JP4605968B2 - コレクター式筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端に筆記部を有したボールペン、サインペン、マーカー、万年筆、小管式筆記具などのインクを直接保蔵するインクタンクと内部の圧力変化を吸収する溝状調節体であるコレクターを備えた所謂コレクター式筆記具の改良に関する。特にコレクター式筆記具の、航空機での使用など急激な圧力変化を伴う環境で使用する場合の吹き出しや直流の問題と、インクタンク内部に部品が入った場合の外観の不具合を解決する機構の改良に関する。
従来から存在するペン先1とインクタンク3の間にインクタンク3内の圧力を調整して直液状態のインク2を内蔵しつつペン先1の先端9からのインク漏れや空気孔10からの吹き出しを防止する内圧調節体であるコレクター6を備えた筆記具が知られている(第5図)。
コレクター式筆記具は、比較的低粘度のインク2をインクタンク3内からコレクター6に設けられた保留溝13や毛細管を利用した繊維に一時的に保留したり、インクタンク3に戻したりする事で内圧をバランスさせてペン先に圧力変化による影響がない状態に維持する機能を有している。
コレクター式筆記具は、インクの流量が多く、最後まで安定した筆記流量を確保でき、外観からインク2の残量を視認できる優秀な性能を有している。
実公平3−31580公報 実公平3−31581公報 特開平9−104194公報 特開平4−227886公報 実開昭59−184682号公報
しかし、コレクター式筆記具はインク2を直接内蔵して、コレクター6へインク2を出し入れすることから、コレクター6の内圧調整能力限界である最大保留容量をオーバーする環境ではインク2を保持するスペースがなくなり、筆記具の空気孔10から外部へインク2がでてしまい、指や服を汚す重大な欠点が存在している。これを解決もしくは少しでも安全性をアップさせるためには、コレクター6の容量を大きいものにする、或いはインクタンク3を小さくするなどの対策が考えられる。一般的な緩やかな温度変化等の環境下での使用では吹き出すことがないコレクター容量としたものが既に市販されている。
コレクター式筆記具は、現状でも安全性を考慮してやや太い軸となっており、これ以上太い軸にすると握りにくく、外観がスマートでなくなる問題がある。
インクタンク3を小さくした場合には、インク量が減って寿命が短くなる事になる。逆に、コレクター6を長くした場合には、ペン先1にかかるインクヘッドHは気液交換部18からペン先先端9の高さとなるため、通常のコレクター6を長くするとインクヘッドHが高くなって先端9からインク2が漏れる直流が発生する。
また、地上の約1気圧の状態でキャップをして、約0.8気圧前後といわれる航空機内の気圧変化された状態でキャップを開けた場合には、ペン体内部は1気圧でバランスしていた状態から0.8気圧前後の状態に瞬間的にさらされて内部のインク2がコレクター6の空気溝周辺を急激に噴流してしまう。そのため、保留溝13全体に十分にインク2を保持できずに空気孔10からインク2が噴き出してしまう。
この気圧変化の状態での吹き出しの問題を解決する目的で、実公平3−31580公報、実公平3−31581公報、特開平9−104194公報などの考案や発明がなされてきた。
しかしながら、これらでは噴流が直接空気孔に到達させない効果しかなく、さらに有効な改良や違う手段による解決策も望まれていた。
特開平4−227886公報などの空気供給管などを使用した発明も見られるが、従来の発明ではペン体を上向きにしてインク補給しないと連続して筆記をすることができない問題や、当初からインク量を半分しか入れられない問題などを有しており、消費者にはこの様な取り扱いに関して、又は当初からインク量が少ない件に関して説明をする必要がある。
消費者に全く注意点の説明の必要がなく、特に飛行機の乗り換えや低温の外気から暖房機の前などの急な加圧や減圧を繰り返す環境で使用されることも考えられるため、これらの繰り返しに対して有効な対策を有したうえで、低粘度のインク2を使用して書味の良い特長を生かしたままの優位な直液式コレクター式筆記具が求められている。
コレクター式筆記具において、筆記時にインク2を消費すると気液交換部18からはインクタンク3側に外気を取り入れて内部が減圧状態にならないようにしていることから、通常はコレクター6の後方は気泡が自由に移動できる空間が必要である。
従来の実開昭59−184682号公報などで見られるように、インクタンクの中にインク吸蔵体等の固形物をコレクターの後方に密状態で設けた場合には、気液交換部から発生した気泡がインクで濡れた状態のインク吸蔵体を抵抗なく通過しないとインク吸蔵体自体が第2の気液交換部になってしまう。その場合、筆記具内部の内圧が下がってしまい、カスレが発生するなどの筆記性の不具合が発生する。
上記の問題を解決するためには、コレクターの後方を密閉しない形状にする等の対策が必要である。しかしながら、コレクターの気液交換部は通常1カ所であり、この気液交換部の位置とインク吸蔵体の気泡通過部の位置をうまく合わせて組み立てなければならない問題が発生する。
また、内蔵するインク吸蔵体を小径として、その周囲にインクが出入りできるようにした場合には、吹き出しを有効に防止するため、やや細くなった分はインク吸蔵体の長さを長くする必要が生じる。しかしながら、インクが全くなくなっても、インクタンクが透明の場合、内部が見えてしまうことから、上述した部品がインクで濡れているとまだインクが残っているように見えてしまう錯覚などの外観の問題が発生する。
従って、これらの問題を解決する事が求められている。
また、コレクター式筆記具ではインクがなくなると急に書けなくなる問題があるため、インク量が少ない場合には予備筆記具を携帯しないといけない問題もあり、できれば終筆近くまではコレクター式筆記具の特徴であるたっぷりとした流量が続いて、最後のインクが見えなくなってからはメモ程度は筆記できるように、終筆時のわずかな期間は筆記流量暫減する中綿式のような性能が発揮できないかという終筆性の問題や、上向きで長期保管するとペン先のインクがドロップして筆記しにくくなるインクドロップ性の問題や、同様に上向きにしておくとインクがドロップして気液交換部が乾燥してしまい途中にインクを遮る部品があると下向きにした場合に気液交換部がインクで濡れないためコレクター式筆記具の本来の機能が発揮されず直流してしまう問題や、また、同じインク搭載量であってもコレクター式筆記具のインク流出量は従来の中綿式筆記具に比べ多く、筆記寿命が短くなるため、インクタンク容積は出来る限り減らしたくないという問題、などを解決する要望がある。
そこで本発明は、主に普及型のコレクター式筆記具の改良を目的としており、詳細には温度変化や気圧変化に対するインクタンク3内部の加減圧を吸収してペン先1の先端9からインク2が漏れ出す直流や、コレクター6の圧力調整能力をオーバーして空気孔10からインク2が出てしまう吹き出しによって消費者の服や指を汚す重大な事故を防止する筆記具を、使い方が特殊になるなどの構造をとらずに提供するという課題を解決することを目的としている。
特に、航空機内での使用や温度変化の激しい環境での使用に対するコレクター式筆記具の吹き出しやすい欠点を解決する事が望まれており、外観や筆記距離(寿命)を従来同様維持したまま上記の問題を解決したコレクター式筆記具を安価に提供するという課題を解決することが本発明の第1の目的である。
さらに上述の問題の解決をする手段としてインク吸蔵体31等の部品を追加した場合の、インクの流通や気泡の通過を規制しない流路の確保と共に、それらの部品が入ったことでインク残量の確認ができなくなることがない外観の問題、特にインク残量の確認性に影響を与えない構成を有した筆記具を提示することが本発明の第2の目的である。
また上向きで気液交換部が乾燥した状態から下向きで筆記する場合の気液交換部を素早くインクで濡らして直流を防止することが、本発明の第3の目的である。
終筆性の問題やインクドロップの問題なども解決できれば、さらに有効な筆記具を提供できる様になる。
一般的にコレクター式筆記具は、先端に筆記部9を有するペン先1にインクタンク3から低粘度(100mPa・s以下)インク2を筆記部9まで流路を確保するインク誘導芯(中芯8やコレクター芯7など)又はコレクター6,6aのスリット(縦溝14を先端までのばした場合)などのインク誘導部を有したボールペン、万年筆、小管式筆記具や、インク誘導芯(7,8)そのものがペン先1となるサインペンやマーカー類である。以下、インク誘導芯(中芯8やコレクター芯7など)には、自身がペン先となるものを含めるものとする。
尾栓などの別部品との組み合わせ又は一体で有底コップ状のインクタンク3と、ペン先の間には、複数の保留溝13(一般的には複数の羽12の間のスキマ)と外気へ通じる空気溝15と各保留溝13の間をインク連通させる細い縦溝14を有した、あるいはコレクター6,6aが繊維束であるものなど、毛細管力を利用してインク2を保留するコレクター6,6aを設け、コレクター6,6aに設けられた十分に小さいサイズの気液交換部18をインク2で濡らすことにより、インクタンク3と外気を遮断して気液交換部18以外では外気がインクタンク3内部に流通できない構造としてある。
本発明では上記の一般的なコレクター筆記具の構成を設けると共に、まず本発明の有効な手段としては、インクタンク3内部に後方の膨張した空気をコレクター6,6a側へ抜いてインク2へ圧力がかかるのを防止する通気部27を一体又は部品の組み合わせで備えるシュノーケル25を設ける。これはペン先1が下向きの状態において、インク2がある程度消費されインクタンク3内部に占める空気の量がある程度存在する場合に吹き出しを有効に防止する手段となる。
またシュノーケル25に一体又は別体でインクタンク3をほぼ分断する区画部26を設けて、シュノーケル25の通気部27から通気しやすくする。区画部26には適宜通気部27よりは通気しにくいサイズのインク導通部30を設ける。
筆記時にコレクター6,6aの気液交換部18から空気置換された外気が気泡となってインクタンク3に流れ込んだ場合に、インク吸蔵体31やシュノーケル25等によって気泡が抵抗をほとんど受けることなく後方の空間へ移動できるように、該コレクター6,6aとシュノーケル25の間に空隙部42を設ける事は望ましい。その空隙部42は筆記具の周囲が相対的に減圧状態である場合に筆記具のインクタンク3内部の相対的に高い内圧を逃がす通気路ともなる。
本発明の有効な第1の手段としては、シュノーケル25をコレクター6,6aと同じ濡れ性となるように構成したものである。具体的な手段としては、シュノーケル25をコレクターと同じ材質で成形するか、もしくはコレクター6,6aと同じ濡れ性になるようなコレクター6,6aと同じ濡れ性改質処理を行う。コレクター6,6aは通常はABS、AS、PS、PP、PET及びこれらに界面活性剤など各種添加剤を混練りしたものなど耐インク性のある材質で成形され、さらに一般的には表面のインク濡れ性を改善する目的でプラズマ処理、硫酸クロム酸混液などの化学処理などを利用した親水処理を行うことは従来から行われてきた。本発明のシュノーケル25も同様の材質又は表面改質処理を行うことで、インク2の濡れ性がよくなり、筆記時の気泡が移動しやすくなる事から筆記性に影響が出ない効果と、インクタンク3内の部品上にインク2が極薄く表面に濡れ広がることでインク残量がない場合の外観の問題の改善が期待される。
本発明の有効な第2の手段としては、シュノーケル25をインクタンク3と同じ濡れ性となるように構成したものである。具体的な手段としては、シュノーケル25をインクタンク3と同じ材質で成形するか、もしくはインクタンク3と同じ濡れ性になるような同じ濡れ性改質処理を行う。インクタンク3は、通常はAS、PS、PP、PET及びこれらにテフロン粒子など各種添加剤を混練りしたものなど耐インク性のある材質で成形され、表面のインク濡れ性を悪化させてはじく目的のものである。特に、従来より油性ボールペンのチューブ等では表面が濡れにくいPP樹脂で成形したり、さらにシリコーンオイルやテフロンコーティングなど撥水処理されることは従来行われてきた。本発明のシュノーケル25も同様の材質又は表面改質処理を行うことで、インク2の濡れ性が悪くなり、筆記時の気泡が通気部27に入りやすくなって筆記性に影響が出ない効果と、インクタンク3内の部品がインク2をはじくことでインク残量がない場合の外観の問題の改善が期待される。
本発明の第3の手段としては、インクタンク3の内部にインクタンク3からペン先1へインク2を誘導可能とするために設けた中芯8,コレクター芯7又は縦溝14に接続したインク保持可能な中綿、スポンジ、繊維束、発泡体などのインク吸蔵体31を内蔵した。
インク吸蔵体31は、少なくともインクタンク3の略中央よりも後方まで位置しており、少なくともインク吸蔵体31の前方及び後方の両方からインク2を吸収可能とした。
インク吸蔵体31としては、一般的な繊維を接着剤や熱により固定、成形した繊維束芯や柔らかい繊維や連泡スポンジを、非吸液性の外皮で巻いた中綿が使用できる。有効にインク2を消費するためには、中芯8,コレクター芯7よりも毛細管力を小さくするなどの手段を適宜選択する事が望まれる。
本発明の第4の手段としては、インク吸蔵体31の外皮35をインクタンク3又はシュノーケル25と同じ濡れ性となるように構成したものである。具体的な手段としては、外皮35をシュノーケル25又はインクタンク3と同じ材質で成形するか、もしくはシュノーケル25又はインクタンク3と同じ濡れ性になるような上述した同じ濡れ性改質処理を行う。この様な構成とすることで、インク濡れ性による外観の問題が発生することがない。
本発明の第1実施例である筆記具本体の全体を示す縦断面図である。 本発明の第1実施例である筆記具のコレクター6aの仕切部19Aの斜視図である。 本発明の第1実施例である筆記具の後方拡大縦断面図である。 本発明の第1実施例であるコレクター6aの上方外観図である。 従来の筆記具を示す縦断面図である。
以下、図示した実施例について詳説する。尚、前記した構成と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第1図に示すように本発明の第1の実施例の筆記具は、まず先端にボールの筆記部9を有するペン先1にインクタンク3からのインク2を筆記部9まで流路を確保するインク誘導芯として中芯8やコレクター芯7のインク誘導部を有したボールペンである。
ペン先1には既に述べたようにサインペン、万年筆、小管式筆記具等各種の筆記具のペン先1を応用できる。一体又は尾栓等の部品との組み合わせで有底コップ状のインクタンク3と、ペン先1の間には、複数の羽12を設けてそのスキマを複数の保留溝13として機能させ、外気へ通じる空気溝15と各保留溝13の間をインク連通させる細い縦溝14を有したコレクター6aを設けた、所謂コレクター式筆記具である。
このコレクター6aは、従来から用いられている横方向の保留羽12を用いたものなど、いずれにしても毛細管力のバランスで加減圧による変化をインクを一時保留する事で調整する機能と、気液交換部18の小径メニスカス機構を利用してインクタンク内部を相対的に減圧としてペン先1の内部にはインクヘッドが余分にかからない機能とを有した部品である。
コレクター筆記具では直液状態のインク2をインクタンク3内部に保蔵すると共に、コレクター6aに設けられた十分に小さいサイズの気液交換部18をインク2で濡らすことにより、インクタンク3と外気を遮断して気液交換部18以外では外気がインクタンク3内部に流通できない構造としてある。
コレクター6aは、通常はプラズマ処理や硫酸クロム酸混液等の化学処理や成形樹脂中に濡れやすい石鹸成分などを混練りでの濡れ性改善や表面コーティングなどでインク2に対して濡れやすくする処理をする。その他のクチプラ5,継手4、キャップ(図示せず)、及びインク2などは特に本発明により限定されるものではなく、従来から用いられているものが適宜選択可能である。インク2も同様に、水、アルコール、キシレン、各種グリコール系溶剤類、各種エーテル系溶剤等の各種溶剤のものや、染色剤としての顔料インクや染料インクのものや、やや粘度や擬塑性を付与したインクなど、コレクター式筆記具として使用可能なものが適宜選択可能である。
コレクター筆記具は、いずれも圧力変化に対してバランスする機能を利用して直液状態のインクを内部から漏れ出さないようにする機能を有している。インクタンク3の内部の内圧が変化すると気液交換部18を介してインク2がコレクター6aの保留溝13へ入ったり、逆に気液交換部18から空気がタンク3内に入ったりして内圧のバランスをとって、ペン先1の内部への圧力はインクヘッドH以外にはほとんどかからないようになっており、気液交換部18のメニスカスによりインクタンク3側を実質的には外気よりも減圧状態とするメカニズムでペン先1からの直流を防いでいる。
気液交換部18のサイズを小径にすれば内圧を低くする事が可能となりインクの漏れだしを防止しやすくなるが、同時に筆記に対してもインクが流れにくくなるため、気液交換部18のサイズは一般的には0.05mmから0.2mm程度のサイズとなっている。
気液交換部18は、溝形状のものや、繊維束芯である中芯やコレクター芯を綿で設けた場合などでは、繊維間のスキマが気液交換部18となる。
一般的に、筆記時のインク消費によりインクタンク3内部のインク2の量がコレクター6の最大保留できる量よりもやや多いインク残量の時がインクタンク3内の空気膨張が最も多く、外気の加減圧や気温変化によるタンク3内部空気の膨張収縮がある場合でも、コレクター6内にインク2が充満して空気孔10からインク2が吹き出す不具合が起こらないように従来のコレクター筆記具では設計されている。一般的には、インクタンク3の大きさとコレクター6の最大インク保留容量iとの間には相関関係が成り立つ知見が得られており、従来より通常はインクタンク容積の10%から30%程度の最大インク保留容積となるように設計される。
一般的に、最大インク保留容積をインクタンク3のサイズに比較して大きな比にしていけば吹き出しに関する安全性は向上するものの、コレクター6の長さをあまりにも長くした場合にはペン先1へかかるインクヘッドHが大きくなってしまい、ペン先からの直流の問題が発生する。
コレクター6の径を大きくすると、軸サイズが太くなってしまって握り部の太さの問題や外観のスマートさに影響が出やすい。
また、インクタンク3を小さくすると、インク容量が減少してしまい、筆記距離が短くなるなどの問題がある。
そのために、本発明の実施例では第1図のように主要部保留溝16に追加した補助保留溝17を設けてインクヘッドHを増加させずにコレクター容量を増加させた。
補助保留溝17部分(仕切部19)の斜視図を第2図に示す。
補助保留溝17は、インク保留量を増大させる為に仕切部19Aに設けられている。
仕切部19Aは、気液交換部18を設けた最先端仕切部19cとインクタンク3に面する最後端仕切部19dと、該最先端仕切部19cと最後端仕切部19dとを接続する仕切部延伸部19aを有している。第2図に示す斜線の部分がインクで濡れ、外気と遮断される。空気のインクタンクへの出入りは気液交換部18で行われる。
補助保留溝17には、外周面に所定間隔を設けて鍔状に起立するフィン状の羽12aを複数枚設けることでスキマとなる保留溝13aを形成している。本実施形態では、係る羽12aを所定間隔を隔てて6枚に設けて、補助保留溝17を形成している。
仕切部19Aは、気液交換部18(溝又は孔)と共にインク2で濡れることによりインクタンク3内部と外気とを実質的に遮断でき、筆記時、空気置換する場合には気液交換部18のみが空気置換する構成としたものである。
仕切部19Aは、意識的な溝や孔がないものや、細い溝や孔を設けたとしても気液交換部18のサイズよりも十分小さいサイズのものであれば、インク2で一旦濡れてしまえばその部分は空気置換をすることはなく、実質的に遮断されていると見なすことができる部品の構成や組み合わせとすればよい。
仕切部延伸部19a、最後端仕切部19dと最先端仕切部19cに囲まれた部分には、空気置換した気泡が気液交換部18からインクタンク3側に移動可能な通路となる包囲部19bを設けている。
包囲部19bは、空気置換により発生した気泡がインクタンク3側に移動するためのやや幅広の溝や切り欠きや孔であり、通常は筆記具をペン先側下向きにした場合には、インク2で充満されている形状のものが望ましい。本実施形態の包囲部19bの形状は、気液交換部18側からインクタンク3側に従って、コレクター6aの軸の半径方向の幅が徐々に増加するような空間に形成している。このように、包囲部19bの形状を気液交換部18側からインクタンク3側に従って開口面積を徐々に広げてゆくと、開口面積を同一にした場合に較べて気液交換部18から発生した気泡をより容易にインクタンク3側に移動させることが可能となる。
さらに、包囲部19bには、横溝22と気液交換部18へとインク2を導く幅狭溝21を設けている。
幅狭溝21は、主要保留溝16に接続される細長い縦溝14とほぼ同じでインク2を導入、接続する作用をするため、縦溝14と似たサイズや形状とすればよいが、切り欠きや孔等、インク2を横溝22にも連通できる機能が発揮される形状であれば部品を組み合わせていてもよい。
さらに、横溝22から保留溝13aにインク2を誘導するために、仕切部延伸部19aの外周面には、保留溝13aと略同一幅の溝状の仕切部溝23を形成している。
さらに、包囲部19bには、幅狭溝21からインク2を仕切部溝23へ誘導可能とするために、幅狭溝21から仕切部溝23を結ぶ横溝22を設けている。
横溝22は、インクタンク3側から幅狭溝21によって導入されたインク2を補助保留溝17と連通させるための機能を有する溝、切り欠き、孔、複数の部品の組み合わせによるスキマなど実質的にインク2を補助保留溝17へ誘導できる構成や形状であればよい。
また、本実施の形態では包囲部19b側から補助保留溝17側にインク誘導性を高めるために、仕切部延伸部19aのエッジ部分を削除して、面削ぎ部24を形成している。
面削ぎ部24は、包囲部19b側から補助保留溝17側に向かうに従って開口面積を狭くするように形成されている。
本実施形態では、インクヘッドHは気液交換部18からペン先1の筆記部9までであり、従来のコレクター筆記具と変わらないことから筆記部9からのインクの漏れだしである直流は発生しない。
インクタンク3内の空間が膨張収縮した場合の調整能力であるコレクター6aの最大インク保留量iは、従来のコレクター6に比べて補助保留溝の最大インク保留量ieの分だけ増加していることから、加減圧や温度変化に対しての対応能力が上がったコレクター式筆記具となっている。
本発明の補助保留溝17とインクタンク3内部のインク2とを連通させる目的の、幅狭溝21、横溝22及び仕切部溝23などで構成されるインク導排出構成によって、急な加減圧の場合にインクタンク3のインク2が、コレクター6aの主要部保留溝16に流れると同時に補助保留溝17へ流れる。よって、従来のように全てのインク2が空気置換部18のみを経由して勢いよく吹き出すのではなく、補助保留溝17にも流れることで結果的に噴流を緩和することができる。
また、補助保留溝17、横溝22、仕切部溝23及び幅狭溝21の構成によって上述した外気の急な減圧の場合に、補助保留溝17にインク2が流入できることで主要部保留溝16に流れるインク量を減少させると共に噴流を弱めることができる。
また、外気の急な加圧状態の時には、補助保留溝17内のインク2が補助保留溝17、横溝22、仕切部溝23及び幅狭溝21の構成によってインクタンク3に戻ることが気液交換部18から戻るよりも容易にできるので、さらに加減圧を繰り返しても改めてインク2を保留することが可能なコレクター6aのインク保留量が確保されやすい事から、吹き出しに対する許容量を増加させることが可能となる。
仕切部19Aはやや変則的な形状となり、組立時や長期上向きでコレクター端面部が乾燥した場合などでは、当該部分をインク2で同時に濡らすには困難な場合が生じる。そこでこの部分を安定してインク2で濡らして実質的にインクタンク3と外気との間を遮断する目的で、インクを誘導する幅狭溝21とそれに連接して補助保留溝17までインク誘導が可能となる横溝22と仕切部溝23とを設け、幅狭溝21がインク2で濡れると仕切部19Aはすべてインク2で濡れる構成としている。
また、最後端仕切部19dには、導出部39をコレクター6aと一体に設け、幅狭溝21に連続する導出溝40を備えたツノ状の突起部41をインク吸蔵体31の前端内部に挿入した構成とした。
突起部41を設けることで、インク2を消費してインクタンク3内部の直液状態のインク2がなくなった状態かつインク吸蔵体31にはほぼ100%のたっぷりとしたインク2が保蔵されている状態でペン先1を下向きにしたとしても、インク吸蔵体31内部のインク2をコレクター6aの気液交換部18に流すことができる事で気液交換部18のメニスカスを形成し、直液状態のインク2が存在している時と同様のペン先1へのインクヘッド高さHとすることができるために直流を防止できる。
また、最後端仕切部19dには、スペーサー部44を設けている。これにより、空隙部42が形成され、気液交換部18からの気泡がスムーズにシュノーケル25の通気部27を通過してインクタンク3の後方に抜けることが可能となるものである。
該スペーサー部44は、コレクター6の後端部のごく一部に設けたり、気泡通過溝45(第2、第3図)を設けたりして、気泡が移動できるような空隙部42(第2、第3図)を備える形状とした。
また、スペーサー部44にはインク吸蔵体31の前方との受け面47(第3図)を設けることにより、インク吸蔵体31のコレクター6a側への移動を規制可能とした。
スペーサー部44のサイズは、気泡が通過できる空間があればよいが、あまり大きくしすぎるとインク吸蔵体31の長さが短くなる、筆記時にインク2が前タンク37側に流れてこなくなりやすいなどの小さな問題が発生する可能性があり、あまりサイズを小さくすると気泡の通過ができなくなる問題が発生する。一般的なコレクター筆記具の気液交換部18の幅は0.05mmから0.25mm程度のスリット状の縦溝であり、そこから発生する気泡は気液交換部18よりも大きくなるが最大でもφ1.5mm程度、通常はφ1mm前後の気泡が発生する事から、空隙部42の大きさは約1mm前後から3mm程度の大きさとすることが望ましい。
従来、航空機での使用のように、地上での約1気圧と約0.8気圧といわれる飛行中の機内との間で使用を繰り返されると、コレクター式筆記具ではコレクター6内に急激に入ったインクが噴流となって十分に保留することなく吹き出したり、急に外気が加圧状態となるとコレクター6内のインク2をタンク3に戻す事なく空気だけがタンク3に入ってしまう。特にこれらを繰り返すとコレクター6の保留溝13は順次インク2を蓄積した状態となって吹き出したり、吹き出さなかったものでも体温程度のわずかな温度上昇でも吹き出してしまう現象による欠点を解消することが望まれてきた。
本発明の第1実施例では、有効な構成として、まずインクタンク3を実質的に分断する区画部26を設け、ペン先1が下向きの状態で、インクタンク3内部の空気が膨張した場合に、この空気を抜いてインク2はタンク3内部に極力残す様になるシュノーケル25を設ける。
シュノーケル25には、インクタンク3を分断する区画部26と管状の通気路である通気部27を備え、コレクター6aの後端側に開口する前方開口28(第1、第3図)とインクタンク3の略中央付近もしくはより後方に開口する後方開口29(第1図)を通気部27で通気する。
区画部26は、インクタンク3の内壁に圧入して前タンク37と後タンク38に実質的に分断している。
区画部26には、通気部27のサイズよりも十分に小さい溝や孔であるインク導通部30を1カ所(望ましくは通気部27よりも小さいサイズで複数箇所)に設けた。尚、インク導通部30はインクタンク3の内壁側、或は区画部26とインクタンク3の内壁側の両方に設けてもよい。また、インク導通部30は、複数箇所に設けてもよい。
この様な構成のシュノーケル25を設けることで、インク量が減少した状態で、ペン先1を下向きにした場合には、インクタンク3内部のインク2は区画部26で区画された後タンク38側からインク導通部30を通過して前タンク27側に移動可能である。つまり、区画部26でタンク3を分断はしているが実質的にはインク導通部30により遮断はしていないので、連続的に筆記したりコレクター6側にインク2を移動したりすることが可能である。実際に試作して確認しても筆記状態ではインク2は前タンク27側に移動してくる事は確認できた。ゆっくりとした気圧や温度の変化状態では、従来同様コレクター6a等を設けることで、十分にコレクター6aのインク保留能力を発揮することができる。
航空機での使用や低温と高温の環境間での使用においては、内部のインク2の揮発防止のためのキャップによりシールして移動される。航空機での使用を例として説明すると、通常は約1気圧の地上で使用され、その1気圧に対応したインクタンク3の内部の圧力となった状態でキャップされてその内圧状態を維持する。航空機に搭乗し約0.8気圧の減圧状態で筆記具を使用する時には、キャップをまず開ける。この時には筆記具の内圧は約1気圧の状態から急激に0.8気圧の環境に開放されたことになり、インクタンク3の内圧は航空機内の気圧より相対的に高くなっているので、コレクター式筆記具では急激にインク2が気液交換部18を経由してコレクター6の内部を噴流となって噴出する。
シュノーケル25を設ける本発明の構成では、内圧が相対的に高くなった状態のタンク3内部の空気を通気部27によって優先的にコレクター6a側に逃がす事ができる。前タンク37周辺のインク2も同時に流れ込んでくるが、その容量は十分に小さく、吹き出しを防止することが可能である。
コレクター式筆記具の通常の使用状態では,筆記によって流出したインク2と同量の空気が気液交換部18からインクタンク3側に気泡として入り、また、通常キャップした状態では上向きでポケットに収容されるか鞄に横向きで保管される事から、一般的には前タンク37はインクが存在しない状態となっていることが多く、急加減圧時にコレクター6a側に流れ込むインク2がほとんど無い状態、つまり吹き出しにくい状態である可能性が高くなる構成となっている。
筆記具内部で急激なインク2又は空気の移動がある場合には、区画部26によりインク2が直接コレクター6aに到達することができず、通気部27と通気部27よりもサイズの小さいインク導通部30の間で十分に流路抵抗に差があれば、急激な移動であればあるほどインク2や空気が流れやすい方にのみ流れが発生する。インクと空気では同じサイズの通路でも、空気の方が遙かに流れやすい。つまり急激な変化では空間に開口した通気部27から空気が抜ける方が、下向きの状態でインク2で濡れているインク導通部30をインク2が流れていくよりも流路抵抗が遙かに少なく、結果的には急な加減圧時にはほぼ空気だけがコレクター6a側に流れる構成となっている。
通常、キャップ後はペン先1が上向きの状態で長時間放置されることから、インク量が減少したときにはコレクター6a周辺は空間となる可能性が高く、筆記しようとして下向きにした状態では、既に述べたように時間をかければインク2が流れ出て気液交換部18まで濡らすことはできるが、区画部26によって容易には(最大で数分程度)コレクター6a側にインク2が流れてこない場合がある。この時には気液交換部18がインク2で濡れないことから、コレクター6aの気液交換部18をインク2で濡らすことでメニスカスによってインクタンク6a内を外気よりも減圧状態としてペン先からの直流を防止するコレクター式筆記具の機能が満足できない場合が発生してしまう。この様な場合の直流の不具合を解決するために本発明では、インクタンク3側から気液交換部18までの下向きの場合のインク2の流れを確保できるようにシュノーケル25をコレクター6aと同様にインク濡れ性の良い材質で成形又は濡れ性改質処理したものである。具体的には、第1の実施例ではシュノーケル25をプラズマ処理にて濡れ性改質した。この様にすることでインクタンク3内部に内蔵されるシュノーケル25の表面をインクが濡れ広がることが可能となって気液交換部18を濡らす事が容易となる上に、筆記時に発生した気液交換後の気泡移動もスムーズになり、筆記性に悪影響を与えることがない。
さらに本発明の構成では、インクタンク3内にインク2に浸積された状態の部品を内蔵するため、それらの部品にインク2が付着した状態では、まだインク2が残っているかのような外観を呈する不具合が発生する場合がある。この外観の問題を解決するためにも、シュノーケル25をインク濡れしやすい材質や処理を行うと有効である知見が得られた。つまりインク2が全て無くなった場合でも部品表面は濡れやすくなっていることからコレクター6a後端や筆記のための中芯8,コレクター芯7等へインク2を流す効果が高くなるために部材表面へのインク付着量が減ることと、付着したインク2が部材表面に非常に薄く広がることからインク2の色力が無くなって部材本来の色が見えるため、インク2が残っている様に見える錯覚現象が起こらない為である。
第2の特徴的な構成としては、インク保持可能な吸蔵体31を上述したシュノーケル25と共に設けたことである。本発明者は既にインク吸蔵体31をインクタンク3内に設けることにより、インク2の量を減らすことなく、インク2を消費してインクタンク3内に空間ができた場合に、その空間の容積を減らす効果(以下、「容積減少効果」という)があることを発明している。
インクタンク3は、通常はインク残量の視認性やインク揮発防止性などを考慮してPP、PE、PET、PS、ASなどの透明樹脂で成型される。ただし、インクタンク3は表面にインク2が濡れやすいと、インク2が残っている場合の内部のインク残量視認性が悪い場合がある。PP、PEなどの場合は臨表面張力が低くインク濡れ性が悪いためインク2をはじいて視認しやすいが、PS、ASなどではインクに濡れやすいためシリコーンオイル処理やテフロンコーティング処理や材料に撥水性の添加剤を混りした材料で成形することが行われる。上述の知見を応用して、シュノーケル25又はインク吸蔵体31の外皮35を、撥水処理もしくはPPなどで成形して確認したところ、インク2ははじかれてインク滴となってコレクター6aの後端等に流れて、インクが残っているかのような錯覚は起こらない外観とできる知見が得られた。インク2をコレクター6a側に落ちやすくする流路や溝などの手段が確保できる場合にはこの様な撥水(撥インク)処理を施すことも可能である。
上述したように、本発明では急な加減圧の場合の空間の膨張量自体を減少させることで吹き出しの勢いを弱め、コレクター6a側に流れ出す量を減らすことが可能となる。構成としては、中綿などのインク吸蔵体31を、シュノーケル25の通気部27を塞がないように設けた。インク吸蔵体31の容積減少効果を発揮するためには、インクタンク3の略中央周辺又はそれよりも後方まで延びた長さをインク吸蔵体31は有している必要がある。これにより、インク2を吸蔵した状態ではインクの搭載容量は減らさずに後方の空間を占有する事で実質的には加減圧時の空気膨張を減少させることができる。
更に、インクタンク3の外部からインク残量が視認確認できるという直液式筆記具の利点を生かすため、インク吸蔵体31の径方向周辺の少なくとも一部の空間にインク2が自由に出入りする必要があり、このためインク吸蔵体31の外径はインクタンク3の内径よりも十分に小さくした。
(作用)
実施例に於いて、本発明の作用を説明する。
本発明の構成とすることで、従来のコレクター筆記具の温度変化による比較的ゆっくりとした内圧変化に対応してインクが吹き出すことのない作用はまったく同様に有しているばかりでなく、航空機での使用時を考慮した急激な圧力変化した場合に、タンク中の空気を抜くことでインクタンク側からコレクターにインクが急激に流入する事を防止する作用を有している。
また空気が抜けることから仮にインクが流れてもインクの噴流の勢いを弱めることができ、繰り返して加圧減圧の環境で使用されてコレクターにインクが蓄積されてしまう問題も解決することが可能となる事で、総合的にコレクター筆記具の吹き出しや直流の事故を防止する作用を有している。
インク吸蔵体と組み合わせて使用することで、本発明の膨張した空気を極力筆記具の外部へ逃がす作用とインク吸蔵体の容積減少効果との相乗効果によって、吹き出しに関する問題が発生しにくい筆記具とできる大きな作用を有している。
さらに小さなインク吸蔵体を有していることからペン先を上に向けた状態でのインクドロップの問題も解決可能であると共に、筆記寿命の最後の100m程度はインク吸蔵体31があるためごくわずかには筆記可能にできる事から、直液式筆記具での急にかけなくなってしまう終筆性の問題も解決できる作用を有している。
本発明の構成とすることで、気液交換部18からの気泡がスムーズに流れる空隙部が常に確保されてコレクター式筆記具の有する優秀な筆記性能を阻害することが無く、インク2が部材表面を流れる構成を確保している場合には気液交換部18を常時濡らすことでコレクター式のメニスカスによる直流防止機能の安定化や筆記性の安定化をもたらす作用を有している。
さらに本発明の材質、表面改質処理を施した部材を用いることで、インク2の濡れ性を変化させる作用を有していることから、インク2がないにも関わらずインクタンク3内部にインク2が残っているかのような錯覚を起こすことがない作用を有している。この様な作用を有していることから何ら問題が発生することがなく、急激な内圧変化の調整を行い、どの様な状況でも現在の筆記具の使用環境では吹き出しや直流の問題が発生しない筆記性に優れ外観の良い筆記具とできる作用を有している。
本発明の筆記具の構成及び作用は以上の如くであり、細身で外観が良く、筆記性の優れた筆記具とする事ができる。
航空機による加減圧下や、温度変化、キャップによるポンピング現象による吹き出し、落下等による筆記異常やペン先からの直流現象、が発生しにくくなり、安全かつ安定した筆記性を確保できるようになる。特に、航空機を乗り継いで筆記をするビジネスマンが使用するような航空機の減圧環境を繰り返し受ける環境でも吹き出しや直流の事故のない筆記具とすることができる。
さらにインク吸蔵体と組み合わせることで、さらに安全性が増すだけではなくインクドロップの問題や終筆性の問題も同時に解決できることから従来のコレクター筆記具と比較しても上述のような有効な効果があり、航空機での使用を満足させるための部材による不具合が発生せず、製造が容易で、安価で外観の良い、長期保存性や終筆時のインク残量確認性に優れた安全なコレクター筆記具を提供できる効果がある。
尚、上記した実施例では、最良の形態として補助保留溝17を設けたコレクター6aを用いて説明したが、本発明を補助保留溝17を設けないコレクター6に適用しても同様の作用効果を得ることができる。
航空機による加減圧下や、温度変化等の環境化で使用するコレクター筆記具に利用できる。特に、航空機を乗り継いで筆記をするビジネスマンが使用するような航空機の減圧環境を繰り返し受ける環境で使用する筆記具に利用できる。

Claims (3)

  1. 先端に筆記部を有するペン先と、内部に低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクと、インクタンクからペン先までのインク誘導部とを有し、インクタンクとペン先の間に複数の溝へ内圧調整時にインクを保蔵する調節体であるコレクターを有した筆記具に於いて、
    インクタンク内部には、インク導通部を除きインクタンクを前タンクと後ろタンクに実質的に分断する区画部と、該区画部の前方と後方のそれぞれの空間を通気可能な通気部と、を一体又は別部品で備えたシュノーケルを設け、
    該インク導通部は、通気部より通気しにくいサイズで、区画部、インクタンク内壁、又は、区画部とインクタンク内壁の両方に設けられ、
    該シュノーケルの通気部は、気泡が通過することが可能であり、且つ、コレクターの後端側に開口する前方開口とインクタンク略中央付近もしくはより後方に開口する後方開口を備え、
    該シュノーケルをコレクターと同様の濡れ性となる様に、コレクターと同材質にて成形、又はコレクターと同様の表面改質処理を施した事を特徴とするコレクター式筆記具。
  2. 先端に筆記部を有するペン先と、内部に低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクと、インクタンクからペン先までのインク誘導部とを有し、インクタンクとペン先の間に複数の溝へ内圧調整時にインクを保蔵する調節体であるコレクターを有した筆記具に於いて、
    インクタンク内部には、インク導通部を除きインクタンクを前タンクと後ろタンクに実質的に分断する区画部と、該区画部の前方と後方のそれぞれの空間を通気可能な通気部と、を一体又は別部品で備えたシュノーケルを設け、
    該インク導通部は、通気部より通気しにくいサイズで、区画部、インクタンク内壁、又は、区画部とインクタンク内壁の両方に設けられ、
    該シュノーケルの通気部は、気泡が通過することが可能であり、且つ、コレクターの後端側に開口する前方開口とインクタンク略中央付近もしくはより後方に開口する後方開口を備え、
    該シュノーケルをインクタンクと同様の濡れ性となる様に、インクタンクと同材質にて成形、又はインクタンクと同様の表面改質処理を施した事を特徴とするコレクター式筆記具。
  3. インクタンク内部には、インクタンクからペン先へインクを誘導する中芯又はコレクター芯に接続するインク保持可能なインク吸蔵体を設け、
    該インク吸蔵体は非吸液性の外皮を有すると共にインクタンクの少なくとも略中央よりも後方に位置する長さで前方開口と後方開口からインクを吸収可能とした上で、該インク吸蔵体の外皮はシュノーケル又はインクタンクと同じインク濡れ性となる様に、シュノーケル又はインクタンクと同じ材質で成形、あるいはシュノーケル又はインクタンクのいずれかと同じ表面処理を施した事を特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のコレクター式筆記具。
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