JP2019210467A - 摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物及び摺動部材 - Google Patents

摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物及び摺動部材 Download PDF

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Abstract

【課題】量産時においても、ε−カプロラクタムを含む組成物の成型体に分散困難なワックスを従来よりも良好に分散させることができ、それにより良好な潤滑性を有する摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物及これを含む摺動部材を提供すること。【解決手段】ε−カプロラクタム、ウレタン系ワックス(A)、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックス(B)、並びに、前記ワックス(A)及び(B)以外のワックス(C)を含むモノマー組成物の硬化物である摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物及び当該組成物を含む摺動部材に関するものである。
ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐油性等に優れるため、エンジニアリングプラスチックとして広く使用されている。このようなポリアミド樹脂の中でも、ε−カプロラクタム等のモノマーキャスティングにより得られるポリアミド樹脂(以下、「モノマーキャストポリアミド」又は「MCポリアミド」とも称する。)は、他のポリアミド樹脂と比較して摺動性に優れるため、例えば軸受等の摺動部材を構成する材料として使用されている。このMCポリアミドの摺動部材は、無潤滑剤でも使用可能な場合はあるが、MCポリアミド自体の特性のみでは十分な潤滑性が得られない場合がある。このような場合は、滑剤として一般的なパラフィンワックス等のワックスを添加することが考えられる。これはパラフィンオイル等の液状滑剤の場合はブリードアウトが生じる可能性が高く、ブリードアウトが生じにくい固体滑剤のワックスを用いるのが一般的なためである。しかし、パラフィンワックスをMCポリアミド中に分散させ、良好な潤滑性を付与することは一般に容易ではなく、試作品程度の少量であれば可能であるが、量産することは困難であるのが現状である。すなわち、金型が小さい原料が少量の生産であれば、硬化速度を速めて粘性を高くすることでワックスとε−カプロラクタムが相分離する前に重合できるため、ポリアミド樹脂成型体を成型できる。しかし、金型が大きい量産条件においては、相分離を防ぐ事が困難である。そこで、この改善策として、各種ワックスを組み合わせて使用し、MCポリアミドのモノマーであるε−カプロラクタムを含む摺動部材用組成物に添加することが提案されている(特許文献1〜6)。
特許文献1には、ポリ−ε−カプロラクタム100重量部に、パラフィンワックス、ステアロン及びフィッシャートロプシュワックスの3種を各々1〜6重量部でかつ合計5〜12重量部の範囲内で添加・分散させたポリアミド組成物が記載されている。このように3種のワックスを従来より多い所定範囲の量を含有させることで、機械的強度の低下、ワックス等の分離、不均一分散等を生じることなく、潤滑性を向上させることができるとされている。
特許文献2、3には、ポリ−ε−カプロラクタムに、ポリエチレンワックス、末端若しくは側鎖にカルボキシル基を有するポリエチレンワックス又は末端及び/若しくは側鎖に水酸基若しくはエポキシ基を有する変性ポリエチレンワックスを所定割合で分散、配合してなるポリアミド組成物等が記載されている。このように、単独では分散困難なポリエチレンワックスに特定の変性ポリエチレンワックスを併用することで、機械的強度の低下を起こすことなく、ポリエチレンワックスを均一に分散させ、自己潤滑性、耐摩耗性を向上させることができるとされている。
特許文献4には、ポリ−ε−カプロラクタムに、フィッシャー・トロプシュワックス又はマイクロクリスタリンワックス又はペトロラムワックス、及び、末端及び/又は側鎖に水酸基又はエポキシ基を有する変性ポリエチレンワックスを所定割合で分散、配合してなるポリアミド組成物等が記載されている。このように、単独では分散困難な3つの特定のワックスに特定の変性ポリエチレンワックスを併用することで、機械的強度の低下を起こすことなく、3つの特定のワックスをそれぞれ均一に分散させ、自己潤滑性、耐摩耗性を向上させることができるとされている。
特許文献5、6には、ε−カプロラクタムに、特定の物性のマイクロクリスタリンワックス又は特定の物性のポリエチレンワックス、酸又はアルコールで変性された変性ワックス、及び、グラファイトを所定割合で分散、配合してなるポリアミド組成物等が記載されている。このように、単独では分散困難な特定のワックスに特定の変性ワックスを併用することで、ワックス等を均一に分散させることができ、潤滑性に優れ、スティック−スリップ現象等が発生しないモノマーキャストナイロン等を得ることができるとされている。
特公昭62−34269号公報 特許第3015206号公報 特許第3419975号公報 特許第3419967号公報 特開2000−143976号公報 特開2000−143977号公報
前述のような従来技術を用いることで、量産時において、ε−カプロラクタムを含む組成物の成型体に分散困難なワックスを相応に分散させ、ある程度摺動性のあるMCポリアミドを得ることは可能ではあるが、未だ改善の余地がある。そこで、本発明の目的は、量産時においても、ε−カプロラクタムを含む組成物の成型体に分散困難なワックスを従来よりも良好に分散させることができ、それにより良好な潤滑性を有する摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物及びこれを含む摺動部材を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行った。先ず、ε−カプロラクタムと相溶性が良好なワックスを選択し、このワックスと、ε−カプロラクタムを含む組成物(以下、「モノマー組成物」と称する場合がある。)及びそのモノマーキャスティングによる硬化物である成型体(以下、単に「MC成型体」と称する。)に分散困難なワックス(以下、「難分散ワックス」と称する場合がる。)と、を併用し、モノマー組成物及びそのMC成型体に難分散ワックスを良好に分散させることを試みた。その結果、ウレタン系ワックスや先行特許文献に記載の各種の変性ワックスを用いた場合、これらのワックスはモノマー組成物に分散可能であった。しかし、このような変性ワックス等はε−カプロラクタムのアニオン重合に影響すること、MC成型体の摺動特性が改善される程度に難分散ワックスを添加し、これを均一に分散できる程度に変性ワックスを添加すると、ε−カプロラクタムが重合しないことが判明した。
また、ε−カプロラクタムと相溶性が良好な、変性ワックス以外の合成ワックスや天然ワックスを検討したところ、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックスを用いた場合も、これらの合成ワックスはモノマー組成物に分散可能であった。しかし、難分散ワックスと併用した場合、難分散ワックスをモノマー組成物中に均一に分散させることが困難であることが判明した。
さらに検討を行ったところ、ウレタン系ワックス及びメチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックスを、難分散ワックスと併用すると、驚くべきことに、ウレタン系ワックスが存在するにもかかわらず、ε−カプロラクタムのアニオン重合を阻害することなく、難分散ワックスをモノマー組成物中及びそのMC成型体中に良好に分散させることができ、摺動特性が良好な成型体が量産可能であるという知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明の第一は、ε−カプロラクタム、ウレタン系ワックス(A)、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックス(B)、並びに、前記ワックス(A)及び(B)以外のワックス(C)を含むモノマー組成物の硬化物である摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物に関する。
本発明の実施形態では、モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に前記ワックス(A)〜(C)の合計6〜15重量%を含有してもよい。また、他の実施形態では、モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に、前記ワックス(A)1〜10重量%、前記ワックス(B)1〜3重量%、前記ワックス(C)2〜10重量%を含有してもよい。
本発明の実施形態では、前記ワックス(C)が石油系ワックスであってもよい。また、本発明の他の実施形態では、前記ワックス(C)が、融点が40〜55℃であるものを含んでもよい。さらに、前記ワックス(C)が、前記融点が40〜55℃のワックス(C)に加え、融点が55℃より高いものを含んでもよい。
本発明の実施形態では、無機系潤滑剤を含有してもよい。また、本発明の他の実施形態では、モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に、無機系潤滑剤0.05〜5重量%を含有してもよい。
本発明の第2は、前述の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物を含む摺動部材に関する。
本発明の第3は、前述の摺動部材を含む、軸受又は歯車に関する。
本発明によれば、ε−カプロラクタムを含むモノマー組成物の硬化物に分散困難なワックスを従来よりも良好に分散させた状態で含み、それにより良好な潤滑性を有することが可能な摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物、それを含む摺動部材を量産することができる。また、この摺動部材は、例えば軸受として好適である。
実施例1の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例2の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例3の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例4の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例5の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例6の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例7の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例8の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 実施例9の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。 参考例1の摩擦係数及び摩耗高さの経時変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物(以下、単に「摺動部材用樹脂組成物」と称する場合がある。)は、ε−カプロラクタム、ウレタン系ワックス(A)、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックス(B)、並びに、前記ワックス(A)及び(B)以外のワックス(C)を含むモノマー組成物の硬化物である。この硬化物は成型体であり得る。
ウレタン系ワックス(A)は、ウレタン結合を有する成分を含有するワックスであれば特に限定はない。このようなウレタン系ワックス(A)は、市販のものを使用することができる。例えば、日本精蝋株式会社製:NPS−6010、HAD−5150等が挙げられる。
合成ワックス(B)は、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する。即ち、合成ワックスを構成する化合物中に、メチレン基である「−CH−」が、16〜19個含まれているアルキル基を含有するものであればよい。アルキル基は、直鎖状、分岐状、円環状であってもよい。アルキル基が分岐鎖を有する場合は、メチレン基は、合計で16〜19個含まれていればよい。
合成ワックス(B)を構成する化合物は、このようなアルキル基を少なくとも1つ有するものであれば、他の構造は特に限定はない。このような化合物としては、例えば、アルコールと有機酸から人工的に合成されたエステル等が挙げられる。
有機酸とのエステルを構成するアルコールは、1価のアルコールでもよいし、2価以上の多価アルコールでもよい。多価アルコールの場合、少なくとも1つの水酸基が有機酸と縮合されていればよいが、水酸基の残数は少ない方が好ましく、全ての水酸基が有機酸と縮合されているのがより好ましい。アルコール中のメチレン基の数は、アルコールと縮合する有機酸にメチレン基を所定範囲で有するアルキル基が含有されていれば、とくに限定はない。逆に、その有機酸にメチレン基を所定範囲で有するアルキル基が含まれない場合は、アルコールはメチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を少なくとも1つ有する。
このようなエステルを構成し得るアルコールとしては、例えば、糖アルコール、脂肪族アルコール等が挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、グリセリン;エリスリトール、ペンタエリスリトール等のテトリトール;キシリトール等のペンチトール;ソルビトール、ガラクチトール、マンニトール等のヘキシトール;イソマルト;ラクチトール;マルチトール等が挙げられる。脂肪族アルコールとしては、1価でもよいし、2価以上であってもよい。例えば、炭素数1以上のアルキルアルコール、炭素数1以上のアルキレングリコール等が挙げられる。また、アルキル基を16〜19個有するアルキルアルコールとしては、例えば、1−ヘプタデカノール(CH(CH16OH)、ステアリルアルコール(CH(CH17OH)、1−ノナデカノール(CH(CH18OH)、1−エイコサノール(CH(CH19OH)、1−ヘンエイコサノール(CH(CH20OH)、オクチルドデカノール(2−オクチルドデカン−1−オール、CH(CHCH((CHCH)CHOH)等が挙げられる。
アルコールと有機酸のエステルを構成する有機酸としては、例えば、一般式が、R−COOHで示されるモノカルボン酸で、一般式中のRが、炭素数1以上の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2以上の不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられる。R中のメチレン基の数は、有機酸と縮合するアルコールにメチレン基を所定範囲で有するアルキル基が含有されれば、とくに限定はない。逆に、そのアルコールにメチレン基が所定範囲で含まれない場合は、Rはメチレン基を16〜19個有するアルキル基を含有する。メチレン基を16〜19個有するアルキル基を含有する有機酸としては、例えば、ステアリン酸(CH(CH16COOH)、n−ノナデカン酸(CH(CH17COOH)、アラキジン酸(CH(CH18COOH)、n−ヘンエイコサン酸(CH(CH19COOH)、2−オクチルドデカン酸(CH(CHCH((CHCH)CHCOOH)等が挙げられる。
アルコールと有機酸のエステルの具体例としては、例えば、ステアリン酸ステアリル、エチレングリコールジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
ワックス(C)は、前述のワックス(A)及び(B)以外のワックスであればよいが、モノマー組成物の硬化物であるMC成型体の摺動特性を向上させることが可能なワックスであるのが好ましい。また、εカプロラクタムの重合反応に影響しないワックスがより好ましい。このようなワックスは、一般に、モノマー組成物及びその硬化物であるMC成型体中に分散が困難な難分散ワックスである。このようなワックスとしては、例えば石油系ワックス、フッ素系ワックス、シリコーン系ワックス、合成炭化水素系ワックス等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上含んでいてもよい。このうち、石油系ワックス、フッ素系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
石油系ワックスとしては、例えば、JIS K 2235に規定される、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びペトロラタムの他、イソパラフィンを主成分とするワックス等が挙げられる。これらは、用途に応じて好適な融点のものを採用することができる。パラフィンワックスは、減圧蒸留留出油から分離精製した常温において固形のワックスで、直鎖状炭化水素であるノルマルパラフィンを主成分として含有する。マイクロクリスタリンワックスは、減圧蒸留の残渣油又は重質留出油から分離精製した常温において固形のワックスで、分岐状炭化水素であるイソパラフィン、飽和環状炭化水素であるシクロパラフィンをパラフィンワックスより多く含有する。このため、パラフィンワックスに比較して、結晶は小さく、分子量は大きくなり、融点は高くなる傾向にある。前記JIS規格によるとパラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスは、融点に応じて分類され、パラフィンワックスは、48.9℃以上71.0℃未満の間で、8種類に区分され、マイクロクリスタリンワックスは、60.0℃以上87.8℃未満の間で4種及び87.8℃以上で1種に区分される。ペトロラタムは、減圧蒸留残渣油から分離精製した常温において半固形のワックスである。ペトロラタムの融点は、45〜80℃である。
これらのワックスは市販のものを使用することができる。例えば、日本精蝋株式会社製の、Paraffin Wax−115、120、125、130、135、140、145、150、EMW−0001、0003、Hi−Mic−2095、1090、1080、1070、2065、1045、2045等が挙げられる。
フッ素系ワックスとしては、例えば、ポリエチレン/PTFEワックス、PTFE変性ポリエチレンワックス等が挙げられる。このようなワックスは、マイクロクリスタリンワックスと同等かより高い融点を有する傾向にある。
シリコーン系ワックスとしては、例えば、アクリルポリマーとジメチルポリシロキサンからなるグラフト共重合体等が挙げられる。このようなワックスは、アクリルポリマーの種類等により融点を適宜調整可能である。
合成炭化水素系ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
ワックス(C)は、融点が異なる2種以上のワックスが含まれるのが好ましい。これにより、摺動初期において、融点が低い方のワックスがいち早く溶融して摺動特性をより良好に維持することができる。また、摺動初期の後は、融点が高い方のワックスが溶融し、両者のワックスにより摺動特性をより良好に維持することができる。融点の高い方のワックスが摺動初期には作用しないため、潤滑作用を長期に亘り維持できる傾向にある。
融点が異なるワックスが含まれる場合、低融点側のワックスは、融点が40〜55℃であるものが好ましく、45〜55℃であるものがより好ましい。高融点側のワックスは、融点が55℃より高いものが好ましく、80℃以上であるものがより好ましい。
ワックス(C)が固形の場合、ワックス(C)の摺動部材樹脂組成物中の大きさは、良好な摺動特性を発揮させる観点、摺動部材の靱性、表面硬さを良好に維持する観点から、平均粒子径が1μm以上300μm以下であるのが好ましく、3μm以上200μm以下であるのがより好ましく、5μm以上100μm以下であるのがさらに好ましい。
モノマー組成物において、ワックス(A)〜(C)の合計含量は、より良好な摺動特性を得る観点からは、モノマー組成物全体中に、6〜15重量%となるように配合されるのが好ましい。また、ワックス(A)の含量は、ワックス(C)のより良好な分散性及びε−カプロラクタムの重合阻害のより良好な防止の観点から、モノマー組成物全体中に、1〜10重量%となるように配合されるのが好ましく、2〜8重量%がより好ましい。ワックス(B)の含量は、より良好な摺動特性を得る観点から、モノマー組成物全体中に、1〜3重量%となるように配合されるのが好ましい。ワックス(C)の含量は、モノマー組成物全体中に、2〜10重量%となるように配合されるのが好ましく、3〜8重量%がより好ましい。
本発明の実施形態に係る摺動部材用樹脂組成物には、ε−カプロラクタムをアニオン重合させたモノマーキャストポリアミド6(以下、「MCポリアミド6」と称する場合がある。)を含む。このポリアミド樹脂は、モノマーキャストナイロン6或いはモノマーキャスティングナイロン6と称され摺動部材用のポリアミド(ナイロン)6として知られているものである。したがって、モノマー組成物には、ε−カプロラクタムの他に、アニオン重合を行うために、アルカリ金属触媒、助触媒等が含まれ得る。また、必要に応じて、ワックス(C)をより良好に分散するための分散剤が含まれていてもよい。アルカリ金属触媒としては、例えば、ε−カプロラクタムNa塩、ε−カプロラクタムK塩、ε−カプロラクタムLi塩、ε−カプロラクタムMgBr塩、ε−カプロラクタムMgCl塩などが挙げられる。助触媒は開始剤として機能するものであり、例えば、アシルラクタム、酸クロライド、イソシアネート、カーボネート、エステル、尿素などが挙げられる。イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。分散剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤型分散剤、陰イオン性界面活性剤型分散剤、両性界面活性剤型分散剤、高分子型分散剤等が挙げられる。但し重合反応に影響を及ぼさないものを用いることは勿論のことである。ε−カプロラクタム、アルカリ金属触媒及び助触媒の添加量は、安定なポリマーを得ることを考慮して、触媒、助触媒の種類に応じて適宜選択することができる。アルカリ金属触媒がε−カプロラクタムNa塩、助触媒がヘキサメチレンジイソシアネートである場合を例にすると、ε−カプロラクタム100mol%に対して、ε−カプロラクタムNa塩は、0.15〜2mol%、ヘキサメチレンジイソシアネートは、0.1〜1mol%とするのが好ましい。
本発明の実施形態に係る摺動部材用樹脂組成物は、無機系潤滑剤を含有してもよい。無機系潤滑剤は、ε−カプロラクタムが結晶化する際の結晶核剤として機能するため、圧縮弾性率をより向上させることができ、靱性をより向上させることができ、また、耐摩耗性をより向上させることができる。無機系潤滑剤としては、例えば、層状ケイ酸塩、窒化ホウ素、グラファイト、合成グラファイト(人造黒鉛)、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等が挙げられる。層状ケイ酸塩としては、例えば、タルク、マイカ、カオリナイト、ハロイサイト、クロライト、スメクタイト(モンモリロナイト、ヘクトライト等)が挙げられる。グラファイトとしては、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、土状黒鉛等が挙げられる。このうち、グラファイト、人造黒鉛が好ましく、グラファイトが特に好ましい。特に、グラファイトが含まれると、グラファイトの層間滑りに加えて、軟化、溶融したワックスがグラファイトに吸着して摺動面に良好なワックス吸着グラファイトリッチ移着膜が形成されると考えられる。さらにグラファイトは、ワックスの摺動特性を保ちつつ、MCポリアミド6が溶融から固化する際の結晶化を容易にさせる点で望ましい。また、本発明の実施形態に係る組成物を軸受や歯車等に用いる場合、軸受や歯車に塗布したグリスやオイルが、発明の実施形態に係る組成物のグラファイトに吸着し、これにより良好な移着膜が形成される事も期待できる。無機系潤滑剤の大きさは、ε−カプロラクタム中に均一に分散できる大きさであればよく、概ね50μm以下であればよい。
無機系潤滑剤は、1種含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。無機系潤滑剤の含量は、摺動部材用樹脂組成物の靱性の観点からは、モノマー組成物全体中に、0重量%より多く10重量%以下配合されるのが好ましく、0.05〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。また、摺動部材用樹脂組成物の成型体が、成形時の残留応力による歪みの影響があるような大きさの場合は、残留応力を解放させるために熱処理(アニール処理)を行う場合がある。このような熱処理を行うと、ワックスが溶出する場合がある。また、無機系潤滑剤の添加が少量の場合やワックスが溶出した場合には、それにより少量添加のグラファイトの色味が目立ってしまい、外観が損なわれる場合がある。そこで、このようなワックスの溶出を防止するとともに、無機系潤滑剤による外観の悪化を防止する観点からは、無機系潤滑剤の含量は、モノマー組成物全体中に、0.05〜10重量%配合されるのがより好ましく、0.05〜5重量%がさらに好ましい。
本発明の実施形態に係る摺動部材用樹脂組成物には、他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、耐熱剤、補強剤、難燃剤、耐衝撃剤、着色剤、結晶核剤等が挙げられる。特に、結晶核剤を含有する場合は、ワックス(A)〜(C)が固形である場合に、それに起因する表面硬度の低下を抑制することができる。補強剤を含有する場合は、摺動部材とした場合の機械的特性の向上、耐摩耗性の向上を図ることができる。このような補強剤としては、例えば、短繊維、長繊維及び連続繊維で編まれたクロスや帆布等が挙げられる。繊維の種類は、人造繊維及び天然繊維の何れでもよく、ε−カプロラクタムの重合に影響を及ぼさない添加量であれば、特に添加量は問わない。人造繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、フッ素樹脂繊維等の合成繊維;ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維;等が挙げられる。天然繊維としては、綿、麻、亜麻等のセルロース(植物)繊維等が挙げられる。
摺動部材用樹脂組成物は、例えば、ε−カプロラクタム、触媒、助触媒、ワックス(A)〜(C)、必要に応じて添加する任意の添加剤を、各成分の種類及び雰囲気中の環境湿度を考慮し、かつ、重合後の解重合、変形などに影響を及ばさない範囲量及び条件で添加することで、モノマーキャストポリアミド6を含む摺動部材用樹脂組成物が得られる。また、モノマーキャスティング法では、所望の注型内でモノマーを重合させることにより、所望の形状の成型体が得られる。そして、その成型体を摺動部材として使用することができる。また、得られた成型体を切削加工等の機械加工を行うことにより摺動部材を得ることもできる。尚、モノマーキャスティング法により得られる摺動部材用樹脂組成物は成型体である。
摺動部材用樹脂組成物は、例えば、以下のようにしてモノマーキャスティング法により得ることができる。
モノマーであるε−カプロラクタム、アルカリ金属触媒、助触媒、ワックス(A)〜(C)及び任意の添加剤を含むモノマー組成物をε−カプロラクタムの融点以上の温度で混合し、このモノマー組成物を160〜180℃の温度範囲で型内に注入すると、数分程度で硬化し、摺動部材用樹脂組成物が成型体として得られる。
ε−カプロラクタムの重合がアニオン重合であることから、安定なポリマーを得るためには、反応を阻害する物質、特に系中に含まれる水分量や、添加ワックスに残存する未反応酸の量を考慮することが重要である。例えば、水分及び残存する未反応酸はアルカリ金属触媒の活性を失活するため、この失活を見込んでアルカリ金属触媒を過剰に添加することが考えられる。しかし、過剰に添加し過ぎると、重合後のMCポリアミド6の分子量が低くなり、内部応力緩和、結晶化度の向上などの目的で熱処理を施した際に重合体が変形してしまう可能性がある。そこで、この水分の影響を考慮し、モノマーであるε−カプロラクタム100mol%に対して、触媒であるε−カプロラクタムNa塩0.15〜2mol%、助触媒であるヘキサメチレンジイソシアネート0.1〜1mol%を基本配合比として、ε−カプロラクタムNa塩、ヘキサジイソシアネートともに基本配合比の5倍までの範囲で重合を行うのが好ましい。
ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタムNa塩、ヘキサメチレンジイソシアネートの添加の仕方は特に限定はなく、(i)これらの重合系の3成分をそれぞれ個別に所定量を添加してもよいし、(ii)ε−カプロラクタムNa塩、ヘキサメチレンジイソシアネートをそれぞれε−カプロラクタム中に高濃度に溶かしておいて、所定の添加量になるようにε−カプロラクタムの添加量を調整しても良いし、(iii)混合物とした時に所望の濃度
になるように調整したε−カプロラクタムNa塩とε−カプロラクタムの液と、混合物とした時に所望の濃度になるように調整したヘキサメチレンジイソシアネートとε−カプロラクタムの液とを混合してもよい。また、この際のワックス(A)〜(C)や任意の添加剤の添加の仕方も特に限定はなく、それぞれ個別に所定量を添加してもよいし、上記(ii)や(iii)の場合に、いずれかのε−カプロラクタムの液に、所望の量を添加して、モ
ノマー組成物とした時に所望の濃度になるようにしてもよい。
重合反応の温度条件に関しては、重合反応の結果生成した摺動部材用組成物の成形体の大きさに応じて、前述の温度範囲で適宜選択することができる。加熱時間は、成形体の大きさ、温度条件に応じて適宜選択することができる。例えば、φ50mmの円柱形状の場合は、140℃に加熱した後、160℃〜180℃で2時間反応させるのが好ましい。反応終了後は、常温迄冷却させる。また、反応終了後、内部応力緩和の観点、結晶化度の向上の観点等から、熱処理を施すのが好ましい。
MCポリアミド6は、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が小さく、優れたPV値特性を示すことが知られている。そのため、MCポリアミド6、ワックス(A)〜(C)を含有する摺動部材用樹脂組成物は、難分散性のワックス(C)がMCポリアミド6中に従来のものより均一に分散しているため、従来のMCポリアミド6を含む摺動部材より一層優れた摺動特性を有する。
本発明の実施形態に係る摺動部材用樹脂組成物は、従来のものより優れた摺動特性を有するため、摺動部材の摺動部分を構成する部材として好適である。
本発明の実施形態に係る摺動部材用樹脂組成物の成型体又は摺動部材は、摺動部材として好適に機能する観点から、表面硬度がショアDで75〜85が好ましい。表面硬度は、JIS K 7215に準じて測定することができる。
本発明の実施形態に係る摺動部材としては、例えば、軸受、歯車、ピストンリング、シール部材、エアコン用チップシール等が挙げられる。このうち、軸受、歯車が好適である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
(実施例1)
ε−カプロラクタムNa塩(バイオシンス社製):24g、ε−カプロラクタム(和光純薬工業株式会社製):400gを窒素パージしながら容器Aに入れ、110℃に加温した。
ヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製):13g、ε−カプロラクタム(和光純薬工業株式会社製):1300g、ワックス(A)としてNPS−6010(日本精蝋株式会社製、融点74℃):85g、ワックス(B)としてエキセパール SS(株式会社花王製、ステアリン酸ステアリル):30g、ワックス(C)としてマイクロクリスタリンワックスHi−Mic−1080(日本精蝋株式会社製、融点84℃):85g、を容器Bに入れ、140℃に加温した。
それぞれ加温温度に達した後、容器Aの原料を容器Bに入れ、各原料が均一に混じり合うように混合し(この際にモノマー組成物が得られる)、この混合液を160℃の金型(内径50mm)に注入し、160℃で1時間保持した後冷却し、摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物の円柱形成型体を得た。得られた外径φ50mmの円柱形成型体に、切削加工を施すことで、外径φ5.5mmの円柱状の摺動部材を得た。この摺動部材を試験片として以下の評価に使用した。
(実施例2〜9)
表1に示す組成になるように原料となる各成分を調整した以外は、実施例1と同様にして摺動部材を得、この摺動部材を試験片として以下の評価に使用した。
(参考例1:試作スケール)
ε−カプロラクタムNa塩(バイオシンス社製):2.5g、ε−カプロラクタム(和光純薬工業株式会社製):40gを窒素パージしながら容器Aに入れ、150℃に加温した。
ヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製):1.5g、ε−カプロラクタム(和光純薬工業株式会社製):130g、ワックス(C)としてマイクロクリスタリンワックスHi−Mic−1080(日本精蝋株式会社製):20gを容器Bに入れ、150℃に加温した。
それぞれ加温温度に達した後、容器Aの原料を容器Bに入れ、各原料が均一に混じり合うように混合した(この際にモノマー組成物が得られる)。ε−カプロラクタムとワックス(C)の相分離が生じないように反応を促進して粘度が高くなるまで撹拌し、この状態で混合物を160℃の金型(内径50mm)に注入した。160℃で1時間保持した後冷却し、摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物の円柱形成型体を得た。得られた外径φ50mmの円柱形成型体に、切削加工を施すことで、外径φ5.5mmの円柱状の摺動部材を得た。この摺動部材を試験片として以下の評価に使用した。
(参考例2:量産スケール)
表1に示す組成になるように原料となる各成分を調整し、加温した。それぞれ加温温度に達した後、容器Aの原料を容器Bに入れ、粘度が高くなるまで撹拌し、この状態で混合物を160℃の金型(内径50mm)に注入した。160℃で1時間保持した後冷却したところ、相分離が生じ、上部10%程度がワックス分を含む液状で、それ以外の部分はMCポリアミドの成型体が形成されていたが、成型体部分にはワックスは殆ど含まれていなかった。
表1中の実施例2〜9で使用した各成分は以下のとおりである。
[ワックスB]
ユニスターH−476:日油株式会社製、ペンタエリスリトールテトラステアレート、メチレン基数16個、
ユニスターE−275:日油株式会社製、エチレングリコールジステアレート、メチレン基数16個、
[ワックスC]
Hi−Mic−1090:日本精蝋株式会社製、マイクロクリスタリンワックス、融点88℃、
EMW−001:日本精蝋株式会社製、イソパラフィンワックスを主成分とするワックス、融点49℃、
Paraffin Wax−125:日本精蝋株式会社製、パラフィンワックス、融点53℃、
[無機系潤滑剤]
Graphite CPB3:株式会社中越黒鉛工業所製、鱗状黒鉛、
(評価)
<ワックスの分散性>
ワックスの相とMCポリアミドの相分離が生じているか否かを、成型品の外観から目視により確認した。相分離が生じていないものを「〇」、相分離が生じているものを「×」とした。
<摩擦摩耗試験>
ピンオンディスク型の摩擦摩耗試験機(スターライト工業株式会社製、オートピンディスクAPD−101)を用いて、実施例1〜9、参考例1で得られた試験片の摩擦係数の経時変化を測定した。試験条件は、室温、乾燥条件、荷重が1MPa、摺動速度が0.15m/sとした。相手材は、研磨加工の表面粗さRaが0.07μmのステンレス鋼(SUS440C)とした。評価結果を図1〜10に示す。
Figure 2019210467
表1に示すように、ワックス(A)〜(C)を含むことで、ε−カプロラクタムのアニオン重合が阻害されることなく、しかも、参考例1の試作品スケールのようにある程度粘度が高くなるまで撹拌しなくてもワックスを摺動部材用樹脂組成物中に良好に分散させることが可能であるため、量産に好適である。また、図1〜9に示すように、実施例1〜9の摺動部材は、試作品レベルの参考例と同等以上の摺動特性を有する。
(実施例10〜15)
表2に示す成分組成になるように、原料となる各成分を調整した後、表2に示す成型体の形状及び寸法を有する成型体が得られるキャビティを有する金型に注入した以外は、実施例1と同様にして、所定形状の成型体を得た。この成型体を試験片として評価した。尚、表2中の各成分は前述のとおりである。
(評価)
<ワックスの分散性>
実施例1と同様にして評価した。
<熱処理によるワックスの溶出>
得られた各成型体の中心部に熱電対を設置し、その中心部の温度が170℃となってからこの温度で3時間保持させた後、20℃/hで冷却させた。冷却後ワックスの溶出の有無を目視により確認した。ワックスの溶出が認められなかったものを「無」、溶出の認められたものを「有」とした。
<結晶化ピーク温度>
各成型体を260℃に5分間保ったのち、10℃/minで降温した際の結晶化ピーク温度を示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、DSC6220)により測定した。
評価結果及び測定結果を表2に示した。
Figure 2019210467
表2に示すように、例えば、成型後の冷却ひずみが大きくなるほど成型体の大きさが大きく、その熱処理が必要な場合は、例えばグラファイト等の無機系潤滑剤を所定量含有させることで、熱処理によるワックスの溶出を防止することができることが分かる。

Claims (11)

  1. ε−カプロラクタム、ウレタン系ワックス(A)、メチレン基が16〜19個含まれるアルキル基を含有する合成ワックス(B)、並びに、前記ワックス(A)及び(B)以外のワックス(C)を含むモノマー組成物の硬化物である摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  2. モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に前記ワックス(A)〜(C)の合計6〜15重量%を含有する請求項1記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記ワックス(C)が石油系ワックスである請求項1又は2に記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  4. モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に、前記ワックス(A)1〜10重量%、前記ワックス(B)1〜3重量%、前記ワックス(C)2〜10重量%を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記ワックス(C)が、融点が40〜55℃であるものを含む請求項1〜4の何れか1項に記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記ワックス(C)が、前記融点が40〜55℃のワックス(C)に加え、融点が55℃より高いものを含む請求項5記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  7. 無機系潤滑剤を含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  8. モノマー組成物が、当該モノマー組成物全体中に、無機系潤滑剤0.05〜5重量%を含有する請求項7記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の摺動部材用モノマーキャストポリアミド樹脂組成物を含む摺動部材。
  10. 請求項9に記載の摺動部材を含む軸受。
  11. 請求項9に記載の摺動部材を含む歯車。

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