JP2000153690A - 筆記具のコレクター - Google Patents

筆記具のコレクター

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JP2000153690A
JP2000153690A JP10329643A JP32964398A JP2000153690A JP 2000153690 A JP2000153690 A JP 2000153690A JP 10329643 A JP10329643 A JP 10329643A JP 32964398 A JP32964398 A JP 32964398A JP 2000153690 A JP2000153690 A JP 2000153690A
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Kazuhiko Furukawa
和彦 古川
Yojiro Sano
陽二郎 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コレクター筆記具の加減圧下における吹き出
しと直流の問題を、外観やコストを悪化させることなく
解決可能とする。 【解決手段】 直液式コレクター筆記具において、イン
クタンクからコレクター保留溝への急激な移動による吹
き出しを緩和する為に空気溝をインク溝の対向面側周辺
で少なくとも軸方向でインクタンク周辺側と中間部分と
前端側の空気溝が直線上にならないように2回以上の複
数回蛇行させた。また少なくともインク保留溝の1枚以
上で、内部の中芯周辺に連通する連通孔を設けるとさら
に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、先端に筆記部となるペ
ン先を有する、ボールペンやサインペンや万年筆などの
筆記具において、インクを直接保蔵するインクタンク
と、内部の内圧を調整する毛細管現象を利用した複数枚
の羽状調節体であるコレクターと、インクタンクからペ
ン先までインクを誘導する手段を備えた直液タイプコレ
クター式筆記具の改良に関する。特に急激な温度変化や
気圧変化に対応するコレクターの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られている油性ボールペンはペン
先からのインクモレ出しである直流や上向き時にインク
が下がってしまい服を汚したり筆記不能となる逆流の問
題の発生率を減少させるため、インクの移動を防止する
目的で一般的には3千から1万mPa S程度の高粘度
のインクを使用し、さらにインクタンクを細くすること
で毛管力を高めて防止しているが、これにより重い筆記
感、ボテ、筆記描線のムラ、濃度の薄さなどの問題を抱
えている。
【0003】繊維束の中綿に数mPa Sの低粘度イン
クを含浸させてペン先までインク誘導中芯を介してイン
クを誘導するようにした所謂中綿式ペンが知られている
がインクの消費が分からない、初期はインク流量が多く
濃い描線が得られるが筆記とともに徐々に流量が減少し
てしまい薄い筆記描線となる問題を抱えている。中綿か
らのインクの導出を良くするには中綿の毛細管力を弱め
る設定とすればよいが、落下等の衝撃によってインクが
中綿から漏れだして服を汚す吹き出しの発生率が上がっ
てしまったり、逆に中綿の毛細管力を上げると筆記に従
ってインク流量が極端に落ちてしまい、寿命後半ではイ
ンクが十分に残っているにもかかわらず筆記描線がかな
り薄くなるという吐き出し性の問題も抱えている。
【0004】上述の油性ボールペンと中綿式筆記具夫々
の欠点を解決する目的で、図8に示すようなインク2を
直接保蔵するインクタンク3を後方へ配置し、羽状の保
留溝13を多数有するコレクター6によって筆記時の空
気置換の内圧を調整する万年筆で用いられてきた機構を
応用した所謂、コレクター方式のインク直接保蔵式筆記
具(以後コレクター筆記具と呼ぶ)が知られている。コ
レクター筆記具はインク2の流量が中綿式筆記具の初期
と同等以上で多く、筆圧をかけないでも終筆までインク
流出量が暫減することなく濃い描線で筆記可能となる優
位な特長を有しているが、油性ボールペンよりもインク
搭載量を多くする必要が有るためにインクタンク3を大
径として一般的には1から3cc程度の容量のインク2
を保蔵させている。
【0005】コレクター筆記具では、外気の大気圧変動
があるとコレクター6とインクタンク3との間でインク
2を移動(又は細いインク溝14から空気を内部に出し
入れ)して内圧を調節してペン先1の先端9からインク
2が漏れ出す事を防止している。インク2の揮発を防止
する目的で空気孔10とペン先1を同時に全周のアンダ
ーカットを利用してシール密閉するキャップ17を設け
ることが一般的であるが、このキャップ17の抜き差し
によってキャップ17内の内圧が変化してコレクター6
内にインク2が充満していき、最後には保留できる限界
を超えて空気孔10からインク2が出てしまうポンピン
グ現象が欠点として存在している。
【0006】温度変化や飛行機内の気圧変化や標高差な
ど減圧と高圧が繰り返されると、吹き出し現象が生じる
欠点も上述同様のメカニズムで発生してしまう。ポンピ
ング現象はキャップ17に可動式のインナーキャップ1
8を採用する、ゴムの端面に当てることでシール面を設
ける(図示せず)などの既に公知の考案での工夫をする
事で解決可能であるが、大気圧の加減圧の繰り返し吹き
出しの問題を解決するためには、コレクター6のインク
最大保留を大きくする(径、長さを大きくする)、イン
クタンク3を小さくするなどの解決策が考えられるが、
軸サイズが大きくなって外観の問題が生じたり、インク
量が少なくなって寿命が短くなりコストパフォーマンス
が落ちる、コレクター6を長くしすぎてペン先1先端9
へのインクヘッドが高くなって直流しやすくなったり、
インク2によって解決するには極端に濡れにくいインク
としなければならず筆記性を犠牲にしなければならな
い、などの欠点を有していた。
【0007】コレクター筆記具は、地上の約1気圧状態
でキャップ17をして、約0.8気圧程度といわれてい
る航空機内の気圧変化された状態でキャップ17を開け
た場合には、ペン体内部が1気圧から外気の0.8気圧
の状態に瞬間的にさらされて内部のインク2が急激にコ
レクター6内の空気溝15を噴流してコレクター6の保
留溝13に十分にインク2を保留する事なく先端の空気
孔10からインク2が吹き出してしまう問題を抱えてい
る。
【0008】この気圧変化状態での吹き出しの問題を解
決する目的で実公平3−31580、実公平3−315
81などの考案がなされている。これらに関しては、コ
レクターの中間部の保留溝の空気溝は隣接の保留溝の空
気溝とは異なる周面位置でかつ対称位置となる2つの切
り欠きが設けられるものであり、噴流となったインクを
左右に分けて流通させて空気孔に直接インクが流れ出す
のを防止する考案である。
【0009】しかし、これらの考案では通常のゆっくり
とした内圧調整の時にインク保留溝の2つの切り欠きを
持つ羽部分に到達すると空気置換ができなくなって、そ
の2つの切り欠きを持つ羽の部分のうちインク溝とは反
対側の一部ではインクが保留できず、保留できるインク
2が減少してしまう問題がある。また、中央部の保留溝
の1カ所でこの考案のような形状をとっても、航空機で
の急激な圧力変化の時にその位置から軸方向後方までの
保留溝の部分にはインクが保留されず、噴流を1カ所で
弱める効果はあっても結局インクを保留しきれないので
吹き出しが発生してしまう。
【0010】複数の場所で上述のような2つの切り欠き
溝を持つ保留溝を数カ所設ける事が考えられるが、この
場合には上述したインク保留できない部分が増えてしま
い、加減圧の場合に通常のゆっくりとしたインクの保留
をする容積が減ってしまうため結果的にもっと大きなコ
レクターとする必要が生じてしまい、軸径が太くなって
しまったり、インク搭載量が減少して筆記具の寿命が短
かくなる欠点を有している。
【0011】このインク保留の効率の問題を解決する目
的で特開平9−104194の発明が開示されている
が、この発明ではインク溝(該発明での名称は気液交換
溝、以下同じように表記する)と空気溝(腹溝)との間
を仕切板を介して隔離し、インクがコレクター(ペン
芯)の内部に入ってきた場合には、保留溝(滞留溝)の
インク溝のある一端から徐々に回転方向にインクが充満
されて他端に向かって充満されるものである。
【0012】この発明では、加減圧下でのキャップの開
閉を行った場合には、空気溝をインクが噴流となって流
れてしまい、結果的にコレクターのインク保留を有効に
使わない状態で吹き出しが発生してしまう上述した2つ
の考案と同様の問題を有している。
【0013】さらにこの発明では、急激なインクの噴流
やペン体を落下した時の衝撃によるインクの飛散などに
よって空気溝側がインクで濡らされた場合には、保留す
るときのインクの流れが1方向となるような構造である
ため、保留溝のほとんどは細い縦溝のインク溝側と空気
溝側の両方にインクでシールされた状態となってしま
い、空気溝が存在しなくなった状態となって保留溝内の
空気置換ができなくなり、調節体としての機能を発揮し
なくなるので容易に吹き出しや直流が発生してしまう欠
点を有している。
【0014】加減圧の状態では、上述したコレクター6
部のインク2の噴流の問題だけではなく、ペン先1内部
にも急激な圧力がかかってしまうためにペン先1の先端
9からインク2が漏れだしてしまう直流の問題も存在し
ており、加減圧の時にペン先1側の内部の圧力をペン先
先端9に直接かからない工夫が望まれていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主に普及型
のコレクター式筆記具の改良を目的としており、筆記時
のスムーズな筆記を疎外することなく、使用中やキャッ
プの抜き差し等の大気圧の加減圧の影響によるインク洩
れ出しの防止性能や、店頭で長期保存された場合などの
吹き出しや直流を防止する性能など筆記具における事故
防止性能を確実に向上させたいという要望を満足させた
事で、特に航空機での加減圧繰り返しで消費者の服を汚
す等の重大欠点を防止するという課題や、太くなりやす
いコレクター式でのスリムな外観の要望がある課題とを
同時に解決すると共に、従来のコレクター筆記具の有す
る優秀な筆記性を阻害する事無く、かつコストをかける
ことなく上記の問題を解決させる事を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、本発明の筆記具は先端9に筆記部を有するペン先1
にインクタンク3から筆記部の先端9まで流路を確保す
るインク誘導芯7,8等の毛細管力を利用したインク誘
導手段を有したボールペンやインク誘導芯7,8そのも
のがペン先1となるサインペンやマーカー類である。有
底コップ状のインクタンク3とペン先1の間にはコレク
ター6を設け、外気への通気溝11と空気溝15と、気
液交換溝となる細く長いインク溝14と、羽12のスキ
マの保留溝13を複数適宜の設定幅で配置して、保留溝
13にインク2を出入りさせることでペン体内部の内圧
調整する機能を有しているものである。
【0017】本発明の有効な手段としては、急激な温度
変化や気圧変化の際にインクタンク3からコレクター6
の保留溝13への急激な移動による吹き出しを緩和する
為に、空気溝15の切り欠き(又は溝)はインク溝14
の対向面側周辺に設け、かつ、空気溝15が軸方向の同
一直線上に並ばないように2回以上の複数回蛇行(15
a、15b、15c・・・)させたものであり、望まし
くは4カ所以上のブロックA,B,C,Dに分かれるよ
うに3回以上蛇行させることが望ましい。
【0018】コレクター6の空気溝15がインク溝14
と対向する反面側の半断面のみで、かつその断面の切り
欠き(又は溝)を1カ所のみに設けるように構成したも
のでは、空気溝15が噴流によって濡れた場合にもコレ
クター6の機能を維持する事で有効なものとなり、保留
溝13の能力を完全に使用することができる上に、コレ
クター6をプラスチックで射出成形する場合に、従来同
様インク溝14の反対面となる金型の部分は従来と同様
に半断面のみに空気溝15を順次蛇行させて加工すれば
よいので金型構造を変更することなく従来の細いフィン
状の羽12と保留溝13を正確に部材コストを追加する
ことなく成形することができる。
【0019】また、少なくともインク保留溝13の1枚
以上で、内部の中継芯7,8周辺に連通する連通孔16
を有する構成としたものでは上述した従来の欠点である
加減圧下でのペン先1からのインク漏れだしを防止でき
るものであり、その導通孔16の大きさTrはあまり小
さいと毛細管力のバランスで内部からインクを保留溝1
3側に吸い出してしまう問題が発生するのでコレクター
6の保留溝13の最小幅tよりも大きいもの(Tr>
t)である事が望ましい。
【0020】ここで使用する部材は従来公知の物が使用
可能であり、例えばインク2は常温(23度前後)での
粘度が2から100mPa Sの低(又は中)粘度イン
クであり、静置状態では粘度がやや高く先端9からイン
ク2がしみ出す直流を防止し、筆記によって剪断や移動
が起こると粘度が低下してスムーズな筆記が可能となる
擬塑性インク(ゲルインクとも呼ばれる)をやや低粘度
にして応用したインクでも良く、インク2のベースとな
る溶剤としては一般的な水のみではなく、低級アルコー
ル、高級アルコール、キシレン等有機溶剤、エチレング
リコールなどのグリコール類、それらのエステルなどの
コレクター筆記具として使用できる公知の各種のインク
が適宜使用可能である。
【0021】その他の部材も同様に、中芯7,8(サイ
ンペンやマーカーではペン先)は繊維束を熱や接着剤で
固めて成形した繊維束芯や、雪結晶状の断面を押し出し
によって成形した所謂プラ芯や、小粒子を熱や接着剤に
よって空間を維持しながら固定した焼結芯や、スポンジ
など、インクをある程度以上保持及び連通する性能が有
れば従来使用している物が適宜選択可能である。
【0022】
【実施例】以下、図示した実施例について詳説する。図
1から図7は本発明の実施例であるコレクター式水性ボ
ールペンを、図8には従来例であるコレクターボールペ
ンを示している。図8に示すように一般的なコレクター
ボールペンでは、先端に筆記用のボール9を回転可能抜
き出し不可能に遊嵌するペン先1と内部にインクタンク
3からコレクター芯7と中芯8によってボール9までイ
ンク2を誘導しており、その他の部材も、尾栓21やク
リップ20、キャップ17、インナーキャップ18をス
プリング19により稼働させてポンピング防止効果を出
すキャップシール機構、コレクター6とペン先1の間で
空気流路を設けたりや色表示をするクチプラ5、継手
4、などについては従来の製品と同じ構成が適宜選択で
きる。
【0023】内部に常温での粘度が2から100mPa
Sの比較的低粘度の水をベースとして40%以上含む
インク2を直接保蔵している透明または半透明合成樹脂
製インクタンク3は、インクが漏れない状態でコレクタ
ー6を圧入固定しており、インク2に関しては主溶剤に
溶解する染料インクや、耐水性や耐光性に優位な着色剤
としてはカーボンブラックなどの顔料や染着樹脂粉等の
疑似有機顔料などが存在しているが、従来のコレクター
式筆記具同様のインク2が使用可能であり、本発明では
特に限定される物ではなく、主溶剤をアルコールやキシ
レンなどの有機溶剤としたインクでもコレクター式筆記
具としての機能を満足すれば本発明を応用することがで
きる。
【0024】特に筆記時のインク消費によりインクタン
ク3内のインク2の量がコレクター6が最大保留できる
量よりもやや多いインク残量の時がインクタンク3の内
圧変化が大きく、大気の加減圧によって内圧の外気圧と
の変化や温度変化による内圧変化があると、筆記のため
のインク2の流路が確保されているペン先1の先端部9
からインク2が漏れだしたり、先端9から空気が入って
カスレが生じる事を防止するために軸内と外部とは気液
交換溝となるのに十分に細いインク溝14と空気溝15
と複数の羽12のスキマである保留溝13とを有するコ
レクター6を介して連通してある。コレクター6には外
気と内部の圧力差が生じるとコレクター6の羽状の保留
溝14にインク2が出入りすることでペン体内部の容積
を加減して内圧のバランスを取る機能がある。
【0025】コレクター6には保留溝14の空間にイン
ク2が充満可能な全容積をインクタンク7の容積の12
%以上の保留率(望ましくは15%から30%)とし
た。コレクター6のサイズや溝幅等については使用する
インク2やインクタンク3の容積などから適宜選択した
物が使用でき、コレクター6のサイズが大きいほど安全
性は増すがペン全体のサイズが大きくなったりペン全体
の大きさの割にインク2の搭載量が少なくなる問題が生
じる為、一般的にはある程度の最適サイズで設計され
る。
【0026】本発明の第1の有効な構成としては、一般
的には軸方向直線で設けられる空気溝15を図4、図
5、図6の断面図に示すように、ある枚数の羽12の断
面を切り欠き又は溝状にして一連の軸方向に空気溝15
を設けると共に15aと15bの様に隣接する空気溝1
5を、図1,図2に示すように15a、15b、15
c、15dの様に、直線上にならないよう複数回(望ま
しくは15a、15b、15cの3回以上)蛇行させた
コレクター6である。蛇行させる位置はコレクター6の
保留溝13の全体に渡って設けることが望ましいが、軸
方向後方又は前方に偏った蛇行の物でも同様の効果は認
められる知見が得られた。
【0027】従来のコレクター筆記具では、上述したよ
うにコレクターのみで12%程度までの温度変化など比
較的緩やかな内圧変化に対応して内圧調整を行ってい
る。しかしながら、従来のコレクター式筆記具では航空
機の減圧状態での使用までは十分には考慮されておら
ず、コレクター6のインク2の保留が急激な移動に対し
て対応されていないため、噴流がコレクター6内の空気
溝15と通気溝11を越えてペン体の空気孔10からイ
ンク2が吹き出す事故が発生する。
【0028】以下に航空機での使用を考慮した現象を詳
述すると、略1気圧でキャップ17を差して航空機に搭
乗し、0.8気圧になった状態でキャップ17を開けた
時には、インナーキャップ18のシール性によって1気
圧に内圧保持された状態から、インクタンク3内の高い
内圧が低い外圧にバランスしようとして急激にコレクタ
ー6の内圧調整溝にインク2が入る。その後筆記完了し
てキャップ17をすると筆記具は0.8気圧の状態でバ
ランスした内圧となったままインナーキャップ18のシ
ール性によって維持される。
【0029】地上に戻って1気圧の状態でキャップ17
を解放すると急激にコレクター6内に保留されていたイ
ンク2がインクタンク3側に戻ろうとするが、圧力変化
が急激なためインク2がタンク3に戻ると共に、いくら
かの空気が先にタンク3内に入ってしまい、コレクター
6にインク2を保留したままの状態となってしまう現象
が発生する。つまりコレクター6に既にインク2が充満
されているので、その後の僅かな温度変化や再度航空機
に搭乗して使用する繰り返し搭乗などの時には内圧調整
する余裕が無くなっており、吹き出しの事故につながっ
てしまう。キャップ17をシール性のない物にすれば急
激な圧力変化が無くなるのでこの問題は軽減されるが、
インク2の揮発が多くなって、経時するとインクが固ま
ったり、増粘してかすれたりする不具合が生じやすい。
【0030】現状でもコレクター式筆記具はやや太くな
っており、これ以上太くすると握り部の太さや外観で問
題が発生するうえ、コレクター6を従来品以上に長くす
るとコレクター6の内部の長さの分はペン先2にインク
ヘッドがかかっていることからペン先の先端9からイン
ク2が漏れ出す直流の問題が発生する。インクタンク3
の容積を小さくすればコレクター6のサイズが同じでも
保留率は大きくなって安全性が増すが、筆記寿命の問題
が発生する。特に直液式筆記具では初期から終筆付近ま
で流量が多く安定するため、インク消費量が暫減してい
く中綿式よりもインク搭載量を多くしないと同じ寿命に
できない。
【0031】本発明では、インク溝14のほぼ反対側の
断面に空気溝15を蛇行させて設けており、インク2が
保留溝13の中へ入って保留されるにはインク溝14の
周辺から出入りしその回りの空気を空気溝15から逃が
しており、空気溝15周辺がある程度の噴流でインク2
によって濡れた場合でもインク溝14の両側から出入り
させることが可能でその後のインク2の出入りを阻害さ
れる空気流通しない危険が少なく、噴流は蛇行した空気
溝15a、15b、15c、15dを蛇行する内に勢い
が弱められると共にその周辺の保留溝13にインク2が
収蔵され、結果的に軸方向先端側に到達する頃には圧力
上昇が弱まって通気孔11からインク2が吹き出すこと
がない。
【0032】また、蛇行した空気溝15は、インク溝1
4のほぼ反対側に設けられており、この部分でゆっくり
とした圧力変化の場合でも空気流通不良によってインク
2の保留を十分に行えない問題がないので、複数回の複
雑な蛇行を設けたとしてもインク2の保留が100%可
能である事からこれらの問題も生じない。特にインク溝
14の反対側の半断面側のみに空気溝15を蛇行させた
物はこれらの問題が全くなく、金型の製造の上でも有効
である。
【0033】航空機内での使用時には、コレクター6側
のインク2の流動だけではなく同じ圧力がペン先1内部
にもかかることから、航空機内でキャップ17をあけた
瞬間に僅かではあるがペン先1の先端9からインク2が
漏れ出す直流の問題も存在しているが、この問題を解決
するために本発明では上述の吹き出し対策に加えて、コ
レクター6の保留溝13の少なくとも1枚以上が(望ま
しくは軸方向の空気孔10側でかつ2枚以上後方の中央
よりやや前の位置で)、ペン先1側に流通している中芯
8又はコレクター芯7の部分と連通するような連通孔1
6が開いている形状とした。連通孔16の寸法Trは保
留溝13の最も細い溝幅tより大きい寸法φtの断面積
以上とする事が望ましい。
【0034】連通孔16を設けたコレクター6では、航
空機の減圧下でキャップ17をあけるとペン先1の先端
9からインク2を漏れ出させる圧力は途中でコレクター
6の保留溝13側に連通孔16を介して逃がす、つまり
インク2が保留溝13側に僅かに出てくるが保留溝13
は出てきた僅かなインク2を保留することが可能である
ため結果的にペン先1の先端9からインク2が出てくる
直流を防止することが可能となり、コレクター6以外の
部材は従来の物とまったく同じ物で問題ない性能が得ら
れた。
【0035】
【作用】本発明の構成とすることで、従来のコレクター
筆記具の温度変化による比較的ゆっくりとした内圧変化
に対応してインクが吹き出すことのない作用はまったく
同様に有しているばかりでなく、航空機での使用時を考
慮した急激な圧力変化でインクタンク側からコレクター
の空気溝にインクが勢い良く噴流しても本発明の数回の
折返しのある空気孔によってインクの噴流の勢いを弱め
ることができ、さらには保留溝の少なくとも1枚に内部
のペン先と導通孔を設けた場合にはペン先の内部にかか
る圧力を逃がすことでペン先先端からのインク漏れであ
る直流を防止する事もでき、総合的にコレクター筆記具
の吹き出しや直流の事故を防止する作用を有している。
【0036】また、噴流したインクが保留溝の各部に付
着しても保留溝内断面の空気置換に影響が出る可能性も
少なく、どの様な状況でも保留溝を有効に使用すること
がせきるのでコレクター式筆記具の効率の良い内圧調整
機能や筆記性に悪影響を与えない作用も有している。
【0037】
【発明の効果】本発明の筆記具の構成及び作用は以上の
如くであり、細身で外観の良く、コストパフォーマンス
の優れた筆記具とする事ができる。航空機による加減圧
下や、温度変化、キャップによるポンピング現象が発生
しにくくなり、安全かつ安定した筆記性を確保できるよ
うになる。特に航空機を乗り継いで筆記をするビジネス
マンが使用するような航空機の減圧環境を繰り返し受け
る環境でも吹き出しの事故のない筆記具とすることがで
きる。
【0038】従来のコレクター筆記具と比較して特別な
金型構造や組立方法の変更をすることなく上述のような
有効な作用を有する効果があるため、部品コストが同じ
で、製造が容易で、安価で外観の良い、長期保存性に優
れたコレクター筆記具を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるコレクターを示す斜視図
である。
【図2】本発明の実施例であるコレクターを示す正面外
観図である。
【図3】本発明の実施例であるコレクターを示す裏面外
観図である。
【図4】本発明の実施例であるコレクターのE−E断面
図である。
【図5】本発明の実施例であるコレクターのF−F断面
図である。
【図6】本発明の実施例であるコレクターのG−G断面
図である。
【図7】本発明の実施例であるコレクターのH−H断面
矢視図である。
【図8】従来例である筆記具を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ペン先 2 インク 3 インクタンク(軸) 4 継手 5 口プラ 6 コレクター 7 コレクター芯 8 中芯 9 筆記部(ボールペンの場合はボール) 10 空気孔 11 コレクターの通気孔 12 羽 13 保留溝 14 インク溝 15 空気溝 15a、15b、15c、15d 空気溝の蛇行 16 連通孔 17 キャップ 18 インナーキャップ 19 スプリング 20 クリップ 21 尾栓 22a、22b、22c 空気溝の接続溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に筆記部を有したペン先と、常温で
    の粘度が2から100mPa Sの比較的低粘度のイン
    クを直接保蔵するインクタンクと該インクタンクから筆
    記部までインクを誘導する中芯等の誘導手段とを備えた
    所謂コレクター式筆記具の内圧を調整するため毛細管現
    象を利用した複数枚の羽状保留溝を有する調節体である
    コレクターに於いて、該コレクターには複数枚の径方向
    の保留溝と軸方向の細く長いインク溝とコレクター部の
    空気流路となる空気溝を有しており、該空気溝はコレク
    ターの羽の切り欠き(又は溝)と保留溝とを組合せる事
    で軸方向と径方向の空気流路を確保する様に構成されて
    おり、急激な温度変化や気圧変化の際にインクタンクか
    らコレクター保留溝への急激なインク移動による吹き出
    しを緩和する為に、空気溝の切り欠き(又は溝)はイン
    ク溝の対向面側周辺に設け、かつ、空気溝が軸方向の同
    一直線上に並ばないように少なくとも2回以上の複数回
    蛇行させる様に構成した事を特徴とする筆記具のコレク
    ター。
  2. 【請求項2】 コレクターの空気溝の切り欠き(又は
    溝)がインク溝と対向する反面側の半断面のみに設けら
    れ、かつ、各断面で1カ所のみの切り欠き又は溝で構成
    された事を特徴とする請求項1記載の筆記具のコレクタ
    ー。
  3. 【請求項3】 少なくともインク保留溝の1枚以上で、
    中芯周辺の内部に連通する連通孔を有することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の筆記具のコレクタ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115107395A (zh) * 2022-07-19 2022-09-27 上海容奥包装科技有限公司 一种水性笔的透气防泄漏结构

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