JP4656771B2 - 流動体塗布具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動体塗布具に関し、更に詳しくは、サインペン、ボールペンを含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等に用いられる流動体塗布具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、流動体の飛散防止、揮発防止のために、流動体を収容したパイプ状容器内の流動体末端部に液状の可動栓を生のまま具備したボールペン等の塗布具が広く知られている。
【0003】
しかしながら、上記従来の塗布具の液状可動栓としては、鉱物油、シリコーンオイル、エステル油、ポリブテン等の不揮発性オイルを主成分としたものが用いられているが、水のような高極性の揮発性液体を配合したインキには揮発防止効果があるものの、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンといった低極性の揮発性液体を配合した流動体では、可動栓と相溶してしまったり、可動栓を通過して揮発してしまうという問題があり実用に至っていないものである。
なお、低極性で揮発性の有機溶媒は、インキ配合により描線が速く乾きやすいこと、非吸収面での固着性が強く、修正液に使うと水性のインキのブリードが起こりにくいこと等の点で好ましい。
【0004】
また、上記従来の流動体塗布具において、シリコーシゴム等を用いた固体の可動栓も知られているが、上述の如く、低極性の揮発性液体を配合した流動体では、揮発防止効果が不十分であり、またゴムが膨潤して可動できなくなるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決した流動体塗布具をこれまで開発してきている。すなわち、流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の後方には、該流動体塗布液と相溶しない、難揮発性の液状物が末端可動栓として接触状態で収容され、該可動栓の後方収容管内を大気解放させ、その可動栓としてグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物のうちの1種もしくは2種以上の混合物とすること、さらには可動栓としての性能を向上させるためこれらに構造粘性を賦与したゲル状可動栓とすること、構造粘性賦与剤として微粉末のシリカ、有機ベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸およびその誘導体、アルミナやジベンジリデンソルビトール等を添加しゲル化させる方法、これらの液体をポリウレタンフォームのような連続気泡性発泡体に含浸させた状態で用いることをなどを出願している。(特開2000−343875号公報)。
なお、上記公報で規定される液状の可動栓には、「流動体塗布液と相溶せず、流動体塗布液の揮発を防止すること」と「可動栓自身が揮発しにくいこと」の2つの性能が要求されるものである。
【0006】
しかしながら、これらの物質は、確かに流動体塗布液と相溶せず、流動体の揮発を防止すること」と「自己揮発しにくいこと」の2つの性能は満たされているが、後端部が大気開放されている流動体塗布具では、これらの物質は溶剤と相溶しない反面、吸湿性があるために高湿度下に置かれた場合には吸湿のために体積の膨張や粘度低下、さらには水滴や水層の発生等の不具合が生じることが判った。
【0007】
そこで、本発明者らは、水と構造粘性付与剤からなるゲル状可動栓Bと、さらにはその後端に鉱物油、シリコーンオイル、エステル油、ポリブテン等の不揮発性オイルと構造粘性付与剤からなるゲル状可動栓Cとからなる二重(二層式)の可動栓を具備する流動体塗布具を出願している(特開2000−343879号公報)。
この二層式可動栓の効果は優れているものであるが、流動体を含めた3層の比重差の管理、抱き込まれた空気の除去、充填方法など組み立ての煩雑さといった2次的な課題を生じる点に若干の課題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、先端に流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管内に、流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の端部には可動栓を具備すると共に、可動栓の後方が大気に解放された流動体塗布具において、上記従来の可動栓の抱える課題のうち、高湿度下での経時安定性に優れた可動栓を具備した流動体塗布具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の課題等を解決すべく、先端に塗布液の流出制御機構を具備し、後端部が大気に解放されている塗布具の収納管内に収容する流動体塗布液に対して液状可動栓を種々検討した結果、長期にわたり湿度の影響を受けにくい可動栓として、特定物性の高分子を含有せしめることにより、上記目的の流動体塗布具が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 先端に流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管内、流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の端部には可動栓を具備すると共に、該可動栓の後方が大気に解放された流動体塗布具であって、前記可動栓が吸水性高分子を少なくとも含んでいることを特徴とする流動体塗布具。
(2) 前記流動体塗布液が有機溶剤を主成分とし、可動栓は吸水性高分子を少なくとも含有したゲル状可動栓であることを特徴とする上記(1)記載の流動体塗布具。
(3) 吸水性高分子がイソブチレン/マレイン酸塩系であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の流動体塗布具。
(4) 流動体塗布液にはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種が含有されることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の流動体塗布具。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の流動体塗布具は、先端に流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の端部には可動栓を具備すると共に、該可動栓の後方が大気に解放された流動体塗布具であって、前記可動栓が吸水性高分子を少なくとも含んでいることを特徴とするものである。
【0011】
本発明で対象とする流動体塗布具としては、例えば、サインペン、ボールペン等を含めた筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等が挙げられる。
これらの流動体塗布具の先端には、通常、使用時に流動体が出過ぎたり、出にくくなるのを防止する流動体塗布液の流出制御機構が具備される。例えば、流動体(インキ等)がゲル状である場合には、構造粘性破壊手段を有するボールペン型チップや、弾撥体で前方の弁座に突出付勢させて先端孔を閉塞保持する弁付き塗布体又はニードルバルブ等の流出制御機構を具備させたものが挙げられる。
図1は、本発明の流動体塗布具をボールペンに適用した場合の一例を示す縦断面図である。この流動体塗布具は、図1に示すように、流出抑制機構としてボールペン型チップ3を具備した収容管7に、流動体塗布液8が充填されており、この流動体塗布液8の末端部に接触状態で可動栓9が収容されている。なお、1はキャップ体、2はシールゴム、4はボール、5はペン先部と収容管の継手部材、6は軸体、10は尾栓である。
このボールペン型チップ3の構造としては、通常のボールペンチップ構造の他、例えば、先端に金属(ステンレス又はセラミック)製のボール及び金属(ステンレス又はセラミック)製のホルダーを有するチップからなり、図示しないがボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するようにボールの背面にスプリング部材からなる押圧手段により押圧が付与されてなる構造のものであっても良い。この押圧手段を内蔵したものでは、筆記等の際にはボールが沈み、ボールとボール抱持部との間にクリアランス部ができ、この際に収納管内の流動体塗布液がクリアランス部を通って適正な流出量で外部に流出して塗布することができるものとなる。筆記等の作業が終わると(通常の状態では)、押圧手段により、ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接して流動体塗布液は流出しない構造となるものである。
【0012】
これらの流動体塗布具において、流出制御機構を具備する収容管、例えば、パイプ状容器からなる収容管内には、流動体塗布液が収容される構成となっている。
本発明に用いる流動体塗布液としては、有機溶剤、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種以上を主成分とし、該有機溶剤に、カーボンブラックや二酸化チタン等の顔料・染料等の色材、溶剤に可溶な増粘剤・バインダーとしての樹脂類、界面活性剤類、香料、並びに、筆記具、修正具、接着剤塗布具、化粧具等の用途に応じたその他の任意成分を適宜溶解もしくは分散させたものなどが挙げられる。
本発明の流動体塗布具を修正具に適用する場合には、速乾性を有し、かつ油性型及び水性型のインキに対しても修正しうる点から、流動体塗布液には、好ましくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも一種以上を含有することが望ましい。
これらの配合量については、例えば、流動体塗布液全量(100重量%)に対して、有機溶媒20〜85重量%、顔料等の色材10〜60重量%、樹脂類その他成分が5〜30重量%程度の配合組成物とすることが望ましい。
また、上記流動体塗布液をそのまま使用してもよいが、上記流動体塗布液に微粉末シリカ、アルミナ、ジベンジリデンソルビトールなどの粘性付与剤を含有せしめてゲル状粘性体として使用してもよい。このゲル状粘性体とすることにより、流動体塗布液に重たい顔料(酸化チタン等)等の色材を配合してもこれらの沈降を抑制し易く、更に、紙等の被塗布体にインキ(流動体)を塗布した場合、構造粘性を有することにより被塗布体上での「にじみ」が抑制できることとなる。このゲル強度は使用する色材(顔料等)の粒子径、比重により適宜調整される。
【0013】
本発明では、塗布具の収容管内に上記流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の端部には可動栓を具備すると共に、可動栓の後方が大気に解放される構成となるものである。
これによって可動栓は流動体塗布液の消費につれて流動体塗布液に追従して移動し可動栓としの作用をなすことになる。
【0014】
本発明に用いる可動栓としては、吸水性高分子を少なくとも含有するものであれば、特に限定されないものであるが、好ましくは、可動栓として「流動体塗布液と相溶せず、流動体の揮発を防止すること」と「自己揮発しにくいこと」の2つの基本性能を充足するもの、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物などの高極性でかつ難揮発性の液状物に吸水性高分子を少なくとも含有したものを用いることが望ましい。
上記2つの基本性能を充足する可動栓には、その性質を有するがために親水性=吸湿性を併せ持つという欠点があり、この形態の可動栓にはさらに「非吸湿性」が要求されることとなる。これを回避するために本発明の可動栓には少なくとも吸水性高分子を含有することが必要となる。
【0015】
本発明に用いる吸水性高分子としては、吸水性を有する高分子であれば特に限定されるものではなく、例えば、でんぷん系やセルロース系及び合成ポリマー系の吸水性高分子から選ばれるいずれも使用することができる。
これらの吸収性高分子は、吸水能力はもちろんのこと塗布具の形態上の理由から吸水後の体積膨張の少ないものがより好ましい。この点でイソブチレン/マレイン酸塩系の吸水性高分子の使用が優れているものとなる。
また、吸収性高分子の形状は、粉末、顆粒状、フレーク状、球状、立方体、スポンジ状や不定形など可動栓の性能を損なうことがない限り、何ら限定されるものではない。
【0016】
具体的に使用できる吸収性高分子としては、ポリアクリル酸系高分子〔三菱化学社製、アクアパール〕、架橋型ポリアクリル酸系高分子〔荒川化学社製 アラソープ,花王社製 ワンダーゲル,日本触媒化学社製 アクアリック,住友精化社製 アクアキープ〕、橋かけポリビニルアルコール系高分子〔日本合成ゴム社製、アクアリザーブGP〕、イソブチレン/マレイン酸系高分子〔クラレイソプレン社製、KIゲル〕、でんぷん/ポリアクリル酸系高分子〔三洋化成社製、酸ウエット〕、ポリビニルアルコール/ポリアクリル酸系高分子〔住友化学社製、ミズカゲル〕など挙げられる。
これらの吸収性高分子の含有量は、可動栓全量(100重量%)に対して、好ましくは、1〜30重量%とすることが望ましい。
吸収性高分子の含有量が1重量%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、また、30重量%を越えると、体積膨張などで追従性が悪くなり、好ましくない。
【0017】
また、本発明では、可動栓としての性能を向上させるため、ゲル化させたものを使用することもでき、吸水性高分子を添加することによりゲル化させることも可能である。
具体的には、ペン先を上向きにしておいた場合の可動栓の逆流防止のために微粉末のシリカ、アルミナやジベンジリデンソルビトールといった構造粘性付与材を上記可動栓を構成することとなるグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物などの高極性でかつ難揮発性の液状物に添加しゲル化させた状態で使用することができる。これらの構造粘性付与材の含有量は、溶媒と添加剤の種類等により変動するものであり、溶媒と添加剤の種類等に応じて、最適な量を調製することとなる。
【0018】
本発明における吸収性高分子は、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物などの高極性でかつ難揮発性の液状物からなる可動栓、または、上記ゲル状の可動栓に混練するか、または挿入し、もしくは後端部に接触させて使用することとなる。
好ましくは、表面積と体積、および可動栓と共に移動することを考慮すると、顆粒状の吸収性高分子をゲル状可動栓に練り込んだものが望ましい。
【0019】
このように構成される本発明では、パイプ状容器などの収容管に、上記少なくとも吸収性高分子を含有した液状物などを流動体塗布液の末端部に接触状態で収容して可動栓とし、該可動栓の後方収容管内を大気解放される流動体塗布具とするものであり、この場合、パイプ状容器などの収容管の内径が小さい場合(筆記具、修正液容器用途としては通常2mm以下)であれば、流動体塗布液及び可動栓とも特に構造粘性を与えずとも、流動体塗布液及び可動栓が有する表面張力によりパイプ状容器などの収容管内において各々安定して収容され、高湿度下においても経時安定性に優れた流動体塗布具とすることができる。
なお、パイプ状容器などの収容管内に多量の流動体塗布液を収容すべく収容管の内径を大きくした場合(筆記具、修正液容器用途としては通常3mm以上)、そのままではパイプ状容器を横向き、逆さにしたときにフォロアーの液面が切れる等の問題が発生してしまう場合がある。この場合は、上述の如く、可動栓を構造粘性を有するものとすることにより、流動体塗布液及び可動栓共々パイプ状容器などの収容管内において安定して収容し、高湿度下においても経時安定性に優れた流動体塗布具とすることを可能となし、本発明の逆流防止構造としての品質を維持し、流動体塗布液の長期間の品質劣化を防止する効果を発揮せしめる流動体塗布具とすることができることとなる。
【0020】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。以下に記載の「部」は重量部を意味する。
【0021】
〔実施例1〜3及び比較例1〜3〕
図1に示すように、先端に、流出抑制機構としてボールペン型チップを具備した内径5mmのパイプ状の容器に、下記に配合組成の流動体塗布液(流動体A)を約2g注入した。次いで、この流動体塗布液(流動体A)の末端部に接触状態で収容してなる下記各実施例及び各比較例により調製した可動栓を収容して各流動体塗布具を作製した。
得られた各流動体塗布具をキャップをした状態で25℃、60%RHの環境試験室に入れ、1ケ月後の重量変化の測定と可動栓の外観状態を官能評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0022】
(流動体Aの配合組成)
下記成分を混合分散し流動体Aを調製した。
メチルシクロヘキサン 40部
アクリル樹脂 10部
二酸化チタン 50部
【0023】
〔実施例1〕
ポリオキシエチレン(13)ジグリセリルエーテル 80.0部
〔SC−E750、阪本薬品社製〕
微粉末シリカ 19.0部
〔アエロジル976、日本アエロジル社製〕
吸水性高分子(ポリアクリル酸系高分子) 1.0部
〔アクアパール、三菱化学社製〕
吸水性高分子を除いて三本ロールで混練したものに球状吸水性高分子を添加してディスパーで撹拌したものを可動栓とした。
【0024】
〔実施例2〕
グリセリン 89.0部
微粉末シリカ 10.0部
〔アエロジル974、日本アエロジル社製〕
吸水性高分子(イソブチレン/マレイン酸系高分子) 1.0部
〔KIゲル、クラレイソプレン社製〕
吸水性高分子を除いて三本ロールで混練したものに顆粒状吸水性高分子を添加してディスパーで撹拌したものを可動栓とした。
【0025】
〔実施例3〕
ジグリセリン 80.0部
微粉末シリカ 19.0部
〔アエロジル972、日本アエロジル社製〕
吸水性高分子(架橋型ポリアクリル酸系高分子) 1.0部
〔アラソープ、荒川化学社製〕
吸水性高分子を除いて三本ロールで混練したものに粉末状吸水性高分子を添加してディスパーで撹拌したものを可動栓とした。
【0026】
〔比較例1〕
実施例1において吸水性高分子を添加しないものを可動栓として使用した。
〔比較例2〕
実施例2において吸水性高分子を添加しないものを可動栓として使用した。
〔比較例3〕
実施例3において吸水性高分子を添加しないものを可動栓として使用した。
【0027】
【表1】
【0028】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜3は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べて、25℃、60%RHの環境条件における1ケ月後の重量変化量は少なく、しかも、その可動栓の外観状態を変化はなく、高湿度下でも経時安定性に優れた流動体塗布具となることが判明した。
なお、本実施例では二酸化チタンを色材とした白色流動体塗布具を例にとって説明したが、本発明では、カーボンブラック、赤・青等の染・顔料で着色した流動体であっても何ら機能に差し支えはなく、本発明の目的の作用効果を発揮せしめるものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、高湿度下においても経時安定性に優れた流動体塗布具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動体塗布具の一例を示す縦断面図である。
Claims (4)
- 先端に流動体塗布液の流出制御機構を具備する塗布具の収容管に、流動体塗布液が収容され、かつ、該流動体塗布液の端部には可動栓を具備すると共に、該可動栓の後方が大気に解放された流動体塗布具であって、前記可動栓が吸水性高分子を少なくとも含んでいることを特徴とする流動体塗布具。
- 前記流動体塗布液が有機溶剤を主成分とし、可動栓は吸水性高分子を少なくとも含有したゲル状可動栓であることを特徴とする請求項1記載の流動体塗布具。
- 吸水性高分子がイソブチレン/マレイン酸塩系であることを特徴とする請求項1又は2記載の流動体塗布具。
- 流動体塗布液にはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1種が含有されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の流動体塗布具。
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