JP2002241673A - 修正液及びこれを用いた修正具 - Google Patents
修正液及びこれを用いた修正具Info
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Abstract
紙及び感圧記録紙に使用可能な修正液を提供する。 【解決手段】 隠蔽材、有機溶剤及び非水エマルショ
ン、好ましくはアクリル系樹脂を主成分とする非水エマ
ルジョンを含んでなる修正液とその修正液をインキ収納
部に収納した修正具。
Description
れ、PPCコピー、感熱記録紙及び感圧記録紙に使用可
能な修正液及びその修正液を備えた修正具に関する。
られているが、隠蔽材、造膜樹脂としての樹脂及びその
樹脂を溶解させる有機溶剤を含んでなるものである。現
在、修正液の種類として、水性インキの筆跡等や油性イ
ンキの筆跡等の修正に用いることが可能である両用修正
液があるが、多くの両用修正液にはメチルシクロヘキサ
ンが樹脂溶解性、乾燥性等に優れているために主溶剤と
して使用されている。
ヘキサンを主溶剤として用いた修正液は、滲み等の問題
があり、特にペンタイプの修正具に用いた場合にはPP
Cコピーされた紙を修正する際においてペン先で修正液
をこすりつけるためにトナーが溶け出して黒ずむという
欠点があり、また、感熱記録紙、感圧記録紙を修正する
場合においても黒ずむという欠点があった。
及び特開平4−85372において、主溶剤に脂肪族炭
化水素系溶剤を用い、樹脂に飽和エラストマーを使用す
る修正液が提案されている。しかし、これらは、脂肪族
炭化水素系溶剤の使用により黒ずみの問題が解決され、
飽和エラストマーの使用により分散安定性、塗膜平滑性
に優れるものの、塗膜の密着性については十分ではな
く、問題が残されているために実用に至ってない。
ーの修正に使用可能な修正液はいまだ存在しなかった。
した結果、非水エマルション樹脂を造膜樹脂に用いるこ
とにより、メチルシクロヘキサンを主溶剤として用いる
ことなしに樹脂凝集を防ぐと共に良好な乾燥性を確保
し、上記問題を解決することを見出し、本発明に至った
ものである。
ルションは、造膜樹脂として用いられるものであり、有
機溶剤中で樹脂粒子を形成するものであって、常温で造
膜性を有するものであればよい。前記非水エマルション
の樹脂成分としては、液層である有機溶媒に分散される
ものであれば特に限定されるものではないが、塗膜密着
性のためアクリル系樹脂が好ましい。
酸エステル重合体の他、アクリル−ウレタン共重合樹
脂、アクリル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル−スチ
レン共重合樹脂等のように、モノマー成分の一部に(メ
タ)アクリル酸エステルが使用された樹脂をいうもので
ある。
分散媒体としては特に限定されるものではないが、脂肪
族系炭化水素を主とする溶媒が用いられることがPPC
コピー等の下地を溶かしにくいために好ましい。また、
造膜樹脂としての成分を樹脂分散粒子として安定に分散
するために、n−ブチル(メタ)アクリレート等の長鎖
ビニル単量体に必要に応じて他の重合性単量体を共重合
してなる溶解ポリマーを液相中に含むものであることが
好ましい。
樹脂分散粒子は、沈降法による平均粒子径が0.1〜
2.0μmであることが好ましく、平均粒子径が0.1
μmより小さい場合にはレベリング性の低下や高粘度化
が生じやすく、平均粒子径が2.0μmより大きい場合
には貯蔵中に粒子の沈降が生じやすいために好ましくな
い。また、前記非水エマルションは、造膜樹脂成分が粒
子状となっているためにインキ粘度を高くすることなく
溶液型樹脂に比べて高分子量の樹脂を用いることができ
るので、塗膜柔軟性を向上させ、なお且つ他の塗膜物性
を維持乃至向上することが可能である。
エマルション中に固形分として40〜70重量%含まれ
ることが好ましく、40重量%より小さい場合には配合
上隠蔽材濃度を高めることが難しく、60重量%より大
きい場合には高粘度であるため製造性が低下するので好
ましくない。また、前記非水エマルションは、修正液中
に固形分として4〜42重量%配合されていることが好
ましく、8〜30重量%の範囲で配合されていることが
より好ましい。修正液中での前記非水エマルションの配
合量が、固形分として4重量%より小さい場合には塗布
面への定着性及び密着性が低下するので好ましくなく、
固形分として42重量%より大きい場合にはインキ粘度
が高くなり塗布することが容易でないため好ましくなく
ない。
は、アクリディックYL−431(アクリル系樹脂、固
形分50%)、TL−696(アクリル系樹脂、固形分
約50%)、A−1300(アクリル系樹脂、固形分6
0%)、A−1370(アクリル系樹脂、固形分53
%)(以上、大日本インキ社製)、ニッセツU−431
5B(アクリル−酢酸ビニル共重合樹脂、固形分50〜
52%)、U−3700A(アクリル−スチレン共重合
樹脂、固形分47〜49%)(以上、日本カーバイド工
業社製)が例示的に挙げられる。
特に限定されるものではないが、非水エマルションの樹
脂粒子を破壊しない溶剤であることが好ましく、特に修
正液としての性能を考慮した場合、PPCコピーのトナ
ーを溶かさないためには脂肪族炭化水素系溶媒が好まし
い。また、乾燥性を考慮し、沸点が230℃以下である
ことが好ましく、150℃以下であることがより好まし
い。
的には、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブ
タン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−
ヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、2,3−ジメチ
ルペンタン、3−メチルヘキサン、n−ヘプタン、2,
2,4−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチル
ペンタン、n−オクタン、2,2,5−トリメチルヘキ
サン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン及びn
−ドデカンからなる群から1種以上選ばれた溶剤が好ま
しく、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
2,4−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタ
ン、3−メチルヘキサン、2,2,5−トリメチルヘキ
サン、2,3,4−トリメチルペンタン及び2,2,4
−トリメチルペンタンからなる群より1種以上選ばれた
溶剤であることがより好ましい。
に応じて適宜調整することが可能であり、修正液中に2
0〜70重量%の割合で配合されることが好ましく、3
0〜60重量%であることがより好ましい。有機溶剤の
配合量が70重量%より多い場合には修正液中の顔料濃
度が低くなるために隠蔽性が低下するので好ましくな
く、有機溶剤の配合量が20重量%より少ない場合には
インキ粘度が高くなるために塗布できないので好ましく
ない。
溶剤組成は、修正液に直接配合される有機溶剤及び非水
エマルションの分散媒体としての有機溶剤により構成さ
れるが、修正液全体としてPPCコピー等に適用された
場合において黒ずみを生じないものであれば良く、修正
液中にメチルシクロヘキサノンを全く排除するものでは
ない。
の修正液が膜形成した後に筆跡などを隠蔽することので
きる高隠蔽性顔料であればよい。顔料の種類としてルチ
ル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸化亜鉛に
代表される無機顔料、アルキレンビスメラミンに代表さ
れる有機白色顔料を用いることができるが、単独でも2
種以上適宜混合して使用しても良い。前記隠蔽材は、高
隠蔽顔料として、特に、ルチル型顔料を用いることが隠
蔽性が高いために好ましい。ルチル型酸化チタンとして
は、市販のものとして、タイペークR−930、タイペ
ークR−550、タイペークR−670、タイペークR
−830(以上、石原産業社製)、クロノスKR−38
0、KR−270、KR−460(以上、チタン工業社
製)が挙げられる。
%の割合で配合されることが好ましく、30〜60重量
%の割合で配合されることがより好ましい。前記隠蔽材
の配合量が70重量%より多い場合にはインキ粘度が高
くなり塗布することが困難となり、20重量%より少な
い場合には顔料の濃度が低くなるため隠蔽性が得られな
いために好ましくない。
や炭酸カルシウムなどの体質顔料、隠蔽材を分散させる
ため各種分散用樹脂又は分散剤(界面活性剤)、その他
の添加剤を添加することができる。
めす、いわゆるゲル状であっても良い。この場合、前記
修正液はゲル化剤を含有し、前記ゲル化剤としてベント
ナイト、シリカなど分散型のゲル化剤や溶液中で分子間
の会合により網目構造を形成する高分子のゲル化剤など
の公知であるゲル化剤を使用することができるが、前記
修正液のインキ粘度は、剪断速度が0.1(1/s)の
とき700mPa・s以上であり、剪断速度が100
(1/s)のとき500mPa・s以下であることが好
ましい。前記修正液が油性ゲルであることにより、静置
時における静的状態においてはゲル化剤等の三次元構造
により隠蔽材の分散状態が安定化し、筆記時における動
的状態においてはインキに剪断力が加わることにより三
次元構造が破壊されて低粘度化して流動しレベリング性
や筆記性を発揮することができるという利点があるため
である。
修正具は、上記の本発明の修正液が修正具における収容
部に収容されてあるものであれば特に限定されるもので
なく、修正液が刷毛塗り型修正ボトルに収められている
ものであっても良く、ペン型であって良い。前記修正具
がペン型である場合には、ペン先のインキ流出部にボー
ル、ローラー、棒状体の少なくともいずれかを保持して
なる修正ペンであっても良く、インキ収容部内に撹拌子
を内蔵するものであっても良いが、本発明の修正液がゲ
ル状である場合にはペン先がボールであることが修正液
の塗布に有利であるために好ましい。
例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。なお、本発明において「部」とはいずれも
「重量部」を示している。
ル樹脂、日本カーバイド社製)5部、酸化チタン(商品
名:タイペークR−930、石原産業社製)50部及び
有機溶剤(商品名:マルカゾール8、イソパラフィン、
大日本インキ化学社製)30部を公知の分散機を用いて
分散処理を行い、さらに非水エマルション(商品名:ニ
ッセツU−4315B、アクリル系樹脂、日本カーバイ
ド社製)15部を添加して公知の撹拌機により十分に撹
拌して、実施例1の修正液を得た。
リル樹脂、大日本インキ化学社製)4部、酸化チタン
(商品名:クロノスKR−380、チタン工業社製)5
0部及び有機溶剤(商品名:マルカゾール8、イソパラ
フィン、大日本インキ化学社製)30部を公知の分散機
を用いて分散処理を行い、さらに非水エマルション(商
品名:アクリディックYL−431、アクリル−酢酸ビ
ニル樹脂、大日本インキ化学社製)10部を添加して公
知の撹拌機により十分に撹拌して、実施例2の修正液を
得た。
アクリル樹脂、固形分100%、三菱レイヨン社製)7
部、酸化チタン(商品名:クロノスKR−380、チタ
ン工業社製)50部及びメチルシクロヘキサノン43部
を公知の分散機を用いて分散処理を行い、比較例1の修
正液を得た。
−1652、固形分100%、シェルジャパン社製)を
用いた以外は比較例1と同様にして製造し、比較例2の
修正液を得た。
1及び2の修正液を乾燥性、再分散性、塗膜柔軟性、レ
ベリング性、塗膜密着性、再筆記性及び対PPCコピー
性について評価した。各評価項目の試験方及び評価基準
は下記のとおりである。
例及び各比較例の油性インキを、先端が1.0mm径の
ボールを保持したペン先を有する公知の修正ペンのイン
キ収容管内に入れ、普通紙において実際に筆記して、そ
れぞれ官能評価した。 〔評価基準〕 ○:指触乾燥時間が30秒以内で良好であった。 △:指触乾燥時間が30秒より遅く、1分以内であっ
た。 ×:指触乾燥時間が1分より遅く不良であった。
内に公知の攪拌子及び各修正液8mlをそれぞれ入れ、
50℃で1ヶ月間放置しその後下記の基準に従って再分
散試験を行い評価した。 〔評価基準〕 ○:1〜10回容器を振ることにより、撹拌子が動き再
分散できる。 △:11〜15回容器を振ることにより、撹拌子が動き
再分散できる。 ×:16以上回容器を振ることにより、撹拌子が動き再
分散できる。
ケーターを用いて、普通紙(PPC用)に各修正液を塗
布した。塗膜乾燥後に、塗布部を内側にして筆記用紙を
2つ折りにし、その折り目と直角方向に更に折り曲げ
て、塗膜が剥離するか否かにより評価した。 〔評価基準〕 ○ :塗膜の剥離が無かった。 △ :折り目部分の一部に塗膜の剥離が有った。 × :折り目部分のほぼ全部に塗膜の剥離が有った。
び塗膜の乾燥性の評価は、各実施例及び各比較例の油性
インキを、先端が1.0mm径のボールを保持したペン
先を有する公知の修正ペンのインキ収容管内に入れ、普
通紙において実際に筆記して、その塗膜上に再筆記した
時の状態をそれぞれ官能評価した。 〔評価基準〕 ○:引っかかり無く、スムーズに筆記できた。 △:引っかかりがあるが筆記できた。 ×:引っかかりがあり、筆記できなかった。
ケーターにより各修正液を普通紙(PPC用)に塗布
し、乾燥後セロテープ(登録商標)剥離を行った。 〔評価基準〕 ○:テープ側に塗膜が全く移行しなかった。 △:テープ側に塗膜がやや移行した。 ×:テープ側に塗膜が移行した。
が書かれた普通紙に各修正液が収容されたそれぞれの修
正具を用いて完全に隠蔽したものに、市販の黒色ボール
ペンを用いて300gの筆記荷重で直線を筆記して筆跡
を観察した。 〔評価基準〕 ○:良好な筆記跡が得られた。 △:部分的に筆記跡が薄くなった。 ×:筆記跡が得られなかった。
ン型修正具の内部に備えられたインキ収容管に収容した
修正具を用いて、PPCコピーされた原稿を修正し、目
視で評価した。 〔評価基準〕 ○:正常に修正が可能であった。 △:僅かに黒ずみが生じた。 ×:変色又は色の滲みが認められた。
び2について、各種評価項目の結果を表1に示す。本発
明の修正液である実施例1及び2は、各評価項目につい
て良好であったのに対し、比較例1の修正液は対PPC
コピー性が不良であり、また比較例2の修正液は対PP
Cコピー性及び塗膜密着性が不良であった。
り、塗膜密着性に優れ、PPCコピー、感熱記録紙及び
感圧記録紙の修正を容易に行うことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 隠蔽材、有機溶剤及び非水エマルション
を含んでなることを特徴とする修正液。 - 【請求項2】 前記非水エマルションが樹脂成分として
アクリル系樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項
1に記載の修正液。 - 【請求項3】 前記有機溶媒が脂肪族炭化水素であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の修正液。 - 【請求項4】 隠蔽材、有機溶剤及び非水エマルション
を含む修正液をインキ収容部に収容していることを特徴
とする修正具。
Priority Applications (1)
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2001
- 2001-02-19 JP JP2001042169A patent/JP4870267B2/ja not_active Expired - Fee Related
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