JP4110445B2 - 凹凸フォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、凹凸フォームの製造方法に関し、更に詳細には、難熱性を有し軽量なメラミンフォームの表面積を増加させる等するべく、表面を所要形状に加工し得るようにした凹凸フォームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からグラスウール、ロックウール、軟質ウレタンフォームまたはメラミンフォーム等の柔軟性があり施工し易い材質が、例えば吸音材または構造材として広く使用されている。このような吸音材は、建築物の壁部材や天井部材として、また自動車内装材等として広く使用されてる。
【0003】
前記グラスウール、ロックウールまたは軟質ウレタンフォーム等の場合、少なくとも10kg/m3上回る程度の密度とする、または肉厚とすることで建材等に求められるに充分な吸音性を確保することができるが、この場合、設置場所を多く占有する、すなわち嵩張ってしまい空間利用上の効率が悪くなってしまったり、重量が嵩み、また形状保持性、所謂腰がないために作業性および施工性に劣る欠点が指摘される。
【0004】
これに対して前記メラミンフォームの場合、材質的に低密度(10kg/m3程度)であっても、前述のグラスウール、ロックウールまたは軟質ウレタンフォーム等と同等の吸音性を発揮する共に、適度な硬度を有して軽量なブロック体として取り扱えることから、前述の軟質ウレタンフォームまたはグラスウール等に較べて作業性および施工性が非常に優れている。
【0005】
しかし、前記メラミンフォームの場合も充分に優れた吸音性等の性質を確保するためには、所定の厚さまたは/および密度とする必要がある。しかるに最近の建築物等では、空間の効率的使用が求められ、殊に内壁と外壁との間等の居住・活動スペース外の部分や自動車内部では充分な空間が確保できないことがある。このため前記メラミンフォームの厚さに制限がなされてしまい、充分な吸音性を得るために密度を大きくする必要がある。
【0006】
比較的低密度で、かつ肉厚にすることなく吸音性を確保する方法として、図8に示す如く、その表面に規則的な凸凹形状を施すことで表面積を増加させ、入射角度によらず様々な方向からの音に対して吸音をなしえるメラミンフォームを材質とした加工フォーム50が作製されている(図8(a)参照)。このような加工は、一般にプロファイル加工と呼称され、本発明の説明においてもこの用語を使用する。なおこのプロファイル加工は、前記グラスウールまたはロックウール等の繊維の塊に対しては実施し得ない。
【0007】
前記プロファイル加工を実施する方法を説明すると、図2および図9に示す如く、その表面に施すべき凸凹の所要パターンが突起64,64により夫々の外周面62a,62aに形成される押圧ロール62,62を有する加工装置60(図2参照)を使用して製造される。そして前記押圧ロール62,62をその突起64,64が対応して合致するように相互に反対方向に回転させ(図9(a)参照)、該押圧ロール62,62間に被加工物であるメラミンフォームMを供給することで、該メラミンフォームMの表面側および裏面側を該押圧ロール62,62により狭圧し、これにより圧縮・変形状態にある該メラミンフォームMを切断手段としてのスプリット刃66により送り方向に沿って切断し(図9(b)参照)、切断面に所要パターンの凹凸面12,12が加工された一対2枚の凹凸フォーム50,50を得るものである(図9(c)参照)。このようにして得られる凹凸フォーム50,50は、前記スプリット刃66により切断された凹凸面52,52に前記突起64に対応した所要パターンが形成されることになる。
【0008】
前記加工装置60は、前記押圧ロール62をメラミンフォームMに対して押圧し、この押圧により圧縮・変形させた該メラミンフォームMを切断することで所要パターンの形成された凹凸面52を得るようにしているため、該凹凸面52に形成される凹凸の差、すなわち深さは該押圧の力により決定される。例えば吸音性を高めるべくその表面積を増大させるためには、前述の凹凸の差が大きい程、すなわち押圧力が大きい程よい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら弾性が低く構造的に脆いメラミンフォームに対して、前記押圧ロール62の押圧力を増大させた加工を施すと、凹凸面52の凹凸の差が大きくなる一方で、その押圧がなされるメラミンフォームMの表面側および裏面側に該突起64,64の押圧跡が傷として残ってしまい(図8(b)参照)、場合によっては裂けが生じてしまう。このような構造的な欠陥は、商品性の低下だけの問題ではなく、製品の歩留まりを大きく低下させ、その結果として製造コストを大きく増大させる原因となっている。
【0010】
また前述の押圧による傷跡は、前記押圧ロール62の押圧量を小さいものとしても皆無とすることが難しく、小さな押圧量で加工されるメラミンフォームであっても、高い歩留まりを維持することは困難であった。
【0011】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、メラミンフォームを材質とし、大きな凹凸の差、すなわち深さを大きく取れるように製造し得ると共に、この製造に際して、弾性が低く構造的に脆い該メラミンフォームに対して押圧等の跡を残さないようにしたメラミンフォームからなる凹凸フォームの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係る凹凸フォームの製造方法は、外周面に凹凸パターンの突起が形成され、相互に反対方向へ回転するよう対向配置した一対の押圧ロールと、前記一対の押圧ロールの中間に臨むよう配設され、その刃先を被加工物たるメラミンフォームの到来方向に指向させたスプリット刃とを使用し、前記一対の押圧ロールに向けて供給される前記メラミンフォームを前記凹凸パターンの突起により大きく挟圧した状態で送り込むと共に、この挟圧状態にあるメラミンフォームを前記スプリット刃により送り方向に沿って2枚に切断することで、切断面に凹凸パターンの凹凸面が加工された凹凸フォームを製造するに際して、
前記メラミンフォームの表面側および裏面側にスペーサを対応的に当てがった状態の下で前記一対の押圧ロールに向けて供給し、
前記凹凸パターンの突起による前記メラミンフォームの挟圧を、前記スペーサを介して実施するようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る凹凸フォームの製造方法につき、好適な実施例を挙げて、以下説明する。本願の発明者は、優れた軽量性および吸音性等の特性を有した建材や自動車内装材等に好適に使用し得るメラミンフォームを両側から押圧することで、該フォームを圧縮・変形された状態で切断して所要パターンの表面形状を有する凹凸フォームを形成する、所謂プロファイル加工を施す際に、該メラミンフォームを所定の厚さおよび硬度を有する軟質または半硬質の樹脂材料からなるスペーサにより狭持させるようにすることで、該メラミンフォームの押圧跡を皆無とした状態でより凹凸の差の大きいプロファイル加工を実施し得ることを知見したものである。
【0015】
本発明の好適な実施例に係る凹凸フォーム10は、図1に示す如く、メラミン樹脂の発泡体(以下メラミンフォームと云う)から構成され、この片面に少なくとも被加工物たるメラミンフォームMの厚さの10%以上の差を有する所要パターンの凹凸面12を備えるものであり、従来公知の方法により作製されたまたは市販のメラミンフォームMに対して、プロファイル加工を施すことで製造される。
【0016】
前記凹凸フォーム10は、具体的には図2に示す加工装置60によって製造される。前記加工装置60は、前記凹凸フォーム10の凹凸面12に施される所要パターンの突起64が夫々形成された外周面62a,62aを有する一対の押圧ロール62,62と、この一対の押圧ロール62,62の直ぐ下流側に配置され、該一対の押圧ロール62,62より狭圧されて得るべき凹凸面12のパターンに対応して圧縮・変形されたメラミンフォームMを該狭圧状態下に分断するスプリット刃66と、該一対の押圧ロール62,62に該メラミンフォームMを送り込むと共に、得られた凹凸フォーム10,10を所定位置まで送る移送機構68とから基本的に構成される。
【0017】
【製造方法】
前記加工装置60を使用して、前記メラミンフォームMから一対の凹凸フォーム10,10を得る製造方法を、図3および図4を参考にして説明する。基本的に本凹凸フォーム10の製造方法は、製造すべき該凹凸フォーム10の基となるメラミンフォームMを準備する準備工程S1と、前記加工装置60により所要パターンの準備された該メラミンフォームMから加工が施された一対の凹凸フォーム10,10を得る加工工程S2と、得られた凹凸フォーム10に対して所定形状への研磨または打ち抜き等の後加工並びに所定の検査が施される最終工程S3とからなる(図3参照)。
【0018】
前記準備工程S1は、加工装置60の被加工物であるメラミンフォームMを得る工程である。前記メラミンフォームMの具体的な作製方法については説明を省略するが、一般的に従来公知の、例えばマイクロウェーブ照射等による方法で原料から作製または市販品を準備して、前記加工装置60により得るべき凹凸フォーム10の幅および長さ等に合わせて切断等の前処理が実施される。
【0019】
前記加工工程S2は、スペーサ配置段階S21、押圧段階S22、狭圧・切断段階S23およびスペーサ除去段階S24とからなる(図3参照)。前記加工工程S2の各段階S21〜S24を図4を用いて段階毎に説明すれば、先ず前記メラミンフォームMの表面側および裏面側にその全体を覆うように所定のスペーサ14,14を対応的に当てがう(スペーサ配置段階S21:図4(a)参照)。そして前記スペーサ14,14を当てがわれたメラミンフォームMを、所定速度で対向的かつ突起64,64の凹凸が対応して合致するように相互に反対方向に回転する一対の押圧ロール62,62に対して、移送機構68により供給する(図4(b)参照)。
【0020】
前記一対の押圧ロール62,62間に供給されたメラミンフォームMは、前記スペーサ14,14を介して該押圧ロール62,62により押圧されることで圧縮・変形される(押圧段階S22:図4(c)参照)。そしてこの圧縮により所要パターンに狭圧された前記メラミンフォームMの厚さ方向の略中央をスプリット刃66により該メラミンフォームMの送り方向に沿って切断する(狭圧・切断段階S23:図4(d)参照)。そして最後に前記メラミンフォームMに当てがわれているスペーサ14,14を取り除く(スペーサ除去段階:S24図4(e)参照)。
【0021】
前記スペーサ14としては、前記押圧ロール62,62により被加工物たるメラミンフォームMに対してかけられる圧縮・変形による応力を充分に緩和するもの、例えば所定厚さを有する安価であるポリウレタンフォーム等の発泡体であって、その硬度がJIS K 6401(「クッション用軟質ウレタンフォーム」)に規定される測定方法において1kg以下となるものが、ポリプロピレンシートまたは軟質PVCシート等のソリッド体であって、ASKER A硬度で80以下となるものが夫々好適に採用される。前記硬度が前述の値を越えると、後述する厚さがあっても、充分な応力緩和が期待できなくなり、押圧跡が付いてしまう可能性がでてくる。なお本発明において前記ソリッド体には、ポリプロピレン等の樹脂を原料とする多孔質体(マイクロセルラープラスチック)も含まれるものとして扱う。
【0022】
前記スペーサ14の厚さは、その材質がウレタンフォーム等の発泡体の場合には、形成される前記凹凸面12の凹凸の差、すなわち深さDの少なくとも30%以上に、ポリプロピレンシート等のソリッド体の場合には、少なくとも1.5%以上に設定される。これ以下であると、前記押圧ロール62から加えられる力の充分な応力緩和ができなくなり、押圧跡が付いてしまう。なお前記ソリッド体の厚さが0.4mmを越えるような場合には、前述した硬度、すなわちASKER A硬度が80以下であることが重要となってくるため、材質的には、例えば軟質PVCが好適である。
【0023】
なお、前記ウレタンフォームの如き材質からなるスペーサ14は、実際使用に際しては前記メラミンフォームMと同様に圧縮され、その有効厚さが小さな状態で応力緩和能を発揮していることが明らかであり、圧縮時には前述のポリプロピレンシート等のソリッド体の厚さである、得るべき深さDの1.5%以上、すなわち通常時の1/50程度に圧縮された状態で応力を緩和していると考えられる。
【0024】
前記加工方法により得られる凹凸フォーム10の凹凸面12に形成される所要パターンの凹凸の差、すなわち深さDは、加工前のメラミンフォームMの厚さの90%以下に設定される。これはこれ以上の深さDを形成すると加工時に必要とされる前記スペーサ14が厚くなり過ぎてしまい、その結果該スペーサ14の応力緩和が強く作用し過ぎて前記押圧ロール62上の突起64による所要パターンが充分に形成されなくなるためである。また実際の使用においては、前記深さDを被加工物たるメラミンフォームMの厚さの90%程度以下に設定しないと、凹凸面12を横に向けた際の自立性が大きく損なわれ、作業性が大きく悪化することになるので、留意が必要である
【0025】
ここまでに施された準備工程S1および加工工程S2により、前記メラミンフォームMから、所要パターンの凹凸の差が該メラミンフォームMの加工前の厚さの少なくとも10%以上とされる凹凸フォーム10を得ることができる。そして、最終的に施される最終工程S3により、前記凹凸フォーム10に対して所定形状への研磨または打ち抜き等の後加工並びに所定の検査が施され、最終製品が完成する。
【0026】
このようにして得られる本発明に係る加工を施され、高い吸音性を発現し得る凹凸形状とされたメラミンフォームは、加工時に押圧跡をつけることなく、かつその凹凸の差の大きなパターンを形成して良好な吸音性等を発現し得ることから、騒音を生じる機器の吸音カバー、自動車の内装部材等の軽量性等が必要とされ、更に設置場所に空間的制限等を受けると共に、吸音性を要求される部分に好適に採用し得る。また建築物の壁や天井等のように優れた吸音特性を要求されると共に高い難燃性を要求される部位においても好適に使用し得る。
【0027】
更に骨格が微細である、すなわち細かい隙間等に付着している異物の掻き取り性が高いというメラミンフォームの別の特徴を生かし、例えばキッチンスポンジ等の洗浄具として使用してもよく、この場合、半楕円の、所謂半卵型形状として表面積を増大させることで、より使い勝手のよい洗浄具を得ることができる。
【0028】
【実験例】
以下に、本発明に係るメラミンフォームの加工方法により得られた凹凸フォームと、これまでのプロファイル加工を施すことで得られた凹凸フォーム等とを比較した場合の加工性、商品性および吸音性等の好適な実験例を示すが、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
【0029】
(実験1) 凹凸面の凹凸の差(深さD)と、スペーサの厚さとの関係
市販のメラミン発泡体を加工して45mm厚のメラミンフォームとし、前記加工装置60を使用し、これに以下の表1に記載した条件でプロファイル加工を施して実施例A〜Eに係る試験体A〜Eおよび、例えばスペーサを挟まない等して本発明の内容からはずれた比較例F〜Iに係る試験体F〜Iを作製した。そして得られた実施例A〜Eおよび比較例F〜Iに係る夫々の試験体A〜Iについて夫々得られた凹凸フォームの凸凹の出来具合および押圧跡等の外観について目視による確認を行なった。なお前記ソリッド体の厚さが0.5mmとなる実施例Eの場合には、硬度を重視して殊に柔軟性に富む軟質PVCシートを採用している。
【0030】
【表1】
【0031】
(表1の補足)
・凸凹比率:図5に示すように、プロファイル加工を施して得られる2枚の凹凸フォームの最も高い部分と、最も低い部分との比のことであり、一方の凹凸フォームの最も高い場所に対応する他方の凹凸フォームの位置は、最も低い場所となっており、この凸凹比率を足したものは加工前のメラミンフォームの厚さに等しい。
・深さD:前記最も高い部分−最も低い部分のことである。
【0032】
(実験1の結果)
表1から分かるように、スペーサを介さないで押圧を行なった比較例Fでは、その深さDが5mmと浅い場合であっても、該押圧による押圧跡が確認された。スペーサとしてポリウレタンフォーム(発泡体)を使用した場合は、実施例A〜Cおよび比較例Gに示す如く、スペーサ厚さ10mmで30mm程度の深さDまで対応可能であること、すなわち得るべき深さDの30%程度で対応できることが確認された。またスペーサとしてポリプロピレンシートの如きソリッド体を使用した場合には、実施例DおよびE並びに比較例Hおよび比較例Iに示す如く、スペーサ厚さ0.08mmで10mm程度の深さDまで、0.5mmで30mm程度の深さDまで対応可能であること、すなわち得るべき深さDの1.5%程度で対応できることが確認された。
【0033】
(実験2) スペーサを介して得られた凹凸面の形状等の影響(凹凸の差(深さD)と、遮音性(騒音レベル)により確認)
市販のメラミン発泡体を加工して所定厚さのメラミンフォームとし、前記加工装置60を使用し、これに以下の表2に記載した条件でプロファイル加工を施こす等して実施例J〜Mに係る試験体J〜Mおよび、その表面が凹凸でない等で本発明の内容からはずれている比較例N〜Oに係る試験体N〜Oを作製した。そして得られた実施例J〜Mおよび比較例N〜Oに係る夫々の試験体J〜Oと、試験体を設置しない場合、すなわちブランク的な比較例Pについて、以下の方法に従って騒音レベル(dB(A):騒音計で測定される音圧レベル)を測定し、該比較例Pを基準とし遮音性として評価した。
【0034】
(遮音性の評価)
遮音性の評価は、基本的に本実験2においてはブランクの比較例Pで得られた騒音レベルを基準として、各実施例および比較例により得られた騒音レベルとの差を夫々算出することで行なった。具体的には以下の方法による。
【0035】
前記騒音レベルの測定方法としては、通常残響室法が採用されるが、この方法は大がかりなものとなるため、該方法に代えてアクリル製の密閉箱を作製し、その内部に音源を入れた状態で本実験2に係る各試験体J〜Oを蓋として使用し、または蓋をしない状態(比較例P)で指示騒音計(A特性)により外部の騒音レベルをdBとして測定した(測定周波数:31.5Hz、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hzおよび4000Hz)。そしてこれら測定した実施例および比較例の全周波数における対数(log)相加平均であるAp(all pass)値(dB(A))を夫々算出し、前述の如く、比較例PをAp値と各実施例および比較例のAp値とを比較した。具体的には、このAp値の差が大きいほど遮音性が高いと評価できるものである。
【0036】
【表2】
【0037】
(表2の補足)
・割比率:図6に示すように、プロファイル加工を施して得られる2枚の凹凸フォームの出っ張った部分と、出っ張っていない部分との比のことであり、双方の値を加えると、凹凸フォームの最高厚さ(凹凸比率の凸に等しい)となる。この割比率により、得られた凹凸フォームにおける深さDの割合が分かり、その比率が大きい程、深さDが深いといえる。
【0038】
(実験2の結果)
得られた結果(Ap値および比較例Pとの差)を上記の表2に併せて記すと共に、図7にグラフ(各周波数における騒音レベルdB(A))として示す。また参考として、前記図7の欄外に騒音レベルと具体例等との関係を示した一例を挙げる。表2および図7から分かるように、比較例Nのメラミンフォーム平板形状25mm厚のAp値は48.8dB(A)であり、同じく25mm厚の割比率2/3(深さD=10mm)とした実施例JのAp値が48.9dBであり、同等以上の遮音率であるとの結果が得られた。また前記実施例Jの割比率を基準として、割比率1/1(深さD=12.5mm)の実施例K、割比率3/1(深さD=24mm)の実施例Lおよび1/4(深さD=5mm)の実施例Mについては、夫々Ap値が48.4dB(A)、47.5dB(A)および50.4dB(A)であり、該割比率、すなわち深さDによる表面積の変動に合わせて変動していることが確認されると共に、深さD=5mmの凹凸フォームである実施例Mに係る試験体Mでは、前記比較例Nに係る試験体N(メラミンフォーム平板形状25mm厚)に遮音性が劣ることも確認された。
【0039】
なおこれらの遮音性のデータから、平板形状25mm厚のメラミンフォームを使用した場合と同等以上の遮音性を発現し得る凹凸フォームを得るためには、前記割比率が1/3より大きく、すなわち深さDとして考えた場合に深くなればよいことが確認された。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る凹凸フォームの製造方法によれば、弾性が低く構造的に脆いメラミンフォームを材質とした場合であっても、該メラミンフォームに対して押圧等の跡を残さないようにすると共に、大きな凹凸の差、すなわち大きな深さを取れるメラミンフォームを材質とした凹凸フォームを製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る凹凸フォーム示す斜視図である。
【図2】実施例に係る凹凸フォームを製造する加工装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例に係る凹凸フォームの製造方法を示すフローチャート図である。
【図4】実施例に係る凹凸フォームの製造方法を示す工程図である。
【図5】実験1に係る用語、「深さDおよび凹凸比率」を図式的に示す概略図である。
【図6】実験2に係る用語、「割比率」を図式的に示す概略図である。
【図7】実験2に関して、各実施例J〜Lおよび比較例M〜Pに係る周波数−騒音レベルの関係を示すグラフ図である。
【図8】従来の技術に係る凹凸フォーム示す斜視図である((a)表面側を、(b)は裏面側を表す)。
【図9】従来の技術に係る凹凸フォームの製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
10 凹凸フォーム
12 凹凸面
14 スペーサ
62 押圧ロール
62a 外周面
64 突起
66 スプリット刃
M メラミンフォーム
D 深さ
Claims (5)
- 外周面(62a)に凹凸パターンの突起(64)が形成され、相互に反対方向へ回転するよう対向配置した一対の押圧ロール(62,62)と、前記一対の押圧ロール(62,62)の中間に臨むよう配設され、その刃先を被加工物たるメラミンフォーム(M)の到来方向に指向させたスプリット刃(66)とを使用し、前記一対の押圧ロール(62,62)に向けて供給される前記メラミンフォーム(M)を前記凹凸パターンの突起(64,64)により大きく挟圧した状態で送り込むと共に、この挟圧状態にあるメラミンフォーム(M)を前記スプリット刃(66)により送り方向に沿って2枚に切断することで、切断面に凹凸パターンの凹凸面(12)が加工された凹凸フォーム(10)を製造するに際して、
前記メラミンフォーム(M)の表面側および裏面側にスペーサ(14,14)を対応的に当てがった状態の下で前記一対の押圧ロール(62,62)に向けて供給し、
前記凹凸パターンの突起(64,64)による前記メラミンフォーム(M)の挟圧を、前記スペーサ(14,14)を介して実施するようにした
ことを特徴とする凹凸フォームの製造方法。 - 前記スプリット刃(66)による前記メラミンフォーム(M)の切断は、前記スペーサ(14,14)が該メラミンフォーム(M)の表面側および裏面側に当てがわれた状態の下で実施される請求項1記載の凹凸フォームの製造方法。
- 前記凹凸フォーム(10)に形成される凹凸の深さ(D)は、加工前における前記メラミンフォーム(M)の厚さの10%以上90%以下の範囲に設定される請求項1または2記載の凹凸フォームの製造方法。
- 前記スペーサ(14)が発泡体の場合には、その厚さは前記凹凸フォーム(10)に形成される凹凸の深さ(D)の少なくとも30%以上に設定され、かつその硬度がJIS K 6401に規定される測定方法において1kg以下に設定される請求項1〜3の何れか一項に記載の凹凸フォームの製造方法。
- 前記スペーサ(14)がソリッド体の場合には、その厚さは前記凹凸フォーム(10)に形成される凹凸の深さ(D)の少なくとも1.5%以上に設定され、かつその硬度がASKER A硬度で80以下に設定される請求項1〜3の何れか一項に記載の凹凸フォームの製造方法。
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