JP4606254B2 - 修正塗布具 - Google Patents

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Description

本発明は、修正塗布具に関するものである。
従来、消しゴムによっては消去困難な文字(ボールペン等による筆記文字、印刷文字など)を修正する修正塗布具として、ボトルキャップに刷毛を取り付けた刷毛塗りタイプ、並びにボトルの先端に金属チップのペン先を用いた流出塗布タイプ(例えば特許文献1参照)が一般的である。かかる修正塗布具は修正液の塗布により筆記文字等を隠蔽して消去するものであり、修正液としては、油性インク及び水性インクの両方に使用可能なものが汎用されている。この修正液は、主な成分として、二酸化チタン等の隠蔽性を有する白色顔料、及びそれを被塗布面に固着させる樹脂の他、修正液の収容器内で上記顔料や樹脂を分散・溶解し、修正液が塗布された後は揮発して修正液の塗膜を乾燥させる溶剤を含有している。この溶剤としては、修正液塗膜が速やかに乾燥するようにメチルシクロヘキサン(MCH)に代表される比較的低沸点の有機溶剤が用いられている。
特開平8−11478号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたものを始めとする従来の修正塗布具は、低沸点の有機溶剤を修正液に含有しているため、塗布部材(刷毛、ペン先)で有機溶剤が揮発して修正液が乾燥し目詰まりを起こす。この目詰まりにより、ドライアップ現象と呼ばれる塗布不能現象が頻繁に発生する。また、刷毛やペン先部分に乾燥又は半乾燥した修正液が付着した状態で修正塗布具を使用すると、修正液塗膜表面の凹凸が大きくなり、その上に文字等をきれいに筆記するのが困難となる。更に従来の修正塗布具を静置しておくと、収容器内の修正液まで乾燥し、その修正塗布具自体が使用不能になる場合もある。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、修正液塗膜の速やかな乾燥性が十分確保されると共に、修正塗布具における塗布部材での修正液による目詰まりを十分に抑制できる修正塗布具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、まず金属チップのペン先を用いた流出塗布タイプの修正塗布具であって、かつ従来の修正塗布具に用いられている溶媒よりも高沸点の溶媒を修正液組成物に含有した修正塗布具を作製した。この修正塗布具で修正液を塗布したところ、ペン先での修正液の乾燥は抑制されたものの、修正液塗膜の乾燥性が低下する結果となった。そこで、修正液塗膜の乾燥性をも十分なものにすべく更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、白色顔料、固着用樹脂及び沸点が120℃以上300℃未満である高沸点溶媒を含有する修正液組成物と、その修正液組成物を収容する収容器と、繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたペン先を備え、収容器の開口部に取り付けられたペン先ホルダーとを有し、高沸点溶媒の修正液組成物中の含有割合は、修正液組成物の全量に対して0.5質量%以上10質量%未満である修正塗布具を提供する。
従来、修正塗布具に刷毛又は金属チップのペン先を用いた場合、修正液塗膜の凹凸は大きくなる。塗膜厚さの薄い部分は比較的速やかに乾燥するが、塗膜厚さの厚い部分は乾燥し難いため、修正液塗膜全体を見た場合に乾燥ムラが生じる。一方で、修正液塗膜全体が十分な隠蔽性を示すためには塗膜厚さを一定以上のものにする必要があり、塗膜厚さが過剰に厚くなる部分も生じる。その結果、この塗膜厚さが過剰に厚くなる部分において、修正液塗膜の乾燥性が低下することになる。
一方、本発明の修正塗布具によると、修正液組成物が高沸点溶媒を含有することに主に起因して、ペン先での修正液の乾燥が十分に防止される。よって、ペン先における修正液による目詰まりが発生し難くなり、ドライアップ現象が十分に抑制されると共に修正液塗膜の凹凸が小さくなる。また、ペン先が繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたものであることを主要因として、修正液塗膜が十分に平滑になるため、修正液塗膜の厚さが薄くても一定の隠蔽性が確保される。それに加えて、平滑で凹凸の小さな修正液塗膜は乾燥ムラが生じ難い。これらの結果、本発明の修正塗布具は、揮発性の低い高沸点溶媒が修正液に含有されていても、修正液塗膜は十分に速やかに乾燥することができる。
本発明の修正塗布具において、ペン先はその外周面が樹脂を主成分とする被覆部材で覆われてなるものであると好適である。これにより、修正液中の溶媒がペン先の外周面から揮発するのを一層防止できるので、ペン先での修正液の乾燥防止効果が更に向上すると共に、修正液の保存安定性も向上する。
本発明は、白色顔料、固着用樹脂及び高沸点溶媒を含有する修正液組成物を用いる。また、本発明は、繊維集束体に接着剤を含浸して形成され、外周面が樹脂を主成分とする被覆部材で覆われてなる修正塗布具用ペン先を用いる。これら修正液組成物及び修正塗布具用ペン先を組み合わせて用いることにより、修正液塗膜の速やかな乾燥性が十分確保されると共に、修正塗布具における塗布部材での修正液による目詰まりを十分に抑制できる修正塗布具を提供することができる。
本発明において、高沸点溶媒の沸点120℃以上300℃未満であ。かかる高沸点溶媒は、ペン先での修正液の乾燥防止効果及び修正液塗膜の乾燥性を一層高いレベルで達成することができる。また、高沸点溶媒は、水性インク及び油性インクの両方を良好に隠蔽できる観点から、炭化水素であると好ましい。
本発明において、修正液組成物は、乾燥時間が20秒〜60秒であると好ましい。乾燥時間がこの数値範囲内にあると、ペン先での修正液の乾燥防止効果及び修正液塗膜の乾燥性を更に高いレベルで達成することができる。
ここで本発明における修正液組成物の「乾燥時間」は、規格「JIS S6055」における「乾燥性試験」に準じて測定されるものである。すなわち、まず、測定対象となる修正液組成物を、隙間50μmのフィルムアプリケータを用いて上質紙に塗布して修正液塗膜を形成する。次に、規格「JIS S6039」に準拠するボールペンを用いてその修正液塗膜上に筆記する。この際、修正液の塗布からボールペンによる筆記までの時間であって筆記時に塗膜の破れ等の異常がない最短の時間、を修正液組成物の「乾燥時間」とする。
本発明において、ペン先はその先端がナイフカット状に形成されてなるものであると好ましい。このような先端形状を有するペン先を用いると、修正液塗膜が一層平滑性に優れたものとなるため、修正液塗膜が更に速やかに乾燥することになるので、ペン先での修正液の乾燥防止効果及び修正液塗膜の乾燥性を特に高いレベルで達成することができる。また、このような先端形状を有するペン先を用いると、修正液塗膜の塗布幅を容易に調整することができるので、筆記文字等の隠蔽精度を一段と優れたものとすることができる。
本発明は、ペン先の繊維集束体を構成する繊維が10デニール〜25デニールの繊維径を有するものであると好ましい。これにより、本発明に係る修正液組成物がペン先から容易に流出可能となるため、ペン先における目詰まりを更に有効に防止できる。しかも、修正液組成物の流出量は過剰に多くならないので、修正液塗膜の乾燥性が低下することをより抑制することができる。同様の観点から、ペン先の気孔率は60%〜80%であると好ましい。
本発明によれば、修正液塗膜の速やかな乾燥性が十分確保されると共に、修正塗布具における塗布部材での修正液による目詰まりを十分に抑制できる修正塗布具を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の修正塗布具は、白色顔料、固着用樹脂及び高沸点溶媒を含有する修正液組成物と、その修正液組成物を収容する収容器と、繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたペン先を備え、収容器の開口部に取り付けられたペン先ホルダーとを有するものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る修正塗布具を模式的に示した断面図である。この修正塗布具10は、収容器20内に修正液50を収容(充填)し、その収容器20の開口部に、先口120とその内周側に嵌合したペン先140とを備えるペンホルダー100を、先口120にて嵌合してなる。収容器20は、炭化水素系溶媒の揮発を一層有効に防止できるナイロン(登録商標)などのポリアミド、ポリアセタール(ポリオキシメチレン;POM)、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂を主要な構成材料とするもの、あるいは金属製の収容器であると好ましい。
ペン先140は繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたものであるため、修正液50はペン先140内を流通可能である。塗布時には、ペン先140から流出した修正液50が、紙面に筆記された隠蔽消去すべき文字等の上に塗布されて修正液塗膜を形成する。
図2は、本発明に係る修正塗布具用ペン先の好適な実施形態を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。このペン先140は、接着剤を含浸させて集束した繊維集束体142からなり、その外周面先端側が被覆部材144で被覆され、その先端側に、ナイフカット状の筆記先端部146が形成されている。
繊維集束体142は、ポリエステル系等の公知の合成繊維に接着剤を含浸させて軸状に集束することで形成され、毛細管現象によりインクを後端側から先端側に導出するものである。なお、図2では、図1に示した修正塗布具10のペンホルダー100に装着すべく後端側を二段階に縮径している。
繊維集束体142を構成する繊維は、10デニール〜25デニールの繊維径を有するものであると好適である。繊維径が10デニール未満であると、繊維を集束した際に繊維間に生じる空間(気孔)が密になるために修正液がペン先140内を流通し難くなる傾向にある。また繊維径が25デニールを超えると、繊維を集束した際に繊維間に生じる空間(気孔)が疎になるために修正液がペン先140内を過剰に流通する傾向にあり、結果として修正液塗膜の乾燥性が低下する。このような観点から、繊維集束体142を構成する繊維は、15デニール〜25デニールであるとより好ましく、17デニール〜22デニールであると更に好ましい。
また、ペン先140の気孔率は60%〜80%であると好ましい。この気孔率が60%を下回ると、修正液50がペン先140内を流通し難くなるため、所望のとおりに修正液塗膜を形成するのが困難となったり、ペン先140の目詰まりが発生しやすくなったりする傾向にある。一方、この気孔率が80%を超えると、ペン先140自体の機械強度が弱くなり、塗布時の筆圧でペン先を破損する傾向にあり、また修正液50の流出量が過剰に多くなる傾向にある。このような観点から、ペン先140の気孔率は65%〜80%であるとより好ましく、70%〜80%であると更に好ましい。
ここで、ペン先の「気孔率(単位:%)」は、ペン先の見掛け体積とその中に浸透可能な水の体積から算出される。つまり、ペン先の見掛け体積をx、ペン先の中に浸透可能な水の体積をyとすると、気孔率は[(y/x)×100]で表される。
被覆部材144は合成樹脂を主成分とし、繊維集束体142の外周面に一体成形されている。被覆部材に用いられる合成樹脂は特に限定されないが、高沸点溶媒が炭化水素系の溶媒である場合、例えば、炭化水素系溶媒の揮発を一層有効に防止できるナイロン(登録商標)などのポリアミド、ポリアセタール(ポリオキシメチレン;POM)、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタラート等の熱可塑性樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
被覆部材144は、修正液中の溶媒がペン先140の外周面から揮発するのを防止する機能を有しているため、ペン先140での修正液の乾燥による目詰まりを抑制でき、修正液の保存安定性を向上させることも可能となる。
被覆部材144は、ペン先140の外周側から合成樹脂を含浸させて形成してもよく、ペン先140の外周面上に合成樹脂を塗布して形成してもよく、それらの組合せにより形成してもよい。
被覆部材144の厚さは、修正液50中の揮発成分が繊維集束体142の外周面から揮発するのを防止する観点から0.10mm以上であると好ましく、0.15mm以上であるとより好ましい。一方で、被覆部材144が厚くなりすぎると、修正液50がペン先140中を流通し難くなるので、修正液50の流通を過剰に妨げないように被覆部材144の厚さを調整することが好ましい。
筆記先端部146は、被覆部材144を一体成形した繊維集束体142の先端側に、ナイフカット面a1、a2、先端傾斜面b、外周傾斜面c1、c2を順次研削加工することで形成される。尚、この研削加工の順序は、加工効率や加工精度等を考慮して決めればよく、上記に限定されるものではない。
ナイフカット面a1、a2は、先端に向かって漸次狭まる二つの平面であり、一体となった繊維集束体142及び被覆部材144の先端側をナイフカット状に研削することで形成される。また、先端傾斜面bは、ナイフカット面a1、a2の先端側を斜めに研削することで形成された先端面である。
外周傾斜面c1、c2は、先端傾斜面bと被覆部材144の外周面とが交差する箇所を、内部の繊維集束体142ごと、軸心に対して傾斜させて研削することで、繊維集束体142が露出した左右の側面である。
このようなナイフカット面を有するペン先を用いると、より平滑性に優れた修正液塗膜を形成できるため、修正液塗膜が一層速やかに乾燥し、ペン先での修正液の乾燥防止効果及び修正液塗膜の乾燥性を特に高いレベルで達成することができる。また、修正液塗膜の塗布幅を容易に調整することができるので、筆記文字等の隠蔽精度を一段と優れたものとすることができる。
なお、図2に示すペン先140において、外周傾斜面c1、c2は形成されていなくてもよい。その場合、筆記先端部は、被覆部材を一体成形した繊維集束体の先端側に、a1、a2と同様のナイフカット面、bと同様の先端傾斜面を順次研削加工することで形成される。
また、ペン先はナイフカット形状を有していなくてもよく、その場合、ペン先の筆記先端部は凸曲面状の表面形状を有していてもよい。さらにはペン先の外周側に被覆部材が形成されていなくてもよい。
修正液50は、白色顔料、固着用樹脂及び高沸点溶媒を含有する修正液組成物からなる。
白色顔料は従来の修正液で隠蔽剤として用いられているものであれば、特に限定されることなく用いることができる。白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、シリカ粉、ケイ酸アルミニウムが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの白色顔料の中でも、屈折率の大きな無機粉体が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
二酸化チタンは、ルチル型及びアナターゼ型のいずれの結晶構造であってもよく、市販のものとしては、R−780、R−820、CR−50、CR−93(以上石原産業社製、商品名)、R−900、R−931(以上デュポン社製、商品名)、JA−3、JA−5(以上テイカ社製、商品名)、KA−10、KA−20(以上堺化学社製、商品名)等が挙げられる。
白色顔料の修正液組成物中の含有割合は、隠蔽性等の観点から決定されるが、修正液組成物の全量に対して、30質量%〜60質量%であると好ましく、40質量%〜55質量%であるとより好ましい。白色顔料の含有割合が上記下限値を下回ると、十分な隠蔽性を確保し難くなる傾向にあり、上記上限値を超えると、修正液組成物中の固形分が多くなり、修正液組成物が液状(流体)になり難くなる傾向にある。
固着用樹脂は、修正液に通常含有され、被塗布面に対する修正液の密着性を高める樹脂であって、修正液中の溶媒に溶解可能なものであれば、公知の樹脂を特に限定されることなく用いられる。固着用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。また、固着用樹脂は、修正液の経時安定性を高める機能を併有していてもよい。
固着用樹脂の修正液組成物中の含有割合は、修正液組成物の全量に対して、5質量%以上40質量未満であると好ましく、10質量%〜30質量%であるとより好ましい。固着用樹脂の含有割合が上記下限値を下回ると、修正液塗膜が容易にひび割れる傾向にあり、上記上限値を超えると、修正液が増粘して流動性が低下したり、修正液塗膜の乾燥性が著しく低下したりする傾向にある。
高沸点溶媒は、沸点が120℃以上300℃未満であると好ましい。沸点が120℃を下回ると、溶媒の揮発性が高くなるため、本発明の上記効果を有効に発揮し難くなる傾向にある。また沸点が300℃以上の溶媒は、室温で固体になっている傾向にあり、修正液の溶媒として機能し難くなる。また、沸点が300℃以上になると、修正液塗膜が薄くても乾燥に長時間を要する傾向にある。同様の観点から、高沸点溶媒の沸点は、120℃〜250℃であるとより好ましく、130℃〜220℃であると更に好ましい。
また、水性インク及び油性インクの両方を良好に隠蔽できる観点から、高沸点溶媒として炭化水素であると好ましい。
沸点が120℃以上300℃未満の炭化水素としては、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンなどの鎖状飽和炭化水素、エチルシクロヘキサン(ECH)などの脂環炭化水素、p−キシレン、m−キシレン、o−キシレン、メシチレン、o−ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。
これらの中では、臭気が少なく快適に使用できる観点から芳香族炭化水素以外の炭化水素が好適に用いられる。また、本発明の目的をより確実かつ効果的に達成するためには、高沸点溶媒として、オクタン、ECH、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン及びヘプタデカンからなる群より選ばれる1種以上の溶媒が好ましく、ECH、ノナン、デカン、ウンデカン及びドデカンからなる群より選ばれる1種以上の溶媒がより好ましい。
また、本発明の高沸点溶媒は、20℃〜25℃のいずれかの温度における飽和蒸気圧が0.0010kPa〜1.0kPaであることが好ましい。この飽和蒸気圧が0.0010kPaを下回ると、修正液塗膜が薄くても乾燥に長時間を要する傾向にある。また飽和蒸気圧が1.0kPaを超えると溶媒の揮発性が高くなるため、本発明の上記効果を有効に発揮し難くなる傾向にある。
高沸点溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
高沸点溶媒の修正液組成物中の含有割合は、修正液組成物の全量に対して、0.5質量%以上10質量%未満であり、3質量%〜10質量%であると好ましい。高沸点溶媒の含有割合が上記数値範囲を外れると、本発明の主たる目的である修正液塗膜の速やかな乾燥、及びペン先での修正液による目詰まりの抑制を十分に達成するのが困難となる傾向にある。
本発明に係る修正液組成物は、上記各必須成分以外の任意成分として、従来の修正液組成物の成分として用いられている低沸点溶媒;分散剤;金属石けん、粘度鉱物及び合成ゴム等の沈降防止剤;粘性調整剤;重合防止剤;着色顔料等を更に含んでもよい。
低沸点溶媒としては、水性インク及び油性インクのいずれの筆記文字等に対しても滲みなく修正液を良好に塗布できる観点から、非極性溶媒が好ましく、例えば、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環炭化水素、ヘプタン、3−メチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタンなどの鎖状飽和炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化飽和炭化水素等が挙げられる。また、極性溶媒を用いてもよく、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトンなどのケトン系溶媒、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒などが挙げられる。
修正液組成物が高沸点溶媒及び低沸点溶媒を共に含有する場合、修正液組成物中の全溶媒に対する高沸点溶媒の含有割合は、10質量%〜30質量%であると好ましい。高沸点溶媒の含有割合が上記数値範囲を外れると、本発明の主たる目的である修正液塗膜の速やかな乾燥、及びペン先での修正液による目詰まりの抑制を十分に達成するのが困難となる傾向にある。
分散剤としては、例えば界面活性剤を用いることができ、ノニオン系、アニオン系及びカチオン系のいずれの界面活性剤であってもよい。例えば、公知のポリエーテル系界面活性剤、ポリカルボン酸系界面活性剤、長鎖アミン系界面活性剤などが分散剤として使用可能である。
上記各任意成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
本発明の修正液組成物は、乾燥時間が20秒〜60秒であると好ましく、20秒〜50秒であるとより好ましく、25秒〜45秒であると更に好ましい。乾燥時間が上記数値範囲内にあることにより、本発明の修正液組成物は、修正液塗膜の速やかな乾燥、及びペン先での修正液による目詰まりの抑制の両方を特に有効かつ確実の達成することができる。
この乾燥時間は、修正液組成物中の高沸点溶媒及び低沸点溶媒の種類並びにそれらの含有割合に主に依存する。よって、乾燥時間の調整は、それらの溶媒を選択し、かつそれらの溶媒の配合割合を調整することにより行うことができ、上記数値範囲内に収めることができる。しかしながら、修正液組成物の乾燥時間が特定の数値範囲内にあるからといって、必ずしも修正液塗膜の速やかな乾燥及びペン先での修正液による目詰まりの抑制の両方を達成することができるとは限らない。すなわち、乾燥時間を上述の特定数値範囲内に調整し、しかも修正塗布具のペン先を、繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたものにすることによって、初めて修正液塗膜の速やかな乾燥及びペン先での修正液による目詰まりの抑制の両方をより確実かつ有効に達成することができる。
本発明の修正液組成物は、上記各成分を、ビーズミル、アトライター、ボールミル、サンドグラインダーなどの公知の混合分散機で混合・分散することによって調製できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(修正液組成物の調製)
二酸化チタン(石原産業(株)社製、商品名「TIPAQUE R−930」)、メチルシクロヘキサン(MCH)及びアクリル樹脂(ローム&ハース社製、商品名「アクリロイド B−67」)、並びに表1に記載の高沸点溶媒を、表1に示す配合割合(単位:質量部)でボールミルに投入し、室温で4時間混合・分散して実施例1〜6及び比較例1〜4に係る修正液組成物を得た。
Figure 0004606254

(修正塗布具の作製)
得られた修正液組成物を、市販のペイントマーカー(ゼブラ社製、商品名「MOP−200MZ」)と同様の構造を有する修正塗布具の収容器内に充填した。また、その修正塗布具のペン先の繊維集束体は、20デニールのエステル繊維を77%の気孔率となるように調整したものを用いた。ペン先は直径4.5mmであって、その外周部に厚さ0.15mmのPOMを被覆部材として形成したものを用いた。
また、比較例4に係る修正用組成物は、金属チップのペン先を備えた市販の修正塗布具(ゼブラ社製、商品名「ケスティック P−CA200」)の収容器内に収容した。
(乾燥時間の測定)
乾燥時間を上述のようにして測定した。結果を表2に示す。なお、比較例5の修正塗布具は、丸十化成社製の商品名「スラッと修正」である。
Figure 0004606254

(実使用乾燥性の評価)
実施例1〜6及び比較例1〜5の修正塗布具を用いて上質紙に修正液を塗布して修正液塗膜を形成した後、油性ボールペンでその修正液塗膜上に筆記した。修正液の塗布から油性ボールペンによる筆記までの時間であって筆記時に塗膜の破れ等の異常がない最短の時間を、修正塗布具の「実使用乾燥性」として評価した。結果を表2に示す。なお、実使用においては、この実使用乾燥性が60秒以内であれば十分であると考えられる。
(ドライアップの評価)
まず作製したばかり(比較例4については未使用)の修正塗布具を用いて筆記用紙に手書きで塗布して、修正液塗布膜を観察した(これを「初期塗布膜」という。)。次に修正塗布具のキャップを外した状態で20℃、相対湿度60%の恒温恒湿機内に横置きで静置し、一定時間毎に筆記用紙に手書きで塗布し、初期塗布膜の状態と比較し、明らかに塗布膜がかすれた状態になった時の静置時間を「ドライアップ」の時間とした。結果を表2に示す。
(修正液塗膜の状態観察)
実施例1及び比較例4の修正塗布具について、修正液塗膜の写真を撮影した。実施例1に係る修正液塗膜の写真を図3、比較例4に係る修正液塗膜の光学写真を図4にそれぞれ示す。これらの写真から明らかなように、本発明に係る修正塗布具による修正液塗膜は、金属チップのペン先を備えるものと比較して、平滑性(塗膜厚さの均一性)に極めて優れているといえる。
本発明の修正塗布具の模式断面図である。 本発明に係るペン先の模式図である。 実施例に係る修正液塗膜の光学写真である。 比較例に係る修正液塗膜の光学写真である。
符号の説明
10…修正塗布具、20…収容器、50…修正液、100…ペン先ホルダー、120…先口、140…ペン先、142…繊維集束体、144…被覆部材、146…筆記先端部。

Claims (8)

  1. 白色顔料、固着用樹脂及び沸点が120℃以上300℃未満である高沸点溶媒を含有する修正液組成物と、
    その修正液組成物を収容する収容器と、
    繊維集束体に接着剤を含浸して形成されたペン先を備え、前記収容器の開口部に取り付けられたペン先ホルダーと、を有し、
    前記高沸点溶媒の前記修正液組成物中の含有割合は、前記修正液組成物の全量に対して0.5質量%以上10質量%未満である修正塗布具。
  2. 前記高沸点溶媒は炭化水素である、請求項1に記載の修正塗布具。
  3. 前記高沸点溶媒は、エチルシクロヘキサン、ノナン、デカン、ウンデカン及びドデカンからなる群より選ばれる1種以上の溶媒である、請求項1又は2に記載の修正塗布具。
  4. 前記修正液組成物は、乾燥時間が20秒〜60秒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の修正塗布具。
  5. 前記ペン先は、その外周面が樹脂を主成分とする被覆部材で覆われてなるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の修正塗布具。
  6. 前記ペン先は、その先端がナイフカット状に形成されてなるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の修正塗布具。
  7. 前記繊維集束体を構成する繊維は10デニール〜25デニールの繊維径を有するものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の修正塗布具。
  8. 前記ペン先の気孔率は60%〜80%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の修正塗布具。
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