JP2600305Y2 - 総ころ軸受 - Google Patents

総ころ軸受

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JP2600305Y2
JP2600305Y2 JP1993045224U JP4522493U JP2600305Y2 JP 2600305 Y2 JP2600305 Y2 JP 2600305Y2 JP 1993045224 U JP1993045224 U JP 1993045224U JP 4522493 U JP4522493 U JP 4522493U JP 2600305 Y2 JP2600305 Y2 JP 2600305Y2
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rollers
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文男 大庭
智秋 寺田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は総ころ軸受に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】総ころ軸受は、外輪の軌道面に多数のこ
ろを相互に接近して配列した形式のころ軸受であり、こ
ろとして針状ころを用いた総ころタイプの針状ころ軸受
と、円筒ころを用いた総ころタイプの円筒ころ軸受があ
る。
【0003】図7は、総ころタイプの針状ころ軸受であ
り、シェル形外輪1の両端部に内向きコの字形のつば
2、2を設け、外輪1の軌道面に配列した針状ころ3の
両端面にテーパ部4を設け、そのテーパ部4を両側のつ
ば2、2により保持するようにしている。
【0004】図8はシェル形外輪1の両端部に逆L形の
つば5、5を形成し、針状ころ3の相互間の間隙にグリ
ースを充填し、グリースの粘着力でころ3を保持するよ
うにしている。
【0005】また、図9は針状ころ3の中央部にころ3
と同心状の縮径部6を形成し、その縮径部6にスプリン
グリング7を嵌め、このスプリングリング7によりころ
3を保持するようにしている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】図7に示したものは、
一方のつば2はころ3を組込んだ後に屈曲する必要があ
るため、他方のつば2より薄くしなければならず、また
部分的な防炭処理も必要であるので、強度面の弱点があ
り、加工工数が多くなる等の問題がある。
【0007】図8に示したものは、ころ3を保持する力
が不十分であり、軸受の取扱いが不適切な場合や、取付
け取外しの際にころ3が脱落しやすい問題がある。
【0008】図9に示したものは、上述のごとき問題は
ないが、スプリングリング7と各ころ3との間の摩擦抵
抗のために、回転トルクが増大する問題があり、またこ
ろ3の加工が難しい問題もある。
【0009】そこで、この考案はこれらの問題点を解消
した総ころ軸受を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この考案は両端部に内向きのつばを設けたシェル
形外輪の内周面の軌道面に多数のころを相互に接近して
配列してなる総ころ軸受において、上記各ころ間の間隙
及び各ころと上記つばとの間隙に、超高分子量ポリオレ
フィンと潤滑グリースの混合物からなる固形潤滑剤
され、該固形潤滑剤は上記外輪の全周にわたり連続
し、各ころは硬化した上記固形潤滑剤により保持される
と共に、該固形潤滑剤から滲出する油分により潤滑され
構成としたものである。
【0011】
【作用】上記構成の総ころ軸受においては、各ころの外
輪内側への脱落を防止するために、外輪の全周にわたり
連続して充填された固形潤滑剤により保持するようにし
ている。このため、ころは外輪のつばに接触しにくくな
り、しかも固形潤滑剤による保持と同時にころの潤滑も
行われるので、小さい回転トルクで軸受の機能を果た
す。
【0012】
【実施例】図1及び図2に示した第1実施例は総ころタ
イプの針状ころ軸受であり、シェル形外輪10の両端に
逆L形に屈曲されたつば11、11が形成される。針状
ころ12の中央部分にはころと同心状の縮径部13が形
成され、該ころ12の両端面14は丸面に形成される。
【0013】上記の各ころ12の相互間、縮径部13及
びころ12の各端面とつば11との間に固形潤滑剤15
が充填される。固形潤滑剤15は外輪10の全周にわた
り連続し、各ころ12は硬化した固形潤滑15により
保持されると共に、その固形潤滑剤15から滲出する油
分により潤滑される。
【0014】上記の固形潤滑剤15はプラスチックグリ
ース、ポリループ等の商品名で知られているものであ
り、平均分子量約1×106 〜5×106 の超高分子量
ポリエチレン95〜1wt%と、その超高分子量ポリエ
チレンのゲル化温度より高い滴点を有する潤滑グリース
5〜99wt%とからなる混合物を各ころ12間の間隙
及び縮径部13に充填したのち、上記超高分子量ポリエ
チレンのゲル化温度以上の温度に加熱し、その後冷却固
化せしめたものである。
【0015】固形潤滑剤のその他の例として、平均分子
量約1×106 〜5×106 の超高分子量ポリオレフィ
ンのゲル化点より高い滴点を有する潤滑グリース5〜9
9wt%に粒径1〜100μmの前記超高分子量ポリオ
レフィン粉末95〜1wt%を混合して前記ゲル化点以
上の温度で分散保持させたものでもよい。
【0016】上記いずれの場合も、固体ワックス等の油
の滲み出し抑制添加物を加えることがある。
【0017】なお、固形潤滑剤15を相性の良いグリー
スや油と併用してもよい。
【0018】図3及び図4に示した第2実施例は、総こ
ろタイプの針状ころ軸受であり、外輪10は前記の場合
と同様である。針状ころ12は両端面14が丸面の通常
のものである。この場合の固形潤滑剤15は、ころ12
の各端面とつば11との間の空間、P.C.D(ピッチ
円径)の外側の空間及び内側の空間に充填される。
【0019】図5に示した第3実施例の場合は針状ころ
12の両端に縮径部13、13を設けたものであり、そ
の縮径部13、13にも固形潤滑剤15が充填される。
(B)図に示すように、ころ12の両端の縮径部をとが
り面に形成してもよい。また外輪10は(C)図に示す
ように、一方のつば11のみコの字形に形成するように
してもよい。(D)図に示すように、ころ両端の縮径部
13、13をとがり面に形成してもよい。
【0020】図6に示した第4実施例は、外輪10の両
端にコの字形のつば11をプレス加工によって形成した
のち、焼入硬化処理を施したものである。ころ12をか
ち込み無しで組込むために、外輪10の内端面相互の間
の寸法L1 と、両方のつば11の内端相互間の寸法L2
及びころ12の寸法Lw の大きさの関係はL1 >Lw
2 となっている。
【0021】ころ12の両端面14はとがり面となって
おり、その外径の空所に固形潤滑剤15が充填される。
なお、ころ12の端面は、外輪10に干渉無く組込みが
できる形状であれば、他の形状でも差支えない。
【0022】上記第4実施例の場合は、外輪10が焼入
硬化処理されているので、強度面で有利であり、またコ
の字形のつば11がラビリンス効果を有する。
【0023】以上は総ころタイプの針状ころ軸受につい
て述べたが、総ころタイプの円筒ころ軸受についても同
様である。
【0024】
【考案の効果】以上のように、この考案に係る総ころ軸
受のころは、ころ間の間隙と、ころと外輪のつばとの間
隙において、外輪の全周にわたり連続して充填した固形
潤滑剤により保持されるので、外輪のつばに、ころの軸
方向の脱落を防止する保持機能を持たせる必要がないこ
とは勿論、径方向の脱落を防止する保持機能を持たせる
必要もない。またころを保持するためのスプリングリン
グなども必要としない。しかも固形潤滑剤による潤滑機
能により、回転トルクが小さくなる効果がある。更に、
ころとつばとの間隙に充填された固形潤滑剤は、ころ端
面とつばとの接触をしにくくすることにより、両者の接
触によって生じるフレッティングを防止するとともに、
外輪の両端面側や内径側からのダストの侵入をも防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の一部省略断面図
【図2】同上の一部縦断側面図
【図3】第2実施例の一部省略断面図
【図4】同上の一部縦断側面図
【図5】(A)第3実施例の一部省略断面図 (B)同上の変形例の一部省略断面図 (C)同上の変形例の一部省略断面図 (D)同上の変形例の一部省略断面図
【図6】第4実施例の一部省略断面図
【図7】従来例の断面図
【図8】他の従来例の断面図
【図9】他の従来例の断面図
【符号の説明】
1 外輪 2 つば 3 針状ころ 4 テーパ部 5 つば 6 縮径部 7 スプリングリング 10 外輪 11 つば 12 針状ころ 13 縮径部 14 端面 15 固形潤滑剤

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部に内向きのつばを設けたシェル形
    外輪の内周面の軌道面に多数のころを相互に接近して配
    列してなる総ころ軸受において、上記各ころ間の間隙及
    び各ころと上記つばとの間隙に、超高分子量ポリオレフ
    ィンと潤滑グリースの混合物からなる固形潤滑剤充填
    され、該固形潤滑剤は上記外輪の全周にわたり連続し、
    各ころは硬化した上記固形潤滑剤により保持されると共
    に、該固形潤滑剤から滲出する油分により潤滑される
    とを特徴とする総ころ軸受。
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