JP4919756B2 - 筆記具 - Google Patents

筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP4919756B2
JP4919756B2 JP2006273237A JP2006273237A JP4919756B2 JP 4919756 B2 JP4919756 B2 JP 4919756B2 JP 2006273237 A JP2006273237 A JP 2006273237A JP 2006273237 A JP2006273237 A JP 2006273237A JP 4919756 B2 JP4919756 B2 JP 4919756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
valve body
writing
writing instrument
storage chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006273237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008087422A (ja
Inventor
俊史 神谷
敦 岩佐
達也 溝口
広幸 奥山
慶 大本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2006273237A priority Critical patent/JP4919756B2/ja
Publication of JP2008087422A publication Critical patent/JP2008087422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4919756B2 publication Critical patent/JP4919756B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Description

本発明は、バルブ機構を設けたインキ収容室内にインキを収容したマーキングペンなどに好適な直液式の筆記具に関する。
従来の直液式の筆記具において、その筆記部が毛管力(毛細管力)を有するペン体で構成され、インキ収容室内にインキが充填された筆記具にあっては、インキを誘導し筆記する際、ペン体の毛管力だけでインキの直流を完全に防止しようとすると、筆記感が悪くなるなどの課題があった。
この課題を解決するために、直液式の筆記具において、インキとペン体とをバルブ体で封止することで、非筆記時の直流を防止しようとしている。
このバルブ体を使用した直液式の筆記具において殆どの場合、インキタンク内にインキのみ存在しているものが数多く知られている。
また、インキ以外にインキ後端にインキの消費に伴い前進する追従体(フォロワー)を設けている構造のものも知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
この機構の特徴としては、温度や気圧に変化に左右されないため、意図せずに多量のインキが流れ出すいわゆる直流現象(ドバ落ち)を低減する作用があり、更に通常筆記時には安定してインキを供給でき、筆跡の掠れや筆跡途切れを低減できるものである。
しかしながら、上記インキタンク内にバルブ体を使用した直液式の筆記具、並びに、インキ後端にインキの消費に伴い前進する追従体を設けたバルブ体を使用した直液式の筆記具にあっては、これらを上向き筆記した場合、インキの自重によりインキドロップ(逆流)が発生したり、また、バルブ体からインキ内部に空気が侵入するという課題がある。この空気が侵入すると、温度変化などにより空気が膨張し、筆記不良を引き起こしたり、更には気泡の成長による追従体の飛び出し、そしてインキ漏れという不具合を生じさせる可能性があるなどの課題がある。
特公平7−94198号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−136883号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、毛管力を有するペン体からなる筆記部を有し、インキ収容室内にインキが充填され、かつ、上記ペン体とインキは開閉可能なバルブ体によって分割された筆記具において、早書きや上書きなどあらゆる筆記方法においてもバルブ体からの空気の侵入を防ぐと共に、インキドロップを防止して、優れた筆記性能を有する直液式の筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題について鋭意検討した結果、毛管力を有するペン体からなる筆記部を有し、インキ収容室内にインキが充填され、かつ、上記ペン体とインキは開閉可能なバルブ体によって分割された筆記具において、上記バルブ体の開口部のインキ収容室側に特定の機構を設けることなどにより、上記目的の筆記具が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(8)に存する。
(1) 毛管力を有するペン体からなる筆記部及び軸筒を有し、該軸筒内に設けられたインキ収容室内にインキと、インキ後端を封止する追従体が充填され、該軸筒後端は外気と連通し、かつ、上記ペン体とインキは開閉可能なバルブ体によって分割された筆記具であって、上記バルブ体の開口部のインキ収容室側のインキと接する部分に毛管力が付与されていることを特徴とする筆記具。
(2) 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分にスリット形状を形成することにより構成されていることを特徴とする上記(1)記載の筆記具。
(3) 前記バルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分のスリット形状が、スリット幅0.05mm〜1.0mmであることを特徴とする上記(2)記載の筆記具。
(4) 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分に、孔径が1mm以下である多孔体を設けることにより構成されることを特徴とする上記(1)記載の筆記具。
(5) 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分にスリット形状を形成し、該スリットと共に多孔体を一体としたことにより構成されていることを特徴とする上記(1)記載の筆記具。
(6) 多孔体が繊維収束体、焼結体、発泡体の何れか一つにより構成されていることを特徴とする上記(4)又は(5)記載の筆記具。
(7) バルブ体は、筆記時にペン体が筆記面に押し付けられる圧力で開口することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の筆記具。
(8) インキ収容室は、酸素透過係数が3000cc・25μm/m・24hr・atm(25℃、65%RH)以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の筆記具。
本発明によれば、バルブ体の開口部のインキ収容室側に毛管力が付与されているので、この毛管力によりインキドロップを防止すると共に、インキ収容室内への空気の侵入を防止でき、筆記不良やインキ漏れという不具合を生じさせることなく、優れた筆記性能を有する筆記具が提供される。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示す説明図面であり、図1(a)は非筆記時の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図、図2(a)は筆記時(バルブ体開弁時)の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図、図3は、バルブ体にペン体を装着した状態を示す正面図、図4はキャップ体を装着した筆記具の部分縦断面図である。
本第1実施形態の筆記具Aは、図1〜図4に示すように、毛管力を有する筆記部となるペン体10を有し、使用者が握る軸筒(軸本体)20内のインキタンクとなるインキ収容室21にインキ22が充填され、かつ、上記ペン体10とインキ22は開閉可能なバルブ体40によって分割されたものである。
筆記部となるペン体10は、毛管力を有する多孔体から構成されている。このペン体10は、毛細力が付与されて良好に筆記できるものであれば、その構造、形状、材質等は特に限定されず、例えば、繊維束体、樹脂、有機高分子粒子の焼結体から選択される少なくとも1種からなる成形芯から構成でき、樹脂としてはPOM、PP、ナイロン、PEなどを用いることができ、繊維としてはPET、アクリル、ナイロン、羊毛など、有機高分子粒子としては、PE、PPなどを用いることができる。本実施形態では、PET繊維をウレタン樹脂にて接着成形させた砲弾型の成形芯から構成されている。
なお、ペン体10は、上記の素材によって一体に形成されたものの他、外周に液密性のある樹脂製フィルムや筒体等の外被部材が一体に密着する構造とすることができる。
軸筒(軸本体)20は、使用者が握る部分となるものであり、その内部はインキ収容室21として構成されている。この軸筒20としては、充填されるインキ22、後述する追従体23に対して保存安定性、耐久性を有し、ガス不透過性(酸素ガス、窒素ガス等に対するガス不透過性)があるものから構成されることが好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレスなどの金属、合成樹脂などから構成することができる。
この軸筒20は、酸素バリア性に優れる樹脂層を少なくとも一層(単層又は2層以上の多層構造)以上有することが好ましく、特に、酸素透過係数が3000cc・25μm/m・24hr・atm(25℃、65%RH)以下であるものが望ましい。
これらの特性を有する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、軸筒20が多層構造の場合は、少なくとも1層が、前記した性能(酸素バリア性等)を持つ樹脂で構成されていれば、残りの層は通常の樹脂でも実使用上問題はない。このような構造の軸筒20は、押出し成形、射出成形、共押出し成形などにより製造することができる。
インキ22は、筆記具の用途等により種々の配合組成となるインキが使用でき、例えば、着色材として顔料(酸化チタン、ラメ顔料、アルミ箔などの無機顔料、有機顔料等)を含有した水性インキ、油性インキなどを用いることができる。
インキ粘度としては、例えば、水性インキの場合は、粘度が25℃、E型粘度計による測定で1mPa・sec/1rpm〜1000mPa・sec/1rpmが好ましく、油性インキの場合は、粘度が25℃、E型粘度計による測定で1mPa・sec/1rpm〜500mPa・sec/1rpmが好ましい。
軸筒(軸本体)20には、その先端部20aから前部10aが突出する筆記部となるペン体10の後方に、ペン体10への力の非作用時にコイルスプリングからなる弾発部材41の押圧によって閉弁されると共に該力の作用時に開弁してペン体10にインキ22を導くバルブ機構からなるバルブ体40が設けられている。
また、バルブ体40の後方には、該バルブ体40に連通するインキタンクとなるインキ収容室21を設けており、該インキ収容室21内のインキ22の後端には該インキ収容室21の内周壁21aと密接状であってインキ22の消費と共に該インキ22に追従する追従体23が設けられている。
追従体23は、インキ22の後端側を封止し、インキ22の消費と共に、該インキ22に追従できるものであれば、その構成は特に限定されず、例えば、栓体状又はグリース状の追従体などが挙げられる。好ましい追従体23としては、インキと相溶しない溶剤を主成分とし、その粘度が25℃、E型粘度計による測定で1000mPa・sec/1rpm〜100000mPa・sec/1rpm以下であるものが望ましい。
更に、上記軸筒20の後端部には、通気孔24aの形成された尾栓24によって塞がれており、追従体23が移動する際に通気孔24aを通して外気が導入されるため軸筒20内の空間部の内圧が低下で追従体23の移動を拘束することが無く、スムーズにインキ22の消費に伴って追従体23が追従するものである。
上記軸筒先端部20aには、バルブ体40前方に、ペン体10を摺勤可能にガイドする中空円筒状のいわゆるクチプラと通称されるガイド部材25が設けられている。
バルブ体40は、前記ガイド部材25を前側内部に嵌着すると共に、ガイド部材25後方に弁棒42とその弁棒42を前方に向けて弾発する弾発部材41とを収容する筒状支持部材43を有している。
弾発部材41は、ステンレス製のコイルスプリングが好適であるが、その他、弁棒42を前方に付勢できるものであれば、板状であったりエラストマー部材であったり等、形状、材質は特に限定されない。
また、バルブ体40では、ガイド部材25の後端部面と筒状支持部43の後方小径の縮径段部43aとの間に弁体44の外周部が挟持されていることにより、弁体44はバルブ体40内に固定されている。弁体44の中央孔には、ペン体10の前部10aよりも小径の後部10bが挿通している。
弁棒42は、前部に開口部42aが形成されて大径になり、後部が中実で小径に形成されている。この開口部42a内にペン体10の後部小径部が挿入されて緊密に固定されている。
筒状支持部材43は、後部が概ね壁状に閉鎖した前端部が開放した概略容器形状を呈し、後端部に形成された透孔43bにペン体10後部の小径部分が前後動自在に装着されている。また、この筒状支持部材43の外周面には、インキ収容室21内と弁体44を連通すると共に、バルブ体40の開口部のインキ収容室21側に毛管力を付与するために、鉛直方向にスリット45,45……が形成されている。
このスリット45,45……は、上記バルブ体40の開口部のインキ収容室21側に毛管力が付与すると共に、インキ収容室21内と弁体44を連通する構造となるものであれば、その形状、長さなどは特に限定されないが、スリット幅が0.05mm〜1.0mmであるものが好ましく、更に好ましくは、0.1mm〜0.5mmが望ましい。このスリット幅が0.05mm未満であると、インキの流出が阻害されることがあり、一方、1.0mmを越えると、十分な毛管力が付与できなくなり、好ましくない。なお、スリット45,45…の個数は、毛管力の付与とインキ流出が疎外されない構造となれば、その個数は特に限定されない。
バルブ体40の弾発部材41は、弁棒42の大径の前部12a外周面の段部と筒状支持部材28後端の壁状部との間に介装されて弁棒42を周囲に位置して設けられている。
ここで、バルブ体40は、ペン体10の後部10bに連結された弁棒42の前端部と、該弁棒42の前方に位置して可撓性のあるゴム弾性体からなる弁体44とが当接・離脱することによって閉弁・開弁する弁機能を有している。
弁体44は、中央部に孔の形成された可撓性を有するものであり、弁体44内周面がペン体後部10b外周に摺接しているものである。この弁体44がペン体10の側面に嵌着され、且つ、可撓性の弁体44の後端がコイルスプリングからなる弾発部材41の押圧により弁棒41前端と当接し、外部とインキ収容室21を遮断する構造となっている。
なお、軸筒20の先端部20aには、図4に示すように、スプリング部材50aを有する摺動自在となる内キャップ部50bを有するキャップ体50が嵌合により着脱自在に装着される構成となっている。
このように構成される本第1実施形態となる筆記具Aでは、筆圧及びそれ以上の押圧力により、図2(a)に示すように、ペン体10が後退することによりバルブ体40が開弁し、インキ22がペン体10に接触しインキ22が供給され、一時的にインキ収容室21内が減圧になり、外部から空気が入り込もうとするが、バルブ体40の開口部のインキ収容室21側にスリット45,45……により毛管力が付与されているので、インキ収容室21内への外部空気の混入を防ぐことができるため、インキドロップ(逆流)を防止できると共に、インキ収容室21内への空気の侵入を防止でき、筆記不良やインキ漏れという不具合を生じさせることなく、優れた筆記性能を有する筆記具が得られることとなる。
図5〜図7は、本発明の第2実施形態を示すものであり、図5は、バルブ体にペン体を装着した状態を示す部分断面図、図6(a)は非筆記時の縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図、図7(a)は筆記時(バルブ体開弁時)の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。なお、図1〜図4の第1実施形態の筆記具Aと同様な構造は同一符号を付けてその説明を省略する(以下の実施形態の筆記具においても同様)。
本第2実施形態の筆記具Bは、図5〜図7に示すように、バルブ体40の開口部のインキ収容室21側に毛管力を付与するためのスリットを設けることなく、バルブ体40開口部のインキ収容室21側に、孔径(細孔径)が1mm以下である多孔体46を設けることにより構成されている点、及びペン体10が砲弾型形状からチゼル形状の芯体に変更した点、インキ収容室21と弁体を連通する連通孔47を設けた点で、上記第1実施形態の筆記具Aと相違するものである。
多孔体46は、筒状支持部材43の外周面に溶着や接着、二色成形等により設けられるものであり、毛管力を発揮するために、孔径(細孔径)が1mm以下でものが用いられる。
多孔体46は、毛管力が付与される構造となるものであれば特に限定されず、具体的には、1)有機高分子粒子などの焼結体、2)フェルトやスポンジなどの発泡体、または、3)天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン径樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組合せからなる繊維束体などにより構成される。
多孔体46の細孔径が1mmを超えると、目的の毛管力が発揮することができず、目的の効果を発揮できなくなる。
好ましい多孔体46としては、細孔径が50μm〜500μmであり、気孔率が30%〜90%であるものが望ましい。
このように構成される本第2実施形態となる筆記具Bでは、筆圧及びそれ以上の押圧力により、図7(b)に示すように、ペン体10が後退することによりバルブ体40が開弁し、インキが新規収容室21から連通孔47を介してペン体10に接触しインキ22が供給され、一時的にインキ収容室21内が減圧になり、外部から空気が入り込もうとするが、バルブ体40の開口部のインキ収容室21側に多孔体46により毛管力が付与されているので、インキ収容室21内への外部空気の混入を防ぐことができるため、インキドロップ(逆流)を防止できると共に、インキ収容室21内への空気の侵入を防止でき、筆記不良やインキ漏れという不具合を生じさせることなく、優れた筆記性能を有する筆記具が得られることとなる。
図8(a)及び(b)は、本発明の第3実施形態を示すものであり、(a)は非筆記時の縦断面図、(b)は筆記時(バルブ体開弁時)の縦断面図である。
本第3実施形態の筆記具Cは、上記第1及び第2実施形態で用いた弁体44が、外周部に比べて内周部が薄く形成され、内周部の中央孔48aの内径がペン体後部10bの外径と同じかそれよりも小径に形成されて、屈曲型の弁体48を用いた点で、上記第2実施形態の筆記具Bと相違するものである。
この屈曲型の弁体48は、中央孔48aの内径はペン体後部10b外径よりも小径に形成され、ペン体後部10に食い込むまたは噛み込む状態になる構成となっているので、内周端部がペン体10の外側面に押圧状態で密着し、かつ、ペン体10の移動によって該内周端部が密着状態を維持しつつ変形して〔図8(b)参照〕、ペン体10外側面とインキ収容室21との外気流通を遮断する構成としたものである。
この屈曲型の弁体48は、上記実施形態と同様に、ペン体10の側面に嵌着され、且つ、弁体48の後端がコイルスプリングからなる弾発部材41の押圧により弁棒42前端と当接し、外部とインキ収容室21を遮断する構造となっている。
このように構成される本第3実施形態となる筆記具Cでは、筆圧及びそれ以上の押圧力により、図8(b)に示すように、ペン体10が後退することによりバルブ体40が開弁し、インキがペン体10に接触しインキが供給され、一時的にインキ収容室21内が減圧になり、外部から空気が入り込もうとするが、上記屈曲型の弁体48の密閉性、並びに、バルブ体40の開口部のインキ収容室21側の多孔体46の毛管力付与により、インキ収容室21内への外部空気の混入を更に防ぐことができるため、インキドロップ(逆流)を更に防止できると共に、インキ収容室内への空気の侵入を更に防止でき、筆記不良やインキ漏れという不具合を生じさせることなく、優れた筆記性能を有する筆記具が得られることとなる。
図9及び図10は、本発明の第4実施形態を示すものであり、図9は、バルブ体にペン体を装着した状態を示す部分断面図、図10(a)及び(b)は、軸筒に装着して筆記具とした場合の図6(b)、図7(b)と同様の線断面図である。
この実施形態は、上記第1実施形態と第2実施形態を併用した筆記具であり、スリット45,45……と共に、多孔体46を一体としたものである。
この実施形態となる筆記具では、上記第1実施形態と第2実施形態と同様に、筆圧及びそれ以上の押圧力により、ペン体10が後退することによりバルブ体40が開弁し、インキがペン体10に接触しインキが供給され、一時的にインキ収容室21内が減圧になり、外部から空気が入り込もうとするが、上記スリット45及び多孔体46の各毛管力により、インキ収容室21内への外部空気の混入を更に防ぐことができるため、インキドロップ(逆流)を更に防止できると共に、インキ収容室内への空気の侵入を更に防止でき、筆記不良やインキ漏れという不具合を生じさせることなく、優れた筆記性能を有する筆記具が得られることとなる。
本発明の筆記具は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態において、インキを用いたが化粧液や修正液などの塗布液を用いた塗布具態様のものであってもよいものである。
また、軸筒先端部10aには、バルブ体40前方に、ペン体10を摺勤可能にガイドするガイド部材25が設けられていて、ペン体10外側面(前部12aの外側面)とガイド部材25内周面との間のクリアランス(間隙)を塗布液で満たされる毛管力が作用する間隔寸法の構造としてもよいものである。このクリアランスを摺動可能な限り狭くすることで毛管力によりそのクリアランスがインキ等で満たされる構造とすることにより、このクリアランスからの空気がインキ収容室21側に混入するのを更に効果的に防ぐ形態にできる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何等限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
下記各構成の筆記具を作製し、下記組成のインキ1,2及び追従体を用いた。
(実施例1〜4、比較例1の筆記具の構成:図1〜図4準拠)
ペン芯構成:
砲弾型、ポリエステル繊維、3デニール、気孔率60%、全長24mm、最大径4mm、細孔径200μm
バルブ体構成:
弁体(シールリング);シリコン製、弁棒;ポリプロピレン製、弾発部材;ステンレス製、筒状支持部材;ポリプロピレン製、
スリット長さ:15mm、スリット間隔:1.0mm、スリット数:10、スリット幅:下記表1に記載
インキ収容室構成等:
口プラ;ポリプロピレン製、軸本体;ポリプロピレン製 長さ100mm 内径8mm 外径11mm、酸素透過係数が2000cc・25μm/m・24hr・atm(25℃、65%RH)以下、尾栓;ポリプロピレン製
インキ充填量(インキ種は下記表1に記載):2g
追従体充填量(追従体種は下記表1に記載):0.5g
(実施例5の筆記具の構成:図5〜図7準拠)
ペン芯構成:上記実施例1と同様
バルブ体構成:上記実施例1と同様、但し、スリットはなく、多孔体構成:PE製不織布で細孔径100μm、0.5mm厚とし、この多孔体を筒状支持部材43と一体化した。また、連通孔:長さ15mm、幅4mm、個数は2つ。
インキ収容室構成等:上記実施例1と同様
インキ充填量(インキ種は下記表1に記載):2g
追従体充填量(追従体種は下記表1に記載):0.5g
(実施例6の筆記具の構成:図9及び図10準拠)
ペン芯構成:上記実施例1と同様
バルブ体構成:上記実施例1と同様、但し、スリット長さ:15mm、スリット間隔:1.0mm、スリット数:10、スリット幅:下記表1に記載、並びに、多孔体構成:上記実施例5と同様に一体化した。
インキ収容室構成等:上記実施例1と同様
インキ充填量(インキ種は下記表1に記載):2g
追従体充填量(追従体種は下記表1に記載):0.5g
(比較例2の筆記具の構成:図11及び図12準拠)
図11及び図12中の図示符号は、図1の筆記具と同様な構造は同一符号を付ける。
ペン芯構成:上記実施例1と同様
バルブ体構成:上記実施例1と同様、但し、毛管力を有しない構造、連通孔長さ:15mm、連通孔間隔:4mm、連通孔数:3、連通孔の幅:2mm
インキ充填量(インキ種は下記表1に記載):2g
追従体充填量(追従体種は下記表1に記載):0.5g
(インキ1組成)
下記配合組成を攪拌し、水性インキ(全量100重量%)を得た。
顔料:カーボンブラック(MA−100、三菱化学社製) 10.0
分散剤:スチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩 2.0
溶剤:プロピレングリコール 15.0
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.5
界面活性剤:フッ素系界面活性剤(FC−430、住友スルーエム社製) 0.5
防菌剤:ビオサイト1700(タイショウテクノス社製) 0.3
粘度調整剤:プライマルTT615(ローム&ハース社製) 5.0
イオン交換水 残 部
インキ粘度:86mPa・sec/1rpm
56mPa・sec/10rpm
(インキ2組成)
下記配合組成を攪拌し、油性インキ(全量100重量%)を得た。
顔料:カーボンブラック(MOGUL−1、 製) 10.0
分散樹脂:ポリビニルブチラール(BL−1、積水化学社製) 8.0
溶剤1:プロピレングリコール 5.0
溶剤2:プロピレングリコールモノメチルエーテル 残 部
インキ粘度:40mPa・sec/1rpm
37mPa・sec/10rpm
(追従体組成)
下記配合組成を攪拌し、150℃、2時間加熱攪拌し、追従体(全量100重量%)を得た。
基油:ダイアナプロセスオイル(PW−380、出光興産社製) 94
増粘剤1:タフテック1141(旭化成工業社製) 3
増粘剤2:Crodax DP−30(クローダジャパン社製) 3
追従体粘度:15000mPa・sec/1rpm
下記表1に示すスリット、インキの組み合わせとなる実施例1〜6及び比較例1〜2の筆記具について下記評価方法により筆記性、耐インキドロップ性(逆流)の各評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
(筆記性の評価方法)
ペン先を下向きにてインキがペン先から出てこなくなるまで筆記し、インキの消費率〔(筆記により消費したインキ量/当初のインキ量)×100〕の重量変化から下記評価基準により評価した。
評価基準:
○:インキの消費率が90%以上。
×:インキの消費率が90%未満。
(耐インキドロップ性の評価方法)
ペン先を上向きにて10m筆記し、インキ収容室内への空気の侵入を視覚により下記評価基準により評価した。
評価基準:
○:インキ収容室への空気の侵入なし。
×:インキ収容室への空気の侵入がある。
Figure 0004919756
(表1の考察)
本発明範囲となる実施例1〜6では、本発明範囲外となる比較例1及び2に較べて、筆記性、耐インキドロップ性について優れや性能を有することが判明した。
一方、本発明範囲外の比較例1は、インキの追従性が低く、インキを消費できなかった。また、比較例2は、上向き筆記にて、インキ収容室への空気(気泡)の侵入があることが判った。
本発明の第1実施形態を示す筆記具の説明図面であり、(a)は非筆記時の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。 (a)は本発明の第1実施形態を示す筆記具の筆記時(バルブ体開弁時)の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。 本発明の第1実施形態を示す筆記具におけるバルブ体にペン体を装着した状態を示す正面図である。 キャップ体を装着した本発明の第1実施形態の筆記具の部分縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示すものであり、バルブ体にペン体を装着した状態を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態を示す筆記具の説明図面であり、(a)は非筆記時の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。 (a)は本発明の第2実施形態を示す筆記具の筆記時(バルブ体開弁時)の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3実施形態を示すものであり、(a)は非筆記時の縦断面図、(b)は筆記時(バルブ体開弁時)の縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示すものであり、バルブ体にペン体を装着した状態を示す部分断面図である。 (a)及び(b)は、軸筒に装着して筆記具とした場合の図6(b)、図7(b)と同様の線断面図である。 比較例2を示す筆記具であり、(a)は非筆記時の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。 (a)は比較例2の筆記時(バルブ体開弁時)の部分縦断面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。
符号の説明
10 ペン体(筆記部)
20 軸筒
20a 軸筒先端部
21 インキ収容室
22 インキ
23 追従体
40 バルブ体
41 弾発部材
42 弁棒
43 筒状支持部材
44 弁体
45 スリット
46 多孔体

Claims (8)

  1. 毛管力を有するペン体からなる筆記部及び軸筒を有し、該軸筒内に設けられたインキ収容室内にインキと、インキ後端を封止する追従体が充填され、該軸筒後端は外気と連通し、かつ、上記ペン体とインキは開閉可能なバルブ体によって分割された筆記具であって、上記バルブ体の開口部のインキ収容室側のインキと接する部分に毛管力が付与されていることを特徴とする筆記具。
  2. 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分にスリット形状を形成することにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記バルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分のスリット形状が、スリット幅0.05mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項2記載の筆記具。
  4. 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分に、孔径が1mm以下である多孔体を設けることにより構成されることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  5. 毛管力の付与がバルブ体開口部のインキ収容室側のインキと接する部分にスリット形状を形成し、該スリットと共に多孔体を一体としたことにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  6. 多孔体が繊維収束体、焼結体、発泡体の何れか一つにより構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の筆記具。
  7. バルブ体は、筆記時にペン体が筆記面に押し付けられる圧力で開口することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の筆記具。
  8. インキ収容室は、酸素透過係数が3000cc・25μm/m・24hr・atm(25℃、65%RH)以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の筆記具。
JP2006273237A 2006-10-04 2006-10-04 筆記具 Active JP4919756B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006273237A JP4919756B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006273237A JP4919756B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008087422A JP2008087422A (ja) 2008-04-17
JP4919756B2 true JP4919756B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=39372054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006273237A Active JP4919756B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4919756B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5423584B2 (ja) * 2010-05-31 2014-02-19 ぺんてる株式会社 ボールペン
WO2016056067A1 (ja) 2014-10-07 2016-04-14 株式会社エポックケミカル 筆記具用インク貯留部材及びこれを用いたバルブ式筆記具

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08118875A (ja) * 1994-10-28 1996-05-14 Sailor Pen Co Ltd:The マーキングペン
JP3788609B2 (ja) * 2001-08-29 2006-06-21 三菱鉛筆株式会社 筆記具用インキ貯蔵体
JP4061049B2 (ja) * 2001-10-31 2008-03-12 パイロットインキ株式会社 筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008087422A (ja) 2008-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9636940B2 (en) Writing instrument
JP4907723B2 (ja) 2材製の弁、当該弁を組み込んだ、引込み自在の先端部を備えるマーカー、及び弁の作製方法
KR100659799B1 (ko) 필기구
EP2363298A1 (en) Applicator tip and applicator
JP6141615B2 (ja) ボールペン
JP7011893B2 (ja) 筆記具
EP2812192B1 (en) Nib assembly having a double wall and writing instrument comprising same
JP4919756B2 (ja) 筆記具
JP6126826B2 (ja) 液体塗布具
JP2015074168A (ja) 液体塗布具
JP3732163B2 (ja) 筆記具
JP6126828B2 (ja) 筆記具
JP6126829B2 (ja) 筆記具
JP2001287493A (ja) 筆記具
WO2022019208A1 (ja) ノック式筆記具
JP4026550B2 (ja) 筆記具
JP4513996B2 (ja) 塗布具
JP2023105497A (ja) キャップ式筆記具
JP2008265147A (ja) 筆記具
JP2006289875A (ja) 加圧式の筆記具
JP2001080278A (ja) 塗布具
JP2000247090A (ja) 塗布具
JP3157874U (ja) 熱変色性筆記具
JP2607000Y2 (ja) 流動体塗布具
JP2006297703A (ja) ボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4919756

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250