JP2017185740A - アルミニウム樹脂複合積層板及び三次元成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元成形品をプレス成形によって製造する際の成形性をさらに向上させて、成形後に良好な外観特性を得る。【解決手段】発泡倍率が1.5倍以上10倍以下の発泡合成樹脂層の両面にアルミニウム板材が積層状態で接合されてなるアルミニウム樹脂複合積層板であって、一方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5以上、短手方向の平均結晶粒サイズが100μm以下であり、他方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5未満で平均結晶粒サイズが150μm以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、三次元形状の製品に絞り成形するのに適切な、アルミニウム板と合成樹脂層とを積層してなるアルミニウム樹脂複合積層板及びこのアルミニウム樹脂複合積層板を用いて三次元成形品を製造する方法に関する。
近年の車両の軽量化に伴い、車体や車両部品の一部の鋼板をアルミニウム板とすることが検討されている。また、制振性、遮音性、断熱性などを付与するため、二枚のアルミニウム板の間に合成樹脂層を挟んで積層したアルミニウム樹脂複合積層板とすることが提案されている。
例えば、特許文献1には、二枚のアルミニウム合金板の間に発泡性樹脂層が設けられた積層板が開示されている。また、特許文献2には、特許文献1で挙げられた積層板をヒートインシュレータなど、三次元形状で、かつ熱線遮蔽性に優れた軽量な熱線遮蔽カバーに適用した例が開示されている。さらに、特許文献2には、積層板に対する成形加工の方法としては、張出成形、絞り成形、曲げ成形などのプレス成形や曲げ加工が可能であり、成型加工の後に加熱して樹脂層を発泡させることが記載されている。
特許文献3には、熱可塑性発泡樹脂層とアルミニウム材とが積層され、そのアルミニウム材の表層において、表面側に小径が形成された多孔性アルミニウム酸化皮膜層が設けられ、素地側にバリア型アルミニウム酸化皮膜層が設けられ、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部に、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に、かつその表面から小孔内部に向かって形成されたアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材が開示されている。そして、特許文献3には、このような構成とすることにより、密着性と成形性に優れる複合材となると記載されている。
また、特許文献4には、プレス成形時に外側となるアルミニウム板に内側となるアルミニウム板よりも高い強度の材料を用い、しかも外側のアルミニウム板厚を内側のアルミニウム板厚と同等若しくは厚くしたアルミニウム及びアルミニウム合金製プレス成型用複合板が開示されている。特許文献4には、外側及び内側のアルミニウム板の強度を相対的に見た場合、外側に高強度材を用い、内側に低強度材と用いるとともに、外側の板厚を内側の板厚と同等若しくは厚くすることで、プレス成形時に割れの発生を防止でき、プレス成形性に優れたアルミニウム製複合板となると記載されている。
国際公開第2010/029955号公報 国際公開第2010/029946号公報 特開2012−25145号公報 特開平4‐43027号公報 特開2013‐116475号公報 特開2014‐18854号公報
ところで、例えば特許文献5又は6に開示されているように、従来から金属単体で形成された金属板を成形する際に、しわや割れ等の発生を防止し、さらには成形後のスプリングバックを低減させるための成形方法が提案されている。ところが、特許文献5又は6と同様の方法により特許文献1〜4に記載されるような複合積層板を成形した場合では、二次元形状あるいは若干の深さの三次元形状の製品にプレス成形する場合は有用であるが、より深く複雑な形状に成形すると、アルミニウム板材の表面に微細な凹凸を含む肌荒れやしわ、割れ等の発生を防止することができず、外観不良を引きおこすことが問題となっている。また、特許文献4に記載されている複合積層板としても、難易度の高い三次元形状を成形する際には、割れ等の発生を防止することが難しく、安定した成形を行うことができない。特に車両の外板に用いられる複合板の場合は、肌荒れ等のない良好な表面であることが求められ、さらなる改善が望まれる。また特許文献1または2のように成形後に芯材樹脂を発泡させることによって成形性を確保しようとする試みもあるが、成形後の樹脂発泡において積層板寸法の変化や歪みが生じやすく、他部品との組立て時の障害になるおそれが大きい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、三次元成形品をプレス成形によって製造する際の成形性をさらに向上させて、成形後に良好な外観特性を得ることを目的とする。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板は、発泡倍率が1.5倍以上10倍以下の発泡合成樹脂層の両面にアルミニウム板材が積層状態で接合されてなるアルミニウム樹脂複合積層板であって、一方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5以上、短手方向の平均結晶粒サイズが100μm以下であり、他方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5未満で平均結晶粒サイズが150μm以下である。
アルミニウム樹脂複合積層板をプレス成形して、板面の一方側に凸面を有し、反対側に凹面を有する三次元成形品を製造する場合、両面のアルミニウム板材が成形品の凸面側と凹面側とに配置され、両面で異なる特性が要求される。特に、発泡合成樹脂層は成形により凹凸変形し易いため、その凹凸が成形品の表面に影響すると、成形品の外面意匠を損なうおそれがある。
本発明においては、一方のアルミニウム板材をファイバー組織とし、他方のアルミニウム板材を粒状組織として、両面のアルミニウム板材の特性を異ならせている。そして、ファイバー組織により剛性の高いアルミニウム板材を凸面となる側(通常、外面側)に配置し、発泡合成樹脂層の凹凸変形を吸収し易い粒状組織のアルミニウム板材を凹面となる側(内面側)に配置して成形することにより、良好な成形性を確保しつつ、外面が平滑で意匠性に優れる三次元成形品を得ることができる。
この場合、一方のアルミニウム板材におけるファイバー状組織の幅方向の平均結晶粒サイズが100μm以下で、アスペクト比を2.5以上とすることで、そのアルミニウム板材の剛性を高め、プレス成形時の発泡合成樹脂層の凹凸の発生を防止して、表面を平滑にすることができる。一方、他方のアルミニウム板材のアスペクト比を2.5未満とし結晶粒サイズが150μmを超えないようにすることで、n値(加工硬化係数)やr値(ランクフォード値)を高めて、深絞り性や張り出し成形性等の成形性を向上させることができる。また、発泡合成樹脂層の発泡倍率が1.5倍未満では制振性、遮音性、断熱性の面で不十分であり、逆に10倍を超えると均一安定な発泡状態が得られなくなり、アルミニウム樹脂複合積層板の加工において局部変形による割れ、しわなどの不具合を引き起こすおそれがある。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記一方のアルミニウム板材の耐力をσy(A)とし、前記他方のアルミニウム板材の耐力をσy(B)としたときに、これらの耐力比σy(A)/σy(B)が1.6以上であるとよい。
凸面側に配置されるアルミニウム板材の耐力を凹面側のアルミニウム板材より大きくすることにより、さらに成形性を高めることができる。より好ましくは、耐力比σy(A)/σy(B)が1.8以上であると、プレス成形時の表面凹凸を抑制できて良い。
具体的には、前記一方のアルミニウム板材をJISの3000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金のうちのいずれかのアルミニウム合金とし、前記他方のアルミニウム板材を1000系アルミニウムとするとよい。
本発明の三次元成形品の製造方法は、前記アルミニウム樹脂複合積層板を用いてプレス成形して、板面の一方側が凸面、他方側が凹面に形成された三次元成形品を製造する方法であって、前記一方のアルミニウム板材を前記凸面側とし、前記他方のアルミニウム板材を前記凹面側となるように配置して成形する。
本発明によれば、複雑な三次元形状の製品を肌荒れや割れ等を生じることなく成形することができ、外面が平滑で意匠性の優れた三次元成形品を得ることができる。
本発明の一実施形態のアルミニウム樹脂複合積層板の断面図である。 図1のアルミニウム樹脂複合積層板をプレス成形金型に設置した状態を示す断面図である。 図2に示す状態から三次元成形品を成形した後の状態を示す断面図である。 三次元成形品の例を示す斜視図である。
以下、本発明に係るアルミニウム樹脂複合積層板及びこれを用いた三次元成形品の製造方法の実施形態を説明する。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板の三次元成形方法により成形される三次元成形品60としては、図4に示すように、底部61の上に複数の角部62とこれら角部62間を連結する面部63とが形成された、有底角筒等の筒状成形品、一方を開放した箱状成形品などであり、その一方(通常、外面側)が凸面となり、他方(内面側)が凹面となっている。
そして、アルミニウム樹脂複合積層板10は、図1に模式的に図示したように、発泡合成樹脂層13の両面にそれぞれアルミニウム板材11,12が積層された構成である。以下では、三次元成形品60における凸面となる側のアルミニウム板材を第1アルミニウム板材(本発明における一方のアルミニウム板材)11とし、三次元成形品60における凹面となる側のアルミニウム板材を第2アルミニウム板材(本発明における他方のアルミニウム板材)12とする。
第1アルミニウム板材11は、JISの3000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金のうちのいずれかのアルミニウム合金が用いられる。また、板厚方向の断面を光学顕微鏡によって観察される結晶組織がファイバー状組織であり、そのファイバー組織の長さ方向と直交する幅方向の平均結晶粒サイズが100μm以下で平均アスペクト比(結晶粒の長手方向寸法をLとし、幅方向寸法をWとすると、長手方向寸法に対する幅方向寸法の比:W/L)が2.5以上である。
ファイバー状組織の幅方向の平均結晶粒サイズが100μm以下で、アスペクト比を2.5以上とすることで、第1アルミニウム板材11の剛性を高め、プレス成形時の発泡合成樹脂層13の凹凸の発生を防止して、表面を平滑にすることができる。発泡合成樹脂層13は、これを単板でプレス成形すると表面に凹凸が生じ易く、その凹凸変形を耐力の大きい第1アルミニウム板材11によって拘束して、表面に凹凸が生じないようにするのである。この第1アルミニウム板材11として、JISの3000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金のいずれのアルミニウム合金かを用いることにより、三次元成形品60の剛性や機械的強度を向上させることができる。
第2アルミニウム板材12は、JISの1000系アルミニウムが用いられ、板厚方向の断面を光学顕微鏡によって観察される結晶組織が粒状組織であり、その粒状組織の結晶粒の平均アスペクト比(W/L)が2.5未満で平均結晶粒サイズは150μm以下である。結晶粒サイズが150μmを超えないようにすることで、n値(加工硬化係数)やr値(ランクフォード値)を高めて、深絞り性や張り出し成形性等の成形性を向上させている。結晶粒サイズが150μmを超えると、n値やr値が低下して成形性が急激に悪化する。この第2アルミニウム板材として、JISの1000系アルミニウムを用いることにより、粒状組織としての効果を更に顕著に発揮することができる。
そして、この第2アルミニウム板材12は耐力が小さいことから、前述した発泡合成樹脂層13の凹凸変形の影響を受け易いが、この第2アルミニウム板材12を三次元成形品60の凹面側に配置することにより、発泡合成樹脂層13の凹凸変形を吸収して、三次元成形品60の凹面側で吸収し、凸面側に生じないようにするのである。
この場合、第1アルミニウム板材11の耐力をσy(A)とし、第2アルミニウム板材12の耐力をσy(B)としたときに、これらの耐力比σy(A)/σy(B)が1.6以上とされる。耐力比を1.6以上とすることで、三次元成形性を向上できる。耐力比が1.6未満では変形能が低すぎて、成形時に割れやしわ等が生じやすい。具体的には、第1アルミニウム板材の耐力σy(A)が120MPa以上500MPa以下であり、第2アルミニウム板材の耐力σy(B)が80MPa以上180MPa以下である。
アルミニウム樹脂複合積層板10の厚さは特に限定されるものではないが、所望の強度、剛性を持たせるために2mm以上10mm以下が好ましい。両アルミニウム板材11,12の厚さは0.1mm以上4mm以下であるとよく、第2アルミニウム板材12が第1アルミニウム板材11より薄いとよい。
なお、以上のような第1アルミニウム板材11及び第2アルミニウム板材12は、常法による半連続鋳造、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、また必要に応じ中間焼鈍を施すことにより所望の板厚、金属組織および機械的性質の板材を製造することができる。また冷間圧延素材として連続鋳造圧延のような溶湯圧延法を用いることもできる。
一方、発泡合成樹脂層13は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等を用いることができる。なお、発泡合成樹脂層13は、厚さが1.8mm以上9.8mm以下のフィルム状又は板状に形成され、遮音性、遮熱性を付与するために、発泡倍率が1.5倍以上10倍以下のものが用いられる。発泡合成樹脂層の発泡倍率が1.5倍未満では制振性、遮音性、断熱性の面で不十分であり、逆に10倍を超えると均一安定な発泡状態が得られなくなり、アルミニウム樹脂複合積層板10の加工において局部変形による割れ、しわなどの不具合を引き起こすおそれがある。
また、発泡合成樹脂の融点は100℃以上であることが望ましい。また、接着剤は、芯材である発泡合成樹脂層13の材質と同系樹脂の主成分を選定することが好ましく、例えば発泡合成樹脂層13がポリプロピレンで構成される場合は、ポリプロピレンが主成分の接着剤等が好適である。
そして、この接着剤を発泡合成樹脂層13の両面又はアルミニウム板材11,12の片面に塗布し、両アルミニウム板材11,12の間に発泡合成樹脂層13を挟み、これらをホットプレスやホットロールにより加圧・加熱することにより、発泡合成樹脂層13の両面にアルミニウム板材11,12を一体に積層する。
<三次元成形品の製造>
このように形成したアルミニウム樹脂複合積層板10を適宜の形状のブランク材に打ち抜き、図2に示すように、プレス用金型100に、第1アルミニウム板材11が成形品の外面となるように配置する。このとき、成形品の深さが小さい場合には常温で成形するが、複雑な形状の成形品である場合、金型100の表面及びアルミニウム樹脂複合積層板10を予め加温して、温間成形を行う。温間成形の温度としては、アルミニウム樹脂複合積層板10(ブランク材)の発泡合成樹脂層13の荷重たわみ温度よりも高い温度に設定される。発泡合成樹脂層13の荷重たわみ温度は、プラスチック‐荷重たわみ温度の求め方(JIS K 7191)に規定された試験方法(A法、フラットワイズ)により得られる温度であり、発泡合成樹脂層13を形成する発泡合成樹脂が一定の荷重を受けた際に変形する温度(熱変形温度ともいう)のことを表している。
そして、図3に示すように、ブランクホルダー30上に、第1アルミニウム板材11が成形品の外面となるようにアルミニウム樹脂複合積層板10を配置した後、ダイ40を下降移動させることにより、アルミニウム樹脂複合積層板10の外周部を、ブランクホルダー30とダイ40との間に挟持してしわ押さえ力を付与する。しわ押さえ力は、アルミニウム樹脂複合積層板10の発泡合成樹脂層13に変形を生じさせない範囲の低圧に保持する。この際、ブランクホルダー30とダイ40とは予め加温されているので、ブランクホルダー30とダイ40との間にアルミニウム樹脂複合積層板10の外周部が挟まれることにより加熱される。そして、アルミニウム樹脂複合積層板10の外周部がブランクホルダー30とダイ40との間で挟持される際に、外周部だけではなくアルミニウム樹脂複合積層板10全体が平坦化される効果が望める。
そして、ブランクホルダー30とダイ40との間にアルミニウム樹脂複合積層板10の外周部を挟持してしわ押さえ力を保持した状態でアルミニウム樹脂複合積層板10を下降移動させることにより、ダイ40とパンチ50との間でアルミニウム樹脂複合積層板10に絞り成形を施して、図3示すように、三次元成形品60を成形する。
このような三次元成形において、アルミニウム樹脂複合積層板10は、外面側に配置される第1アルミニウム板材11がファイバー状組織であり、内面側に配置される粒状組織の第2アルミニウム板材12より剛性が高く、これに対して、内面側に配置される第2アルミニウム板材12は、変形が容易であるので、曲げ部分で発泡合成樹脂層13が凹凸状に変形したとしても、その変形が成形品の内面側の第2アルミニウム板材12の変形によって吸収され、外面側の第1アルミニウム板材11に肌荒れや割れが発生することが防止される。温間成形することにより、さらに成形性が向上し、表面を平滑にすることができる。特に角部62に割れやしわのない、良好な外観を呈する三次元成形品60を成形することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
アルミニウム板材の材質、組織、結晶粒、耐力及び発泡合成樹脂層の発泡倍率は表1に示す各種のものを用意し、これらを積層してアルミニウム樹脂複合積層板を作製した。このとき、アルミニウム板材として、第1アルミニウム板材を厚さ0.3mm、第2アルミニウム板材を厚さ0.2mm、発泡合成樹脂層としてポリプロピレンを用い、厚さ2.5mmの複合積層板とした。
表1中、アルミニウム板材の材質の「1000」はJISの1050材、「3000」は3003材、「5000」は5052材、「6000」は6061材、「7000」は7N01材とした。
アルミニウム板材の組織は、アルミニウム板材を厚さ方向に切断して、その断面を研磨、エッチングした後、光学顕微鏡によって結晶粒組織を観察し、結晶サイズを測定した。
結晶サイズは光学顕微鏡の偏光観察で得た結晶に対し、1mmを100等分したマイクロスケールを撮影してサイズを得たい結晶に重ねて実倍率を求めた。結晶サイズとして、アスペクト比が2.5以上となっているものをファイバー状組織とし、アスペクト比が2.5未満となっているものを粒状組織とした。また、平均アスペクト比はアルミニウム板材の断面における表面近傍及び中央部の任意の各5結晶の平均により求めた。また、ファイバー状組織においては、長手方向と直交する方向、すなわち短手方向の結晶粒の寸法を結晶粒サイズとして、10個の結晶粒を測定した結果から、その平均結晶粒サイズを求めた。粒状組織においては、各結晶粒の最大径を測定し、10個の測定結果から平均結晶粒サイズを求めた。
耐力は、JISの4号試験片を作製し、引っ張り試験機にかけて測定し3個の平均値を求めた。
これらの結果を表1に示す。
表1の複合積層板の試料について、これをプレスにより絞り成形したときに縦98mm、横170mm、深さ30mmの角形容器となるようにブランク材の大きさを設定し、これを成形速度2mm/秒、しわ押さえ力5kNの条件により絞り成形して、表面(成形品外面)の凹凸、割れ、しわの有無、絞り深さについて評価した。角形容器の角部は、ほぼ複合積層板の板厚に相当する寸法の曲率半径とした。
表面の凹凸は、白色灯をかざしての目視検査にて、確認できない場合を◎、光源の角度によってはわずかに確認できる場合を○、光源の角度によっては多少確認できる場合を△、光源がなくても明瞭に確認できる場合を×とした。 割れについては、四隅の角部の内、目視(測定室の天井の白色灯のみ)及び手元に白色灯をかざしての目視検査のいずれでも割れが認められない場合を◎、手元に白色灯をかざしての目視検査で1か所のみ微小な割れが認められた場合を○、測定室内の目視にて1か所でも微小な割れが認められる場合を△、目視でも明瞭な割れが認められる場合を×とした。
しわについては、四隅の角部の内、しわがゼロの場合を◎、しわが1か所の場合を○、しわが2か所の場合を△、しわが3か所以上の場合を×とした。
絞り深さは、30mmを超える場合を◎、30mmの場合を○、20mm以上30mm未満の場合を△、20mm未満の場合を×とした。
これら評価結果からの判定は、評価項目4項目の内、○以上で且つ◎が3個以上の場合をA、○以上で且つ◎が2個以下の場合をB、表面凹凸が○で△が2個以上×がゼロか1個の場合をC、表面凹凸が△か×の場合をDとした。
なお、表面凹凸以外の評価項目である割れやしわ、絞り深さは複数の要因で生じることから、表面凹凸を重視した判定を行なった。
これらの結果を表2に示す。
この表2からわかるように、1〜15の試料は、角形容器の絞り成形において、表面凹凸、割れ、しわがほとんどなく、所望の絞り深さを得ており、概ね良好な成形性を示している。これに対して比較例16〜25では、表面の凹凸、割れ又はしわのいずれかの発生が認められ、十分な成形性が得られず、三次元成形が困難であることがわかる。
10 アルミニウム樹脂複合積層板
11 第1アルミニウム板材(一方のアルミニウム板材)
12 第2アルミニウム板材(他方のアルミニウム板材)
13 発泡合成樹脂層
100 プレス用金型
30 ブランクホルダー(しわ押さ)
40 ダイ
50 パンチ
60 三次元成形品

Claims (4)

  1. 発泡倍率が1.5倍以上10倍以下の発泡合成樹脂層の両面にアルミニウム板材が積層状態で接合されてなるアルミニウム樹脂複合積層板であって、一方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5以上、短手方向の平均結晶粒サイズが100μm以下であり、他方のアルミニウム板材の断面組織は、結晶粒の平均アスペクト比が2.5未満で平均結晶粒サイズが150μm以下であることを特徴とするアルミニウム樹脂複合積層板。
  2. 前記一方のアルミニウム板材の耐力をσy(A)とし、前記他方のアルミニウム板材の耐力をσy(B)としたときに、これらの耐力比σy(A)/σy(B)が1.6以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  3. 前記一方のアルミニウム板材をJISの3000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金のうちのいずれかのアルミニウム合金とし、前記他方のアルミニウム板材を1000系アルミニウムであることを特徴とする請求項1又は2記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載のアルミニウム樹脂複合積層板を用いてプレス成形して、板面の一方側が凸面、他方側が凹面に形成された三次元成形品を製造する方法であって、前記一方のアルミニウム板材を前記凸面側とし、前記他方のアルミニウム板材を前記凹面側となるように配置して成形することを特徴とする三次元成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108427014A (zh) * 2018-01-02 2018-08-21 中国商用飞机有限责任公司北京民用飞机技术研究中心 一种对复合材料层合板的撞击位置识别方法
DE112018005541T5 (de) 2017-09-27 2020-06-25 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Bremsvorrichtung, Steuervorrichtung für Fahrzeug, und elektrische Bremssteuervorrichtung

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