JP4813044B2 - ボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は,インキを充填したボールペン用インキ筒に充填されるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法に関する。
従来,ボールペンについて,インキ収容管即ちインキ筒に充填されたインキの尾端に連続させてインキ筒内にインキ追従体即ちインキ逆流防止剤と呼ばれる組成物が充填されているのが一般的である。例えば,インキ筒の末端が開放されているボールペンについて,インキ筒にインキのみを単に充填しただけでは,ペン先を上向き又は横向きに放置すると,インキ筒内のインキがインキ筒内を逆流し,インキがインキ筒から外部に漏れてしまったり,少しの衝撃でもインキ筒からインキが飛散して衣服,周囲環境等を汚してしまう恐れがあり,また,インキ筒内のインキが開口を通じて蒸発する恐れもあった。ボールペンは,これらの問題を防止するために,ボールペンのインキ筒の端部に,インキと連続させてインキ筒内にインキ追従体即ちインキ逆流防止剤と呼ばれる組成物を充填している。
従来,スチレン系熱可塑性エラストマーを添加剤に用いた水性ボールペン用インキ乾燥防止体組成物として,例えば,難揮発性及び/又は不揮発性のフタル酸エステルを基剤とし,これに充填剤とスチレン−ブタジエン系エラストマーとを添加してなるものが知られている。上記水性ボールペン用インキ乾燥防止体組成物は,高温環境下におけるインキ収容管の末端からの水性ボールペンインキ溶剤分の嵌挿を抑制し,筆記時のインキ流動性を確保し,経年安定性の効果を狙ったものである(例えば,特許文献1参照)。
また,従来知られている常温液状炭化水素を用いた水性ボールペンインキの逆流防止剤は,インキ収容管内に充填された水性インキの端末に設けられる逆流防止剤であって,鉱物油,エチレン−α−オレフィンコオリゴマー,ポリブデン,ポリ−α−オレフィン油からなる群から選択される1種以上の常温液状炭化水素100重量部に対して,0.5〜20重量部のスチレン系熱可塑性エラストマーを配合した組成を有するものである。更に,該水性ボールペンインキの逆流防止剤は,ポリスチレンブロック−ゴムブロック,又はポリスチレンブロック−ゴムブロック−ポリスチレンブロックからなるブロックコポリマーの少なくとも何れかを含むものである。また,上記ゴムブロックは,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリエチレン/ブチレン,又はポリエチレン/プロピレンである(例えば,特許文献2参照)。
特開平7−216285号公報 特許第3016749号公報
ところで,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物としては,次の性能を有することが要求される。即ち,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物の必要性能として,耐高温性能,インキへの追従性,耐衝撃性及び耐混合性を有することが要求される。
(1)耐高温性能は,輸送中,保管中等に遭遇する80℃程度の高温雰囲気においても基油と増ちょう剤としてのゲル化剤とが分離しないことであり,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内でインキと分離して流動したり,インキ筒から外へ流出しないこと等である。
(2)インキへの追従性は,ボールペンの使用によるインキの消耗に従って,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物がインキ末端から離れずに良好に追従して移動することであり,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物がインキ末端から分離したり,インキ筒壁に付着してインキ筒の壁面に残らないことである。
(3)耐衝撃性は,ボールペンの落下等の衝撃があっても,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内で流動したり,インキ筒から流出しないこと等である。
(4)耐混合性は,油性ボールペン用又は水性ボールペン用のインキとボールペン用インキ逆流防止剤組成物とが混合して,インキ逆流防止剤組成物によってインキが汚染されないこと等である。
近年,ボールペンのインキの組成物やインキ筒の径等について多岐にわたって種々のものが開発されているが,ボールペンの開発に伴って,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物についても種々の組成物が開発されているが,上記の必要性能が全て必ずしも満足されていないのが現状である。例えば,上記の水性ボールペン用インキ逆流防止体組成物は,フタル酸エステルの基剤にスチレン−ブタジエン系エラストマー即ちスチレン系熱可塑性エラストマーを添加したものであるが,環境上の問題から使用に制限があることである。また,ボールペン用インキ逆流防止剤組成物において,微粒子シリカといったゲル化剤によってゲル化したものでも,まだ,上記の必要性能のすべてを満足することができないものである。
また,上記の水性ボールペンインキの逆流防止剤は,上記の水性ボールペン用インキ乾燥防止体組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマーを,基油である常温液状炭化水素に配合したものであるが,基油が液状であるため,インキ逆流防止剤からにじみ出た常温液状炭化水素がインキに混合したり,インキ筒の後部より液状油が流出するという問題があり,また,スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が10質量%以上のものは,給脂における作業性が悪いという問題を有している。また,従来,使用されている増ちょう剤と基油から構成されるインキ逆流防止剤は,上記に示した耐衝撃性や耐高温性能に問題がある。そこで,インキ逆流防止剤組成物として,上記の種々の問題を解決することが望まれている現状である。
この発明の目的は,上記の課題を解決するため,水性又は油性のボールペンにおいて,インキ筒に収容されたインキの尾端に連続してインキ筒内に充填されるインキ逆流防止剤として,難揮発性液体に安定して適正量のアルミニウム石けんを含有させて,優れた耐高温性能,追従性,耐衝撃性及び耐混合性を兼ね備えた性能を発揮できる水性用又は油性用のボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法を提供することにある。
この発明は,難揮発性液体に増ちょう剤としてのアルミニウム石けんを添加して,これらの混合物を攪拌混合し,攪拌混合された前記混合物の内容物を140℃以上まで加熱して溶解し,次いで,前記内容物の攪拌を止めて,10分後に前記内容物の温度が100℃以下になるように温度を制御して冷却し,更に前記内容物の温度が常温になるまで静置して,前記難揮発性液体中に前記アルミニウム石けんを予め決められた所定の適正量含有させたことを特徴とするボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法に関する。
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法において,前記アルミニウム石けんの含有量は,0.1乃至10質量%である。
また,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法において,前記アルミニウム石けんは,下記一般式で表される組成物である。
R−COO−Al(OH)O−CO−R
又は
R−COO−Al(OH)2
但し,Rは炭素数1〜30の飽和又は不飽和アルキル基である。
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法において,前記難揮発性液体は,40℃で40〜100,000mm2 /sの動粘度を有する精製鉱油,合成炭化水素油,エステル油,エーテル油及びその他の合成油から選ばれる1種又は2種以上の混合体である。
また,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法において,25℃におけるスプレッドメーターでの1分値は,20〜60mmであり,温度25℃における不混和ちょう度又は混和ちょう度は200〜500である。
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法は,上記のように,特定の基油の難揮発性液体に,増ちょう剤のゲル化剤としてアルミニウム石けんを混合し,両者を加熱溶解した後に冷却,特に急冷したので,アルミニウム石けんが難揮発性液体中に適正量含有され,ゲル構造の安定剤が基油に特定量配合された状態になって,優れた耐高温性能,追従性,耐衝撃性及び耐混合性を兼ね備えた良好な性状を持つものである。
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法は,従来のボールペン用インキ逆流防止剤組成物が有していた各種の問題を解消することができるものであり,基油の難揮発性液体に増ちょう剤のアルミニウム石けんを添加する製造工程において,加熱溶解された溶融物を冷却,特に,急冷することによってアルミニウム石けんを基油に適正量含有させ,製品を安定させたものである。このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,ボールペンの筆記時に,インキに対するインキ追従性とインキ逆流防止性に優れる性状を発揮できるものである。
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法は,特に,精製鉱油,合成油,エステル油又は低粘度ポリプテンの難揮発性液体を基油として使用し,増ちょう剤のアルミニウム石けんとしては,難揮発性液体に対して0.1〜10質量%,好ましくは0.5〜5質量%含有されており,難揮発性液体中でのアルミニウム石けんを添加して加熱溶解した後に,該溶解物即ち内容物を冷却し,特に,急冷したものであり,それによって難揮発性液体中にアルミニウム石けんを予め決められた所定の適正量含有させ,難揮発性液体へのアルミニウム石けんの混合状態を安定させたことを特徴としている。
このボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,その製造工程において,例えば,次のようにして実施される。まず,難揮発性液体にアルミニウム石けんを添加し,加熱溶解するが,その時,溶解臨界温度以上に加熱すると,内容物は均一で透明な溶液になる。該透明な溶液を攪拌しながら冷却すると,ワックス状,ゲル状の物質になる。ワックス状,ゲル状の物質をロールミルにかけてロール処理をし,次いで脱泡すればボールペン用インキ逆流防止剤組成物を得ることができる。内容物の冷却については,内容物の冷却速度によって難揮発性液体へのアルミニウム石けんの含有量が決定されるが,種々の冷却方法で行えばよいものであり,冷却装置に制約はないものである。
また,このボールペン用インキ逆流防止剤組成物におけるアルミニウム石けんは,一般式R−COO−A1(OH)O−CO−RまたはR−COO−A1(OH)2 で表される組成物であり,Rは炭素数1〜30の飽和又は不飽和アルキル基である。また,基油の難揮発性液体へのアルミニウム化合物の含有量は0.1〜10%であるが,0.1%以下は軟らかすぎて効果がなく,また,10%以上では硬すぎて,上記のボールペンとしての必要性状を発揮できず,実用性がない。また,難揮発性液体へのアルミニウム化合物の含有量が5%以上だと白濁してしまい,見劣りがし,商品価値が低下するが,ボールペン性能を阻害するものではなく,実用価値があることが確認された。このボールペン用インキ逆流防止剤組成物におけるアルミニウム化合物は,単独でもよく,別の増ちょう剤を併用してもよいことは勿論であるが,ボールペンに使用されているインキへのインキ逆流防止剤組成物の影響を考慮して,アルミニウム石けんを他の増ちょう剤と混合して使用することが望ましい。このボールペン用インキ逆流防止剤組成物では,アルミニウム石けんは,親水性シリカ,疎水性シリカのような微粒子シリカやメチル化処理した微粒子シリカ,又はステアリン酸リチウム石けん等の非水溶性金属石けんと併用することもできる。この場合には,難揮発性液体への増ちょう剤の添加量は,アルミニウム石けんを含めてインキ追従体全量に対して0.1〜15質量%程度である。
この発明に用いる基油は,使用できる動粘度を有するものであれば,限定されるものではないが,40℃での動粘度が100〜100000mm2 /sの範囲が望ましく,この場合,100mm2 /s以下であれば,追従性が良すぎてペン先からのインキの吐出量が多くなりすぎ,また,100000mm2 /s以上であれば,ペン先からのインキの吐出量が少なくなり,筆記できなくなる傾向が強くなるので,実用性がなくなる。
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の性状を評価試験するため,市販ボールペンA,B及びCを購入した。市販ボールペンA,B及びCのインキ筒に充填してあるインキ逆流防止剤組成物を注射器を用いて吸い取り,インキ筒壁に付着しているインキ逆流防止剤組成物を拭き取った後に,実施例1〜11及び比較例1〜6の組成物を有するボールペン用インキ逆流防止剤組成物を,それぞれの表に示す量だけインキ筒の端部にインキと連続させて充填し,(1)耐高温性能試験,(2)追従性試験,(3)耐衝撃性試験,及び(4)耐混合性試験の評価試験をそれぞれ行った。
(1)耐高温性能試験は,ペン先を上向きにして80℃恒温空気浴に30日間静置後に,外観を観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内で流動又はインキ筒から流出せず,基油とゲル化剤とに分離が無かったものを合格(〇)とした。また,インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内で流動又はインキ筒から流出したもの及び基油とゲル化剤とに分離したものを不合格(×)とした。
(2)追従性試験は,10cm/secの速度でインキが無くなるまで連続して筆記を続け,インキ逆流防止剤組成物がインキの消耗に追従していくか否かを観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキ筒壁に付着せず,インキに追従して移動し,スムーズに筆記できたものを合格(〇)とした。また,インキ逆流防止剤組成物の一部がインキ筒壁に付着してインキ筒末端部の残ったもの及びインキ逆流防止剤組成物が動かず,途中で筆記不能になったものを不合格(×)とした。
(3)耐衝撃性試験は,ペン先を上向きにして持ち,高さ1mの場所からコンクリート床に50回落下させた後,外観を観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内て流動したり,インキ筒から流出しなかったものを合格(〇)とした。また,インキ逆流防止剤組成物がインキ筒内て流動又はインキ筒から流出したものを不合格(×)とした。
(4)耐混合性試験は,ペン先を上向きにして80℃恒温空気浴に30日間静置後,外観を観察した。インキ逆流防止剤組成物がインキと混合しなかったものを合格(〇)とした。また,インキ逆流防止剤組成物がインキと混合したものを不合格(×)とした。
これらの性状試験に用いたボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,下記の種の製造方法によって作製したものである。
(1)製造方法1は,原料を全量混合した後に,これらを攪拌混合し,混合物即ち内容物を140℃以上まで加熱し溶解した。続いて,攪拌を止め,10分後に上記内容物の温度が100℃以下になるように温度を制御した。その後,上記内容物の温度が常温になるまで静置し,ロール処理し,真空脱泡してボールペン用インキ逆流防止剤組成物を製造した。
(2)製造方法は,原料を全量混合した後に,これらを攪拌混合し,混合物即ち内容物を140℃以上まで加熱し溶解した。続いて,攪拌を止め,60分後に上記内容物の温度が100℃以下に成るように温度を制御した。その後,上記内容物の温度が常温になるまで静置し,ロール処理し,真空脱泡してボールペン用インキ逆流防止剤組成物を製造した。
)製造方法は,原料を全量混合した後に,これらを攪拌混合し,混合物即ち内容物を140℃以上まで加熱し溶解した。続いて,攪拌しながら,60分後に上記内容物の温度が100℃以下に成るように温度を制御した。その後,上記内容物の温度が常温になるまで静置し,ロール処理し,真空脱泡してボールペン用インキ逆流防止剤組成物を製造した。
表1には,実施例1〜実施例6が示され,表2には,実施例7〜実施例12が示されている。
また,表には,比較例1〜比較例が示されている。
難揮発性液体として,40℃で40〜100,000mm2 /sの動粘度を有する精製鉱油,合成炭化水素油,エステル油,エーテル油及びその他の合成油から選ばれる1種又は2種以上の混合体を用いた。具体的には,難揮発性液体として,ポリブデンA,ポリブデンB,ジフェニールエーテル油,エステル油,ポリアルファオレフィン油,及び/又はポリオキシアルキレングリコール油を用いた。ポリブデンAは,平均分子量が400であり,動粘度が40℃で105mm2 /sであり,また,ポリブデンBは,平均分子量が1500,動粘度が40℃で32000mm2 /sである。
また,アルミニウム石けんとしては,モノステアリン酸アルミニウム,又はジステアリン酸アルミニウムを用いた。
Figure 0004813044
実施例1は,ポリブデンAを98質量%にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例2は,ポリブデンAを98質量%にジステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例3は,ポリブデンAを99質量%にモノステアリン酸アルミニウムを1質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例4は,ポリブデンAを95質量%にモノステアリン酸アルミニウムを5質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例5は,ポリブデンAを99.9質量%にモノステアリン酸アルミニウムを0.1質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例6は,ポリブデンAを49質量%とポリブデンBを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
Figure 0004813044
実施例7は,ポリブデンAを49質量%とポリブデンBを49質量%とから成る難揮発性液体にジステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例8は,鉱物油を49質量%とポリブデンAを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例9は,ポリアルファオレフィン油を49質量%とポリブデンAを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例10は,エステル油を49質量%とポリブデンAを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例11は,ポリオキシアルキレングリコール油を49質量%とポリブデンAを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
実施例12は,ジフェニールエーテル油を49質量%とポリブデンAを49質量%とから成る難揮発性液体にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
Figure 0004813044
比較例1は,ポリブデンAを98質量%にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
比較例2は,ポリブデンAを98質量%にモノステアリン酸アルミニウムを2質量%を添加し,製造方法で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
比較例3は,ポリブデンAを99.05質量%にモノステアリン酸アルミニウムを0.05質量%を添加し,製造方法1で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
比較例は,ポリブデンAを88質量%にモノステアリン酸アルミニウムを12質量%を添加し,製造方法で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
比較例5は,ポリブデンAを88質量%にモノステアリン酸アルミニウムを12質量%を添加し,製造方法で作製したボールペン用インキ逆流防止剤組成物である。
これらの実施例1〜12においては,25℃におけるスプレッドメーターでの1分値(SM値)と温度25℃における不混和ちょう度又は混和ちょう度は,実施例1では32と360であり,実施例2では30と340であり,実施例3では42と420であり,実施例4では20と280であり,実施例5では50と450であり,実施例6では30と340であり,実施例7では30と340であり,実施例8では32と350であり,実施例9では33と350であり,実施例10では32と340であり,実施例11では30と340であり,実施例12では33と350であった。
これに対して,比較例1〜においては,25℃におけるスプレッドメーターでの1分値(SM値)と温度25℃における不混和ちょう度又は混和ちょう度は,比較例1では58と500以上(500<と記述)であり,比較例2では59と500以上であり,比較例3では58と500<であり,比較例では20と260であり,比較例では20と270であった。
表1及び2から分かるように,実施例1〜12については,いずれも外観は透明であった。これに対して,比較例1,比較例2,及び比較例3については,いずれも外観は透明であったが,比較例4,及び比較例については,外観はアルミニウム石けんの含有量が多く,白濁が認められた。
また,表1〜表から分かるように,実施例1〜実施例12のボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,耐高温性能試験,追従性試験,耐衝撃性試験,及び耐混合性試験において全て合格(〇)した。しかしながら,表に示す比較例1〜比較例のボールペン用インキ逆流防止剤組成物は,何れかの性状試験で満足されない不合格(×)のものが有った。
また,比較例4及び比較例に示すように,難揮発性液体に対するアルミニウム石けんの配合量が多過ぎると,不合格品が出ることを確認した。また,この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法では,製造方法1に認められるように,10分後に100℃以下になるように急冷した製造方法が好ましいことが確認された。
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法は,表1〜表に示す上記の評価試験結果から分かるように,優れた耐高温性能,追従性,耐衝撃性,及び耐混合性を兼ね備えていることが分かった。
この発明によるボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法は,水性ボールペン又は油性ボールペンにおいて,インキ筒に充填されたインキの尾端に連続してインキ筒に充填されるインキ追従体として適用して好ましいものである。

Claims (5)

  1. 難揮発性液体に増ちょう剤としてのアルミニウム石けんを添加して,これらの混合物を攪拌混合し,攪拌混合された前記混合物の内容物を140℃以上まで加熱して溶解し,次いで,前記内容物の攪拌を止めて,10分後に前記内容物の温度が100℃以下になるように温度を制御して冷却し,更に前記内容物の温度が常温になるまで静置して,前記難揮発性液体中に前記アルミニウム石けんを予め決められた所定の適正量含有させたことを特徴とするボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法
  2. 前記アルミニウム石けんの含有量は,0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法
  3. 前記アルミニウム石けんは,下記一般式で表される組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法
    R−COO−Al(OH)O−CO−R
    又は
    R−COO−Al(OH)2
    但し,Rは炭素数1〜30の飽和又は不飽和アルキル基である。
  4. 前記難揮発性液体は,40℃で40〜100,000mm2 /sの動粘度を有する精製鉱油,合成炭化水素油,エステル油,エーテル油及びその他の合成油から選ばれる1種又は2種以上の混合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法
  5. 25℃におけるスプレッドメーターでの1分値は,20〜60mmであり,温度25℃における不混和ちょう度又は混和ちょう度は200〜500であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールペン用インキ逆流防止剤組成物の製造方法
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