JP4605969B2 - コレクター式筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端に筆記部となるペン先を有する、ボールペンやサインペンや万年筆などの筆記具において、インクを直接保蔵するインクタンクと、内部の内圧を調整する毛細管現象を利用した複数枚の羽状調節体であるコレクターと、インクタンクからペン先までインクを誘導する手段を備えた直液タイプコレクター式筆記具の改良に関する。特に製造直後の不具合の改良と、使用時の温度変化や気圧変化に対応するコレクターの圧力調整力向上の改良に関する。
従来よりペン先とインクタンクとの間に、インクタンク内の圧力を調整して直液状態のインクを保持しつつペン先からのインク漏れや空気孔からの吹き出しを防止する目的でコレクターを備えた筆記具が知られている。
繊維束の中綿に数mPa・の低粘度インクを含浸させてペン先までインク誘導中芯を介してインクを誘導するようにした、いわゆる中綿式ペンも知られている。しかしながら、インクの消費が分からず、また、初期はインク流量が多く濃い描線が得られるが、筆記とともに徐々に流量が減少してしまい薄い筆記描線となる問題を抱えている。中綿からのインクの導出を良くするには中綿の毛細管力を弱める設定とすればよいが、落下等の衝撃によってインクが中綿から漏れだして服を汚す吹き出しの発生率が上がってしまったり、逆に中綿の毛細管力を上げると筆記に従ってインク流量が極端に落ちてしまい、寿命後半ではインクが十分に残っているにもかかわらず筆記描線がかなり薄くなるという吐き出し性の問題も抱えている。
コレクター筆記具は、インクの流量が中綿式筆記具の初期と同等以上で多く、筆圧をかけないでも終筆までインク流出量が暫減することなく濃い描線で筆記可能となる、インク量を多く搭載できる、直液状態のインク残量が視認できる等の特長を有している。
コレクター筆記具では、第7図、第8図に示すように、外気の大気圧変動や温度変化によるインクタンク3内の膨張収縮が起こるとコレクター6とインクタンク3との間でインク2を移動(又は細い縦溝14、気液交換部18から空気をタンク内に入れる)し、内圧を調節することで、ペン先1の先端9からインク2が漏れ出す事を防止している。インクタンク3の容量が大きければタンク3内の空間の膨張収縮も大きくなるため、インクタンク3容量とコレクター6の最大インク保留容量はある一定の関係が見られており、従来よりインクタンク容量の10%前後以上のコレクター容量とした発明や市販品が存在している。
温度変化や気圧変化や標高差など減圧と高圧が繰り返されると、吹き出し現象が生じる欠点がコレクター筆記具には存在しているが、従来は気温が20゜C前後の室温から外気で考えられる最大温度50゜C程度の昇温をクリアすれば、ほとんど問題ない性能となっていた。しかしながら、冬の外気から暖房機の前で筆記具を使用する場合などでは0゜Cから50゜C前後の急激な昇温に関して吹き出し現象が生じるなどの問題が発生する場合が生じていた。
吹き出しの問題を解決するためには、コレクター6のインク最大保留を大きくする(径、長さを大きくする)、インクタンク3を小さくするなどの解決策が考えられるが、軸サイズが大きくなって外観の問題が生じたり、インク量が少なくなって寿命が短くなりコストパフォーマンスが落ちる、コレクター6を長くしすぎて、気液交換部18からペン先1の先端9までの距離(以下、「インクヘッドH」という。)が長くなって、直流しやすくなったり、インク2によって解決するには極端に濡れにくいインク2としなければならず筆記性を犠牲にしなければならない、などの欠点を有していた。
また、コレクター筆記具は地上の約1気圧状態でキャップをして約0.8気圧程度といわれている航空機内の気圧変化された状態でキャップを開けた場合には、ペン体内部が1気圧から外気の0.8気圧前後の状態に瞬間的にさらされて内部のインク2が急激にコレクター6内の空気溝15を噴流してコレクター6の保留溝13に十分にインク2を保留する事なく空気孔10からインク2が吹き出してしまう問題を抱えている。
この気圧変化状態での吹き出しの問題を解決する目的で特許文献1、特許文献2、特許文献3などの考案や発明が従来より提案されている。これらの考案や発明は、コレクター内で噴流をわずかに弱める効果しかない。
実公平3−31580号公報 実公平3−31581公報 特開平9−104194号公報
コレクター筆記具は、気液交換部18をインク2で濡らす構成、及び十分な毛細管力を有する気液交換部18のみからインク2あるいは空気を置換する構成となっている。気液交換部18の細い毛細管力によるメニスカスの作用で、インクタンク3側内圧が実質的に減圧されるので下向きにしてもインク2が流れ出ないメカニズムを利用した筆記具である。
このことから、組立時にはコレクター6の後端周辺にある気液交換部18とその周辺の仕切部19をほぼ同時にインク2で濡らす必要がある。十分にインク2で濡れず遮断が不十分であると、気液交換部18以外の部分から空気がインクタンク3側に流入してしまい、この状態ではメニスカスによるインクタンク3の減圧状態が得られないことから、ペン先1又はコレクター6の保留部にインク2が漏れだして止まらない不具合が見られる。従来は組み立て直後に衝撃を加えて後端部を濡らしたり、ペン先下向きで一定時間放置して十分に後端部を濡らす製造法で対応してきたが、この様な製造法では、依然として十分に濡らしきれない場合や製造時に時間がかかるなどの製造時の問題が生じていた。
耐吹き出し性を向上させるためには、コレクター6の容量を増加させればよいが、太さの問題やコレクター6を長くするとペン先側にかかるインクヘッドHが多くなってペン先1からインク2が出てきてしまう直流の問題が発生するため、従来では安易にコレクター6の長さを長くしてコレクター6の容量を増加させることはできなかった。
本出願人は、耐吹き出し性の向上を目的として、コレクターのヘッドを増加させずにコレクター長さを長くしたが、従来のコレクター筆記具よりもさらに気液交換部周辺の製造直後にインクで濡らして遮断するべき部分が増加するため、製造時の問題を解決することが望まれている。
さらに、航空機などの急な加減圧によるインク吹き出しの問題の解決、特に急な加減圧を繰り返したときにコレクター6の保留溝13内にインク2が残ってしまい、わずかな温度上昇等でも吹き出してしまう繰り返し加減圧に対する対策も要望されており、これらを他の性能を犠牲にせず実現したコレクター式筆記具は提案されていない。
本発明は、主に普及型のコレクター式筆記具の改良を目的としており、温度変化や気圧変化等によるインクタンク3内圧の加減圧の影響によるインク洩れ出し問題、店頭で長期保存された場合などの吹き出し問題、インクの直流問題、及び製造時のインク吹き出し問題など筆記具における事故防止性能を確実に向上させ、消費者の服を汚す等の重大欠点を防止するコレクター式筆記具を提供することを目的とする。
さらに、太くなりやすいコレクター式でのスリムな外観の要望を満たすと共に、従来のコレクター筆記具の有する優秀な筆記性を阻害する事無く、コストをかけることないコレクター式筆記具を提供することを目的とする。
つまり、コレクター6の容量を増やしても直流の問題を生じない筆記具の提供と、加減圧を繰り返した時のインク2の吹き出しの問題を解決するコレクター式筆記具の提供を目的としている。特に、急な加減圧下においてコレクター6内のインク2をタンク3側に戻す課題と、気液交換部18以外の部分(仕切部19など)の面積が大きくなった場合での組立時に仕切部19、気液交換部18がインクで濡れにくくインクタンク3と外気を遮断しにくいという課題を解決することを目的としている。
本発明のコレクター筆記具には、先端9に筆記部を有するペン先1にインクタンク3から筆記部の先端9まで流路を確保するインク誘導芯(中芯8やコレクター芯7等)等の毛細管力を利用したインク誘導部を有したボールペンやインク誘導芯7,8そのものがペン先1となるサインペンやマーカー類がある。以下、インク誘導芯(中芯8やコレクター芯7など)には、それ自身がペン先となるものを含めるものとする。
有底コップ状のインクタンク3とペン先1の間には、コレクター6aを設け、外気への通気溝11と空気溝15と、気液交換部18と、細く長いインク溝14と、羽12,12aのスキマの保留溝13,13aを複数適宜の設定幅で配置して、保留溝13,13aにインク2を出入りさせることでペン体内部の内圧調整をする機能を有しているものである。
本発明は、先端に筆記部を有したペン先と、常温での粘度が2から100mPa・sの比較的低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクと、該インクタンクから筆記部までインクを誘導する誘導部と、インクタンク内部の内圧を調節する毛細管現象を利用した複数枚の羽状調節体と気液交換溝である縦溝を羽状調節体に接続して設けてあるコレクターと、を備えたいわゆるコレクター式筆記具に於いて、
前記コレクターには、インクおよび外気間の空気置換をする気液交換部を設けた最先端仕切部と、インクタンク側の最後端仕切部と、最先端仕切部と最後端仕切部を接続する接続仕切部とを有した、インクタンクと外気との通気を、前記気液交換部を除いて遮断できる仕切部を有し、
前記最先端仕切部よりペン先側には主要部保留溝を形成し、該最先端仕切部と最後端仕切部の間には補助保留溝を形成し、補助保留溝と主要部保留溝にはともに外気へ連通した空気溝を設け、
最先端仕切部と最後端仕切部との間には、前記気液交換部へインクを誘導する幅狭溝設けるとともに、該幅狭溝に接続した前記補助保留溝へインクを誘導する横溝を設けたことを特徴とするコレクター式筆記具により構成される。
仕切部19は、通常、第8図に示すようにコレクターの外周部に軸方向と垂直な同一平面上で取り囲むように形成される。本発明では仕切部19Aをこのように軸方向と垂直な同一平面上に配するのではなく、コレクターの外周部を外れてその一部分をペン先側へ延伸して配置した。最先端仕切部とは軸方向ペン先側にもっとも近い仕切部19cをいい、最後端仕切部とは軸方向インクタンク側に最も近い仕切部19dをいう。最先端仕切部19cと最後端仕切部19dを接続する接続仕切部19aを設けた。最先端仕切部19cと最後端仕切部19dとの間には、気液交換部18と、気液交換部へインクを誘導する幅狭溝21とを設けるとともに、該幅狭溝21から接続仕切部19aへインクを誘導する横溝22を設けた。このような構成とすることで、幅狭溝のインクを横溝を介して接続仕切部19aへインクを誘導することができるようになる。その結果、接続仕切部19aを含む仕切部19A全体をインクで確実に濡らすことができ、外気とインクタンクとの遮断が確実にできるようになる。更に、インク2の濡れをよくするには横溝22付近に面削ぎ24を設けてもよい(第3図も参照)。
また、接続仕切部がインクで濡れると、補助保留溝自体が毛細管力を有しているため、この接続仕切部のインクを補助保留溝へ誘導してくるようになり、接続仕切部が濡れると補助保留溝にインクが保留されるようになる。
従って、補助保留溝へインクを誘導するには必ずしも後述するような仕切部溝23が必要とされるわけではない。
接続仕切部から補助保留溝へインクをより効果的に誘導する方法としては、接続仕切部に面削ぎ24を設け、接続仕切部がインクで濡れると、補助保留溝へ毛細管力によりインクが誘導されていく方法や、また、接続仕切部に溝、切り欠き、孔、複数の部品の組合せによるスキマなど実質的にインク2を補助保留溝へ誘導できる構成や形状等も考えられる。
ペン先にかかるインクのヘッドは、気液交換部を起算点として計算されるが、本発明では、この気液交換部よりもインクタンク側に補助保留溝を設けることによりインクが保留できる構成となっている。通常は、コレクターのインク保留量を増加させるため、コレクターの長さを増加させるとこのヘッドが増加してしまい、ペン先からインク漏れが発生することがあるが、気液交換部よりもインクタンク側に補助保留溝、接続仕切部、横溝等を設けたという本発明の構成とすることで、ヘッドを増加させずに(ペン先からのインク漏れ発生の危険性を増加させることなく)コレクターのインク保留量を増加させることができる。
本発明の有効な第2の手段としては、先端に筆記部を有したペン先を軸先端に設け、常温での粘度が2から100mPa・sの比較的低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクを軸後端に設け、該インクタンクから筆記部までインクを誘導する誘導部と、インクタンク内部の内圧を調節する毛細管現象を利用した複数枚の羽状調節体と気液交換溝である縦溝を羽状調節体に接続して設けてあるコレクターとを軸内に備えたいわゆるコレクター式筆記具に於いて、
コレクターには、インクおよび外気間の空気置換をする気液交換部を設けた最先端仕切部と、インクタンク側の最後端仕切部と、最先端仕切部と最後端仕切部を接続する接続仕切部とを有し、インクタンクと外気との通気を、前記気液交換部を除いて遮断できる仕切部を有し、
前記最先端仕切部よりペン先側には主要部保留溝を形成し、該最先端仕切部と最後端仕切部の間には補助保留溝を形成し、該補助保留溝と主要部保留溝にはともに外気へ連通した空気溝を設け、
最先端仕切部と最後端仕切部との間には、前記気液交換部へインクを誘導する幅狭溝設けるとともに、該幅狭溝から前記補助保留溝へインクを誘導する横溝を設け、前記接続仕切部と前記軸内壁面と前記横溝によって囲まれた空間である包囲部を形成することにより、前記空気置換により発生した気泡がインクタンク側に移動可能としたことを特徴とするコレクター式筆記具により構成される。
コレクター6aには、コレクターのペン先1側前方に従来より知られている内圧調整機能を有した主要部保留溝16を、その後方にはインク保留量を増大させる為の補助保留溝17を設けた。また、仕切部19d,軸方向に延びた仕切部延伸部19e,19fを設け、この両部分及び気液交換部18がインク2で濡れることにより、インクタンク3と外気とを実質的に遮断できる。仕切部延伸部19e,19fよりペン先1側には主要部保留溝16を、軸方向に延びた仕切部延伸部19eの周方向まわりには補助保留溝17を設けた。第2図の斜線で示す部分及び気液交換部18がインクで濡れ、外気と遮断される。
また、包囲部19bには、ある程度の空間(幅)を設け、気液交換部18から発生する気泡をインクタンク3へ移動しやすい構成とした。
補助保留溝17と主要部保留溝16には、ともに外気へ連通した空気溝15を設けるとともに、包囲部19bには、幅狭溝21及び軸方向に延びた仕切部延伸部19eと接続した補助保留溝17へ幅狭溝からインク2を導入可能な横溝22を設けた。また、更に気液交換部18を設けた。横溝22は、インクタンク3側から幅狭溝21によって導入されたインク2を軸方向に延びた仕切部延伸部19e及び補助保留溝17と連通させるための機能を有する溝、切り欠き、孔、複数の部品の組み合わせによるスキマなど実質的にインク2を誘導できる構成や形状であればよい。
仕切部19は通常、第8図に示すようにコレクターの外周部に軸方向と垂直な同一平面上で取り囲むように形成される。ここで、仕切部延伸部19e,19fについて説明すると、仕切部延伸部とは、後述する実施形態で示すように、このコレクターの外周部を外れてその一部分がペン先側へ延伸された部分をいう。
尚、延伸の仕方としては本実施形態のように略コ字状に限定されるものでなく、半円状、半楕円状、台形状、逆台形状、V字状等であってもよい。
包囲部とは、仕切部延伸部19e,19fにより包囲された部分をいう。
仕切部延伸部19e,19fの包囲部19bには、気液交換部18が設けられるが、当該気液交換部から発生する気泡をインクタンクへ移動させるため、ある程度の空間(幅)を設ける必要がある。気液交換部から発生する気泡の大きさは気液交換部の大きさによるため、気液交換部の大きさにより適宜選択する必要がある。
仕切部延伸部がインクで濡れると、軸方向に延びた仕切部延伸部19eの周方向まわりに設けられた補助保留溝17には、補助保留溝自体が毛細管力を有しているため、この軸方向に延びた仕切部延伸部19eのインクを補助保留溝17へ誘導してくるようになり、この仕切部延伸部19eが濡れると補助保留溝17にインクが保留されるようになる。
仕切部延伸部19eから補助保留溝へのインクをより効果的に誘導する方法としては、仕切部延伸部19eに面削ぎを設け、仕切部延伸部19eがインクで濡れると、補助保留溝へ毛細管力によりインクが誘導されていく方法や、また、仕切部延伸部19e,19fに溝、切り欠き、孔、複数の部品の組合せによるスキマなど実質的にインク2を補助保留溝へ誘導できる構成や形状等も考えられる。
ペン先にかかるインクのヘッドは、気液交換部を起算点として計算されるが、本発明においても、この気液交換部よりもインクタンク側に補助保留溝を設けることによりインクが保留できる構成となっている。通常は、コレクターのインク保留量を増加させるため、コレクターの長さを増加させるとこのヘッドが増加してしまい、ペン先からインク漏れが発生することがあるが、気液交換部よりもインクタンク側に補助保留溝、仕切部、横溝等を設けたという本発明の構成とすることで、ヘッドを増加させずに(ペン先からのインク漏れ発生の危険性を増加させることなく)コレクターのインク保留量を増加させることができる。
上記で使用するその他の部材は従来から公知の物が使用可能であり、例えばインク2は常温(23度前後)での粘度が2から100mPa・の低(又は中)粘度インクであり、静置状態では粘度がやや高く先端9からインク2がしみ出す直流を防止し、筆記によって剪断や移動が起こると粘度が低下してスムーズな筆記が可能となる擬塑性インク(ゲルインクとも呼ばれる)をやや低粘度にして応用したインクでも良く、インク2は顔料や染料を使用したコレクター筆記具として使用できる公知の各種のインクが適宜使用可能である。その他の部材も同様に、中芯8,コレクター芯7(サインペンやマーカーではこれらがペン先となることも可能)は繊維束を熱や接着剤で固めて成形した繊維束芯や、雪結晶状の断面を押し出しによって成形した所謂プラ芯や、小粒子を熱や接着剤によって空間を維持しながら固定した焼結芯や、スポンジなど、インクをある程度以上保持及び連通する性能が有れば従来使用している物が適宜選択可能である。
本発明の有効な第3の手段の特徴的な点としては、接続仕切部又は仕切部延伸部には、補助保留溝と接続する仕切部溝が設けられており、幅狭溝、横溝、仕切部溝及び補助保留溝はインクが連通可能な構成としたことを特徴とする点である。
接続仕切部19a又は仕切部延伸部(19e,19f)には、補助保留溝と接続する仕切部溝を設け、幅狭溝、横溝、仕切部溝及び補助保留溝はインクが連通可能な構成としたことで、インクタンク内の内圧の変化があった場合、インクタンクから補助保留溝へ、また、同様に補助保留溝からインクタンクにインクが接続仕切部19aや仕切部延伸部19e,19fのみではなく、この仕切部溝も経由するためスムースに流れる作用を有するようになる。
本発明の有効な第4の手段の特徴的な点としては、各仕切部溝の縦方向(筆記具長手方向)断面積は、気液交換部の横方向(筆記具径方向)断面積と同等以下であり、また、各仕切部溝の縦方向断面積の総和を気液交換部の横方向断面積よりも大きく構成されたことを特徴とした点である。
各仕切部溝の縦方向断面積とは、筆記具の軸を含む平面で切断した場合における各仕切部の面積をいう。
気液交換部の横方向断面積とは、気液交換部を筆記具の軸方向と垂直な平面で切断した場合の面積をいう。
各仕切部溝の縦方向断面積は、気液交換部の横方向断面積と同等以下にすることで、各仕切部溝及び気液交換部に生じるインクのメニスカスによる毛細管力の違いが発生する。この場合は各仕切部溝に生じる毛管力の方が大きくなる。よって、筆記時には気液交換部から空気置換が起こり、各仕切部溝から空気置換が発生することを防止することができる。更には、各仕切部溝の縦方向断面積の総和を気液交換部の横方向断面積よりも大きくすることで、補助保留溝への流路が気液交換部の流路よりも大きくなることでインクタンク内の空気が膨張した際に、インクが気液交換部に流れるよりも、仕切部溝を経由して補助保留溝へ流れやすくなる効果を有する。
本発明の有効な第5の手段の特徴的な点としては、横溝と補助保留溝の溝幅は筆記具の長手方向に関して略同一であることを特徴とした点である。
横溝及び補助保留溝の溝幅を略同一の構成とすることで、インクタンク内が加圧されて補助保留溝へインクが流れ込む場合及びインクタンク内が減圧されて補助保留溝からインクタンク内へインクが戻る場合の両方において、インクが抵抗なくスムースに流れるため(溝幅が異なると、一方方向に流れやすくなってしまう)、補助保留溝とインクタンクとの間で、インクをより効果的に流通させることができる。
主要部保留溝16の長さや容量等の大きさは、インクヘッドHと気液交換部18の大きさ(縦溝幅や孔サイズ)とインクタンク3の容量でほぼ決定されるが、一般的なコレクター6の外径が一定とした場合では、補助保留溝17の軸方向の長さの集積が主要部保留溝16の部分の軸方向の長さを集積した長さよりも小さくかつ主要部保留溝16の部分の軸方向の長さの集積の5%以上の長さとなるように設ける。
以下、図面を参照しつつ本実施の形態に係るコレクター式筆記具を説明する。
第1図から第6図は、本発明の実施例であるコレクター式水性ボールペン及びその主要部品であるコレクター6aを示している。尚、前記説明した構成と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
一般的なコレクター式ボールペンでは、先端に筆記用のボール9を回転可能抜き出し不可能に遊嵌するペン先1が配され、また、インクタンク3からコレクター芯7と中芯8によってボール9までインク2が誘導される。以下、インク誘導芯(中芯8やコレクター芯7など)には、それ自体がペン先となるものを含めるものとする。
コレクター6aは、気液交換部18よりもインクタンク3側に補助保留溝17を設けた構成としている。その他の部材であるペン先1とコレクター6aの間で空気流路10を設けたり色表示をするクチプラ5、継手4、などについては従来の製品と同じ構成が適宜選択できる。
内部に常温での粘度が2から100mPa・の比較的低粘度の水又は溶剤をベースとして40%以上含むインク2を直接保蔵している透明又は半透明合成樹脂製インクタンク3は、コレクター6aを圧入固定している。
インク2は、主溶剤に溶解する染料インクや、耐水性や耐光性に優位な着色剤としてカーボンブラックなどの顔料や染着樹脂粉等の疑似有機顔料、アルミなどの金属粉などを分散させた顔料インクが存在しているが、従来のコレクター式筆記具同様のインク2が使用可能であり、本発明で特に限定されるものではなく、また主溶剤をアルコールやキシレンなどの有機溶剤としたインク2でもコレクター式筆記具としての機能を満足すれば本発明を応用することができる。
特に、筆記時のインク消費によりインクタンク3内のインク2の量がコレクター6が最大保留できる量よりもやや多いインク残量の時がインクタンク3内の空気膨張収縮が大きく、大気の加減圧や温度変化によるインクタンク3の内圧変化があると、ペン先1の先端部9からインク2が漏れだしたり、先端9から空気が入ってカスレが生じる。
係る不具合を防止するために、第7図に示す従来のコレクター6では、軸(インクタンク3)内と筆記具の外部とを、気液交換部18となるのに十分な細い縦溝14(気液交換部18が縦溝14と一体となっている場合)と空気溝15と複数の羽12のスキマである保留溝13とを介して連通してある。コレクター6には外気と内部の圧力差が生じるとコレクター6の羽状の保留溝13にインク2又は外気が出入りすることでペン体内部の空間容積を加減して内圧のバランスを取る機能がある。
本発明のコレクター6aには、主要部保留溝16の空間にインク2が充満可能な全容積をインクタンク3の容積の15%の保留率(望ましくは10%から30%)とした。コレクター6aのサイズや溝幅等については使用するインク2やインクタンク3の容積などから適宜選択した物が使用でき、コレクター6aのサイズが大きいほど安全性は増すがペン全体のサイズが大きくなったりペン全体の大きさの割にインク2の搭載量が少なくなる問題が生じる為、一般的にはある程度の最適サイズで設計される。
本発明の構成としては、まずコレクター6aのペン先1側前方には従来より知られている内圧調整機能を有した主要部保留溝16を、その後方にはインク保留量を増大させる為の補助保留溝17を設けた仕切部19Aを設けた。
主要部保留溝16は、通常は複数枚のフィン状の羽12の組み合わせのスキマとなる保留溝13の幅を適宜選択して配置し、気液交換部18に接続(又は同一形状)される細長い縦溝14をそれぞれの保留溝13に接続して毛細管力のバランスでインク2を保留する能力を有する形状とした。
仕切部19Aは、その仕切部の少なくとも一部がペン先側へ延伸された仕切部延伸部19e,19fを有している。
補助保留溝17には、外周面に所定間隔を設けて鍔状に起立するフィン状の羽12aを複数枚設けることでスキマとなる保留溝13aを形成している。本実施形態では、係る羽12aを所定間隔を隔てて6枚に設けて、補助保留溝17を形成している。
仕切部19Aは、気液交換部18(溝又は孔)と共にインク2で濡れることによりインクタンク3内部と外気とを実質的に遮断でき、空気置換する場合には気液交換部18のみが空気置換する構成としたものである。
仕切部19Aは、意識的な溝や孔がないものや、細い溝や孔を設けたとしても気液交換部18のサイズよりも十分小さいサイズのものであれば、インク2で一旦濡れてしまえばその部分には空気置換をすることはなく、実質的に遮断されていると見なすことができる部品の構成や組み合わせとすればよい。
気液交換部18付近には、空気置換した気泡が気液交換部18からインクタンク3側に移動可能な通路となる仕切部延伸部の包囲部19bを設けている(第1、第2図)。
包囲部19bは、空気置換により発生した気泡がインクタンク3側に移動するためのやや幅広の溝や切り欠きや孔であり、通常は筆記具をペン先側下向きにした場合に、インク2で充満されている形状のものが望ましい。本実施形態の包囲部19bの形状は、気液交換部18側からインクタンク3側に従って、コレクター6aの軸の半径方向の幅が徐々に増加するような空間に形成している。このように、包囲部19bの形状を気液交換部18側からインクタンク3側に従って開口面積を徐々に広げることで、開口面積を同一にした場合に較べて気液交換部18から発生した気泡をより容易にインクタンク3側に移動させることが可能となる。
さらに、包囲部19bには、横溝22と気液交換部18へとインク2を導く幅狭溝21を設けている。
幅狭溝21は、主要保留溝16に接続される細長い縦溝14とほぼ同じでインク2を導入、接続する作用をするため、縦溝14と似たサイズや形状とすればよいが、切り欠きや孔等、インク2を軸方向に延びた仕切部延伸部19eにも連通できる機能が発揮される形状であれば部品を組み合わせていてもよい。
さらに本実施形態では、包囲部19bから保留溝13aにインク2を誘導するために、軸方向に延びた仕切部延伸部19eには、保留溝13aと略同一幅の溝状の仕切部溝23を形成している。
さらに、包囲部19bには、幅狭溝21からインク2を仕切部溝23を介して補助保留溝17へ誘導可能とするために、幅狭溝21から仕切部溝23を結ぶ横溝22を設けている。
横溝22は、インクタンク3側から幅狭溝21によって導入されたインク2を補助保留溝17と連通させるための機能を有する溝、切り欠き、孔、複数の部品の組み合わせによるスキマなど実質的にインク2を補助保留溝17へ誘導できる構成や形状であればよい。
また、本実施の形態では包囲部19b側から補助保留溝17側にインク誘導性を高めるために、第3図に示すように、仕切部延伸部19aのエッジ部分を削除して、面削ぎ部24を形成している。
面削ぎ部24は、包囲部19b側から補助保留溝17側に向かうに従って開口面積を狭くするように形成されている。
第6図に示すように、補助保留溝17と主要部保留溝16にはともに外気へ連通した空気溝15を設けている。
軸方向に直線で設けられる空気溝15を、ある枚数の羽12、12aの断面を切り欠き又は溝状にして一連の軸方向に空気溝15を設けると共に、連続する空気溝15を直線上にならないよう複数回(望ましくは3回以上)曲接させる事(図示せず)で、航空機内での使用時の様に急激なインクの流出が起こる場合には有効となる。
従来のコレクター筆記具では、上述したようにコレクター6のみで外気温度変化など比較的緩やかな内圧変化に対応して内圧調整を行っている。しかしながら、従来のコレクター式筆記具では航空機の減圧状態や冬季の外気から暖房機の前での急激な温度変化などでの使用までは十分には考慮されておらず、インクタンク3内の急激な加減圧によるインク2のコレクター6への噴流に対して対応されていないため、噴流がコレクター6内の空気溝15を越えてペン体の空気孔10からインク2が吹き出す事故が発生する。
現状でもコレクター式筆記具はやや太くなっており、これ以上太くすると握り部の太さや外観で問題が発生するうえ、コレクター6を従来品以上に長くするとコレクター6の長さ分はペン先2にインクヘッドHがかかっていることからペン先の先端9からインク2が漏れ出す直流の問題が発生する。インクタンク3の容積を小さくすればコレクター6のサイズが同じでも保留率は大きくなって安全性が増すが、筆記寿命が短くなるという問題が発生する。特に直液式筆記具では初期から終筆付近まで流量が多く安定するため、インク消費量が暫減していく中綿式よりもインク搭載量を多くしないと中綿式と同じ寿命にできない。
本発明では、補助保留溝17を主要部保留溝16に追加する状態で設けたため、インクヘッドHは気液交換部18からペン先1の筆記部9までであり、従来のコレクター筆記具と変わらないことから筆記部9からのインクの漏れだしである直流は発生しない。インクタンク3内の空間が膨張収縮した場合の調整能力であるコレクター6aの最大インク保留量iは、従来のものに比べて補助保留溝の最大インク保留量ieの分だけ増加していることから、加減圧や温度変化に対しての対応能力が上がったコレクター式筆記具となっている。
また、航空機内での使用や急激な温度変化の場合に、キャップの開閉を伴っているとインクタンク3内部が減圧又は加圧状態を維持した状態からキャップを開けることで急激にコレクター6内部をインクが流れたり、コレクター6内部に保留していたインク2がインクタンク3に戻らずにコレクター6内にインクを保留した状態となり加温等により吹き出す現象がみられる。
本発明の補助保留溝17とインクタンク3内部のインク2とを連通させる目的の、幅狭溝21、横溝22及び仕切部溝23などで構成されるインク導排出構成によって、急な加減圧の場合にインクタンク3のインク2が、コレクター6aの主要部保留溝16に流れると同時に補助保留溝17へ流れる。つまり、従来の全てのインク2が空気置換部18のみを経由して勢いよく吹き出すのではなく、補助保留溝17にも流れることで結果的に噴流を緩和することができる。
従来の場合には、一旦、保留溝13にインク2が入った状態で、インクタンク3内が外気よりも減圧された状態(航空機に搭乗し高度の高いところでコレクター式筆記具を使用し、そのままキャップをし、その後、地上でキャップを開けた場合や、高温の場所でキャップをして低温の場所でキャップを開ける場合など)でキャップを開けると、急に保留溝13に保留されていたインク2がインクタンク3内に戻ろうとするものの空気が巻き込まれてインクタンク3内に入ってしまう。結果的には、保留溝13には大部分のインク2が残った状態で、内圧のバランスが取れてしまう。この後、温度変化等でインクタンク3内の内圧調整が行われると、既に保留溝13にはインク2が残されてしまっているのでインク2の最大保留容量をオーバーして筆記具の外部にインク2がでてしまう不具合が発生しやすい。特に、急激な加圧と減圧を繰り返すとこの現象の不具合が発生しやすい。
本発明では補助保留溝17、横溝22、仕切部溝23及び幅狭溝21の構成によって上述した外気の急な減圧の場合に、補助保留溝17にインク2が流入できることで主要部保留溝16に流れるインク量を減少させると共に噴流を弱めることができる。
また、外気の急な加圧状態の時には、補助保留溝17内のインク2が補助保留溝17、横溝22、仕切部溝23及び幅狭溝21の構成によってインクタンク3に戻ることが気液交換部18から戻るよりも容易にできるので、さらに加減圧を繰り返しても改めてインク2を保留することが可能であり、インク保留量が確保されやすい事から、吹き出しに対する許容量を増加させることが可能となる。
補助保留溝17を備えるために仕切部19Aを設ける必要があるが、仕切部19Aはやや変則的な形状となり、組立時や長期上向きでコレクター端面部が乾燥した場合などでは、この部分をインク2で同時に濡らすには困難な場合が生じる。そこでこの部分を安定してインク2で濡らして実質的にインクタンク3と外気との間を遮断する目的でインクを誘導する幅狭溝21とそれに連接して補助保留溝17までインク誘導が可能となる横溝22と仕切部溝23を設け、幅狭溝21がインク2で濡れると接続仕切部19aや仕切部延伸部19e,19fを含む仕切部19Aはすべてインク2で濡れる構成とした。
本発明の実施の形態では、各補助保留溝13aは、気液交換部18の十分に細い縦溝(筆記具径方向に関する幅は0.1から0.15mm程度)と同等以下の0.05mm前後の幅(筆記具長手方向に関する幅)のサイズで、各々対応する各仕切部溝23と接続している。
仕切部溝23を7本程度で構成したので、その縦方向断面積の総和(包囲部19bから各補助保留溝17への開口面積の総和)は気液交換溝18の横方向断面積(気液交換部18の包囲部19bへの開口面積)よりも大きい。
横溝22の幅は、補助保留溝17と略同等の幅で設けられており、幅狭溝21と横溝22と仕切部溝23と補助保留溝17とはインク2を連通可能な構成とした。仕切部溝23の方が気液交換部18よりも毛細管力が大きくなる様にサイズが小さく、かつ、インク2は導通可能な事から、インクタンク3内が減圧されると、補助保留溝17にこのインク2がある間はインク2がインクタンク3側に移動して内圧を調整する。次に、補助保留溝17にインク2がなくなると仕切部溝23にメニスカスが形成された状態で、気液交換部18からインク2又は外気がインクタンク3内に導入される。
仕切部19Aは外気とインクタンク3との間では、空気の出入りを遮断するが、インク2のみの出入りはできる状態となることと、仕切部溝23は複数の溝で構成されており1カ所である気液交換部18よりもインク2の導出が容易となって、急な加減圧の場合などに特にインク2を出入りさせる能力がアップする。特に保留溝13にインク2がある場合にペン体まわりが急に加圧されると空気だけがインクタンク3内に入ってしまう不具合に対しての防止効果が大きいものとできる。
本発明の有効な構成としては、主要部保留溝16の最大インク保留量isと補助保留溝17の最大インク保留量ieとの間に、関係式is>ie>0.05・isを満足させたサイズとした。
補助保留溝17の長さが小さすぎるとコレクター容量を増やしたり急加減圧の時にインクを戻すなどの効果がなく、逆に補助保留溝17の長さが大きすぎると組立時に濡らす仕切部19Aの面積が大きくなったり、インクタンク3の容積がなくなってしまうため主要部保留溝16をその分小さくしなければならない等の不具合が生じる知見が得られた。
具体的な実施例として、三菱鉛筆(株)製のコレクター式筆記具であるUB−150の部材を使用して、コレクター6aのみ各種形状を試作して比較実験を行った結果を以下に記す。インク2や内部の中芯など他の部材は全て市販化しているUB−150のものを使用した。コレクター6aの全体長さは、筆記具の長さと関連し比較例1で直流が発生したので、それ以後はコレクター6aの空気置換部高さHは、従来のコレクター6と同じとした。また、各仕切部溝23の縦方向断面積を気液交換部18の横方向断面積の半分とし、その他の幅狭溝21、横溝22等、図に示した実施例の本発明の構成を設けた。
評価内容は、
1.インク量がインクタンク3の容量の1/3で空間が多い状態で、室温から約50℃まで温度変化させた場合の耐吹き出し性能:吹き出し性
2.1と同じ環境でのペン先からの直流の有無:直流性
3.組立時の仕切部への濡れ安定性:濡れ性
上記3つの評価を○(優)、△(良)、×(不可)で評価した。各評点は下記の評価基準とした。
○(優):吹き出し又は濡れ性の異常が起こらない。
△(良):実使用で問題はないが能力的に余裕がない場合
×(不可):吹き出し又は濡れ性の異常が発生する
[比較例1]:コレクターのインクヘッドHを従来の1.2倍の場合
(補助保留溝は設けなかった)
吹き出し性:○ 、 直流性:× 、 濡れ性:○
[比較例2]:is=ieの場合
(is<ieの場合も同様の結果であったので省略)
吹き出し性:△ 、 直流性:○ 、 濡れ性:×
[比較例3]:ie=0.1・isの場合
吹き出し性:△〜× 、 直流性:○ 、 濡れ性:○
[実施例1]:ie=0.8・is の場合
吹き出し性:○ 、 直流性:○ 、 濡れ性:△
[実施例2]:ie=0.5・isの場合
吹き出し性:○ 、 直流性:○ 、 濡れ性:○
[実施例3]:ie=0.2・isの場合
吹き出し性:△ 、 直流性:○ 、 濡れ性:○
(作用)
本発明の構成とすることで、従来のコレクター筆記具の温度変化による比較的ゆっくりとした内圧変化に対応してインクが吹き出すことのない作用はまったく同様に有しているばかりでなく、航空機での使用時を考慮した急激な圧力変化でインクタンク側からコレクターにインクが勢い良く噴流しても、インクの噴流の勢いを弱めることができた。さらには、組立時の仕切部及び仕切部延伸部のインク濡れに関する問題も解決することが可能となった。
よって、本発明の構成とすることで、総合的にコレクター筆記具の吹き出しや直流の事故を防止する作用を有している。
また、補助保留溝のサイズを限定することで補助保留溝によるインクタンク3の容積が小さくなる等の悪影響を発生させることなく、コレクター式筆記具を安価で安全な筆記具とすることが可能となる。どの様な状況でも保留溝を有効に使用することができるのでコレクター式筆記具の効率の良い内圧調整機能や筆記性に悪影響を与えない作用も有している。
具体的には本発明の補助保留溝で急激なインクタンク内圧変化の調整を行い、その補助保留溝へインクを連通するように設けられた仕切部溝等が容易にインクを出し入れ可能とする作用を有し、仕切部、仕切部延伸部等は空気置換した気泡をインクタンクへ排出しやすくする作用を有し、幅狭溝はインクタンクから横溝を介して速やかに仕切部等をインクで濡らす作用を有している。
本発明の筆記具の構成及び作用は以上の如くであり、細身で外観が良く、コストパフォーマンスの優れた筆記具とする事ができる。航空機による加減圧下や、温度変化、キャップによるポンピング現象が発生しにくくなり、安全かつ安定した筆記性を確保できるようになる。特に、航空機を乗り継いで筆記をするビジネスマンが使用するような航空機の減圧環境を繰り返し受ける環境でも吹き出しの事故のない筆記具とすることができる。
従来のコレクター筆記具と比較して特別な金型構造や組立方法の変更をすることなく上述のような有効な作用を有する効果があるため、部品コストが同じで、製造が容易で、安価で外観の良い、長期保存性に優れたコレクター筆記具を提供できる効果がある。
航空機による加減圧下や、温度変化等の環境化で使用するコレクター筆記具に利用できる。特に、航空機を乗り継いで筆記をするビジネスマンが使用するような航空機の減圧環境を繰り返し受ける環境で使用する筆記具に利用できる。
本発明の実施形態に係る筆記具本体の一部縦断面図である。 本発明の実施形態に係るコレクターの補助保留溝部分の斜視図である。 第1図の矢視A−A’横断面図のうち包囲部19b近傍を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るコレクター6aの外観図である。 本発明の実施形態に係るコレクターの補助保留溝部分の後端側拡大外観図である。 本発明の実施形態に係るコレクター6aの後端側拡大縦断面図である。 従来のコレクター式筆記具の縦断面図である。 従来のコレクター6の縦断面図である。

Claims (5)

  1. 先端に筆記部を有したペン先と、常温での粘度が2から100mPa・sの比較的低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクと、該インクタンクから筆記部までインクを誘導する誘導部と、インクタンク内部の内圧を調節する毛細管現象を利用した複数枚の羽状調節体と気液交換溝である縦溝を羽状調節体に接続して設けてあるコレクターと、を備えたいわゆるコレクター式筆記具に於いて、
    前記コレクターには、インクおよび外気間の空気置換をする気液交換部を設けた最先端仕切部と、インクタンク側の最後端仕切部と、最先端仕切部と最後端仕切部を接続する接続仕切部とを有した、インクタンクと外気との通気を、前記気液交換部を除いて遮断できる仕切部を有し、
    前記最先端仕切部よりペン先側には主要部保留溝を形成し、該最先端仕切部と最後端仕切部の間には補助保留溝を形成し、補助保留溝と主要部保留溝にはともに外気へ連通した空気溝を設け、
    最先端仕切部と最後端仕切部との間には、前記気液交換部へインクを誘導する幅狭溝設けるとともに、該幅狭溝から前記補助保留溝へインクを誘導する横溝を設けたことを特徴とするコレクター式筆記具。
  2. 先端に筆記部を有したペン先を軸先端に設け、常温での粘度が2から100mPa・sの比較的低粘度のインクを直液状態で保蔵するインクタンクを軸後端に設け、該インクタンクから筆記部までインクを誘導する誘導部と、インクタンク内部の内圧を調節する毛細管現象を利用した複数枚の羽状調節体と気液交換溝である縦溝を羽状調節体に接続して設けてあるコレクターとを軸内に備えたいわゆるコレクター式筆記具に於いて、
    コレクターには、インクおよび外気間の空気置換をする気液交換部を設けた最先端仕切部と、インクタンク側の最後端仕切部と、最先端仕切部と最後端仕切部を接続する接続仕切部とを有し、インクタンクと外気との通気を、前記気液交換部を除いて遮断できる仕切部を有し、
    前記最先端仕切部よりペン先側には主要部保留溝を形成し、該最先端仕切部と最後端仕切部の間には補助保留溝を形成し、該補助保留溝と主要部保留溝にはともに外気へ連通した空気溝を設け、
    最先端仕切部と最後端仕切部との間には、前記気液交換部へインクを誘導する幅狭溝設けるとともに、該幅狭溝から前記補助保留溝へインクを誘導する横溝を設け、前記接続仕切部と前記軸内壁面と前記横溝によって囲まれた空間である包囲部を形成することにより、前記空気置換により発生した気泡がインクタンク側に移動可能としたことを特徴とするコレクター式筆記具。
  3. 接続仕切部には、補助保留溝と接続する仕切部溝が設けられており、幅狭溝、横溝、仕切部溝及び補助保留溝はインクが連通可能な構成としたことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のコレクター式筆記具。
  4. 各仕切部溝の筆記具の長手方向断面積は、気液交換部の筆記具の径方向に関する断面積と同等以下であり、また、各仕切部溝の縦方向断面積の総和を気液交換部の横方向断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求の範囲第3項に記載のコレクター式筆記具。
  5. 横溝と補助保留溝の溝幅は、筆記具の長手方向に関して略同一幅であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のうちのいずれかの項に記載のコレクター式筆記具。
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