JP4708939B2 - 逆流防止剤及び筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、ボールペン、サインペン、マーカー、修正具等の筆記具において、塗布液が収容された収容器内から塗布液が流出することを防止するために使用される逆流防止剤、及び、それを用いた筆記具に関する。
ボールペンや修正ペン等の筆記具としては、インク等の塗布液が収容器内に収容され、この収容器内からの塗布液の流出(逆流)を防止するために、当該収容器内に塗布液と隣接してグリース等の逆流防止剤が収容された構成を有するものが広く用いられている。
上記の逆流防止剤に求められる機能としては、流動性のある塗布液を自然状態で流動性のない逆流防止剤で蓋をして流出させないこと(流出防止性)、塗布液をドライアップさせないこと(密栓性)、及び、塗布液の消費に伴い塗布液末端に隙間を作らずに追随し、且つ、収容器内の壁面に塗布液が残留しないように掻き落とすこと(追随性)、等が挙げられる。逆流防止剤がこれらの機能を十分に発揮するためには、逆流防止剤が塗布液と混合しないことが必要であるとともに、筆記具の製造の都合上からも、逆流防止剤の粘度及び塗布液との比重差が適正であることが必要である。
ところで、逆流防止剤は、通常、基油と増稠剤とを含んで構成されており、ボールペン等に使用される逆流防止剤としては、鉱油やポリブテン、シリコン油等を基油としたものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ここで、鉱油やポリブテン、シリコン油は親油性(疎水性)であるため、これらの基油を用いた逆流防止剤は、水のような極性の高い溶剤を用いた塗布液に対しては密栓性を得ることができる。しかし、かかる逆流防止剤は、炭化水素系溶剤のように極性の低い親油性溶剤を用いた塗布液に対しては、経時的に基油と塗布液とが相溶してしまったり、逆流防止剤を通過して溶剤が揮発してしまうため、十分な密栓性が得られないという問題を有している。
そこで、かかる問題を改善するために、グリセリンやポリアルキレングリコールのような、塗布液と相反する親水性物質を基油として用いた逆流防止剤が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
実用新案登録第3050699号公報 特開2000−343875号公報 特開2002−103884号公報
上記特許文献2及び3に記載されているような親水性の基油を用いた逆流防止剤によれば、炭化水素系溶剤のような低極性溶剤を用いた塗布液に対しては、基油と塗布液とが相溶することを抑制して密栓性を得ることができる。しかしながら、グリセリンやポリアルキレングリコール等の親水性物質は、空気中の水分を吸収するため、逆流防止剤はその吸湿量の増加に伴って低粘度化してしまい、経時的に塗布液流出防止の機能が低下して塗布液漏れの不具合が生じることとなる。
また、上記特許文献3には、逆流防止剤自身の乾燥及び揮発を防止するために、更に乾燥防止体を設ける構成が示されている。しかし、乾燥防止体を更に設ける場合には、塗布液の後端に逆流防止剤及び乾燥防止体の2種類のグリースを順序よく配置させる必要が生じることとなる。塗布液と逆流防止剤と乾燥防止体とが互いに混ざったり入れ替わったりすることなく、これらを収容器内の所定の位置に配置させるためには、それぞれの比重や粘度等を極めて高い精度で調節しなければならず、また、収容器内に乾燥防止体を充填する工程を増やさなければならない。このような事情から、乾燥防止体を更に設ける必要がなく、単独で良好な特性を有する逆流防止剤の開発が望まれている。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、炭化水素系溶剤のような低極性溶剤を用いた塗布液に対して十分な密栓性を得ることができるとともに、逆流防止剤自身の揮発を十分に抑制しつつ、優れた耐流動性及び耐吸湿性を有し、十分な流出防止性を長期間維持することが可能な逆流防止剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、塗布液が収容された収容器内から上記塗布液が流出することを防止するために使用される逆流防止剤であって、アルキレンオキサイドの炭素数が2又は3であり、且つ、アルキル基の炭素数が1又は2であるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドと、増稠剤と、を含有することを特徴とする逆流防止剤を提供する。
本発明の逆流防止剤は、上記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを基油として用いることにより、炭化水素系溶剤のような極性の低い溶剤を使った塗布液に対し、十分な密栓性を発揮することができるとともに、従来のジグリセリン等を基油とした逆流防止剤よりも吸湿しにくく、自然状態での流動性がないため、十分な流出防止性を長時間維持することができる。また、本発明の逆流防止剤によれば、塗布液の消費に伴った十分な追随性を得ることができるとともに、落下等の衝撃で逆流防止剤が流動せず、更に、長期間にわたって筆記具として安定な品質を保つことができる。
また、本発明の逆流防止剤において、上記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、ポリオキシエチレンメチルグルコシドであることが好ましい。ポリオキシエチレンメチルグルコシドを基油として用いることにより、逆流防止剤は十分な耐吸湿性を維持したまま、より優れた密栓性を得ることができる。
また、本発明の逆流防止剤において、上記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドにおける上記アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、5〜30モルであることが好ましい。かかるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを基油として用いることにより、逆流防止剤はより十分な密栓性と、より十分な耐吸湿性とを得ることができる。
更に、本発明の逆流防止剤において、上記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量は、上記逆流防止剤全量を基準として45.0〜99.8質量%であることが好ましい。逆流防止剤におけるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量が上記範囲内であることにより、逆流防止剤はより十分な密栓性と、より十分な耐吸湿性及び耐流動性とを得ることができる。
本発明はまた、塗布液と、上記塗布液を収容する収容器と、上記収容器の一端に取り付けられた、上記塗布液の吐出を制御する塗布部と、上記収容器内における上記塗布液の前記塗布部側とは反対側に、上記塗布液と隣接して収容された上記本発明の逆流防止剤と、を備えることを特徴とする筆記具を提供する。本発明の塗布具は、上記塗布液が炭化水素系溶剤を含むものである場合に特に有効である。
本発明の筆記具によれば、上述した本発明の逆流防止剤を備えていることにより、塗布液に炭化水素系溶媒等の低極性溶剤を用いた場合であっても、この塗布液に対する十分な密栓性を得ることができるとともに、逆流防止剤が優れた耐吸湿性及び耐流動性を呈し、塗布液に対する十分な流出防止性を長期間維持することができる。また、本発明の筆記具においては、塗布液に対する逆流防止剤の十分な追随性を得ることができるとともに、落下等の衝撃によって逆流防止剤が流動せず、更に、長期間にわたって筆記具の品質を安定に保つことができる。
本発明によれば、炭化水素系溶剤のような低極性溶剤を用いた塗布液に対して十分な密栓性を得ることができるとともに、優れた耐吸湿性を有し、十分な流出防止性を長期間維持することが可能な逆流防止剤、及び、それを用いた筆記具を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(逆流防止剤)
本発明の逆流防止剤は、塗布液が収容された収容器内から上記塗布液が流出することを防止するために使用される逆流防止剤であって、アルキレンオキサイドの炭素数が2又は3であり、且つ、アルキル基の炭素数が1又は2であるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドと、増稠剤と、を含有することを特徴とするものである。以下、本発明の逆流防止剤を構成する各成分について説明する。
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、基油として用いられるものであり、かかるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとしては、エチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)から選択される1種又は2種のアルキレンオキサイドを、アルキルグルコシドに付加したものを使用することができる。プロピレンオキサイドよりも炭素数の多いアルキレンオキサイドでは、炭素数が増えるほど炭化水素系溶剤との親和性が高くなるため、逆流防止剤の基油に使用した場合に、塗布液中の炭化水素系溶剤を揮発させてしまい、十分な密栓性が得られなくなる。
なお、上記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、下記一般式(1)で表わされるものである。
Figure 0004708939


[式(1)中、Xは2又は3を示し、Yは1又は2を示し、a、b、c及びdはa+b+c+dが1以上となるように選ばれる0以上の整数を示す。]
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドにおけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドであることが必要であり、エチレンオキサイドであることが好ましい。また、これらのアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、5〜30モルであることが好ましく、10〜20モルであることがより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドにおけるアルキル基は、メチル基又はエチル基であることが必要であり、メチル基であることが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとして具体的には、市販品として、MACBIOBRIDE MG−10E、MG−20E、MG−10P、MG−20P(以上、日本油脂(株)製)等が挙げられる。
これらのポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの中でも、ポリオキシエチレンメチルグルコシドが特に好ましく、これを基油として用いることにより、逆流防止剤はより十分な密栓性及び耐吸湿性を得ることができる。
本発明の逆流防止剤において、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
逆流防止剤におけるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量は、逆流防止剤全量を基準として45.0〜99.8質量%であることが好ましく、65.0〜97,0質量%であることがより好ましく、85.0〜95.0質量%であることが特に好ましい。この含有量が45.0質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して密栓性が低下する傾向にあり、95.0質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して粘度が低くなり、塗布液の流出防止性が低下する傾向にある。
本発明の逆流防止剤は、基油として上述したポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを単独で含んでいてもよいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド以外の他の基油を更に含んでいてもよい。他の基油としては、従来の逆流防止剤(グリース)に用いられている公知の基油を特に制限なく使用することができる。このような他の基油としては、ポリブテン、シリコンオイル、鉱油、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェニルグリコール、アルキレングリコールアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。逆流防止剤における他の基油の含有量は、逆流防止剤全量を基準として30質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
増稠剤としては、特に制限されないが、例えば、カルシウム石鹸、カルシウム複合石鹸、ナトリウム石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウム複合石鹸、リチウム石鹸、及び、リチウム複合石鹸などの金属石鹸系増稠剤、ウレア化合物、ナトリウムテレフタラメート、及び、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機系増稠剤、並びに、有機化ベントナイト、及び、シリカゲルなどの無機系増稠剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
逆流防止剤における増稠剤の含有量は、逆流防止剤全量を基準として0.1〜50.0質量%であることが好ましく、3.0〜35.0質量%であることがより好ましく、5.0〜15.0質量%であることが特に好ましい。この含有量が0.1質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して粘度が低くなり、塗布液の流出防止性が低下する傾向にあり、50.0質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して密栓性が低下する傾向にある。
また、逆流防止剤における増稠剤の種類及び含有量は、逆流防止剤の粘度が、50000〜200000mPa・sとなり、JIS K2220に規定される「ちょう度番号」が、0号、1号、2号又は3号となるように調整することが好ましい。ここで、逆流防止剤の粘度は、ブルックフィールド社製のE型粘度計を用い、温度:20℃、回転数:0.5rpmの条件で測定することができる。逆流防止剤のちょう度及び粘度が上記範囲であることにより、密栓性、流出防止性及び追随性等の逆流防止剤に要求される機能を高水準で達成することができる。
本発明の逆流防止剤は、上述した基油及び増稠剤以外に、更に構造安定剤、酸化防止剤、表面処理剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の逆流防止剤は、例えば、基油に増稠剤及び必要に応じて他の添加剤を添加し、必要に応じて加熱して、よく混合した後、室温で3本ロールミルを通過させて調整し、製造することができる。こうして得られる逆流防止剤は、例えば、液状、ゲル状、又は、これらをスポンジ状の多孔体等に含浸させた状態で使用することができる。また、逆流防止剤は、プラスチック材料等からなる固形物とともに収容器内に収容してもよい。
(筆記具)
図1は、本発明の筆記具の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す筆記具100において、塗布液12は収容器14内に収容されており、収容器14の一端には塗布部20が取り付けられている。この塗布部20は、ジョイント22、ボールホルダー24及びボール26で構成され、ジョイント22により収容器14に固定されている。また、収容器14内における、塗布液12の塗布部20側と反対側には、塗布液12と隣接した状態で上述した本発明の逆流防止剤16が収容されている。ここで、逆流防止剤16は、塗布液12との間に隙間が生じないように配置する。
また、筆記具100においては、収容器14、塗布部20、塗布液12及び逆流防止剤16により中芯10が構成されており、この中芯10が本体軸18に装着され、更に本体軸18の後端(塗布部20と反対側の一端)に通気孔を有する尾栓28が取り付けられている。
以下、筆記具100の構成要素について説明するが、本発明の筆記具100における逆流防止剤16以外の構成には、ボールペン等の筆記具に用いられる一般的な構成を適用することができる。
塗布液12としては、水性インク、油性インク、修正液等のインクを用いることができる。ここで、塗布液12が炭化水素系溶剤等の低極性溶剤を含有する場合において、本発明の逆流防止剤16を用いることにより、十分な密栓性を得ることができるとともに、逆流防止剤16は吸湿も少なく、優れた耐流動性を有しているため、十分な流出防止性を長期間維持することができる。また、逆流防止剤16は、塗布液12に対する十分な追随性を得ることができるとともに、筆記具100の落下等の衝撃によって逆流防止剤16が流動することを抑制することができ、更に、長期間にわたって塗布液16の状態を安定に保つことができる。
ここで、塗布液12に使用される炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの炭化水素系溶剤は、修正液の溶剤として主に使用されるものであり、かかる溶剤を用いた筆記具において、上述した本発明の効果を有効に得ることができる。なお、本発明の逆流防止剤は、炭化水素系溶剤等の低極性溶剤を用いた塗布液に対する逆流防止剤の用途に限定されず、水性塗布液等の逆流防止剤としても使用することができる。その際、逆流防止剤が塗布液中に沈降しないように、逆流防止剤の粘度や、塗布液と逆流防止剤との間の比重差を調整することが重要である。
また、収容器14は、ボールペンにおけるインクタンクに相当するものであり、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート等からなるものを使用することができる。また、収容器14の形状は特に制限されず、例えば、円筒状等の形状とすることができる。
本体軸18及び尾栓28としては、例えば、ポリプロピレン等のプラスチック材料からなるものを使用することができる。
ジョイント22としては、例えば、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート等からなるものを使用することができる。
塗布部20は、ボールペンにおけるボールペンチップに相当するものであり、ジョイント22、ボールホルダー24及びボール26としては、通常のボールペンに用いられているものを使用することができる。
上述した構成を有する本発明の筆記具100は、通常のボールペン等の製造方法により製造することができる。すなわち、まず、収容器14に塗布部20を取り付けてこれらを一体化した後、収容器14における塗布部側とは反対側の開口部から塗布液12を充填し、次いで、逆流防止剤16を充填することによって中芯10を作製する。そして、得られた中芯10を本体軸18に装着し、更に本体軸18に尾栓28を取り付けることによって、筆記具100を製造することができる。
以上、本発明の筆記具の一実施形態について説明したが、本発明の筆記具は上記のものに限定されるものではない。例えば、本発明の筆記具は、本体軸18を有していなくてもよく、収容器14がそのまま本体軸となっていてもよい。また、塗布部20はボールペンチップに限定されず、例えば、フェルトチップ等であってもよい。更に、本発明の筆記具は、収容器14中の塗布液12及び逆流防止剤16が後端(塗布部20と反対側の一端)側から加圧された状態となるような加圧機構を有するものであってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜6及び比較例1〜2]
下記表1に示す各材料を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合した。このとき、基油に他の材料を添加するようにした。得られた配合物を十分に混合した後、3本ロールミルを通過させて調整し、実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤(グリース)を得た。
なお、表1中の各材料の詳細は以下の通りである。
MACBIOBRIDE MG−10E:商品名、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、EOの平均付加モル数10、日本油脂(株)製、
MACBIOBRIDE MG−20E:商品名、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、EOの平均付加モル数20、日本油脂(株)製、
MACBIOBRIDE MG−10P:商品名、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、POの平均付加モル数10、日本油脂(株)製、
MACBIOBRIDE MG−20P:商品名、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、POの平均付加モル数20、日本油脂(株)製、
ポリブテンLV−100:商品名、ポリブテン、重量平均分子量970、日本石油化学(株)製、
アエロジル200:商品名、シリカゲル、日本アエロジル(株)製、
ユニルーブ:商品名、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ポリオール、日本油脂(株)製。
Figure 0004708939

[密栓性の評価]
先端にボールペンチップを備えた、ナイロン製の円筒状インクタンク(内径4mm)に、組成物全量を基準として50質量%のメチルシクロヘキサンを含有するインク組成物を1.5g充填した。このインクタンク内に、インク組成物と隣接するように実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤を0.23g充填してインク組成物を密閉し、密栓性評価用のサンプルを作製した。
得られたサンプルを、50℃の環境下に2週間放置し、初期のサンプルの質量に対する放置後のサンプルの質量の減少量(初期のサンプル全体の質量−放置後のサンプル全体の質量)を求めた。その結果を表2に示した。ここで、減少量は主にインク組成物中の溶剤の揮発量を示しており、この値が小さいほど密栓性に優れることを意味する。また、減少量が30mg以下であれば密栓性が良好であると判断することができ、20mg以下であれば密栓性が特に良好であると判断することができる。更に、減少量が30mg以下であれば、逆流防止剤自身の揮発も十分に抑制されていると判断することができる。
[耐吸湿性の評価]
先端にボールペンチップを備えた、ナイロン製の円筒状インクタンク(内径4mm)に、実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤を0.23g充填し、耐吸湿性評価用のサンプルを作製した。
得られたサンプルを、ペン先を上に向けた状態で、25℃、60%RHの環境下に1ヶ月間放置し、初期のサンプルと放置後のサンプルとで吸湿による逆流防止剤の流動具合の変化の有無を目視にて確認し、以下の評価基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
A:放置前の状態が保たれている(逆流防止剤の後端が真っ直ぐに保たれている)(問題なし)、
B:流れ出してはいないが、逆流防止剤の後端が傾いたり凹んだりしている(実用上問題なし)、
C:逆流防止剤が少し流れ出している(実用上問題となる場合がある)、
D:逆流防止剤がインクタンクの外まで流れ出している(実用上問題となる)。
[追随性の評価]
上記密栓性の評価と同様にして、実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤を用いた密栓性評価用のサンプルを作製した。この密栓性評価用のサンプルを中芯としてボールペン本体軸に装着し、加圧機構を有するボールペンを作製した。
得られたボールペンを用いて、手筆記によりインク組成物がなくなるまで筆記し、逆流防止剤の追随性を評価した。追随性は、逆流防止剤がインク組成物の後端面に追随しているかどうか、レイダウンが低下していないかどうか、及び、インクタンクの内壁にインク組成物が残留することなく逆流防止剤がインク組成物を掻き落としているかどうか、の評価項目について目視にて確認し、以下の評価基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
A:逆流防止剤が隙間を作ることなくインクの後端面に追随している(問題なし)、
B:逆流防止剤がインクタンクの壁面に若干残るが、最後まで隙間を作ることなくインクの後端面に追随している(実用上問題なし)、
C:逆流防止剤が隙間を作ることなくインクの後端面に追随しているが、インクタンクの壁面にインクの付着残留が見られる(実用上問題となる場合がある)、
D:逆流防止剤がインクの後端面に追随せず、インクの排出の妨げになっている(実用上問題となる)。
[耐衝撃流動性の評価]
上記追随性の評価と同様にして、実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤を用いたボールペンを作製した。
得られたボールペンを、ペン先を上に向けた状態で1mの高さからコンクリート面上に落下させ、落下衝撃による逆流防止剤の流動具合を目視にて確認し、以下の評価基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
A:落下前の状態が保たれている(問題なし)、
B:逆流防止剤の後端面が若干変形するが、流出は生じていない(実用上問題なし)、
C:逆流防止剤の後端面が変形し、静置すると僅かに流れ出す(実用上問題となる場合がある)、
D:逆流防止剤が変形・流出し、インクも流出する(実用上問題となる)。
[保存安定性の評価]
上記追随性の評価と同様にして、実施例1〜6及び比較例1〜2の逆流防止剤を用いたボールペンを作製した。
得られたボールペンを、50℃の環境下に2ヶ月間放置し、インク組成物及び逆流防止剤が変化していないか目視にて確認した後、筆記可能かどうかを確認し、以下の評価基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
A:放置前の状態が保たれており、問題なく筆記可能(問題なし)、
B:インク及び逆流防止剤の体積が若干減少しているが、問題なく筆記可能(実用上問題なし)、
C:インク及び逆流防止剤の体積がやや減少し、インクと逆流防止剤との界面に分離層・析出等が生じており、また、筆記可能ではあるがインクの排出量がやや減少している(実用上問題となる場合がある)、
D:逆流防止剤が密栓しておらず、インク及び逆流防止剤の体積が減少してインクが乾いてしまっており、筆記できない(実用上問題となる)。
Figure 0004708939

表2に示した結果から明らかなように、本発明の逆流防止剤(実施例1〜6)によれば、比較例1〜2の逆流防止剤と比較して、炭化水素系溶剤(メチルシクロヘキサン)を用いた塗布液に対して十分な密栓性を得ることができるとともに、優れた耐吸湿性を呈し、十分な流出防止性を長期間維持することができることが確認された。また、本発明の逆流防止剤(実施例1〜6)によれば、追随性、耐衝撃流動性及び保存安定性の全てを達成することができることが確認された。
本発明の筆記具の一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
10…中芯、12…塗布液、14…収容器、16…逆流防止剤、18…本体軸、20…塗布部、22…ジョイント、24…ボールホルダー、26…ボール、28…尾栓、100…筆記具。

Claims (6)

  1. 塗布液が収容された収容器内から前記塗布液が流出することを防止するために使用される逆流防止剤であって、
    アルキレンオキサイドの炭素数が2又は3であり、且つ、アルキル基の炭素数が1又は2であるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドと、
    増稠剤と、
    を含有することを特徴とする逆流防止剤。
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドが、ポリオキシエチレンメチルグルコシドであることを特徴とする請求項1記載の逆流防止剤。
  3. 前記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドにおける前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数が、5〜30モルであることを特徴とする請求項1又は2記載の逆流防止剤。
  4. 前記ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量が、前記逆流防止剤全量を基準として45.0〜99.8質量%であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の逆流防止剤。
  5. 塗布液と、
    前記塗布液を収容する収容器と、
    前記収容器の一端に取り付けられた、前記塗布液の吐出を制御する塗布部と、
    前記収容器内における前記塗布液の前記塗布部側とは反対側に、前記塗布液と隣接して収容された請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の逆流防止剤と、
    を備えることを特徴とする筆記具。
  6. 前記塗布液が、炭化水素系溶剤を含むものであることを特徴とする請求項5記載の筆記具。

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