JP2002240479A - 容積変形層を有する裁断加工物及びその裁断加工方法 - Google Patents

容積変形層を有する裁断加工物及びその裁断加工方法

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JP2002240479A
JP2002240479A JP2001038847A JP2001038847A JP2002240479A JP 2002240479 A JP2002240479 A JP 2002240479A JP 2001038847 A JP2001038847 A JP 2001038847A JP 2001038847 A JP2001038847 A JP 2001038847A JP 2002240479 A JP2002240479 A JP 2002240479A
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Hiroshi Fujimori
比呂志 藤森
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に裁断加工ができ、歪みやくびれのない
優れた裁断加工面を有し、また筆記具、印章製品等の細
かい自動組み込みパーツとして良好に使用できる容積変
形層を有する裁断加工物及びその裁断加工法を提供する
こと。 【解決手段】本発明の容積変形層を有する裁断加工物
は、厚み方向に収縮変形する平板構造体であって、少な
くとも1層がスプリング硬度Hs95以下の容積変形層
からなる構造体をレーザー照射により裁断成形してなる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容積変形を起こす
変形層を有した平板構造体を裁断加工してなる裁断加工
物及びその裁断加工方法に関するものであり、より詳細
には、サインペン、ボールペン等の筆記具の一時インキ
貯溜体、またはインキ浸透印判、スタンプ台、朱肉台等
の印章製品のインキ吸蔵体或いはインキ吸蔵層、更には
インキジェット等のOA商品の吸収体パーツとして使用
することのできる裁断加工物及びその裁断加工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、容積変形を起こす層を含む平板構
造体としては、内部に潰れが生じるような多孔質スポン
ジ、或いはゴム材等の弾性変形層等を挙げることができ
る。このような平板構造体は、種々の小物裁断加工がな
されて、筆記具、印章製品等の文房具に限らず、その他
の分野で広く用いられている。例えば、筆記具にあって
は、多孔質スポンジ層からなる連続気泡体を小径な円筒
状の裁断加工物として、これを筆記具内に装填して一時
インキ貯溜体としている。また、印章にあっては、連続
気泡体で構成される平板ゴム材を打ち抜いて、これを印
材層部或いはインキ吸蔵層として用い、朱肉台レスのイ
ンキ浸透印判に使用している。更に、スタンプ台或いは
朱肉台のインキ吸蔵体にも多孔質スポンジが使用されて
いる。
【0003】ところで、容積変形層を含むこのような平
板構造体を裁断加工する際、従来、以下の2つの裁断方
法がなされている。 ビク刃、糸、水(水圧)等により裁断する方法。 超音波等により裁断する方法。 上記裁断方法では、何れも裁断時に容積変化を起こす多
孔質スポンジに加重又は圧力がかかり、圧縮した状態で
の裁断となる。このため、多孔質スポンジにある程度の
厚みがあると、その裁断面を凹凸なく真直ぐに、かつ正
確に裁断することができなくなる。ビク刃による裁断方
法では図3に示すように、裁断加工物70の裁断面72
は「縊れ」の状態となってしまう。また、超音波による
裁断方法では図4に示すように、ある程度可塑性の変形
が見られ、圧縮変形歪の大きな多孔質スポンジや3次元
架橋構造を有する構造体74に弾性変形領域を超えた加
重がかかる裁断状態では、その裁断面76のショルダー
部分78に永久歪が顕著に生じる。
【0004】このような「縊れ」や永久歪のある裁断加
工物は、従来からパーツ部材としての取り扱いが悪く、
例えば、筆記具の一時インキ貯溜体に用いた場合、その
本体への挿入操作や作業の自動化の障害となっている。
製品としての機能も一定せず、製品に悪影響を与えてい
る。また、インキ浸透印判等に用いるインキ吸蔵体或い
はインキ吸蔵層にあっても同様な不具合が生じる。更に
スタンプ台にあっては枠への嵌め込み、その他の操作に
支障を来たし、製品の外観も悪くする。また、このよう
な裁断加工物の不具合を回避するために、抜き刃を回転
させながら抜く方法がある。しかし、このような方法は
刃の摩耗が早い上、生産効率も悪くなるため、コストが
高くなる。また、印章及び筆記具のパーツとして円柱状
或いは円板状に裁断加工する場合は問題がないが、この
ような裁断加工方法は円柱状或いは円板状以外の三角
柱、矩形柱、多角柱等の形状に対応できないという不都
合がある。更に、裁断する形状が複雑である場合、上記
裁断方法では、鋭角部分が綺麗に裁断できないなどの問
題や、各形状に対して、個々に抜き刃型を作成しなけれ
ばならない問題がある。このことは少量多品種が要求さ
れる裁断加工物に関しては、時間とコスト面で非常に不
利のものになってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
容積変形層を有する裁断加工物、及びその裁断加工方法
の欠点を解決することであり、安価に裁断加工ができ、
歪みや縊れのない優れた裁断加工面を有し、また筆記
具、印章製品等の細かい自動組み込みパーツとして良好
に使用できる容積変形層を有する裁断加工物及びその裁
断加工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究を行った結果、従来、合成ゴム、
天然ゴム等をカッター裁断していたが、硫黄や過酸化物
により三次元架橋構造をとる加硫系多孔質スポンジ、連
続気泡構造体等の厚み方向に収縮変形する層、例えば、
スプリング硬度Hs95(Eスケール)以下の容積変形
層を有する平板構造体が正確且つ綺麗にカッター裁断さ
れないこと、及びこのように加工した裁断加工パーツの
使用に支障がでること、これに対して、上記構造体等が
通常の硬質ゴム等に比べて意外にレーザー光を簡単に通
過させ、レーザー照射による裁断が意外に正確且つ安価
にできること、その裁断面が照射熱により正確且つ凹凸
のない均一面になること、及び平板構造体に繊維層が含
まれた場合に裁断周縁部が熱溶融されて繊維層にほつれ
等が見られないこと、及びこれによりこのような裁断方
法による小物裁断加工物が、筆記具や印章等の一時イン
キ貯溜体、インキ吸蔵材、印材等の小物液体吸収パーツ
としてライン組立の際に好適に使用できることを見いだ
し、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】即ち、本発明は、以下の(1)乃至(7)
に記載し変形層を有する裁断加工物、及びその裁断加工
方法を提供することにより、上記課題を解決したもので
ある。 (1) 厚み方向に収縮変形する平板構造体であって、
少なくとも1層がスプリング硬度Hs95以下の容積変
形層からなる構造体を、レーザー照射により裁断成形し
てなることを特徴とする容積変形層を有する裁断加工
物。
【0008】(2) 上記容積変形層は、圧縮永久歪が
5%以上の連続気泡構造を有する多孔質スポンジである
ことを特徴とする上記(1)記載の裁断加工物。 (3) 上記平板構造体は、一部又は全部が熱可塑性樹
脂からなる布又は不織布からなる繊維層を有しているこ
とを特徴とする上記(1)又は(2)記載の裁断加工
物。 (4) 上記平板構造体を柱状に裁断してインキ浸透印
判の印材層若しくはインキ吸蔵層、或いは筆記具の一時
インキ貯溜体に加工したことを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の裁断加工物。 (5) 上記平板構造体を矩形板或いは円形板に裁断し
てスタンプ台或いは朱肉台のインキ吸蔵体に加工したこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
裁断加工物。
【0009】(6) 上記(1)記載の厚み方向に収縮
変形する平板構造体を、厚み方向からのレーザー照射に
より所定形状に裁断成形することを特徴とする裁断加工
方法。 (7) 上記(3)記載の厚み方向に収縮変形する平板
構造体を、上記繊維層が形成される側の厚み方向からレ
ーザー照射により所定形状に裁断成形することを特徴と
する裁断加工方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら詳しく説明する。尚、本発明に係る変
形層を有する裁断加工及びその裁断加工方法は以下の実
施の形態及び実施例に限るものではない。図1は、本発
明に係る変形層を有する裁断加工物及び裁断加工方法に
用いられるレーザー照射装置の照射ヘッドの概略図であ
る。図2は、本発明に係る変形層を有する裁断加工物及
び裁断加工方法における裁断面を示す概略斜視図であ
る。図3は、従来の裁断加工方法による裁断加工物の裁
断面の概略斜視図である。図4は、従来の裁断加工方法
による裁断加工物の裁断面の概略図である。
【0011】本発明に係る変形層を有する裁断加工物
は、厚み方向に圧力の負荷によって収縮変形する平板構
造体であって、少なくとも1層がスプリング硬度Hs9
5以下の容積変形層からなる構造体をレーザー照射によ
り裁断成形してなる。上記平板構造体4は図2示すよう
に、厚み方向に圧力の負荷によって収縮変形する容積変
形層6を2層具えている。上記容積変形層6が2層でも
良く、図示しないが上記容積変形層6が1層又は3層以
上であっても良い。更に、上記平板構造体4は後述する
布或いは不織布からなる繊維層8のように、上記容積変
形層以外のレーザー光により裁断可能な層を有していて
も良い。また、上記容積変形層6は通常、弾性変形層で
あるが必ずしも弾性変形層である必要はなく、可塑性変
形層であっても良い。
【0012】上記容積変形層6は、Eスケールにおける
スプリング硬度Hs95以下であることが好ましい。上
記容積変形層6のスプリング硬度HsがEスケールで9
5を超えるものであれば、レーザー照射によって裁断を
する必要がなく、カッター裁断で十分に対応することが
できる。しかし、上記容積変形層6のスプリング硬度H
sがEスケールで95Hs以下である場合、カッター裁
断では、塑性変形してしまうため、本発明によるレーザ
ー光での裁断が好ましい。
【0013】またこのような容積変形層6の厚みは、1
mm以上の範囲、特に2mm以上の範囲であることが望
ましい。上記容積変形層の厚みが1mm未満であれば、
上記容積変形層が多少の変形を起こしても、カッター裁
断で裁断が十分にできる。
【0014】上記容積変形層6として具体的には、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム
(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、イソプレ
ンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等、硫黄や
過酸化物により三次元架橋構造をとる加硫系多孔質スポ
ンジや、ウレタン(UR)、α−オレフィン(EB
R)、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリエチレン
(PE)、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を主体として多
孔質スポンジ等が挙げられる。これらのゴム弾性を有す
る多孔質スポンジ等の層は、カッター裁断時に圧力がか
かると、収縮状態になり、裁断後、その圧力開放時に初
期状態に戻るがその裁断面は、通常、図3に示す中縊れ
の状態になるものである。
【0015】また上記容積変形層6は、圧縮永久歪が5
%以上、特に20%以上の連続気泡構造を有する液体吸
収性の多孔質スポンジであることが好ましい。上記圧縮
永久歪は、以下の式で定義される。 式 圧縮永久歪(%)=(1−[緩和後の厚み]/[初期厚み])×100 ここで、初期厚みは常態時の上記容積変形層の厚みであ
り、緩和後の厚みは圧縮試験における緩和時の上記容積
変形層の厚みである。圧縮試験とは試験片(30×30
mm 厚み 10mm)に圧縮速度1.0mm/分で9
0kgまで加重をかけた後、即座に加重を取り除き24
時間緩和させ、この緩和時の試験片の厚みを測定するも
のである。
【0016】上記圧縮歪が5%以上の多孔質スポンジと
しては、具体的にポリエチレン焼結多孔質スポンジ、ポ
リビニルホルマール等が挙げられる。このように圧縮変
形歪の大きな多孔質スポンジは、裁断時に圧力が加わる
と、その部分が簡単に永久変形してしまい、図4に示す
ように裁断面76のショルダー部分78が垂れた状態に
なる。このような半永久的な可塑変形は裁断加工物とし
たときに液吸収能に悪影響を与えるので好ましくない。
【0017】上記平板構造体は、一部又は全部が熱可塑
性樹脂からなる布又は不織布の繊維層であることが好ま
しい。上述した上記繊維層8は上記多孔質スポンジ層6
と共に、レーザー照射によって裁断され、その裁断周縁
部10には熱溶融される。このため、繊維層8は繊維が
毛羽立ってほつれが生じ難くなり、その取り扱いが容易
となる。
【0018】上記繊維材層8としては具体的に、ポリエ
ステル、ナイロン、アセテート、オレフィン系樹脂等の
熱可塑性樹脂繊維を挙げることができる。上記繊維層8
にこれらの熱可塑性樹脂繊維が100%含まれる必要は
なく、少なくとも30質量%以上、特に60重量%以上
含まれていれば良い。従って、繊維としては、ポリエス
テル/綿などの混合繊維、例えば、綿、絹、麻、羊毛等
の天然繊維を一部に含有していても良い。但し、繊維層
8の熱可塑性樹脂繊維の含量が30質量%未満となる
と、上記裁断時の溶融効果が十分でなく、布或いは不織
布に毛羽立ちが生じる虞がある。
【0019】本発明に係る裁断加工物は上記平板構造体
をレーザー照射により裁断されて成るものである。上記
構造体がレーザー照射により容易に裁断されるには、上
記平板構造体の多孔質性或いは材料の溶融特性にもよる
が、上記平板構造体の厚みは1mm乃至30mmの範囲
にあることが望ましい。上記平板構造体の厚みが1mm
未満であれば、その厚みに多少の変形があってもカッタ
ー等で裁断できる。一方、上記平板構造体の厚みが30
mm超えると、レーザー光の焦点が平板構造体の上下で
ずれるため、裁断加工物の寸法精度が悪くなり、裁断面
が傾斜するといった不具合がある。
【0020】本発明に係る裁断加工物は、上記平板構造
体を柱状に裁断して浸透型印章の印材層若しくはインキ
吸蔵層、或いは筆記具の一時インキ貯溜体に加工したも
のとすることができる。このような裁断加工物は、上記
平板構造体を柱状に裁断して加工されるが、その裁断形
状は通常、円柱状であるが、角部を滑らかなアールにし
た角柱状等であっても良い。また、これらは通常、その
径が40mm以下と小さい小物とされる。このような裁
断加工物は、その裁断部が正確で、凹凸等ができない裁
断面となるため、筆記用具の一時インキ貯溜体として組
み込むことができる。しかも、ライン工程におけるパー
ツの形状不良による問題が少ないため、その製品に支障
なく使用することができる。このような正確な寸法形状
を有する裁断加工物は更に、インキの浸透型印章のイン
キ吸蔵層及び印材層として組み込むこともでき、その製
品製造の効率を高めている。また、本発明に係る裁断加
工物をバーツとする製品にあっては、上記多孔質スポン
ジに極めて高いインキ吸収或いは吸蔵能力があるものを
選択することができるため、その製品機能を十分に高め
ることができる。
【0021】更に本発明に係る裁断加工物は、上記平板
構造体を矩形板或いは円形板に裁断してスタンプ台或い
は朱肉台のインキ吸蔵体に加工することができる。この
場合においても、本発明に係る裁断加工物は正確な裁断
がなされているため、スタンプ台の枠等に簡単にはめ込
むことができる。
【0022】次に、本発明に係る容積変形層を有する裁
断加工物の裁断加工方法について説明する。本発明に係
る裁断加工方法は、厚み方向に圧力の負荷によって収縮
変形する平板構造体であって、少なくとも1層がスプリ
ング硬度Hs95以下の容積変形層からなる構造体をレ
ーザー照射により所定形状に裁断成形するものである。
上記容積変形層を圧縮永久歪5%以上の多孔質スポンジ
としても良く、また、上記多孔質スポンジに布又は不織
布を重ね、或いは接着して一体形成した後、上記平板構
造体をレーザー照射により所定形状に裁断成形するもの
であっても良い。
【0023】本発明に係る裁断加工方法に用いられるレ
ーザー照射装置は、被裁断物である上記平板構造体に合
わせて選択され、図1に示すレーザー照射ヘッドは、裁
断形状に合わせて可動されるものである。しかし、本発
明に係る裁断加工方法では、レーザー照射ヘッド12を
固定して被裁断物である上記平板構造体14を裁断形状
に合わせて移動させても良い。上記レーザー照射装置と
しては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、炭酸
ガス、窒素ガス等の気体レーザー、ルビー、YAG、ガ
ラス等が挙げられる。また、レーザー照射出力は上記平
板構造体の材料、多孔質状態、厚さ等により適宜選択し
て使用することができる。レーザー照射ヘッド12のレ
ーザー照射ビーム16は集光レンズにより、上記平板構
造体14上に焦点18が定められ、焦点18はレーザー
照射ヘッド12の動きに合わせて上記平板構造体14面
上を移動し、上記平板構造体14の裁断を行う。
【0024】また、レーザー照射装置による裁断に際し
て、レーザー照射は上記平板構造体14を水平に載置し
たときにはその上下のどちらの方向からも照射すること
ができる。尚、上記平板構造体が布或いは不織布などの
繊維層を有している場合にはその繊維層が配された側か
らのレーザー照射が好ましい。このようなレーザー照射
にあっては確実に繊維層の裁断周縁部の溶融ができ、繊
維層におけるほつれを抑制することができる。更に、上
記平板構造体の裁断形状によってはレーザー照射角が必
ず直角である必要はなく、レーザー照射角を調節して任
意の裁断形状にすることができる。
【0025】以上の如く、本発明に係る容積変形層を有
する裁断加工物及びその裁断加工方法では、レーザー照
射による裁断であるため、その被裁断加工物である上記
平板構造体が圧縮を受けながら裁断されることがない。
このため、裁断加工物の裁断面には凹凸等のくびれ等が
生じることはない。また、裁断時に圧力を受ける裁断面
のショルダー部(又は裁断部の周縁面)を変形させるこ
とはない。更に、上記平板構造体が熱可塑性樹脂材から
なる繊維層を有する場合は、レーザー照射の熱により、
その繊維層の裁断周縁部が一部溶融するため、ほつれな
どが抑制される。
【0026】本発明に係る裁断加工方法による裁断加工
物は比較的小物として正確且つ安価に裁断でき、また裁
断面を均一にすることができる。このため、このような
裁断方法による小物裁断加工物は、筆記具や印章等の一
時インキ貯溜体、インキ吸蔵材、印材等の小物液体吸収
パーツとしてライン組立の際に好適に使用できる。
【0027】
【実施例】以下に実施例により、本発明に係る容積変形
層を有する裁断加工物及びその裁断加工方法を更に具体
的に説明する。尚、本発明に係る裁断加工物及びその裁
断加工方法は以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】先ず、以下に示す平板構造体の実施及び比
較サンプル1〜6を製造した。 (サンプル1)平板構造体は以下の繊維層、容積変化層
1、容積変化層2からなる。 繊維層 (布:ポリエステル繊維布) 容積変化層1 (ウレタン多孔質スポンジ:硬度が1以
下、圧縮永久歪が0.4%、厚みが4mm) 容積変化層2 (ポリエチレン焼結多孔質スポンジ:硬
度が87、圧縮永久歪みが25%、厚みが4mm)
【0029】(サンプル2)平板構造体は以下の容積変
化層1、容積変化層2からなる。 容積変化層1 (アクリルニトリル・ブタジエン(NB
R)スポンジ:硬度が24、圧縮永久歪が1.0%、厚
みが5mm) 容積変化層2 (ポリビニールホルマールA:硬度が8
0、圧縮永久歪みが20%、厚みが4mm)
【0030】(サンプル3)平板構造体は以下の繊維
層、容積変化層1、容積変化層2からなる。 繊維層 (布:ポリエステル繊維布) 容積変化層1 (天然ゴム(NR)スポンジ:硬度が1
以下、圧縮永久歪が0.8%、厚みが4mm) 容積変化層2 (ポリエチレン焼結多孔質スポンジ:硬
度が87、圧縮永久歪みが25%、厚みが4mm)
【0031】(サンプル4)平板構造体は以下の繊維
層、容積変化層1、容積変化層2からなる。 繊維層 (布:ポリエステル/綿(65/35)混紡
布) 容積変化層1 (ウレタン多孔質スポンジ:硬度が1以
下、圧縮永久歪が0.4%、厚みが4mm) 容積変化層2 (ポリビニルホルマールA:硬度が8
0、圧縮永久歪みが20%、厚みが4mm)
【0032】(サンプル5)平板構造体は以下の繊維
層、容積変化層1、容積変化層2からなる。 繊維層 (布:ポリエステル繊維布) 容積変化層1 (ウレタン多孔質スポンジ:硬度が1以
下、圧縮永久歪が0.4%、厚みが4mm) 容積変化層2 (ポリビニルホルマールB:硬度が7
5、圧縮永久歪みが32%、厚みが4mm)
【0033】(サンプル6)平板構造体は以下の繊維
層、容積変化層1、容積変化層2からなる。 繊維層 (布:綿布) 容積変化層1 (ウレタン多孔質スポンジ:硬度が1以
下、圧縮永久歪が0.4%、厚みが4mm) 容積変化層2 (ポリビニルホルマールA:硬度が8
0、圧縮永久歪みが20%、厚みが4mm)
【0034】以上の平板構造体の各サンプルを以下に示
す裁断加工法により円形(径が12mm)に裁断し、実
施例1〜6及び比較例1〜10の裁断加工物を得た。そ
して、各裁断加工物の裁断面の観察を行い、裁断面の変
形の有無、繊維層である布外周部のほつれの有無を評価
した。その結果を表1に示した。尚、表1において、裁
断面の変形の有無は、○が変形なし、△が僅かに変形、
×が明らかに変形あり、であり裁断面に定規を当てて、
「中縊れ」による変形の有無を評価すると共に、裁断面
ショルダー部分が永久変形を起こしていないかを調べ
た。また、布外周部のほつれの有無は、○がほつれな
し、×がほつれあり、であり布外周の同一箇所を指先で
5回引き掻き、ほつれの発生の有無を調べた。
【0035】(実施例1)上記サンプル1の平板構造体
を炭酸ガスレーザー照射装置にて裁断して裁断加工物1
を得た。 (実施例2)上記サンプル2の平板構造体を炭酸ガスレ
ーザー照射装置にて裁断して裁断加工物2を得た。 (実施例3)上記サンプル3の平板構造体を炭酸ガスレ
ーザー照射装置にて裁断して裁断加工物3を得た。 (実施例4)上記サンプル4の平板構造体を炭酸ガスレ
ーザー照射装置にて裁断して裁断加工物4を得た。 (実施例5)上記サンプル5の平板構造体を炭酸ガスレ
ーザー照射装置にて裁断して裁断加工物5を得た。
【0036】(比較例1)上記サンプル1の平板構造体
をビク刃にて打ち抜き裁断して裁断加工物Aを得た。 (比較例2)上記サンプル1の平板構造体を超音波装置
にて裁断して裁断加工物aを得た。 (比較例3)上記サンプル2の平板構造体をビク刃にて
打ち抜き裁断して裁断加工物Bを得た。 (比較例4)上記サンプル2の平板構造体を超音波装置
にて裁断して裁断加工物bを得た。
【0037】(比較例5)上記サンプル3の平板構造体
をビク刃にて打ち抜き裁断して裁断加工物Cを得た。 (比較例6)上記サンプル3の平板構造体を超音波装置
にて裁断して裁断加工物cを得た。 (比較例7)上記サンプル4の平板構造体をビク刃にて
打ち抜き裁断して裁断加工物Dを得た。 (比較例8)上記サンプル4の平板構造体を超音波装置
にて裁断して裁断加工物dを得た。
【0038】(比較例9)上記サンプル5の平板構造体
をビク刃にて打ち抜き裁断して裁断加工物Eを得た。 (比較例10)上記サンプル5の平板構造体を超音波装
置にて裁断して裁断加工物Eを得た。
【0039】(実施例6)上記サンプル6の平板構造体
を炭酸ガスレーザー照射装置にて裁断して裁断加工物6
を得た。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から実施例1〜6では裁断面に
凹凸がなく、正確に裁断され、また裁断面に対するショ
ルダー部分のショルダー変形は見られず、外観及び品質
の優れた裁断加工物1〜6が得られた。但し、裁断加工
物6においては繊維層にほつれが見られ、かかる繊維層
に問題があった。繊維層が綿布であるため、溶融効果が
見られなかった。また、裁断加工物をパーツとしてイン
キ浸透印判の組立ラインに供給すると、スムースにライ
ンに乗せることができ、製造したインキ浸透印判のイン
キ吸蔵機能のばらつきが従来より少なかった。
【0042】一方、比較例1〜10の裁断加工物A〜E
では裁断面に中縊れが顕著に見られ、更に、繊維層にあ
ってはほつれ現象が見られた。また、裁断加工物a〜e
では、圧力変形が激しいため上記ショルダー変形が見ら
れ、また繊維層においてもほつれ現象が見られた。ま
た、これらを筆記具の組立ラインに供給すると、組立ラ
インでの時間がかかり、歩留まりが悪くなる。また、製
造した筆記具の一時インキ貯留機能には従来通りのばら
つきが見られた。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る容積変
形層を有する裁断加工物及びその裁断加工法によれば、
厚み方向に収縮変形する平板構造体であって、少なくと
も1層がスプリング硬度Hs95以下の容積変形層から
なる構造体を、レーザー照射により裁断成形してなるの
で、安価に裁断加工ができ、歪みやくびれのない優れた
裁断加工面を有してなり、また筆記具、印章製品等の細
かい自動組み込みパーツとして良好に使用できる容積変
形層を有する裁断加工物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る変形層を有する裁断加工
物及び裁断加工方法に用いられるレーザー照射装置の照
射ヘッドの概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る変形層を有する裁断加工
物及び裁断加工方法における裁断面を示す概略斜視図で
ある。
【図3】図3は、従来の裁断加工方法による裁断加工物
の裁断面の概略斜視図である。
【図4】図4は、従来の裁断加工方法による裁断加工物
の裁断面の概略図である。
【符号の説明】 4、14 平板構造体 6 容積変形層 8 繊維層 10 繊維層の裁断周縁部 12 レーザー照射ヘッド 16 レーザー照射ビーム 18 焦点

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向に収縮変形する平板構造体であ
    って、少なくとも1層がスプリング硬度Hs95以下の
    容積変形層からなる構造体を、レーザー照射により裁断
    成形してなることを特徴とする容積変形層を有する裁断
    加工物。
  2. 【請求項2】 上記容積変形層は、圧縮永久歪が5%以
    上の連続気泡構造を有する多孔質スポンジであることを
    特徴とする請求項1記載の裁断加工物。
  3. 【請求項3】 上記平板構造体は、一部又は全部が熱可
    塑性樹脂からなる布又は不織布からなる繊維層を有して
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の裁断加工
    物。
  4. 【請求項4】 上記平板構造体を柱状に裁断してインキ
    浸透印判の印材層若しくはインキ吸蔵層、又は筆記具の
    一時インキ貯溜体に加工したことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の裁断加工物。
  5. 【請求項5】 上記平板構造体を矩形板或いは円形板に
    裁断してスタンプ台或いは朱肉台のインキ吸蔵体に加工
    したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    裁断加工物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の厚み方向に収縮変形する
    平板構造体を、厚み方向からのレーザー照射により所定
    形状に裁断成形することを特徴とする裁断加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の厚み方向に収縮変形する
    平板構造体を、上記繊維層が形成される側の厚み方向か
    らレーザー照射により所定形状に裁断成形することを特
    徴とする裁断加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006001244A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記板用マーキングペン

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JP4666958B2 (ja) * 2004-06-21 2011-04-06 三菱鉛筆株式会社 筆記板用マーキングペン

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