JP3886248B2 - 転がり軸受および保持器の製造方法 - Google Patents

転がり軸受および保持器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は転がり軸受および転がり軸受用保持器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高所や機械内部などに装着される転がり軸受は、潤滑剤を補充するなどの補修作業が困難であり、また重力加速度が大きく作用する装置内の回転軸や高速回転軸を支持する軸受においては、グリースや潤滑油が飛散する場合があり、これらの不具合を防止するために所定物性の固型潤滑剤を転がり軸受内に充填して使用するようにしている。
【0003】
図4および図5に示した複列転がり軸受Bは、2列の軌道間に径方向に突出する案内つば10を有すると共に、各軌道の軸方向両端部に径方向に突出する脱落防止つば11を有する内輪12と、これに対抗した軌道を有する外輪13と、これらに介在する2つの保持器14と、これらの保持器14により間隔を開けて回転自在に保持された2列のころ15からなる。
【0004】
保持器14は、案内つば10に固定されるリング状部16とその周縁に細板状の間隔保持部17を所定間隔に突出させて櫛歯状に形成したものである。
【0005】
このような保持器14を装着した転がり軸受Bは、全部品を組み付けた後に各列のころ15の近傍の内輪12と外輪13の間の空間、および内輪12の両端に形成された脱落防止つば11と2列のころ15の端面の間隙を埋めるように、超高分子ポリオレフィンと潤滑グリースの混合物からなる固形潤滑剤18を充填しこれを加熱・冷却して固型状化している(特開平6−50330号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した構造の複列転がり軸受は、全部品を組み付けた後にゲル状の固形潤滑剤を転動体の周りの空間に注入し、軸受を加熱して前記固形潤滑剤を固形状化したものであるから、ころの外周面の大部分と固形潤滑剤とが接触しており、かつ外輪と内輪の軌道面の大部分と固形潤滑剤も接触しており、転動体と固形潤滑剤の接触面積が大きいものである。
【0007】
このように、転動体と固形潤滑剤の接触面積が大きい転がり軸受は、使用中に固型潤滑剤が変形したり、欠けたり、割れたりすると、その破片が摩擦面に詰まり、軸受の回転トルクが増加したり、摩擦による発熱が起こるという問題点があった。
【0008】
特に、複列転がり軸受の場合に、全部品を組み付けた後にゾル状の固形潤滑剤を転動体の周りの空間に注入すると、軸受け内部の構造が複雑である分だけ固型潤滑剤が欠けたり、割れたりしやすい形状になり、転動体の回転が固型潤滑剤の破片によって阻害されやすいという問題点があった。
【0009】
また、複列転がり軸受に充填された固形潤滑剤は、一旦、変形したり欠けたり割れたりすると、一列の転動体ばかりでなく、隣合う両方の列の転動体の回転を阻害し、これにより軸受の回転トルクが増加しやすいという問題点もあった。
【0010】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して転動体と固形潤滑剤の接触面積を適当に少なくするようにし、軸受の回転トルクの増加を防止し、かつ摩擦による発熱を抑制して、高速回転状態でも安定して低い回転トルクであり、また軸受の温度を上昇させ難い転がり軸受とし、特に前述の状態で複列転がり軸受を安定して回転させることである。
【0011】
また、転がり軸受の動作中に固型潤滑剤が変形したり、欠けたり、割れたりせず、固形潤滑剤の破片が摩擦面に詰まりにくい転がり軸受用保持器を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、複数の転動体を案内する一対の軌道輪およびこれらの軌道輪間に装着されるリング状の保持器を有し、この保持器に前記転動体間に介在する間隔保持部を設けた転がり軸受おいて、前記保持器は、間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けた転がり軸受としたのである。
【0013】
また、前記転がり軸受として複列転がり軸受を採用し、前記保持器が2列の転動体をそれぞれ保持する2つのリング状保持器であり、かつそれぞれの櫛歯状間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けた保持器を装着した転がり軸受としたのである。
【0014】
また、前記した転がり軸受において、固形潤滑剤は、潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物の成形体であるものを採用できる。
【0015】
また、前記した転がり軸受において、固形潤滑剤は、反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤を、潤滑油または潤滑グリース中で重合反応させて固形状化した成形体であるものを採用できる。
【0016】
また、前記した課題を解決するため、この発明においては、リング状本体に複数の転動体を間隔を開けて保持する櫛歯状の間隔保持部を設けた転がり軸受用保持器を成形型内に収容し、この成形型は前記保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティーを有するものであり、前記キャビティー内に潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物を充填した状態で、前記超高分子量ポリオレフィンをゲル化点以上に加熱し、その後、冷却して固形状化し、固形潤滑剤と間隔保持部を複合して一体に成形する保持器の製造方法としたのである。
【0017】
または、前記した課題を解決するため、この発明においては、リング状本体に複数の転動体を間隔を開けて保持する櫛歯状の間隔保持部を設けた転がり軸受用保持器を成形型内に収容し、この成形型は前記保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティーを有するものであり、前記キャビティー内に潤滑油または潤滑グリースと、反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤とからなる混合物を充填し、前記潤滑油または潤滑グリース中で前記硬化剤を重合反応させて固形潤滑剤と間隔保持部を複合して一体に成形する保持器の製造方法としたのである。
【0018】
上記したように構成されるこの発明の転がり軸受は、間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けることにより、それ以外の部分で固形潤滑剤が転動体と接触することがなく、転動体と固形潤滑剤の接触面積を適当に少なくして、軸受の回転トルクの増加を防止し、かつ摩擦による発熱を抑制して、高速回転状態でも安定して低い回転トルクで回転し、また軸受の温度を上昇させ難い転がり軸受となる。
【0019】
また、複列転がり軸受において、間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けることにより、上記同様の作用がある複列転がり軸受となる。
【0020】
また、保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティーを有する成形型を使用し、このキャビティー内に所定の固形潤滑剤の材料混合物を注入し、所定の反応で硬化させることにより、固形潤滑剤と間隔保持部を複合して一体に成形した保持器を製造することができ、この保持器を転がり軸受に組み込むことにより、転動体と固形潤滑剤の接触面積を適当に少なくして、軸受の回転トルクの増加を防止し、かつ摩擦による発熱を抑制して、高速回転状態でも安定して低い回転トルクで回転し、また軸受の温度を上昇させ難い転がり軸受を提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の転がり軸受に係る実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、実施形態の転がり軸受Aは、多数のころ1を2列に配置して案内する内輪2および外輪3からなる一対の軌道輪を有すると共に、これらの軌道輪間に装着されるリング状の保持器4として、2列に配置されるころ1を一列ずつ保持するものを2個一組で使用し、櫛歯状の間隔保持部4aの径方向内側に固形潤滑剤5を複合成形により一体に固定して設けた複列転がり軸受からなるものである。
【0022】
上記した固形潤滑剤5と保持器4の複合成形方法は、以下の通りである。
まず、鉄(軸受鋼)製の芯金として、図1〜図3に示すようなリング状本体4bに複数のころ1を間隔を開けて保持可能なように櫛歯状(細幅板を所定間隔で配置したものともいえる)の間隔保持部4aを形成した転がり軸受用の保持器4を金型内に収容する。この際に使用する金型は、保持器4の間隔保持部4aをそれぞれ収容するキャビティー(雄型と雌型の間に形成される間隔保持部の幅を有する直方体状の空間)を有するものである。
【0023】
そして、前記キャビティー内に潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物を充填した状態で、前記超高分子量ポリオレフィンをゲル化点以上に加熱し、その後、冷却して固形状化し、固形潤滑剤5と間隔保持部4aを複合して一体に直方体状に成形する。
【0024】
このようにすると、図1に示すように固形潤滑剤5が間隔保持部4aの内面側に固定された状態になり、かつリング状本体4bの内周面部分にも固形潤滑剤5が薄肉状に保持される。前記薄肉状の固型潤滑剤5は、ころ1の端面側から潤滑成分を補給するためにも好ましいものである。
【0025】
なお、固形潤滑剤5を成形する部分は、櫛歯状の間隔保持部4aの全面でなくてもよく、例えば図1中に鎖線で示すように、長手方向の途中までの成形体であってもよい。このようにすると、ころ1を軸受に組み付ける(通常、こじて挿入する)際に櫛歯状の間隔保持部4aの先端から固形潤滑剤5が剥がれることを防止でき、しかも潤滑性能を損じることはない。
【0026】
このようにして得られた保持器は、複列転がり軸受に組み付けて使用でき、間隔保持部の幅で形成された固形潤滑剤が転動体に接触することにより、潤滑成分を摩擦面に供給する。
【0027】
また、上記した潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物に代えて、潤滑油または潤滑グリースと、反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤とからなる混合物を充填し、前記潤滑油または潤滑グリース中で前記硬化剤を重合反応させてもよい。このようにしても、固形潤滑剤と間隔保持部を複合して一体に成形することができる。
【0028】
前記した潤滑油は、特にその種類を限定して用いたものではなく、例えば鉱油、合成炭化水素油、ポリアルキレングリコール油、ジエステル油、ポリオールエステル油、リン酸エステル油、ポリフェニルエーテル油、シリコーン油、フッ素油等の周知の潤滑油を使用できる。
【0029】
また、潤滑グリースもその種類を特に限定して用いたものではなく、上記潤滑油として使用する基油を石けんまたは非石けん(例えば、ベントン、シリカエアロゲル、ナトリウムテレフタラメート、ウレア、ポリテトラフルオロエチレンなど)で増稠させた潤滑グリースを使用したものである。
【0030】
グリースの具体例を、増稠剤−基油の材料系で示すと以下の通りである。すなわち、リチウム石けん−ジエステル系グリース、リチウム石けん−鉱油系グリース、ナトリウム石けん−鉱油系グリース、アルミニウム石けん−鉱油系グリース、リチウム石けん−ジエステル鉱油系グリース、非石けん−ジエステル系グリース、非石けん−鉱油系グリース、非石けん−ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−シリコーン油系グリース、PTFE−フッ素油系グリースなどの各材料系のグリースが挙げられる。
【0031】
また、この発明に使用する超高分子量ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンもしくはこれらの共重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の重合体を配合した混合粉末を材料としたものであり、各粉末の分子量は、粘度法によって測定される平均分子量として1×106 〜5×106 である。このような超高分子量のポリオレフィンは、成形した後の剛性および保油性において低分子量のポリオレフィンより優れており、加熱してもほとんど流動することがない。
【0032】
超高分子量ポリオレフィンの固形潤滑剤中の配合割合は、94〜1重量%であり、その配合量により成形体組成物の離油度、粘り強さおよび硬さが変化する。すなわち、超高分子量ポリオレフィンの配合量が多いほど潤滑油または潤滑グリースを所定温度で分散保持させた成形体が硬くなる。
【0033】
なお、超高分子量ポリオレフィンの粉末に代えて、ポリアミドやポリアセタールなどの熱可塑性樹脂粉末を用いることもできる。
【0034】
この発明に用いる反応性有機基を有する変性シリコーンは、分子内に反応性有機基を有するシリコーン樹脂材料であり、これは反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤と混合することによって重合反応し、三次元網目構造の熱硬化性樹脂になる。
【0035】
上記した変性シリコーンとしては、シリコーンの側鎖または末端にアミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基などが結合した周知の変性シリコーンを特に限定することなく使用できる。
【0036】
変性シリコーンと硬化剤における反応性有機基との組合わせは、互いに反応する有機基であれば任意に選定して組み合わせることができる。また、有機基の組合わせ例は、一方の有機基がシリコーンまたは硬化剤のいずれかに結合することを限定したものではなく、例えば、アミノ基とエポキシ基の組合わせであれば、アミノ変性シリコーンとエポキシ硬化剤、およびエポキシ変性シリコーンとアミン硬化剤の両方の組合わせを含む。
【0037】
すなわち、変性シリコーンと硬化剤の反応性有機基との好ましい組み合わせの例は、ヒドロキシル基とイソシアナート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とエポキシ基、またはアミノ基とイソシアナート基、アミノ基とカルボキシル基、アミノ基とエポキシ基などである。
【0038】
また、変性シリコーンの反応性有機基以外の部分を金属で置換してもよく、例えばシリコーンの一部をアルミニウムやチタンなどの金属で置換したメタロシロキサンを使用すれば、より耐熱性に優れた組成物が得られる。
【0039】
前記エポキシ基を有する硬化剤として好ましい化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの反応物があり、その市販品として油化シェルエポキシ社製:エピコート825、827、828、834、815が挙げられ、またビスフェノールFとエピクロルヒドリンの反応物として、油化シェルエポキシ社製:エピコート807が挙げられる。
【0040】
そして、環式脂肪族エポキシ化合物としては、アリサイクリックジエポキシアセタール(チバガイギー社製:CY175)、アリサイクリックジエポキシアジペート(チバガイギー社製:CY177)、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(チバガイギー社製:CY179)、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘキサヒドロフタレート、ダイコー酸グリシジルエステル、ダイコー酸グリシジルエステル変性物、アロマティックジグリシジルエステル、シクロアリファティックジグリシジルエステルなどが挙げられる。
【0041】
また、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。
【0042】
さらに、この発明の転がり軸受の耐久性を良くしたり、水などの侵入による錆を防止するために、潤滑グリースや潤滑油を所要箇所に封入または塗布することもできる。
【0043】
【実施例】
〔実施例1〜3〕
図1〜3に示すような複列ころ軸受22311(自動調心ころ軸受、内径50mm以下)用の保持器(本体)4を製造する際に通常用いる金型と略同形状の金型であって、保持器4の間隔保持部4aを収容する独立したキャビティー(雄型と雌型の間に形成される間隔保持部の幅を有する直方体状の空間)を形成したものを準備した。この金型に芯金として保持器本体を入れ、前記キャビティーに表1に示した固形潤滑剤の原料組成物を封入し、この金型を150〜170℃の恒温槽で30〜60分加熱した後、室温まで冷却して固形潤滑剤を固形化した。固形潤滑剤5は、間隔保持部4aの内面側に固定された状態になり、かつリング状本体4bの内周面部分にも固形潤滑剤5が薄肉状に保持された。
【0044】
上記得られた保持器2個を複列ころ軸受22311の外輪と内輪の間に入れ、ころを組み込んで図2および図3に示す複列ころ軸受を製造した。
【0045】
得られた複列ころ軸受の特性について、固形化した固形潤滑剤の硬度(Hs)および室温における回転トルクと軸受外輪の外径面の温度を以下の方法で測定し、これらの結果を表1中に併記した。
【0046】
(a)固形潤滑剤の硬さの測定
軸受に組み付ける前の保持器の固形化した固形潤滑剤について、JIS K 6301 5.2によりスプリング硬さ(Hs)を測定した。
【0047】
(b)回転トルクと軸受温度の測定
前記製造した試験用軸受である複列ころ軸受22311に、ラジアル荷重50kgfを加え、室温にて500、1000、2000rpmで1時間回転した時の回転トルクと軸受外輪の外径面の温度を測定した。
【0048】
【表1】
Figure 0003886248
【0049】
〔比較例1〕
従来の保持器2個を複列ころ軸受22311の外輪と内輪の間に入れ、ころを組み込んで複列ころ軸受を製造し、表1に示した固形潤滑剤原料を外輪と内輪の空隙に一杯に充填し、図4および図5に示す複列ころ軸受を製造した。
【0050】
得られた複列ころ軸受の特性について、室温における回転トルクと軸受外輪の外径面の温度および固形化した固形潤滑剤の硬度(Hs)を前記同様の条件で測定し、これらの結果を表1中に併記した。
【0051】
表1の結果からも明らかなように、比較例1の軸受は、500〜1000rpmで1時間回転した時の回転トルクが、5.5〜6.1kgf・cmであり、軸受外輪の外径面の温度が46〜69℃になった。また、比較例1は、2000rpmで1時間回転させることが困難でなり、同条件での測定結果は得られなかった。
【0052】
これに対して、実施例1〜3の軸受は、2000rpmで1時間回転させる条件に充分に耐え、500〜1000rpmで1時間回転した時の回転トルクが、2.1〜2.9kgf・cmで比較的小さく、軸受外輪の外径面の温度も34〜44℃と低かった。また、2000rpmで1時間回転した時の回転トルクは、2.1〜3.8kgf・cmで比較的小さかった。
【0053】
【発明の効果】
本願の転がり軸受に係る発明は、以上説明したように、間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けることにより、軸受の回転トルクの増加を防止し、かつ発熱を抑制して、高速回転状態でも安定して低い回転トルクで回転し、また軸受の温度を上昇させ難い転がり軸受となる利点がある。
【0054】
また、本願の複列転がり軸受に係る発明は、各保持器におけるそれぞれの間隔保持部に固形潤滑剤を一体に固定して設けることにより、転動体の回転が固型潤滑剤の破片によって阻害されにくくなり、軸受の回転トルクの増加が抑制され、かつ発熱も抑制され、高速回転状態でも安定して低い回転トルクで回転し、また軸受の温度を上昇させ難い複列転がり軸受となる。
【0055】
また、本願の保持器の製造方法に係る発明は、保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティー内で所定の固形潤滑剤を注入硬化させるから、固形潤滑剤と間隔保持部を複合して一体に成形した保持器を安定した品質で効率よく製造でき、この保持器を組み込んだ転がり軸受は、高速回転状態でも安定して低い回転トルクで回転し、また軸受の温度を上昇させ難い転がり軸受となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の保持器の一部を拡大して示す斜視図
【図2】実施形態の転がり軸受の一部を拡大して示す端面図
【図3】図2のIII −III 線断面図
【図4】従来例の転がり軸受の一部を拡大して示す端面図
【図5】図4のV −V 線断面図
【符号の説明】
1、15 ころ
2、12 内輪
3、13 外輪
4、14 保持器
4a、17 間隔保持部
4b リング状本体
5、18 固形潤滑剤
10 案内つば
11 脱落防止つば
16 リング状部

Claims (6)

  1. 複数の転動体を案内する一対の軌道輪およびこれらの軌道輪間に装着されるリング状の保持器を有し、この保持器のリング状本体に前記転動体間に介在する櫛歯状間隔保持部を設けた転がり軸受おいて、
    前記リング状本体の内周面および櫛歯状間隔保持部の長手方向の途中までの内面側に固形潤滑剤を一体に複合成形して設けたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記転がり軸受が複列転がり軸受であり、前記保持器が2列の転動体をそれぞれ保持する2つのリング状保持器からなる請求項1記載の転がり軸受。
  3. 固形潤滑剤が、潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物の成形体である請求項1または2記載の転がり軸受。
  4. 固形潤滑剤が、反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤を、潤滑油または潤滑グリース中で重合反応させて固形状化した成形体である請求項1または2記載の転がり軸受。
  5. リング状本体に複数の転動体を間隔を開けて保持する櫛歯状の間隔保持部を設けた転がり軸受用保持器を成形型内に収容し、前記の成形型は前記保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティーを有するものであり、前記キャビティー内に潤滑油または潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィンとの混合物を充填した状態で、前記超高分子量ポリオレフィンをゲル化点以上に加熱し、その後、冷却して固形状化し、前記リング状本体および櫛歯状間隔保持部の長手方向の途中までの内面側に固形潤滑剤を一体に複合成形することからなる保持器の製造方法。
  6. リング状本体に複数の転動体を間隔を開けて保持する櫛歯状の間隔保持部を設けた転がり軸受用保持器を成形型内に収容し、前記の成形型は前記保持器の各間隔保持部をそれぞれ収容するキャビティーを有するものであり、前記キャビティー内に潤滑油または潤滑グリースと、反応性有機基を有する変性シリコーンオイルと前記反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤とからなる混合物を充填し、前記潤滑油または潤滑グリース中で前記硬化剤を重合反応させて前記リング状本体および櫛歯状間隔保持部の長手方向の途中までの内面側に固形潤滑剤を一体に複合成形することからなる保持器の製造方法。
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