JP4577892B2 - 筆記具 - Google Patents

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本発明はペン芯とインキタンクおよびそれに充填されたインキとを少なくとも有する筆記具に関し、使用するインキに対して特定の接触角を有するよう、特別な表面改質をしたペン芯を用いた筆記具に関するものである。
従来から、インキを直詰めした筆記具には、インキタンクに充填されたインキをペン先に供給するために、インキタンクとペン先との間に介在し、圧力変化に応じて一時的にインキを保溜する筆記具用部材としては、櫛溝状の合成樹脂などからなるペン芯が種々使用されている。
当該ペン芯は、インキタンクの内圧が高くなってペン先からインキが漏出しようとしたとき、このインキを一時的にペン芯の櫛溝部などのインキ保溜部へ導き、またインキタンクの内圧が低くなりペン先からインキが後退しようとしたとき、この後退に代わってインキ保溜部に溜まったインキをインキタンクに後退させ、インキ供給を安定させる機能を果たす。該ペン芯には、櫛溝状のものの他、蛇腹状のものなど多種多様な形状のものが存在する。
インキの安定的な供給機能を果たすために、ペン芯形状に工夫を凝らし課題解決したものがあるが、形状的な解決手段であるために、従来のペン芯をそのまま使用し続けることが困難で、品種ごとにその性能も変化することから、汎用的に使用することは難しい技術であった。
一方、ペン芯の材質を特定のものとしたり、表面改質を化学的に行い、課題解決したものもある。ペン芯は、インキの安定的な供給機能を果たすという見地から、インキを供給する上で、インキに対してある程度濡れないといけない。しかし、過度に濡れすぎてもいけない。インキを保溜することができにくくなるからである。
そのため従来から、硫酸を主剤としたエッチング溶液にペン芯を浸し、その後水洗処理を行うことにより、ペン芯表面を酸化させるとともに粗面化してペン芯表面の表面張力を上昇させる改質方法を行ってきた。
しかしながら、上記方法において使用されるエッチング溶液は、硫酸を主剤として無水クロム酸及びリン酸などからなる混合溶液を使用しているので、毒性があり、皮膚、粘膜を刺激し、時には火傷を引き起こす可能性があり、取扱いが困難であるという問題があった。
また、表面改質としては、上記エッチング処理のみでは不十分であり、その後の合成樹脂等による薄膜形成等を経て、所望のインキ供給性能を得ていたので、作業が繁雑で、コストもかかっていた。
また、特許文献1などには合成樹脂製のインキ誘導部材に無機材料による表面層を付設して表面改質したものも提案されている。しかしながら、やはり作業工程としては繁雑であることに変わりはなく、無機材料と合成樹脂との相性等の問題から、層の定着性等に問題があるものであった。
一方、合成樹脂のペン芯材料の表面に各種親水性コートを施したものとして、特許文献2ないし3が提案されている。
特許文献2には、その具体的な例示として、−OH、=CO、−COOH、−NH3、−SO3H等の親水基を挙げ、それらを有する樹脂が開示されている。
特許文献3には、親水性溶液の主剤として、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステルの開示がある。
該文献等には、それらの樹脂による表面改質効果により、インキの濡れ性等の改質が図られる旨の記載があるが、特許文献2においては、その例示された親水性コートによっては、ペン芯の改質効果としては不十分なものであり、特許文献3においては、その改質膜が膨潤被膜であるので、経時的にインキ中に溶け出すおそれがあり、問題のあるものであった。
また、特許文献4には、スチレン系樹脂の表面改質方法としてポリアクリル酸エステル系エマルジョン処理、硫酸処理(1度目)、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン処理、硫酸処理(2度目)の順に処理してなるものが提案されている。特許文献4に記載のものは異種材料を順番に形成する工程に特徴のあるもので、具体的には、スチレン系樹脂材料に密着しやすいポリアクリル酸エステル系皮膜を形成した後に、該ポリアクリル酸エステル系皮膜の表面を1度目の硫酸処理により粗し、その後、別のエマルジョンであるポリ酢酸ビニル系エマルジョン処理をして表面状態を整え、さらに2度目の硫酸処理をするといったものである。
しかしながら、硫酸処理を行うことから、安全性等の問題が残っている他、別の化学種のエマルジョンによる数度の処理を施す必要があることから、一回的な処理ができず、工程の繁雑さも解決できないものであった。また、その工程上、表面には最終処理で成膜することになる酢酸ビニル系の皮膜しか存在しないので、表面改質性も不十分であった。
さらに、特許文献5には低温プラズマ処理による例も提案されているが、装置が大がかりになるものであった。
特開平6−92081号公報 実開昭60−178174号公報 特開平9−315079号公報 特開平3−32896号公報 特許第2886381号公報
本発明は、ペン芯とインキタンクおよびそれに充填されたインキとを少なくとも有する筆記具に関し、使用するインキに対して特定の接触角を有するよう、特別な表面改質をしたペン芯を用いた筆記具を提案するものであり、上記のような課題、とりわけ、ペン芯の表面改質工程の簡素化と表面改質性能の両立におけるバランスよい解決手段を提案するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、ペン芯の表面を酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーによって被覆し、かつ、使用するインキに対する接触角を特定範囲としたことなどによって、本発明のペン芯およびその処理方法を完成した。
すなわち、本発明は、
「1.ペン芯とインキタンクおよびそれに充填されたインキとを少なくとも有する筆記具であって、ペン芯がその表面を酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーによって被覆したものであり、該被覆されたペン芯のインキに対する接触角がそれぞれ静的接触角40〜75°、動的接触角40〜70°であることを特徴とする筆記具。」に関する。
上記筆記具におけるペン芯およびその処理方法によれば、クロ混処理などの危険な工程を経ることなく、簡素化された工程でありながら、処理膜が均一な薄膜であり、インキの濡れ性が良く、インキタンクが圧力変化を受けた際にもインキの保持力に優れ、インキの垂れ下がりや飲み込みなどが無い、インキの筆記追従性も良好な筆記具を得ることができる優れた効果を奏するものである。
本発明は、上述のように、ペン芯の表面を酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーによって被覆し、使用するインキに対する接触角を特定範囲としたことを主要部とする。
ペン芯の表面を上記コポリマーによって被覆することによりベースとなる樹脂材に対して密着性がよく、適度な親水性を有するペン芯を得ることができる。
ペン芯のベースとなる樹脂材は、AS樹脂、ABS樹脂、PP樹脂、PE樹脂、ナイロン他、各種合成樹脂が使用できるが、寸法精度等の理由からAS樹脂が好適である。
しかしながら、AS樹脂などの合成樹脂材は、そのままでは表面の疎水性が大きく、インキの濡れ性に劣るものである。そこで、その表面改質を行う必要があるのである。
本発明に使用するコポリマーは、その主骨格となる共重合ユニットに少なくとも酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーであり、三以上の多元系のコポリマーも含む。
複合コポリマーでない従来の表面改質ポリマーが数次に分けて処理する必要があったのに対し、上記コポリマーは、酢酸ビニルとアクリル酸エステルなどを複合的に含むので、両者の相乗作用が期待でき、その結果ペン芯のベース樹脂材への密着とインキに対する濡れ性の制御が一回的に解決されるのである。
つまり、上記コポリマーが、疎水性のある酢酸ビニルを含むことでベース樹脂材に対して密着性に富み、かつ親水性のあるアクリル酸エステルを併せて含むために、使用する水性インキに対して良好な濡れ性を発揮することができるのである。
上記コポリマーで被覆されたペン芯の使用する水性インキとの好適な静的接触角は40〜75°である。使用するインキとの接触角はペン芯の性能を示す上で最も好適な要素である。
上記ペン芯のインキに対する静的接触角がこの範囲より小さい、すなわち濡れすぎると、インキが出すぎる傾向があり、櫛溝構造のペン芯などにおいて櫛溝一杯にインキが濡れてしまい、周りの環境変化(減圧下)の状況によっては、インキが垂れ下がったりするので好ましくない。反対に静的接触角がこの範囲より大きい、すなわち濡れない場合、ペン芯にインキが供給されない傾向が強く出るので、インキの追従性に劣り、そもそもの筆記具としての性能を満たすことができない傾向にあり、好ましくない。
インキ中に存在する配合物のばらつきなどによりその処理工程上は一概に規定できにくい場合には、水に対する静的接触角を併用することもできる。
水に対する静的接触角は60〜80°が好適である。ペン芯として良好に機能するためには、ただ水に濡れればよいというわけではなく、適度な範囲に調整されることが必要であることは、インキに対する接触角における考え方と同様である。上記範囲内であれば、水性ベースのインキにおいて、良好な性能を得ることができる。
さらに、本発明では使用するインキとペン芯材料との動的接触角が40〜70°であることが必要である。実際に筆記具が使用される際には、静的接触角の思想のみならず動的接触角の思想も必要になるからである。筆記時にインキが消費されていく際のインキの挙動に関すること、例えば、インキの追従性などは、インキの動的接触角に依存する割合が大きくなると考えられる。
本発明に使用するコポリマーは、上述のように、その主骨格となる共重合ユニットに少なくとも酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーであり、各々の共重合ユニットにはそれらの誘導体を含む概念の化学種が使用可能である。
また、三以上の多元系のコポリマーも含み、好適な一例としては、酢ビ−アクリル酸アルキルエステル系の多元系コポリマーなどが挙げられ、酢ビ−アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸コポリマーが良好に使用できる。
酢ビ−アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸コポリマーは、酢酸ビニルとアクリル酸のアルキルエステルとクロトン酸の三元系コポリマーである。
該コポリマーに限らず、多元系のコポリマーを使用する際には、コポリマー中のアクリル酸エステルと共に組成する化学種の分子量や炭素鎖長が過大でないことが必要である。過大であると、コポリマーの主要部となる共重合ユニットが適当であっても、静的接触角、動的接触角が良好にならない場合が出るからである。
また、本発明に使用するコポリマー中のアクリル酸エステルを構成するエステル基が過大であると上記同様の不具合を起こす傾向がある。具体的には、コポリマー中のアクリル酸エステルを構成するエステル基の炭素数が5以下であると好ましい。
さらに、本発明に使用するコポリマーを構成する共重合ユニットは、それぞれその分枝鎖や官能基を配したような誘導体を含む場合には、側鎖等の分子量が過大でないことが必要である。過大である場合の問題点は、上述の共重合ユニット自体の化学種の分子量や炭素鎖長が過大でないこと等の理由と同様である。
本発明に使用するコポリマーにおけるアクリル酸エステルの含有量は、3〜30質量%であると好適である。
アクリル酸エステルの含有量は直接改質被膜の親水性の度合いに影響するからである。上記範囲を下回ると、疎水性の傾向が強く出すぎて、濡れ性が失われてしまう結果、インキの吐出性が悪化する傾向がある。上記範囲を上回ると、親水性が過ぎることによりバランスが崩れ、濡れすぎる結果、インキのぼた落ちや垂れ下がりが生じたり、インキが出すぎるなどの筆記時に好ましくない症状が出やすい傾向がある。
ペン芯へ上記コポリマー処理を行うにあたっては、上記コポリマーのエマルジョンにより設けられたものであると、より密着性のよい均一の薄膜が得られるので好ましい。
エマルジョンによる処理方法については、上記コポリマーのエマルジョンを適宜希釈し、ペン芯に塗布することで目的の性能を得ることができる。その際の塗布方法には特に限定はないが、一例を挙げると、単純にエマルジョン中にペン芯材料を浸し、その後液切りをし、乾燥させることなどで容易に得ることができる。
また、濡れ性や密着性をさらに向上させるために事前にペン芯素材の表面を粗すなどの従前の手法による前処理などを行ってもよい。
本発明のペン芯等を組み込んだ筆記具に使用するインキとしては、水をベースに染顔料等の着色材を溶解・分散した水性インキが使用できる。該インキには適宜、界面活性剤、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤などの添加剤を使用することもできる。また、インキの表面張力は35〜45mN/m、比重1.0〜1.2、粘度1.1〜1.3mPa・s程度のものが好適である。
本発明の筆記具としては、ペン先として所望のペン先を選択することができる。例えば、万年筆、ボールペン、フェルトペン、パラレルペン等が挙げられ、万年筆、パラレルペン等のインキの毛細管力により筆記するタイプの筆記具に置いて最も有用である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
AS樹脂をベース素材とする櫛溝状ペン芯を成形部材として用意し、該ペン芯を市販のアルカリ性洗剤を含む水溶液に浸漬し、その後、水洗・乾燥した(前処理1)。その後、該ペン芯をブラスト処理して表面を粗面化させた。
次に該ペン芯を、本発明に使用するコポリマーとして、酢ビ−アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸コポリマー(アクリル酸エステル含有量3質量%)のエマルジョン(エマルジョン濃度1質量%)に5分間浸漬した後、取り出し、余剰の液を除去し、均一な薄膜を形成した後に、50 ℃で12時間乾燥し、表面に酢ビ−アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸コポリマーの薄膜が構成されたペン芯を得た。
その後、万年筆用ペン先を装着し、インキを充填したインキカートリッジを配して筆記具を構成した。
実施例1で使用した酢ビ−アクリル酸アルキルエステル−クロトン酸コポリマーの薄膜のインキに対する静的接触角は黒色インキ46.7°、青インキ46.7°、動的接触角は黒色インキ44.2°、青インキ53.5°であった。
また、水に対する静的接触角は67.5°であった。
静的接触角および動的接触角の測定は、以下のように行った。
静的接触角(測定方法:液滴法)
ペン芯材料と同じ素材にて成形し、上記のようにコポリマーの薄膜を形成したプレート上にインキ(水)滴を形成させ、水滴上の3点を指定し、気/液界面とプレート表面がなす角度を測定することにより、接触角を求めた。測定は、5回繰り返し行い、その平均値を採って本発明における接触角とした。
動的接触角(測定方法:メニスカス法)
使用するインキを所定容器に溜め、その中に長さ50mm×幅10mm×厚さ2mmのプレートを進入させたときにできるメニスカスの高さを静止画像測定により、接触角を求めた。
測定にあたっては、協和界面科学株式会社製、接触角計 CA−X型 メニスカス法システムオプション MS-11型(商品名)を使用し、有意差のあるドライの前進接触角(乾いたプレートをインキ中に沈めていく時の接触角)を測定し、本発明の動的接触角とした。
筆記試験
得られたペン芯を筆記具に組み込み筆記試験を行った。
筆記具は(株)パイロットコーポレーション社製、万年筆FKK1000Rを用いた。
インキとしては、(株)パイロットコーポレーション社製、万年筆用黒インキと青インキを用い、そのインキ物性は、それぞれ以下のとおりであった。
黒インキ:表面張力39mN/m、比重1.0、粘度1.3mPa・s
青インキ:表面張力44mN/m、比重1.0、粘度1.1mPa・s
それぞれの具体的評価は以下のように行った。
・垂れ下がり性能
周囲を減圧下に置いたときのペン先からの滴落下の有無を観察した。
○・・・滴形成および滴落下が見られなかった。
△・・・滴形成が見られたが滴落下は見られなかった。
×・・・滴落下が見られた。
・筆記性能1
濾紙上に直線筆記をした際のインキ追従性を観察した。
○・・・連続した筆跡が得られた。
△・・・一部線切れが見られた。
×・・・インキの追従不良を生じ、筆記できなかった。
・筆記性能2
60度の角度で固定したペンの切割り上に濾紙をおき、一定速度で動かした際のインキ追従性を観察した。
○・・・連続した吸取り(インキ追従)が可能であった。
△・・・一部、途切れるところがあった。
×・・・インキの追従不良が生じ、吸取りができなかった。
実施例2〜4
実施例1で用いたコポリマーを表1に記載したものに換えた以外は実施例1と同様にして表面に当該コポリマーの薄膜が構成されたペン芯を得た。
それぞれのアクリル酸エステル含有量、エステル基炭素数、インキに対する接触角、水に対する接触角、評価等は表1に示した。
Figure 0004577892
比較例1〜5
実施例1で用いたコポリマーを表1に記載した樹脂材料に換えた以外は実施例1と同様にして表面に当該ポリマーの薄膜が構成されたペン芯を得た。
それぞれのアクリル酸エステル含有量、エステル基炭素数、インキに対する接触角、水に対する接触角、評価等は表1に示した。
実施例と比較例との比較により、接触角が好適範囲に入っていても、表面改質を行う樹脂として酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーでない化学種を使用した場合には、垂れ下がり性能に劣り、筆記性能の面では、普通紙等への筆記に際しては、ある程度筆記できたとしても、上記筆記試験などのようにインキ浸透性が高い濾紙などにおける高度にインキ追従性を求められるような使用に際しては、性能が十分でない結果となり、好適なペン芯になり得なかった。
また、実施例と比較例4〜5から判るように、コポリマーの化学種が適当であっても、インキに対する接触角が適正でない場合には、本発明の要求性能を満足するものとはならない。特に動的接触角が好適範囲外になった場合は、上記筆記性能2の試験のような限界領域でのインキ追従性等にに差を生ずることになる。
さらに、実施例と比較例4〜5から、コポリマー中のアクリル酸エステルと共に組成する化学種の分子量や炭素鎖長、エステル基の炭素数が過大でないことも最適なペン芯処理の材料として影響することが判る。
比較例4〜5(エステル基=エチルヘキシル)のようにアクリル酸エステル含有量等が適当であっても、静的接触角が最適範囲とはならない場合があり、その場合は好適なペン芯処理材料とはならない。
本発明のペン芯とインキタンクおよびそれに充填されたインキとを少なくとも有する筆記具は、優れた基本的筆記性能を有しつつ、圧力変化に応じて一時的にインキを保溜する性能にも優れた筆記具として好適に利用できる。

Claims (1)

  1. ペン芯とインキタンクおよびそれに充填されたインキとを少なくとも有する筆記具であって、ペン芯がその表面を酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルを含むコポリマーによって被覆したものであり、該被覆されたペン芯のインキに対する接触角がそれぞれ静的接触角40〜75°、動的接触角40〜70°であることを特徴とする筆記具。

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