JP2906871B2 - インキ誘導部材及びその製造方法 - Google Patents

インキ誘導部材及びその製造方法

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JP2906871B2
JP2906871B2 JP4280666A JP28066692A JP2906871B2 JP 2906871 B2 JP2906871 B2 JP 2906871B2 JP 4280666 A JP4280666 A JP 4280666A JP 28066692 A JP28066692 A JP 28066692A JP 2906871 B2 JP2906871 B2 JP 2906871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インキの濡れ性や保持
性が要求される筆記具の合成樹脂製インキ誘導部材及び
その製造方法に関するものであり、より詳細には経時的
なインキとの接触のムラにより生じる空気の抱き込みな
どの問題を極力抑制したインキ誘導部材及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】筆記具におけるインキ誘導部材の具体例
としては、ジャバラ状ペン芯や、インキカートリッジ挿
入部材や、繊維束や樹脂押出成形によるインキ中継芯
や、樹脂製ペン先などが挙げられるが、これらのインキ
誘導部材にはインキの濡れ性や保持性が要求される。イ
ンキ誘導部材に対するインキのぬれ性や保持性が低下す
ると、インキとの接触ムラが生じ、その結果、空気を抱
き込むこととなり、ペン先部よりインキのボタ落ちが生
じたり、インキ吐出不足が生じ筆跡にカスレを生じるな
どの問題が生じる。
【0003】そこで、インキ誘導部材のインキの濡れ性
や保持性を向上するため数多くの提案がなされている。
その代表的な例としては、クロム酸含有液で表面をエッ
チング処理したもの、表層部がシラノール基であるポリ
シロキサンの層を特定の層厚で表面に形成した特公平1
ー27870号、ABS樹脂を使用し、エッチング部の
全表面に対するエッチング凹部の総面積を特定し、その
表面に界面活性剤を分布させた特公平1ー60439
号、インキ接触面に、アルミナ及び/又はシリカの微粒
子を特定の平均間隔で全体に均一に分散付着させた特公
平3ー20357号などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のものは、表面に
インキが付着しやすいように凹凸を形成したり(エッチ
ング処理)、表面に親水性の物質を単に付着させたり
(特公平1ー60439号、特公平3ー20357
号)、前処理することなく親水性の層を表面に形成した
り(特公平1ー27870号)するものである為、初期
のインキの濡れ性や保持性は良好であるものの、経時的
な使用により表面の凹凸が徐々に塞がれたり、親水性物
質が徐々に剥離し、インキの濡れ性や保持性が徐々に低
下するという点で未だ改善の余地が残されていた。又、
これに加えて特公平1ー60439号においては、使用
できる樹脂が限定され、使用樹脂の拡大という点で未だ
改善の余地が残されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題に鑑
みなされたものであって、活性化処理した合成樹脂製の
インキ誘導部材表面に、SiO2、TiO2、Al23
ZrO2、MgAl24、BaTiO3、GeO2、Fe2
3、Cr23、CoO、In2O、SnO、V25、W
3より選択された1種もしくは2種以上のコーティン
グ膜を形成せしめたインキ誘導部材を第1の要旨とし、
活性化処理した合成樹脂製のインキ誘導部材表面に、無
機コロイド及び/又は親水性を有する有機化合物を含む
SiO2、TiO2、Al23、ZrO2、MgAl
24、BaTiO3、GeO2、Fe23、Cr23、C
oO、In2O、SnO、V25、WO3より選択された
1種もしくは2種以上のコーティング膜を形成せしめた
インキ誘導部材を第2の要旨とし、合成樹脂製のインキ
誘導部材の表面を活性化処理した後、ゾルーゲル法によ
り表面に、SiO2、TiO2、Al23、ZrO2、M
gAl24、BaTiO3、GeO2、Fe23、Cr2
3、CoO、In2O、SnO、V25、WO3より選
択された1種もしくは2種以上のコーティング膜を形成
したインキ誘導部材の製造方法を第3の要旨とし、合成
樹脂製のインキ誘導部材の表面を活性化処理した後、ゾ
ルーゲル法により表面に、無機コロイド及び/又は親水
性を有する有機化合物を含むSiO2、TiO2、Al2
3、ZrO2、MgAl24、BaTiO3、GeO2
Fe23、Cr23、CoO、In2O、SnO、V2
5、WO3より選択された1種もしくは2種以上のコーテ
ィング膜を形成したインキ誘導部材の製造方法を第4の
要旨とするものである。
【0006】次に本発明を詳細に説明する。使用し得る
合成樹脂としては、種々のものが選択できる。一例とし
ては、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ホルムア
ルデヒド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂など
の1種もしくは2種以上を組み合わせたものが挙げら
れ、これらを用い押出成形や射出成形によって板状体、
杆体、繊維収束体、焼結体、発泡体、多孔質体などとい
ったように所望の形状のインキ誘導部材を得る。
【0007】これらのインキ誘導部材は、最初に少なく
もインキと接触する表面を活性化処理する。この処理
は、表面物性を変化させることにより表面を活性化する
ためのものであって、その処理方法をいくつか例示する
と次のとおりである。第1の方法としては、無水クロム
酸、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム等のク
ロム酸を含有する液に、必要に応じて硫酸、リン酸など
を加えた液を用い、インキ誘導部材をエッチング処理
し、表面に微細な凹凸を形成すると共に表面にカルボニ
ル基、カルボキシル基、アミノ基などの親水基を形成
し、表面を活性化する方法である。第2の方法として
は、インキ誘導部材をプラズマ処理、コロナ放電処理、
放射線照射処理することにより、表面にカルボニル基、
カルボキシル基、アミノ基などの親水基を形成し、表面
を活性化する方法である。本方法の場合には、インキ誘
導部材として多孔質体、発泡体などその表面をポーラス
化したものに特に好適である。
【0008】次に表面を活性化処理したインキ誘導部材
の表面にSiO2、TiO2、Al23、ZrO2、Mg
Al24、BaTiO3、GeO2、Fe23、Cr
23、CoO、In2O、SnO、V25、WO3のコー
ティング膜を形成するが、このSiO2、TiO2、Al
23、ZrO2、MgAl24、BaTiO3、Ge
2、Fe23、Cr23、CoO、In2O、SnO、
25、WO3のコーティング膜の形成方法としては、
ゾルーゲル法にて行なう。ゾルーゲル法の原理は、金属
の有機、無機化合物の溶液から出発し、溶液中での化合
物の加水分解、重縮合によって溶液を金属酸化物または
水酸化物の微粒子が溶解したゲルとし、更に反応を進行
させゲル体とし、このゲル体を乾燥し加熱するとゲル体
が成長し多結晶物が最終的に生成されるようにしたもの
であり、本原理は石英ガラスの製造に用いられている。
【0009】本発明においては、前記ゾルーゲル法の原
理を利用したものであり、具体的には、以下の手順によ
ってインキ誘導部材の表面にコーティング膜を形成する
が、以下SiO2を例に説明する。最初に金属としてS
iを用いた金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラ
ン(Si(OC254)に溶媒(エタノール、イソプ
ロピルアルコール等)を添加して混合液を作製し、これ
に加水分解に必要な水、触媒を加えゾル液を作る。次
に、ゾル液にインキ誘導部材を入れアルコキシドの加水
分解と重縮合を行なう(反応温度は室温〜80℃程度)
とSiO2粒子(ゲル)がインキ誘導部材の表面に生成
し、更に反応を進行させるとゲルが成長しゲル体とな
る。その後ゲル体をインキ誘導部材が軟化或いは溶融し
ない程度の温度(60℃〜70℃)で加熱するとインキ
誘導部材の表面にSiO2のコーティング膜(nSiO2
で、且つ、非晶質で結晶水を含む皮膜、TiO2その他
の皮膜も同様)が形成される。
【0010】金属としてSiを用いた金属アルコキシド
の具体例としては、テトラエトキシシラン(Si(OC
254)、Si(OCH34、Si(i−OC
374、Si(i−OC494が挙げられ、金属とし
てTiを用いた金属アルコキシドの具体例としては、テ
トラエトキシチタン(Ti(OC254)、Ti(O
CH34、Ti(i−OC374、Ti(OC494
が挙げられ、又、金属としてAlを用いた金属アルコキ
シドの具体例としては、アルミニウムエトキシド(Al
(OC253)、Al(OCH33、Al(i−OC3
73、Al(OC493が挙げられ、更に、金属と
してZrを用いた金属アルコキシドの具体例としては、
ジルコニウムエトキシド(Zr(OC254)、Zr
(OCH34、Zr(i−OC374、Zr(OC4
94が挙げられ、更に、金属としてMg−Alを用いた
金属アルコキシドの具体例としては、アルミニウムマグ
ネシウムイソプロポキシド(Mg(Al(i−OC
3742、(Mg(Al(s−OC4942が挙げ
られる。又、金属としてBa−Tiを用いた金属アルコ
キシドの具体例としては、バリウムエトキシド(Ba
(OC252)とテトラエトキシチタン(Ti(OC2
54)、バリウムイソプロポキシド(Ba(OC
372)とテトライソプロポキシチタン(Ti(OC3
74)が挙げられ、金属としてGeを用いた金属アル
コキシドの具体例としては、Ge(OC254が挙げ
られ、金属としてFeを用いた金属アルコキシドの具体
例としては、Fe(OC253が挙げられ、金属とし
てCrを用いた金属アルコキシドの具体例としては、C
r(CH3COO)3・H2Oが挙げられ、金属としてC
oを用いた金属アルコキシドの具体例としては、Co
(CH3COO)2・4H2Oが挙げられ、金属としてI
nを用いた金属アルコキシドの具体例としては、インジ
ウムニトリルアセチルアセトナートが挙げられ、金属と
してVを用いた金属アルコキシドの具体例としては、V
O(OC253が挙げられ、金属としてWを用いた金
属アルコキシドの具体例としては、W(OC256
挙げられる。溶媒としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール類が主に使用
され、その他エチレングリコール、エチレンオキシド、
トリエタノールアミン、キシレン、ホルムアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、シュウ酸なども使用さ
れる。更に、触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、
フッ酸などの酸や、アンモニアなどが使用される。
【0011】即ち、本発明におけるゾルーゲル法とは、
金属としてSi、Ti、Al、Zr、Mg−Al、Ba
−Ti、Ge、Fe、Cr、Co、In、Sn、V、W
を用いた金属アルコキシド溶液よりなるゾル液を使用
し、これを加水分解と重縮合を行ないSiO2、Ti
2、Al23、ZrO2、MgAl24、BaTi
3、GeO2、Fe23、Cr23、CoO、In
2O、SnO、V25、WO3粒子のゲルを生成し、その
後反応を進行させSiO2、TiO2、Al23、ZrO
2、MgAl24、BaTiO3、GeO2、Fe23
Cr23、CoO、In2O、SnO、V25、WO3
子をゲル体となし、更に加熱しインキ誘導部材の表面に
SiO2、TiO2、Al23、ZrO2、MgAl
24、BaTiO3、GeO2、Fe23、Cr23、C
oO、In2O、SnO、V25、WO3の膜を形成する
ことをいう。
【0012】SiO2、TiO2、Al23、ZrO2
MgAl24、BaTiO3、GeO 2、Fe23、Cr
23、CoO、In2O、SnO、V25、WO3のコー
ティング膜はインキ誘導部材の表面全面に形成してもよ
いし、部分的に形成してもよい。この部分的に膜を形成
するためには、最終工程である加熱処理によりコントロ
ールするか、膜を形成したくないインキ誘導部材の表面
部分に事前にマスキングを施しておけばよい。更に、そ
の膜厚はインキ誘導部材の使用目的により異なるが一般
的には0.1μm〜10μmが好ましい。
【0013】本発明では、上記ゾルーゲル法によるSi
2、TiO2、Al23、ZrO2、MgAl24、B
aTiO3、GeO2、Fe23、Cr23、CoO、I
2O、SnO、V25、WO3のコーティング膜形成時
において、金属アルコキシド溶液に添加剤の1種もしく
は2種以上を添加し、反応をなすとより良好な結果が得
られる。このような添加剤としては、日本シリカ工業
(株)製のラポナイト(商標)として知られている天然
クレー鉱物や、シリカコロイドやチタンコロイドやアル
ミナコロイド等の無機コロイド、メタアクリル酸、アク
リル酸や住友化学工業(株)製のスミカゲル(商標)と
して知られている高吸水性樹脂や変性ポリアミド等の親
水性を有するポリエステル、ポリブタジエン、エポキシ
エステル、ポイアクリル酸エステル等を骨格としたポリ
カルボン酸樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを骨
格としたポリアミド樹脂などの有機化合物、可溶性デン
プン、デキストリン、デキストラン、ブドウ糖などの多
糖類が挙げられる。この添加剤の添加によって、得られ
るコーティング膜中に、添加剤が分散されることとな
る。
【0014】本発明の処理工程は、以上のとおりである
が、ゾル液中に染料を加え、インキ誘導部材を着色する
ようなしたり、形成したインキ誘導部材を、活性化処理
する前に、超音波による洗浄その他適宜前処理を施して
もよいし、その他本発明の範囲内において適宜処理を施
してもよい。
【0015】
【作用】本発明は、活性化処理した表面にSiO2、T
iO2、Al23、ZrO2、MgAl24、BaTiO
3、GeO2、Fe23、Cr23、CoO、In2O、
SnO、V25、WO3のコーティング膜を形成したの
で、活性化処理表面とSiO2、TiO2、Al23、Z
rO2、MgAl24、BaTiO3、GeO2、Fe2
3、Cr23、CoO、In2O、SnO、V25、WO
3のコーティング膜が強固に密着し、上記金属酸化物の
コーティング膜の表面には無数の−OH基を有し、親イ
ンキ性の表面になること、ゾルーゲル法によってSiO
2、Al23、ZrO2、MgAl24、BaTiO3
GeO2、Fe23、Cr23、CoO、In2O、Sn
O、V25、WO3のコーティング膜を形成したので、
ゾル液がインキ誘導部材に均一に拡散する結果、均一な
皮膜が得られると共に、インキ誘導部材表面で加水分解
反応並びに重縮合反応が行なわれるため、皮膜のインキ
誘導部材表面に対する密着がより強固になること、又、
コーティング膜中に無機コロイド及び/又は親水性を有
する有機化合物が強固分散されていること等により経時
的なインキの濡れ性や保持性を保証することができる。
【0016】
【実施例】実施例1 ダイセル化学工業(株)製のABS樹脂(V320)を
用いジャバラ状ペン芯(長手方向に多数の櫛歯状羽根を
並列して有し、幅0.15mm、高さ20mmの長手方向の
インキ導出溝を形成)であるインキ誘導部材を射出成形
によって得た後、このインキ誘導部材を市販の中性洗剤
(ライオン(株)製、ママレモン(登録商標名))5%
を含む水溶液に浸漬し、5分間超音波洗浄した(前処
理)。その後インキ誘導部材を酸素雰囲気中でガスプラ
ズマ(インターナショナルプラズマコーポレーション
製)にて処理しインキ誘導部材の表面を活性化する(活
性化処理)。次にこのインキ誘導部材を、テトラエトキ
シシラン(関東化学(株)製)140g、エタノール2
07g、水36g、塩酸0.3mlの混合液に24時間
浸漬した後取り出し、70℃で6時間処理し、表面にS
iO2のコーティング膜が形成されたインキ誘導部材を
得た。
【0017】実施例2 上記実施例1にて、活性化処理を以下のようになした以
外は実施例1と同様となし表面にSiO2のコーティン
グ膜が形成されたインキ誘導部材を得た。「活性化処理
−CrO3400g/l、H2SO4200g/lの水溶
液中にインキ誘導部材を浸漬し、70℃で1時間撹拌処
理した後、5%塩酸の50℃水溶液中で10分間浸漬し
た。」
【0018】実施例3 ポリアセタール樹脂のペン先(ぺんてる(株)製、フォ
ーフイルムOPM403、長手方向に50〜80μmの
毛細管が無数にあり、全長30mm、外径0.6mmのペン
先)であるインキ誘導部材を市販の中性洗剤(ライオン
(株)製、ママレモン(登録商標名))5%を含む水溶
液に浸漬し、5分間超音波洗浄した(前処理)。その後
インキ誘導部材をクロム酸含有液(無水クロム酸400
g/l、H2SO4200g/lの水溶液)中に60℃で
1分間浸漬した後、5%塩酸水溶液中に10分間浸漬し
水道水で洗浄した(活性化処理)。次にこのインキ誘導部
材を、チタンイソプロポキシド(添川理化学(株)製)
5g、エタノール100ml、2N塩酸0.5mlを含
む溶液に10分間浸漬した後取り出し、70℃で3時間
乾燥し、表面にTiO2のコーティング膜が形成された
インキ誘導部材を得た。
【0019】実施例4 活性化処理までは上記実施例3と同様となし、その後の
処理を以下のようになし表面にAl23のコーティング
膜が形成されたインキ誘導部材を得た。「次にこのイン
キ誘導部材を、アルミニウムイソプロポキシド(添川理
化学(株)製)1g、イソプロピルアルコール100m
l、2N塩酸0.3mlを含む溶液に5分間浸漬した後
取り出し、70℃で3時間乾燥し、表面にAl23のコ
ーティング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。」
【0020】実施例5 実施例3によって表面にTiO2のコーティング膜を形
成した後、このインキ誘導部材を、テトラエトキシシラ
ン(関東化学(株)製)140g、エタノール207
g、水36g、塩酸0.3mlの混合液に24時間浸漬
した後取り出し、70℃で6時間処理し、TiO2のコ
ーティング膜の表面にSiO2のコーティング膜が形成
されたインキ誘導部材を得た。
【0021】実施例6 ダイセル化学工業(株)製のABS樹脂(V660)を
用いジャバラ状ペン芯(長手方向に多数の櫛歯状羽根を
並列して有し、幅0.15mm、高さ44mmの長手方向の
インキ導出溝を形成)であるインキ誘導部材を射出成形
によって得た。このインキ誘導部材を酸素雰囲気中でガ
スプラズマ(インターナショナルプラズマコーポレーシ
ョン製)にて処理しインキ誘導部材の表面を活性化する
(活性化処理)。次にこのインキ誘導部材を、イソプロ
ピルアルコール40.5g、テトラエトキシシラン(関
東化学(株)製)20.8g、水31.5gの混合液
に、塩酸数滴を加え撹拌し溶液Aを作成した。この溶液
AにAQ−ナイロンK−80(東レ(株)製)を2.0
g加え、溶解した混合液に15分間浸漬した。これを遠
心分離機((株)広瀬脱水機械製作所製)にかけ、50
〜60℃で4時間以上乾燥し、表面にAQ−ナイロンK
−80を含むSiO2のコーティング膜が形成されたイ
ンキ誘導部材を得た。
【0022】実施例7 溶液Aの作成迄を実施例6と同様となし、その後の処理
を以下のようになし、表面にアクリル酸を含むSiO2
のコーティング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。
「この溶液Aに水100g中にアクリル酸1gを加え、
更にブチルセロソルブを数滴加えた溶液を等量入れた混
合液に15分間浸漬した。これを遠心分離機((株)広
瀬脱水機械製作所製製)にかけ、50〜60℃で4時間
以上乾燥した。」
【0023】実施例8 実施例7において、アクリル酸とブチルセロソルブの代
わりに、ラポナイトRD(日本シリカ工業(株)製、天
然クレー鉱物)を水の中に0.1g入れた他は、実施例
7と同様となし、ラポナイトDを含むSiO2のコーテ
ィング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。
【0024】実施例9 実施例8のラポナイトRDの代わりにラポナイトRDS
(日本シリカ工業(株)製、天然クレー鉱物)を使用し
た他は実施例8と同様となし、ラポナイトRDSを含む
SiO2のコーティング膜が形成されたインキ誘導部材
を得た。
【0025】実施例10 実施例7のアクリル酸とブチルセロソルブの代わりに、
スミカゲルNP−1010(住友化学工業(株)製)を
水の中に0.1g入れた他は、実施例7と同様となし、
スミカゲルNP−1010を含むSiO2のコーティン
グ膜が形成されたインキ誘導部材を得た。
【0026】実施例11 実施例6のAQ−ナイロンK−80の代わりに、OSC
AL−1436(触媒化成工業(株)製、シリカコロイ
ド)を5.0g加えた他は、実施例6と同様となし、O
SCAL−1436を含むSiO2のコーティング膜が
形成されたインキ誘導部材を得た。
【0027】実施例12 活性化処理まで実施例3と同様となし、その後の処理を
以下のようになし、シリカコロイドを含むTiO2のコ
ーティング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。「次
にこのインキ誘導部材を、チタンイソプロポキシド(添
川理化学(株)製)5g、エタノール100ml、2N
塩酸0.5ml、OSCAL−1436(触媒化成工業
(株)製、シリカコロイド)5.0gを含む溶液に10
分間浸漬した後取り出し、70℃で3時間乾燥した。」
【0028】実施例13 活性化処理までは上記実施例3と同様となし、その後の
処理を以下のようになし、アルミナゾルを含むAl23
のコーティング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。
「次にこのインキ誘導部材を、アルミニウムイソプロポ
キシド(添川理化学(株)製)1g、イソプロピルアル
コール100ml、2N塩酸0.3ml、アルミナゾル
(日産化学工業(株)製)5.0gを含む溶液に5分間
浸漬した後取り出し、70℃で3時間乾燥し、表面にA
23のコーティング膜が形成されたインキ誘導部材を
得た。」
【0029】実施例14 活性化処理までは上記実施例3と同様となし、その後の
処理を以下のようになし、AQ−ナイロンK−80を含
むTiO2のコーティング膜が形成されたインキ誘導部
材を得た。「次にこのインキ誘導部材を、チタンイソプ
ロポキシド(添川理化学(株)製)5g、エタノール1
00ml、2N塩酸0.5ml、AQ−ナイロンK−8
0(東レ(株)製)2.0gを含む溶液に10分間浸漬
した後取り出し、70℃で3時間乾燥した。」
【0030】実施例15 活性化処理までは上記実施例3と同様となし、その後の
処理を以下のようになし、アクリル酸を含むAl23
コーティング膜が形成されたインキ誘導部材を得た。
「次にこのインキ誘導部材を、アルミニウムイソプロポ
キシド(添川理化学(株)製)1g、イソプロピルアル
コール100ml、2N塩酸0.3mlの溶液に、水1
00g中にアクリル酸1gを加え、更にブチルセロソル
ブを数滴加えた溶液を等量入れた混合液に5分間浸漬し
た後取り出し、70℃で3時間乾燥した。」
【0031】比較例1 活性化処理まで実施例1と同様となし、その後の処理を
以下のようになしインキ誘導部材を得た。「次にこのイ
ンキ誘導部材を、シリカコロイド分散液(日産化学工業
(株)製、スノーテックO)の5%水溶液に24時間浸
漬した後取り出し、50℃で4時間乾燥した。」
【0032】比較例2 比較例1において、スノーテックOの濃度を10%水溶
液とした他は比較例1と同様となしインキ誘導部材を得
た。
【0033】比較例3 活性化処理まで実施例2と同様となし、その後の処理を
以下のようになしインキ誘導部材を得た。「次にこのイ
ンキ誘導部材を、界面活性剤(第一工業製薬(株)製、
ノイゲンP)0.05%水溶液に10分間浸漬した後取
り出して、50℃で4時間乾燥した。」
【0034】実施例1〜15、比較例1〜3で得たイン
キ誘導部材について、インキの濡れ性や保持性の状態を
確認するため、以下の「洗浄回数とインキ吸い上げ高さ
の関係」について試験を行なった。
【0035】(試験方法)ジャバラ状ペン芯の後端をイ
ンキ(ぺんてる(株)製、万年筆用インキFK15の青
色、粘度1.16センチポイズ(25℃)、表面張力5
5.0dyne/cm、比重1.01(25℃)、pH5.
04)中に2mm浸漬し、インキがジャバラ状ペン芯の縦
方向の溝を1分間に上る高さを測定した。尚、1回ごと
に水洗い及び超音波洗浄を行ない乾燥し、それを5回繰
り返した。
【0036】
【発明の効果】試験結果は図1に示すとおりであり、本
発明のインキ誘導部材は、洗浄回数が増加してもインキ
吸い上げ高さの変化が少なく、経時的なインキの濡れ性
や保持性が良好であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜15、比較例1〜3により得られた
インキ誘導部材のインキに対する洗浄回数とインキ吸い
上げ高さとの関係を示す図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B43K 5/18 B43K 1/00 B43K 7/10 B43K 8/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性化処理した合成樹脂製のインキ誘導
    部材表面に、SiO2、TiO2、Al23、ZrO2
    MgAl24、BaTiO3、GeO2、Fe23、Cr
    23、CoO、In2O、SnO、V25、WO3より選
    択された1種もしくは2種以上のコーティング膜を形成
    せしめたインキ誘導部材。
  2. 【請求項2】 活性化処理した合成樹脂製のインキ誘導
    部材表面に、無機コロイド及び/又は親水性を有する有
    機化合物を含むSiO2、TiO2、Al23、Zr
    2、MgAl24、BaTiO3、GeO2、Fe
    23、Cr23、CoO、In2O、SnO、V25
    WO3より選択された1種もしくは2種以上のコーティ
    ング膜を形成せしめたインキ誘導部材。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製のインキ誘導部材の表面を活
    性化処理した後、ゾルーゲル法により表面に、Si
    2、TiO2、Al23、ZrO2、MgAl24、B
    aTiO3、GeO2、Fe23、Cr23、CoO、I
    2O、SnO、V25、WO3より選択された1種もし
    くは2種以上のコーティング膜を形成したインキ誘導部
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂製のインキ誘導部材の表面を活
    性化処理した後、ゾルーゲル法により表面に、無機コロ
    イド及び/又は親水性を有する有機化合物を含むSiO
    2、TiO2、Al23、ZrO2、MgAl24、Ba
    TiO3、GeO2、Fe23、Cr23、CoO、In
    2O、SnO、V25、WO3より選択された1種もしく
    は2種以上のコーティング膜を形成したインキ誘導部材
    の製造方法。
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