JP2002205486A - キャップオフ性能に優れた筆記具 - Google Patents

キャップオフ性能に優れた筆記具

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JP2002205486A
JP2002205486A JP2001312783A JP2001312783A JP2002205486A JP 2002205486 A JP2002205486 A JP 2002205486A JP 2001312783 A JP2001312783 A JP 2001312783A JP 2001312783 A JP2001312783 A JP 2001312783A JP 2002205486 A JP2002205486 A JP 2002205486A
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一弘 網
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達也 溝口
Takahiro Osada
隆博 長田
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/16Writing inks
    • C09D11/18Writing inks specially adapted for ball-point writing instruments

Abstract

(57)【要約】 【課題】 速やかにペン先がインキで満たされカスレを
発生させることなく、長期間大気中にペン先を放置して
おいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に
優れた筆記具を提供する。 【解決手段】 繊維芯又はプラスチック芯からなるペン
先13にキャップオフ性を付与する物質をコーティング
してなる筆記具10であって、該筆記具10のインキに
はフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性
剤を含有してなることを特徴とするキャップオフ性能に
優れた筆記具。また、繊維芯又はプラスチック芯からな
るペン先13にキャップオフ性を付与する物質をコーテ
ィングしてなる筆記具10であって、コーティング剤に
は、常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解
度が常温で5%以下となる極性官能基を有する物質が含
有されていることを特徴とするキャップオフ性能に優れ
た筆記具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期間、ペン先を
大気中に放置しても良好な筆記性能を有するキャップオ
フ性能に優れた筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マーキングペン、サインペ
ン、筆ペン等のように繊維芯又はプラスチック芯からな
るペン先にインキを浸透させて筆記するようにした筆記
具が多用されている。しかしながら、キャップを外して
ペン先部分を長時間大気中に放置した場合には、ペン先
部分が乾燥して筆記不良が発生するという問題を有して
いる。
【0003】従来において、ペン先における乾燥を抑制
するキャップオフ性能に優れるマーキングペン、ボール
ペン、サインペン、筆ペン等の筆記具としては、例え
ば、インキ中にポリグリセリンの高級脂肪酸エステル等
を添加したり(特公昭62−34352号公報)、ペン
先表面において析出して薄いフィルムを形成し得るパラ
フィンワックスをインキ中に添加したり(特公平1−3
5028号公報)、インキ中にヘキサグリセリルトリス
テアレートを添加したり(特開平2−232277号公
報)、インキ中にレシチンを添加したり(特許第259
4457号公報)することが行われている。
【0004】しかしながら、蒸発抑制効果の高い添加剤
は、インキ溶媒に対する溶解度が低い(10重量%以下
の)ものが多く、その溶解度が低い点に課題があり、特
に、0℃での溶解度は更に低い(5重量%以下の)もの
であり、低温で保存したり、低高温の繰り返しによりイ
ンキ中で上記添加剤の沈殿を生じ、インキ流路内で目詰
まりを起こして筆記性を低下させたり、キャップオフ性
能が経時的に劣化してしまうなどの課題があり、未だ有
効な蒸発抑制効果を有するものでないものである。
【0005】そこで、本出願人は、繊維芯又はプラスチ
ック芯からなるペン先にキャップオフ性を付与する物質
をコーティングしてキャップオフ性能に優れたマーキン
グペン、サインペン、筆ペン等の筆記具を出願している
(PCT公開WO2000/37265号公報)。
【0006】しかしながら、パラフィンワックスなどの
キャップオフ性を付与する物質は優れた効果を有するも
のであるが、パラフィンワックス等のコーティング物質
はその臨界表面張力が低いため、インキのペン先に対す
るぬれ性が若干悪くなり、インキ流出量の低下などの若
干の課題を有し、また、ペン先がインキで満たされるま
でに時間がかかったり、カスレが若干発生したりするな
どの若干の課題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、速やかにペン先がインキで満たされカスレを発生さ
せることなく、安定したインキ流出量を有し、かつ、長
期間大気中にペン先を放置しておいても良好な筆記性能
を実現するキャップオフ性能に優れた筆記具を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題等について鋭意検討、具体的には、インキ成
分の組成面から、並びに、コーティング剤の組成面から
鋭意検討を重ねた結果、キャップオフ性能に優れたマー
キングペン、サインペン、筆ペンなどの筆記具を実現す
るために、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先に
キャップオフ性を付与する物質をコーティングしてなる
筆記具において、インキに特定の界面活性剤等を含有せ
しめることにより、また、コーティング剤に特定の成分
等を含有せしめることにより、ペン先に対するインキの
ぬれ性を改善し、上記目的の筆記具が得られることを見
いだし、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先にキャッ
プオフ性を付与する物質をコーティングしてなる筆記具
であって、該筆記具のインキにはフッ素系界面活性剤及
び/又はシリコーン系界面活性剤を含有してなることを
特徴とするキャップオフ性能に優れた筆記具。 (2) 繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先にキャッ
プオフ性を付与する物質からなるコーティング剤をコー
ティングしてなる筆記具であって、上記コーティング剤
には、常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶
解度が常温で5%以下となる極性官能基を有する物質が
含有されていることを特徴とするキャップオフ性能に優
れた筆記具。 (3) 前記極性官能基を有する物質が極性官能基を有する
酸化パラフィン類、ウレタン型ワックス類及びアルコー
ル型ワックス類から選ばれる少なくとも1種である上記
(2)記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。 (4) 前記極性官能基を有する物質の含有量がコーティン
グ剤全量に対して、0.01重量%以上である上記(2)
又は(3)記載のキャップオフ性能に優れた筆記具。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を発
明ごとに詳しく説明する。本発明の第1発明となるキャ
ップオフ性能に優れた筆記具は、繊維芯又はプラスチッ
ク芯からなるペン先にキャップオフ性を付与する物質を
コーティングしてなる筆記具であって、該筆記具のイン
キにはフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面
活性剤を含有してなることを特徴とするものであり、ま
た、第2発明は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペ
ン先にキャップオフ性を付与する物質からなるコーティ
ング剤をコーティングしてなる筆記具であって、上記コ
ーティング剤には、常温で固体であり、かつ、インキ溶
媒に対する溶解度が常温で5%以下となる極性官能基を
有する物質が含有されていることを特徴とするものであ
る。以下において、「本発明」というときは、上記第1
発明及び第2発明を含むものである。
【0010】本発明(第1発明及び第2発明)における
筆記具としては、繊維芯又はプラスチック芯からなるペ
ン先を有する筆記具であれば、特に限定されるものでは
なく、例えば、図1に示すように、インキを直接貯溜
する軸体となるインキタンク部11を有すると共に、一
時的にインキを保溜するコレクター部材12を有し、イ
ンキタンク部11からぺン先13へのインキの導出が中
継芯14を介して(又は直接)行われる直液筆記具1
0、図2に示すように、インキを直接貯溜する軸体と
なるインキタンク部21を有すると共に、インキタンク
部21からペン先22へのインキの導出がバルブ機構部
23を介して直接(又は中継芯を介して)行われる筆記
具20、図3に示すように、軸体31内にインキを吸
蔵したインキ吸蔵体32を有し、該インキ吸蔵体32か
らペン先33へのインキ導出が直接(又は中継芯を介し
て)行われる筆記具30などが挙げられる。
【0011】本発明(第1発明及び第2発明)におい
て、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先の材質、
構造、製法等は、特に限定されるものではなく、例え
ば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組
み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加
工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、中継芯又
はインキ吸蔵体、上記各種のプラスチック材の軸方向に
インキ溝を形成したプラスチック芯、上記各種のプラス
チック粉末などを融結したポーラス体などからなるペン
先が挙げられ、その形態も板状体、繊維集束体、焼結
体、発泡体等任意である。
【0012】使用する繊維芯又はプラスチック芯からな
るペン先の形状は、通常筆記具に用いられている形状で
あれば、特に限定されるものではない。好ましくは、ペ
ン先として繊維芯を使用した場合は、気孔率で30〜7
5%、スリット径で概ね1〜20μmのものが望まし
く、また、ペン先としてプラスチック芯を使用した場合
は、好ましく、平均スリット径で20〜40μmのもの
が望ましい。なお、上記気孔率及びスリット径は、各方
式の筆記具に応じて、変動することができ、上記数値範
囲に限定されるものではない。更に、上記スリット径
は、下記式により算出したものである。 スリット径=気孔率×糸の半径/(1−気孔率)
【0013】本第1発明に用いるキャップオフ性を付与
する物質は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン先
の乾燥抑制を発揮することができる物質であり、常温
(25℃、以下同様)で固体であること、かつ、インキ
溶媒に対する溶解度が常温で10%以下となる特性を有
するものであれば、特に限定されるものではなく、例え
ば、上記特性を有するジグリセリンモノステアレート、
トリグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリルト
リステアレート、ヘキサグリセリルトリステアレート、
デカグリセリンジステアレートなどのグリセリン誘導
体、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステルなど
のアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
トリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットヘキサ
ステアレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪
酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、ペンタエリスリトールモノステアレート、
ペンタエリスリトールジステアレートなどのペンタエリ
スリトール誘導体、レシチン、ショ糖エステル、ポリオ
レフィンロウ、アスコルビン酸ステアレート、ソルビタ
ン酸ステアレートなどから選択される1種又は2種以上
の混合物が挙げられる。好ましくは、常温で固体である
こと、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が常温では10
%以下であり、更に筆記によるペン先へ物理的摩擦やイ
ンキの流出などによるキャップオフ性能を付与する物質
の脱離し難くする面から、より硬い性状であり溶解性も
より低い方が耐久性や効果も向上することから、ジグリ
セリンモノステアレート、ペンタグリセリルトリステア
レート、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステ
ル、レシチンが望ましい。
【0014】本第1発明において、上記特性を有する物
質を繊維芯又はプラスチック芯にコーティングする方法
としては、例えば、上記特性を有する物質を溶解する溶
媒に溶解せしめ、これを繊維芯又はプラスチック芯にデ
ィッピング処理又は噴霧処理した後、加温又は室温にて
乾燥させることにより行うことができる。また、溶解度
が極端に低い場合には、加温溶解液にディッピングし、
冷却によりコーティングすることもできる。また、上記
特性を有する物質を溶解する溶媒としては、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール(i−プロピルアルコ
ール)などのアルコール類、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグ
リコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステ
ル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエー
テル類、ヘキサン、イソへキサン、ヘプタン、メチルシ
クロヘキサンなどの炭化水素類、クロロホルム、メチレ
ンクロライドなどの塩素化合物などが挙げられる。
【0015】上記特性を有する物質の繊維芯又はプラス
チック芯へのコーティング量は、繊維芯又はプラスチッ
ク芯に対して、重量比で0.01〜20重量%、好まし
くは、0.1〜10重量%、更に好ましくは、0.3〜
5重量%である。コーティング量が0.01重量%未満
であると、コーティングによる効果を達成することがで
きず、また、20重量%を越えると、繊維芯又はプラス
チック芯に対して蒸発抑制作用を有する物質が付き過
ぎ、本来繊維芯又はプラスチック芯が発揮すべき機能が
損なわれ、例えば、インキが出難くなり、カスレを生じ
たり、筆記が進むにしたがってペン先の崩れが生じたり
するようになり、インキの貯溜量が十分でなくなるな
ど、好ましくない。
【0016】本第1発明に用いるインキ成分としては、
着色剤、溶剤、該溶剤に可溶な樹脂、その他筆記具用添
加剤等の他、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン
系界面活性剤を含有せしめることが必要である。着色剤
としては、油溶性染料及び顔料等が挙げられ、油溶性染
料としては、有機溶剤に可溶な一般の油溶性染料であれ
ばほとんど使用可能である。例えば、染料としては、オ
ラゾールエロー2GLN、オラゾールレッド3GL、オ
ラゾールブルー2GLN、ネオンザポンブルーFLE、
スピリットブラックSP、パリファストレッド130
8、オイルブルーBA、オイルエロー185、オイルレ
ッドTR71、オイルブラックS、Victoria Blue、Rho
damine 6JHSA、Flex Yellow 105等、また、顔料として
は、特に限定されることなく、例えば、アゾ系顔料、縮
合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩顔
料、チオインジゴ顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等の
有機顔料及びカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔
料が挙げられ、更に、表面を樹脂コーティングで加工し
た加工顔料、例えば、マイクロリスAタイプ各種、AS
ブラック、ASブルー、IKレッド等も使用することが
できる。これらの染料及び/又は顔料は、単独又は2種
以上混合して使用することもでき、その使用量は着色剤
の種類や他のインキ成分により異なるが、インキ全量に
対して、1〜30重量%、好ましくは、2〜15重量%
が望ましい。
【0017】用いることができる溶剤としては、例え
ば、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、イソプロ
ピルアルコ−ル等の低級アルコールや、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素や、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等の低級脂肪族ケトンや、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等の低級脂肪酸の低級アルコールエステ
ルや、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、シク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素
やグリコールのアルキルアルコール、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル等が挙
げられる。これらの特性を有する溶剤は、夫々単独で又
は2種以上混合して使用することが可能であり、その使
用量は、インキ全量に対して、50〜95重量%、好ま
しくは、70〜85重量%が望ましい。
【0018】樹脂は、被膜形成剤、被塗布面への付着
剤、インキの粘度調整剤、更に、着色剤の分散剤として
使用するものであり、従来より使用されている各種の天
然樹脂、合成樹脂が使用でき、例えば、ロジン、エステ
ルガム、マレイン酸変成ロジン、フェノール変成ロジン
等のロジン系樹脂、エチルセルローズ、ニトロセルロー
ズ等のセルローズ系樹脂、ポリビニルブチラール、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のビニル系樹脂、石油
系樹脂、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、アルデヒドと
尿素の縮合物、マレイン酸樹脂等が挙げられ、これらは
単独又は2種以上混合して使用することが可能であり、
その使用量は、インキ全量に対して、0.1〜30重量
%、好ましくは、1〜20重量%が望ましい。その他の
筆記具用添加剤としては、例えば、アニオン系、ノニオ
ン系、カチオン系などの界面活性剤、防腐剤、防黴剤、
防錆剤、潤滑剤、pH調製剤などが挙げられる。
【0019】本第1発明に用いるフッ素系界面活性剤と
しては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアル
キルオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエス
テルなどが挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤
としては、例えば、ジメチルシリコーン、環状シリコー
ン、トリメチルシロキケイ酸、メチルフェニルシリコー
ンなど、さらにポリエーテル変性シリコーン、メチルス
チリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級
脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シ
リコーン、フツ素変性シリコーンなどが挙げられる。こ
れらは、単独で又は2種以上を混合して用いることがで
きる。また、これらの中で、例えば、溶剤としてアルコ
ール類を用いた場合、インキの表面張力を下げるという
点から、適度な溶解性を示すフッ素系アルキルエステ
ル、ポリエーテル変性シリコーンなどが望ましい。
【0020】インキに添加されるフッ素系界面活性剤及
び/又はシリコーン系界面活性剤の含有量は、インキ組
成物全量に対して、0.005重量%〜10重量%、好
ましくは0.01重量%〜5重量%である。この含有量
が0.005重量%未満では、ぬれ性及びインキ流出性
を改善することができず、10重量%を越えると、コー
ティング物質による被膜形成力を阻害し、ノンドライ性
を確保できなくなる。
【0021】このように構成される第1発明の筆記具で
は、繊維芯又はプラスチック芯に上述のキャップオフ性
を付与する物質、すなわち、常温で固体であること、か
つ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で10%以下とな
る上述のキャップオフ性を付与する物質をコーティング
することにより、繊維芯又はプラスチック芯の表面部に
非常に脆い被膜を形成でき、この被膜によりインキ成分
に含まれる揮発成分となる溶剤などの蒸発が防止され、
また、該被膜は筆記時の筆圧によって破れ、筆記が可能
となるものであり、しかも、該被膜の形成は上記コーテ
ィング量により若干相違もあるが、ペン先の繊維芯又は
プラスチック芯にコーティングしたキャップオフ性を付
与する物質が再度必要量だけインキ中に溶け出し、次に
ペン先が空気中にさらされたとき、インキ溶媒との相互
作用でペン先表面に新たな被膜を形成し、この被膜形成
→筆記→被膜形成→筆記………は何回も繰り返し効果を
示すもの、すなわち、ペン先に常時再生し、筆記時に破
れる再生被膜が形成されるものである。この効果はイン
キタンク部に充填した又はインキ吸蔵体に吸蔵させたイ
ンキ成分を使い果たすまで繰り返すこととなる。ところ
で、上記キャップオフ性を付与する物質の中でパラフィ
ンワックス等を使用した場合における、インキのペン先
に対するぬれ性の悪化、ペン先がインキで満たされるま
でに時間がかかるという課題、カスレが若干発生した
り、インキ流出量の低下などが若干の課題は、インキ中
に含有せしめたフッ素系界面活性剤及び/又はシリコー
ン系界面活性剤により、速やかにペン先がインキで満た
されカスレを発生させることなく、安定したインキ流出
量を有し、かつ、長期間大気中にペン先を放置しておい
ても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れ
た筆記具が提供されることとなる。
【0022】次に、本第2発明のキャップオフ性能に優
れた筆記具は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペン
先にキャップオフ性を付与する物質からなるコーティン
グ剤をコーティングしてなる筆記具であって、上記コー
ティング剤には、常温で固体であり、かつ、インキ溶媒
に対する溶解度が常温で5%以下となる極性官能基を有
する物質が含有されていることを特徴とするものであ
る。
【0023】本第2発明に用いるコーティング剤は、繊
維芯又はプラスチック芯からなるペン先のキャップオフ
性を付与する物質と、常温で固体であり、かつ、インキ
溶媒に対する溶解度が常温で5%以下となる極性官能基
を有する物質とが含有されているものである。また、本
発明では、コーティング剤全量を常温で固体であり、か
つ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で5%以下となる
極性官能基を有する物質で構成してもインキ流出量の低
下などの筆記性能を損なうことなく、繊維芯又はプラス
チック芯からなるペン先の乾燥抑制を発揮することがで
きるものとなる。本第2発明におけるキャップオフ性を
付与する物質は、繊維芯又はプラスチック芯からなるペ
ン先の乾燥抑制を発揮することができる物質であり、常
温(25℃、以下同様)で固体であること、かつ、イン
キ溶媒に対する溶解度が常温で10%以下となる特性を
有するものであれば、特に限定されるものではなく、上
述の第1発明で例示した特性となる、ジグリセリンモノ
ステアレート、トリグリセリンモノステアレート、ペン
タグリセリルトリステアレート、ヘキサグリセリルトリ
ステアレート、デカグリセリンジステアレートなどのグ
リセリン誘導体、ポリオキシエチレンステアリルリン酸
エステルなどのアルキルリン酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビットヘキサステアレートなどのポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、ペンタエリスリトールモノス
テアレート、ペンタエリスリトールジステアレートなど
のペンタエリスリトール誘導体、レシチン、ショ糖エス
テル、ポリオレフィンロウ、アスコルビン酸ステアレー
ト、ソルビタン酸ステアレートなどから選択される1種
又は2種以上の混合物が挙げられる。好ましくは、常温
で固体であること、かつ、インキ溶媒に対する溶解度が
常温では10%以下であり、更に筆記によるペン先へ物
理的摩擦やインキの流出などによるキャップオフ性能を
付与する物質の脱離し難くする面から、より硬い性状で
あり溶解性もより低い方が耐久性や効果も向上すること
から、使用されるコーティング物質の融点が40℃以上
でペン芯に対して僅かなタック性を有するもの、例え
ば、ヘキサグリセリルステアレート、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスなどが望ましい。
【0024】本第2発明に用いる極性官能基を有する物
質は、有機化合物の高分子中に極性官能基、例えば、水
酸基、エステル基、アミノ基、エーテル基、カルボニル
基、アミド基等の極性官能基を有するものであり、か
つ、常温で固体であり、かつ、インキ溶媒に対する溶解
度が常温で5%以下となるものであり、上記キャップオ
フ性を付与する物質と適度な相溶性を有するものであ
る。このような極性官能基を有する物質としては、極性
官能基を有する酸化パラフィン類、ウレタン型ワックス
類及びアルコール型ワックス類から選ばれる少なくとも
1種が挙げられる。具体的には、酸化パラフィンNSP
-8070(極性官能基:エステル基)、ウレタン型ワ
ックスNPS-6010(極性官能基:ウレタン基),
NPS-6115(極性官能基:ウレタン基),HAD-
5090(極性官能基:ウレタン基),HAD-508
0(極性官能基:ウレタン基)や、アルコール型ワック
スNPS-9035(極性官能基:水酸基),NPS-9
125(極性官能基:水酸基),NPS-9210(極
性官能基:水酸基)〔いずれも日本精鑞社製〕などが挙
げられ、これらは単独で又は2種以上組合わせて用いる
ことができる。好ましくは、併用処理によりペン芯に対
するインキぬれがよく改善されるウレタン型ワックスN
PS-6010,HAD-5090や,アルコール型ワッ
クスNPS-9125などを用いることが望ましい。こ
れらの極性官能基を有する物質は、繊維芯又はプラスチ
ック芯からなるペン先の乾燥抑制を発揮することができ
ると共に、上述のパラフィンワックス等の極性官能基を
有しないキャップオフ性を付与する物質を使用した場合
におけるインキのペン先に対するぬれ性の悪化、インキ
流出量の低下などを改善する優れた作用を有するもので
ある。
【0025】上記特性の極性官能基を有する物質の含有
量は、コーティング剤全量に対して、0.01重量%以
上、好ましくは、0.05〜100重量%とすることが
望ましい。上記特性の極性官能基を有する物質の含有量
が0.01重量%未満であると、インキのペン先に対す
るぬれ性の悪化、インキ流出量の低下などの課題を生じ
ることとなり、好ましくない。また、本第2発明では、
上記特性の極性官能基を有する物質の含有量が100重
量%、すなわち、コーティング剤全量を上記特性の極性
官能基を有する物質から構成しても、インキ流出量の低
下などの筆記性能を損なうことなく、繊維芯又はプラス
チック芯からなるペン先の乾燥抑制を発揮することがで
きるものとなる。
【0026】本第2発明において、上記特性の極性官能
基を有する物質を含有するコーティング剤を繊維芯又は
プラスチック芯にコーティングする方法としては、上述
の第1発明と同様、すなわち、コーティング方法、該コ
ーティング剤を溶解する溶媒、該コーティング剤の繊維
芯又はプラスチック芯へのコーティング量及び数値限定
の意義等は上述の第1発明と同様であるので、その説明
を省略する。また、本第2発明に用いるインキ成分とし
ては、着色剤、溶剤、該溶剤に可溶な樹脂、その他筆記
具用添加剤等を用いることができ、これらの成分も上述
の第1発明と同様であるので、その説明を省略する。
【0027】このように構成される第2発明となる筆記
具では、繊維芯又はプラスチック芯に上述のキャップオ
フ性を付与する物質と上記特性の極性官能基を有する物
質とを含有するコーティング剤または全量が上記特性の
極性官能基を有する物質からなるコーティング剤をコー
ティングすることにより、繊維芯又はプラスチック芯の
表面部に非常に脆い被膜を形成でき、この被膜によりイ
ンキ成分に含まれる揮発成分となる溶剤などの蒸発が防
止され、また、該被膜は筆記時の筆圧によって破れ、筆
記が可能となるものであり、しかも、該被膜の形成は上
記コーティング量により若干相違もあるが、ペン先の繊
維芯又はプラスチック芯にコーティングしたキャップオ
フ性を付与する物質等が再度必要量だけインキ中に溶け
出し、次にペン先が空気中にさらされたとき、インキ溶
媒との相互作用でペン先表面に新たな被膜を形成し、こ
の被膜形成→筆記→被膜形成→筆記………は何回も繰り
返し効果を示すもの、すなわち、ペン先に常時再生し、
筆記時に破れる再生被膜が形成されるものである。であ
る。この効果はインキタンク部に充填した又はインキ吸
蔵体に吸蔵させたインキ成分を使い果たすまで繰り返す
こととなる。ところで、上記キャップオフ性を付与する
物質の中でパラフィンワックス等の極性官能基を有しな
い物質を使用した場合にはその臨界表面張力が低いた
め、インキのペン先に対するぬれ性が若干悪くなり、イ
ンキ流出量の低下などの若干の課題を有するものである
が、本第2発明では、上記特性の極性官能基を有する物
質が含有されているので、速やかにペン先がインキで満
たされカスレを発生させることなく、安定したインキ流
出性を有し、かつ、長期間大気中にペン先を放置してお
いても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優
れた筆記具が提供されることとなる。
【0028】本発明(第1発明及び第2発明)の筆記具
は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要
旨を変更しない範囲で種々の形態に変更できることはい
うまでもない。例えば、化粧品等の塗布具などにも適用
できるものである。また、本発明の第1発明と第2発明
を併用した形態、すなわち、繊維芯又はプラスチック芯
からなるペン先にキャップオフ性を付与する物質からな
るコーティング剤をコーティングしてなる筆記具であっ
て、上記コーティング剤には、常温で固体であり、か
つ、インキ溶媒に対する溶解度が常温で5%以下となる
極性官能基を有する物質が含有されると共に、上記筆記
具のインキにはフッ素系界面活性剤及び/又はシリコー
ン系界面活性剤を含有せしめて、更にキャップオフ性能
に優れた筆記具としてもよいものである。
【0029】
【実施例】次に、本発明(第1発明及び第2発明)を実
施例及び比較例に基づき更に具体的にかつ詳細に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0030】 〔実施例1〜3及び比較例1(第1発明の実施例・比較例)〕 (実施例1) プロピレングリコールモノメチルエーテル 69.99重量% エタノール 10.00重量% 染料:バリファストブラック♯3830 10.00重量% (オリエント化学工業(株)製) 樹脂:ヒタノール2500 10.00重量% (日立化成工業(株)製) フッ素系界面活性剤:フロラードFC431 0.01重量% (住友3M(株)製) 上記成分を常法により撹拌して黒色インキ組成物を得
た。コーティングペン芯として、アクリル繊維のスライ
バーからなるものであり、重量0.17g、長さ33m
m、直径4.0mm(気孔率55%)のものを使用し
た。キャップオフ性を付与する物質としてパラフィンワ
ックス(日本精蝋社製「パラフィン135F」を使用し
た。また、インキ溶媒〔プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、エタノールからなる溶媒〕に対する上記パ
ラフィンワックスの溶解度は常温で0.2%であった。
コーティング方法は、上記所定量となるコーティング物
質を溶媒となるイソへキサンに溶解し、該調製液に上記
アクリルペン芯を浸漬せしめ、50℃で2時間浸漬した
後、メッシュ状容器に引き上げて溶剤を50℃で一昼夜
(24時間)乾燥させたものを使用した。コーティング
物質(剤)のアクリルペン芯への付着量は、処理前後の
ペン芯の重量差でとらえ、処理前のペン芯重量に対する
重量%で示すと、対ペン芯重量比で4重量%を付加した
ものを使用した。上記インキ(4.5g)とペン芯によ
り、図3に示すような、中綿タイブの筆記具(マーキン
グペン)を得た。
【0031】 (実施例2) プロピレングリコールモノメチルエーテル 69.50重量% エタノール 10.00重量% バリファストブラック♯3830 10.00重量% (オリエント化学工業(株)製) ヒタノール2500 10.00重量% (日立化成工業(株)製) シリコーン系界面活性剤 0.50重量% (変性シリコーンKP−316:信越化学(株)製) 上記成分を常法により撹拌して黒色インキ組成物を得
た。コーティングペン芯、筆記具などは、上記第1実施
例と同様のものを用いた。
【0032】 (実施例3) プロピレングリコールモノメチルエーテル 69.97重量% エタノール 10.00重量% バリファストブラック♯3830 10.00重量% (オリエント化学工業(株)製) ヒタノール2500 10.00重量% (日立化成工業(株)製) フッ素系界面活性剤:フロラードFC431 0.01重量% (住友3M(株)製) シリコーン系界面活性剤 0.02重量% (変性シリコーンKP−316:信越化学(株)製) 上記成分を常法により撹拌して黒色インキ組成物を得
た。コーティングペン芯、筆記具などは、上記第1実施
例と同様のものを用いた。
【0033】(比較例1)実施例1のインキ組成物にお
いて、フッ素系界面活性剤(フロラードFC431)を
除いたものを使用した以外は、上記実施例1と同様のも
の(但し、プロピレングリコールモノメチルエーテルを
70.00重量%に調整したもの)を使用した。
【0034】上記実施例1〜3及び比較例1の筆記具を
用いて下記方法により、インキ流出量及びキャップオフ
性能の評価を行った。これらの結果を下記表1に示す。
【0035】(インキ流出量の評価法)前記マーキング
ペンを筆記試験機により、紙に対し50M筆記させその
時のインク流出量を測定した。
【0036】(キャップオフ性能の評価法)温度25
℃、湿度65%の室内において、前記マーキングのキャ
ップを外した状態で二週間放置した後、筆記性を下記評
価基準で評価した。 評価基準: ◎:掠れずに書ける 〇:書き出しに僅かに掠れる △:一行目が掠れる ×:筆記できない
【0037】
【表1】
【0038】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例1〜3の筆記具は、本発明の範囲外
となる比較例1に較べ、速やかにペン先がインキで満た
されカスレを発生させることなく、かつ、インキ流出量
の低下もなく、長期間大気中にペン先を放置しておいて
も良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優れた
筆記具となることが判明した。
【0039】〔実施例4〜7及び比較例2〜3(第2発
明の実施例・比較例)〕ペン先として、アクリル繊維の
スライバーからなるペン芯であり、重量0.17g、長
さ33mm、直径4.0mm(気孔率55%)のものを
使用した。キャップオフ性を付与する物質として、ノル
マルパラフィン(125F,融点53℃、日本精鑞社
製)を使用した。また、本発明における特性の極性官能
基を有する物質として、ウレタン型ワックス(HAD5
090、日本精鑞社製)を使用した。また、インキ溶媒
〔n−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルからなる溶媒〕に対するノルマルパラフ
ィンの溶解度は常温で0.2%であり、また、上記ウレ
タン型ワックスは0.1%以下であった。
【0040】コーティング方法は、上記所定量となるコ
ーティング物質(キャップオフ性を付与する物質、上記
極性官能基を有する物質)を溶媒となるメチレンクロラ
イドに溶解し、該調製液に上記ペン先を浸漬せしめ、5
0℃で2時間浸漬した後、メッシュ状容器に引き上げて
溶剤を50℃で一昼夜(24時間)乾燥させたものを使
用した。コーティング剤のペン先への付着量は、処理前
後のインキ吸蔵体の重量差でとらえ、処理前のペン芯重
量に対する重量%で示した。下記表2に示す処理率のも
のを使用した。また、インキは、下記に示される組成か
らなるインキ(全量100重量%)を使用した。なお、
実施例7では、更に、下記組成のインキにシリコーン系
界面活性剤〔変性シリコーンKP−316:信越化学
(株)製〕0.1重量%配合(但し、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルを69.9重量%に調整、全量
100重量%)したインキを用いた。 (インキの配合組成) 溶剤:n−プロピルアルコール 14.0重量% 溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 70.0重量% 樹脂:ラロパールA101(BASF社製) 12.0重量% (アルデヒドと尿素の縮合物) 染料:Victoria Blue BSA(Zeneca社製) 3.0重量% 染料:Rhodamine 6JHSA(Zeneca社製) 1.0重量%
【0041】上記インキ(4.5g)とペン芯により、
図3に示すような、中綿タイブの筆記具(マーキングペ
ン)を得た。各筆記具を用いて下記方法により、キャッ
プオフ性能及びインキ流出量の評価を行った。これらの
結果を下記表1に示す。
【0042】(キャップオフ性能の評価法)温度25
℃、湿度65%の室内において、前記マーキングのキャ
ップを外した状態で二週間放置した後、筆記性を下記評
価基準で評価した。 評価基準: ◎:掠れずに書ける 〇:書き出しに僅かに掠れる △:一行目が掠れる ×:筆記できない
【0043】(インキ流出量の評価法)前記マーキング
ペンを筆記試験機により、紙に対し100M筆記させそ
の時のインク流出量を測定した。
【0044】
【表2】
【0045】上記表2の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例4〜7の筆記具は、本発明の範囲外
となる比較例2〜3に較べ、速やかにペン先がインキで
満たされカスレを発生させることなく、かつ、インキ流
出量の低下もなく、長期間大気中にペン先を放置してお
いても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能に優
れた筆記具となることが判明した。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、速やかにペン先がイン
キで満たされカスレを発生させることなく、かつ、イン
キ流出量の低下もなく、長期間大気中にペン先を放置し
ておいても良好な筆記性能を実現するキャップオフ性能
に優れた筆記具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筆記具を直液式筆記具に適用した一例
を断面態様で示す説明図である。
【図2】本発明の筆記具をバルブ機構を備えた筆記具に
適用した一例を断面態様で示す説明図である。
【図3】本発明の筆記具をインキを中綿等のインキ吸蔵
体に吸蔵させたタイプの一例を断面態様で示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10 筆記具 13 ペン先 14 中継芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 隆博 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社群馬研究開発センター内 Fターム(参考) 2C350 GA04 HA15 KA01 KA03 KC11 KD09 NA11 NC21 NC28 NC29 NC46 4J039 AB02 AB11 AD04 AD05 AD07 AD08 AD09 AD14 AE03 AE11 BE01 BE02 BE07 BE12 BE22 GA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維芯又はプラスチック芯からなるペン
    先にキャップオフ性を付与する物質をコーティングして
    なる筆記具であって、該筆記具のインキにはフッ素系界
    面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を含有して
    なることを特徴とするキャップオフ性能に優れた筆記
    具。
  2. 【請求項2】 繊維芯又はプラスチック芯からなるペン
    先にキャップオフ性を付与する物質からなるコーティン
    グ剤をコーティングしてなる筆記具であって、上記コー
    ティング剤には、常温で固体であり、かつ、インキ溶媒
    に対する溶解度が常温で5%以下となる極性官能基を有
    する物質が含有されていることを特徴とするキャップオ
    フ性能に優れた筆記具。
  3. 【請求項3】 前記極性官能基を有する物質が極性官能
    基を有する酸化パラフィン類、ウレタン型ワックス類及
    びアルコール型ワックス類から選ばれる少なくとも1種
    である請求項2記載のキャップオフ性能に優れた筆記
    具。
  4. 【請求項4】 前記極性官能基を有する物質の含有量が
    コーティング剤全量に対して、0.01重量%以上であ
    る請求項2又は3記載のキャップオフ性能に優れた筆記
    具。
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