4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown5R−A、Scarlet R−A、Red2C−A、同3R−A、Magenta2B−A、VioletB−A、Blue4G−A、GreenG−A(以上チバスペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
着色剤に顔料を用いた場合は顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸等の防錆剤、デハイドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的で、粘調性の流体であるインキ逆流防止体を使用することもできる。
インキ逆流防止体は、基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体などに、ゲル化剤として、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物などを添加したものとすることができる。そして、これに着色防止としてアルコール系溶剤やグリコール系溶剤、逆流防止として界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加することもできる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。
実施例1
NIKKOL Decaglyn 10−SV(デカステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を100℃に設定し、NIKKOL Decaglyn 10−Sの温度が80℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
実施例2
NIKKOL Hexaglyn 4−B(テトラベヘン酸ヘキサグリセリル、日光ケミカルズ(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を100℃に設定し、NIKKOL Hexaglyn 4−Bの温度が80℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
実施例3
TS−7S(デカグリセリントリステアリン酸エステル、阪本薬品工業(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を100℃に設定し、NIKKOL Hexaglyn 4−Bの温度が80℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
実施例4
サラコス 121(オキシステアリン酸グリセリル、日清オイリオグループ(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を100℃に設定し、サラコス 121の温度が80℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
実施例5
NIKKOL Decaglyn 10−SV(デカステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製、融点60〜70℃)を150gとHM200(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト剤、セメダイン(株)製)を350g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、前記熱可塑性樹脂組成物の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化した後、再加熱温度80℃で処理し、冷却しボールペンを得た。
比較例1
HM200(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト剤、セメダイン(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、HM200の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
比較例2
JA7399(ポリオレフィン系ホットメルト接着剤、住友スリーエム(株)製)を500g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、HM200の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
比較例3
NIKKOL Decaglyn 10−SV(デカステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製、融点60〜80℃)を150gとHM200(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト剤、セメダイン(株)製)を350g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、前記熱可塑性樹脂組成物の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化したボールペンを得た。
比較例4
NIKKOL Decaglyn 10−SV(デカステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製、融点60〜80℃)を150gとHM200(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト剤、セメダイン(株)製)を350g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、前記熱可塑性樹脂組成物の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化した後、180℃で処理し、冷却しボールペンを得た。
比較例5
NIKKOL Decaglyn 10−SV(デカステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製、融点60〜80℃)を150gとHM200(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系ホットメルト剤、セメダイン(株)製)を350g入れたアルミニウム製の容器をホットプレート上に置いてヒーターの温度を220℃に設定し、前記熱可塑性樹脂組成物の温度が200℃となるようにした。更にボールペンリフィルを1〜2秒間漬けて、引き上げ、60秒間以上放置して、冷却固化した後、30℃で処理し、冷却しボールペンを得た。
試験に使用したインキ
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)
製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(S)(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、アビシア(株)) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
水 41.5重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部に攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このもののインキpHは8.5であった。
試験サンプルボールペン
ぺんてる(株)製LR7用リフィル(直径0.7mmの超硬合金製のボール、ステンレス製ボールホルダー、合成樹脂製チップホルダー、合成樹脂製中空パイプで構成されたノック式ボールペン用リフィル)の部材を使用して、インキを1.0g、インキフォロワーを0.5g充填した。脱泡処理をした。
その後、初期状態として、ペン先を被覆していない状態で、ボールの表面粗さ測定、筆跡のカスレ試験、筆記荷重の測定を確認し、その後、上述の実施例、比較例に記載の通りペン先を被覆し、各実施例比較例のボールペンを得、下記に示す通りのそれぞれの試験を行った。
ボール表面粗さ測定
ボールの表面の粗さ(算術平均粗さ)を原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡SPI−400、(株)セイコーインスツルーメント製)を用いて、ボールの任意の20μm×20μmの表面粗さをそれぞれ測定した。
実施例1〜5および比較例1〜5のボールペンを、温度60℃、湿度80%の恒温槽に30日間下向きに経時し、室温に戻した後、各ホットメルト剤を指にて除去した後に、ボールの任意の20μm×20μmの表面粗さ(算術平均粗さ)をそれぞれ測定した。
筆跡のカスレ
螺旋状に直径1.5cm程度の丸40個連続して筆記し、筆跡のカスレ、線飛びの状態を確認する。
実施例1〜5および比較例1〜5のボールペンを、温度60℃、湿度80%の恒温槽に30日間下向きに経時し、室温に戻した後、各ホットメルト剤を指にて除去した後に、螺旋状に直径1.5cm程度の丸40個連続して筆記し、筆跡のカスレ、線飛びが起きている丸の個数を数えた。カスレや線飛び発生している丸の数が多いほど、ボールの腐蝕がひどい状態を示す。
筆記荷重の測定
静・動摩擦測定器(トリラボ トライボマスター Type:TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用いて、筆記荷重100gf、筆記速度7cm/s、筆記角度70°条件で、直線筆記し、筆記方向にかかる荷重を測定した。
実施例1〜5および比較例1〜3のボールペンを、温度60℃、湿度80%の恒温槽に30日間下向きに経時し、室温に戻した後、各ホットメルト剤を指にて除去した後に、上述の通り筆記方向にかかる荷重を測定した。
各試験の結果を表1に示す。
Figure 2015024589
以上、詳細に説明した通り、未使用時におけるボールペン先端部の腐蝕性を改善し、初期と変わらない筆記性能を維持できるものである。

Claims (1)

  1. 筆記部材としてのボールを、ボールホルダーの先端開口部より一部突出させた状態で回転可能に抱持したボールペンチップの、ボールホルダーの先端開口部とボールとの隙間である先端インキ吐出口を、常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルまたは常温で固体のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する熱可塑性樹脂組成物の被膜にて閉塞してなるボールペン。
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