JP3929089B2 - 潤滑性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、潤滑性組成物に関し、特に高温条件で使用される軸受用潤滑剤などに適用できる潤滑性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、機械部品または軸受等において潤滑が必要な部分には、潤滑油または潤滑グリース等の潤滑性組成物が充填または塗布されている。
【0003】
このような潤滑性組成物は、液状または半固形状であって、使用状態で部品が重力や遠心力を受けた場合に飛散し易いので、通常は密封部材を必要とする。
【0004】
密封部材が不要の潤滑性組成物として特開昭55−137198号公報に開示されたものは、ポリエチレンと潤滑グリースを混合して固形状化した潤滑性組成物である。
【0005】
しかし、このようなポリエチレンで固形状化した潤滑性組成物は、ポリエチレンの融点が低く120℃程度で軟化を始め、さらに130〜140℃で完全に溶解し、120℃以上で使用できないものであった。
【0006】
また、潤滑油またはグリースを熱可塑性樹脂で固形状化するには、その樹脂の融点以上まで加熱する必要があるが、加熱により潤滑油本来の潤滑特性が劣化したり、加熱された軸受その他の機械部品の強度が劣化する欠点があった。
【0007】
因みに、上記潤滑性組成物の加熱溶融温度は、熱可塑性樹脂としてポリアミドを採用すると180〜200℃、ポリプロピレンを採用すると170〜190℃、ポリメチルペンテンを採用すると220〜250℃である。このように180℃を越える加熱温度は、潤滑油またはグリースを劣化させる恐れがあると考えられる。
【0008】
また、比較的低温で固形状化可能な潤滑性組成物としては、硬化型シリコーンゴムを含む基材に、シリコーンと相溶性のあるシリコーンオイルまたは、シリコーンオイルを基油とするグリースを保持させた潤滑性組成物が特開平6−330071号公報に開示されている。
【0009】
この潤滑性組成物は、耐熱性に優れた組成物であると共に100℃以下の低温度でも固形状化できるため、潤滑油本来の特性を劣化させることがなく、また軸受その他の機械部品を劣化させることがなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した硬化型シリコーンゴムを含む基材にシリコーンオイル等を保持させた従来の潤滑性組成物は、シリコーンゴムの三次元網目構造で形成される空間が微細であり、またそのような空間は組成物内で連通せず独立して存在するので、内部に閉じ込められた潤滑油またはグリースが潤滑性組成物の表面に流通せず、油分の滲み出し量が不充分となり、例えば100時間を越えるような長時間連続して使用すると、潤滑不良を起こし易いという問題点があった。
【0011】
また、硬化型シリコーンに導入されている反応性有機基の官能基の当量は、適正にすることが容易でなく、例えば官能基当量が小さくて脆く硬くなったり、または官能基当量が大き過ぎると軟質のゴム状になりやすく、これでは組成物が安定して良好な特性を発揮しない。
【0012】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、潤滑油やグリースを劣化させることなく保持し、耐熱性が良く機械的な強度が確実に得られ、しかも従来品に比べてはるかに長時間の連続使用に耐え、潤滑不良を起こし難い潤滑性組成物とすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、(a)反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと、(b)前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤とを、(c)潤滑油またはグリース中で重合反応させて、潤滑油またはグリースからなる成分(c)をシリコーンの三次元網目構造体で保持した潤滑性組成物において、前記成分(c)として、前記成分(a)および成分(b)に相溶性のないものを採用したのである。
【0014】
また、成分(a)または成分(b)の反応性有機基の官能基当量を50〜5000g/molに設定したのである。
【0015】
または、(d)反応性有機基およびこの反応性有機基に反応する有機基を有する変性シリコーンオイルを、(c)潤滑油またはグリース中で重合反応させて、前記(c)成分をシリコーンの三次元網目構造体で保持した潤滑性組成物において、前記成分(c)として、前記成分(d)に相溶性のないものを採用したのである。
【0016】
また、成分(d)の反応性有機基の官能基当量を50〜5000g/molにしたのである。
【0017】
この発明の潤滑性組成物は、潤滑油またはグリースからなる成分(c)をシリコーンの三次元網目構造体で保持した際、成分(c)とシリコーンの相溶性がないので、三次元網目構造体によって形成される成分(c)を保持する空間が、成分(c)とシリコーンの相溶性がある場合に比べて大きくなり、かつそれらは連通した空間を形成する。
【0018】
このため、潤滑性組成物の内部に保持された潤滑油またはグリースが、連通孔を経て組成物表面に滲みだすことが可能となり、長時間安定した潤滑性能を発揮する。
【0019】
なお、成分(c)とシリコーンの相溶性がないために起こる潤滑性組成物成形(硬化)時の分離(滲み出し)現象は、油の含有量に対して極めて少量であり、かつ混合および硬化を短時間で行うことにより、また必要に応じて軸受内部空間を密封することにより、実害のない程度に防止できる。
【0020】
特に、成分(c)の潤滑油またはグリースの基油として、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油、リン酸エステル油からなる群から選ばれる一種以上の油に、40℃の粘度が1000cSt以上の高粘度合成炭化水素油を添加した混合油を採用すれば、上記分離現象をより確実に防止することができる。その場合、高粘度合成炭化水素油として、カルボキシ変性合成炭化水素油を採用することが好ましい。
【0021】
シリコーンオイルを重合反応させる温度は、180℃以下、室温〜150℃程度であるから、潤滑成分(c)や被充填部品を熱劣化させることなく、製造後の潤滑性組成物は、シリコーン特有の耐熱性他の好ましい物性を発揮する。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明に用いる反応性有機基を有する変性シリコーンオイル(成分(a))は、分子内に反応性有機基を持つシリコーンオイルであり、このものは、成分(b)である前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤と混合された際に重合反応し、三次元網目構造体を形成する。
【0023】
この発明に用いる変性シリコーンオイルは、シリコーンの側鎖または末端にアミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基などが結合した周知の変性シリコーンオイルであれば、これを特に限定することなく使用できる。
【0024】
変性シリコーンオイルと硬化剤の反応性有機基との組み合わせは、互いに反応する有機基であれば任意に選定して組み合わせることができる。また、有機基の組み合わせ例は、一方の有機基がシリコーンオイルまたは硬化剤のいずれに結合させるかを限定したものでなく、例えば、アミノ基とエポキシ基の組み合わせであれば、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ硬化剤、およびエポキシ変性シリコーンオイルとアミン硬化剤の両方の組み合わせを採用できる。
【0025】
変性シリコーンオイルと硬化剤の反応性有機基との好ましい組み合わせの例は、ヒドロキシル基とイソシアナート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とエポキシ基、またはアミノ基とイソシアナート基、アミノ基とカルボキシル基、アミノ基とエポキシ基などである。
【0026】
また、変性シリコーンオイルの反応性有機基以外の部分を金属で置換してもよく、たとえばシリコーンの一部をアルミニウムやチタン等の金属で置換したメタロシロキサンを使用すれば、より耐熱性に優れた組成物が得られる。
【0027】
前記エポキシ基を有する硬化剤として好ましい化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの反応物があり、その市販品として油化シェルエポキシ社製:エピコート825,827,828,834,815が挙げられ、またビスフェノールFとエピクロルヒドリンの反応物として、油化シェルエポキシ社製:エピコート807が挙げられる。
【0028】
そして、環式脂肪族エポキシ化合物としては、アリサイクリックジエポキシアセタール(チバガイギー社製:CY175)、アリサイクリックジエポキシアジペート(チバガイギー社製:CY177)、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(チバガイギー社製:CY179)、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘキサヒドロフタレート、ダイコー酸グリシジルエステル、ダイコー酸グリシジルエステル変成物、アロコティックジグリシジルエステル、シクロアリファティックジグリシジルエステルなどが挙げられる。
【0029】
この発明で用いる潤滑油は、シリコーンと相溶性のない潤滑油であり、例えば鉱油、合成炭化水素油、ジエステル油、ポリオールエステル油、エーテル油、フッ素油、リン酸エステル油などのシリコーン油以外の潤滑油が挙げられる。またこのような潤滑油の2種以上を混合した混合油であっても、同様にシリコーンとの相溶性がなければ、それらを使用することができる。
【0030】
グリースは、上記したような潤滑油を基油として、金属石けんや非石けん(ジウレア、ベントン、ポリウレア等)の増稠剤を添加して適当な粘度にし、必要に応じて極圧剤等の各種添加剤を添加したものである。この発明に用い得るグリースの(増稠剤−基油)の例を以下に列挙する。
【0031】
リチウム石けん−ジエステル油系、リチウム石けん−鉱油系、リチウム石けん−合成炭化水素系、ナトリウム石けん−鉱油系、アルミニウム石けん−鉱油系、リチウム石けん−ジエステル鉱油系、非石けん−ジエステル油系、非石けん−鉱油系、非石けん−ポリオールエステル油系、非石けん−エーテル油系、非石けん−合成炭化水素系、リチウム石けん−ポリオールエステル油系などである。
【0032】
上記の潤滑油またはグリースの基油に添加する高粘度合成炭化水素油は、40℃の粘度が1000cSt以上の高粘度合成炭化水素油である。同条件の粘度が1000cSt未満の炭化水素油では、成分(c)とシリコーンの相溶性がないために起こる分離現象を確実に防止することは困難である。
【0033】
また、このような高粘度合成炭化水素油の基油または潤滑油中の添加量は、1〜10重量%であることが好ましく、所定範囲外での添加量では、成分(c)とシリコーンの適当な相溶性が得られない。このような添加量は、4〜6重量%とした場合に最良の結果を得ている。
【0034】
カルボキシ変性合成炭化水素油は、合成炭化水素油の一部にカルボキシル基を導入したものであり、市販品として三井石油化学工業社製のルーカントA−5202、A−6002、A−5215、A−5515、A−5260、A−5560、A−5320Hなどが挙げられる。
【0035】
また、この発明の潤滑性組成物のさらなる潤滑性改善または強度改善のためには、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、マイカなどの鉱物性粉末類、またはガラス繊維、アスベスト、石英ウール、カーボン繊維、金属繊維その他の無機繊維類もしくはこれらを素材とする不織・編織布、または芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリエステル繊維その他の有機繊維、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールその他の熱硬化性・熱可塑性樹脂を添加してもよい。
【0036】
また、この発明の潤滑性組成物の用途等に応じて必要な物性を補強してもよく、たとえば脂肪酸金属塩、周知の酸化防止剤、錆止め剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤、固体潤滑剤、架橋促進剤、硬化触媒、有機着色料、無機着色料を添加してもよい。
【0037】
【実施例】
実施例および比較例に使用した変性シリコーンオイル、硬化剤、反応性有機基を以下に列挙し、これらの配合割合を表1〜3にまとめて示した。
(1)アミノ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製:BY16−849、官能基当量600g/mol)
(2)アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF861、官能基当量2000g/mol)
(3)エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF101、官能基当量4000g/mol)
(4)エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF100T、官能基当量350g/mol)
(5)環式脂肪族エポキシ[ジグリシジルテトラヒドロフタレート](チバガイギー社製:アラルダイトCY182、官能基当量160g/mol、下記の式で示される構造である。)
【0038】
【化1】
Figure 0003929089
【0039】
(6)ビスフェノール型エポキシ(油化シェルエポキシ社製:エピコート828、官能基当量190g/mol)
(7)ビスフェノール型エポキシ(油化シェルエポキシ社製:エピコート807、官能基当量170g/mol)
(8)エチレンジアミン(和光純薬社製)
(9)p−フェニレンジアミン(和光純薬社製)
(10)高粘度炭化水素油(三井石油化学工業社製:ルーカントHC−2000)
(11)カルボキシ変性合成炭化水素油(三井石油化学工業社製:ルーカントA−5260)
【0040】
【表1】
Figure 0003929089
【0041】
【表2】
Figure 0003929089
【0042】
【表3】
Figure 0003929089
【0043】
〔実施例1〕
アミノ変性シリコーンオイル25重量%、環式脂肪族エポキシ25重量%、リチウム石けん−鉱油系グリース50重量%を常温で均一に混合した後、6204玉軸受に約1.8g充填し、150℃で30分間保持して硬化させた。硬化後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させ、回転軸を駆動している電動機の入力電流が制限電流を超過した時(回転トルクが始動トルクの2倍を越えた時)までの時間を測定して、潤滑性を評価したところ、200時間の回転が可能であった。
また、6204玉軸受に別途配合した潤滑性組成物約1.8gを充填し、150℃で30分間保持して硬化させた後、この玉軸受を25℃で1800rpmで回転させた際の異常音の有無を評価した(実施例1〜7、比較例1についても同じ)。この評価は、異常音が発生したものを×印、発生しなかったものを〇印として表1、3中に併記した。
【0044】
〔実施例2〕
アミノ変性シリコーンオイル35重量%、環式脂肪族エポキシ15重量%、ウレア−合成炭化水素系グリース50重量%を常温で均一に混合した後、6204玉軸受に約1.8g充填し、150℃で30分間保持して硬化させた。硬化後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、700時間の回転が可能であった。
また、潤滑性組成物を別途充填し硬化させた同型の玉軸受について、錆の発生試験を行なった。すなわち、前記玉軸受に3%の食塩水を0.5ミリリットル注入し、40℃で100時間放置した後の錆発生状況を観察し、軸受軌道面に占める発錆面積の割合(%)を調べた。この結果は、図1の図表に示した。
また、得られた潤滑性組成物の相対硬さを調べるため、アスカーC型硬度計(JIS S6050)で硬さを測定し、結果を図2の図表に示した。なお、実施例2の硬さを100とし、後述する他の試験品の硬さを相対的に評価した。
【0045】
〔実施例3〕
アミノ変性シリコーンオイル40重量%、環式脂肪族エポキシ10重量%、ウレア−エーテル系グリース50重量%を常温で均一に混合した後、6204玉軸受に約1.8g充填し、150℃で30分間保持して硬化させた。硬化後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、1200時間の回転が可能であった。
【0046】
〔実施例4〕
アミノ変性シリコーンオイル34.5重量%、環式脂肪族エポキシ13.5重量%、ウレア−合成炭化水素系グリース50重量%、ステアリン酸リチウム2重量%を常温で均一に混合した後、150℃で30分間保持して硬化させた。得られた組成物の硬さは実施例2と全く同様に調べ、結果を図2の図表に示した。
また、6204玉軸受に潤滑性組成物約1.8gを充填し、150℃で30分間保持して硬化させた後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、700時間の回転が可能であった。
【0047】
〔実施例5〕
アミノ変性シリコーンオイル26.0重量%、環式脂肪族エポキシ13.0重量%、ウレア−合成炭化水素系グリース60重量%、ステアリン酸カルシウム1重量%を常温で均一に混合した後、150℃で30分間保持して硬化させた。
得られた潤滑性組成物の硬さを実施例2と全く同様に調べ、結果を図2の図表に示した。
また、6204玉軸受に潤滑性組成物約1.8gを充填し、150℃で30分間保持して硬化させた後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、700時間の回転が可能であった。
【0048】
〔実施例6〕
アミノ変性シリコーンオイル34.5重量%、環式脂肪族エポキシ14.5重量%、ウレア−合成炭化水素系グリース50重量%、二硫化モリブデン(固体潤滑剤)1重量%を常温で均一に混合した後、6204玉軸受に約1.8g充填し、150℃で30分間保持して硬化させた。硬化後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、500時間の回転が可能であった。
【0049】
〔実施例7〕
アミノ変性シリコーンオイル34.5重量%、環式脂肪族エポキシ13.5重量%、ウレア−合成炭化水素系グリース50重量%、エステル系防錆剤2重量%を常温で均一に混合した後、150℃で30分間保持して硬化させた。
また、潤滑性組成物を別途充填し硬化させた同型の玉軸受について、実施例2と全く同様にして錆の発生試験を行ない、この結果は、図1の図表に示した。
また、6204玉軸受に潤滑性組成物約1.8gを充填し、150℃で30分間保持して硬化させた後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、500時間の回転が可能であった。
【0050】
〔比較例1〕
アミノ変性シリコーンオイル35重量%、環式脂肪族エポキシ15重量%、リチウム石けん−シリコーン油系グリース50重量%を常温で均一に混合した後、6204玉軸受に約1.8g充填し、150℃で30分間保持して硬化させた。硬化後、この玉軸受を150℃で5000rpmで回転させて潤滑性を調べたところ、100時間で回転が不可能になった。
また、潤滑性組成物を別途充填し硬化させた同型の玉軸受について、実施例2と全く同様にして錆の発生試験を行ない、この結果は、図1の図表に示した。
また、得られた潤滑性組成物の硬さを実施例2と全く同様に調べ、結果を図2の図表に示した。
【0051】
〔実施例8〜15、比較例2、3〕
表2または表3に示す配合割合で、所要成分を常温で均一に混合した後、150℃で30分間保持して硬化させた。
また、6204玉軸受に別途配合した潤滑性組成物約1.8gを充填し、150℃で30分間保持して硬化させた後、この玉軸受を25℃で1800rpmで回転させた際の異常音の有無によって評価した。この評価は、異常音が発生したものを×印、発生しなかったものを〇印として、表2又は表3中に併記した。
【0052】
なお、前記した実施例2と実施例14、15については、潤滑組成物を円柱(半径5mm、高さ8mm)成形用型に充填し、150℃で30分保持し、硬化させて円柱状試験片を形成した。そして、硬化中に樹脂組成物から滲み出した合成炭化水素油の重量を測定し、実施例2からの流出重量を100として、実施例14、15からの流出重量(相対重量)を図3中に示した。
【0053】
表1〜3の結果からも明らかなように、比較例2または比較例3は、変成シリコーンオイルと反応性有機基化合物の合計量が、所定範囲未満または超過の場合であり、潤滑性組成物が未硬化になるか、または組成物の硬さが過剰となって異常音が発生した。
【0054】
これに対して、変成シリコーンオイルと反応性有機基化合物の合計量の条件を満足する実施例8、9は、組成物の硬さも適当であり異常音もなかった。
【0055】
また、図1の結果からも明らかなように、防錆剤を添加した実施例7の潤滑性組成物は、防錆剤を含有しない実施例2または比較例1に比べて発錆割合が約1/5に低下した。
【0056】
そして、図2の結果からも明らかなように、実施例2、4、5の潤滑性組成物は、三次元網目構造体と相溶性のある潤滑油を用いた比較例1に比べて硬さの点で機械的強度を充分に保持していることがわかる。
【0057】
また、図3の結果から、高粘度炭化水素油をそれぞれ5重量%添加したグリース使用の実施例14、15は、高粘度炭化水素油を添加しなかった実施例2に比べてその成形中の油の滲み出し量(分離量)が、かなり低いことがわかる。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、変性シリコーンオイルをこれに相溶性のない潤滑油またはグリース中で重合反応させて、潤滑成分をシリコーンの三次元網目構造体で保持した潤滑性組成物としたので、製造段階で加熱温度が低くて潤滑油やグリースを劣化させることなく保持していると共に、耐熱性が良いシリコーンで保形されており、しかも従来品に比べてはるかに長時間の連続使用に耐えて潤滑不良を起こし難い潤滑性組成物となる利点がある。
【0059】
また、所定成分の反応性有機基の官能基当量を所定量に設定したものでは、特に機械的な強度が確実に得られる利点がある。
【0060】
また、潤滑油またはグリースの基油として、高粘度合成炭化水素油を添加した混合油を採用すれば、成形硬化時の油の分離現象をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の軸受内面に占める発錆面積の割合を示す図表
【図2】実施例および比較例の硬さを相対的に示す図表
【図3】実施例の成形時の油の滲出量を相対的に示す図表

Claims (5)

  1. (a)アミノ変性シリコーンオイルと、(b)ビスフェノール型エポキシ化合物または環式脂肪族エポキシ化合物からなる硬化剤とを、(c)潤滑油またはグリース中で重合反応させて、成分(c)をシリコーンの三次元網目構造体で保持した潤滑性組成物において、
    前記成分(c)として、前記成分(a)および成分(b)に相溶性がないものでありかつシリコーン油以外のものを採用し、成分(a)と成分(b)の合計量が潤滑性組成物の全重量に対して20〜80重量%であり、かつ成分(a)と成分(b)の重量比が10:1から1:10の範囲であることを特徴とする潤滑性組成物。
  2. 成分(a)または成分(b)の反応性有機基の官能基当量が、50〜5000g/molである請求項1記載の潤滑性組成物。
  3. 成分(c)の潤滑油またはグリースの基油が、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油、リン酸エステル油からなる群から選ばれる一種以上の油である請求項1または2に記載の潤滑性組成物。
  4. 成分(c)の潤滑油またはグリースの基油が、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油、リン酸エステル油からなる群から選ばれる一種以上の油に、40℃の粘度が1000cSt以上の高粘度合成炭化水素油を添加した混合油である請求項1〜のいずれか1項に記載の潤滑性組成物。
  5. 高粘度合成炭化水素油が、カルボキシ変性合成炭化水素油からなる請求項記載の潤滑性組成物。
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