JP4666958B2 - 筆記板用マーキングペン - Google Patents

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Description

本発明は、長期間ペン芯を下向き状態に放置しても良好な筆記性及び消去性を有する筆記板用マーキングペンに関する。
近年、筆記具の販売形態としてコンビニエンスストアや、量販店での販売が増加し、パック包装などによりペン芯を上向き又は下向きに放置して販売することが行われているが、筆記板用マーキングペンでは上記仕様にて販売すると、筆記不能や消去性の悪化などの不具合を生じることとなる。
そこで、キャップ内に繊維束及び/又は多孔性の部材を装着し、ペン先と接触させることにより、上記不具合等を解消することが行われている。例えば、キャップ内に装着する部材を発泡処理又は焼結処理したポリビニリデン或いはフッ化ポリビニリデンで構成したフェルトペン(例えば、特許文献1参照)や、ペン芯の外周面にインキの浸出を阻止する外皮部とキャップ内に装着した吸液部材とにより、ペン芯のインキとキャップ内の空気との接触を防止する構造となるマーキングペン(例えば、本願出願人による特許文献2参照)など数多く知られている。
しかしながら、筆記板用マーキングインキを用いた場合には、そのインキの特性により不具合を生じ、更に従来の仕様ではキャップの開閉を繰り返した場合にその効果を維持できないという不具合を生じてしまうものである。
すなわち、従来のアルコール系顔料インキを使用した筆記板用マーキングペンでは、使用しているインキの顔料分散レベルが低いため顔料粒子が大きいこと、低級アルコールが低比重のために顔料との比重差が大きいこと、非吸収性の筆記媒体(板・ホワイトボード等)に上向きに筆記するために、紙などのように筆記媒体がインキを吸収しないこと、更には重力に逆らって筆記しているために早書にも掠れずに良好な描線を得るにはインキ粘性を低く設計する必要があることなどに起因して、長時間のペン体の放置によりインキ中の顔料が沈降して濃度変化や筆記不良を引き起こすなどの課題がある。
そこで、現在の製品は、注意書き等によりペン体を横向きに保存することなどを明記することなどにより、その問題点を低減しているのが現状である。更に、キャップを装着し、長時間放置しておくと、キャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材が変形し、一度キャップを外した後に、再装着して長時間放置した場合には、変形により接触不良が生じて目的の機能を発揮できないという不具合が生じてしまう点にも課題がある。
実開平6−16087号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2000−280685号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、ペン芯の乾燥、顔料沈降、接触不良を解消し、長期間ペン芯を下向き状態に放置しても良好な筆記性及び消去性を有する筆記板用マーキングペンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、少なくとも顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び低級アルコールを主成分とする溶剤を含有する筆記板用マーキングインキ組成物を貯蔵するインキ貯蔵部を有する筆記具本体と、該筆記具本体の先端に装着され、上記インキ吸蔵のインキが供給されるペン芯と、該ペン芯を包囲し筆記具本体の前方で着脱自在に装着されるキャップとを備え、該キャプを筆記具本体に装着した際にペン芯先端の筆記部分がキャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材に接触する構造となる筆記板用マーキングペンにおいて、マーキングインキ組成物の粘度範囲を特定し、かつ、キャップ内に装着される繊維束及び/又は多孔性の部材を特定物性の材質から構成すると共に、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みを特定することにより、上記目的の筆記板用マーキングペンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記板用マーキングペンは、 少なくとも顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び、エチルアルコール、プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールの群から選ばれる単独又は2種以上混合される、低級アルコールを主成分とする溶剤を含有する筆記板用アルコール系顔料マーキングインキ組成物を貯蔵するインキ貯蔵部を有する筆記具本体と、該筆記具本体の先端に、中継芯に嵌着した筒状のインキ流路部材のさらに先端に嵌着され、上記インキ貯蔵部のインキが供給されるペン芯と、該ペン芯を包囲し筆記具本体の前方で着脱自在に装着されるキャップとを備え、該キャップを筆記具本体に装着した際にペン芯先端の筆記部分がキャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材に接触する構造となる筆記板用マーキングペンであって、上記マーキングインキ組成物の粘度が3〜8mPa・sであり、上記インキ貯蔵部を構成するインキ貯蔵体の気孔率>上記中継芯の気孔率>上記ペン芯の気孔率の関係にあり、上記キャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材の毛管力が上記ペン芯の毛管力よりも大きく、かつ、キャップ内に装着される繊維束及び/又は多孔性の部材がJIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下から構成されると共に、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm以上であることを特徴とする。
本発明によれば、ペン芯の乾燥、顔料沈降及び接触不良が解消され、長期間ペン芯を下向き状態に放置しても良好な筆記性及び消去性を有する筆記板用マーキングペンが提供される。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1及び図2は、本発明の筆記板用マーキングペンの実施形態の一例を示すものであり、図1はその部分縦断面図、キャップを外した状態を示す側面図である。
本実施形態の筆記板用マーキングペンAは、図1及び図2に示すように、筆記板用マーキングインキ組成物(以下、単に「インキ」という場合がある)を貯蔵するインキ貯蔵部10aを有する筆記具本体10と、該筆記具本体10の先端に装着され、上記インキ吸蔵体10aのインキが供給されるペン芯20と、該ペン芯20を包囲し筆記具本体10の前方で着脱自在に装着されるキャップ30とを備えたものであり、インキ貯蔵部10aからのインキは中継芯15、視認性を有するインキ誘導管17を介してペン芯20へ供給される構成となっている。
筆記具本体10は、先軸11と、尾栓部を一体に有する後軸12とからなるものである。
先軸11は、合成樹脂等から構成されるものであり、先端側がテーパー部を有する小径部11aと、大径部11bとが一体となったものであり、該小径部11a内にはペン先となるペン芯20を嵌着する嵌着部21を有すると共に、大径部11b内はインキ貯蔵部10aを保持する保持部材13の前部及びインキ誘導管17を収容する構造となっている。
また、先軸11は、図2に示すように、その内部を視認できるように視認性を有する樹脂からなる視認部となっている。
また、インキ貯蔵部10aは、筆記板用マーキングインキ組成物を吸蔵するインキ吸蔵体からなり、例えば、天然繊維、合成繊維などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、または、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体から構成されるものであり、筆記具本体を構成する後軸12内に収容される構造となっている。
中継芯15は、インキ貯蔵部10aと同様に繊維束、フェルト等の繊維束を加工した繊維束芯、または、硬質スポンジ、樹脂粒子焼結体等からなる樹脂粒子多孔体、スライバー芯等の連続気孔(流路)を有するものであり、インキ貯蔵部10aに含浸されたインキを該中継芯15を介して視認性を有するインキ誘導管17へ供給できるものであれば、特にその形状、構造等は限定されるものでない。
また、インキ誘導管17は、図1に示すように、視認性を有すると共に、中継芯15及びペン先となるペン芯20を嵌入する形状を有する筒状(環状)のインキ流路部材となるものであり、視認性を有する樹脂から構成されている。
キャツプ30内には、凹状の保持部31を有し、該保持部31内には、繊維束及び/又は多孔性の部材40が保持されている。この繊維束及び/又は多孔性の部材40は、キャップ30を筆記具本体10の先軸11先端外周部に嵌合により装着した際に、ペン芯20先端の筆記部分と接触する構造となっており、ペン芯20の毛管力よりも大きいものとなっている。
この繊維束及び/又は多孔性の部材40は、JIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下から構成され、かつ、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm以上となることが必要である。好ましくは、圧縮永久歪み率が0〜15%からなり、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが5〜10mmとなるものが望ましい。
この繊維束及び/又は多孔性の部材40の圧縮永久歪み率が20%を超えるものでは、ペン芯20の先端部と部材40との接触が不十分(使い初めはペン芯20の先端部と部材40が十分に接触しているが、2回目以降は接触が不十分)となり、また、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm未満であると、ペン芯の圧縮により繊維束及び/又は多孔性の部材の物性が変わってしまうことがあり、また、長期間の下向き放置で顔料の沈降や乾燥によるカスレや筆記不良が生じることとなり、好ましくない。
なお、本発明(後述実施例等を含む)における圧縮永久歪み率は、JIS K 6262−1997で規定する方法(試験片形状:大型試験片、試験温度100±1℃、試験時間168時間、試験片を圧縮する割合25%)に準拠して測定した値をいう。
用いる繊維束及び/又は多孔性の部材40としては、上記各特性(圧縮永久歪み率、軸方向への厚み、以下同様)を有するものであれば、特に限定されず、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体から構成したもの、並びに、これらの繊維束と多孔体とを組み合わせたもの、例えば、2層構造等が挙げられる。
好ましくは、上記各特性と共に、成形性、耐溶剤性、弾性の点から、羊毛、ナイロン、ポリエチレンテレタレート、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレンからなる繊維束及び/又は多孔性の部材が望ましい。
本発明において、圧縮永久歪み率が20%以下の繊維束及び/又は多孔性の部材とするためには、例えば、繊維束で構成する場合は、繊維種、デニール、接着剤、織物方法、気孔率等を好適に組み合わせて製造でき、また、多孔性の部材で構成する場合は、焼結体、発泡体などが使用でき、樹脂種、粒子種又はゴム種、平均粒子径、接着剤、成形温度、発泡条件等を好適に組み合わせて製造することができる。
本発明に用いる筆記板用マーキングインキ組成物としては、少なくとも顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び低級アルコールを主成分とする溶剤を含有するものが挙げられ、その粘度は3〜8mPa・sとなることが必要である。
顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩顔料、チオインジゴ顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等の有機顔料及びカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料が挙げられ、更に、表面を樹脂コーティングで加工した加工顔料、例えば、マイクロリスAタイプ各種、ASブラック、ASブルー、IKレッド等も使用することができる。その顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して、好ましくは、1〜20重量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、2〜15%が望ましい。また、上記顔料と共に、油溶性染料、スピリットソルブル染料等のソルベント染料、ロイコ染料などの染料を併用することもできる。
この顔料の含有量が1%未満であると、描線濃度が不十分となり、一方、20%を超えると、筆記性が悪くなったり、消去性が悪くなったりし、好ましくない。
また、用いる樹脂は、溶剤に可溶な樹脂であり、被膜形成剤、被塗布面への付着剤、インキの粘度調整剤、更に、顔料の分散剤として使用する充分ものであり、従来より使用されている各種の天然樹脂、合成樹脂が使用でき、例えば、ロジン、エステルガム、マレイン酸変成ロジン、フェノール変成ロジン等のロジン系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のビニル系樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、アルデヒドと尿素の縮合物、マレイン酸樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することが可能であり、その含有量は、インキ組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜30%、更に好ましくは、1〜20%が望ましい。
用いる溶剤としては、例えば、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル等の低級アルコール(変性、無変性含む)を主成分(溶剤中50重量%以上、好ましくは70重量%以上)とするものであれば、特に限定されるものではない。その他に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の低級脂肪族ケトンや、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸の低級アルコールエステルや、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素やグリコールのアルキルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル等が挙げられる。
これらの特性を有する溶剤は、夫々単独で又は2種以上混合して使用することが可能であり、その含有量は、インキ組成物全量に対して、好ましくは、50〜90%、更に好ましくは、70〜85%が望ましい。
用いる消去性を付与する剥離剤としては、筆記板用マーキングインキに用いるものであれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、初期の消去性、経時的な消去性等の点から、イソオクタン酸セチル、ビス(2−エチルへキシル)セバケート、ミリスチン酸イソセチル、ジブチルセバケート、ビス(2−エチルへキシル)アジペートが望ましい。
これらは単独で又は2種以上混合して使用することができる。これらの剥離剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、4〜20%、好ましくは、5〜16%、更に好ましくは、6〜14%とすることが望ましい。
更に、本発明に用いるマーキングインキ組成物には、上記各成分の他、例えば、アニオン系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤、リン酸エステルなどの可塑剤、無機塩類、乾燥防止剤、防錆剤、防黴剤などを適宜必要に応じて含有することができる。
本発明に用いるマーキングインキ組成物は、少なくとも上述の顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び低級アルコールを主成分とする溶剤を含有するであるが、その粘度は3〜8mPa・sに設定されることが必要である。
この粘度が3mPa・s未満であると、インキの直流を起こしたり、滲んだ描線となり、更には、描線乾燥性も低下することとなり、一方、8mPa・sを超えると、描線がかすれたりして、好ましくない。
上記粘度範囲とするためには、用いる顔料の含有量、溶剤、分散剤の種類及びその含有量、剥離剤量などを好適に組み合わせて、調製することにより行うことができる。
なお、本発明(後述実施例等を含む)における粘度は、温度25℃において、E型粘度計により測定した値をいう。
このように構成される本発明となる筆記板用マーキングペンAでは、少なくとも顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び低級アルコールを主成分とする溶剤を含有するアルコール系顔料インキを使用した場合であっても、ペン芯(ペン先)の乾燥、顔料沈降及び接触不良が解消され、長期間ペン芯を下向き状態に放置しても優れた筆記性及び消去性を有するものとなる。これは、筆記性、消去性に悪影響を与えるマーキングインキ組成物の粘度を3〜8mPa・sとし、かつ、キャップ内に装着される繊維束及び/又は多孔性の部材をJIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下の材質とすると共に、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm以上に設定することにより、ペン先のインキの揮発を抑えたり、沈降物を吸収したりして、上記本発明の効果が発揮することとなる。
なお、本発明の筆記板用マーキングペンAは、図1に示すように、インキ貯蔵体10aに含浸されたインキは中継芯15を介して視認性を有するインキ誘導管17内をとおりペン先となるペン芯20に供給される構造であるので、筆記によりインキ貯蔵体10aに含浸されたインキが減少して終了する場合には、視認性を有するインキ誘導管17内のインキの通過が無くなることにより判るものとなる。すなわち、本実施形態では、インキ貯蔵体10aからのインキ終了サインを視認部となる先軸11を介してインキ誘導管17を視認することにより検知することができるものとなる。従って、ぺン先となるペン芯20でのインキのカスレがペン芯20での乾燥によるものか、または、インキの消費による本来の終了によるのかを視覚により明確に、かつ簡単に判断することができるものとなる。
本発明は、上述のように構成されるものであるが、用いるマーキングインキ組成物の粘度、キャップ内には装着される繊維束及び/又は多孔性の部材の物性及びその部材の軸方向への厚みが本発明の範囲となるものであれば、これ以外の筆記具本体、ペン芯の構造等は特に限定されるものではない。
例えば、図3(a)〜(c)に示すように、従来と同様に視認性を有しない筆記板用マーキングペンBとしてもよいものである。すなわち、用いるマーキングインキ組成物の粘度を3〜8mPa・sとし、かつ、キャップ30内に装着される繊維束及び/又は多孔性の部材40をJIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下から構成すると共に、キャップ30を装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm以上に設定されるものであればよいものである。なお、上記実施形態Aと同様の構成は、同一の図示符号を表示してその説明を省略する。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜7及び比較例1〜7〕
下記に示す各配合組成及び各粘度の筆記板用マーキングインキ組成物A〜D(配合単位重量%)を調製した。
また、マーキングペンは、下記構成となる図1及び図2に準拠するマーキングペンを使用し、キャップ内には装着される繊維束及び/又は多孔性の部材は、下記各構成のものを用いた。
得られたマーキングペンに下記筆記板用マーキングインキ組成物A〜D(各4ml)を充填し、また、キャップ内には各構成の繊維束及び/又は多孔性の部材を装着して、下記各評価方法により、下向き放置(2週間)、再装着後下向き放置(2週間)の濃度変化、筆記性、消去性について評価した。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
(インキA:黒色)
顔料:カーボンブラック 5
樹脂:ポリビニルブチラール(BL−1、積水化学工業社製) 5
剥離剤:イソオクタン酸セチル(CIO、日光ケミカルズ社製) 10
可塑剤:リン酸エステル混合物(RB410、東邦化学工業社製) 2
溶剤:無変性エタノール 78
粘度値:6.0mPa・s
(インキB:青色)
顔料:インダンスレンブルー 5
樹脂:ポリビニルブチラール(BL−1、積水化学工業社製) 4
剥離剤:ミリスチン酸2−ヘキシルデシル
(ICM−R、日光ケミカルズ社製) 10
可塑剤:リン酸エステル混合物(ML220、東邦化学工業社製) 2
溶剤:無変性エタノール 79
粘度値:5.5mPa・s
(インキC:赤色)
顔料:ピグメントC.I.112 4
樹脂:ポリビニルブチラール(BL−1、積水化学工業社製) 3
剥離剤:ミリスチン酸2−ヘキシルデシル
(ICM−R、日光ケミカルズ社製) 10
可塑剤:リン酸エステル混合物(RS710、東邦化学工業社製) 1
溶剤:無変性エタノール 82
粘度値:5.5mPa・s
(インキD:緑色)
顔料:フタロシアニングリーン 4
樹脂:ポリビニルブチラール(BL−1、積水化学工業社製) 3
剥離剤:ビス(2−エチルへキシル)セバケート
(DOS、大八化学工業社製) 8
可塑剤:リン酸エステル混合物(RS−610、東邦化学工業社製) 1
溶剤:無変性エタノール 84
粘度値:5.5mPa・s
(マーキングペンの構成)
(1)先軸11、後軸12
先軸11は、ポリプロピレン製(透明:全光線透過率約85%)、全長36mm
後軸12は、ポリプロピレン製(着色、非視認性)、全長90mm
(2)インキ貯蔵体10a
ポリエチレンテレフタレート(PET)製の中綿から構成(気孔率80%)、直径12mm、長さ65mm
(3)中継芯15
PET製から構成(気孔率60%)、直径2.9mm、長さ22.5mm、後端部分がインキ貯蔵体10aに嵌入する長さ9.5mm
(4)インキ誘導管17
長さ36mm、直径6mm、ポリプロピレン製(透明:全光線透過率約85%)
(5)ペン芯(ペン先)
アクリル繊維のスライバー芯から構成(気孔率55%)、長さ15mm
(6)キャップ
ポリプロピレン製、全長32mm
(使用したキャップ内に装着する繊維束及び/又は多孔性の部材)
PET製の繊維束からなる部材(実施例1,2及び比較例1,4)
3デニールのPET(ポリエチレンテレフタレート)の繊維をフェルト様加工し、繊維本数と接着剤量により各圧縮永久歪み(10%、15%、30%)、各厚さ(2mm、5mm)の繊維束部材(6.0×8.0mm)を作製した。
ポリウレタン製の多孔性部材(実施例3〜7及び比較例2、5〜7)
発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤等を混合し、樹脂化させながら発泡せしめてなる各圧縮永久歪み(10%、15%、30%)、厚さ(5mm)の多孔性部材(6.0×8.0mm)を作製した。
〔下向き放置、再装着後下向き放置の濃度変化、筆記性、消去性の評価方法〕
得られたキャップをして各マーキングペンを下向きに2週間放置した後、下記評価基準等により、濃度変化、筆記性、消去性について評価した。
また、得られたキャップをして各マーキングペンを下向きに2週間放置し、下記評価基準等により評価した後、キャップを再装着し、更に下向きに2週間放置後、下記評価基準等により評価した後、際濃度変化、筆記性、消去性について評価した。
(濃度変化の評価基準)
筆記描線を目視で確認し、下記基準で評価した。
○:初期とほとんど変化なし。
△:濃度変化若干あり。
×:濃度変化が大きい。
(筆記性の評価基準)
筆記描線を目視で確認し、下記基準で評価した。
○:良好。
△:若干カスレあり。
×:カスレまたは筆記不良。
(消去性の評価基準)
ホーロー製のボードに螺旋書きし、イレイザー(RA−22、コクヨ社製)にてすばや消去し、下記基準で評価した。
○:良好。
△:消えにくい。
×:汚れ発生。
Figure 0004666958
Figure 0004666958
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜7は、本発明の範囲外となる比較例1〜7に較べて、下向き放置(2週間)、再装着後下向き放置(2週間)した場合であっても濃度変化がなく、筆記性及び消去性に優れていることが判明した。
本発明の筆記板用マーキングペンの実施形態の一例を示す部分縦断面図である。 図1において、キャップを外した状態を示す側面図である。 (a)〜(c)は、本発明の筆記板用マーキングペンの実施形態の他例を示すものであり、(a)はその部分縦断面図、(b)キャップを装着した状態を示す側面図、(c)はキャップを取り外して筆記できる状態を示す側面図である。
符号の説明
10 筆記板用マーキングペン
20 ペン芯
30 キャップ
40 繊維束及び/又は多孔性の部材

Claims (1)

  1. 少なくとも顔料、樹脂、消去性を付与する剥離剤及び、エチルアルコール、プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールの群から選ばれる単独又は2種以上混合される、低級アルコールを主成分とする溶剤を含有する筆記板用アルコール系顔料マーキングインキ組成物を貯蔵するインキ貯蔵部を有する筆記具本体と、該筆記具本体の先端に、中継芯に嵌着した筒状のインキ流路部材のさらに先端に嵌着され、上記インキ貯蔵部のインキが供給されるペン芯と、該ペン芯を包囲し筆記具本体の前方で着脱自在に装着されるキャップとを備え、該キャップを筆記具本体に装着した際にペン芯先端の筆記部分がキャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材に接触する構造となる筆記板用マーキングペンであって、上記マーキングインキ組成物の粘度が3〜8mPa・sであり、上記インキ貯蔵部を構成するインキ貯蔵体の気孔率>上記中継芯の気孔率>上記ペン芯の気孔率の関係にあり、上記キャップ内に装着した繊維束及び/又は多孔性の部材の毛管力が上記ペン芯の毛管力よりも大きく、かつ、キャップ内に装着される繊維束及び/又は多孔性の部材がJIS K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下から構成されると共に、キャップを装着した際に圧縮される繊維束及び/又は多孔性の部材の軸方向への厚みが3mm以上であることを特徴とする筆記板用マーキングペン。
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