JP2019043023A - 油性ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】書き出し性能を向上し、インキ漏れを抑制し、書き味を良好とする油性ボールペンを提供する。【解決手段】インキ収容筒2の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップ4を有し、インキ収容筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を収容した油性ボールペンであって、ボール表面の算術平均粗さが、0.1〜12nmであり、油性ボールペン用インキ組成物が、着色剤、有機溶剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を含む。【選択図】図1

Description

本発明は油性ボールペンに関するものである。
従来、油性ボールペン用インキ組成物において、筆記先端部の間隙よりインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙よりインキ漏れ)を抑制するために、インキ漏れ抑制剤として、特定の樹脂や剪断減粘性付与剤を用いてインキ粘度を高く設定した油性ボールペン用インキ組成物の技術が提案されており、インキ漏れ抑制については、ある程度抑制することはできるが、チップ先端部を大気中に放置すると、インキ中の溶媒などが蒸発して、樹脂や剪断減粘性付与剤、着色剤などが乾燥固化したときに、ドライアップ時の書き出しにおいて筆跡カスレが発生したり、書き味が十分ではないといった欠点があった。
このようなドライアップ時の書き出し性能を向上するために、様々な溶剤や添加剤を用いることを検討していた。例えば、蒸気圧0.005〜0.5mmHg(20℃)である不揮発性の有機溶剤を主溶剤として含有したものとしては、特開平6−247093号公報「油性ボールペン」が、平均分子量が200〜4,000,000であるポリエチレングリコールを含有したものとしては特開平7−196971公報「油性ボールペン用インキ組成物」が、デカマカデミアナッツ油脂肪酸デカグリセリルと、アルキル基の炭素数が16以上であり常温で固体のポリオキシエチレンアルキルエーテルとを少なくとも含有するものとしては、特開2008−88264号公報「ボールペン用油性インキ組成物」等に、開示されている。
「特開平6−247093号公報」 「特開平7−196971号公報」 「特開2008−88264号公報」
しかし、特許文献1では、有機溶剤として、蒸気圧0.005〜0.5mmHg(20℃)である不揮発性の有機溶剤を含有すると、インキが完全に乾ききるのを防ぐ効果はあるが、筆跡の乾燥性が悪く、それだけではドライアップ時の書き出し性能を満足させることができなかった。
また、特許文献2、3では、添加剤として、特定分子量のポリエチレングリコール、デカマカデミアナッツ油脂肪酸デカグリセリルを含有することで、チップ先端部に樹脂皮膜を形成することで、それ以上のチップ先端部の乾燥を抑制して、チップ内のインキ増粘を抑制えることにより、ある程度書き出し性能を向上することは可能ではあるが、樹脂皮膜が硬いため、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡カスレが発生してしまい、十分なドライアップ性能が得られなかった。
本発明のように、ボール径が1.0〜2.0mmとしたボールペンの場合は、インキ吐出量が多くなるようにボールペンチップを設定すると、筆記先端部のチップ先端におけるチップ先端が乾燥した時の書き出し性能が劣りやすく、より向上することが望まれている。
本発明の目的は、書き出し性能を向上し、インキ漏れを抑制し、書き味を良好とする油性ボールペンを得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために
「1.インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を収容した油性ボールペンであって、前記ボール表面の算術平均粗さが、0.1〜12nmであり、前記油性ボールペン用インキ組成物が、着色剤、有機溶剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を含んでなることを特徴とする油性ボールペン。
2.前記油性ボールペン用インキ組成物に、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を含んでなることを特徴とする第1項に記載の油性ボールペン。
3.前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が、8〜22であることを特徴とする第1項または第2項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
4.前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)が、脂肪酸と多価アルコールによってエステル化した脂肪酸エステルであることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
5.前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)の酸価が、0.01〜5(mgKOH/g)であることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
6.前記有機溶剤が、グリコールエーテル溶剤であることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
7.前記油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度3.4sec−1において、3000〜30000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。」とする。
本発明は、筆記先端部が乾燥した時の書き出し性能を良好とし、筆記先端部の間隙からインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制し、書き味を良好とする油性ボールペンを得ることができた。
本発明におけるボールペンレフィルの縦断面図である。 図1における、一部省略した要部拡大縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準であり、含有量とは、インキ組成物の質量を基準としたときの構成成分の質量%である。
本発明の特徴は、インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を収容した油性ボールペンであって、前記ボール表面の算術平均粗さが、0.1〜12nmとし、前記油性ボールペン用インキ組成物が、着色剤、有機溶剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を含んでなる油性ボールペンとすることで、筆記先端部が乾燥した時の書き出し性能を良好とし、筆記先端部の間隙からインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制し、書き味を良好に保つことが可能であることが解った。
本発明では、インキ漏れをより抑制しやすくするには、油性ボールペン用インキ組成物にポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでなることが重要である。これは、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、インキ中で立体構造を形成することで、剪断減粘性付与剤として働き、静止時のインキ粘度を高く設定することができ、インキの流動を抑えることで、ボールとチップ先端の間隙からインキがしみ出ることを抑えつつ、筆記先端部の乾燥時に被膜を形成することで、筆記先端部の間隙からインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制しやすいためである。さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことで、筆記時のインキ粘度を低く維持して、書き味を向上しやすくするため、好ましい。
また、樹脂としてポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂などを用いることで、インキ粘度を調整し、筆記先端部が乾燥した時に、樹脂被膜を形成することで、インキ漏れを抑制することができるが、前記樹脂による被膜形成に時間がかかるため(乾きが遅い)、チップ内のインキが乾いて、インキ増粘しやすく、書き出し性能が劣りやすい。
そこで、ポリグリセリン脂肪酸エステルのさらなる効果については、書き出し性能を向上するために、筆記先端部が乾燥した時に、短時間で被膜を形成することで(乾きが速い)、チップ内でインキ増粘しづらく、書き出し性能も向上することができる。
さらに、本発明では、より厳しい条件下を想定した場合においても、書き出し性能、潤滑性をより向上するために、ポリグリセリン脂肪酸エステルだけでなく、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を併用し、かつ、前記ボールペンチップのボール表面の算術平均粗さを0.1〜12nmとすることが重要である。
これは、前記脂肪酸エステルは、金属類である金属製のボールペンチップ本体やボールに吸着しやすく、潤滑膜を形成することで、潤滑性をより向上して、書き味を向上しつつ、ボールの回転力が上がり、筆記先端部の樹脂被膜を崩すことで、書き出し性能を向上することができるためである。さらに、前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)は、前記ボールペンのボール表面の算術平均粗さを0.1〜12nmと設定すると、金属製のボール上に前記脂肪酸エステルが吸着しつつ、ボール表面に載りやすいため、長期間潤滑性を向上し、長期間書き出し性能を向上することができるためである。
上記のように、本発明では、油性ボールペン用インキ組成物にポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を併用し、かつ、ボールペンチップ仕様としては、ボール表面の算術平均粗さを0.1〜12nmと設定することで、書き出し性能を良好とし、インキ漏れを抑制し、書き味を良好とすることができる。
インキ吐出量が多くなるようにボール径をより大きく設定した厳しい条件下とした、ボール径1.0〜2.0mm、特にボール径1.2〜2.0mmとした油性ボールペンにおいては、書き出し性能が劣りやすいため、より効果的である。さらに、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、筆記先端部が出された状態であるため、書き出し性能、インキ漏れ抑制、をより考慮する必要があるため、効果的である。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは、上記のように、インキ漏れを抑制し、書き味、書き出し性能を向上することができるが、着色剤として顔料を用いる場合は、顔料分散効果が得られるため、好適に用いることができ、好ましい。
本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記一般式(化1)のように表される。前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度(m)については、インキ漏れを抑制し、書き出し性能を良好とすることを考慮すれば、平均重合度が10以下として分子量が大きくならない方が好ましいため、前記平均重合度(m)は1〜10の範囲が好ましく、よりインキ漏れを抑制することを考慮すれば、平均重合度(m)は4〜10の範囲が好ましく、より考慮すれば、平均重合度(m)は4〜6の範囲が好ましい。このような平均重合度が1〜10の範囲のポリグリセリン脂肪酸エステルの例としては、ジグリセリン脂肪酸エステル(平均重合度(m):2)、テトラグリセリン脂肪酸エステル(平均重合度(m):4)、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル(平均重合度(m):6)、デカグリセリン脂肪酸エステル(平均重合度(m):10)が挙げられる。
ここで、平均重合度(m)は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(m)である。詳しくは、次式(式1)及び(式2)から平均重合度が算出される。
Figure 2019043023
(式1)分子量=74m+18
(式2)水酸基価=56110(m+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(1)、1996年度版」に準じて算出される。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸(脂肪酸残基)としては、炭素数8〜22の脂肪酸から選ばれるが、インキ中で立体構造を形成して、静止時のインキ粘度を高くすることで、インキ漏れ抑制や書き出し性能を考慮すれば、炭素数14〜20が好ましく、より考慮すれば、炭素数18が好ましい。このような炭素数8〜22の脂肪酸の例としてはステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、カプリル酸、ベヘン酸、エルカ酸、リノール酸、縮合リノール酸等が挙げられ、これらの脂肪酸は目的に応じて2種類以上の組み合わせで用いてもよい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸(脂肪酸残基)の中でも、構成する脂肪酸をステアリン酸とすることで、結晶構造を有する構造をとり、結晶構造が整うことにより安定した結晶構造による増粘効果が得られるため、より安定したインキ漏れ抑制効果が得られ、さらに安定した結晶構造により、筆記先端部が乾燥した時の形成被膜が軟化しやすく、書き出し性能が向上しやすいため、ポリグリセリンステアリン酸エステルとすることが好ましい。ポリグリセリンステアリン酸エステルとしては、具体的には、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンデカステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンペンタステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステルなどが挙げられ、結晶構造が安定しており、より安定したインキ漏れ抑制効果が得られ、さらに筆記先端部の形成被膜が軟化しやすく、より書き出し性能を考慮すれば、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステルが好ましく、より考慮すれば、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステルを用いることが好ましい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値については、筆記先端部が乾燥した時の被膜を形成することで、書き出し性能を向上しやすくすることを考慮すれば、HLB値が4〜14の範囲が好ましい、これは、HLB値が4未満だと、有機溶剤に対して溶解安定しづらく、HLB値が14を越えると、親水性が強いことで、インキへの吸湿が過剰になりやすく、そのため、HLB値が4〜14の範囲外であると、インキ経時安定性に影響が出やすく、本発明の効果も得られにくい。上記効果をより考慮すれば、HLB値が4〜12の範囲が好ましく、さらに考慮すれば、HLB値が7〜12の範囲が好ましい。
一般に、HLBを算出する方法として、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法と種々の方法が知られるが、その中でも本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、次に示すグリフィンの式より算出したものである。
HLB=(親水基部分の分子量/界面活性剤の分子量)×20
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、静止時のインキ粘度が高くなりづらく、インキ漏れを抑制しづらく、10.0質量%を越えると、インキ粘度が高くなることで、書き味やインキ追従性が劣りやすいためである。さらに、上記効果を考慮すれば、0.3〜5.0質量%が好ましく、さらに、3.0質量%を越えると、書き出し性能への影響がでやすいため、0.3〜3.0質量%が好ましい。
(脂肪酸エステル)
前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)については、脂肪酸と、1価アルコールや多価アルコールなどのアルコールとをエステル化反応させたものである。前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)の中でも、長時間書き出し性能を向上することを考慮すれば、分岐鎖アルキル基を有する脂肪酸エステルを用いることが好ましい。 これは、分岐鎖アルキル基を有する脂肪酸エステルは、直鎖構造よりも、嵩高い構造をしているため、分岐鎖アルキル基の嵩高さによって、金属製のボール表面やチップ本体のボール座に吸着しやすく、さらに厚い潤滑膜を形成して、より潤滑性が向上しやすいためで、同時に分岐鎖アルキル基の嵩高さによって、チップ先端部のインキ乾燥時に形成される皮膜強度が軟化し、書き出し性能を向上するためである。
さらに、前記脂肪酸エステルについては、酸価を0.01〜5(mgKOH/g)とすることが好ましい、これは、油性インキ中のポリグリセリン脂肪酸エステルや他成分との相性が良好であり、長期間インキ中で安定しているため、長時間書き出し性能を向上し、長期間潤滑性を向上し、書き味を向上しやすくすることが可能となるためである。より考慮すれば、酸価については、0.01〜2.5(mgKOH/g)であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.0(mgKOH/g)である。
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分(遊離脂肪酸)を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)のエステル化反応に用いられるアルコールは、多価アルコールが好ましい。これは、前記脂肪酸エステルの水酸基が多いと、吸湿作用が働き、チップ先端部が乾燥したときに形成する被膜の強度を軟化させ、ボールの回転をスムーズにする効果が得られるので、筆跡カスレが発生せずに、書き出し性能が向上するものと推測される。より書き出し性能を向上することを考慮すれば、水酸基が4価以上の多価アルコールを用いることが好ましく、より好ましくは水酸基が5価以上であることが好ましい。また、水酸基が多すぎると、油性インキ中での安定性に影響が出やすいため、水酸基が8価以下であることが好ましい。
前記脂肪酸エステルのエステル化反応に用いられるアルコールの具体例としては、1価アルコールとしては、ペンタノール、シクロヘキサノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミスチリルアルコール、ステアリルアルコール、ドコサノールなどが挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの中でも、より書き出し性能を向上し、インキ経時安定性を考慮すれば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどのペンタエリスリトール類によってエステル化した脂肪酸エステルを含むことが好ましく、より考慮すれば、ジペンタエリスリトールによってエステル化した脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
また、前記脂肪酸エステルのエステル化反応に用いられる脂肪酸の具体例としては、モノカルボン酸としては、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、イソヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、ネオノナン酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸などが挙げられる。多価カルボン酸としては、具体的には、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
さらに、前記脂肪酸エステルの酸価を、0.01〜5(mgKOH/g)とすることが好ましい、これは、油性インキ中のポリグリセリン脂肪酸エステルや他成分との相性が良好であり、長期間インキ中で安定しているため、長時間書き出し性能を向上し、長期間潤滑性を向上し、書き味を向上しやすくすることが可能となるためである。より考慮すれば、酸価については、0.01〜2.5(mgKOH/g)であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.0(mgKOH/g)である。
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分(遊離脂肪酸)を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
また、前記脂肪酸エステルの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%がより好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、所望の書き出し性能が得られにくい傾向があり、10.0質量%を越えると、インキ経時が不安定になりやすい傾向があるためであり、その傾向を考慮すれば、0.1〜8.0質量%が好ましく、より考慮すれば、0.1〜5.0質量%が、最も好ましい。
(樹脂)
また、インキ漏れ抑制をより向上するためには、樹脂をインキ粘度調整剤として、用いることが好ましい、樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などが挙げられるが、その中でも、インキ漏れ抑制効果をより向上しやすくするには、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を含んでなることが好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂については、インキ漏れ抑制効果と書き味を、両立して向上しやすいため、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。また、ポリビニルブチラール樹脂と本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを併用すると、ポリグリセリン脂肪酸エステルによって、インキの流動を抑えることで、ボールとチップ先端の間隙からインキがしみ出ることを抑えつつ、筆記先端部が乾燥時にポリビニルブチラール樹脂の被膜を早く形成する働きをする相互作用が得られるため、より効果的である。さらにポリビニルブチラール樹脂は、ボールとボール座との間に常に弾力性があるインキ層を形成して、直接接触しづらくするため、書き味を向上することが可能となるためである。また、着色剤として顔料を用いる場合は、顔料分散効果も得られるため、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。
ここで、ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA) をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造である。
特に、ボール径を通常よりも大きくして、1.0mm〜2.0mmとした場合では、ボールペンチップ本体とボールとの隙間からインキ漏れの影響が出やすいため、ポリビニルブチラール樹脂を用いると効果的であり、本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルとポリビニルブチラール樹脂を併用するとより効果的であり、特に1.2mm〜2.0mmとした場合は、より効果的である。
また、ポリビニルブチラール樹脂は、水酸基量25mol%以上とすることが好ましい。これは、水酸基量25mol未満のポリビニルブチラール樹脂では、有機溶剤への溶解性が十分でなく、十分な潤滑効果や、インキ漏れ抑制の効果が得られにくく、さらに、吸湿性による書き出し性能を考慮すると、水酸基量25mol%以上のポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましいためである。また、前記水酸基量30mol%以上のポリビニルブチラール樹脂は、書き味が向上しやすくなるため、好ましい。これは、筆記時において、ボールの回転により摩擦熱が発生することで、チップ先端部のインキが温められて、該インキの温度が高くなるが、前記ポリビニルブチラール樹脂は他の樹脂とは違い、インキ温度が高くなっても、インキ粘度を下がりづらくする性質があり、ボールとボール座との間に常に弾力性があるインキ層を形成して、直接接触しづらくするため、書き味を向上しやすい傾向がある。特に、油性ボールペンでは、高筆圧で筆記することも多いため、油性ボールペンでは効果的である。また、前記水酸基量40mol%を越えるポリビニルブチラール樹脂を用いると、吸湿量が多くなりやすく、油性インキ成分との経時安定性に影響が出やすいため、水酸基量40mol%以下のポリビニルブチラール樹脂が好ましい。そのため、水酸基量30〜40mol%のポリビニルブチラール樹脂が好ましく、さらに好ましくは、水酸基量30〜36mol%が好ましい。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の 全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
また、ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度については、前記平均重合度は200以上であると、インキ漏れ抑制性能が向上しやすく、また、前記平均重合度は2500を超えると、インキ粘度が高くなりすぎて書き味に影響する傾向があるため、前記平均重合度は、200〜2500が好ましい。さらに、よりインキ漏れ抑制、泣きボテ抑制効果を考慮すれば、前記平均重合度は1500以下が好ましい。さらに、より考慮すれば、前記平均重合度は200〜1000が好ましく、200〜700がより好ましい。ここで、平均重合度とは、ポリビニルブチラール樹脂の1分子を構成している基本単位の数をいい、JISK6728(2001年度版)に規定された方法に基づいて測定された値を採用可能である。
ポリビニルブチラール樹脂については、具体的には、積水化学工業(株)製の商品名;エスレックBH−3(水酸基量:34mol%、平均重合度:1700)、同BH−6(水酸基量:30mol%、平均重合度:1300)、同BX−1(水酸基量:33±3mol%、平均重合度:1700)、同BX−5(水酸基量:33±3mol%、平均重合度:2400)、同BM−1(水酸基量:34mol%、平均重合度:650)、同BM−2(水酸基量:31mol%、平均重合度:800)、同BM−5(水酸基量:34mol%、平均重合度:850)、同BL−1(水酸基量:36mol%、平均重合度:300)、同BL−1H(水酸基量:30mol%)、同BL−2(水酸基量:36mol%、平均重合度:450)、同BL−2H(水酸基量:29mol%)、同BL−10(水酸基量:28mol%)などや、クラレ(株)製の商品名;モビタールB20H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:250〜500)、同B30T(水酸基量:33〜38mol%、平均重合度:400〜650)、同B30H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:400〜650)、同B30HH(水酸基量:30〜34mol%、平均重合度:400〜650)、同B45H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:600〜850)、同B60T(水酸基量:34〜38mol%、平均重合度:750〜1000)、同B60H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:750〜1000)、同B75H(水酸基量:26〜31mol%、平均重合度:1500〜1750)などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
ケトン樹脂については、ポリグリセリン脂肪酸エステルと併用することで、より高いインキ漏れ抑制効果を相乗的に期待しやすく、さらに、泣きボテを抑制する効果が得られやすいため、好ましい。特に、泣き・ボテ抑制をより考慮すれば、重量平均分子量が500〜5000であることが好ましい。これは、上記範囲であれば、インキのはい上がりを抑制しやすく、泣き・ボテを抑制する効果が得られやすく、より考慮すれば、重量平均分子量が500〜3500であることが好ましく、インキ中での溶解安定することで、経時性を考慮すれば、重量平均分子量が1000〜2000であることが好ましい。
さらに、潤滑性を考慮すれば、芳香環骨格(フェニル基、アセトフェノン基、ナフタレン基などベンゼン環を有する)やシクロヘキサン骨格(シクロヘキサン基、シクロヘキサノン基などシクロヘキサン環を有する)などの環状構造を有するケトン樹脂を用いることが好ましい、これは、環状構造を有するケトン樹脂によるクッション効果が得られ、潤滑性を向上するためで、より好ましくは、芳香環を有するケトン樹脂の方が、二重結合構造を多数有するため、より強いクッション効果が得られやすいため、好ましい。
前記樹脂の総含有量は、インキ組成物全量に対し、1.0質量%より少ないと、樹脂被膜形成量が足りないおそれがあり、インキ漏れ抑制性能が劣りやすく、40.0質量%を越えると、インキ中で溶解性が劣りやすいため、インキ組成物全量に対し、1.0〜40.0質量%が好ましい。さらに、インキ漏れ抑制性能を考慮すれば5.0質量%以上が好ましく、30.0質量%を越えると、インキ粘度が高くなりすぎて書き味、書き出し性能に影響する傾向があるため、5.0〜30.0質量%が好ましい。
前記ケトン樹脂に対する、前記ポリビニルブチラール樹脂の配合比が、質量基準で0.1倍〜3.0倍とすることが好ましい。
これは、前記配合比が、質量基準で0.1倍未満だと、筆記先端部の間隙からインキ漏れを抑制するための形成被膜が十分ではなく、インキ漏れ抑制に影響が出やすく、前記配合比が、質量基準で3.0倍以上だと、インキのはい上がりを抑制するには、十分ではなく、泣きボテ抑制しづらいためである。よりインキ漏れ、泣きボテ抑制効果を考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.1倍〜2.0倍とすることが好ましく、より考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.1倍〜1.0倍とすることが好ましい。特に、インキ吐出量が多くなるようにボール径をより大きく設定した場合は、ボール径1.2〜2.0mmとした油性ボールペンにおいては、インキ漏れ、泣きボテが発生しやすいため、より効果的である。
ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂以外の樹脂は、ポリビニルピロリドン樹脂を含んでなることが好ましい。これは、インキに粘弾性を持たせ、曳糸性を高め、チップ先端における余剰インキの発生を抑制しやすく、泣き・ボテを抑制しやすいためである。
さらに、ポリビニルピロリドン樹脂については、前記ケトン樹脂に対する、前記ポリビニルピロリドン樹脂の配合比が、質量基準で0.01倍〜1.0倍とすることが好ましい。
これは、前記配合比が、質量基準で0.01倍未満だと、インキ粘弾性が十分ではなく、泣き・ボテを抑制が得られづらく、前記配合比が、質量基準で1.0倍以上だと、ケトン樹脂の効果であるインキのはい上がりを阻害しやすく、泣き・ボテを抑制が得られづらいためである。より泣きボテ抑制効果を考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.01倍〜0.5倍とすることが好ましく、より考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.02倍〜0.3倍とすることが好ましい。特に、インキ吐出量が多くなるようにボール径をより大きく設定して、ボール径1.2〜2.0mmとした油性ボールペンにおいては、泣きボテ抑制が発生しやすいため、より効果的である。
ポリビニルピロリドン樹脂の重量平均分子量については、泣き・ボテ抑制をより考慮すれば、重量平均分子量が30万〜300万であることが好ましい。これは、上記範囲であれば、インキに粘弾性を持たせ、結着性を高めやすく、泣き・ボテを抑制する効果が得られやすく、さらに重量平均分子量が大きいと筆跡カスレが発生しやすくいため、重量平均分子量が30万〜150万であることが好ましく、より泣きボテ、筆跡カスレを考慮すれば、重量平均分子量が70万〜110万であることが好ましい。
前記ポリビニルピロリドン樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01質量%より少ないと、余剰インキの発生を抑制しにくい傾向があるため、3.0質量%を越えると、インキ中で溶解性が劣りやすい傾向があるため、インキ組成物全量に対し、0.01〜3.0質量%が好ましい。より上記理由を考慮すれば、0.1〜2.0質量%が好ましい。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度は、特に限定されるものではないが、20℃、剪断速度3.4sec−1(静止時)におけるインキ粘度が30000mPa・sを越えると、書き出し性能、書き味、インキ追従性能が劣りやすいため、20℃、剪断速度3.4sec−1(静止時)におけるインキ粘度は、30000mPa・s以下であることが好ましい。また、20℃、剪断速度3.4sec−1(静止時)におけるインキ粘度が3000mPa・s以上にすることで、筆記先端部のインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制しやすいため、前記インキ粘度は3000〜30000mPa・sが好ましい。また、より書き出し性能、インキ追従性能をより向上することを考慮すれば、前記インキ粘度は3000〜20000mPa・sがより好ましい。また、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、インキ漏れ抑制をより考慮する必要があるため、5000〜20000mPa・sが好ましい。そのため、書き出し性能、書き味、インキ追従性能、インキ漏れ抑制をバランス良く向上するには、5000〜20000mPa・sとすることが好ましい。
また、非ニュートン粘性指数については、非ニュートン粘性指数はS=αDn(但し、1>n>0)で示される粘性式中、「n」を指す。なお、Sは剪断応力(dyne /cm2)、Dは剪断速度(s-1)、αは非ニュートン粘性係数を示す。非ニュートン粘性付与指数nが0.55未満であると、書き味、インキ追従性などの筆記性能が劣りやすく、nが0.90を越えると、インキ漏れ出しが発生し易い。そのため、非ニュートン粘性付与指数n=0.55〜0.95である方が好ましい。より上記効果を考慮すれば、0.65〜0.92が好ましく、さらに好ましくは、0.75〜0.90である。
(着色剤)
本発明に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料、顔料を併用することで、下記のような効果が得られやすいため、好ましい。
染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料などや、それらの各種造塩タイプの染料等として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、有機酸と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料などの種類が挙げられる。これらの染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。染料としては、インキ中の成分との相性による経時安定性を考慮して、少なくとも造塩染料を用いることが好ましく、さらに造塩結合が安定していることで経時安定性を保てることを考慮すれば、塩基性染料と有機酸との造塩染料、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料を用いることが好ましく、より考慮すれば、塩基性染料と有機酸との造塩染料が好ましい。さらに、造塩染料を構成する有機酸については、フェニルスルホン基を有する有機酸であれば、金属に吸着し易い潤滑膜を形成しやすく、潤滑性を向上し、書き味やボール座の摩耗抑制を良好とするため好ましく、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸が挙げられ、インキ中で長期安定することを考慮すれば、有機酸として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。
染料について、具体的には、バリファーストブラック1802、バリファーストブラック1805、バリファーストブラック1807、バリファーストバイオレット1701、バリファーストバイオレット1704、バリファーストバイオレット1705、バリファーストブルー1601、バリファーストブルー1605、バリファーストブルー1613、バリファーストブルー1621、バリファーストブルー1631、バリファーストレッド1320、バリファーストレッド1355、バリファーストレッド1360、バリファーストイエロー1101、バリファーストイエロー1151、ニグロシンベースEXBP、ニグロシンベースEX、BASE OF BASIC DYES ROB−B、BASE OF BASIC DYES RO6G−B、BASE OF BASIC DYES VPB−B、BASE OF BASIC DYES VB−B、BASE OF BASIC DYES MVB−3(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンブラック GMH−スペシャル、アイゼンスピロンバイオレット C−RH、アイゼンスピロンブルー GNH、アイゼンスピロンブルー 2BNH、アイゼンスピロンブルー C−RH、アイゼンスピロンレッド C−GH、アイゼンスピロンレッド C−BH、アイゼンスピロンイエロー C−GNH、アイゼンスピロンイエロー C−2GH、S.P.T.ブルー111、S.P.T.ブルーGLSH−スペシャル、S.P.T.レッド533、S.P.T.オレンジ6、S.B.N.バイオレット510、S.B.N.イエロー530、S.R.C−BH(以上、保土谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。
着色剤としては、顔料を用いることが好ましい、これは、顔料粒子を用いることで、ボールペンの場合はボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こして、インキ漏れを抑制しやすいためである。さらに、本発明では、前記ポリビニルブチラール樹脂やポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、筆記先端部に被膜形成と、顔料の物理的な障害によって、相乗的な作用が働くことで、より高いインキ漏れ抑制効果が得られ、同時に顔料分散効果が得られるため、好ましい。また、顔料は、筆跡の堅牢性に優れ、特に耐光性に優れるため、好ましい。
さらに、顔料を用いることで、ボールとチップ本体の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働きやすく、金属接触を抑制することで、潤滑性を向上し、書き味を向上し、ボール座の摩耗を抑制する効果が得られやすいため、顔料を用いることが好ましい。また、ボールペンチップ内部の隙間関係を考慮し、顔料の平均粒子径は、1〜500nmとすることが好ましい。より好ましくは、10〜350nmであり、さらに好ましくは、50〜300nmである。本発明のように、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて、インキ粘度を低粘度化することで、書き味を向上できるため、顔料を用いることは好ましい。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折法、具体的には、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基に測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により求めることができる。
尚、前記顔料は、油性ボールペン用インキ組成物中での顔料の分散状態で前記した作用効果を奏するため、分散状態の粒子径を求めることが好ましい。
顔料の種類としては、潤滑性を考慮すれば、カーボンブラック、キナクリドン系、スレン系、ジケトピロロピロール系の顔料の中から1種以上選択して、用いることが好ましい。
着色剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、5.0〜30.0質量%が好ましい。これは5.0質量%未満だと、濃い筆跡が得られにくい傾向があり、30.0質量%を越えると、インキ中での溶解性に影響しやすい傾向があるためで、よりその傾向を考慮すれば、7.0〜25.0質量%が好ましく、さらに考慮すれば、10.0〜25.0質量%である。
(有機溶剤)
本発明に用いる有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテル溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール等のグリコール溶剤、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール溶剤など、油性ボールペン用インキとして一般的に用いられる有機溶剤が例示できる。
これらの有機溶剤の中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)との溶解性を考慮すれば、非水溶性有機溶剤を用いて、油性ボールペン用インキ組成物とすることが好ましく、その中でも、グリコールエーテル溶剤を用いることが好ましい。これは、グリコールエーテル溶剤を用いると、吸湿しやすいため、チップ先端部が乾燥したときに形成する被膜の強度を軟化させ、書き出し性能も向上しやすいためであり、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)と併用するとより効果的で、インキ中での安定性を考慮すれば、芳香族グリコールエーテル溶剤を用いることが好ましい。さらに、グリコールエーテル溶剤以外の有機溶剤については、アルコール溶剤を用いることが好ましいが、これは、アルコ−ル溶剤は揮発して、チップ先端での乾燥をしやすく、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することで、筆記先端部内(チップ先端部内)をより局部増粘させることで、筆記先端部の間隙からインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制して、インキ漏れ抑制性能を向上するためで、好ましい。さらに、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコ−ルは、潤滑性を向上する効果もあるため、少なくとも用いる方が好ましい。
また、有機溶剤については、前記グリコールエーテル溶剤に対する、前記アルコール溶剤の配合比が、質量基準で0.01倍〜3.0倍とすることが好ましい。
これは、前記配合比が、質量基準で0.01倍未満だと、グリコールエーテル溶剤が多すぎ、水分を吸湿し過ぎて、樹脂被膜が柔らかくなりインキ垂れ下がり性能や、インキ経時安定性にも影響しやすいため、前記配合比が、質量基準で3.0倍以上だと、アルコール溶剤が多すぎると、書き出し性能に影響しやすいためである。より書き出し性能を向上することを考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.01倍〜2.0倍とすることが好ましく、より考慮すれば、前記配合比が、質量基準で0.1倍〜1.0倍とすることが好ましい。特に、インキ吐出量が多くなるようにボール径をより大きく設定して、ボール径1.2〜2.0mmとした油性ボールペンにおいては書き出し性能に影響がでやすいため、より効果的である。
また、有機溶剤の含有量は、溶解性、筆跡乾燥性、にじみ等を向上することを考慮すると、インキ組成物全量に対し、10.0〜90.0質量%が好ましく、チップ先端での乾燥性を考慮すれば、20.0〜90.0質量%が好ましく、より好ましくは40.0〜70.0質量%である。
(界面活性剤)
本発明においては、書き出し性能を向上することを考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸を用いることが好ましい。これは、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸を用いると、形成される被膜を軟化する傾向があり、書き出し性能を改良できることがある。その中でも、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸のアルキル基に含まれる炭素数が10〜20であることが好ましく、さらに考慮すれば、前記炭素数が12〜18であることがより好ましい。さらに、高筆圧下(300〜500gf)での潤滑性(高荷重性能)を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい、これは、ボールペンの場合は、高筆圧下(300〜500gf)においてもボールとチップ本体との間の潤滑性を向上してボール座の摩耗を抑制し、カスレなどのない良好な筆跡としやすいため、本発明ではより好適に用いることが可能である。特に、本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)と併用した場合は、効果的である。
リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸トリエステル、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル或いはその誘導体等が挙げられ、前記リン酸エステル系界面活性剤のアルキル基は、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系などが挙げられる。脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸などが挙げられ、これらのリン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。その中でも、高筆圧下(300〜500gf)での潤滑性(高荷重性能)を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましく、特に、アルキル基に含まれる炭素数が5〜18であることが好ましく、さらに考慮すれば、前記炭素数が10〜18であることがより好ましく、より考慮すれば、前記炭素数12〜18が好ましい。アルキル基の炭素数が過度に少ないと、潤滑性が不足しやすい傾向があり、炭素数が過度に多いと、インキ経時安定性に影響が出やすい傾向があるので注意が必要である。
さらに、リン酸エステル系界面活性剤の酸価は、200以下とすることが好ましい、これは、リン酸エステル系界面活性剤による高筆圧下(300〜500gf)での潤滑性(高荷重性能)の向上を発揮しやすくするためで、さらにインキ中での安定性や、潤滑性を考慮すれば、酸価は30〜200が好ましく、より考慮すれば、酸価は70〜200が好ましい。
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
リン酸エステル系界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%がより好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、所望の潤滑性が得られにくい傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になりやすい傾向があるためであり、その傾向を考慮すれば、インキ組成物全量に対し、0.3〜3.0質量%が好ましく、より考慮すれば、0.5〜3.0質量%が、最も好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA217E(アルキル基:炭素数14、酸価:45〜58)、同A219B(アルキル基:炭素数12、酸価:44〜58)、同A215C(アルキル基:炭素数12、酸価:80〜95)、同A208B(アルキル基:炭素数12、酸価:135〜155)、同A208N(アルキル基:炭素数12と13の混合物、酸価:160〜185)、フォスファノールシリーズ(東邦化学工業(株)製)の中から、フォスファノールRB410(アルキル基:炭素数18、酸価:80〜90)、同RS−610(アルキル基:炭素数13、酸価:75〜90)、同RS−710(アルキル基:炭素数13、酸価:55〜75)等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
(有機アミン)
本発明では、インキ中でのインキ成分の安定性を考慮すれば、有機アミンを用いることが好ましい。オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のエチレンオキシドを有するアミンや、ラウリルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミンや、ジステアリルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン等のジメチルアルキルアミン等の脂肪族アミンが挙げられ、その中でも、インキ中での安定性を考慮すれば、エチレンオキシドを有するアミン、ジメチルアルキルアミンが好ましく、さらに考慮すれば、ジメチルアルキルアミンが好ましい。特にリン酸エステル系界面活性剤を用いる場合は、中和することで、インキ中で安定することで、書き出し性能や書き味を向上する効果が得られやすいため、好ましい。
また、前記有機アミンとインキ中の他成分との反応性については、1級アミンが最も強く、次いで2級アミン、3級アミンと反応性が小さくなるので、インキ経時安定性を考慮して、2級アミンまたは3級アミンを用いることが好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
さらに、前記有機アミンの全アミン価は、染料やその他のインキ成分との安定性を考慮すれば、100〜300(mgKOH/g)とすることが好ましい。これは、300(mgKOH/g)を超えると、反応性が強いため、前記染料やその他のインキ成分と反応し易いため、インキ経時安定性が劣りやすい。また、全アミン価が、100(mgKOH/g)未満であると、インキ中の成分の安定性に影響が出やすく、さらに、前記リン酸エステル系界面活性剤に対する中和が不十分になり、インキ経時安定性に影響が出やすく、油性ボールペンとした場合、ボールやチップ本体などの金属類の吸着性が劣りやすく、潤滑性能が得られにくい。より染料やリン酸エステル系界面活性剤との安定性や潤滑性をより考慮すれば、150〜300(mgKOH/g)の範囲が好ましく、よりを考慮すれば、200〜300(mgKOH/g)が好ましい。
なお、全アミン価については、1級、2級、3級アミンの総量を示すもので、試料1gを中和するのに要する塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
有機アミンについては、具体的には、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、具体的には、ナイミーンL−201(全アミン価:232〜246、2級アミン)、同L−202(全アミン価:192〜212、3級アミン)、同L−207(全アミン価:107〜119、3級アミン)、同S−202(全アミン価:152〜166、3級アミン)、同S−204(全アミン価:120〜134、3級アミン)、同S−210(全アミン価:75〜85、3級アミン)、同DT−203(全アミン価:227〜247、3級アミン)、同DT−208(全アミン価:146〜180、3級アミン)(日本油脂(株)社製)等が挙げられる。アルキルアミンとしては、具体的には、ファーミン80(全アミン価:204〜210、1級アミン)、ファーミンD86(全アミン価:110〜119、2級アミン)、ファーミンDM2098(全アミン価:254〜265、3級アミン)、ファーミンDM8680(全アミン価:186〜197、3級アミン)(花王(株))、ニッサン3級アミンBB(全アミン価:243〜263、3級アミン)、同FB(全アミン価:230〜250、3級アミン)(日本油脂(株)社製)等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
前記有機アミンの含有量は、前記造塩染料やその他の成分との安定性を考慮すれば、インキ組成物全量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましく、さらに後に説明するリン酸エステル系界面活性剤に対する中和を考慮すれば、0.1〜5.0質量%が好ましい。
また、本発明では、下記一般式(化2)の環状リン化合物を含んでなることが好ましい、これは、筆記先端部が乾燥した時、筆記先端部で局部的にインキ増粘し被膜状となることで、筆記先端部からのインキ漏れを抑制することが可能となるためである。特に、一般式(化2)の環状リン化合物とポリグリセリン脂肪酸エステルを併用することで、相乗的にインキ漏れを抑制しやすいため、効果的である。特に、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、インキ漏れ抑制をより考慮する必要があるため、好ましい。
Figure 2019043023
環状リン化合物については、リン元素を含んだ環状構造を有する化合物であるが、筆記先端部が乾燥した時、前記環状リン化合物のスチレン化合物の重合体によって、筆記先端部に被膜形成することで、筆記先端部からインキ漏れを抑制するが、同時にインキ増粘作用をすることで、相乗効果的に、インキ漏れを抑制することが可能である。さらに、前記環状リンのP原子に隣接するO原子が筆記先端部に吸着することで、前記環状リン化合物が残存しやすく、より高いインキ漏れ抑制効果が得られる。特に、ボールペンの場合は、ボールとチップ本体が金属類であると、P原子に隣接するO原子が筆記先端部に吸着しやすいため、効果的である。 さらに、一般式(化2)の環状リン化合物は、筆記先端部が乾燥した時に形成される被膜によって、書き出し性能も向上でき、着色剤として顔料を用いる場合は、顔料分散効果が得られるため、好適に用いることができる。
また、本発明による筆記具用インキ組成物には、その他の添加剤として、潤滑性やインキ経時安定性を向上させるために、(i)界面活性剤、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤や、陰イオン性界面活性剤および/または陽イオン性界面活性剤の造塩体を、(ii)粘度調整剤、例えば脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油などの擬塑性付与剤、また、(iii)着色剤安定剤、(iv)可塑剤、(v)キレート剤、または(vi)助溶剤としての水などを適宜用いても良い。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
(ボールペンチップ)
また、本発明で用いるボールペンチップのボール表面の算術平均粗さ(Ra)については、0.1〜12nmに設定するが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を併用する場合は、算術平均粗さ(Ra)が0.1nm未満だと、ボール表面に十分にインキが載りづらく、筆記時に濃い筆跡が得られづらく、筆跡に線とび、カスレが発生しやすく、算術平均粗さ(Ra)が12nmを越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きいため、潤滑性が劣りやすく、書き味が劣るためで、より考慮すれば、前記算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10nmであることが好ましい。また、ボール表面にインキが載りやすいことで、書き出し性能を向上することを考慮すれば、3nm以上とすることが好ましく、より考慮すれば、5nm以上とすることが好ましい。なお、表面粗さの測定は(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)で求めることができる。
また、本発明に用いるボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量は、特に限定されないが、前記ボールの縦軸方向の移動量が大きいと、ボールペンチップ本体とボールとの隙間からインキ漏れがしやすく、さらに、泣き・ボテ、筆記先端部の乾燥時に書き出し性能が劣りやすいため、前記ボールの縦軸方向の移動量を通常よりも大きくして、10μm以上とした場合では、インキ吐出量が多くなることで影響が出やすく、効果的であり、特に12μm以上とした場合は顕著で、より効果的である。一方、前記ボールの縦軸方向の移動量が30μmを越えて大きすぎると、インキ漏れ抑制が劣りやすいため、30μm以下が好ましく、より考慮すれば、25μm以下が好ましい。
本発明のように、インキ漏れ抑制や、書き出し性能を向上するためには、ボールペンチップ先端に回転自在に抱持したボールを、コイルスプリングなどの弾発部材により直接又は押圧体を介してチップ先端縁の内壁に押圧して、筆記時の押圧力によりチップ先端縁の内壁とボールに間隙を与えインキを流出させる弁機構を具備し、チップ先端の微少な間隙も非使用時に閉鎖することが好ましい。
特に、剪断減粘性付与剤を用いる場合は、筆記時にボールに荷重が掛かる時に、ボールペンチップ内の前記弾発部材が振動などすることにより、チップ内のインキに剪断力が掛かるため、インキ粘度が下がるため、書き味を向上しつつ、さらにインキ追従性を向上しやすいため、コイルスプリングなどの弾発部材を用いることが好ましい。特に、書き味、インキ追従性を考慮すれば、非ニュートン粘性付与指数n=0.65〜0.92とすることが好ましく、より考慮すれば、0.75〜0.90が好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることで、上記範囲にしやすいため好ましい。
前記弾発部材については、インキ漏れ抑制、書き味を向上、インキ追従性を向上しやすいことを考慮すれば、前記弾発部材のバネ定数は、10〜60gf/mmに設定することが好ましく、より書き味、インキ追従性の向上を考慮すれば、20〜50gf/mmに設定することが好ましい。
また、ボールに用いる材料は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボール、ステンレス鋼などの金属ボール、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのセラミックスボール、ルビーボールなどが挙げられる。
また、ボールの直径は、特に限定されないが、ボールの直径が大きいと、ボールペンチップ本体とボールとの隙間からインキ漏れがしやすく、筆記先端部の乾燥時に書き出し性能が劣りやすいため、ボール径を通常よりも大きくして、1.0mm〜2.0mmとした場合では、影響が出やすく、特に1.2mm〜2.0mmとした場合は顕著で、より効果的である。
また、100mあたりのインキ消費量は、ボール径を通常よりも大きくして、1.0〜2.0mmとした場合では、上記のように、濃い筆跡、インキ漏れ抑制、書き味、書き出し性能、および泣きボテなどを考慮して、100mあたりのインキ消費量は、20〜110mgであることが好ましく、さらにボール径を1.2〜1.6mmとした場合では、30〜100mgであることが好ましい。
なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度70°、筆記荷重200gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
また、ボ−ルペンチップの材料は、ステンレス鋼、洋白、ブラス(黄銅)、アルミニウム青銅、アルミニウムなどの金属材、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABSなどの樹脂材が挙げられるが、書き味や切削等の加工性を考慮すれば洋白製のチップ本体が好ましく、ボール座の摩耗、経時安定性を考慮するとステンレス製のチップ本体とすることが好ましい。
本発明で用いるインキ収容筒としては、耐薬品性、水分透過性、空気透過性等の観点から採用可能な材料に制限がある。その点、従来からポリプロピレンを材料として用いることが、好ましい。しかし、本発明でポリビニルブチラール樹脂を用いた場合、ポリプロピレンのインキ収容筒と非常に親和性が強く、インキ収容筒内をインキが移動する際、インキが内壁に付着しやすく、インキ残量が分かりづらい。そのため、ポリプロピレンをインキ収容筒とする場合はそのインキ収容筒内壁を界面活性剤で処理することが好ましい。これは、界面活性剤をインキ収容筒内壁に塗布することで、収容筒材料であるポリプロピレンとインキとが直接接することなく、あくまでも界面活性剤を中間に介在させた関係を維持し、インキが移動する際においてインキ収容筒内壁への付着防止することが可能ある。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられ、インキ収容筒内壁への付着防止を考慮すれば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好ましく、より考慮すれば、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤の材料としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチル水素シリコーン、アルキルアラルキルシリコーン、ポリエーテルシリコーン、高脂肪酸エステル脂肪酸シリコーンなどが挙げられ、その中でも、付着防止性が優れ、非反応性であるため、油性インキ成分に対しても安定性を考慮すれば、アルキルアラルキルシリコーンが好ましい。塗布の方法は押出成形時において内壁に同時に均一に塗布することが最も効果的である。
実施例1
実施例1の油性ボールペン用インキ組成物は、着色剤として染料および顔料、有機溶剤としてベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、樹脂としてはポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、分岐鎖を有するアルキル基を有する脂肪酸エステル、界面活性剤としてはリン酸エステル系界面活性剤、有機アミンとしてオキシエチレンアルキルアミン、ポリビニルピロリドンを採用し、これを所定量秤量して、60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて完全溶解させて筆記具用インキ組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りである。尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP−52スピンドルを使用して、実施例1のインキ粘度を測定したところ、20℃の環境下、剪断速度0.18sec−1、インキ粘度=20950mPa・s、20℃の環境下、剪断速度3.4sec−1でインキ粘度=14070mPa・sであった。また、非ニュートン粘性付与指数nは、0.86であった。
実施例1(インキ配合)
着色剤(染料、塩基性染料と酸性染料との造塩染料) 10.0質量%
着色剤(染料、酸性染料とアミンとの造塩染料) 5.0質量%
着色剤(スレン系顔料) 5.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 20.0質量%
有機溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 34.0質量%
ポリグリセリン脂肪酸エステル(ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル)
0.5質量%
脂肪酸エステル 1.0質量%
界面活性剤(リン酸エステル系界面活性剤) 2.0質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 2.0質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(水酸基量:36mol%、平均重合度:300) 5.0質量%
ケトン樹脂(アセトフェノン基を有するケトン樹脂、重量平均分子量1500)
15.0質量%
ポリビニルピロリドン樹脂(重量平均分子量100万) 0.5質量%
実施例2〜22
表1に示すように、インキ成分とチップ仕様を変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜22の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
比較例1〜4
表に示すように、インキ成分とチップ仕様を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1〜4の筆記具用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
Figure 2019043023
Figure 2019043023
Figure 2019043023
試験及び評価
実施例1〜22及び比較例1〜4で作製した油性ボールペン用インキ組成物を、シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)でインキ収容筒(ポリプロピレン製)内壁に塗布したインキ収容筒2の先端に、ボール径がボール表面の算術平均粗さ(Ra)6nmのボール3(φ1.6mm)を回転自在に抱時したボールペンチップ4(チップ内にボールを直接チップ先端縁の内壁に押圧したコイルスプリングを有する、ボールの縦軸方向の移動量12μm)を装着するとともに、インキ収容筒2内に、実施例1の油性ボールペン用インキ10(0.27g)を直に収容してボールペンレフィル1を(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ)に配設して、油性ボールペンを作製し筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験及び評価を行った。
また、実施例1のボールペンの100mあたりのインキ消費量は、油性ボールペンで、らせん筆記試験を行ったところ、70mg/100mであった。
具体的には、ボールペンチップ4は、φ2.3mm、硬度が230Hv〜280Hvのステンレス鋼線材を所望の長さに切断し、ボール抱持室6、インキ流通孔7と、インキ流通孔7から放射状に伸びるインキ流通溝8を作製後、ボール抱持室6の底壁に、略円弧面状のボール座9を形成してある。その後、超鋼材のボール3をボール座9に載置し、チップ先端部5を内側へ、かしめる。
また、ボール3が、ボール座9に載置している状態のチップ先端より臨出するボール出Hは、ボール径の30.0%、カシメ角度αは60度、ボール3の縦軸方向の移動量は12μm、ボール抱持室の内径は、ボール径の104.0%、ボール座9の径は、ボール径の86.0%としてある。
書き出し性能試験:手書き筆記した後、チップ先端部を出したまま20℃、65%RHの環境下に24時間放置し、その後、走行試験で下記筆記条件にて筆記し、書き出しにおける筆跡カスレの長さを測定した。
<筆記条件>筆記荷重200gf、筆記角度70°、筆記速度4m/minの条件で、走行試験機にて直線書きを行い評価した。
筆跡カスレの長さが、8mm未満であるもの ・・・◎◎
筆跡カスレの長さが、15mm未満であるもの ・・・◎
筆跡カスレの長さが、15mm以上、20mm未満であるもの ・・・○
筆跡カスレの長さが、20mm以上、40mm未満であるもの ・・・△
筆跡カスレの長さが、40mm以上であるもの ・・・×
インキ漏れ抑制試験:30℃、85%RHの環境下にペン先下向きで7日放置し、チップ先端からのインキ漏れを確認した。
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの ・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
実施例1〜22では、書き出し性能、インキ漏れ抑制試験、書き味、泣き・ボテ試験ともに良好な性能が得られた。
また、実施例1〜22の中で、着色剤として顔料を用いたインキを、顕微鏡で見たところ、顔料分散性が良好で、析出物もなく良好であった。また、実施例1〜18にて、高筆圧筆記下(300gf)にて、筆記したところ、潤滑性は良好で、筆跡も良好であった。
比較例1〜2では、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかったため、インキ漏れ抑制性能、書き出し性能が劣ってしまった。
比較例3では、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)17nmのボールを用いたため、書き出し性能、書き味に影響が出てしまった。
比較例4では、剪断減粘性付与剤として、脂肪酸アマイドワックスを添加してインキ粘度を上げたが、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかったため、インキ漏れ抑制性能、書き出し性能が劣ってしまった。
また、本実施例では、ボールペンチップのカシメ角度として60度としてあるが、カシメ角度は、40度〜90度とすることが好ましい。これは、カシメ角度が大きすぎると、紙当たりしやすくなるため、筆記性能に影響しやすく、90度以下が好ましく、また、カシメ角度を40度未満とすると、ボール9とチップ先端縁の間にインキを溜める空間が小さくなる傾向となり、インキリターンし難く、インキの這い上がりを抑制し難くなり、泣きボテ性能に影響が出やすいため、カシメ角度は、40度〜90度することが好ましい。より上記考慮すれば、カシメ角度は、50度〜80度することが好ましい。特に、インキ吐出量が多くなるようにボール径をより大きく設定して、ボール径1.2〜2.0mmとした油性ボールペンにおいては、泣きボテ抑制が発生しやすいため、より効果的であり、同様にボールペンの100mあたりのインキ消費量を30〜80mgした場合は、効果的である。
また、ボール出、ボール抱持室の内径は、特に限定されるものではないが、インキ漏れを抑制し、泣き・ボテ、書き味、書き出し性能をバランス良くすることを考慮すれば、ボール出は、ボール径の20.0〜40.0%、ボール抱持室の内径は、ボール径の100.0〜110.0%、ボール座径は、ボール径の70〜95%とすることが好ましい。
また、ノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具(出没式ボールペン)を用いた場合では、インキ漏れ抑制性能が最も重要な性能の 1つであるため、本発明のように筆記先端部の間隙からインキ漏れ(ボールとチップ先端の間隙からのインキ漏れ)を抑制して、インキ漏れ抑制性能が良好とすることが可能である本発明のような油性ボールペンを用いると効果的である。
また、本実施例では、便宜上、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した油性ボールペン用レフィルを収容した油性ボールペンを例示しているが、本発明の筆記具は、軸筒をインキ収容筒とし、軸筒内に、筆記具用インキ組成物を直に収容した直詰め式のボールペン、筆記具であってもよい。また、本実施例では便宜上、線材を切削によって形成したボールペンチップを例示しているが、パイプ材を押圧加工によって形成するボールペンチップであってもよい。
また、本実施例では、インキ収容筒内に油性ボールペン用インキ組成物を収容したボールペンレフィルを軸筒内に配設した油性ボールペンを例示したが、本発明の油性ボールペンは、軸筒自体をインキ収容筒とし、軸筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を直に収容した直詰め式の油性ボールペンであっても良く、インキ収容筒内に油性ボールペン用インキ組成物を収容したもの(ボールペンレフィル)をそのままボールペンとして使用した構造であっても良い。
本発明は、ボールペンとして利用でき、さらに詳細としては、キャップ式、出没式等の筆記具として広く利用することができる。
1 ボールペンレフィル
2 インキ収容筒
3 ボール
4 ボールペンチップ
5 チップ先端部
6 ボール抱持室
7 インキ流通孔
8 インキ流通溝
9 ボール座
10 油性ボールペン用インキ
H ボール出
α カシメ角度

Claims (7)

  1. インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を収容した油性ボールペンであって、前記ボール表面の算術平均粗さが、0.1〜12nmであり、前記油性ボールペン用インキ組成物が、着色剤、有機溶剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)を含んでなることを特徴とする油性ボールペン。
  2. 前記油性ボールペン用インキ組成物に、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が、8〜22であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
  4. 前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)が、脂肪酸と多価アルコールによってエステル化した脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
  5. 前記脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)の酸価が、0.01〜5(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
  6. 前記有機溶剤が、グリコールエーテル溶剤であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
  7. 前記油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度3.4sec−1において、3000〜30000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
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