JPH05117560A - 修正液 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ハケ式修正液においては、容器の
開口部に付着する修正液の溶剤揮散による固化物を少な
くなるようにし、又、ペン式修正液においては、ペン先
周辺部に付着する修正液の固化物が少なくなるように改
良した修正液を提供する。 【構成】 白色顔料と；有機溶剤と；有機溶剤に可溶な
樹脂と；流動パラフィン、スクワランから選ばれた１種
類もしくは２種類の混合物とからなる修正液。 【効果】 本発明の修正液によれば、ハケ式修正液容器
の開口部に付着する修正液の溶剤拡散による固化物が減
少し、又ペン式修正液においては、ペン先周辺部に付着
する修正液の固化物が減少するという効果が奏せられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハケ式修正液並びにペ
ン式修正液に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ハケ式修正液容器を使用する場
合、修正液容器の開口部で、ハケのインク量を調節する
ために、ハケに含まれる修正液を開口部に付着させ、付
着した修正液が固化するために、使用しにくいという、
いわゆる口付着の問題を有している。又、ペン式修正液
を使用する場合、ペン先周辺部に修正液が固化したもの
が付着し、ペン先の動きが円滑でなくなったり、修正に
際し、固化物が脱落して修正面を平滑でなくする等の欠
点を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハケ式修正
液においては、容器の開口部に付着する修正液の溶剤揮
散による固化物を少なくなるようにし、又、ペン式修正
液においては、ペン先周辺部に付着する修正液の固化物
が少なくなるように改良した修正液を提供することを課
題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述せる
課題を解決すべく、修正液について鋭意研究した結果、
遂に本発明を完成したものであって、本発明は、白色顔
料と；有機溶剤と；有機溶剤に可溶な樹脂と；流動パラ
フィン、スクワランから選ばれた１種類もしくは２種類
の混合物とからなる修正液を要旨とするものである。

【０００５】本発明において、流動パラフィン、スクワ
ランを添加することによって、修正液の固化物の付着が
少なくなる理由は定かでないが、これらの添加物によっ
て樹脂が可塑化され、固化物が溶剤によって再度軟化さ
れるのを助ける作用があるものと推察される。流動パラ
フィン並びにスクワランは、通常、樹脂の可塑剤として
使用されることはないが、修正液に用いられる樹脂、特
に修正液用に調整されたアクリル樹脂には優れた可塑化
効果が認められ、又一般的な可塑剤のように印字を溶解
しない利点があることを確かめ、本発明を完成させるに
到ったものである。

【０００６】以下、本発明の修正液の組成について説明
する。白色顔料は、誤筆記やタイプミスなどの修正の
際、印字部分を隠蔽するために使用するものであって、
主として、ルチル型、アナターゼ型などの各種の酸化チ
タンが使用でき、市販のものとしては、タイトーンＳＲ
−１、同Ｒ−６５０、同Ｒ−３Ｌ、同Ｒ−３１０、同Ａ
−１１０、同Ａ−１５０、同Ｒ−５Ｎ（以上、堺化学工
業（株）製）、タイペークＲ−５８０、同Ｒ−５５０、
同Ｒ−９３０、同Ａ−１００、同Ａ−２２０（以上、石
原産業（株）製）、クロノスＫＲ−３１０、同ＫＲ−３
８０、同ＫＲ−４８０、同ＫＡ−１０、同ＫＡ−２０、
同ＫＡ−３０（以上、チタン工業（株）製）などが挙げ
られ、他の成分などを考慮すると、その使用量は修正液
全量に対して３０〜５５重量％が好ましい。

【０００７】有機溶剤は、樹脂の溶解、粘度調整などに
使用されるもので、トルエン、キシレン、ｎ−ヘプタ
ン、ｎ−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの炭化水素系、１、１、１−トリクロルエタ
ン、テトラクロルエチレンなどのハロゲン炭化水素系が
ある。尚、ｎ−ヘプタン、ｎ−オクタンなどのパラフィ
ン系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
などのナフテン系炭化水素を有機溶剤として使用すれ
ば、水性インクの修正は言うに及ばず、油性インクの筆
跡も修正することができるものである。但し、修正した
個所の塗膜の乾燥時間を考慮すれば、沸点が７０〜１５
０℃のものが好ましく、１種類もしくは２種類以上を混
合して使用可能であり、その使用量は修正液全量に対し
て３０〜６０重量％が好ましい。

【０００８】有機溶剤に可溶な樹脂は、顔料分散などに
使用されるものであり、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ポリエステル樹脂などがあり、１種類も
しくは２種類以上を混合して使用することも可能であ
り、その使用量は修正液全量に対して５〜２０重量％が
好ましい。次に、本発明の骨子である流動パラフィン、
スクワランについて述べる。

【０００９】〔流動パラフィン〕流動パラフィンは、石
油原油を分別蒸留して２５０〜３００℃の留分を精製し
たもので、その組成は産地によって種々異なる。市販さ
れているものとしては、ハイコールＫ−１４０、同Ｋ−
１６０、同Ｋ−２３０、同Ｋ−２５０、同Ｋ−２８０、
同Ｋ−３００、同Ｋ−３５０、同Ｐ−１７０（カネダ
（株）製）など蒸留温度によって区別される。

【００１０】〔スクワラン〕スクワランは、式（Ｉ）に
示す化学構造を有し、流動パラフィンと同様の効果を有
する。

【００１１】

【化１】

【００１２】

【実施例】次に、実施例と比較例を示し、本発明を説明
する。但し、実施例、比較例中単に「部」とあるのは
「重量部」を示す。 実施例１ タイペークＲ−５８０（石原産業（株）製） ２００部 アクリベースＬＭ−４０３（樹脂分）（藤倉化成（株）製） ４０部 ハイコールＫ−２８０（カネダ（株）流動パラフィン） ８部 トルエン ９０部 メチルシクロヘキサン ８０部 エチルシクロヘキサン ２０部 上記各成分をアトライターにて４時間分散処理して修正
液を得た。

【００１３】実施例２ タイペークＲ−５８０ ２００部 アクリベースＬＭ−４０３（樹脂分） ４０部 スクワラン ８部 トルエン ９０部 メチルシクロヘキサン ９０部 エチルシクロヘキサン ２０部 上記各成分を実施例１と同様の方法で修正液を得た。

【００１４】実施例３ タイペークＲ−５８０ ２００部 アクリベースＬＭ−４０３（樹脂分） ４０部 ハイコールＫ−１４０ １６部 トルエン １００部 メチルシクロヘキサン １００部 上記各成分を実施例１と同様の方法で修正液を得た。

【００１５】比較例１ 実施例３のハイコールＫ−１４０を除き、実施例１と同
様の方法で修正液を得た。実施例１〜３、比較例１の修
正液の口付着性、先端付着性、乾燥性、隠蔽率の試験を
行い、その結果を表１に示す。

【００１６】

【表１】

【００１７】※１．２ 口付着性、先端付着性試験は、
１ケ月の使用テストを行い、目視で口付着性、先端付着
性の有無を調べた。口付着、先端付着のないものを○、
あるもの×とした。 ※３ 乾燥性試験は、温度２０±５℃、相対湿度６
５±１０％で、ＪＩＳＰ３２０１に規定する坪量８０ｇ
／ｍ² 以上の用紙に、修正液を幅６ｍｍ、すきま５０μ
ｍのフィルムアプリケータ等を用いて塗布し、ＪＩＳＳ
６０１５に規定するボールペン（ＺＥＢＲＡ ニューク
リスタル）を用いて通常に筆記し、塗膜の破れなかった
時間を測定した。 ※４ 隠蔽率試験は、ＪＩＳ Ｋ ５４００の６．
３（２）に規定する隠蔽率試験紙を平らなガラス板の上
に固定する。その上に修正液をすきま５０μｍのフィル
ムアプリケータ等を用いて塗布し、水平にして十分乾燥
させたものを試験片とする。次に、試験紙の白地と黒地
の塗膜の４５度０度拡散反射率を、ＪＩＳＫ ５４００
の６．６（２）に規定する反射率測定装置を用い、光源
からの入射角を４５度、反射角を０度としてそれぞれ測
定する。試験片の周囲を黒い布で覆って光源以外からの
光が入らないようにし、試験片の任意の３か所について
測定し、その平均値を用い、次式によって隠蔽率を算出
した。

【００１８】

【数１】

【００１９】

【発明の効果】本発明の修正液によれば、ハケ式修正液
容器の開口部に付着する修正液の溶剤拡散による固化物
が減少し、又ペン式修正液においては、ペン先周辺部に
付着する修正液の固化物が減少するという効果が奏せら
れる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 白色顔料と；有機溶剤と；有機溶剤に可
   溶な樹脂と；流動パラフィン、スクワランから選ばれた
   １種類もしくは２種類の混合物とからなる修正液。