JP2015110285A - 撥水性透明被膜付基材およびその製造方法 - Google Patents

撥水性透明被膜付基材およびその製造方法 Download PDF

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Yuko Hakojima
夕子 箱嶋
政幸 松田
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政幸 松田
良 村口
Makoto Muraguchi
良 村口
小柳 嗣雄
Tsuguo Koyanagi
嗣雄 小柳
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Abstract

【課題】撥水性に優れるとともに透明性、ヘーズ、硬度、強度、耐擦傷性、耐摩耗性、密着性等に優れた撥水性透明被膜付基材を提供する。【解決手段】基材、および該基材表面の撥水性透明被膜からなり、前記撥水性透明被膜が、平均粒子径(DA)10〜150nmの範囲の異形金属酸化物粒子を含む金属酸化物粒子層と、該金属酸化物粒子層上のオーバーコート層とからなり、撥水性透明被膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が20〜1000nmの範囲にあり、水との接触角が100〜180?の範囲にあることを特徴とする撥水性透明被膜付基材。【選択図】なし

Description

本発明は、撥水性透明被膜付基材およびその製造方法に関する。特に、撥水性に優れるとともに透明性、ヘーズ、硬度、強度、耐擦傷性、耐摩耗性、密着性等に優れた撥水性透明被膜付基材およびその製造方法とに関する。
一般に固体表面がフラクタル構造を有している場合、固体表面が親水的な場合には親水性が向上して超親水性を示し、逆に固体表面が疎水的な場合には撥水性が向上して超撥水性を示すことが知られている。
特許文献1(特開2005−343016号公報)には、基材表面に超撥水性被膜を被覆した超撥水性被膜被覆物品において、超撥水性被膜が微粒子集合体からなる突起体及び撥水性膜を備えた、被膜の被覆領域において、突起体が存在する部分と存在しない部分とが混在し、かつ、突起体が存在する部分の被膜表面に突起体による凹凸が形成されている超撥水性被膜被覆物品が開示されている。
具体的には、三次元に結合したコロイダルシリカとアルキルアルコキシシランとフッ素を含有するアルキルアルコキシシランを混合し、撥水材料と珪素酸化物微粒子との共加水分解・縮重合物を調製し、これを撥水処理用分散液として用い、フローコート法にて塗布し、自然乾燥して超撥水処理ガラス基板を調製している。
また、特許文献2(WO2003/039856号公報)には、基体と、基体の表面に形成された微小凹凸を有する下地膜と、下地膜の微小凹凸上に形成された撥水性皮膜とを含む超撥水性基体であって、撥水性皮膜の表面形状が、粒子状突起物と、粒子状突起物よりも基板の表面から測定した高さが高い柱状突起物とにより構成された超撥水性基体が開示されている。
その具体的製造方法は、テトラクロロシランのデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を、シリカを主成分とする下地膜である凹凸下地膜形成用塗布液として調製し、別途、フッ素を含有するアルキルアルコキシシランのデカメチルシクロペンタシロキサン溶液を撥水処理剤として調製し、まず、自動車用ウインドシールドガラスの表面に凹凸下地膜形成用塗布液を塗布し、静置した後、撥水処理剤を塗布し、静置した後エチルアルコールで洗浄して表面の撥水処理剤を完全に洗い流し、(焼成することなく)自然乾燥して撥水処理されたウインドシールドガラスを調製している。
特許文献3(特開2004−137137号公報)には、表面に微小凹凸を有した珪素酸化物を主成分とする皮膜が被覆された物品であって、微小凹凸は、微小突起および柱状突起により構成されていることを特徴とする皮膜被覆物品が開示されている。その製造方法として、クロルシリル基含有化合物を、シリコン油を主成分とする溶媒に溶解した塗布溶液を塗布することで、かかる構造を有する皮膜が形成できる旨開示されている。
特許文献4(特開平8−40748号公報)には、ガラス基板と、基板の表面に、表面処理することなく成膜した状態でマイクロピット状表層、凹凸状表層、凸状表層のうち少なくとも1種以上の表層形状を呈している酸化物薄膜あるいは混合酸化物薄膜で成る下地層と、該下地層の上に、少なくともフルオロアルキルシランと、酸化アンチモンをドーパントとする酸化錫の粒子と、シリコーン化合物と、水と、有機溶媒からなる混合溶液に、酸をフルオロアルキルシラン1molに対して5×10-4 mol 〜2×10-2 molになるよう添加した撥水撥油液を塗布成膜した薄膜である撥水層とからなることを特徴とする撥水性ガラスが開示されている。
具体的には、シリカゾル(分子量約3,000)とシリカゾル(分子量約100,000)を特定モル比での混合物のイソプロピルアルコール分散液を下地膜形成用のコーティング溶液として用いて下地層を形成し、別途、撥水撥油液として、シリカゾル(分子量約3,000)のエタノール溶液と酸化アンチモンをドーパントとする酸化錫の粒子(粒子径20nm)とソプロピルアルコールとヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン、硝酸水溶液との混合物を塗布し、250℃で乾燥して撥水ガラスを調製している。
特開2005−343016号公報 WO2003/039856号公報 特開2004−137137号公報 特開平8−40748号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、珪素酸化物微粒子が不均一に積層した被膜が形成され、表面に形成される凹凸が比較的大きく、被膜の基材への密着性、強度が不充分となり、撥水性の再現性が十分得られない場合があった。
また、特許文献2の方法では、下地膜形成成分、撥水処理剤の加水分解、重縮合が不十分となるためか、被膜の強度、硬度が充分得られない場合があり、撥水性も初期値は高いものの、摩耗等により大きく低下する場合があった。
さらに、特許文献3では、初期の接触角は超撥水性を示すものの、乾布を用いた耐摩耗試験後の接触角は大きく低下する問題があった。 特許文献4のように、自動車用ワイパーを用いた耐摩耗性試後の水に対する接触角の低下は小さいものの、初期接触角も耐摩耗性試後の接触角、耐候性試験後の接触角も約110〜100程度と接触角が150℃以上の超撥水性は得られていない。
上記したように、用途・用法によっては、さらに撥水性の向上、撥水性膜の基材との密着性、耐摩耗性、耐擦傷性等の向上、加えて、これら性能を長期にわたって維持することが求められている。
本発明者等は、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、基材上に、特定の形状を有する異形金属酸化物粒子の層を形成し、該粒子層上に撥水性を有するオーバーコート層を形成すると、表面が凹凸を有し、かつ、該凸部の表面に微細な凹凸を有する透明な膜を形成することができ、該透明膜は撥水性が極めて高く、基材との密着性、耐摩耗性、耐擦傷性等の向上、加えて、これら性能を長期にわたって維持することが可能となることを見出した。
本発明に係る撥水性透明被膜付基材は、基材、および、該基材表面の撥水性透明被膜からなり、前記撥水性透明被膜が、平均粒子径(DA)10〜150nmの範囲の異形金属酸化物粒子を含む金属酸化物粒子層と、該金属酸化物粒子層上のオーバーコート層とからなり、撥水性透明被膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が20〜1000nmの範囲にあり、水との接触角が100〜180°の範囲にあることを特徴としている。
前記平均高さ(TF)と前記平均凸部間距離(WF)との比(TF)/(WF)が0.1〜10の範囲にあることが好ましい。
前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nmの範囲にあり、平均凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmの範囲にあることが好ましい。
前記異形金属酸化物粒子が金平糖状金属酸化物粒子(A)および/またはクラスター状金属酸化物粒子(B)であることが好ましい。
前記金平糖状金属酸化物粒子(A)が、金属酸化物粒子の表面に疣状突起を有する金属酸化物粒子であって、画像解析法により測定された平均粒子径(DA)が10〜150nmの範囲にあることが好ましい。
前記疣状突起の平均高さ(H)と前記金平糖状金属酸化物粒子の平均粒子径(DA)との比(H)/(DA)が0.03〜0.3の範囲にあることが好ましい。
前記金平糖状金属酸化物粒子(A)の表面粗度(SA1)/(SA2)が1.7〜5.0の範囲にあることが好ましい。
(但し、(SA1)はBET法により測定される比表面積であり、(SA2)は下記式(1)で表される等価球換算式で計算される比表面積であり、dは金平糖状金属酸化物粒子(A)の密度である。)
(SA2)=6000/(D2)xd・・・・・・(1)
前記クラスター状金属酸化物粒子(B)が、平均粒子径(DB1)が10〜150nmの範囲にある金属酸化物粒子一次粒子の集合体粒子(二次粒子)であり、該二次粒子の平均粒子径(DB2)が20〜500nmの範囲にあることが好ましい。
前記異形金属酸化物粒子が、SiO2、ZrO2、CeO2、WO3、TiO2およびこれらの複合酸化物、混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記異形金属酸化物粒子がSiO2であることが好ましい。
前記オーバーコート層がフッ素含有化合物、アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物の少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
前記オーバーコート層、が下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であることが好ましい。
n-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
前記オーバーコート層が、さらに下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含むことが好ましい。
SiX4 (3)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
前記オーバーコート層の形成量が、前記金属酸化物粒子層の金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対しオーバーコート層を固形分としてとして1〜100重量部の範囲にあることが好ましい。
前記基材と前記金属酸化物粒子層との間に接着層(a1)または前記金属酸化物粒子層と前記オーバーコート層との間に接着層(a2)を有することが好ましい。
前記接着層(a1)および接着層(a2)が、下記式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であることが好ましい。
n-SiX4-n (4)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
前記異形金属酸化物粒子が下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。
n-SiX4-n (5)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換または非置換の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
本発明に係る撥水性透明被膜付基材の製造方法は、下記の工程(b)〜(d)からなり、表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が20〜1000nmの範囲にあり、水との接触角が100〜180°の範囲にあることを特徴としている。
(b)基材上に、異形金属酸化物粒子分散液を塗布して金属酸化物微粒子層を形成する工程
(c)前記金属酸化物粒子層上に、オーバーコート層形成用塗布液を塗布してオーバーコート層を形成する工程
(d)加熱処理する工程。
前記工程(b)の前に、下記の工程(a1)を行うことが好ましい。
(a1)基材表面上に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a1)を形成する工程。
前記工程(b)の後に、下記の工程(a2)を行うことが好ましい。
(a2)前記金属酸化物粒子層上に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a2)を形成する工程。
前記異形金属酸化物粒子分散液の濃度が、固形分として濃度が0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
前記工程(b)にて形成した金属酸化物粒子層中の異形金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対して、オーバーコート層形成用塗布液を固形分として、1〜100重量部となるように塗布することが好ましい。
本発明では、基材上に、表面に微細な疣状突起を有する金属酸化物粒子あるいはクラスター状の金属酸化物粒子の層と、該金属酸化物粒子層上のオーバーコート層とからなり、表面に特定の大きさの凹凸を有し、さらにその凸部が微細な凹凸を有する撥水性透明被膜が形成されている。このような撥水性透明被膜は、従来より提案されていたフラクタル構造とは、規則性が低い点で、また凸部がさらに微細な凹凸を有する点で相違する。
その結果、本発明によれば、基材との密着性、透明性、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性、ヘーズ等に優れた超撥水性の透明薄膜付基材が提供できる。この撥水性透明被膜付基材は、防水性能、耐薬品性能等を必要とする自動車、各種電子デバイス等に好適に採用することができる。また、水処理膜としても好適に採用することができる。
以下、まず、本発明に係る撥水性透明被膜付基材について説明する。
[撥水性透明被膜付基材]
本発明に係る撥水性透明被膜付基材は、基材と、基材上に形成され撥水性透明被膜とからなる。
基材
本発明に用いる基材としては、特に制限はなく、例えば、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等を用いることができる。
また、用途によっては繊維または布を用いることもできる。例えば、酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等の樹脂製繊維、布(不織布を含む)を好適に用いることができる。
また、例えば不織布上にロブースリーヤン法等でこれらの高分子を用いた非対称多孔質膜を形成したものも好適に用いることもできる。
また、これら基材は水処理用の膜として用いられる精密濾過(MF膜)、UF膜(限外濾過膜)、NF膜(ナノ濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)等の数nm〜数μmの範囲の細孔(以下、貫通孔ということがある)を有する従来公知の水処理膜と併用することができる。例えば、従来公知の水処理膜上に前記基材を圧着、積層コート等して併用することもできる。
撥水性透明被膜
撥水性透明被膜は、異形金属酸化物粒子からなる金属酸化物粒子層と、該金属酸化物粒子層上のオーバーコート層とからなる。
(i)金属酸化物粒子層
本発明の金属酸化物粒子層に用いる異形金属酸化物粒子としては、金平糖状金属酸化物粒子(A)またはクラスター状金属酸化物粒子が用いられる。
[金平糖状金属酸化物粒子(A)]
金平糖状金属酸化物粒子(A)は、金平糖形状の粒子であり、粒子の表面に多数の疣状突起を有している。
・平均粒子径(DA)
金平糖状金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)は10〜150nm、さらには10〜130nmの範囲にあることが好ましい。
平均粒子径(DA)が小さいものは、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても突起が小さく、後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
平均粒子径(DA)が大きすぎても、最終的に得られる撥水性透明被膜の強度、硬度、基材との密着性が不十分となる場合があり、またミー散乱によりヘーズや透明性(光透過率)が不十分となる場合がある。
金平糖状金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)は、走査型電子顕微鏡写真(SEM)の画像解析により測定する。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、写真撮影して得られる写真の投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径を測定し、その平均値を平均粒子径(DA)とした。
・疣状突起の平均高さ(H)
疣状突起の平均高さ(H)は0.3〜45nm、さらには0.5〜40nmの範囲にあることが好ましい。
疣状突起の平均高さ(H)が小さいと、最終的に得られる撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。疣状突起の平均高さ(H)が45nmを超えると、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても1粒子あたりの疣状突起の数が少ないために、最終的に得られる撥水性透明被膜の微細凹凸が少なく、撥水性が不十分となる場合がある。
ここで、疣状突起の平均高さ(H)は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、金平糖状金属酸化物粒子を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の金平糖状金属酸化物粒子50個について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状粒子部分との接点までの距離を3箇所ずつ測定し、その平均値を算出し、疣状突起の平均高さ(H)とした。
金平糖状金属酸化物粒子(A)の疣状突起の平均高さ(H)と金平糖状金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)との比(H)/(DA)が0.03〜0.30、さらには0.05〜0.27の範囲にあることが好ましい。
前記比(H)/(DA)が小さいと、最終的に得られる撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
前記比(H)/(DA)が大きすぎても、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、得られたとしても1粒子あたりの疣状突起の数が少ないために、最終的に得られる撥水性透明被膜の微細凹凸が少なく、撥水性が不十分となる場合がある。
疣状突起の形状は特に限定されないが、通常は円錐、半球状である。かかる疣状突起の断面円の平均直径は3〜50nm、さらには3〜40nmの範囲にあることが好ましい。
疣状突起の平均直径が小さいものは、平均粒子径にもよるが、突起が破壊しやすい傾向にあり、平均直径が大きいものは、形成が困難となる。
金平糖状金属酸化物粒子(A)の疣状突起の断面円の平均直径(M)と金平糖状金属酸化物粒子(A)の平均粒子径(DA)との比(M)/(DA)が0.02〜0.5、さらには0.05〜0.4の範囲にあることが好ましい。
前記比(M)/(DA)がこの範囲にあると、本発明の機能を発揮する金平糖粒子となる。比(M)/(DA)が小さい、疣状突起が細いため、破壊しやすい傾向にあり、比(M)/(DA)が大きすぎると、疣状突起の数が少なくなり、所望の特性を発揮しないことがある。
粒子(A)は、その表面に多数の疣状突起を有する球状の微粒子であり、その構造は概ね金平糖に類似したものである。この様な多数の疣状突起を有する表面については表面粗度として、下記のように規定する。
金平糖状金属酸化物粒子(A)の表面粗度=(SA1)/(SA2
(但し、(SA1)はBET法により測定される比表面積であり、(SA2)は下記式(1)で表される等価球換算式で計算される比表面積であり、dは金平糖状金属酸化物粒子(A)の密度であり、6000は換算係数である。)
(SA2)=6000/(DA)×d・・・・・・(1)
ここで比表面積は単位質量当りの表面積を示すから、表面粗度(SA1)/(SA2)の値については、粒子が球状であって、粒子表面が多くの疣状突起を有する程、(SA1)/(SA2)の値は大きくなり、一方、粒子表面の疣状突起が少なく、平滑であるほど、(SA1)/(SA2)の値は小さくなり、その値は1に近くなる。
本発明に用いる金平糖状金属酸化物粒子(A)表面粗度(SA1)/(SA2)は1.7〜5.0の範囲にあるものが望ましい。表面粗度が低いと、疣状突起の割合が少ないかあるいは、疣状突起自体が金平糖状金属酸化物粒子(A)の粒子径に比べて極めて小さくなり、球状微粒子に近くなる。
表面粗度が前記範囲を超えて大きい場合、調製が困難である。表面粗度の範囲としては、さらに1.8〜4.5の範囲にあることが好ましい。
・金平糖状金属酸化物粒子(A)の製造方法
平糖状金属酸化物粒子(A)の製造方法としては、疣状突起を有し、前記平均粒子径(DA)、表面粗度等を有する粒子が得られれば特に制限はないが、本出願人の出願による特開2009−78935号公報に開示した金平糖状複合シリカ微粒子の製造方法、これに準拠した製造方法は好適に採用することができる。
例えば、金平糖状金属酸化物粒子(A)の第1の製造方法は、粒子径が3〜140nmのシード粒子(例えば、シリカ微粒子)が溶媒に分散してなるシード粒子分散液(シリカゾル)のpHを8〜12、温度を概ね60〜200℃の範囲に調整し、1)金属酸化物(シリカを除く)の前駆体または2)該金属酸化物の前駆体および珪酸液の所定量を連続的にまたは断続的に添加することにより調製することができる。
金平糖状金属酸化物粒子(A)の第2の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)金属過酸化物または2)金属過酸化物および珪酸液の所定量を一時に一括して全量添加することを特徴とする。
[クラスター状金属酸化物粒子(B)]
クラスター状金属酸化物粒子(B)は、金属酸化物粒子の一次粒子が多数集合した二次粒子である。このため、クラスター状金属酸化物粒子(B)の表面は、前記金平糖状金属酸化物粒子(A)の疣状突起と類似した球状表面の凸部を有している。
クラスター状金属酸化物粒子(B)を構成する一次粒子は平均粒子径(DB1)が10〜150nm、さらには10〜130nmの範囲にあることが好ましい。
一次粒子の平均粒子径(DB1)が小さいと、二次粒子を形成したときに、前記凸部が小さく、表面が平滑な球状粒子に近くなるため後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
一次粒子の平均粒子径(DB1)が大きすぎても、二次粒子を形成したときに、形成される凸部自体が大きく、後述する微細凹凸が所定範囲より大きいものとなる場合があり、充分な撥水性が得られない場合がある。
二次粒子の平均粒子径(DB2)は20〜500nm、さらには20〜400nmの範囲にあることが好ましい。
二次粒子の平均粒子径(DB2)が小さいと、後述する所望の凹凸、微細凹凸が形成できず、最終的に得られる撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
クラスター状金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB2)が大きすぎても、後述する所望の高さの凸部および所望の凸部間距離(ピッチ幅)を有する撥水性被膜が得られず、撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
なお、クラスター状金属酸化物粒子(B)には、前記した金平糖状金属酸化物粒子(A)を一次粒子と見做し、これらが多数集合した粒子をクラスター状金属酸化物粒子(B)と見做し、平均粒子径(DB1)および平均粒子径(DB2)の要件を満たす粒子が含まれる。
クラスター状金属酸化物粒子(B)の平均粒子径(DB2)は、前記金平糖状金属酸化物粒子(A)と同様に、走査型電子顕微鏡写真の画像解析により測定する。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、写真撮影して得られる写真の投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径を測定し、その平均値を平均粒子径(DB2)とする。
また、クラスター状金属酸化物粒子(B)を構成する一次粒子の平均一次粒子径(DB1)は、写真観察により、1個のクラスター状金属酸化物粒子(B)について、写真の中央部に観察される複数の凸部を一次粒子と見做してその径を測定して平均値を求め、この操作を異なる任意の9個のクラスター状金属酸化物粒子(B)について行い、その平均値とした。
・クラスター状金属酸化物粒子(B)の製造方法
本発明に用いることのできるクラスター状金属酸化物粒子(B)の製造方法としては、所定の平均粒子径を有する一次粒子が容易に離散しない程度に凝集、あるいは結合したクラスター状金属酸化物粒子(B)が得られれば特に制限はないが、具体的には以下のような方法が挙げられる。
例えば、平均粒子径が前記平均一次粒子径(DB1)の前記範囲にある金属酸化物粒子の水分散液を塩の存在下で水熱処理する方法が挙げられる。
このとき、塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の塩が好適に用いることができる。また、このときの金属酸化物粒子水分散液の濃度は概2〜20重量%の範囲にあり、水熱処理温度は概80〜120℃の範囲にあることが好ましい。
金平糖状金属酸化物粒子(A)およびクラスター状金属酸化物粒子(B)の異形金属酸化物粒子は、SiO2、ZrO2、CeO2、WO3、TiO2およびこれらの複合酸化物、混合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
なかでも、SiO2は所望の形状を有する異形金属酸化物粒子が得られやすく、分散性が良く、経済性にも優れているので好適に採用することができる。
前記異形金属酸化物粒子は下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。
n-SiX4-n (5)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換または非置換の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
加水分解性有機珪素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、へキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。
加水分解性有機珪素化合物での表面処理方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、異形金属酸化物粒子のアルコール分散液に所定量の加水分解性有機珪素化合物と必要量の水を加え、必要に応じて加水分解触媒として酸またはアルカリを加え、さらに必要に応じて加熱する方法が挙げられる。
異形金属酸化物粒子の加水分解性有機ケイ素化合物での表面処理量は、異形金属酸化物粒子を固形部として100重量部に対し加水分解性有機ケイ素化合物をRn−SiO(4-n)/2として0.1〜200重量部、さらには0.5〜100重量部の範囲にあることが好ましい。
表面処理量が少ない場合は、分散性が不充分な場合があり、透明被膜を形成した際に粒子同士が凝集してヘーズが発生したり、着性や硬度が不十分となる場合がある。表面処理量が多すぎる場合、得られる透明被膜表面の凹凸、特に微細凹凸が減少し、撥水性が不十分となる場合がある。
また、前記加水分解性有機珪素化合物以外に他の加水分解性有機金属化合物を同様に用いることもできる。
加水分解性有機金属化合物としては、加水分解性有機アルミニウム化合物、加水分解性有機ジルコミニウム化合物、加水分解性有機チタニウム化合物等が挙げられる。表面処理量も、有機ケイ素化合物と同様であり、金属酸化物に換算した重量が同様の範囲となるように処理する。
異形金属酸化物粒子の加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理量が前記範囲にあると、分散性が高く、後述するオーバーコート層あるいは接着層(a1)または接着層(a2)との結合が促進され、最終的に強度、硬度、ヘーズ等に優れた撥水性透明被膜付基材を得ることができる。
金属酸化物微粒子層の厚みは、30〜500nm、さらには50〜400nmの範囲にあることが望ましい。金属酸化物微粒子層の厚みが薄いと、撥水性が不十分となる場合があり、一方、金属酸化物微粒子層の厚みが厚すぎても、ヘーズが発生したり、密着性、膜の強度が不十分となる場合がある。
(ii)接着層
前記基材と前記金属酸化物粒子層との間に接着層(a1)、および/または前記金属酸化物粒子層と後述するオーバーコート層との間に接着層(a2)を有することが好ましい。
これによって、基材と金属酸化物粒子層との密着性、金属酸化物粒子層とオーバーコート層との密着性より高めることが可能となる。
接着層(a1)または(a2)としては、金属酸化物粒子層、さらにはオーバーコート層との密着性より高めることができれば特に制限はないが、有機樹脂系の接着層を形成してもよく、無機酸化物系の接着層を形成してもよい。
具体的には、有機樹脂系の接着層を形成する場合は、基材と金属酸化物粒子層、さらにはオーバーコート層との密着性を向上できれば特に制限は無く、従来公知の有機樹脂系接着用樹脂を用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、あるいは紫外線硬化樹脂や電子線硬化性樹脂を使用してもよい。なお、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
好ましくは、有機樹脂接着層形成成分として、具体的にはシリル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基等の官能基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステル樹脂を使用することが可能である。
有機樹脂接着層形成成分として、具体的にはヘキサエリスリトールトリペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールジメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート等のポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコールまたはその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉またはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、カルボキシメチルセルロース、アラビヤゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体およびこれらの混合物あるいはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
また、ビニル基、ウレタン基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基等の官能基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステル樹脂およびエマルジョン系微粒子も好適に採用可能である。具体的にはペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメテクリレート、イソデシルメテクリレート、n-ラウリルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメテクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル系架橋共重合体微粒子、ウレタン系架橋共重合体微粒子、アクリル−ウレタン系架橋共重合体微粒子等およびこれらの混合物が挙げられる。
無機酸化物系の接着層を形成する場合、シリカゾル、シリカアルミナゾル、アンチモンドープ酸化錫(ATO)ゾル、錫ドープ酸化インジウム(ITO)ゾル等のゾルの他、ケイ酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂等で脱アルカリして得られる酸性ケイ酸液、有機珪素化合物あるいはこれらの加水分解物による無機酸化物を用いることができる。
なかでも、シリカゾル、ケイ酸アルカリをイオン交換樹脂で脱アルカリして得られる酸性珪酸酸液、加水分解性有機ケイ素化合物に由来するシリカが好適である。
特に、下記式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であるシリカ系接着層が好ましい。
n-SiX4-n (4)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
ここで、加水分解重縮合物とは、後述する製造工程で、加水分解性有機ケイ素化合物、これらの部分加水分解物、加水分解物であったものが加熱処理によって重縮合したものであることを意味している。
このような加水分解性有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。
なかでも、n=0(4官能)の加水分解性有機ケイ素化合物、またはn=0(4官能)の加水分解性有機ケイ素化合物とn=1(3官能)の加水分解性有機ケイ素化合物との混合物を用いると、基材との密着性、強度、硬度等に優れ、オーバーコート層との接着性も増し、最終的に強度、硬度、撥水性に優れた撥水性被膜付基材を得ることができ、水処理に好適に用いることができる。
接着層(a1)または(a2)の形成量は金属酸化物粒子層中の異形金属酸化物粒子を酸化物換算し100重量部に対し、接着層を固形分として1〜200重量部、さらには10〜190重量部の範囲にあることが好ましい。
接着層の形成量が少ないと、基材と金属酸化物粒子層との接着性、金属酸化物粒子層とオーバーコート層との接着性が不充分となる場合がある。
接着層(a1)の形成量が多すぎると、金属酸化物粒子層の凹凸が小さくなる場合があり、最終的に得られる撥水性被膜の撥水性が不充分となる場合がある。
接着層(a2)の形成量が多すぎると、金属酸化物粒子層と金属酸化物粒子層表面の凹凸および微細凹凸が小さくなる場合があり、最終的に得られる撥水性被膜の撥水性が不充分となる場合がある。
(iii)オーバーコート層
前記金属酸化物粒子層上に、前記接着層(a2)を形成した場合には接着層(a2)上にオーバーコート層が形成されている。
オーバーコート層としては、金属酸化物粒子層と結合し、撥水性を向上できれば特に制限はないが、フッ素含有化合物、アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物の少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
フッ素含有化合物としては、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のシラン誘導体、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−n−ヘキシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−n−オクチルホスホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−n−デシルホスホン酸等のホスホン酸誘導体、フロロテクノロジー製のフロロサーフ、NODASCREEN製のINTシリーズ等が挙げられる。
アルキル基含有化合物としては、10−カルボキシデシルホスホン酸、11−ヒドロキシウンデシルホスホン酸、11−(ナフタレン−2−イルオキシ)ウンデシルホスホン酸、11−[2[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ウンデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、11−フタルイミドウンデシルホスホン酸等が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、信越化学製の変性反応性シリコーン、モメンティブ製の変性反応性シリコーン等が挙げられる。このとき、変性反応性シリコーンは、官能基としてアクリル基・(メタ)アクリロキシ基、エポキシ基、シラノール基、フェノール基、カルボキシル基等を含むものが好ましい。
本発明では、下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を用いることが好ましい。
n-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
ここで、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物とは、後述する製造工程で、加水分解性有機ケイ素化合物、これらの部分加水分解物、加水分解物であったものが加熱処理によって重縮合したものであることを意味している。
このような加水分解性有機ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、へキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。
なかでも、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素置換炭化水素基を含む加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が含まれていると、より撥水性の高い撥水性透明被膜を得ることができる。
前記オーバーコート層が、さらに下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含むことが好ましい。
SiX4 (3)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
加水分解性有機珪素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が混合して含まれている場合、式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物のRn-SiO(4-n)/2の100重量部に対して、式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物をSiO2として200重量部以下、さらには1〜100重量部の範囲で含んでいることが望ましい。式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物の含有量が前記範囲にあると、撥水性透明被膜の撥水性を低下することなく強度、硬度、透明性、ヘーズ等に優れた撥水性透明被膜付基材を得ることができる。
撥水性透明被膜中のオーバーコート層の形成量は前記金属酸化物粒子層中の異形金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対し、固形分として1〜100重量部、さらには2〜80重量部の範囲にあることが好ましい。
オーバーコート層の形成量が少ないと、一部、オーバーコート層が形成されていない塗布ムラが生じ、充分な撥水性が得られない場合があり、また、オーバーコート層の形成量が多すぎても、後述する撥水性被膜表面の凹凸の平均高さ(TF)、凸部間距離(WF)が小さくなり、また凸部表面の微細凹凸の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)が小さくなり、撥水性はむしろ低下する場合がある。
凹凸構造
本発明に係る撥水性透明被膜付基材は、表面が凹凸構造を有する。
該凹凸構造は、凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(ピッチ幅)、水との接触角で定義される。
該凹凸構造の凸部の平均高さ(TF)が30〜500nm、さらには50〜400nmの範囲にあることが好ましい。凸部の平均高さ(TF)が小さいと、撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
凸部の平均高さ(TF)が大きすぎると、さらに撥水性が向上することもなく、撥水性透明被膜の強度が不十分となる場合がある。
また、平均凸部間距離(ピッチ幅ということがある)(WF)は20〜1000nm、さらには70〜800nmの範囲にあることが好ましい。平均凸部間距離(WF)が短いと、撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
平均凸部間距離(WF)が大きすぎても、撥水性透明被膜の撥水性が不十分となる場合がある。
本発明では、前記凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)は撥水性透明被膜の断面の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、50個の凸部の高さ、ピッチ間距離を測定し、その平均値とした。
前記凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)は、異形金属酸化物粒子の種類、大きさを選択するとともに、後述する撥水性透明被膜付基材の製造工程における金属酸化物粒子分散液の濃度、塗布方法、前記接着層(a2)の形成量等によって調整される。
具体的には、異形金属酸化物粒子の大きさの大きい場合、平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)が大きくなる傾向にあり、また、金属酸化物粒子分散液の濃度が高い場合に、平均高さ(TF)が高くなる傾向にあり、濃度が低い場合平均凸部間距離(WF)が大きくなる傾向にある。前記接着層(a2)の形成量が多い場合、前記凹凸および後述する微細凹凸が小さくなる。
また、金平糖状金属酸化物粒子(A)は比較的平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)が小さく、後述する微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)および平均凸部間距離(WFF)の小さい撥水性透明被膜の形成に好ましく、クラスター状金属酸化物粒子(B)は比較的平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)および微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)および平均凸部間距離(WFF)の大きな撥水性透明被膜の形成に好ましいがこの限りでない。
本発明の撥水性透明被膜表面の凸部は、凸部表面にさらに微細な凹凸を有している。 微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)は0.1〜5nm、さらには0.2〜3nmの範囲にあることが好ましい。
微細凹凸の凸部の平均高さ(TFF)が前記範囲にあると、より撥水性に優れた透明被膜が得られる。
また、微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(WFF)が0.1〜5nm、さらには0.2〜3nmの範囲にあることが好ましい。
微細凹凸の凸部の平均凸部間距離(WFF)が前記範囲にあると、前記平均高さ(TFF)が所定範囲にある場合と同様に、より撥水性に優れた透明被膜が得られる。
このような、微細凹凸の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)は、前記した平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)測定時に測定することができ、任意の凸部5個について、凸部を指定して拡大すると微細凹凸の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)を測定することができる。
前記平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)は、異形金属酸化物粒子の種類および大きさを選択するとともに、前記オーバーコート層の形成量等によって調整される。
また、撥水性透明被膜は水との接触角が100〜180°、さらには130〜180°の範囲にあることが好ましい。
これは、前記凹凸構造およびオーバーコート層による特性である。接触角を前記範囲で調整するには、前記した方法で凸部の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)を所定範囲となるように異形金属酸化物粒子を選択するとともにオーバーコート層を形成すればよい。
撥水性透明被膜の水との接触角が前記範囲にあれば、通常、水滴が被膜上に付着することなく水を弾くような撥水性透明被膜を得ることができる。
つぎに、本発明に係る撥水性透明被膜付基材の製造方法について説明する。
[撥水性透明被膜付基材の製造方法]
本発明に係る撥水性透明被膜付基材の製造方法は、下記の工程(b)〜(d)からなる。
(b)基材上に、異形金属酸化物粒子分散液を塗布して金属酸化物微粒子層を形成する工程
(c)前記金属酸化物粒子層上に、オーバーコート層形成用塗布液を塗布してオーバーコート層を形成する工程
(d)加熱処理する工程。
なお、(b)工程の金属酸化物粒子層形成前に、基材表面に接着層を設けてもよく、また金属酸化物粒子層形成後の、金属酸化物粒子層表面に接着層を設けてもよい。
工程(a1)ないし(a2)
本発明では、後述する工程(b)の前に、工程(a1)により、基材表面に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a1)を形成してもよく、工程(b)の後、金属酸化物粒子層上に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a2)を形成することもできる。工程(a1)、(a2)の一方だけ施してもあるいは双方施してもよい。
・接着層形成用塗布液
接着層形成用塗布液としては、基材と金属酸化物粒子層と、または金属酸化物粒子層と後述するオーバーコート層とを密着性よく接着できれば特に制限はないが、前記したような有機樹脂系接着用樹脂あるいは無機酸化物系の接着層形成成分が好適に用いられる。
接着層形成用塗布液の分散媒は、後述する金属酸化物粒子分散液の分散媒と同様の分散媒を用いることができる。
接着層形成用塗布液の濃度は固形分として0.05〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
接着層形成用塗布液の濃度が前記範囲にあると、塗布方法によっても異なるが、基材または金属酸化物粒子層に均一に塗布することができ、前記接着層として機能し、密着性に優れた金属酸化物粒子層、オーバーコート層さらには撥水性被膜を形成することができる。
接着層形成用塗布液は、金属酸化物粒子層中の異形金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対し、接着層が固形分として1〜200重量部、さらには5〜150重量部の範囲となるように接着層形成用塗布液を用いる。
接着層形成用塗布液の塗布量が少ないと、基材と撥水性被膜との密着性が不充分となる場合がある。
接着層形成用塗布液の塗布量が多すぎても、前記表面凹凸構造が所定範囲外となることがあり、最終的に得られる撥水性被膜の撥水性が不充分となる場合がある。
工程(a1)の場合、工程(b)で形成する金属酸化物微粒子層の量から、おおよその塗布量を算定する。
接着層形成用塗布液の塗布方法としては、基材にあるいは金属酸化物粒子層に均一に塗布できれば特に制限は無く、例えば、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着層形成用塗布液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、接着層形成用塗布液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はないが概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
さらに、必要に応じて加熱処理および/またはUV照射処理することもできる。
加熱処理温度は、基材の種類によっても異なるが、130〜400℃、さらには150〜300℃の範囲にあることが好ましい。
UV照射処理は、基材の種類によっても異なるが、高圧水銀灯などを用い365nmの波長のUVを100〜1200mJ/cm2、さらには200〜800mJ/cm2の範囲で照射することが好ましい。
工程(b)
基材上に、前記接着層(a1)を形成した場合は接着層(a1)上に異形金属酸化物粒子分散液を塗布して金属酸化物粒子層を形成する。
異形金属酸化物粒子分散液としては前記した異形金属酸化物粒子の分散液を用いる。
異形金属酸化物粒子分散液の分散媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピル、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プルピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類を含む親水性溶媒、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセタート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トルエン等極性溶媒が挙げられる。さらに、N−メチルピロリドン等の極性溶媒を用いることもでき、これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
本発明では、前記したように異形金属酸化物粒子が表面処理されていてもよく、表面処理剤としては前記した加水分解性有機珪素化合物が好適に用いられる。
また、前記加水分解性有機珪素化合物以外に他の加水分解性有機金属化合物を同様に用いることもできる。
加水分解性有機金属化合物としては、加水分解性有機アルミニウム化合物、加水分解性有機ジルコミニウム化合物、加水分解性有機チタニウム化合物等が挙げられる。
また、前記加水分解性有機金属化合物による表面処理法以外にストーバー法、乾式処理法、メカノフュージョン法等の表面処理法が挙げられる。
異形金属酸化物粒子分散液の濃度は固形分として0.1〜10重量%、さらには0.5〜8重量%の範囲にあることが好ましい。異形金属酸化物粒子分散液の濃度が低いと、前記凸部間距離が大きくなり過ぎたり、一部金属酸化物粒子層の無い塗布ムラが生じ、充分な撥水性が得られない場合がある。
異形金属酸化物粒子分散液の濃度が高いと、塗布方法によっても異なるが、塗工性が低下して均一な金属酸化物粒子層を形成できない場合、あるいは所望の凸部間距離に調整できない場合があり、得られる被膜の撥水性が不充分となる。
異形金属酸化物粒子分散液を塗布するが、塗布方法としては、概ね所望の凹凸構造を有する金属酸化物粒子層を密着性よく形成できれば特に制限は無く、例えば、ディッピング法、バーコーター法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
異形金属酸化物粒子分散液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、異形金属酸化物粒子分散液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はなく、室温で風乾することもできるが、概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃で加熱乾燥することが好ましい。
工程(c)
金属酸化物粒子層または接着層(a2)上に、オーバーコート層形成用塗布液を塗布してオーバーコート層を形成する。
オーバーコート層形成用塗布液としては、前記したフッ素含有化合物、アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物またはこれらの部分加水分解物、加水分解物が用いられる。
本発明では、オーバーコート層形成用塗布液には前記したオーバーコート層形成成分が含まれる。
オーバーコート層形成用塗布液の分散媒としては、異形金属酸化物粒子分散液の分散媒と同様の分散媒を用いることができる。
オーバーコート層形成用塗布液の濃度は固形分としてとして0.05〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
オーバーコート層形成用塗布液の濃度が低い場合は、一部オーバーコート層の無い塗布ムラが生じ、充分な撥水性が得られない場合がある。オーバーコート層形成用塗布液の濃度が高すぎても、所望の凹凸構造が得られない場合があり、撥水性がさらに向上することもない。
オーバーコート層形成用塗布液は、前記したオーバーコート層の含有量となるように塗布される。
オーバーコート層形成用塗布液の塗布方法としては、金属酸化物粒子層に均一に塗布できれば特に制限は無く、例えば、ディッピング法、バーコーター法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
オーバーコート層形成用塗布液を塗布後、乾燥することが好ましく、乾燥方法は従来公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥温度は、オーバーコート層形成用塗布液の分散媒を実質的に除去できれば特に制限はないが概ね50〜120℃、好ましくは60〜100℃である。
工程(d)
ついで、加熱処理する。
加熱処理温度は、基材の種類によっても異なるが、130〜700℃、さらには150〜500℃の範囲にあることが好ましい。
なお、前記オーバーコート層形成後、60℃以上で乾燥した場合は、本工程(d)の加熱処理を省略することができる場合がある。
乾燥・加熱処理によって、基材と接着層(a1)、接着層(a1)と金属酸化物粒子層、金属酸化物粒子層と接着層(a2)、接着層(a2)とオーバーコート層間の結合が増し、基材との密着性に優れた撥水性透明被膜を形成することができる。
加熱処理温度が低いと、前記密着性が不十分、膜強度が不充分となる場合がある。
加熱処理温度が高すぎると、基材の種類によっては基材が変形したり炭化する場合がある。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液482g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.43質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の濃度を測定したところ14.4重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子分散液1463gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(1)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
なお、画像解析による平均粒子径(DA)の測定方法、突起の平均高さ(H)の測定方法および比表面積(SA2)の算定方法、表面粗度(SA1)/(SA2)、および真球度の測定方法は以下の通りである。
平均粒子径(D A
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:H−800)により、金平糖状金属酸化物粒子(1)を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径(DL)を測定し、その平均値を平均粒子径(DA)とした。
突起の平均高さを(H)
同様に、金平糖状金属酸化物粒子(1)を倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状微粒子部分との接点までの距離を3個ずつ測定し、その全ての平均値を算出し、粒子の突起の平均高さを(H)とした。
比表面積(SA 2
平均粒子径(DA)の値を下記式(1)に代入して、比表面積(SA2)を求めた。
(SA2)=6000/(DA)xd・・・・・・(1)
表面粗度(SA 1 )/(SA 2 )
BET法で測定した比表面積(SA1)を上記で求めた比表面積(SA2)で除して求めた。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液の調製
金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%の金平糖状金属酸化物粒子(1)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度8重量%の金平糖状金属酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)2.77gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにN−メチルピロリドン(NMP)8gとプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)192gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)100gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液を調製した。
接着層形成用塗布液(1)の調製
変性アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)72.5gに水10.0gと濃度61重量%の硝酸0.1gを添加し、25℃で10分撹拌した。ついで、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)17.4gを添加し、30℃で30分撹拌してテトラエトキシシラン加水分解物(固形分濃度5.0重量%、分子量:1000)を得た。ついで、ジアセトンアルコール(DAA)333.3gとエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(I−PG)666.6gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)566.67gを添加して25℃で30分撹拌し、固形分濃度0.3重量%のシリカからなる接着層形成用塗布液(1)を調製した。
オーバーコート層形成用塗布液(1)の調製
変性アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)2252.5gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(MOMENTIVE製:TSL8257、固形分濃度98%)46.4gを添加し、25℃で5分間撹拌し、ついで、60℃で3時間処理した。
その後、PGME356.39gとDAA213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%のフッ素含有シリカ系層形成用塗布液を調製した。
ついで、固形分濃度1.50重量%のフッ素含有シリカ系層形成用塗布液100gにPGM10gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)40gを添加し、固形分濃度1.0%のオーバーコート層形成用塗布液(1)を調製した。
撥水性透明被膜付基材(1)の製造
固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液を、ガラス基板(浜新(株)製:FL硝子、厚さ:3mm、屈折率:1.51)にバーコーター法(#3)で、乾燥層厚が表となるように塗布し、80℃で30秒間乾燥した。
ついで、固形分濃度0.3重量%の接着層形成用塗布液(1)を、スピンコーターで、表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)層上に表の含有量となるように塗布し、80℃で120秒間乾燥させた。
固形分濃度1.0重量%のオーバーコート層形成用塗布液(1)を表の含有量となるようにバーコーター法(#4)で塗布し、80℃で30秒間乾燥後、150℃で30分間乾燥・硬化して撥水性透明被膜付基材(1)を製造した。
撥水性透明被膜付基材(1)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。なお、全光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定した。また、未塗布のガラスは全光線透過率が99.0%、ヘーズが0.1%であった。 鉛筆硬度、耐擦傷性、撥水性および密着性は以下の方法で測定した。
鉛筆硬度
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
評価基準:
2H以上 :◎
H〜2H :○
B〜H :△
B以下 :×
耐擦傷性
#0000スチールウールを用い、荷重200g/cm2で10回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
撥水性
全自動接触角計(協和界面科学(株)製:DM 700)で水との接触角を測定した。
密着性
撥水性透明被膜付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着、剥離したときの被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数95〜99個 :○
残存升目の数90〜94個 :△
残存升目の数89個以下 :×
[実施例2]
金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−45P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径45nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、12℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液850g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウムが0.77質量部に相当)を攪拌しながら4時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分濃度(アルミナ被覆シリカ微粒子)は13.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1199gに純水を加えて、濃度2.9重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液5586gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を27g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分4.0質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分間熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液4246g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が75.6質量部に相当)を7時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(2)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(2)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(2)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(2)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリーSS−120、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径120nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液325g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.29質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ14.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1316gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を27gのアルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.4質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液1067g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が16.0質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(3)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(3)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(3)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(3)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液78g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.07質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.2重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1272gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(4)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(4)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(4)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(4)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(4)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(4)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(4)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液1344g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム1.20質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ12.9重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1499gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(5)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(5)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(5)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(5)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
金平糖状金属酸化物粒子(6)分散液の調製
実施例2と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(6)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(6)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約50%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(6)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状金属酸化物粒子(6)はSEM観察により金平糖状金属酸化物粒子(2)が概ね3個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(6)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(6)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(6)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(6)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(6)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例7]
金平糖状金属酸化物粒子(7)分散液の調製
実施例2と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(7)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(7)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約53%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(7)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状金属酸化物粒子(7)はSEM観察により金平糖状金属酸化物粒子(2)が概ね6個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(7)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(7)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(7)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(7)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(7)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例8]
金平糖状金属酸化物粒子(8)分散液の調製
実施例2と同様にして固形分濃度が30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(2)分散液を調製し、ついで、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(8)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度30重量%の金平糖状金属酸化物粒子(8)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約55%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)PGME分散液を得た。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(8)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、金平糖状金属酸化物粒子(8)はSEM観察により金平糖状金属酸化物粒子(2)が概ね8個集合したクラスター粒子であった。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(8)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(8)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(8)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(8)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(8)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
球状金属酸化物粒子(9)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−45P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径45nm)を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度30重量%の球状金属酸化物粒子(9)メタノール分散液を得た。ついで、固形分濃度30重量%の球状金属酸化物粒子(9)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)10.39gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度30重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(9)メタノール分散液を調製した。
調製した固形分濃度30重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(9)メタノール分散液をロータリーエバポレーターで約53%に濃縮して−10℃で24時間保管後、PGME溶剤にロータリーエバポレーターで置換して固形分濃度8重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(9)PGME分散液を得た。
得られた球状金属酸化物粒子(9)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度を測定し、結果を表に示す。
なお、球状金属酸化物粒子(9)はSEM観察により球状金属酸化物粒子(2)が概ね6個集合したクラスター粒子であった。
表面処理球状金属酸化物粒子(9)分散液の調製
実施例1において、球状金属酸化物粒子(9)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(9)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(9)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(9)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(9)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(9)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例10]
オーバーコート層形成用塗布液(2)の調製
変性アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)2252.5gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:KBM−13,固形分濃度98%)46.4gを添加し、25℃で5分間撹拌し、ついで、60℃で3時間処理した。
その後、PGME356.39gとDAA213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%メチル基含有シリカ系層形成用塗布液を調製した。
ついで、固形分濃度1.50重量%のメチル基含有シリカ系層形成用塗布液100gにPGM10gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)40gを添加し、固形分濃度1.0%のオーバーコート層形成用塗布液(2)を調製した。
撥水性透明被膜付基材(10)の製造
実施例1において、オーバーコート層形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(10)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(10)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例11]
オーバーコート層形成用塗布液(3)の調製
ジメチルシリコーン(MOMENTIVE製:TSW8251、固形分濃度3.3%)を100gにPGM46gと混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)184gを添加し、固形分濃度1.0%のオーバーコート層形成用塗布液(3)を調製した。
撥水性透明被膜付基材(11)の製造
実施例1において、オーバーコート層形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(11)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(11)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[実施例12]
撥水性透明被膜付基材(12)の製造
実施例1において、実施例1と同様にして調製した固形分濃度0.3重量%の接着層形成用塗布液(1)をガラス基板(浜新(株)製:FL硝子、厚さ:3mm、屈折率:1.51)上にスピンコーター塗布して接着層を形成した後、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)分散液を塗布し80℃で30秒間乾燥した。
固形分濃度0.3重量%の接着層形成用塗布液(1)を、スピンコーターで、表面処理金平糖状金属酸化物粒子(1)層上に表の含有量となるように塗布し、80℃で120秒間乾燥させた。
ついで、実施例1と同様にして調製した固形分濃度1.0重量%のオーバーコート層形成用塗布液(1)を表の含有量となるようにバーコーター法(#4)で塗布し、80℃で30秒間乾燥後、150℃で30分間乾燥・硬化して撥水性透明被膜付基材(12)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(12)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
表面処理球状金属酸化物粒子(R1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して、固形分濃度8重量%の球状金属酸化物粒子(R1)メタノール分散液を得た。
ついで、固形分濃度8重量%の球状金属酸化物粒子(R1)メタノール分散液100gにテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)2.77gを混合し、ついで、超純水を2.3g添加し、50℃で6時間攪拌して固形分濃度8重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(R1)メタノール分散液を調製した。
固形分濃度8重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(1)メタノール分散液100gにN−メチルピロリドン(NMP)8gとプロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGME)192gと、混合アルコール(日本アルコール販売(株)製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)100gを添加し、ついで、25℃で30分間撹拌して、無機酸化物微粒子層形成用固形分濃度2重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(R1)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(R1)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理球状金属酸化物粒子(R1)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(R1)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(R1)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−550、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径5nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液111428g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム100質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ1.7重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液11377をロータリーエバポレーターで濃縮して、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を201g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分25質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液40292g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が500質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(R2)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(R2)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R2)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(R2)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(R2)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリーSS−300、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径300nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液123g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.11質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.1重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1281gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を23g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分2.8質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液331g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が5質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(R3)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(R3)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R3)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(R3)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(R3)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[比較例4]
金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液11g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム0.01質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ15.3重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液1264gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(R4)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(R4)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R4)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(R4)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(R4)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
[比較例5]
金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−80P、窒素吸着法により測定される比表面積から換算された平均粒子径80nm)2500gに純水を加えて、シリカ濃度15.4重量%に調整した。
このシリカゾル6500gに、14℃にて、アルミン酸ナトリウム[化学式:NaAlO2]の0.9重量%水溶液6238g(シリカゾルのシリカ分100質量部に対して、アルミン酸ナトリウム5.57質量部に相当)を攪拌しながら2時間かけて均等に添加した。そして、90℃に昇温して、3時間熟成した。
得られたアルミナ被覆シリカ微粒子の分散液の固形分(アルミナ被覆シリカ微粒子)の含有量を測定したところ8.3重量%であった。このアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液2330gに純水を加えて、濃度2.7重量%に調製した。
このアルミナ被覆シリカ微粒子の水溶液7163gに、3号水硝子(シリカ濃度24重量%)を30g(アルミナ被覆シリカ微粒子100質量部に対して、シリカ分3.7質量部に相当)添加し、98℃まで昇温した後30分熟成し、シリカ濃度3重量%の珪酸液2166g(前記熟成終了後のアルミナ被覆シリカ微粒子水溶液のシリカ分100質量部に対して、珪酸液のシリカ分が32.4質量部に相当)を10時間かけて撹拌しながら徐々に添加した。添加完了後、98℃にて1時間熟成した。
その後、限外濾過膜(SIP−1013)にて常に液面が一定となるように純水を供給しながら洗浄を水溶液の電導度が一定となるまで行い、その後シリカ濃度が12重量%になるまで濃縮し、次いで、固形分濃度が30重量%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮して金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液を調製した。
得られた金平糖状金属酸化物粒子(R5)について、平均粒子径(DA)、突起の平均高さ(H)、比表面積(SA1)、表面粗度(SA1)/(SA2)を測定し、結果を表に示す。
表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液の調製
実施例1において、金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液を調製した。
撥水性透明被膜付基材(R5)の製造
実施例1において、固形分濃度2重量%の表面処理金平糖状金属酸化物粒子(R5)分散液を用いた以外は同様にして撥水性透明被膜付基材(R5)を製造した。
得られた撥水性透明被膜付基材(R5)について、凹凸構造の平均高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸構造の平均高さ(TFF)、平均凸部間距離(WFF)、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、撥水性、全光線透過率およびヘーズを測定し、結果を表に示す。
Figure 2015110285
Figure 2015110285
Figure 2015110285

Claims (22)

  1. 基材、および該基材表面の撥水性透明被膜からなり、
    前記撥水性透明被膜が、平均粒子径(DA)10〜150nmの範囲の異形金属酸化物粒子を含む金属酸化物粒子層と、該金属酸化物粒子層上のオーバーコート層とからなり、
    撥水性透明被膜表面が凹凸構造を有し、該凸部の平均高さ(TF)が30〜500nmの範囲にあり、平均凸部間距離(ピッチ幅)(WF)が20〜1000nmの範囲にあり、水との接触角が100〜180°の範囲にあることを特徴とする撥水性透明被膜付基材。
  2. 前記平均高さ(TF)と前記平均凸部間距離(WF)との比(TF)/(WF)が0.1〜10の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の撥水性透明被膜付基材。
  3. 前記凹凸構造の凸部の表面がさらに微細凹凸を有し、該微細凸部の平均高さ(TFF)が3〜50nmの範囲にあり、平均微細凸部間距離(WFF)が、前記凸部の平均凸部間距離(WF)よりも小さく、3〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の撥水性透明被膜付基材。
  4. 前記異形金属酸化物粒子が金平糖状金属酸化物粒子(A)および/またはクラスター状金属酸化物粒子(B)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撥水性透明被膜付基材。
  5. 前記金平糖状金属酸化物粒子(A)が、金属酸化物粒子の表面に疣状突起を有する金属酸化物粒子であって、画像解析法により測定された平均粒子径(DA)が10〜150nmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の撥水性透明被膜付基材。
  6. 前記疣状突起の平均高さ(H)と前記金平糖状金属酸化物粒子の平均粒子径(DA)との比(H)/(DA)が0.03〜0.3の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の撥水性透明被膜付基材。
  7. 前記金平糖状金属酸化物粒子(A)の表面粗度(SA1)/(SA2)が1.7〜5.0の範囲にあることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の撥水性透明被膜付基材。
    (但し、(SA1)はBET法により測定される比表面積であり、(SA2)は下記式(1)で表される等価球換算式で計算される比表面積であり、dは金平糖状金属酸化物粒子(A)の密度である。)
    (SA2)=6000/(DA)xd・・・・・・(1)
  8. 前記クラスター状金属酸化物粒子(B)が、平均粒子径(DB1)が10〜150nmの範囲にある金属酸化物粒子一次粒子の集合体粒子(二次粒子)であり、該二次粒子の平均粒子径(DB2)が20〜500nmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の撥水性透明被膜付基材。
  9. 前記異形金属酸化物粒子が、SiO2、ZrO2、CeO2、WO3、TiO2およびこれらの複合酸化物、混合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の撥水性透明被膜付基材。
  10. 前記異形金属酸化物粒子がSiO2であることを特徴とする請求項9に記載の撥水性透明被膜付基材。
  11. 前記オーバーコート層がフッ素含有化合物、アルキル基含有化合物、シリコーン系化合物の少なくとも1種を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の撥水性透明被膜付基材。
  12. 前記オーバーコート層が下記式(2)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含んでなることを特徴とする請求項11に記載の撥水性透明被膜付基材。
    n-SiX4-n (2)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
  13. 前記オーバーコート層が、さらに下記式(3)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物を含むことを特徴とする請求項12に記載の撥水性透明被膜付基材。
    SiX4 (3)
    (但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)
  14. 前記オーバーコート層の形成量が、前記金属酸化物粒子層の金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対しオーバーコート層を固形分としてとして1〜100重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の水処理用撥水性被膜付基材。
  15. 前記基材と前記金属酸化物粒子層との間に接着層(a1)または前記金属酸化物粒子層と前記オーバーコート層との間に接着層(a2)を有することを特徴とする請求項1に記載の撥水性透明被膜付基材。
  16. 前記接着層(a1)および接着層(a2)が、下記式(4)で表される加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物であることを特徴とする請求項15に記載の撥水性透明被膜付基材。
    n-SiX4-n (4)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜1の整数)
  17. 前記異形金属酸化物粒子が下記式(5)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1または4のいずれかに記載の撥水性透明被膜付基材。
    n-SiX4-n (5)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10のフッ素置換または非置換の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
  18. 下記の工程(b)〜(d)からなる、請求項1に記載の撥水性透明被膜付基材の製造方法;
    (b)基材上に、異形金属酸化物粒子分散液を塗布して金属酸化物粒子層を形成する工程
    (c)前記金属酸化物粒子層上に、オーバーコート層形成用塗布液を塗布してオーバーコート層を形成する工程
    (d)加熱処理する工程。
  19. 前記工程(b)の前に、下記の工程(a1)を行うことを特徴とする請求項18に記載の撥水性透明被膜付基材の製造方法;
    (a1)基材表面上に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a1)を形成する工程。
  20. 前記工程(b)の後に、下記の工程(a2)を行うことを特徴とする請求項18に記載の撥水性透明被膜付基材の製造方法;
    (a2)前記金属酸化物粒子層上に接着層形成用塗布液を塗布して接着層(a2)を形成する工程。
  21. 前記異形金属酸化物粒子分散液の濃度が、固形分として濃度が0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項18に記載の撥水性透明被膜付基材の製造方法。
  22. 前記工程(b)にて形成した金属酸化物粒子層中の異形金属酸化物粒子を固形分として100重量部に対して、オーバーコート層形成用塗布液を固形分として、1〜100重量部となるように塗布することを特徴とする請求項18に記載の撥水性透明被膜付基材の製造方法。
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