JP4104455B2 - 筆記板用マーキングペン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の一方又は両側に筆記部となるペン先を備えると共に、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸された筆記板用インキをペン先に供給する所謂中綿式タイプの筆記板用マーキングペンに関し、更に詳しくは、この構造のマーキングペンにおいて良好な筆記性及び消去性を維持しながら、インキの終了サインを簡単に検知することができる筆記板用マーキングペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インキ残量・インキの終了サインを知ることができる筆記具としては、軸体内に直接インキを収容してなるコレクター構造、バルブ構造、ポンピング構造を有する直液式筆記具が知られている。
【0003】
しかしながら、筆記板用マーキングペンは、上向き筆記することが多いため、インキ吸蔵体中のインキとペン先が繋がっていない直液式筆記具は、長く書き続けることは不可能であり、筆記途中でペン先にインキ補充をしなければならず、筆記するたびにポンピングや向きの変更などの必要があり煩わしさを伴うものであった。また、良好な消去性を得るためには、一定範囲内のインキ流量が必要であるが、ポンピング直後と筆記した後ではインキ流量が大きく異なり、ポンピング直後は汚れが発生しやすく、また、筆記しペン先にインキがなくなってくると、カスレ、消去性の問題が発生してくる。そのため、常に一定の流量になるように常にポンピングや向きの変更などに気を遣わなければならないこととなる。また、ポンピングの程度により、滲み、ボテ、直流などの問題も発生することとなる。
【0004】
一方、中綿式筆記具は、常にインキ吸蔵体中のインキとペン先が繋がっているため、筆記するたびにポンピングや向きの変更等をする必要がない。また、筆記向きも影響しないため、上向き筆記されることが多い筆記板用マーキングペンには好適なものである。
しかしながら、中綿式筆記具は、インキ吸蔵体中のインキを全て消費できないばかりでなく、インキ吸蔵体内のインキが少なくなってくると、流量が徐々に低下してくる。そのため、良好な流量、消去性を維持できるのは、インキ吸蔵体中のインキの約50%消費するまでであり、それ以降はカスレのみならず消去性にも問題が生じてくるものとなる。また、従来では、インキ終了サインが検知できる機構を具備した中綿式筆記具はないため、筆記描線がカスレても放置されることがあり、使用性等に課題があるものである。
【0005】
他方、透明な軸筒内にインキ吸蔵体となる中綿が収納され、該中綿に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給されると共に、中綿からペン先まで筆記具の中身を視認することができる筆記具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−270585号公報(特許請求の範囲、実施例、図1等)
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載される筆記具にあっては、中綿に吸蔵されたインキ量が少なくなってもそのインキ残量の確認は困難であり、確実にインキの終了サインを検知できるものではなく、この筆記具にあっても使用性等に課題があるものである。
【0008】
ところで、本願出願人は、中綿式でありながらインキ終了検知機構を具備した筆記具として、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給する筆記具において、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは中継芯を介して視認性を有するインキ誘導管へ供給されると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する筆記具を出願している(特願2002−138518号)。
【0009】
この筆記具において、インキ誘導管、インキ吸蔵体、中継芯、インキ誘導管と中継芯との接合部によって形成されるキャピラリーの毛細管力(毛管力)が、インキ誘導管と中継芯との接合部>ペン先>中継芯>インキ吸蔵体>インキ誘導管の関係にあることが好ましいことを記載しているが、これらの毛細管力の関係調査を進めてきた結果、上記の毛細管力の関係はエンド検知式筆記具を成立させるための必要条件にすぎないものである。
特に、筆記板用マーキングペンの場合は、下向き筆記では問題がない場合でも、すなわち、上記必要条件を充足していても、上向き筆記では筆記描線がカスレた状態になってしまうため、未だインキ吸蔵体中に筆記板用インキが半分以上残存しているにかかわらずインキ終了サインが表示されたり、インキ吸蔵体中のインキ消費率が低い場合や、筆記描線がカスレた状態になってもインキ終了サインが表示されない場合があるなどの若干の課題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸された筆記板用インキを筆記部となるペン先に供給する筆記板用マーキングペンにおいて、筆記向きに関係なく、特に筆記板用マーキングペンの特徴である上向き筆記状態であっても、良好な流量、消去性を維持しつつ、ペン体寿命を明確に表示、すなわち、インキ吸蔵体のインキが終了した時点でインキ終了サインを簡単に検知することができる筆記板用マーキングペンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討を重ねた結果、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸された筆記板用インキを筆記部となるペン先に供給する筆記具における軸筒の構成、並びに、インキ吸蔵体からペン先にインキを供給する機構を特定の構成等とすることにより、上記目的の筆記板用マーキングペンが得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)に存する。
(1) 軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給するものであって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキを視認性を有するインキ誘導管へ供給すると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給し、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する機構を備えた筆記具において、上記インキは顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用インキ組成物からなり、かつ、上記インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2とした場合に、インキ吸蔵体とペン先の保持力の差(T2−T1)が10mm以上であることを特徴とする筆記板用マーキングペン。
(2) インキ吸蔵体とペン先の気孔率の差が15%以上である上記(1)記載の筆記板用マーキングペン。
(3) インキ吸蔵体とペン先の糸密度の差が200d/mm2である上記(1)又は(2)記載の筆記板用マーキングペン。
(4) 軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給するものであって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは中継芯を介して視認性を有するインキ誘導管へ供給されると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する機構を備えた筆記具において、上記インキは顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用インキ組成物からなり、かつ、上記インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2、中継芯の保持力をT3とした場合に、インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T3−T1)が10mm以上で、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)が10mm以上であることを特徴とする筆記板用マーキングペン。
(5) インキ吸蔵体と中継芯の気孔率の差が15%以上で、かつ、中継芯とペン先の気孔率の差が15%以上である上記(4)記載の筆記板用マーキングペン。
(6) インキ吸蔵体と中継芯の糸密度の差が200d/mm2以上で、中継芯とペン先の糸密度の差が200d/mm2以上である上記(4)又は(5)記載の筆記板用マーキングペン。
【0012】
なお、本発明において規定するインキ吸蔵体、ペン先、中継芯における「各保持力T1〜T3」は、下記方法により測定される「高さ(x)」を保持力とした。
(各保持力の測定方法)
図5(a)及び(b)に示すように、シリコーン製のチューブをインキの収容された容器に入れ、一方を測定対象物(インキ吸蔵体、中継芯、ペン先)と連結させ、チューブ内をインキで満たす。このとき測定対象物内はインキで満たされ測定対象物の上端までインキは充填される。次いで、測定対象物の下端を徐々に上げる。このとき、測定対象物の上端でメニスカスが発生し、測定対象物の毛管力でインキ柱を保持する。測定対象物の下端と液面との距離(x)が測定対象物が支えているインキ柱の高さである。この測定対象物が保持しているインキ柱を高くしていき、測定対象物がインキ柱を支えきれなくなり測定対象物下端から空気が侵入する高さを求めることにより、「保持力」が測定できる。
なお、厳密には、保持力は、上記各高さx(mm)×インキの密度(ρ)×重力加速度(g)とするものであるが、密度(ρ)、重力加速度(g)は定数であるため、本発明では、上記高さ(x)を保持力とした。
また、本発明で規定する「糸密度」とは、測定対象物の単位面積あたりの糸量により算出される値である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら、詳しく説明する。
本発明の第1発明となる筆記板用マーキングペンは、軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給するものであって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキを視認性を有するインキ誘導管へ供給すると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給し、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する機構を備えた筆記具において、上記インキは顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用インキ組成物からなり、かつ、上記インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2とした場合に、インキ吸蔵体とペン先の保持力の差(T2−T1)が10mm以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2発明となる筆記板用マーキングペンは、上記第1発明の筆記板用マーキングペン構造において、インキ吸蔵体に含浸されたインキを中継芯を介して視認性を有するインキ誘導管へ供給される構成としたものであり、この構造の場合は、インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2、中継芯の保持力をT3とした場合に、インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T2−T1)が10mm以上で、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)が10mm以上であることを特徴とするものである。
以下、「本発明」というときは、上記第1発明及び第2発明の筆記板用マーキングペンの両方を含む場合をいう。
【0014】
図1(a)及び(b)は、本第1発明の実施形態を示す筆記板用マーキングペンであり、図1(a)はその縦断面図、(b)は部分縦断面図を示すものである。
本第1実施形態の筆記板用マーキングペンAは、図1(a)及び(b)に示すように、筆記具本体となる軸筒10、インキ吸蔵体20、インキ誘導管30、ペン先40、尾栓50とを備えたものである。
軸筒10は、例えば、合成樹脂製から構成されるものであり、先端側がテーパー部を有する小径部10aと、大径部10bとが一体となったものであり、該小径部10a内にはペン先40を嵌着する嵌着部を有すると共に、大径部10b内は筆記具用インキIを含浸したインキ吸蔵体20、インキ誘導管30を収容する構造となっている。
【0015】
また、軸筒10の大径部10bの先端側は、図1(a)及び(b)に示すように、軸筒内を視認できるように透明体又は半透明体から構成された視認部12を有し、それ以外は別部材等により非視認部となっている。
なお、軸筒10全体を視認性を有する透明又は半透明材料から構成して、軸筒10全体を視認できるものであってもよいものであり、また、軸筒10全体を視認性を有する透明又は半透明材料から構成して、視認部12以外を着色部や装飾部として非視認部としてもよいものである。
この視認部12の全長は、該視認部12より、軸筒10内に保持されるインキ誘導管30を視認できる長さであればよく、1mm以上筆記具本体(本実施形態では軸筒)の全長以下、好ましくは、5mm以上とすることが望ましい。なお、視認部12の全長が1mm未満であると、インキ終了サインの検知を視認し難く検知機能を果たせないこととなる。
【0016】
インキ吸蔵体20は、筆記板用インキを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものであり、軸筒10の前方部を封塞する後部保持体21と尾栓50とにより軸筒20内に収容されている。好ましくは、効率よくインキを吸蔵及び中継芯に供給する点から、上記各種の天然繊維、樹脂等からなる繊維束(フィラメント束)が好ましい。
【0017】
インキ誘導管30は、視認性を有する筒状(管状)のインキ流路部材となるものであり、例えば、樹脂、ゴム、または、ガラス製等の透明部材又は半透明部材の材質から構成されている。具体的には、透明又は半透明の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリ(1−メチル−4−ペンテン)などのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやポリブチレンテレフタレート、並びに、フッ素樹脂、フッ化ビニリデンなどのフッ素プラスチックなどが挙げられ、また、透明又は半透明のゴムとしては、フッ素ゴムやシリコーンゴムなどが挙げられる。本実施形態では、ポリプロピレンから構成されている。
更に、インキ誘導体20からペン先40までのインキの供給を更に円滑に、かつ、スムーズに行うために、上記構成の視認性を有するインキ誘導管30のインキと接する面又はインキ誘導管30の材質自体の表面張力がインキの表面張力よりも小さくすることが好ましい。なお、インキ誘導管30のインキと接する面がインキの表面張力よりも大きい場合には、フッ素コートやフッ素樹脂コート、又はジメチルシリコーンを骨格とするシリコーン樹脂コート処理等を施すことにより、インキ誘導管30のインキと接する面をインキの表面張力よりも小さくすることもできる。
このインキ誘導管30の後端部分30cは、後部保持体21を貫通してインキ吸蔵体20内部に通じると共に、前端部分30bは軸筒10の小径部10a内を封塞する前部保持体22を貫通してペン先40の後端部分に嵌入されている。これにより、インキ誘導管30は、軸筒10内を封塞する後部保持体21と前部保持体22とにより、軸筒10内に視認空間部13が形成されると共に、該視認空間部13の中心部分に保持されるものとなっている。
【0018】
ペン先40は、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、各種のプラスチック粉末などを融結したポーラス体などからなるペン先からなるものであり、その形状も筆記板用マーキングペンの各形態のものが選択されるものである。
【0019】
上記インキ吸蔵体20に含浸せしめるインキとしては、一般に用いられている顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用マーキングペンインキであれば、特に限定されものではない。好ましくは、インキ誘導管30での終了サインを更に良好に検知するために、インキの表面張力を25℃下で18mN/m以上、更に好ましくは、20〜50mN/mとすることが望ましい。なお、インキの表面張力の調整は、インキ組成に界面活性剤などを必要に応じて配合することにより、調整することができる。
更に、インキ吸蔵体20から、インキ誘導管30を介してペン先40へのインキを更に円滑に、かつ、スムーズな供給をするために、好ましくは、インキの粘度係数を25℃下で500mPa・s以下、更に好ましくは、200mPa・s以下、特に好ましくは1〜100mPa・sとすることが望ましい。このインキの粘度係数が500mPa・sを越えると、インキの流動性が悪くなり、十分なインキ流出量が出ないため流量不足による描線カスレや早書きできない場合が生じることがある。なお、インキの粘度係数の調整は、インキ組成に増粘剤などを必要に応じて配合することにより、調整することができる。
【0020】
この本第1実施形態の筆記板用マーキングペンAにおいて、インキ吸蔵体20の保持力をT1、ペン先40の保持力をT2とした場合に、インキ吸蔵体20とペン先40の保持力の差(T2−T1)が10mm以上することが必要である。
この保持力の差(T2−T1)を10mm以上、好ましくは30mm以上、更に好ましくは、50mm以上とすることにより、筆記板用マーキングペンにおけるインキ吸蔵体20のインキが終了した時点でインキ誘導管30でインキ終了サインが確実に表示されることとなる。なお、インキ吸蔵体20とペン先40の保持力の差が10mm未満では、インキ終了サインが表示されなかったりする場合があり、好ましくない。
【0021】
また、上記保持力の差(T2−T1)を10mm以上とすると共に、インキ吸蔵体とペン先の気孔率の差を、好ましくは、15%以上にすることによって、インキ終了サインが表示されるだけでなく、更に、上向き筆記時や上向き放置時の逆流を防ぐこととなる。更に好ましくは、18%以上、特に好ましくは、20%以上にすることにより、更に、良好にインキ吸蔵体中のインキが終了した時点でインキ終了サインが表示され、高温条件下でも、更に、上向き筆記や上向き放置の逆流を防ぐこととなる。
更に、インキ吸蔵体とペン先の糸密度の差を200d/mm2以上にすることによって、インキ終了サインが表示されるだけでなく、更に、ある程度一定の更に良好となるインキ流量が得られることが分った。好ましくは、500d/mm2以上、更に好ましくは、1000d/mm2以上にすることにより、良好にインキ吸蔵体中のインキが終了した時点でインキ終了サインが表示され、初筆から終筆まで更に良好な一定のインキ流量となる。
【0022】
本実施形態の筆記板用マーキングペンAでは、上記構成及び上記保持力の差(T2−T1)を10mm以上とすることにより、図1(a)及び(b)に示すように、インキ吸蔵体20に含浸されたインキはインキ誘導管30に流入し、該インキ誘導管30を介してペン先40に供給されると共に、ペン先40からのインキの直流、上向き筆記時においてもペン先40のインキが逆流することもなく、インキ吸蔵体20内のインキが終了した時点でインキ終了サイン(エンド検知)を表示できることとなる。
すなわち、本実施形態の筆記板用マーキングペンAでは、筆記向きに関係なく、特に,筆記板用マーキングペンの特徴である上向き筆記状態であっても、良好な流量、消去性を維持しつつ、インキ吸蔵体のインキが終了した時点でインキ終了サインを簡単に検知することができるものとなる。
【0023】
図2(a)及び(b)は、本第2発明の実施形態を示すものである。なお、上記第1発明の実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する(以下同様)。
本第2発明の実施形態の筆記板用マーキングペンBは、上記第1発明の実施形態の筆記板用マーキングペンAにおいて、良好なインキ流量を維持したままインキ消費率を更に向上させるために、インキ吸蔵体に含浸されたインキを中継芯25を介して視認性を有するインキ誘導管30へ供給する点、並びに、インキ誘導管30を太い管とし、ペン先40の後端外周部をインキ誘導管30の内部に挿入している点でのみ、上記実施形態の筆記板用マーキングペンAと異なるものである。
この中継芯25は、上記第1発明の実施形態の筆記板用マーキングペンAのインキ吸蔵体20と同様に繊維束、フェルト等の繊維束を加工した繊維束芯、または、硬質スポンジ、樹脂粒子焼結体等からなる樹脂粒子多孔体、スライバー芯等の連続気孔(流路)を有するものであり、インキ吸蔵体20に含浸された筆記板用マーキングインキを該中継芯25を介して視認性を有するインキ誘導管30へ供給できるものであれば、特にその形状、構造等は限定されるものでないが、例えば、図2(a)に示すように、中継芯25はインキ吸蔵体20と接触し、その先端部はインキ誘導管30の後端部内に挿入されるものが挙げられる。この中継芯25により、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは中継芯25を介して視認性を有するインキ誘導管30へ更に効率よく供給できるものとなっている。
この実施形態の筆記板用マーキングペンBにおいて、インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2、中継芯の保持力をT3とした場合に、インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T3−T1)を10mm以上とし、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)を10mm以上とすることが必要である。
【0024】
本実施形態の中継芯25を用いたマーキングペンBにおいて、上記インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T3−T1)を10mm以上とし、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)を10mm以上とすることによって、筆記向きに関係なく、更に良好な流量、消去性を維持しつつ、良好なインキ消費率を示し、インキ終了サインが表示されるものとなる。
好ましくは、上記保持力の差(T3−T1)を30mm以上、かつ、上記保持力の差(T2−T3)を30mm以上、更に好ましくは、上記保持力の差(T3−T1)を50mm以上、かつ、上記保持力の差(T2−T3)を50mm以上とすることにより、更に良好にインキ吸蔵体中のインキが終了した時点でインキ終了サインが表示されるものとなる。
なお、上記保持力の差(T3−T1)が10mm未満では、良好なインキ消費率を示さず、かつ、上記保持力の差(T2−T3)が10mm未満ではインキ終了サインが表示されない場合があり、好ましくない。
【0025】
また、上記各保持力の差(T3−T1)、(T2−T3)を10mm以上とすると共に、インキ吸蔵体20と中継芯25の気孔率の差を15%以上とし、かつ、中継芯25とペン先40の気孔率の差を15%以上とすることにより、良好なインキ消費率を維持しつつ、インキ終了サインが表示されるだけでなく、更に、上向き筆記時や上向き放置時の逆流を防ぐこととなる。好ましくは、上記各気孔率の差を18%以上、更に好ましくは、上記各気孔率の差を20%以上とすることにより、更に良好なインキ消費率を維持しつつ、更に良好にインキ吸蔵体中のインキが終了した時点でインキ終了サインが表示されるものとすることができる。
【0026】
更に、上記特性となる各保持力差及び各気孔率差を有すると共に、インキ吸蔵体20と中継芯25の糸密度の差を200d/mm2以上とし、かつ、中継芯25とペン先40の糸密度の差を200d/mm2以上とすることにより、インキ終了サインが表示されるだけでなく、更に、ある程度一定の更に良好となるインキ流量が得られることとなる。好ましくは、上記各糸密度の差が500d/mm2以上、更に好ましくは、1000d/mm2以上にすることにより、良好にインキ吸蔵体中のインキが終了した時点でインキ終了サインが表示され、初筆から終筆まで更に良好な一定のインキ流量となる。
【0027】
本実施形態の筆記板用マーキングペンBでは、上記構成及び上記各保持力の差(T3−T1)、(T2−T3)を10mm以上とすることにより、図2に示すように、インキ吸蔵体20に含浸されたインキは中継芯25を介してインキ誘導管30に流入し、該インキ誘導管30を介してペン先40に供給されると共に、ペン先40からのインキの直流、上向き筆記時においてもペン先40のインキが逆流することもなく、良好なインキ消費率を示すと共に、インキ吸蔵体20内のインキが終了した時点でインキ終了サイン(エンド検知)を表示できることとなる。
すなわち、本実施形態の筆記板用マーキングペンBでは、筆記向きに関係なく、特に筆記板用マーキングペンの特徴である上向き筆記状態であっても、良好な流量、インキ消費率、消去性を維持しつつ、インキ吸蔵体のインキが終了した時点でインキ終了サインを簡単に検知することができるものとなる。
【0028】
図3(a)及び(b)は、本第2発明の他の実施形態を示すものである。なお、上記図2の実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する(以下同様)。
本実施形態の筆記板用マーキングペンCでは、図3(a)及び(b)に示すように、軸筒10内が隔壁10fにより、軸筒10内が隔離され、隔離された各軸筒内10g、10hには夫々インキ吸蔵体20c、20dが収容され、該インキ吸蔵体20c、20dに含浸された各筆記板用インキを各中継芯25c、25d及びインキ誘導管30、40を介して軸筒10の両側に設けた筆記部となるペン先50、60に供給するツインタイプの筆記板用マーキングペンであり、検知機構が両側にある構造である。
この実施形態の筆記具Cでは、上記保持力の差(T3−T1)、(T2−T3)、並びに、好ましく設定される各気孔率の差、各糸密度の差の適用は、隔壁10fにより隔離されるタイプ、すなわち、上記実施形態と同様のペン先を有する筆記具が独立に二本有するものとなるので、ペン先50、60側で夫々独立に、上記各保持力の差、各気孔率の差、各糸密度の差が適用されることとなる。
このツインタイプの筆記板用マーキングペンCでは、インキの消費は各ペン先50、60で行われ、上記実施形態と同様に、インキ吸蔵体20のインキ終了サインを視認部12、13を介してインキ誘導管30又は40のインキを視認することにより検知するものである。なお、インキ吸蔵体20c、20dに吸蔵する筆記板用インキを異ならしめること、例えば、黒インキと赤インキを用いることにより、色相等が相違する描線を得ることができる。
【0029】
図4は、本第2発明の他の実施形態を示すものである。なお、上記図3の実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する(以下同様)。
本実施形態の筆記板用マーキングペンDでは、図4に示すように、軸筒10内のインキ吸蔵体20に含浸されたインキを軸筒10の両側に設けた筆記部となるペン先50、細字用のペン先60に供給するツインタイプの筆記具Dであり、検知機構が両側にある構造であり、インキ吸蔵体20を共通とする点で上記第3実施形態と異なるものであり、上記図3の実施形態と同様に使用、作用効果を発揮するものである。
【0030】
本発明の筆記板用マーキングペンは、上記各発明の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更できることはいうまでもない。
上記図2〜図4の実施形態では、更にインキ消費率を向上させる点から、中継芯を用いた形態を示したが、中継芯を使用しなくても、本発明の効果を発揮するものである。
また、筆記板用インキを、塗布液、化粧品等の液状化粧料等とした塗布具に適用してもよいものである。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、インキ等の表面張力の測定は、ウィルヘルミー法(協和界面科学社製、CBVP−Z型)により測定し、インキの粘度係数は、回転粘度計(トキメック社製、TV−20L)により測定した。また、各保持力T1〜T4における「ヘッド」は、図7及び上述で定義した方法により測定した。
【0032】
〔実施例1〜7及び比較例1〜4〕
下記構成の軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、ペン先、インキ組成A、B、を用いた図1に準拠する第1発明の筆記板用マーキングペンを作製した。
▲1▼軸筒
ポリプロピレン製、大径部の直径10mm、視認部の長さ15mm(視認部以外は着色層により非視認部となる)、全長150mm
▲2▼ペン先(ペン芯)
ポリエステル繊維束芯から構成した下記表1に示す保持力、気孔率、糸密度となるものを使用した。
▲3▼中継芯
ポリエステル繊維束から構成した下記表1に示す保持力、気孔率、糸密度となるものを使用した。
▲4▼インキ吸蔵体
ポリエステル製から構成した下記表1に示す保持力、気孔率、糸密度となるものを使用した。
▲5▼インキ誘導管
PFA(テトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)製、内径3mm、長さ20mm、インキ流路断面積約7mm2、インキ誘導管の材質自体の表面張力(25℃)20mN/m、後端部分がインキ吸蔵体20に嵌入する長さ3mm
【0033】
▲6▼インキ組成(全量100重量%)
A:筆記板用水性サインペン用インキ
カーボンブラック 5.0
ポリビニルアルコール樹脂 5.0
〔ポリ酢酸ビニルのケン化物 SMR−10M、信越化学工業社製〕
消去性付与剤(ステアリン酸オクチル) 10.0
精製水 残 部
インキの表面張力(25℃)27mN/m、インキの粘度係数(25℃)4mPa・s、インキ吸蔵体への含浸量4.0g。
B:筆記板用油性サインペン用インキ
カーボンブラック 5.0
ブチラール樹脂 5.0
〔デンカブチラール 2000L、電気化学工業社製〕
消去性付与剤(ミリスチン酸ドデシル) 10.0
精製水 残 部
インキの表面張力(25℃)27mN/m、インキの粘度係数(25℃)4mPa・s、インキ吸蔵体への含浸量4.0g。
【0034】
下記表1に示すペン芯、インキ吸蔵体となる組み合わせにより、各筆記板用マーキングペンを作製し、下記各方法により、筆記向きを上向き筆記して終点検知、インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線を評価等した。なお、逆流性のみ下向きで評価した。また、この各評価は、筆記板用の場合、筆記向きが下向きより、より過酷となる上向き筆記で各評価を行ったものである(後述する実施例8以下の第2発明の筆記板用マーキングペンでも同様)。
これらの結果を下記表1に示す。
【0035】
(終点検知感度の評価方法)
終点検知は、ミニテック筆記試験装置により筆記試験を行い、筆記描線がカスレるまで筆記を行った際のインキ誘導管内のインキの切れを目視により、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:インキ誘導管内に気泡が入り、インキ流路が分断され、終了サインを表示した。
×:インキ誘導管内の流路が繋がったままで、終了サインが表示されない。
【0036】
(インキ流量の評価方法)
25℃−65%環境下で筆記板(ホワイトボード)に1mの横線を50本筆記し(50m)、筆記前後の重量変化を、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:70mg以上
○:50〜70mg未満
△:20〜50mg未満
×:20mg未満
【0037】
(消去性の評価方法)
25℃−65%環境下でティッシュペーパー上に100gの分銅を乗せ、筆記板(ホワイトボード)に筆記した描線の上を移動させ、消去の度合いを、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:100gの分銅1〜2回移動で消去
△:100gの分銅3〜5回移動で消去
×:100gの分銅5回移動しても消去できない
【0038】
(インキ消費率の評価方法)
インキ消費率は、ミニテック筆記試験装置により筆記試験を行い、終点検知が働くまで筆記を行った際のインキ消費率(筆記前とインキ終了サインが表示されたときの重量変化)を調べて評価した。
評価基準:
◎:インキ消費率80%以上
○:インキ消費率75%以上80%未満
△:インキ消費率70%以上75%未満
×:インキ消費率70%未満
【0039】
(逆流性の評価方法)
逆流性は、キャップを閉めた状態でペン先が下向きになるように、各温度〔(50℃環境下、室温(25℃))で24時間放置した後、目視により、下記評価基準で逆流性を評価した。
評価基準:
◎:50℃環境下放置でも、インキ誘導管内に気泡混入なし
○:室温(25℃)では、インキ誘導管内に気泡混入なし
×:室温(25℃)でインキ誘導管内に気泡混入あり
【0040】
(流動曲線の評価方法)
25℃−65%環境下で筆記板(ホワイトボード)に1mの横線を50本筆記し(50m)、筆記前後の重量変化と筆記距離との相関関係(始めの50mの重量変化と終筆直前の重量変化)を、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:50mg以下
○:50〜100mg未満
×:100mg以上
【0041】
【表1】
Figure 0004104455
【0042】
上記表1の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜7は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、筆記向きによらず、良好な終点検知インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線の全てにおいて優れた筆記板用マーキングペンとなることが判明した。
これに対して、比較例1〜4は、インキ吸蔵体とペン先の保持力の差(T2−T1)が10mm未満であるため、これらの場合は、良好な終点検知インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線の全てを満足することができないことが判明した。
【0043】
〔実施例8〜13及び比較例5〜11〕
上記実施例1と同様の構成となる軸筒、インキ吸蔵体、インキ誘導管、ペン先、インキ組成A、B(上述の▲1▼〜▲6▼)を用いると共に、下記構成の中継芯を用いた図2に準拠する第2発明の筆記板用マーキングペンを作製した。
(中継芯の構成)
ポリエステル繊維束から構成した下記表2に示す保持力、気孔率、糸密度となるものを使用した。
【0044】
下記表2に示すペン芯、インキ吸蔵体となる組み合わせにより、各筆記板用マーキングペンを作製し、上述の各方法により、筆記向きを上向き筆記して、終点検知、インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線を評価等した。
これらの結果を下記表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0004104455
【0046】
上記表2の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例8〜13は、本発明の範囲外となる比較例5〜11に較べて、筆記向きによらず、良好な終点検知インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線の全てにおいて優れた筆記板用マーキングペンとなることが判明した。
これに対して、比較例5〜11は、インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T3−T1)が10mm未満で、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)が10mm未満であるため、これらの場合は、良好な終点検知インキ流量、消去性、インキ消費率、逆流性、流動曲線の全てを満足することができないことが判明した。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、筆記向きに関係なく、特に上向き筆記状態であっても、良好な流量、消去性を維持しつつ、インキ吸蔵体のインキが終了した時点でインキ終了サインを簡単に検知することができる筆記板用マーキングペンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本第1発明の実施形態を示す筆記板用マーキングペンの縦断面図、部分縦断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、本第2発明の実施形態を示す筆記板用マーキングペンの縦断面図、部分縦断面図である。
【図3】(a)及び(b)は、本第2発明の他の実施形態を示すツインタイプの筆記板用マーキングペンの縦断面図、部分縦断面図である。
【図4】本第2発明の他の実施形態を示すツインタイプの筆記板用マーキングペンの縦断面図、部分縦断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明において、インキ吸蔵体、中継芯、ペン先における保持力を測定する方法を説明する図面である。
【符号の説明】
A 筆記板用マーキングペン
10 軸筒
12 視認部
20 インキ吸蔵体
30 視認性を有するインキ誘導管
40 ペン先

Claims (6)

  1. 軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給するものであって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキを視認性を有するインキ誘導管へ供給すると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給し、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する機構を備えた筆記具において、上記インキは顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用インキ組成物からなり、かつ、上記インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2とした場合に、インキ吸蔵体とペン先の保持力の差(T2−T1)が10mm以上であることを特徴とする筆記板用マーキングペン。
  2. インキ吸蔵体とペン先の気孔率の差が15%以上である請求項1記載の筆記板用マーキングペン。
  3. インキ吸蔵体とペン先の糸密度の差が200d/mm2である請求項1又は2記載の筆記板用マーキングペン。
  4. 軸筒内のインキ吸蔵体に含浸されたインキを筆記部となるペン先に供給するものであって、上記インキ吸蔵体に含浸されたインキは中継芯を介して視認性を有するインキ誘導管へ供給されると共に、該インキ誘導管を介してペン先に供給され、かつ、インキ吸蔵体からのインキ終了サインを軸筒に形成した視認部を介して上記インキ誘導管を視認することにより検知する機構を備えた筆記具において、上記インキは顔料、樹脂、消去性付与剤を含有する筆記板用インキ組成物からなり、かつ、上記インキ吸蔵体の保持力をT1、ペン先の保持力をT2、中継芯の保持力をT3とした場合に、インキ吸蔵体と中継芯の保持力の差(T3−T1)が10mm以上で、かつ、中継芯とペン先の保持力の差(T2−T3)が10mm以上であることを特徴とする筆記板用マーキングペン。
  5. インキ吸蔵体と中継芯の気孔率の差が15%以上で、かつ、中継芯とペン先の気孔率の差が15%以上である請求項4記載の筆記板用マーキングペン。
  6. インキ吸蔵体と中継芯の糸密度の差が200d/mm2以上で、中継芯とペン先の糸密度の差が200d/mm2以上である請求項4又は5記載の筆記板用マーキングペン。
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