JP2015074168A - 液体塗布具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 筆記具用インクなどの液体を直接貯溜する液体タンク10を有する軸筒11と、該軸筒11の先端部に設けた塗布部材20と、上記液体タンク10内の圧力変化を調整するための液体保溜部材30とを有し、上記液体タンク10から塗布部材20への液体の導出が中継芯24を介して行われる液体塗布具であって、前記液体保溜部材30が少なくとも植毛部材32から構成されていることを特徴とする液体塗布具。
【選択図】図1
Description
1) 軸筒先端の塗布部にタンク内塗布液を導出する中継芯と、インキ等の塗布液を充填するタンクと、タンク内圧上昇に伴う前記塗布液の流出分を一時的に溜めるインク保溜部材となるコレクターとを有した塗布具において、前記塗布部および中継芯の吸蔵可能な塗布液量Aと、タンク容積分Bとを加え合わせた容積分C=A+Bを、タンクおよび中継芯を収容する軸筒内に充填したことを特徴とする塗布具(例えば、特許文献1参照)、
2) インキを貯留するインキ貯留室には、該インキ貯留室内のインキをこの貯留室外に流出させるためのインキ流出孔を設けたインキタンクであって、前記インキ貯留室には、インク保溜部材となるインキ貯留体が収容され、前記インキ貯留体には、複数の板状の羽部が、相互間にインキ貯留間隙を形成するように並列して設けられ、前記インキ貯留間隙は、使用初期から使用末期まで毛管力によりインキを貯留すると共に前記インキ流出孔側に所定の負圧を発生させるように、前記インキ貯留室に配置されたことを特徴とするインキタンク(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献3及び4の筆記具やペン先は、本発明の近接技術を開示するものであるが、筆記に際してのインクフローが良好であり、単に、不織布や含芯材に吸蔵したインクがなくなるまで筆記ができるものであり、本発明のインクを吸収できる空間体積量の確保と確保したインクを直流させないようにする毛管力の確保とを高度に両立したインク保溜部材を備えた筆記具などの液体塗布具とは、その技術思想等が相違するものである。
(1) 液体を直接貯溜する液体タンクを有する軸筒と、該軸筒の先端部に設けた塗布部材と、上記液体タンク内の圧力変化を調整するための液体保溜部材とを有し、上記液体タンクから塗布部材への液体の導出が直接又は中継芯を介して行われる液体塗布具であって、前記液体保溜部材が少なくとも植毛部材から構成されていることを特徴とする液体塗布具。
(2) 前記液体保溜部材は、筒状体と、該筒状体の外周面に形成した植毛部材とを備えたことを特徴とする上記(1)記載の液体塗布具。
(3) 前記液体保溜部材は、筒状体と、該筒状体の内周面に形成した植毛部材とを備えたことを特徴とする上記(1)記載の液体塗布具。
(4) 前記植毛部材は、静電植毛処理により形成されていることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の液体塗布具。
(5) 前記液体保溜部材の筒状体が金属部材、合成樹脂部材、ゴム部材の何れかにより構成されていることを特徴とする上記(2)〜(4)の何れか一つに記載の液体塗布具。
(6) 前記液体保溜部材の筒状体がコイル状の金属部材から構成されていることを特徴とする上記(2)〜(4)の何れか一つに記載の液体塗布具。
図1(a)は、液体塗布具の縦断面図、(b)は、その要部を示す部分拡大縦断面図、図2(a)は、液体保溜部材の筒状体の一例を示す斜視図、(b)は(a)の筒状体の外周面に植毛部材を形成した液体保溜部材の一例を示す斜視図である。
本実施形態の液体塗布具Aは、筆記具に適用したものであり、図1及び図2に示すように、水性インク、油性インクなどの筆記具用インクからなる液体を直接貯溜する有底筒状の液体タンク10と、該液体タンク10を収容する軸筒11と、該軸筒11の先端部に設けたペン芯からなる塗布部材20と、上記液体タンク10内の圧力変化を調整するための液体保溜部材30とを有するものである。
上記前軸12は、筒状前軸部12aと、該筒状前軸部12aの後部側に連設された上記軸筒11の開口部11aを嵌合閉鎖するフランジ片12bを有する筒状嵌合部12cと、該嵌合部12cの内側に連結部12dを介して連設された筒状保持部12eと、筒状保持部12eには液体タンク10の液体を流通せしめる液体流通孔12fとから構成され、上記筒状嵌合部12cと筒状保持部12e間にパッキン部材13、液体タンク10の開口部10aが嵌入されて軸筒11に取り付けられる構造となっている。
前記筒状前軸部12aに設けたホルダー14は、筒状を呈し、塗布部材20を挿通固定する筒状の固定部14aと、該筒状固定部14aにフランジ部14bを介して連設された筒状の小径部14cとを有し、該筒状小径部14cの外周面に液体保溜部材30が設けられる構造となっている。
ホルダー14の前方側外周面部には別部材の概略筒状の口プラ16が嵌着固定されて一体化している。この状態で、液体保溜部材30とホルダー14は筒状前軸部12a内に前端部開口から挿入・固定されており、前軸12の連結部12dに液体保溜部材30の後端外周部が当接して、かつ、液体保溜部材30の前端外周部がフランジ部14bに当接して液体保溜部材30とホルダー14が筒状前軸部12aに対して位置決めされている。
本実施形態の液体保溜部材30は、図2(a)及び(b)に示すように、筒状体31と、該筒状体31の外周面に形成した植毛部からなる植毛部材32とを備えたものであり、筒状体31がコイル状の金属部材から構成されており、前記植毛部材32は、静電植毛処理(フロッキー処理)により形成されている。
なお、植毛部材32の濡れ性を改善するために、植毛部材32をプラズマ処理、撥水剤等による表面加工を施しても良いものである。
このキャップ40内には、カップ状のインナーキャップ42を設けており、該インナーキャップ42はキャップ40内で進退動可能になり、かつ、後方に向けてスプリング部材43で付勢されており、キャップ40装着時にインナーキャップ42の後端縁が口プラ16に当接して密着してペン先20aの気密を確実に保持できるようになっている。一方、キャップ部材40は上端開放部44とインナーキャップ42の外周部溝で、インナーキャップ42の存在にかかわらずに、キャップ40の非装着時におけるキャップ40の前端から後端までの通気が確保されている。
また、前記キャップ40には、外周部に被服のポケットに装着する際に固定できるクリップ体45が設けられている。なお、このクリップ体44を液体タンク内のインク(液体)と同色あるいはインク筆記色と同色の材料(プラスチック等の樹脂材料が好適である)で形成したものである。
そして、外気温や外気圧などの変化による液体タンク10内の圧力変化(液体膨張等)がなされた場合に、液体保溜部材30の筒状体31の外周面に形成された植毛部材32の繊維間に過剰となった液体を一時保溜することができ、圧力変化がなくなった場合(通常状態になった場合)に元に戻す作用を有するものであり、これにより液体のボタ落ち(液体の直流現象)等を容易に防ぐことができるものとなる。
以上のように本実施形態の液体塗布具Aでは、従来の枚葉体を積層したコレクター部材などの液体保溜部材を用いた液体塗布具に較べ、空間体積を確保しつつ毛管力を発生させてインクなどの液体を直流させずに、更に小型化が可能となると共に、成形におけるコストの低減、成形の容易化が達成される。また、従来の枚葉体を積層したコレクター部材を用いた場合には、射出成形で形成されていたが、この形成方法であると、空間体積を確保しつつ、毛管力を発生させるには比較的大きいサイズにする必要があり、小型化困難なであったが、本実施形態では、コイル状に加工、並びに、静電植毛処理(フロッキー処理、接着剤塗布+静電加工)により筒状体31の外周面に簡単に毛管力を有する植毛部材を形成することができるので、更に小型が可能となるものであり、しかも、液体保溜部材を更に小型化することができるので、外観もスマートとなる液体塗布具が得られるものとなる。
この構造の液体保溜部材30では、筒状体30を樹脂、ゴム、金属などの材料を用いて一体成形することができ、この筒状体31の外周面に上記と同様に植毛部材32を静電植毛処理(フロッキー処理、接着剤塗布+静電加工)により形成することができ、従来の枚葉体を積層したコレクター部材よりも、簡単な構成により、図1等と同様に、液体のボタ落ち等の直流現象を防止することができる。また、従来の枚葉体を積層したコレクター部材を用いた場合には、射出成形で形成されており、上述のように、小型化困難なであったが、本発明では、樹脂等を用いた場合は、押出成形により筒状体の一体成形と静電植毛処理(フロッキー処理、接着剤塗布+静電加工)により筒状体の外周面に容易に形成することができるので、更に小型が可能となるものである。
この構造の液体保溜部材30においても、図1〜図3と同様に、液体保溜部材30の筒状体31の内周面に形成された植毛部材32の繊維間に過剰となった液体を一時保溜することができ、圧力変化がなくなった場合(通常状態になった場合)に元に戻す作用を有するものであり、液体のボタ落ち等の直流現象を防止することができ、また、更に小型が可能となるものである。
上記各実施形態では、液体塗布具として筆記具用インクを用いた筆記具について詳述したが、該インクをマニキュア液、液状化粧料、薬液等とし、塗布部材となるペン芯をスポンジ等の多孔体から構成される塗布体とした化粧具、その他液体を一般に塗布するものとしてもよいものである。
(液体塗布具の構成:図1及び図2準拠)
各部材の構成:
液体タンク10、軸筒11、前軸12、ホルダー14、キャップ40:ポリプロピレン製
塗布部材(ペン芯)20:アクリル製繊維芯、気孔率72%、長さ15mm、φ:5mm、先端がナイフカット形状
中継芯24:アクリル製繊維芯、気孔率60%、長さ40mm、φ:2mm
液体保溜部材30:筒状体31は、φ0.2mmのステンレス製線材をコイル状にして内径4.5mm、外径5mm、長さ20mm
静電植毛処理(フロッキー処理、接着剤塗布+静電加工):
上記筒状体31の外周面に形成。植毛部材32:繊維径0.05mm、繊維長さ3mmのポリエステル製繊維を接着
(液体組成等)
液体として、市販のマーキングペン用水性インクを使用した。
10 液体タンク
11 軸筒
20 塗布部材(ペン芯)
30 液体保保溜部材
31 筒状体
32 植毛部材
40 キャップ
Claims (6)
- 液体を直接貯溜する液体タンクを有する軸筒と、該軸筒の先端部に設けた塗布部材と、上記液体タンク内の圧力変化を調整するための液体保溜部材とを有し、上記液体タンクから塗布部材への液体の導出が直接又は中継芯を介して行われる液体塗布具であって、前記液体保溜部材が少なくとも植毛部材から構成されていることを特徴とする液体塗布具。
- 前記液体保溜部材は、筒状体と、該筒状体の外周面に形成した植毛部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載の液体塗布具。
- 前記液体保溜部材は、筒状体と、該筒状体の内周面に形成した植毛部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載の液体塗布具。
- 前記植毛部材は、静電植毛処理により形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の液体塗布具。
- 前記液体保溜部材の筒状体が金属部材、合成樹脂部材、ゴム部材の何れかにより構成されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一つに記載の液体塗布具。
- 前記液体保溜部材の筒状体がコイル状の金属部材から構成されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一つに記載の液体塗布具。
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