JP4513996B2 - 塗布具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具や化粧用具として使用可能な塗布具に関するものであり、特にインキや化粧液などの塗布液を筒状等のタンク内に内蔵した塗布具に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、インキの供給が円滑であるとともに、連続した筆記が可能な改良された構造のフリーインキ式の塗布具(筆記具)を、特開平9−323495号公報に開示している。この塗布具は、インキを内蔵する筒状のインキタンクと、インキを毛細管現象等によって滲出するフェルトチップとを有し、インキタンク内のインキがチップに導かれて筆記されるものであって、インキタンクの先端部にはインキ供給弁が設けられ、この弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配されたものであり、この球がスプリングによって開口側に押圧され、弁の先端側に前記チップが設けられ、該チップの後端側が弁内の球と当接していることを特徴とするものである。
【0003】
上記した従来の塗布具は、不使用時には、弁室内の球がスプリングによって弁室の開口に向かって押圧されているのでインキの供給は無い。また、筆記時にチップの先端を紙等に押し当てると、筆記時の筆圧によって無意識のうちに球を押し上げ、インキタンク内のインキを徐々にチップに滲出させることができる。したがって、インキのぼたつきが無く、インキをチップに供給するために筆記を中止する必要もなく、また、過度の量のインキがチップに供給されてしまうこともなく、綺麗な筆跡が得られるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の塗布具では、インキ供給弁の開口の出口側にインキ溜まりは存在しないので、チップを上向きにして筆記した場合などに、筆圧によってインキ供給弁が開弁した状態が継続すると弁の開口から空気が弁室内に入り込み易く、インキ並びにインキ後端側の逆流防止剤の自重によってこれらインキ等が逆流し、タンクの後端開口から外部に吐出してしまうことがある。
【0005】
そこで、本発明は、使用時に僅かに開弁するインキ供給弁によってタンク内の塗布液を微量ずつチップに滲出させる塗布具において、上向き筆記をした場合などにおいてもインキの逆流を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、次の技術的手段を講じた。
【0007】
即ち、本発明の塗布具は、塗布液を内蔵するタンクと、該タンクの先端部に設けられた塗布液供給弁とを備え、該弁は、先端に開口を有する弁室内に弁体が配されたものであるとともに該弁体が付勢手段によって前記開口を閉塞するように開口周縁に押圧されたものであり、塗布液供給弁の先端側にチップが設けられ、チップの後端が弁体の先端に当接されており、塗布液供給弁とタンクとの間には先端側を下向きにしたときに開弁し且つ先端側を上向きにしたときに閉弁する逆止弁が設けられているものである。なお、塗布具には、筆記具、化粧用具を含む。また、塗布液は、水性及び油性のいずれであっても良く、インキ、マスカラ等の用途に応じた適宜の液体を採用できる。また、本発明は、後端側が開口された筒状タンクを用いる場合に好適に適用され、かかるタンク後端からの塗布液の吐出を防止することができるものである。なお、塗布液の後端側でタンク内に逆流防止剤を配設するのが好ましい。弁体は球状であることが好ましく、弁室の先端側は先絞り状の漏斗形状とし、先端開口の径を球状弁体の径よりも若干小さくするのが好ましい。また、弁室内には、弁体が開口内に完全に没入することを防止するように弁体の後面に当接する段部を設けておくことができる。チップは塗布液が毛細管現象等によって滲出し得る材料からなる繊維束タイプチップでも良いし、金属細管からなるチップでもよい。
【0008】
かかる本発明の塗布具では、不使用時には、弁室内の弁体が付勢手段によって弁室の開口に向かって押圧されている。従って不使用時には、タンクは弁によって封止されており、インキ等の塗布液の供給は無い。また筆記時にチップの先端を紙等に押し当てると、チップの後端が弁体を若干押し上げ、弁室の開口を開く。なお、弁室の開口を閉塞する部材として球を使用すれば、閉塞する部材の姿勢がどの様なものであっても、弁室の開口を完全に塞ぐことができ、また逆に僅かに球を押し上げることによって、塗布液を供給する隙間を確保することができる。また、外本体内にタンクを配設した二重壁構造としているので、タンクのみを交換可能としたり、タンクの構成材料や強度の自由度を向上し得る。なお、上記塗布具において、チップ後端の径を、弁の開口径よりも大きくすることによって、開口から吐出される塗布液が確実にチップ後端に吸収されるようになり、より一層のインキのぼたつきを防止し得る。例えば、チップ後端面の面積を、弁の開口面積の4倍以上にすることができる。
【0009】
さらに、本発明によれば、先端側を上向きにして使用した場合などにおいては、逆止弁が閉じてインキの逆流を防止することができる。その一方で、先端側を下向きにして使用した場合には、逆止弁が開いて、タンク内の塗布液を塗布液供給弁の弁室内に流通させ、該供給弁によって適量ずつ塗布液をチップに供給することが可能である。
【0010】
また、本発明の塗布具において、塗布液を内蔵するタンクと、該タンクの先端部に設けられた塗布液供給弁とを備え、該弁は、先端に開口を有する弁室内に弁体が配されたものであるとともに該弁体が付勢手段によって前記開口を閉塞するように開口周縁に押圧されたものであり、塗布液供給弁の先端側にチップが設けられ、チップの後端が前記弁体に当接されており、塗布液供給弁とタンクとの間には逆止弁が設けられており、この逆止弁は、球状弁体と、先端側を上方に向けたときに前記球状弁体によって閉塞される弁孔を有する弁座とを備え、前記弁孔はタンク内に開口されており、前記球状弁体は自重によって前後に移動自在であるものとすることができる。かかる構成によれば、簡単な構造でありながら、使用状態に応じて逆止弁の開弁と閉弁とが無意識のうちに行われ、塗布液の逆流防止を図りつつも通常の下向き筆記時には確実に塗布液を塗布液供給弁の弁室内に流通させることが可能である。なお、球状弁体を収容する弁室は円筒状に構成し、該弁室の径は弁体の径よりも僅かに大きくして、塗布液が微量ずつ流通するように構成することができる。
【0011】
さらに、本発明は、上記タンクの先端に軸方向に貫通する塗布液流通孔を有する先栓が設けられており、該先栓の塗布液流通孔の先端側に塗布液供給弁が内蔵されており、前記塗布液流通孔の後端側に逆止弁が設けられているものとすることができる。かかる構成によれば、塗布液供給弁と逆止弁とを装着した先栓を一パーツとして製品管理することが可能であり、この先栓をタンク先端に装着するだけでタンク先端部に逆止弁と塗布液供給弁とを配設できる。
【0012】
さらに、上記先栓の後端部内周面に弁座を形成し、塗布液流通孔の後端部分によって弁孔を構成し、塗布液流通孔の軸方向中途部に逆止弁の球状弁体を内蔵し、該弁体の外周と塗布液流通孔の内周面との間に微小隙間を形成し、前記球状弁体の先端側への移動を規制する移動規制部を塗布液流通孔の軸方向中途部に設けることができる。かかる構成によれば、先栓自体によって逆止弁のハウジングを構成するものであるから、部品点数の削減、構造の簡素化、コスト低減を図ることができる。
【0013】
また、移動規制部によって逆止弁の球状弁体の先端側への移動を規制しているので、該弁体がインキ供給弁の構成パーツと緩衝することもなく、動作の安定性が向上する。なお、移動規制部は種々の構成とすることができ、例えば、塗布液流通孔の内周面に形成した凸部によって構成することができる。また、塗布液流通孔の一部を、逆止弁の弁体が通過不能な大きさの四角形状として、この四角孔部により移動規制部を構成できる。また、逆止弁の弁体の先端側に配設して逆止弁を受けるスプリングによって移動規制部を構成することもできる。また、複数のパーツを組み合わせることによって移動規制部を形成することもできる。また、移動規制部は、例えば、PCT/JP98/05456号明細書及び図面に開示されている構造のように、塗布液供給弁の弁ハウジングの上部内周に切欠凹部を形成することによって構成することも可能である。即ち、この場合は弁ハウジングの上端によって逆止弁弁体の前方の移動規制部が構成され、該移動規制部に逆止弁弁体が当接するとき、上記切欠凹部から塗布液が供給弁の弁室内に流入する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図7は、本発明の塗布具の一実施形態として、水性インキを用いた繊維束チップペン1を例示している。この塗布具1は、ペン本体となる外筒2(外本体)、インキタンク3、先栓4、繊維束チップ5、インキ供給弁6、尾栓7および閉塞材8を備えている。
【0016】
外筒2は、ポリプロピレン等の樹脂や、アルミニウム等の金属からなる筒状部材であり、好ましくは透明乃至半透明の硬質合成樹脂からなる。外筒2の先端側は徐々に細くなされており、この外筒2の先端の最も径の小さい部分はチップ保持筒部2bとなされ、この外筒2先端のチップ保持筒部2bにチップ5ががたつきなく且つ前後に摺動可能に嵌合されている。また、外筒2には、適宜の部位に外気導入孔を形成することができる。図示実施例では、チップ保持筒部2bの内面に、前後に延びる縦溝25を形成するとともに、後述するウレタン発泡体15と外筒2内周面との間に隙間を確保するためのリブ26を設けることによって、先端に開口する外気導入孔を形成してあるが、外筒2の周壁部に外気導入孔を形成することもできる。なお、外筒2の先端部にはキャップ(図示せず)が着脱自在に装着可能である。
【0017】
インキタンク3は、ポリプロピレン等の樹脂または、アルミニウムやステンレス等の金属によって作られた筒体であり、外筒2の内部に配設されている。インキタンク3は、内部にインキを溜置くことができるように中空になっている。また、このインキタンク3の外径は、外筒2の内径よりも小さくなされており、インキタンク3と外筒2との間に空間が形成されるように構成されている。
【0018】
先栓4は、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂や金属からなり、外筒2の軸方向中途部に配設され、軸方向に貫通するインキ流通孔9(塗布液流通孔)が軸中央に形成されている。この流通孔9は、後端側から先端側にかけて漸次大径に形成されている。図示例では、流通孔9は、最も後端側の第一孔部9aから、第二孔部9b、第三孔部9c及び第四孔部9dが連設されてなるものであり、これらが段部を形成しながら徐々に大径に形成されている。
【0019】
先栓4の後端側4aは筒状であって、この後部4aの外周には筒状のシール部材20が嵌着されている。このシール部材20は、先栓4の後部4a外面とインキタンク3の内面との間に介在され、インキ漏れを防止する作用を有する。
【0020】
なお、本実施形態では、シール部材20の構成材料として、インキの溶媒が透過し得るものを用いている。即ち、水性インキの場合には、透過係数が2.5〜10.0cm3・cm/cm2・s・Pa、より好ましくは3.0cm3・cm/cm2・s・Pa以上の水蒸気透過係数を有する材料、例えばシリコンゴムなどの多孔質材料をシール部材20の構成材料として使用できる。シリコンゴムあるいはその共重合体は,分子鎖間距離が大きく,疎な構造をとり分子の屈曲性に富むため、ガス透過性が比較的大きい。したがって、油性インキの場合においても、シール部材20をシリコンゴムにより構成することができる。シール部材20を透過した水蒸気(インキ溶媒の気化ガス)は、チップ5の周囲の空間に分散され、チップ5からのインキ溶媒の蒸発を防止する効果がある。
【0021】
上記先栓4の後端部4aは、シール部材20を介してタンク3の先端内部に嵌め込まれている。先栓4の軸方向中途部には、径外方向へ突出する大径部4bが設けられ、この大径部4bが、外筒2の内部に嵌め込まれているとともに、外筒2の内周面に設けた段部2aに後方から当接されている。而して、この先栓4を介して外筒2に対してタンク3が固定されている。
【0022】
また、上記大径部4bには、図4に示すように、シール部材20を透過したガスをチップ5の周囲の空間に導くための連通孔10が形成されている。この連通孔10の形状、数は特に限定されるものではないが、図示実施例では扇形状の孔を周方向に複数形成してある。先栓4の先端側4cは、大径部4bの前面から前方に突出されている。
【0023】
インキ供給弁6は、先端開口の内面が弁座となされた筒状の金属製または樹脂製のハウジング11(弁室)と、該ハウジング11内に保持された球状の弁体12と、該弁体12を弁座に向けて付勢するスプリング13(付勢手段)とを備えている。ハウジング11は、前記インキ流通孔9の第四孔部9d内に嵌合され、ハウジング11の後端部は第三孔部9cと第四孔部9dとの間の段部に当接されており、これによりハウジング11が先栓4に保持されている。而して、先栓4は弁6の保持部材となるものである。
【0024】
上記ハウジング11はボールペンの先端部分と同様の構造となされ、即ち、先端側が縮径された筒体により構成され、ハウジング11の内部には弁体12が内蔵される空間が設けられており、この空間の先端は先細りのテーパー状をしている。そして、このハウジング11の先端に開口14が設けられている。この開口14の直径は、弁体12の直径の50%〜95%程度が好適である。また、ハウジング11を構成する筒体の先端の外径は、チップ5の後端の外径よりも小径となされ、チップ5の後端中央に弁体12が当接されるようにしている。
【0025】
弁ハウジング11の内部構造をさらに詳細に説明すると、図5〜図7に示すように、ハウジング11の内面には前後方向所定位置に径内方向に突出する凸部15が形成されている。この凸部15は、周方向に複数設けられており、各凸部15間には前後に貫通するスリットが形成されている。また、凸部15の前側面(図5及び図7に於ける下側面)は、軸中央に向けて徐々に後方へ傾斜するテーパー状となされ、複数の凸部15全体で弁体12の受座を構成している。また、複数の凸部15の中央部には空間が形成され、この空間に上記スプリング13の先端が位置している。上記受座と開口14との間には、弁体12が若干量前後に移動し得る空間が形成されており、弁体12がチップ5により後方に押されたとき、開口14が開いてインクがチップ5に供給される。なお、ハウジング11の内部空間の内径は弁体12の径よりも若干大きくなされており、弁体12とハウジング11内面との間をインクが微量ずつ流通し得るようにしている。なお、本発明は上記凸部15(受座)を必須とするものではなく、受座が形成されていないものをも包含するものである。また、受座の構造は、スリットのないフランジ状としてもよく、また、フランジの前面に周方向に複数の凹部を形成したものでもよい。
【0026】
弁体12が先端開口14を閉じた状態から、後端側の受座(凸部15)に当接する状態までの弁体12の移動量は、好ましくは0.01mm〜0.5mmとすることができ、より好ましくは0.02mm〜0.2mmの範囲で設計できる。
【0027】
弁体12は樹脂製であっても良いが、通常のボールペンに採用される様な金属製であることが望ましい。弁体12の直径は、0.3mm〜20mmとすることができ、より好ましくは0.6mm〜2mmとすることができる。なお、弁体12は球状のものに限られず、種々の構造、形態のものとすることができ、例えば円錐形状の弁体を採用できる。
【0028】
また、本実施形態の筆記具1の特徴的構成として、先栓4の後部に逆止弁30を設けてある。即ち、この逆止弁30は、インキ供給弁6とタンク3との間に配設されたものであり、ペン先側を下向きにしたときに開弁するとともに、ペン先側を上向きにしたときには閉弁して、インキの逆流を防止するものである。
【0029】
この逆止弁30は、先栓4の後部4aを弁ハウジング(弁室)とし、その内部に球状弁体31を内蔵してなるものである。さらに詳細には、弁体31は、上記流通孔9の第二孔部9b内に内蔵されており、該第二孔部9bの径は弁体31の径よりも若干大きく、弁体31の外周と第二孔部9bの内周面との間の微小隙間をインキが流通し得るように構成されている。
【0030】
逆止弁30の弁座は、先栓後部4aの内周面に形成されており、特に本実施形態では第一孔部9aと第二孔部9bとの間の段部によって構成され、流通孔9の後端部分である第一孔部9aが弁孔となされている。なお、確実に閉弁し得るように、図3に示すように、弁座(即ち第一孔部9aと第二孔部9bとの間の段部)は円錐状のテーパー面に構成されている。したがって、上記弁座に弁体31が自重によって密接するとき、弁孔となる第一孔部9aが弁体31によって閉塞されるため、逆止弁30が閉じてインキの逆流が防止される。
【0031】
弁座との間に弁体31が前後に若干移動し得る間隔を有して流通孔9の第二孔部9bの内周面には凸部32が形成されており、該凸部32によって弁体31の先端側への移動を規制している。下向き筆記時には、図3に示すように、弁体31が凸部32によって支持され、該弁体31の周囲にインキ流通隙間が形成されるので、タンク3内のインキが流通孔9を先端側へ流通可能となる。
【0032】
上記スプリング13は、弁体12の後方に配設されている。このスプリング13としては、ナイロンテグスやワイヤーハリス等の細い線材を用いることもできるが、図示例では、圧縮コイルスプリングを利用している。スプリング13は、後端側がハウジング11の後部開口から後方に突出し、スプリング13の後端が先栓4の流通孔9の第二孔部9bと第三孔部9dとの間の段部に係合している。また、スプリング13の先端はハウジング11内の弁体12に当接している。従って、弁体12は、スプリング13の付勢力によってハウジング11の開口周縁に押しつけられ、弁体12の先端側の一部は開口14から前方に突出している。
【0033】
チップ5は、公知の樹脂または繊維を素材とし、インキを毛細管現象等によって滲出するものである。チップ5は、すべて単一の素材によって構成されたものであってもよいが、樹脂製チップと、繊維束による中継部材を接合したものであっても良い。また所謂筆ペンタイプのチップであっても良いし、金属細管からなるものであってもよい。
【0034】
チップ5の先端部分は、文字等を書くことができるように外筒2の先端部から前方に突出しており、チップ5の後端部は、上記した弁6の弁体12に当接している。また、チップ5は、先端側の小径軸部5aと、後端側の大径軸部5bとからなる。このチップ5の後端側の大径軸部5bの外径は、外筒2の内径よりも小さくなされており、チップ5の後端側と外筒2との間に空間が形成されるようにしてある。このチップ5の後部周囲の空間は、上記した先栓4の連通孔10を介してシール部材20の先端面に連通している。
【0035】
チップ5の後部5bの外表面は外筒2の内部空間に露呈されているが、上記したように、タンク3内に充填されているインクの溶媒が気化してシール部材20を透過し、外筒2内の空間に充満するため、チップ5からのインキの蒸発をも抑制することができる。
【0036】
チップ保持筒部2bの後方には、外筒2内に筒状のウレタン発泡体16が内蔵されている。このウレタン発泡体16は、チップ5に供給された過剰なインキを吸収するとともに、チップ5のインキが不足した場合、ウレタン発泡体16からチップ5にインキを補充する作用を有する。さらに、ウレタン発泡体16は、チップ5の小径部5aと大径部5bとの間の段部に係合され、チップ5を軽く後方に付勢する作用を有している。このウレタン発泡体16による付勢力は、上記したスプリング13の付勢力よりも弱く、不使用時に弁6が開くことがないようにしつつも、チップ5のがたつきを抑える働きを有する。
【0037】
インキタンク3の内部には、水性インキ等の塗布液が内蔵される。またインキタンク3内には閉塞材8が内蔵されている。図示例の閉塞材8は、ゴム又は樹脂製のフロート8aと、このフロート8aの外面を覆うボリブテン等の逆流防止剤8bとにより構成される。この閉塞材8は、インキの後端側の境界部分にあり、インキは当該閉塞材8によって密封されている。閉塞材8は、インキの消費に伴って、先栓4側に摺動する。なお、逆流防止剤のみによって閉塞材8を構成することも可能である。
【0038】
外筒2の後端部には尾栓7が嵌着されている。この尾栓7は、蓋部7aと、該蓋部7aから前方に突設された筒部7bとを有する。筒部7bは、外筒2に丁度嵌合する外径を有し、気密状に外筒2に嵌合している。
【0039】
次に、本実施形態の塗布具1の作用について説明する。本実施形態の塗布具1は、不使用時には、スプリング13によって弁体12がハウジング11の開口14に押しつけられ、弁6は閉じている。そのためインキタンク3からチップ5へのインキの供給は無い。さらに、チップ5の後端面の径は、開口14の径よりも2倍以上の大きさに構成されているので、開口14から供給されるインキがチップ5に含浸される確実性が高く、より一層のインキのぼたつき防止が図られる。なお、チップ5の後端面の面積は、インキ供給弁6の開口14の開口面積の4倍以上にすることができる。
【0040】
筆記時には、筆圧によってチップ5が押され、その力によって弁体12が後方に移動してハウジング11の開口が開く。なお、本実施形態では、弁体12の移動しろは、1mm以下程度であり、また移動に要する力は、100g以下程度であるため、使用者にはチップが移動したと言う感触はほとんど無い。さらに弁6は、筆圧によって開くものであるから、筆記の際には、常時開いており、従来の様に筆記を中断してチップを強く押すといった動作は不要である。
【0041】
さらに、下向き筆記時には逆止弁30が開くので、インキ供給弁6の弁室11内にインキを微量ずつ供給することができ、逆止弁30の弁体31の径の適正化によって流量制御を行うことも可能である。一方、上向き筆記時には逆止弁30が閉じてタンク3が密閉されるので、インキ並びに閉塞材8の逆流を防止することができ、タンク3の後端開口からインキや閉塞材8が吐出してしまうことがない。
【0042】
なお、本実施形態の塗布具1では、図1に示されるように、先栓4の前側部4cの先端は、弁6の開口14から先端側に突出した弁体12の先端よりも後端側で、且つ、弁ハウジング11(筒体)の先端よりも先端側に位置している。かかる構成により、筆記時に筆圧によってチップ5が後端側へ移動すると、チップ5の後部5bの後端面の外周部が先栓4の先端面に当接し、それ以上後方へチップ5が移動することを規制する。すると、チップ5の後端面中央部には、スプリング13の付勢力以上の圧力が作用せず、筆圧は先栓4によって受けることができるため、チップ5の後端が潰れてしまうことを防止できる。而して、先栓4の前側部4cによって、所定距離以上のチップ5の後退を規制するストッパーが構成されている。
【0043】
かかるストッパー4cによって、チップ5が弁ハウジング11の先端に当接するまで後退することが防止され、大きな筆圧がチップに作用した場合でも、かかる大きな筆圧をストッパー4cによって受けることができ、チップ後端面の中央部が潰れることを防止することができる。したがって、多少手荒に本実施形態の筆記具1を使用した場合でも、上記したボールチップ弁6の作用を保証することができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0044】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、逆止弁の弁ハウジングを先栓とは別体に設けることができる。また、逆止弁の弁体は、球状に限らず、適宜の形状のものとすることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の塗布具は、不使用時には、弁室内の弁体が付勢手段によって弁室の開口に向かって押圧されているのでインキの供給は無く、筆記時にチップの先端を紙等に押し当てると、筆記時の筆圧によって弁体を押し上げ、インキをチップに微量ずつ供給させることができる。従って本発明の塗布具は、インキのぼたつきが無く、またインキをチップに供給するために筆記を中止するといった動作が不要である。さらに、本発明の塗布具では、インキ供給弁からインキを微量ずつチップに供給する構成としつつも、その後方に逆止弁を設けることによってインキの逆流を防止し、タンク後端からインキが吐出することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る塗布具の全体縦断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1の要部拡大断面図である。
【図4】 図1のB−B線断面図である。
【図5】 同塗布具のインキ供給弁のハウジング(弁室)の先端部の拡大縦断面図である。
【図6】 図5のC−C線断面図である。
【図7】 同塗布具の弁の全体構成を示す簡略縦断面図である。
【符号の説明】
1 フリーインキ式筆記具(塗布具)
2 外筒(外本体)
3 インキタンク(タンク)
4 先栓
5 チップ
6 インキ供給弁(塗布液供給弁)
9 インキ流通孔(塗布液流通孔)
11 弁ハウジング(弁室)
13 スプリング(付勢手段)
14 開口
30 逆止弁
31 球状弁体
32 凸部
Claims (4)
- 塗布液を内蔵するタンクと、該タンクの先端部に設けられた塗布液供給弁とを備え、該弁は、先端に開口を有する弁室内に弁体が配されたものであるとともに該弁体が付勢手段によって前記開口を閉塞するように開口周縁に押圧されたものであり、塗布液供給弁の先端側にチップが設けられ、チップの後端が前記弁体に当接されており、塗布液供給弁とタンクとの間には先端側を下向きにしたときに開弁し且つ先端側を上向きにしたときに閉弁する逆止弁が設けられていることを特徴とする塗布具。
- 塗布液を内蔵するタンクと、該タンクの先端部に設けられた塗布液供給弁とを備え、該弁は、先端に開口を有する弁室内に弁体が配されたものであるとともに該弁体が付勢手段によって前記開口を閉塞するように開口周縁に押圧されたものであり、塗布液供給弁の先端側にチップが設けられ、チップの後端が前記弁体に当接されており、塗布液供給弁とタンクとの間には逆止弁が設けられており、
逆止弁は、球状弁体と、先端側を上方に向けたときに前記球状弁体によって閉塞される弁孔を有する弁座とを備え、前記弁孔はタンク内に開口されており、前記球状弁体は自重によって前後に移動自在であることを特徴とする塗布具。 - タンクの先端に軸方向に貫通する塗布液流通孔を有する先栓が設けられており、該先栓の塗布液流通孔の先端側に塗布液供給弁が内蔵されており、前記塗布液流通孔の後端側に逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の塗布具。
- 先栓の後端部内周面に弁座が形成され、塗布液流通孔の後端部分によって弁孔が構成されており、塗布液流通孔の軸方向中途部に逆止弁の球状弁体が内蔵され、該弁体の外周と塗布液流通孔の内周面との間には微小隙間が形成されており、前記球状弁体の先端側への移動を規制する弁体移動規制部が塗布液流通孔の軸方向中途部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の塗布具。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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