JP2893411B2 - 修正液 - Google Patents
修正液Info
- Publication number
- JP2893411B2 JP2893411B2 JP30978889A JP30978889A JP2893411B2 JP 2893411 B2 JP2893411 B2 JP 2893411B2 JP 30978889 A JP30978889 A JP 30978889A JP 30978889 A JP30978889 A JP 30978889A JP 2893411 B2 JP2893411 B2 JP 2893411B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acrylic resin
- correction
- carbon atoms
- general formula
- parts
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、万年筆、水性サインペンなどの水性インキ
による筆跡、油性ボールペン、油性マーカーなどの油性
インキによる筆跡、タイプライター、ワープロによる印
字、乾式複写機による複写像などを隠蔽修正するための
修正液に関する。
による筆跡、油性ボールペン、油性マーカーなどの油性
インキによる筆跡、タイプライター、ワープロによる印
字、乾式複写機による複写像などを隠蔽修正するための
修正液に関する。
(従来の技術) 従来、万年筆、水性サインペンなどの水性インキによ
る筆跡、油性ボールペン、油性マーカーなどの油性イン
キによる筆跡、タイプライター、ワープロによる印字、
乾式複写機による複写像などを隠蔽修正するための修正
液としては、水性及び油性の筆跡、文字、複写像などを
溶解し難いナフテン系炭化水素を溶剤とし、アクリル系
樹脂をバインダーとしたものが知られている(例えば、
特開昭63−142075号公報)。アクリル系樹脂をバインダ
ーとして用いた場合、樹脂溶液の粘度が高く、従って修
正液の塗布性例えばレベリング性を良好にするにはアク
リル系樹脂の修正液中に占める比率を低く抑え、修正液
の低粘度化を図らなければならなかった。
る筆跡、油性ボールペン、油性マーカーなどの油性イン
キによる筆跡、タイプライター、ワープロによる印字、
乾式複写機による複写像などを隠蔽修正するための修正
液としては、水性及び油性の筆跡、文字、複写像などを
溶解し難いナフテン系炭化水素を溶剤とし、アクリル系
樹脂をバインダーとしたものが知られている(例えば、
特開昭63−142075号公報)。アクリル系樹脂をバインダ
ーとして用いた場合、樹脂溶液の粘度が高く、従って修
正液の塗布性例えばレベリング性を良好にするにはアク
リル系樹脂の修正液中に占める比率を低く抑え、修正液
の低粘度化を図らなければならなかった。
しかしながら、修正液の粘度を下げるためにアクリル
系樹脂の比率を低く抑えたものは、接着成分でもあるア
クリル系樹脂の比率低下により却って用紙への密着性が
低下し、修正箇所から折曲げたりすると折り目に沿って
塗膜にクラックが発生し、塗膜が剥離を起こすという問
題が生じる。
系樹脂の比率を低く抑えたものは、接着成分でもあるア
クリル系樹脂の比率低下により却って用紙への密着性が
低下し、修正箇所から折曲げたりすると折り目に沿って
塗膜にクラックが発生し、塗膜が剥離を起こすという問
題が生じる。
この問題を解決するために可塑剤を添加したものも提
案されている(例えば、特開昭61−275369号公報)。
案されている(例えば、特開昭61−275369号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、可塑剤を添加した修正液は、その可塑
剤が疎水性を示すため、修正した箇所に水性インキによ
り再筆記した場合、水性インキがはじかれてしまい、再
筆記した筆跡が不明瞭となってしまうという問題を有し
ている。
剤が疎水性を示すため、修正した箇所に水性インキによ
り再筆記した場合、水性インキがはじかれてしまい、再
筆記した筆跡が不明瞭となってしまうという問題を有し
ている。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者等は、ナフテン系炭化水素溶剤に溶
解し、低粘性であり、顔料の分散(安定)性にも優れ、
可塑剤を使用しなくとも柔軟性を有し、且つ、密着性の
良い修正塗膜が得られるアクリル系樹脂について種々検
討した結果、遂に本発明を完成したものである。
解し、低粘性であり、顔料の分散(安定)性にも優れ、
可塑剤を使用しなくとも柔軟性を有し、且つ、密着性の
良い修正塗膜が得られるアクリル系樹脂について種々検
討した結果、遂に本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、顔料の全部又は少なくとも主成分で
ある酸化チタンと、ナフテン系炭化水素溶剤を少なくと
も含有する有機溶剤と、下記一般式(I)で示されるメ
タクリル酸エステルと下記一般式(II)で示されるカチ
オン性モノマーとから少なくともなり重量平均分子量が
10,000〜200,000で、且つガラス転移温度が−20〜50℃
のアクリル系樹脂とから少なくともなる修正液を要旨と
するものである。
ある酸化チタンと、ナフテン系炭化水素溶剤を少なくと
も含有する有機溶剤と、下記一般式(I)で示されるメ
タクリル酸エステルと下記一般式(II)で示されるカチ
オン性モノマーとから少なくともなり重量平均分子量が
10,000〜200,000で、且つガラス転移温度が−20〜50℃
のアクリル系樹脂とから少なくともなる修正液を要旨と
するものである。
(R1:炭素数3〜18の直鎖若しくは分岐を有するアルキ
ル基、あるいは、ナフテン環、芳香環を含む炭化水素を
示す。) (R2:H又はCH3、R3,R4:それぞれ独立に炭素数3〜4の
アルキル基又はシクロヘキシル基、A:炭素数1〜4のア
ルキレン基を示す。) 以下、本発明の組成について説明する。
ル基、あるいは、ナフテン環、芳香環を含む炭化水素を
示す。) (R2:H又はCH3、R3,R4:それぞれ独立に炭素数3〜4の
アルキル基又はシクロヘキシル基、A:炭素数1〜4のア
ルキレン基を示す。) 以下、本発明の組成について説明する。
顔料は、筆跡、印字、複写像を隠蔽するために使用す
るものであって、その全部又は少なくとも主成分が酸化
チタンであることが必要であるか、酸化チタンとして
は、ルチル型、アナターゼ型何れの酸化チタンも使用で
き、市販のものとしてはタイトーンSR−1、同R−65
0、同R−3L、同A−110、同A−150、同R−5N(以
上、堺化学工業(株)製)、タイペークR−580、同R
−550、同R−930、同A−100、同A−220、同CR−58
(以上、石原産業(株)製)、クロノスKR−310、同KR
−380、同KR−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30(以
上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同R
−931(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)
などが挙げられ、その使用量は顔料容積濃度(P.V.C)
として50%以上が好ましい。
るものであって、その全部又は少なくとも主成分が酸化
チタンであることが必要であるか、酸化チタンとして
は、ルチル型、アナターゼ型何れの酸化チタンも使用で
き、市販のものとしてはタイトーンSR−1、同R−65
0、同R−3L、同A−110、同A−150、同R−5N(以
上、堺化学工業(株)製)、タイペークR−580、同R
−550、同R−930、同A−100、同A−220、同CR−58
(以上、石原産業(株)製)、クロノスKR−310、同KR
−380、同KR−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30(以
上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同R
−931(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)
などが挙げられ、その使用量は顔料容積濃度(P.V.C)
として50%以上が好ましい。
有機溶剤は、樹脂の溶解、粘度調整などに使用するも
のであり、水性及び油性の筆跡、文字、複写像などを溶
解し難いナフテン系炭化水素溶剤を必須成分として使用
するが、修正塗膜の乾燥性を考慮すれば、沸点が70〜15
0℃の範囲にあるシクロヘキサン、メチルシクロヘキセ
ン、エチルシクロヘキサンが好ましく使用される。尚、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどのパラ
フィン系炭化水素、1,1,1−トリクロルエタン、テトラ
クロルエチレンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン、
キシレンなどの芳香族系炭化水素、1,4−ジオキサン、
n−ブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、エチルメチ
ルケトン、メチル−n−プロピルケトンなどのケトン系
溶剤、ギ酸プロピル、酢酸エチルなどのエステル系溶
剤、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤がナフテ
ン系炭化水素溶剤と混合して使用できる。
のであり、水性及び油性の筆跡、文字、複写像などを溶
解し難いナフテン系炭化水素溶剤を必須成分として使用
するが、修正塗膜の乾燥性を考慮すれば、沸点が70〜15
0℃の範囲にあるシクロヘキサン、メチルシクロヘキセ
ン、エチルシクロヘキサンが好ましく使用される。尚、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどのパラ
フィン系炭化水素、1,1,1−トリクロルエタン、テトラ
クロルエチレンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン、
キシレンなどの芳香族系炭化水素、1,4−ジオキサン、
n−ブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、エチルメチ
ルケトン、メチル−n−プロピルケトンなどのケトン系
溶剤、ギ酸プロピル、酢酸エチルなどのエステル系溶
剤、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤がナフテ
ン系炭化水素溶剤と混合して使用できる。
本発明において特に重要なアクリル系樹脂は、前記ナ
フテン系炭化水素溶剤を必須成分とする有機溶剤に溶解
し、酸化チタンとの濡れも良好なものである。
フテン系炭化水素溶剤を必須成分とする有機溶剤に溶解
し、酸化チタンとの濡れも良好なものである。
以下このアクリル系樹脂について説明する。
前記一般式(I)で示されるメタクリル酸エステルと
しては、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステア
リルメタクリレート、オレイルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど
が挙げられる。
しては、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステア
リルメタクリレート、オレイルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど
が挙げられる。
一般式(I)で示されるメタクリル酸エステルは、ア
クリル系樹脂中60〜98重量%含有することが好ましい。
60重量%より少量ではナフテン系炭化水素溶剤に対する
アクリル系樹脂の溶解性が低下する傾向に有るからであ
る。
クリル系樹脂中60〜98重量%含有することが好ましい。
60重量%より少量ではナフテン系炭化水素溶剤に対する
アクリル系樹脂の溶解性が低下する傾向に有るからであ
る。
前記一般式(II)で示されるカチオン性モノマーとし
ては、例えばN,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジイソブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジシクロヘキシルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ては、例えばN,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジイソブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジシクロヘキシルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(II)で示されるカチオン性モノマーは、アク
リル系樹脂中2〜20重量%含有することが好ましい。2
重量%より少量では、酸化チタンに対する吸着が弱いた
め顔料の分散性が低下し、20重量%より多量では共重合
するメタクリル酸エステルの種類によっては、ナフテン
系炭化水素溶剤に対するアクリル系樹脂の溶解性が低下
する傾向があるからである。
リル系樹脂中2〜20重量%含有することが好ましい。2
重量%より少量では、酸化チタンに対する吸着が弱いた
め顔料の分散性が低下し、20重量%より多量では共重合
するメタクリル酸エステルの種類によっては、ナフテン
系炭化水素溶剤に対するアクリル系樹脂の溶解性が低下
する傾向があるからである。
一般式(I)で示されるメタクリル酸エステルと一般
式(II)で示されるカチオン性モノマー以外に両者と共
重合可能なビニルモノマーを含有することもできる。こ
のモノマーとしては、前記一般式(I)中のR1の炭素数
が2以下のメタクリル酸エステルや、水酸基などの官能
基を有するアクリル酸系及びメタクリル酸系のモノマー
や、アクリル酸エステルや、酢酸ビニル、スチレン、ビ
ニルトルエンなどが挙げられる。これらのモノマーの使
用量は、アクリル系樹脂のナフテン系炭化水素に対する
溶解性、修正塗膜の特性を考慮すると0〜20重量%が好
ましい。
式(II)で示されるカチオン性モノマー以外に両者と共
重合可能なビニルモノマーを含有することもできる。こ
のモノマーとしては、前記一般式(I)中のR1の炭素数
が2以下のメタクリル酸エステルや、水酸基などの官能
基を有するアクリル酸系及びメタクリル酸系のモノマー
や、アクリル酸エステルや、酢酸ビニル、スチレン、ビ
ニルトルエンなどが挙げられる。これらのモノマーの使
用量は、アクリル系樹脂のナフテン系炭化水素に対する
溶解性、修正塗膜の特性を考慮すると0〜20重量%が好
ましい。
更にアクリル系樹脂は、その重量平均分子量が10,000
〜200,000であり、且つ、ガラス転移温度が−20〜50℃
であることが必要である。
〜200,000であり、且つ、ガラス転移温度が−20〜50℃
であることが必要である。
重量平均分子量が10,000より小さい場合においては、
塗膜が脆く修正した用紙を修正箇所にて折曲げると折り
目に沿ってクラックが発生し塗膜が剥離してしまい、20
0,000より大きい場合においては、樹脂溶液自体の粘度
が上昇し、塗布性例えばレベリング性が低下したり、顔
料の分散性が低下し経時的に顔料の凝集が生じ易くな
る。また、ガラス転移温度が50℃を越えると、塗膜が脆
く修正した用紙を修正箇所にて折曲げると折り目に沿っ
てクラックが発生し、塗膜が剥離してしまい、−20℃未
満では、塗膜に粘着性が生じ重ねた用紙が貼り付くブロ
ッキングが発生してしまったり、内部凝集力が不足し密
着性が低下してしまうからである。
塗膜が脆く修正した用紙を修正箇所にて折曲げると折り
目に沿ってクラックが発生し塗膜が剥離してしまい、20
0,000より大きい場合においては、樹脂溶液自体の粘度
が上昇し、塗布性例えばレベリング性が低下したり、顔
料の分散性が低下し経時的に顔料の凝集が生じ易くな
る。また、ガラス転移温度が50℃を越えると、塗膜が脆
く修正した用紙を修正箇所にて折曲げると折り目に沿っ
てクラックが発生し、塗膜が剥離してしまい、−20℃未
満では、塗膜に粘着性が生じ重ねた用紙が貼り付くブロ
ッキングが発生してしまったり、内部凝集力が不足し密
着性が低下してしまうからである。
ここで、重量平均分子量とはGPC(Gel Permeation C
hromatography)分析法による測定値であり、(株)島
津製作所製の高速液体クロマトグラフィー「LC−3A」を
用い、充填カラムとしてポリスチレンゲル系カラム(同
社製「シマズゲルHSGカラム」)を使用して、重量平均
分子量を測定した値(数値は下3桁目を四捨五入)であ
る。
hromatography)分析法による測定値であり、(株)島
津製作所製の高速液体クロマトグラフィー「LC−3A」を
用い、充填カラムとしてポリスチレンゲル系カラム(同
社製「シマズゲルHSGカラム」)を使用して、重量平均
分子量を測定した値(数値は下3桁目を四捨五入)であ
る。
また、ガラス転移温度とは、大森英三『アクリル酸エ
ステルとそのポリマー〔II〕』(株)昭晃堂発行第110
頁〜115頁に記載されているような一般の高分子で測定
される二次転移点であり、共重合体の場合は同書第120
頁に記載されている計算ガラス転移温度である。即ち、
共重合体のガラス転移温度は次式によって計算されたも
のである。
ステルとそのポリマー〔II〕』(株)昭晃堂発行第110
頁〜115頁に記載されているような一般の高分子で測定
される二次転移点であり、共重合体の場合は同書第120
頁に記載されている計算ガラス転移温度である。即ち、
共重合体のガラス転移温度は次式によって計算されたも
のである。
(但し、W1+W2+W3+・・・・・+Wn=1) ここでTgとは共重合体のガラス転移温度であり、絶対
温度に換算して計算する。Tg1,Tg2,…,Tgnは成分1,成分
2,…成分nのそれぞれ純粋な単独重合体1,2,…,nのガラ
ス転移温度であり、絶対温度に換算し計算する。W1,W2,
・・Wnは、共重合体成分中における特定のモノマーの重
量分率である。
温度に換算して計算する。Tg1,Tg2,…,Tgnは成分1,成分
2,…成分nのそれぞれ純粋な単独重合体1,2,…,nのガラ
ス転移温度であり、絶対温度に換算し計算する。W1,W2,
・・Wnは、共重合体成分中における特定のモノマーの重
量分率である。
上述した成分以外に修正塗膜に再筆記した筆跡の乾燥
性を良好にするためにシリコーン・ブロック・コポリマ
ーや、エチレンオキサイド付加フッ素系界面活性剤を添
加したり、紙などの筆記面と色調を合わせるために着色
顔料を、隠蔽率を向上させるためにシリカ、炭酸カルシ
ウムなどの体質顔料を、顔料の分散安定性を更に向上さ
せるために分散剤や沈降防止剤を、塗布性能を良好にな
らしめるためにフロー向上剤やレベリング剤を適宜添加
できる。
性を良好にするためにシリコーン・ブロック・コポリマ
ーや、エチレンオキサイド付加フッ素系界面活性剤を添
加したり、紙などの筆記面と色調を合わせるために着色
顔料を、隠蔽率を向上させるためにシリカ、炭酸カルシ
ウムなどの体質顔料を、顔料の分散安定性を更に向上さ
せるために分散剤や沈降防止剤を、塗布性能を良好にな
らしめるためにフロー向上剤やレベリング剤を適宜添加
できる。
本発明の修正液は、上述した成分をボールミル、アト
ライター、サンドミルなどの分散機にて分散処理するこ
とにより得られる。
ライター、サンドミルなどの分散機にて分散処理するこ
とにより得られる。
(作用) 本発明に係る修正液は、下記一般式(I)で示される
メタクリル酸エステルと一般式(II)で示されるカチオ
ン性モノマーとから少なくともなり、重量平均分子量が
10,000〜200,000、且つ、ガラス転移温度が−20〜50℃
のアクリル系樹脂を使用している。
メタクリル酸エステルと一般式(II)で示されるカチオ
ン性モノマーとから少なくともなり、重量平均分子量が
10,000〜200,000、且つ、ガラス転移温度が−20〜50℃
のアクリル系樹脂を使用している。
一般式(I)で示されるメタクリル酸エステルは、ア
ルコール残基であるR1が炭素数3以上の炭化水素である
ことからナフテン系炭化水素溶剤に可溶となり、一般式
(II)で示されるカチオン性モノマーは第3アミノ基を
有するので顔料に対する吸着能が大きくなり、従って修
正液としての分散安定性が良好となるものと推考され
る。
ルコール残基であるR1が炭素数3以上の炭化水素である
ことからナフテン系炭化水素溶剤に可溶となり、一般式
(II)で示されるカチオン性モノマーは第3アミノ基を
有するので顔料に対する吸着能が大きくなり、従って修
正液としての分散安定性が良好となるものと推考され
る。
更にアクリル系樹脂の重量平均分子量が10,000〜200,
000であることより、アクリル系樹脂の組成比率を低く
抑えることなく低く粘度の修正液が得られ密着性の良い
塗膜を得ることができ、且つ、ガラス転移温度が−20〜
50℃であることより塗膜に柔軟性が付与できるため、密
着性の良い塗膜を得ることができるものと推考される。
000であることより、アクリル系樹脂の組成比率を低く
抑えることなく低く粘度の修正液が得られ密着性の良い
塗膜を得ることができ、且つ、ガラス転移温度が−20〜
50℃であることより塗膜に柔軟性が付与できるため、密
着性の良い塗膜を得ることができるものと推考される。
(R1:炭素数3〜18の直鎖若しくは分岐を有するアルキ
ル基、あるいは、ナフテン環、芳香環を含む炭化水素を
示す。) (R2:H又はCH3、R3,R4:それぞれ独立に炭素数3〜4の
アルキル基又はシクロヘキシル基、A:炭素数1〜4のア
ルキレン基を示す。) (実施例) 以下、実施例に従い、本発明を詳細に説明するが、表
1、表2の数値は「重量部」を示す。
ル基、あるいは、ナフテン環、芳香環を含む炭化水素を
示す。) (R2:H又はCH3、R3,R4:それぞれ独立に炭素数3〜4の
アルキル基又はシクロヘキシル基、A:炭素数1〜4のア
ルキレン基を示す。) (実施例) 以下、実施例に従い、本発明を詳細に説明するが、表
1、表2の数値は「重量部」を示す。
<アクリル系樹脂の製造> (製造条件) 攪拌機、チッ素ガス導入口、温度計、還流コンデンサ
ーを設備した500mlの反応容器に上記表1,2に示した物質
を仕込み、チッ素ガス気流中、80℃にて7時間攪拌しな
がら重合せしめ、透明で粘稠性を有するポリマー成分
(アクリル系樹脂)を得た。
ーを設備した500mlの反応容器に上記表1,2に示した物質
を仕込み、チッ素ガス気流中、80℃にて7時間攪拌しな
がら重合せしめ、透明で粘稠性を有するポリマー成分
(アクリル系樹脂)を得た。
得られた樹脂溶液の固形分とアクリル系樹脂の重量平
均分子量及びガラス転移温度を表3,4に示す。
均分子量及びガラス転移温度を表3,4に示す。
<修正液の配合> 実施例1 クロノスKR−480(チタン工業(株)製、ルチル型酸化
チタン) 70部 メチルシクロヘキサン 40部 エチルシクロヘキサン 10部 実施製造例1のアクリル系樹脂溶液 25部 MA−100 0.02部 ミズカシルP−801 2部 実施例2 クロノスKR−480 80部 メチルシクロヘキサン 45部 1,1,1−トリクロルエタン 5部 実施製造例2のアクリル系樹脂溶液 30部 バイフェロック#318(バイエルジャパン(株)製、鉄
黒) 0.2部 ミズカシルP−801 2部 実施例3 クロノスKR−480 70部 メチルシクロヘキサン 40部 エチルシクロヘキサン 10部 実施製造例3のアクリル系樹脂溶液 25部 MA−100 0.02部 ミズカシルP−801 2部 実施例4 クロノスKR−480 80部 メチルシクロヘキサン 45部 1,1,1−トリクロルエタン 5部 実施製造例4のアクリル系樹脂溶液 30部 バイフェロックス#318 0.2部 ミズカシルP−801 2部 比較例1 実施例1において、実施製造例1のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例1のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例1と同様に配合した。
チタン) 70部 メチルシクロヘキサン 40部 エチルシクロヘキサン 10部 実施製造例1のアクリル系樹脂溶液 25部 MA−100 0.02部 ミズカシルP−801 2部 実施例2 クロノスKR−480 80部 メチルシクロヘキサン 45部 1,1,1−トリクロルエタン 5部 実施製造例2のアクリル系樹脂溶液 30部 バイフェロック#318(バイエルジャパン(株)製、鉄
黒) 0.2部 ミズカシルP−801 2部 実施例3 クロノスKR−480 70部 メチルシクロヘキサン 40部 エチルシクロヘキサン 10部 実施製造例3のアクリル系樹脂溶液 25部 MA−100 0.02部 ミズカシルP−801 2部 実施例4 クロノスKR−480 80部 メチルシクロヘキサン 45部 1,1,1−トリクロルエタン 5部 実施製造例4のアクリル系樹脂溶液 30部 バイフェロックス#318 0.2部 ミズカシルP−801 2部 比較例1 実施例1において、実施製造例1のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例1のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例1と同様に配合した。
比較例2 実施例1において、実施製造例1のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例2のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例1と同様に配合した。
液の代わりに比較製造例2のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例1と同様に配合した。
比較例3 実施例2において、実施製造例2のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例3のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例2と同様に配合した。
液の代わりに比較製造例3のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例2と同様に配合した。
比較例4 実施例2において、実施製造例2のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例4のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例2と同様に配合した。
液の代わりに比較製造例4のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例2と同様に配合した。
比較例5 実施例3において、実施製造例3のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例5のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例3と同様に配合した。
液の代わりに比較製造例5のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例3と同様に配合した。
比較例6 実施例4において、実施製造例4のアクリル系樹脂溶
液の代わりに比較製造例6のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例4と同様に配合した。
液の代わりに比較製造例6のアクリル系樹脂溶液を使用
した他は実施例4と同様に配合した。
<修正液の製造例> 実施例1〜4、比較例1〜6の配合物を、それぞれボ
ールミルにて24時間分散処理して修正液を得た。
ールミルにて24時間分散処理して修正液を得た。
(効果) 以下、実施例1〜4、比較例1〜6の修正液を使用
し、粘度、隠蔽率、筆跡の修正、修正塗膜の物性(塗膜
の密着製、塗膜の屈曲性)、修正液の分散安定性、レベ
リング性について試験を行った。
し、粘度、隠蔽率、筆跡の修正、修正塗膜の物性(塗膜
の密着製、塗膜の屈曲性)、修正液の分散安定性、レベ
リング性について試験を行った。
試験結果を表5、6に示す。
※1粘度: B型年度計にて測定した。
※2隠蔽率: 隠蔽率測定紙(JIS K5400)に2ミルのアプリケータ
ーで修正液を塗布し、乾燥後、45゜、0゜拡散反射率を
測定し算出した。
ーで修正液を塗布し、乾燥後、45゜、0゜拡散反射率を
測定し算出した。
※3筆跡の修正: 上質紙(JIS P3201筆記用紙A)にボールPentelB100
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記後
の筆跡及び乾式複写機(ゼロックス社製)による複写文
字を修正液にて修正し、筆跡及び文字が溶解し修正塗膜
上に滲み出してこないものを「○」、くるものを「×」
とした。
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記後
の筆跡及び乾式複写機(ゼロックス社製)による複写文
字を修正液にて修正し、筆跡及び文字が溶解し修正塗膜
上に滲み出してこないものを「○」、くるものを「×」
とした。
※4塗膜の密着性: 上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に2ミルのアプリケ
ーターで修正液を塗布、乾燥後、セロハンテープを修正
塗膜に密着させた後、セロハンテープを剥した際、テー
プ上に上質紙の表面も付着したものを「○」、しないも
のを「×」とした。
ーターで修正液を塗布、乾燥後、セロハンテープを修正
塗膜に密着させた後、セロハンテープを剥した際、テー
プ上に上質紙の表面も付着したものを「○」、しないも
のを「×」とした。
※5塗膜の屈曲性: タイプ用紙に2ミルのアプリケーターで修正液を塗
布、乾燥後、タイプ用紙を折曲げ、折曲げ部の塗膜の剥
離状態を観察し、塗膜にクラックも発生せず剥離しなか
ったものを「○」、剥離はしないがクラックが発生した
ものを「△」、塗膜にクラックが発生し剥離したものを
「×」とした。
布、乾燥後、タイプ用紙を折曲げ、折曲げ部の塗膜の剥
離状態を観察し、塗膜にクラックも発生せず剥離しなか
ったものを「○」、剥離はしないがクラックが発生した
ものを「△」、塗膜にクラックが発生し剥離したものを
「×」とした。
※6修正液の分散安定性: 修正液を密栓付瓶(30ml)に取り、3ヶ月間室温に放
置後、修正液の状態を観察し、殆ど沈降生成物が認めら
れなかったものを「◎」、沈降生成物は認められたが容
易に再分散したものを「○」、沈降生成物が認められ再
分散が困難であるものを「×」とした。
置後、修正液の状態を観察し、殆ど沈降生成物が認めら
れなかったものを「◎」、沈降生成物は認められたが容
易に再分散したものを「○」、沈降生成物が認められ再
分散が困難であるものを「×」とした。
※7レベリング性: 上質紙(JIS P3201筆記用紙A)にボールPentelB100
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記
し、その筆跡を修正液にて修正した。修正塗膜の表面に
凹凸が無く再筆記が良好にできたものを「◎」、若干の
凹凸は見られるが再筆記に難利問題が無かったものを
「○」、凹凸が見られ再筆記に支障が有ったものを
「×」とした。
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記
し、その筆跡を修正液にて修正した。修正塗膜の表面に
凹凸が無く再筆記が良好にできたものを「◎」、若干の
凹凸は見られるが再筆記に難利問題が無かったものを
「○」、凹凸が見られ再筆記に支障が有ったものを
「×」とした。
※8ブロッキング性: 上質紙(JIS P3201筆記用紙A)にボールPentelB100
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記後
の筆跡及び乾式複写機(ゼロックス社製)による複写文
字を修正液にて修正し、乾燥後、この上に上質紙を重ね
た。用紙が貼り付かなかったものを「○」、貼り付いた
ものを「×」とした。
(ぺんてる(株)製、水性インキ)、PentelマーカーMS
50(ぺんてる(株)製、油性インキ)を使用して筆記後
の筆跡及び乾式複写機(ゼロックス社製)による複写文
字を修正液にて修正し、乾燥後、この上に上質紙を重ね
た。用紙が貼り付かなかったものを「○」、貼り付いた
ものを「×」とした。
以上詳細に説明したように、本発明の修正液は、各種
の筆跡、印字を修正可能であると共に修正液の分散安定
性に優れ、しかも修正箇所から折り曲げたりしても塗膜
にクラックが発生することもなく、密着性に優れた修正
塗膜が得られる修正液である。
の筆跡、印字を修正可能であると共に修正液の分散安定
性に優れ、しかも修正箇所から折り曲げたりしても塗膜
にクラックが発生することもなく、密着性に優れた修正
塗膜が得られる修正液である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 中田 とし子 (56)参考文献 特開 昭59−59754(JP,A) 特開 平2−263876(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 10/00
Claims (1)
- 【請求項1】顔料の全部又は少なくとも主成分である酸
化チタンと、ナフテン系炭化水素溶剤を少なくとも含有
する有機溶剤と、下記一般式(I)で示されるメタクリ
ル酸エステルと下記一般式(II)で示されるカチオン性
モノマーとから少なくともなり重量平均分子量が10,000
〜200,000で、且つガラス転移温度が−20〜50℃のアク
リル系樹脂とから少なくともなる修正液。 (R1:炭素数3〜18の直鎖若しくは分岐を有するアルキ
ル基、あるいは、ナフテン環、芳香環を含む炭化水素を
示す。) (R2:H又はCH3、R3,R4:それぞれ独立に炭素数3〜4の
アルキル基又はシクロヘキシル基、A:炭素数1〜4のア
ルキレン基を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30978889A JP2893411B2 (ja) | 1989-11-28 | 1989-11-28 | 修正液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30978889A JP2893411B2 (ja) | 1989-11-28 | 1989-11-28 | 修正液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03168252A JPH03168252A (ja) | 1991-07-22 |
JP2893411B2 true JP2893411B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=17997250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30978889A Expired - Lifetime JP2893411B2 (ja) | 1989-11-28 | 1989-11-28 | 修正液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2893411B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4586610B2 (ja) * | 2004-09-30 | 2010-11-24 | ぺんてる株式会社 | 修正液 |
JP5561917B2 (ja) * | 2008-07-24 | 2014-07-30 | 三菱鉛筆株式会社 | 油性修正液組成物 |
-
1989
- 1989-11-28 JP JP30978889A patent/JP2893411B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03168252A (ja) | 1991-07-22 |
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