JP3732163B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具に関し、更に詳しくは、この構造の筆記具においてインキの終了サインを簡単に検知することができる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インキの残量・インキの終了サインを知ることができる筆記具としては、例えば、軸体内に直接液状インキを収容してなるコレクター構造を有する直液筆記具、インキがカートリッジ式のインキ収容管に収容された構造の筆記具、透明のリフィールにボールペン用インキが充填されたタイプのボールぺンなどが知られている。
【0003】
ところで、軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸された水性インキ、油性インキなどの筆記具用インキを筆記部となる夫々のペン先に供給するツインタイプの所謂中綿式の筆記具にあっては、今までインキ終了サインを検知できる機構を具備した筆記具はないのが現状である。そのため、この構造の筆記具では、筆記中にインキがカスレるまで使用して初めてインキの終了が判り、その後、廃棄又はインキを補充することにより再使用されるものであるが、カスレはペン先の乾燥等によっても生じるため、インキ吸蔵体に含浸されたインキが十分あるにも拘わらずペン先の乾燥等によりカスレた場合等には本来のインキの終了サインではなく、使用性等に課題があるものである。
【0004】
一方、特開平6−270585号公報などには、透明な軸筒内にインキ吸蔵体となる中綿が収納され、該中綿に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給されると共に、中綿からペン先まで筆記具の中身を視認することができる筆記具が開示されている。
しかしながら、この構造の筆記具にあっては、中綿に吸蔵されたインキ量が少なくなれば吸蔵されているインキ色の度合いによりある程度のインキ残量は確認することができるが、確実にインキの終了サインを検知できるものではなく、この筆記具にあっても使用性等に課題があるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸された水性インキ、油性インキなどの筆記具用インキを筆記部となる夫々のペン先に供給する筆記具において、インキの終了サインを簡単に、かつ、確実に検知することができる筆記具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討を重ねた結果、筆記部となる軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具における軸筒の構成、並びに、インキ吸蔵体からペン先にインキを供給する機構を特定の構成等とすることにより、上記目的の筆記具が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】
すなわち、本発明の筆記具は、次の(1)〜(18)に存する。
(1) 軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具であって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは夫々視認性を有するインキ誘導管を介して各ペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを夫々軸筒に形成した各視認部を介して上記夫々のインキと接する面又はインキ誘導管の材質自体の表面張力がインキの表面張力よりも小さいインキ誘導管を視認することにより検知することを特徴とする筆記具。
(2) 軸筒内のインキ吸蔵体が一つであることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
(3) 軸筒内が隔離され、隔離された各軸筒内には夫々インキ吸蔵体が収容されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の筆記具。
(4) 軸筒の両側に備える各ペン先が、フェルトペン芯、スライバー芯、ボールペン、繊維束芯、焼結芯、万年筆、毛筆から選ばれた一つであり、各ペン先が同じ機構又は異なる機構からなることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具。
(5) インキ吸蔵体の毛細管力の分布が、ペン先側へ向かうほど大きくなることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の筆記具。
(6) 軸筒の内径がペン先側へ向かうほど狭くなる構造となることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の筆記具。
(7) 軸筒のペン先側内側にリブ体を複数軸方向に形成されていることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の筆記具。
(8) インキ吸蔵体に含浸されたインキは、中継芯を介してインキ誘導管に供給されることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の筆記具。
(9) インキ誘導管と中継芯との接合部が外気に対して閉じていることを特徴とする上記(8)に記載の筆記具。
(10) 中継芯により視認性を有するインキ誘導管に供給されたインキは、更にペン先中継芯を介してペン先に供給されることを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の筆記具。
(11) インキ誘導管、インキ吸蔵体、中継芯、ペン先、インキ誘導管と中継芯との接合部によって形成されるキャピラリーの毛細管力が、インキ誘導管と中継芯との接合部>ペン先>中継芯>インキ吸蔵体>インキ誘導管の関係にあることを特徴とする上記(8)に記載の筆記具。
(12) 中継芯が、繊維束芯、樹脂粒子多孔体及びスライバー芯の何れか一つからなり、これらの中継芯が連続流路を持つことによりインキ誘導管の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管を流れるインキ流路断面積をコントロールできることを特徴とする上記(8)〜(11)の何れか一つに記載の筆記具。
(13) インキ視認性を有するインキ誘導管の中にインキよりも表面張力が小さくインキと色の違う棒状又は管状体がインキ誘導管と平行に入れることによりインキ誘導管の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管を流れるインキ流路断面積をコントロールできることを特徴とする上記(1)〜(12)の何れか一つに記載の筆記具。
(14) インキ誘導管が複数本形成されていることを特徴とする上記(1)〜(13)の何れか一つに記載の筆記具。
(15) 軸筒の視認部の長さが1mm以上筆記具の全長以下であることを特徴とする上記(1)〜(14)の何れか一つに記載の筆記具。
(16) インキ誘導管のインキ流路断面積が0.8〜80mm2であることを特徴とする上記(1)〜(15)の何れか一つに記載の筆記具。
(17) インキの表面張力が25℃下で18mN/m以上であることを特徴とする上記(1)〜(16)の何れか一つに記載の筆記具。
(18) インキの粘度係数が25℃下で200mPa・s以下であることを特徴とする上記(1)〜(17)の何れか一つに記載の筆記具。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
本発明の筆記具は、軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具であって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは夫々視認性を有するインキ誘導管を介して各ペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを夫々軸筒に形成した各視認部を介して上記夫々のインキと接する面又はインキ誘導管の材質自体の表面張力がインキの表面張力よりも小さいインキ誘導管を視認することにより検知することを特徴とするものである。
【0009】
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示すツインタイプの筆記具であり、サインペン(太字、細字)、マーカー(太字、細字)、ホワイトボード用マーカー(太字、細字)等に好適に適用することができるものである。
本第1実施形態の筆記具Aは、図1及び図3に示すように、筆記具本体となる軸筒10、インキ吸蔵体20、インキ誘導管30、40、ペン先50、60とを備え、一つのインキ吸蔵体20に含浸されたインキを軸筒10の両側に備えた太字用のペン先50、細字用のペン先60に供給する構造である。
軸筒10は、例えば、合成樹脂製から構成されるものであり、その両側の先端側は各テーパー部を有する各小径部10a、10bと、大径部10cとが一体となったものであり、該小径部10a内には太字用となるペン先50を嵌着する嵌着部11aを有すると共に、他方の小径部10b内には細字用となるペン先60を嵌着する嵌着部11bを有し、かつ、大径部10c内には筆記具用インキを含浸したインキ吸蔵体20、インキ誘導管30、40を夫々収容する構造となっている。
【0010】
また、軸筒10の大径部10cの夫々の先端側は、図1及び図3に示すように、軸筒内を視認できるように透明体又は半透明体から構成された視認部12、13を有し、それ以外は別部材等により非視認部となっている。
なお、軸筒10全体を視認性を有する透明又は半透明材料から構成して、軸筒10全体を視認できるものであってもよいものであり、また、軸筒10全体を視認性を有する透明又は半透明材料から構成して、視認部12、13以外を着色部や装飾部として非視認部としてもよいものである。
この視認部12、13の各全長は、該視認部12、13より、軸筒10内に保持される各インキ誘導管30、40を視認できる長さであればよく、夫々1mm以上筆記具本体(本実施形態では軸筒)の全長以下、好ましくは、5mm以上とすることが望ましい。なお、視認部12、13の各全長が1mm未満であると、インキ終了サインの検知を視認し難く検知機能を果たせないこととなる。
【0011】
インキ吸蔵体20は、水性インキ、油性インキなどの筆記具用インキを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したものであり、軸筒10の夫々の前方部を封塞する後部保持体21、22とにより軸筒20内に収容されている。
【0012】
インキ誘導管30、40は、図1に示すように、視認性を有する筒状(管状)のインキ流路部材となるものであり、例えば、樹脂、ゴム、または、ガラス製等の透明部材又は半透明部材の材質から構成されている。具体的には、透明又は半透明の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が挙げられ、また、透明又は半透明のゴムとしては、シリコーンゴム等が挙げられる。本実施形態では、夫々PPや環状ポリオレフィンから構成されている。
この各インキ誘導管30、40の後端部分30a、40aは、後部保持体21、22を貫通してインキ吸蔵体20内部に通じると共に、前端部分30b、40bは軸筒10の小径部10a、10b内を封塞する各前部保持体23,24を貫通してペン先50、60の後端部分に嵌入されている。これにより、インキ誘導管30、40は、夫々軸筒10内を封塞する後部保持体21と前部保持体23と、並びに、後部保持体22と前部保持体24とにより、軸筒10内に夫々視認空間部14,15が形成されると共に、該視認空間部14、15の中心部分に夫々保持されるものとなっている。
【0013】
この構成により、軸筒10の視認部12、13を視認すれば視認部12、13を介してインキ誘導管30、40が容易に視認されることとなる。また、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは毛細管力により効率よく各インキ誘導管30、40に夫々流入し、該インキ誘導管30、40を介してペン先50、60に供給されることとなる。
このインキ誘導管30、40の全長は、ペン先50、60の種類により適宜設定されるものであり、通常、インキ誘導管の全長はインキ吸蔵体20の毛細管力によりインキ吸蔵体20の夫々の前端からペン先50、60までの長さが規定されるのでその長さの範囲内で規定される。また、インキ誘導管30、40の各インキ流路断面積は、インキ誘導管30、40内にインキが更に円滑にスムーズに通過させるために、0.8〜80mm2、更に好ましくは、0.5〜20mm2することが望ましい。
このインキ流路断面積が0.8mm2未満であると、インキ流量が少なく筆記時のインキ追従性に劣ることとなる。一方、80mm2を越えると、インキ誘導管30、40の長さを長く取れずインキ終了の検知視認がし難くなる。なお、80mm2を越える断面積でインキ誘導管の長さを長くすれば、インキ終了の検知視認は容易になるが、この場合には、ペン先下向き筆記においてはペン先から過剰量のインキが流出することとなる。
【0014】
また、インキ吸蔵体20からペン先50、60までのインキの供給を更に円滑に、かつ、スムーズに行うために、視認性を有するインキ誘導管30、40のインキと接する面又はインキ誘導管30、40の材質自体の表面張力がインキの表面張力よりも小さくすることが好ましい。なお、インキ誘導管30、40のインキと接する面がインキの表面張力よりも大きい場合には、フッ素樹脂処理、シリコーンゴム又はシリコーン樹脂処理などを施すことにより、インキ誘導管30、40のインキと接する面をインキの表面張力よりも小さくすることもできる。
更に、インキ誘導管30、40の横断面形状としては、例えば、図2(a)〜(j)に示すように、円形状〔図2(a)〕、若しくは、三角形状〔図2(b)〕、四角形状〔図2(c)〕、五角形形状〔図2(d)〕、六角形状〔図2(e)〕、菱形形状〔図2(g)〕などの多角形状、または、楕円形状〔図2(f)〕、星型形状〔図2(h)〕、円形状で内部に多数のV条溝又は突起体を有する形状〔図2(i)又は(j)〕などが挙げられ、インキ吸蔵体20からペン先50、60までのインキの供給が円滑に行われ、視認性を妨げるものでなければ、特に限定されるものではない。本実施形態のインキ誘導管30、40は、横断面形状は円形形状である。
【0015】
ペン先50、60は、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、各種のプラスチック粉末などを融結したポーラス体などからなるペン先からなるものであり、その形状も筆記具の形態により選択されるものである。すなわち、軸筒10の両側に備える各ペン先50、60が、フェルトペン芯、スライバー芯、ボールペン、繊維束芯、焼結芯、万年筆、毛筆から選ばれた一つであり、各ペン先が同じ機構又は異なる機構からなり、本実施形態では、太字用と細字用のフェルトペン芯とからなるものである。
【0016】
上記インキ吸蔵体20に含浸せしめるインキとしては、一般に用いられている各配合組成となる水性インキ、油性インキなどの筆記具用インキであれば、特に限定されず、サインペン用、マーキングペン用、ボールペン用、ホワイトボード用など用途に応じた水性又は油性の液状インキが挙げられる。好ましくは、インキ誘導管30、40での終了サインを更に良好に検知するために、インキの表面張力を25℃下で18mN/m以上、更に好ましくは、25〜50mN/mとすることが望ましい。なお、インキの表面張力の調整は、インキ組成に界面活性剤などを必要に応じて配合することにより、調整することができる。
更に、インキ吸蔵体20から、インキ誘導管30、40を介してペン先50,60へのインキを更に円滑に、かつ、スムーズな供給をするために、好ましくは、インキの粘度係数を25℃下で200mPa・s以下、更に好ましくは、1〜10mPa・sとすることが望ましい。このインキの粘度係数が200mPa・sを越えると、インキの流動性が悪くなり、十分なインキ流出量が出ないため流量不足による描線カスレや早書きできない場合が生じることがある。なお、インキの粘度係数の調整は、インキ組成に増粘剤などを必要に応じて配合することにより、調整することができる。
【0017】
このように構成される本第1実施形態の筆記具Aでは、図1及び図3に示すように、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは毛細管力により、夫々インキ誘導管30、40内をとおり、ペン先50、60に浸透して筆記が可能となる。
この第1実施形態の筆記具Aでは、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは、夫々常時インキ誘導管30、40内をとおりペン先50、60に供給される構造であるので、筆記によりインキ吸蔵体20に含浸されたインキが減少して終了する場合には、インキ誘導管30、40内のインキの通過が無くなることにより判るものとなる。
すなわち、本実施形態の筆記具Aでは、インキ吸蔵体20からのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより検知することができるものとなる。従って、ぺン先50、60でのインキのカスレがペン先50、60での乾燥によるものか、または、インキの消費による本来の終了によるのかを視覚により明確に、かつ簡単に判断することができるものとなる。
【0018】
なお、本実施形態では、インキがインキ誘導管30、40からペン先50、60に過剰に供給され、インキがペン先50か、60から漏れ出すことなどを防止するために、ペン先50、60の後端部分外周にインキ吸収体を設けてもよいものである。このインキ吸収体は、小径部10a内のペン先40の後端部分外周に形成される空間部16、17に配置されることとなる。
【0019】
図4(a)〜(c)は、上記第1実施形態の変形例である。図4(a)はインキ吸蔵体の毛細管力の分布を軸筒10両側のペン先50、60側へ向かうほど大きくする形態、例えば、インキ吸蔵体20を構成する繊維束間の隙間がペン先側へ向かうほど狭くなる構造、すなわち、粗密部20aと細密部20bとにより構成したものである。
図4(b)は、軸筒10の内径がペン先50、60側へ向かうほど狭くなる構造(先細形状)したものであり、インキ吸蔵体20もペン先側へ向かうほど狭くなる構造である。
図4(c)は、インキ吸蔵体20を収容する軸筒10の内壁部内側にリブ体10d,10d……を複数軸方向に形成した構造である。
このような図4(a)〜(c)の各構成又はこれらの組合わせを更に上記第1実施形態の筆記具Aに採用することにより、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは更にインキ誘導管30、40内に良好に流入し、ペン先50、60に良好に供給されることとなる。
【0020】
図5は、本発明の第2実施形態を示すものである。本第2実施形態の筆記具Bは、軸筒10の両側に備える各ペン先50a、60aが、夫々異なる機構、すなわち、アンダーライン用の繊維束芯、サインペン用の焼結芯からなる点、アンダーライン用の繊維束芯50aが軸筒10に固着される先軸10eで保持されている点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図5において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第2実施形態の筆記具Bでは、上記第1実施形態と同様に、インキ吸蔵体20に含浸されたインキはインキ誘導管30、40内をとおりペン先50a、60aに円滑に供給されてアンダーライン用、サインペン用として筆記が可能となる。また、この筆記具Bでは、インキ吸蔵体20のインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより検知することができることとなる。
更に、上記第2実施形態の筆記具Bに、図4(a)〜(c)に示す変形例を適用してもよいものである(以下の実施形態においても同様)。
【0021】
図6は、本発明の第3実施形態を示すものである。本第3実施形態の筆記具Cは、軸筒10の両側に備える各ペン先50b、60bが、夫々異なる機構、すなわち、ボールペン用のペン先、サインペン用の焼結芯からなる点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図6において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第3実施形態の筆記具Cでは、上記第1実施形態と同様に、インキ吸蔵体20に含浸されたインキはインキ誘導管30、40内をとおりペン先50b、60bに円滑に供給されてボールペン用、サインペン用として筆記が可能となる。また、この筆記具Cでは、インキ吸蔵体20のインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより検知することができることとなる。
【0022】
図7は、本発明の第4実施形態を示すものである。本第4実施形態の筆記具Dは、軸筒10の両側に備える各ペン先50c,60cが、同じ機構、すなわち、ボール径例えば、0.1mmと0.5mmと異なるボールペン用のペン先からなる点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図7において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第3実施形態の筆記具Dでは、上記第1実施形態と同様に、インキ吸蔵体20に含浸されたインキはインキ誘導管30、40内をとおりペン先50c、60cに円滑に供給されてボールペン用(太字、細字)として筆記が可能となる。また、この筆記具Dでは、インキ吸蔵体20のインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより検知することができることとなる。
【0023】
図8は、本発明の第5実施形態を示すものである。本第5実施形態の筆記具Eは、軸筒10内が隔壁体10fにより2室に隔離され、隔離された各軸筒体10g、10h内には夫々インキ種が異なるインキが含浸されたインキ吸蔵体20c、20dが収容されている点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図8において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第5実施形態の筆記具Eでは、インキ吸蔵体20c、20dに含浸された各インキはインキ誘導管30、40内をとおりペン先50、60に円滑に供給されてサインペン用(太字、細字)として筆記が可能となる。本実施形態では、上記第1実施形態と較べて、軸筒10内が2室に隔離されているので、例えば、赤色、黒色の2色のインキ種を各インキ吸蔵体20c、20dに含浸せしめることにより、1本の筆記具で2本分の筆記用途を発揮せしめることができるものとなる。
また、この筆記具Eでは、各インキ吸蔵体20c、20dに含浸された各インキ終了サインを軸筒10の両側に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより夫々検知することができることとなる。
【0024】
図9(a)及び(b)は、本発明の第6実施形態を示すものである。本第6実施形態の筆記具Fは、インキ吸蔵体20に含浸されたインキを中継芯25を介してインキ導入管30に供給する点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図9において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
中継芯25は、上記第1実施形態のインキ吸蔵体20と同様に繊維束、フェルト等の繊維束を加工した繊維束芯、または、硬質スポンジ、樹脂粒子焼結体等からなる樹脂粒子多孔体、スライバー芯等の連続気孔(流路)を有するものであり、インキ吸蔵体20に含浸されたインキを該中継芯25を介して視認性を有するインキ誘導管30へ供給できるものであれば、特にその形状、構造等は限定されるものでないが、例えば、図9(a)及び(b)に示すように、中継芯25の先端部には、インキ誘導管30の後端部30a内に挿入される挿入部26を有し、その後端部は鋭角な形状となる鋭角部27を有するものが挙げられる。また、インキ吸蔵体20の先端側には、上記中継芯25の外層部と接触できる空洞部20eが設けられている。この図9(a)及び(b)に示す、挿入部26及び鋭角部27を有する中継芯25及び空洞部20aを有するインキ吸蔵体20の構造等により、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは中継芯25を介して視認性を有するインキ誘導管30へ更に効率よく供給できるものとなる。
更に、上記中継芯25の毛細管力はインキ吸蔵体20の毛細管力より大きくすること、並びに、中継芯25の断面構造を内層部及び外層部を有する構造とし、外層部の毛細管力が内層部の毛細管力よりも大きくすること、例えば、外層部の繊維束密度を細密部とし、内層部の繊維束密度を粗密部とすることにより、インキ吸蔵体20に含浸されたインキをインキ誘導管30へ効率よく供給できるものとなる。
【0025】
ここで、中継芯25の全長はインキ吸蔵体20の全長の5%以上、好ましくは、10%以上100%以下の長さでインキ吸蔵体20内部と接触していること、すなわち、中継芯25のインキ吸蔵体20内部と接触する長さL1は、インキ吸蔵体20の全長の5%以上、好ましくは10%以上の長さとすることが望ましく、更に好ましくは、20%以上100%以下、特に好ましくは、50%以上100%以下の長さでインキ吸蔵体20内部と接触していることが望ましい。これにより、インキ吸蔵体20に含まれるインキを更にインキ誘導管30へ効率よく供給することができるものとなる。図9(a)及び(b)に示す中継芯25の長さL1は、インキ吸蔵体20の全長の20%に設定されている。なお、インキ吸蔵体20内部と接触する長さが5%未満であると、通常の中綿式の筆記具と同レベルのインキ消費率となってしまう場合がある。
更に、中継芯25の断面積W1は、インキ吸蔵体20の断面積Wの1〜90%、好ましくは、2〜25%、更に好ましくは、4〜10%とすることが望ましい。
この中継芯25の断面積W1が1%未満であると、ペン先40の形態にもよるが、インキ吸蔵体20からのインキ供給量が不足し描線カスレや早書き追従性に劣るなどの問題を生じ、また、90%を越えると、インキ吸蔵体20中に挿入し難くなるばかりでなくインキ吸蔵体20としての機能が小さくなり中継芯25とした従来からある中綿式の筆記具と何等変わらないものとなる。
上記中継芯25の断面積W1をインキ吸蔵体20の断面積Wの1〜90%に設定することにより、インキ吸蔵体20に含まれるインキを更にインキ誘導管30へ効率よく供給することができるものとなる。なお、図9(a)及び(b)に示す中継芯25の断面積W1は、インキ吸蔵体20の断面積Wの60%に設定されている。
更に、上記第6実施形態の筆記具Fにおいて、中継芯が、繊維束芯、樹脂粒子多孔体及びスライバー芯の何れか一つからなり、これらの中継芯が連続流路を持つことによりインキ誘導管の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管を流れるインキ流路断面積をコントロールできるものである。すなわち、インキ誘導管内の流動抵抗を大きくし、ペンを落下させたときになどの衝撃に対してインキ誘導管内でのインキ切れを抑制することができる。
更に、インキ誘導管30、インキ吸蔵体20、中継芯25、ペン先50、インキ誘導管30と中継芯25との接合部の隙間によって形成されるキャピラリーの毛細管力が、インキ誘導管と中継芯との接合部の隙間>ペン先50>中継芯25>インキ吸蔵体20>インキ誘導管30の関係を充足することにより、更にインキをスムーズに流通させることができる。
【0026】
更に、本第6実施形態の筆記具Fにおいて、中継芯25より視認性を有するインキ誘導管30に供給されたインキは、更にインキ誘導管30の前端部分30bに挿入されるペン先中継芯28を介してペン先50に供給される構造としてもよいものである。
このように構成される本第6実施形態の筆記具Fでは、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは中継芯25を介してインキ誘導管30内をとおりペン先50、又はペン先中継芯28を介してペン先50に円滑に供給されて筆記が可能となる。また、この筆記具Fでは、インキ吸蔵体20のインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12を介して上記インキ誘導管30を視認することにより検知することができることとなる。
好ましくは、インキ誘導管30、インキ吸蔵体20、ペン先中継芯28、中継芯25、ペン先50、インキ誘導管30と中継芯25との接合部の隙間によって形成されるキャピラリーの毛細管力は、インキ誘導管30と中継芯25との接合部の隙間>ペン先50>ペン先中継芯28>インキ吸蔵体20>インキ誘導管30の関係に設定することが望ましい。この関係を充足することにより、更に、ペン先上向き筆記においても良好な筆記が可能とすることができるものとなる。
更にまた、本実施形態では、ペン先50の片側のみを示したものであるが、反対側となるペン先60側にも上記と同様の構成となる中継芯25及び/又はペン先中継芯28を介してインキ誘導管40にインキを供給してもよいものである。
【0027】
図10(a)及び(b)は、本発明の第7実施形態を示すものである。本第7実施形態の筆記具Gは、視認性を有するインキ誘導管31,32を複数本、本実施形態では長さの相違する透明部材又は半透明部材から構成された視認性を有するインキ誘導管31,32を2本設けた点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図10(a)及び(b)において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第7実施形態の筆記具Gでは、全長が長いインキ誘導管31及び短いインキ誘導管32は、図10(b)に示すように、共に後端部分31a,32aは、後部保持体21を貫通してインキ吸蔵体20内部に長さの差Xをもって嵌入されると共に、前端部分31b,32bは軸筒10の小径部10a内を封塞する前部保持体23を貫通してペン先50の後端部分に夫々端部を揃えて嵌入されている。これにより、インキ誘導管31,32は、該視認空間部14の中心部分に保持されるものとなっている。
【0028】
この本第7実施形態の筆記具Gでは、上記第1実施形態と同様に、インキ吸蔵体20に含浸されたインキはインキ誘導管31、32内をとおりペン先50に供給されて筆記が可能となる。また、この筆記具Gでは、インキ誘導管の各端部31a,32aはXの長さの差をもってインキ吸蔵体20に刺し込まれているので、インキ吸蔵体20のインキの含浸率が最大から次第に筆記により消費されると、長いインキ誘導管31のインキが流れずに切れてインキ吸蔵体20にはインキが、例えば、80%程度残っていることを視認部12を介して検知させ、次いで、更なる筆記によりインキが消費されて、短いインキ誘導管32のインキが流れずに切れた場合、すなわち、インキ吸蔵体20にはインキが終了したことを視認部12を介して検知することができることとなる。
従って、本第7実施形態の筆記具Gでは、インキ誘導管の各端部31a,32aはXの長さの差をもって配置することにより、インキ吸蔵体20のインキ残量及び終了サインを軸筒10に形成した視認部12を介して上記インキ誘導管31,32を視認することにより検知することができることとなる。
【0029】
なお、上記第7実施形態では、インキ誘導管31,32の長さを相違したものを用いたが、同じ長さのインキ誘導管であってよいものであり、この場合はインキの供給を良好にすると共にインキ終了サインを検知することができるものとなる。
また、上記第7実施形態では、インキ誘導管の数を2本としたが、筆記具の用途などにより、適宜、インキ誘導管の長さが異なるもの又は同じものを3本以上設けてもよいものである。
更に、上記第6実施形態の中継芯25、ペン先中継芯28を採用してもよいものである。また、本実施形態では、ペン先50の片側のみを示したものであるが、反対側となるペン先60側にも上記と同様の構成となるものを用いてインキ誘導管40にインキを供給してもよいものである。
【0030】
図11(a)〜(c)は、本発明の第8実施形態を示すものである。本第8実施形態の筆記具Hでは、視認性を有するインキ誘導管35の中にインキ吸蔵体20に含浸されたインキよりも表面張力が小さくインキと色の違う樹脂、例えば、ポリプロピレンなどからなる繊維束の棒状体36〔図11(b)〕又は樹脂粒子、例えば、ポリプロピレン樹脂粒子からなる多孔体37〔図11(c)〕がインキ誘導管35と平行に挿入されて、インキ誘導管35の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管35を流れるインキ流路断面積がコントロールされている点でのみ、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、棒状体36、多孔体37の長さは、中継芯25の挿入部がインキ誘導管35の後端部分に挿入されるので、インキ誘導管30の長さよりも短くなっている。また、図11(a)及び(b)において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第8実施形態の棒状体36又は多孔体37の色相は、インキ吸蔵体20に含浸されたインキの色と異なること、好ましくは、用いるインキ色で隠蔽される色となるものが望ましく、例えば、白色が挙げられる。
【0031】
本第8実施形態の筆記具Hでは、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは棒状体36又は多孔体37がインキ誘導管35の中に挿入された視認性を有するインキ誘導管35をとおりペン先50に供給されて筆記が可能となる。この筆記具Hでは、インキよりも表面張力が小さく、かつ、インキと色の違う棒状体36又は多孔体37をインキ誘導管35の内部に具備させることにより、インキ誘導管35を流れるインキ流路断面積を減らし、インキ誘導管の見かけ断面積をそのままに実質的に断面積を減らすことができるので、インキ誘導管35内を流れるインキ容量も減らすことができるので、インキ終了の検知機能とインキ終了時のインキ流出過剰の問題を同時に解決できることとなる。
また、本第8実施形態の筆記具Hでは、上述の第1〜第7実施形態の筆記具におけるインキの終了サインをインキ誘導管におけるインキ切れの視認により検知したものと相違し、インキが終了(インキ切れ)した場合に、インキ誘導管35にはインキ色と異なる棒状体36又は多孔体37の色相で視認することができるので、インキの終了サインをより明確に視覚に訴えることができるものとなる。
更に、上記第6実施形態の中継芯25、ペン先中継芯28を採用してもよいものである。また、本実施形態では、ペン先50の片側のみを示したものであるが、反対側となるペン先60側にも上記と同様の構成となるものを用いてインキ誘導管40にインキを供給してもよいものである。
【0032】
図12は、本発明の第9実施形態を示すものである。本第9実施形態の筆記具Iは、軸筒10内が隔壁体10iにより2室に隔離され、隔離された各軸筒体10j、10k内には夫々インキ種が異なるインキが含浸されたインキ吸蔵体20f、20gが収容されている点で、上記第1実施形態の筆記具Aと異なるものである。なお、図12において、上記第1実施形態と同様の構成は同一符号を付けてその説明を省略する。
本第9実施形態の筆記具Iでは、インキ吸蔵体20f、20gに含浸された各インキはインキ誘導管30、40内をとおりペン先50b、60bに円滑に供給されてボールペン用、サインペン用として筆記が可能となる。本実施形態では、上記第1実施形態と較べて、軸筒10内が2室に隔離されているので、例えば、赤色のサインペン用、黒色のボールペン用の2色のインキ種を各インキ吸蔵体20f、20gに含浸せしめることにより、1本の筆記具で2本分の筆記用途を発揮せしめることができるものとなる。
また、この筆記具Iでは、各インキ吸蔵体20f、20gに含浸された各インキ終了サインを軸筒10の両側に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより夫々検知することができることとなる。サインを視認部12を介してインキ誘導管30を視認することにより検知されるものである。なお、インキ吸蔵体20f、20gに含浸せしめるインキ種を異なるものとしたが、適宜同じインキ種としてもよいものである。
【0033】
本発明の筆記具は、上記各実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更できることはいうまでもない。
例えば、上記第1実施形態(図4の変形例を含む)〜第9実施形態の各実施形態を好適に組合わせること、例えば、第1〜第5実施形態の各筆記具に第6〜第8実施形態の各筆記具を適用してもよいものである。
また、本発明の筆記具は、軸筒10の両側に筆記部となるペン先50、60を備えると共に、軸筒10内のインキ吸蔵体20に含浸されたインキを夫々のペン先50、60に供給するツインタイプの筆記具であって、上記インキ吸蔵体20に含浸されたインキは夫々視認性を有するインキ誘導管30、40を介して各ペン先50、60に供給され、かつ、インキ吸蔵体20からのインキ終了サインを夫々軸筒10に形成した各視認部12、13を介して上記夫々のインキ誘導管30、40を視認することにより検知できる構造を要旨とするので、この要旨を変更しない構成は特に限定されるものではなく、各種公知の筆記具構造が採用でき、また、ペン先、インキ種をボールペン、サインペン、マーキングペン、筆ペンなどの用途などによって変更して好適に各種用途の筆記具に適用することができるものである。
更に、筆記具用インキを修正液、塗布液、化粧品等の液状化粧料等とした塗布具にも適用してもよいものである。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
インキ等の表面張力の測定は、ウィルヘルミー法(協和界面科学社製、CBVP−Z型)により測定し、インキの粘度係数は、回転粘度計(トキメック社製、TV−20L)により測定した。
【0035】
また、インキ吸蔵体に含浸せしめたインキは、下記組成のものを用いた。
▲1▼蛍光アンダーライン用インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
グリセリン 25.0重量%
防腐剤(プロキセルGXL、ICI社製) 0.7重量%
蛍光桃色トナー(NKW−3907、日本蛍光社製)30.0重量%
精製水 残 部
上記蛍光桃色トナー(NKW−3907、日本蛍光社製)に代えて、同量の蛍光黄色トナー(NKW−5005、日本蛍光社製)、または、蛍光青色トナー(NKW−2108、日本蛍光社製)、または、蛍光緑トナー(NKW−5002、日本蛍光社製)を用いて、各色(桃色、黄色、青色、緑色)の蛍光アンダーライン用インキを調製した。
この各色の蛍光アンダーライン用インキのインキ表面張力は35mN/m、インキ粘度係数は3mPa・sであった。
【0036】
▲2▼油性サインペン用インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
ベンジルアルコール 3.5重量%
アルキルフェノール樹脂 10.0重量%
SBNブルー701(保土ヶ谷化学社製) 4.0重量%
界面活性剤(サンソフトQ−182F、太陽化学社製)0.6重量%
乳酸エチル 3.0重量%
エタノール 残 部
インキ表面張力:21mN/m
インキ粘度係数:2.2mPa・s
【0037】
▲3▼水性サインペン用インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
カーボンブラック(Degussa社製、Printex25) 11.0重量%
アクリル樹脂 6.0重量%
エチレングリコール 2.76重量%
界面活性剤(サーフロンS−111、旭硝子社製) 0.1重量%
アミノメチルプロパノール 0.22重量%
防腐剤(プロキセルGXL、ICI社製) 0.7重量%
精製水 残 部
インキ表面張力:25mN/m
インキ粘度係数:3mPa・s
【0038】
▲4▼水性ボールペン用インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
C.I.Direct Black-154 4.5重量%
C.I.Direct Black-154 1.5重量%
エチレングリコール 10.0重量%
グリセリン 10.0重量%
ゲル化剤(キサンタンガム) 0.18重量%
防腐剤(プロキセルGXL、ICI社製) 0.5重量%
スチレンアクリル酸樹脂(アンモニア中和) 3.0重量%
界面活性剤(ECTD3NEX、日光ケミカルズ社製)0.2重量%
精製水 残 部
インキ表面張力:40mN/m
インキ粘度係数:5mPa・s
【0039】
▲5▼水性ボールペン用インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
C.I.Acid Blue-15 3.0重量%
C.I.Acid Red-87 1.0重量%
エチレングリコール 10.0重量%
グリセリン 10.0重量%
ゲル化剤(キサンタンガム) 0.18重量%
防腐剤(プロキセルGXL、ICI社製) 0.5重量%
スチレンアクリル酸樹脂(アンモニア中和) 3.0重量%
界面活性剤(ECTD3NEX、日光ケミカルズ社製)0.2重量%
精製水 残 部
インキ表面張力:41mN/m
インキ粘度係数:5mPa・s
【0040】
〔実施例1、アンダーライン用〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図13に準拠するツイン型アンダーライン用ペンJを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部12の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20、20
共にPET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管30、30
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の材質自体(内面、以下同様)の表面張力(25℃)31mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼中継芯25、25
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先50a
共にPET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
▲6▼インキ組成
上記▲1▼の蛍光桃色インキ1.0g、蛍光黄色インキ1.0gを夫々のインキ吸蔵体20に充填した。
【0041】
上記構成により得られたサインペンは、組立後、各桃色インキ、黄色インキがインキ誘導管30、30を通過することが視認部12、12を介して視認することができ、次いで、ペン先50a、50aに浸透していきアンダーライン用ペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20、20に含浸したインキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管30、30に桃色インキ、黄色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20からのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、12を介して上記インキ誘導管30、30を視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管30、30で終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0042】
〔実施例2、アンダーラインペン、水性ボールペン〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図14に準拠するアンダーライン、水性ボールペン用ツインペンKを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部12の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20、20
共にPET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管30、30
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の材質自体(内面、以下同様)の表面張力(25℃)31mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼中継芯26a、26b
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先50a,50b
ペン先50aは、PET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
ペン先50bは、アクリル繊維のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm、ボール径0.7mm
▲6▼インキ組成
インキ吸蔵体20aには、上記▲4▼の黒色水性ボールペン用インキ1.0g、インキ吸蔵体20bには、上記▲1▼の蛍光青色インキ1.0gを夫々充填した。
【0043】
上記構成により得られたペンは、組立後、各黒色インキ、青色インキがインキ誘導管30、30を通過することが視認部12、12を介して視認することができ、次いで、ペン先50a、50bに浸透していきアンダーライン用ペン、水性ボールペン用ペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管30、30に黒色インキ、青色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20からのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、12を介して上記インキ誘導管30、30を視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管30、30で終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0044】
〔実施例3、油性サインペン、水性サインペン〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図15に準拠する油性サインペン及び水性サインペンとなるツインペンLを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部13の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20a、20b
インキ吸蔵体20aは、アクリル製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
インキ吸蔵体20bは、PET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管40a、40b
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の内面をフッ素樹脂処理した。その内面の表面張力(25℃)20mN/m未満、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm▲4▼中継芯27a、27b
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先60a、60b
共にPET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
▲6▼インキ組成
インキ吸蔵体20aには、上記▲2▼の青色油性サインペン用インキ1.0g、インキ吸蔵体20bには、上記▲3▼の黒色水性サインペン用インキ1.0gを夫々充填した。
【0045】
上記構成により得られたペンは、組立後、各黒色インキ、青色インキがインキ誘導管40a、40bを通過することが視認部13、13を介して視認することができ、次いで、ペン先60a、60bに浸透していき油性サインペン、水性サインペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管40a、40bに黒色インキ、青色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20a、20bからのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部13、13を介して上記インキ誘導管40a、40bを視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管40a、40bで終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0046】
〔実施例4、水性サインペン(極細)、水性サインペン(細字)〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図15に準拠する水性サインペン及び水性サインペンとなるツインペンLを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部13の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20a、20b
共にPET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管40a、40b
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の内面をシリコーン処理した。その内面の表面張力(25℃)約20mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼中継芯27a、27b
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先60a、60b
極細ペン先、細字ペン先とした以外は、共にPET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
▲6▼インキ組成
インキ吸蔵体20a、20bには、共に上記▲3▼の黒色水性サインペン用インキ1.0gを夫々充填した。
【0047】
上記構成により得られたペンは、組立後、各黒色インキがインキ誘導管40a、40bを通過することが視認部13、13を介して視認することができ、次い、ペン先60a、60bに浸透していき水性サインペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管40a、40bに各黒色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20a、20bからのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部13、13を介して上記インキ誘導管40a、40bを視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管40a、40bで終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0048】
〔実施例5、油性サインペン(太字)、油性サインペン(中字)〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図15に準拠する油性サインペン及び油性サインペンとなるツインペンLを作製した。
1)軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部13の長さ10mm
2)インキ吸蔵体20a、20b
インキ吸蔵体20aは、アクリル製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
インキ吸蔵体20bは、PET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
3)インキ誘導管40a、40b
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の内面をフッ素樹脂処理した。その内面の表面張力(25℃)20mN/m未満、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
4)中継芯27a、27b
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
5)ペン先60a、60b
太字ペン先、中字ペン先とした以外は、共にPET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
6)インキ組成
インキ吸蔵体20a、20bには、共に上記(2)の青色油性サインペン用インキ1.0gを夫々充填した。
【0049】
上記構成により得られたペンは、組立後、各青色インキがインキ誘導管40a、40bを通過することが視認部13、13を介して視認することができ、次い、ペン先60a、60bに浸透していき油性サインペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管40a、40bに各青色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20a、20bからのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部13、13を介して上記インキ誘導管40a、40bを視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管40a、40bで終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0050】
〔実施例6、水性ボールペン(太字)、水性ボールペン(細字)〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図16に準拠する水性ボールペン(太字、細字)となるツインペンMを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部12、13の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20a、20b
共にPET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管30a、40a
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の内面をシリコーン処理した。その内面の表面張力(25℃)約20mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼中継芯28a、28
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先50b、60c
ペン先50bは、アクリル繊維のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm、ボール径0.3mm
ペン先60cは、アクリル繊維のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm、ボール径0.7mm
▲6▼インキ組成
インキ吸蔵体20a、20bには、共に上記▲4▼の黒色水性ボールペン用インキ1.0gを夫々充填した。
【0051】
上記構成により得られたペンは、組立後、各黒色インキがインキ誘導管30a、40aを通過することが視認部12、13を介して視認することができ、次い、ペン先50b、60cに浸透していき水性ボールペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管30a、40aに各黒色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20a、20bからのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30a、40aを視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管30a、40aで終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0052】
〔実施例7、黒色水性ボールペン、赤色水性ボールペン〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、中継芯、ペン先、インキ組成を用いた図16に準拠する黒色、赤色水性ボールペンとなるツインペンMを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部12、13の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20a、20b
共にPET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ40mm
▲3▼インキ誘導管30a、40a
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の材質自体(内面、以下同様)の表面張力(25℃)31mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼中継芯28a、28
共にPET製のスライバーから構成(気孔率70%)、直径2mm、長さ30mm、インキ誘導管30内に嵌入する長さ5mm
▲5▼ペン先50b、60c
共にアクリル繊維のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm、ボール径0.5mm
▲6▼インキ組成
インキ吸蔵体20aには、上記▲4▼の黒色水性ボールペン用インキ1.0gを、インキ吸蔵体20bには、上記▲5▼の赤色水性ボールペン用インキ1.0gを夫々充填した。
【0053】
上記構成により得られたペンは、組立後、各黒色、赤色インキがインキ誘導管30a、40aを通過することが視認部12、13を介して視認することができ、次いで、ペン先50b、60cに浸透していき水性ボールペンとしてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
各インキ吸蔵体20a、20bに含浸した各インキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管30a、40aに各黒色、赤色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20a、20bからのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30a、40aを視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管30a、40aで終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0054】
〔実施例8、アンダーライン用、サインペン用〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、ペン先、インキ組成を用いた図5に準拠するツイン型アンダーライン、サインペン用ペンBを作製した。
▲1▼軸筒10
PP製、全長100mm、各視認部12、13の長さ10mm
▲2▼インキ吸蔵体20
PET製の中綿から構成(気孔率80%)、直径7mm、長さ90mm
▲3▼インキ誘導管30、40
共にPP製、内径2mm、外径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積0.03mm2、インキ誘導管の材質自体(内面、以下同様)の表面張力(25℃)31mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ5mm
▲4▼ペン先50a、60a
アンダーライン用、サインペン用とした以外は共にPET製のスライバー芯から構成(気孔率60%)、長さ15mm
▲5▼インキ組成
上記▲1▼の蛍光緑色インキ2.0gをインキ吸蔵体20に充填した。
【0055】
上記構成により得られたペンは、組立後、各緑色インキがインキ誘導管30、40を通過することが視認部12、13を介して視認することができ、次いで、ペン先50a、60aに浸透していきアンダーライン用ペン、サインペン用としてインキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができることが判った。
インキ吸蔵体20に含浸したインキが終了するまで筆記を続けたところ、インキ誘導管30、40に緑色インキがなくなっていること、すなわち、インキ吸蔵体20からのインキ終了サインを軸筒10に形成した視認部12、13を介して上記インキ誘導管30、40を視認することにより簡単に、確実に検知することができた。
更に、インキ誘導管30、40で終了を検知した後、急激に各インキの流出量が減衰して筆記できなくなった。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具であっても、簡単な構成により、インキの終了サインを視覚により簡単に、かつ、確実に検知することができると共に、インキ流出量も直液式筆記具のようにインキ終了までほぼ一定で、良好な描線を描くことができる筆記具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図2】 (a)〜(j)はインキ誘導管30の各形態となる横断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態を示す筆記具の部分縦断面図である。
【図4】 (a)はインキ吸蔵体20の変形例を示す部分縦断面図であり、(b)は軸筒10及びインキ吸蔵体20の変形例を示す部分縦断面図であり、(c)は、軸筒10の変形例を示す部分縦断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図7】 本発明の第4実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図8】 本発明の第5実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図9】 (a)は本発明の第6実施形態を示す筆記具の部分縦断面図であり、(b)はその要部、すなわち、インキ誘導管、中継芯、インキ含浸体の接合状態を示す部分縦断面図である。
【図10】 (a)は本発明の第7実施形態を示す筆記具の部分縦断面図であり、(b)はその要部を示す部分縦断面図である。
【図11】 (a)は本発明の第8実施形態を示す筆記具の部分縦断面図であり、(b)及び(c)はその要部を示す部分縦断面図である。
【図12】 本発明の第9実施形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図13】 本発明の第1実施例に適用される筆記具の縦断面図である。
【図14】 本発明の第2実施例に適用される筆記具の縦断面図である。
【図15】 本発明の第3〜第5実施例に適用される筆記具の縦断面図である。
【図16】 本発明の第6、第7実施例に適用される筆記具の縦断面図である。
【符号の説明】
A 筆記具
10 軸筒
12、13 視認部
20 インキ吸蔵体
30、40 視認性を有するインキ誘導管
50、60 ペン先

Claims (18)

  1. 軸筒の両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを夫々のペン先に供給するツインタイプの筆記具であって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは夫々視認性を有するインキ誘導管を介して各ペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを夫々軸筒に形成した各視認部を介して上記夫々のインキと接する面又はインキ誘導管の材質自体の表面張力がインキの表面張力よりも小さいインキ誘導管を視認することにより検知することを特徴とする筆記具。
  2. 軸筒内のインキ吸蔵体が一つであることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 軸筒内が隔離され、隔離された各軸筒内には夫々インキ吸蔵体が収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具。
  4. 軸筒の両側に備える各ペン先が、フェルトペン芯、スライバー芯、ボールペン、繊維束芯、焼結芯、万年筆、毛筆から選ばれた一つであり、各ペン先が同じ機構又は異なる機構からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具。
  5. インキ吸蔵体の毛細管力の分布が、ペン先側へ向かうほど大きくなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具。
  6. 軸筒の内径がペン先側へ向かうほど狭くなる構造となることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の筆記具。
  7. 軸筒のペン先側内側にリブ体を複数軸方向に形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の筆記具。
  8. インキ吸蔵体に含浸されたインキは、中継芯を介してインキ誘導管に供給されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の筆記具。
  9. インキ誘導管と中継芯との接合部が外気に対して閉じていることを特徴とする請求項8に記載の筆記具。
  10. 中継芯により視認性を有するインキ誘導管に供給されたインキは、更にペン先中継芯を介してペン先に供給されることを特徴とする請求項8又は9に記載の筆記具。
  11. インキ誘導管、インキ吸蔵体、中継芯、ペン先、インキ誘導管と中継芯との接合部によって形成されるキャピラリーの毛細管力が、インキ誘導管と中継芯との接合部>ペン先>中継芯>インキ吸蔵体>インキ誘導管の関係にあることを特徴とする請求項8に記載の筆記具。
  12. 中継芯が、繊維束芯、樹脂粒子多孔体及びスライバー芯の何れか一つからなり、これらの中継芯が連続流路を持つことによりインキ誘導管の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管を流れるインキ流路断面積をコントロールできることを特徴とする請求項8〜11の何れか一つに記載の筆記具。
  13. インキ視認性を有するインキ誘導管の中にインキよりも表面張力が小さくインキと色の違う棒状又は管状体がインキ誘導管と平行に入れることによりインキ誘導管の見かけ断面積を維持したまま実質的にインキ誘導管を流れるインキ流路断面積をコントロールできることを特徴とする請求項1〜12の何れか一つに記載の筆記具。
  14. インキ誘導管が複数本形成されていることを特徴とする請求項1〜13の何れか一つに記載の筆記具。
  15. 軸筒の視認部の長さが1mm以上筆記具の全長以下であることを特徴とする請求項1〜14の何れか一つに記載の筆記具。
  16. インキ誘導管のインキ流路断面積が0.8〜80mm2であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載の筆記具。
  17. インキの表面張力が25℃下で18mN/m以上であることを特徴とする請求項1〜16の何れか一つに記載の筆記具。
  18. インキの粘度係数が25℃下で200mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜17の何れか一つに記載の筆記具。
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