JP3632289B2 - インキタンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉空間内に自由状態でインキを収容し、インキ消費に伴い体積変化する可動壁部を有してなるインキタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記具やインキジェットプリンタ等のペン先や印字ヘッドなどのインキ吐出機構に対してインキを供給するインキを収容するインキタンクとしては、そのインキを自由状態で収容する所謂生インキタイプのものや繊維集束体やスポンジのようなインキ保持部材に含浸させておく所謂中綿タイプのものなどが知られている。
【0003】
特に、生インキタイプのものは、大量に収容したインキを殆ど全て使いきることが可能であることやインキ吐出機構へのインキの供給がスムーズであることなどより広く使用されている。このようなインキの供給を得るためには、インキタンク内がインキ消費に伴って負圧化されることを抑制することが必要があり、消費されたインキの体積分を外部から空気を取り込むようなすことが一般的に行われている。中でも、インキ収容部分を形成する壁の一部に高粘度流体やスライド栓を配したり、インキ収容部分そのものを袋体にて形成し、インキ消費に伴ってインキの収容される部分の容積を変化させるものは、インキ/空気交換の複雑な構造を必要としないことなどから使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のもののような、インキタンクのインキ収容部分の容積をインキ消費に伴って減少させてなるものは、高粘度流体やスライド栓を可動壁として有するものでは、高粘度流体やスライド栓がインキ突出の微妙な圧力変化で移動し得るように設置されなくてはならず、その密封信頼性に問題が残るものであった。即ち、輸送時や店頭陳列時などに衝撃や遠心力等が付与された場合、高粘度流体の層が破損したり、スライド栓が逆方向に移動してしまったりし得るものであった。特に、インキジェットプリンター用のインキカートリッジやプロッター用の筆記具のような記録計に取り付けられるものの場合、使用時にも常に微振動や衝撃などが付与されることになり、インキ洩れの心配が拭えず、結局はその設置状態を厳しく管理しなくてはならなくなり、折角の簡単な構造の利点を損ないかねないものであった。また、インキ収容部分そのものを袋体にて形成したものでは、一定の形が決まらないような袋体にインキを充填してから本体に設置しなくてはならず、その組立ての作業が煩雑になるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、密閉空間内に自由状態でインキを収容し、インキ消費に伴い体積変化する可動壁部を有してなるインキタンクにおいて、前記可動壁部として伸縮膜と該伸縮膜の保持体とを配置してなることを特徴とするインキタンクを要旨とする。
【0006】
可動壁部となる、伸縮膜は、基本的にはインキタンクを形成する壁の一部として固定され、インキ消費に伴ってインキに引っ張られる力を受け伸延しインキ収容部分の負圧化を抑制するものであり、材質の一例としてはテトラフルオロエチレン(C2F4)とエチレン(C2H4)との共重合体、テトラフルオロエチレンとナイロンケン化エチレン酢酸ビニルとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンとポリヘキサフルオロプロピレンとの混合物、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが例示できる。
【0007】
また、保持体は、伸延した伸縮膜の形状を保持し、減少したインキ収容部分の容積を保持するものであり、伸縮膜とインキ界面との間に配置され、一例として、ポリブテン、シリコーングリスなどが例示でき、その粘度は数百cps〜数10万cps程度が好ましい。
【0008】
【作用】
本発明のインキタンクは、伸縮膜を可動壁部とすることにより、インキ収容部として閉鎖された空間を形成しつつ、高粘度流体やスライド栓の可動壁にてインキタンク内の負圧化を抑制するものの利点である特別なインキ/空気交換の制御機構を必要としない比較的簡単な構造とすることができ、インキ洩れに対しての高い信頼性と製造の容易性を供に満足し得るものである。
【0009】
【実施例】
以下、図面に基づき一例について説明する。
図1に示すものは、インキジェットプリンタ用のインキタンクカートリッジとした例である。インキジェットプリンタの本体に設置しやすいよう、全体として直方体に近い形状となっているものである。
容器本体1の底部にはインキ吐出孔2が形成されており、印字ヘッド(図示せず)にインキを供給するアクリル繊維の集束体がインキ誘導部材3として取り付けてある。
【0010】
容器本体1の内部には、水を主溶剤とした所謂水性の顔料インキ4が収容されており、インキ4の界面部分にインキの消費に伴って移動する可動壁として、伸縮性のある伸縮膜5と伸縮膜5の保持体として高粘度流体6とが配置されている。伸縮膜5は容器本体の開口部に熱又は超音波により溶着固定されており、容器本体1内のインキ4が収容される領域を実質的にインキ4と高粘度流体6とのみが存在する部分として封している。尚、伸縮膜5は、材質によっても左右されるが、伸延性、インキ遮断性、空気遮断性、耐久性等の観点より1μm〜100μm、より好ましくは、5〜10μm程度の厚みであることが好ましい。
【0011】
また、容器本体1の開口部7には蓋体8が固着されている。蓋体8は伸縮膜5の保護部材として取り付けられているもので、容器本体1への取付は螺合、乗越嵌合、接着、溶着など適宜であり、外界に通じる空気孔9を有している。尚、本例の場合、高粘度流体6はインキの逆流防止体組成物として、粘度が10万cps程度のポリブテンを使用しているが、インキに対して比較的高粘度、高表面張力、低比重のものが好ましい。
【0012】
インキが消費され、インキタンク内のインキの体積が減少すると、可動壁としての高粘度流体6がインキ吐出孔2方向へ移動する。伸縮壁7は高粘度流体6の移動により引っ張られて伸延し、高粘度流体6に追従する。高粘度流体6はその粘度及び表面張力などによりインキが消費された分の移動した位置を保持する。
【0013】
第2図に別の実施例を示す。先端に、筆記部材としてのボールを抱持したボールペンチップ10を取り付け、内部に水を主溶剤とした顔料インキ4を収容した所謂水性顔料ボールペンの例である。
インキタンクとして、ポリプロピレン製の筒体11の一端に、ボールペンチップ10を先端突出した状態で圧入固着したペン先ホルダー12を圧入固着し、他端に空気孔9を有する蓋体8が取り付けられている。
【0014】
筒体11の内部には、インキ4及び高粘度流体6が充填されており、伸縮膜5にて封されている。伸縮膜5は、蓋体8と筒体11の後端部とによって挟まれており、蓋体8の筒体11への固定力により固着されている。通常、後部を開放口とするような筒体をインキタンクとする場合、インキ洩れの抑制からその筒体の開口部にまでインキや高粘度流体を充填することは実際的ではないが、本発明では、インキタンク内は実質的に伸縮膜にて封されており、収容するインキ量をインキ筒の容積と同等まで近づけることができる。尚、このボールペンチップ10、筒体11、伸縮膜5にて区画される領域には極力空気が存在しないようなしてある。
【0015】
ボールペンチップ10の先端よりインキが吐出され、インキ4の量が減少していくと、高粘度流体6がボールペンチップ側に移動し、それに伴って伸縮膜5が伸延する。このような筆記具のように長尺である棒状体をインキタンクとした場合は、伸縮膜5として大きな伸延性が要求される。伸縮膜5として、テトラフルオロエチレン(C2F4)とエチレン(C2H4)との共重合体、テトラフルオロエチレンとナイロンケン化エチレン酢酸ビニルとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンとポリヘキサフルオロプロピレンとの混合物、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用すれば、伸延性及び耐久性が高いのでインキを使いきるまでインキタンク内に密封性を維持し、良好なインキ吐出を確保することができる。
【0016】
特に、ボールペンチップは筆記部材としてのボールが内部空間を蓋しているのみであり、通常、粘度が数cps程度の低粘度のインキを使用するに当ってはインキの流量を調節するためにインキ中継芯を有する一時的インキ溜め部材使用するなど、実質的にインキ−空気の交換機構が必要とされるものであったが、本発明のように伸縮膜と保持体を配置したインキタンクを使用した場合、特別なインキ−空気の交換機構は必要とせず、従って、収容するインキ量の大量化、インキ充填・組み立て作業の簡素化によるメリットの大きいものであるといえる。
【0017】
以上の他にも本発明の要旨を逸脱しない限りで種々なせるものである。一例を挙げると、インキ誘導部材3はアクリル繊維などの繊維集束体製とする以外に、インキ通路を中心孔として有する合成樹脂の押出成形物やウレタンのような連通多孔質のものであってもよいし、印字ヘッド等のインキ吐出機構に接続していれば単なる孔であってもよい。また、交換可能なカートリッジとする場合、未使用状態ではインキ供給部を覆う蓋をしたり全体をアルミ蒸着した合成樹脂シートで包装するなどインキ乾燥やインキ洩れを抑制する手段を施すことが好ましい。また、インキとしては水性の顔料インキの他に、アルコール等の有機溶剤を主溶剤とする所謂油性インキや、色材として染料を使用することも適宜である。更に、容器本体をインキ残量やインキ色が外から視認できるよう透明な合成樹脂にて成形することや、伸縮膜5をインキ残量視認部またはインキ色表示部として着色することなど適宜なすことができるものである。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインキタンクは、簡単な構造にて豊富なインキをインキ吐出機構に供給すると供に、インキ洩れも極力抑制されたものとすることもでき、生インキ式のインキタンクとして有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一例を示す断面図。
【図2】他の一例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 容器本体
2 インキ吐出孔
3 インキ誘導部材
4 インキ
5 伸縮膜
6 高粘度流体
7 開口部
8 蓋体
9 空気孔
10 ボールペンチップ
11 筒体
12 ペン先ホルダー
Claims (1)
- 密閉空間内に自由状態でインキを収容し、インキ消費に伴い体積変化する可動壁部を有してなるインキタンクにおいて、前記可動壁部として伸縮膜と該伸縮膜の保持体とを配置してなることを特徴とするインキタンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10429296A JP3632289B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | インキタンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10429296A JP3632289B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | インキタンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09267491A JPH09267491A (ja) | 1997-10-14 |
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Family
ID=14376866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10429296A Expired - Fee Related JP3632289B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | インキタンク |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3632289B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3027556B1 (fr) | 2014-10-24 | 2016-11-25 | SOCIéTé BIC | Membrane de compensation de difference de pression |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP10429296A patent/JP3632289B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09267491A (ja) | 1997-10-14 |
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