JP4522069B2 - フイルム巻取装置及びその方法 - Google Patents

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本発明は、長尺のフイルムをロール状に巻き取るフイルム巻取装置及びその方法に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)用偏光板保護フイルムなどに用いられるプラスチックフイルムは、一般に溶液製膜法により製造されている。この溶液製膜法を用いてプラスチックフイルムを製膜するフイルム製膜工程では、例えば、トリアセチルセルロース等のポリマーを、適宜各種添加剤を加えて溶媒によってドープにしたあと、エンドレスの無端支持体であるドラムもしくはバンドへ流延し、自己支持性をもったところで剥離して、ロールで搬送しながら熱風乾燥して製品フイルムを形成する。形成された製品フイルムは、搬送ラインの最下流にあるフイルム巻取装置に連続的に送られ、そこで樹脂、金属、木材、厚紙等で作られた円筒状の巻取り芯に、用途や設備能力等に応じて数百mから数千mの長さに巻き取られる。そして、ロール状に巻き取られたフイルムロールの形態で適宜梱包されて製品形態となる。
このフイルム巻取装置では、フイルム巻取り時またはフイルム巻取り後に、フイルムロールに巻き取ったフイルムがその幅方向にずれてしまう所謂巻ずれの発生を防止するために、巻取り中のフイルムにテンション(巻取り張力)を付与したり、或いは、フイルムの側端部にナーリングを施している。ここで、ナーリングとは、刻印ロールを用いて、一般にナーリングエンボスと呼ばれる加工を施して実質的に側端部の厚みを厚くすることをいう。
テンションを付与することで巻圧が強くなるため、巻ずれの発生を防止することはできるが、フイルムはその幅方向にわたって僅かに厚みむらがあるので、巻圧が強くなりすぎると、フイルムの凹凸が巻き重なって局所的に厚くなった箇所に圧力が強くかかってしまう。その結果、透明の筋状の故障(以下、単に黒帯という)や巻きしわが発生しやすくなる。特に、フイルムがフイルム巻取装置に一定速度で搬送されてくる場合には、フイルムロールの巻径が長くなるのに対応して、フイルムを巻き取る巻取速度を減速させているので、フイルムに付与するテンションも巻径に対応して低減させないと巻圧が強くなって黒帯や巻きしわが発生してしまう。
また、テンションを強くする代わりにナーリングを施した場合には黒帯や巻しわの発生は抑えられるが、フイルム側端部が厚くなってしまうので、フイルム巻取り時にエアを一緒に巻き込んでしまう。さらに、エアを巻き込んだ状態で長い時間保管しておくと、エアを巻き込んだ箇所が押しつぶされて陥没してしまう。
このような黒帯や陥没などの品質故障の発生を抑えながら巻きずれの発生を防止する方法として、例えば、特許文献1に記載されているように、巻圧が所定の値を超えて黒帯や巻きしわが発生したり、逆に巻圧が弱くなって巻きずれが発生しないように、フイルムロールの巻径に応じてフイルムに付与するテンションを制御するのと同時に、フイルムロール周面にレイオンロールなどの押圧ロールを所定の圧力で押圧させて、フイルム巻取り時に巻き込まれたエアを強制的に除去する方法がある。
特開2002−220143号公報(第3〜4頁)
ところで、一般にレイオンロールは、フイルムに対する保護性を高めるためにゴムラインニングされているので、レイオンロールとフイルムロールとの摺接、接触、剥離などによってフイルムロールが静電気を帯びてしまう。その結果、空気中をただよう浮遊塵が静電気により引き寄せられてしまうため、フイルムロールに異物が付着して異物故障が発生してしまう。この静電気対策として、例えばフイルムロール近傍に電圧印加式除電器を設置し、この除電器からイオンを発生させることによって静電気を除電する方法もあるが、この方法ではオゾンが発生して、レイオンロール表面のゴムを劣化させてしまうため、ゴム表面の体積抵抗が増加して帯電する静電気量がさらに増加してしまう。さらに、ゴムの硬さも硬硬くなってしまうので黒帯が発生してしまう。
また、レイオンロールとフイルムロールとが接触することによって、このフイルムロールに巻き回されたフイルムの表面に凹凸が形成されて、次工程で反射防止層形成液などを塗布した際に塗布むらを発生させる原因となってしまう。さらに、レイオンロールの押圧力を上げた際には、この塗布むらがさらに悪化してしまうおそれがあるため、改善が強く望まれていた。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、黒帯、巻しわ、陥没、巻ずれなどの品質故障の発生を抑えた上で、さらに、レイオンロールなどの押圧ロールを用いることなく、フイルム巻取りを行うフイルム巻取装置及びその方法を提供するものである。
本発明のフイルム巻取装置は、長尺のフイルムをロール状に巻き取るフイルム巻取装置において、前記フイルムがロール状に巻き取られたフイルムロールのフイルム巻取り方向に沿って設けられ、前記フイルムロールの周面にエアを吹き付けて押圧する第1及び第2エア吹付手段を備えるとともに、第1及び第2エア吹付手段のうち、フイルム巻取り方向上流側となる一方の吹付圧力が他方の吹付圧力よりも低く設定されていることを特徴とする。また、前記エア吹付手段はスリット状のエア開口を備え、前記エア開口の長手方向の長さは、前記フイルムの幅方向の長さの0.7〜1.1倍に形成されていることが好ましい。さらに、前記フイルムロールの巻径を測定する巻径測定手段と、前記巻径測定手段による測定結果に基づき、前記エア開口とフイルムロール周面との距離を一定に保つように前記エア吹付手段を移動させる移動手段とを備えることが好ましい。
また、前記巻径測定手段による測定巻径が長くなるのに応じて、前記エア吹付手段により前記フイルムロール周面を押圧する押圧力を減少させる押圧力制御手段を備えることが好ましい。また、フイルム巻取り初期時における前記押圧力を2〜10kPaに設定し、フイルム巻取り終了時の押圧力を前記フイルム巻取り初期時の0.5〜0.8倍に設定することが好ましい。さらに、前記フイルムロール周面の幅方向中央部への前記押圧力を幅方向端部への押圧力よりも高くしていることが好ましい。
また、前記フイルムとして、トリアセチルセルロースフィルムを用い、そのフイルム幅は、1000〜1500mmであることが好ましい。また、前記エア吹付手段は、前記フイルムロールの中心軸を中心とし、前記フイルムがフイルムロールに巻き取られる巻取開始位置からフイルム巻取り方向に向かって60〜240°の範囲に設けられていることが好ましい。さらに、前記エア開口の長手方向を挟み込むように形成され、このエア開口から吹き付けられたエアを吸気する吸気口を備えていることが好ましい。
また、長尺のフイルムをロール状に巻き取るフイルム巻取装置のフイルム巻取方法において、前記フイルムがロール状に巻き取られたフイルムロールのフイルム巻取り方向に沿って設けられた第1及び第2エア吹付手段から、前記フイルムロールの周面にエアを吹き付けて押圧するとともに、第1及び第2エア吹付手段のうち、フイルム巻取り方向上流側となる一方の吹付圧力を、他方の吹付圧力よりも低く設定することを特徴とする。
本発明のフイルム巻取装置及びその方法は、フイルムロールをエアプレスすることにより、フイルム巻取り時に巻き込まれたエアをレイオンロールなどの押圧ロールを圧接させることなく非接触で除去することができるので、フイルムが静電気を帯びて異物故障が発生したり、フイルム表面に凹凸が形成されて次工程の塗布工程で塗布むらが発生するのを防ぐことが出来るという利点がある。
図1は、本発明を実施したLCD用偏光板保護フイルム製膜工程のフイルム巻取装置10を示した概略図である。フイルム巻取装置10にはターレット方式、1軸方式などの各種巻取装置があるが、本発明はいずれのフイルム巻取装置を用いてもよく、本実施形態では1軸方式のフイルム巻取装置を用いる。フイルム巻取装置10は、搬送ラインの最下流に設けられ、図示しない製膜装置、乾燥装置などで製造された偏光板保護フイルム、例えばトリアセチルセルロースフイルム(以下、単にTACフイルムという)11を架台12に回転自在に保持された巻芯13でロール状に連続巻取する。そして、フイルム巻取量が増えるにつれて、この巻芯13にはTACフイルム11が何層にも巻き回されたフイルムロール14が形成される。
TACフィルム11は、極めて高い透明性を有し、且つ光学異方性が小さく、且つレターデーションが低いため、LCD用偏光板保護フイルムとして広く利用されているフイルムであり、本実施形態では厚さ20〜200μm、幅1000〜1500mmのフイルムが用いられている。また、図示は省略するが、巻取り前のTACフイルム11に、巻ずれ防止対策として前記ナーリングを施してもよい。
巻芯13を含むフイルムロール14の巻径が所定の長さに達したら、巻取り作業を一旦中断してTACフイルム11をフイルムカッタ(図示せず)等を用いて所定の位置で切断する。次いで、フイルムロール14を巻芯13ごと取り外して、新たな巻芯13を架台12にセットする。その後に、フイルム巻付装置(図示せず)等を用いて、切断されたTACフイルム11を新たな巻芯13に巻き付けて巻取り作業を再開する。
巻芯13は、モータ17によって回転駆動され、巻芯13が図中時計方向に回転されるとTACフイルム11がフイルムロール14に巻き取られる。モータ17としては、パルスモータなどが多く用いられ、このモータ17に印加されるモータ制御用パルス信号の周波数を制御することにより、モータ17及び巻芯13の回転速度、つまり、フイルムロール14がTACフイルム11を巻き取る巻取速度を制御することができる。
TACフイルム11は、常に一定の搬送速度でフイルム巻取装置10に連続搬送されてくるので、フイルムロール14の巻径が長くなるのに対応して、前記巻取速度を減速させている。そのため、フイルムロール14のフイルム搬送ライン上流側には、フイルムロール14の巻径を算出するために、フイルムロール14に巻き取られたTACフイルム11の巻取量を測定する巻取量測定手段が設けられている。この巻取量測定手段としては、例えば、パスロール16の一つに、このロールの回転をパルス信号に変換するパルスジェネレータ18を取り付けて、このパルスジェネレータ18により変換されたパルス信号のパルス数をカウントすることによりTACフイルム11の巻取量を求める。そして、求められた巻取量からフイルムロール14の巻径を算出する。
フイルムロール14のフイルム搬送ライン上流側には、前記パスロール16の他に、前記特許文献1に記載されているようなフイルムテンションを測定するためのテンション測定用ロール20と、このテンション測定用ロール20に接続されたテンション測定センサ21と、テンションの調節に用いられるダンサロール23と、ガイドロール24と、ダンサロール23を図中上下方向に移動させることによりTACフイルム11に付与されるテンションを調整するダンサ機構25とが設けられている。
テンション測定センサ21は、テンション測定用ロール20を介して、TACフイルム11のテンションを測定する。上述したように、TACフイルム11に付与されるテンションが強いとフイルムロール14の巻圧が強くなって黒帯や巻きしわが発生してしまう。逆に、テンションが弱いと巻圧が弱くなって巻きずれが発生してしまう。そのため、TACフイルム11に付与されるテンションが常に所定の範囲内になるように、ダンサ機構25を用いてダンサロール23の位置を調整している。例えば、テンションを強くしたい場合には、ダンサロール23を図中上方に移動させ、逆にテンションを弱くしたい場合には、ダンサロール23を図中下方に移動させる。テンション測定センサ21よりの測定情報に基づいて、ダンサロール23を図中上下方向に移動させることによって、フイルムロール14の巻圧を所定の範囲内に調整することができる。
また、上述したように、TACフイルム11の搬送速度が一定速度に固定されているのに対して、フイルムロール14の巻取速度は巻径が長くなるのに対応して減速させているので、TACフイルム11に付与するテンションも巻径に対応して低減させないと巻圧が強くなって黒帯や巻きしわが発生してしまう。そのため、フイルム巻取装置10では、前記特許文献1に記載されているように、フイルムロール14の巻径または巻取量に対応してフイルムに付与するテンションを低減させている。
従来のフイルム巻取装置では、レイオンロールなどの押圧ロールをフイルムロール14の周面に圧接させることによって、フイルム巻取り時に巻き込んだエアを除去していたので、TACフイルム11が帯電して異物故障等の問題が発生してしまう。そのため、本発明では、レイオンロールの代わりにエアノズル28を設けて、このエアノズル28に形成されたスリット状のエアノズル開口28aからフイルムロール14の周面に高圧エアを吹き付けてエアプレスすることにより、フイルム巻取り時に巻き込んだエアを非接触で除去する。
エアノズル28は、そのエアノズル開口28aの長手方向とフイルムロール14の中心軸とが平行になるようにフイルムロール14の周面に配置され、さらに、例えば図2に示すように、フイルムロール14の中心軸を中心とし、TACフイルム11がフイルムロール14に巻き取られる巻取開始位置を0°として、フイルム巻き取り方向に向かって60°(θ1 )〜240°(θ4 )の範囲内、より好ましくは90°(θ2 )〜180°(θ3 )の範囲内の任意の位置に配置されている。なお、本実施形態では、エアノズル開口28aとフイルムロール14の周面とを対向させているが、これに限定されるものではなく、例えば、エアノズル28を前記長手方向を中心軸として、フイルムロール14の周面に対して15°〜40°ほど傾けてもよい。
エアノズル開口28の長手方向の長さがTACフイルムの幅よりも長いと、エアプレスする際にフイルムロール14の側面からエアが入り込んでエアの除去効率が低下してしまう。そのため、エアノズル開口28の長手方向の長さは、TACフイルム11の幅方向の長さの0.7〜1.1倍、より好ましくは0.7〜0.9倍の長さに形成されている。
エアノズル28は、フイルムロール14の巻径が長くなってもエアノズル開口28とフイルムロール14周面との距離を一定に保てるようにシフト機構30に取り付けられ、フイルムロール14の巻径が長くなるのに対応して図中左方向に移動される。なお、本実施形態では、エアノズル開口28とフイルムロール14周面との距離を2〜50mmに設定している。
エアノズル28には、エアの発生源として、フィルタ、エアタンク及びコンプレッサからなる高圧型ブロア32がエア配管33を介して接続されている。また、このエア配管33の配管途中には、エアの噴出を制御する自動弁34の他に、図示は省略するが、高圧型ブロア32で発生させたエアの湿度(露点)を調整する除湿器、エアの温度を調整する熱交換器などが設けられている。高圧型ブロア32で発生させたエアは、エアノズル開口28aの長手方向にわたって均一な吹付圧力でフイルムロール14周面に吹き付けられ、フイルムロール14の周面を均一な押圧力でエアプレスする。なお、本実施形態では、フイルム巻取り初期時の前記押圧力が2〜10kPaになるように前記吹付圧力を調整している。そして、フイルムロール14の巻径が長くなるのに対応して、この吹付圧力を徐々に減少させて、フイルム巻取り終了時の押圧力がフイルム巻取り初期時の0.5〜0.8倍になるように制御している。これにより、フイルムロール14の巻径が長くなった際に、フイルムロール14の外周側が強く巻かれることによって、フイルムロール14内の巻芯13側で巻ずれが発生してしまうことを防止できる。
高圧型ブロア32やシフト機構30などの制御はシステムコントローラ36によって行われる。システムコントローラ36は、図示は省略するが、CPU、ワークROM、ワークRAMなどからなり、フイルム巻取装置10の全体の動作を統括制御する。このシステムコントローラ36には、パルスジェネレータ18、テンション測定センサ21、ダンサ機構25、シフト機構30、高圧型ブロア32、自動弁34の他、図示は省略するが、モータ17を制御するモータドライバ、操作パネル等が接続されている。システムコントローラ36は、フイルムロール14の巻径が長くなるのに対応して、フイルムロール14の巻取速度を減速させるようにモータ17を制御するとともに、TACフイルム11に付与されるテンションを低減させるようにダンサ機構25を制御する。また同時に、システムコントローラ36は、シフト機構30を制御してエアノズル開口28aとフイルムロール14周面との距離を一定に保つようにシフト機構30を制御しながら、エアの吹付圧力を減少させるように高圧型ブロア32を制御する。
次に、本実施形態の作用について説明する。システムコントローラ36は、巻芯13が架台12にセットされたらシフト機構30を制御してエアノズル28を所定の位置に移動させる。また同時に、高圧型ブロア32を作動してフイルムロール14周面に対する押圧力が2〜10kPaになるような高圧エアを発生させておく。エアノズル28が所定の位置まで移動したら、システムコントローラ36は、モータ17を駆動させてフイルム巻取りを開始するとともに、自動弁34を開いてエアノズル開口28aからフイルムロール14の周面にエアを吹き付けてエアプレスする。これにより、フイルム巻取り時にフイルムロール14に巻き込んだエアを除去することができる。
システムコントローラ36は、フイルム巻取りが開始されたら、パルスジェネレータ18より送られてくるパルス信号のパルス数をカウントして、フイルムロール14(巻芯13)に巻き取られたTACフイルム11の巻取量を求め、さらに、この巻取量からフイルムロール14の巻径を算出する。そして、システムコントローラ36は、算出された巻径が長くなるのに対応して、フイルムロール14の巻取速度を減速させる。同時に、システムコントローラ36は、巻圧が高くなって黒帯や巻しわが発生したり、逆に巻圧が低くなって巻ずれが発生するのを防ぐために、ダンサ機構25用いてTACフイルム11に付与されるテンションの大きさを巻径に対応して低減させる。
また、システムコントローラ36は、前記巻径が長くなるのに対応して、エアノズル28をそのエアノズル開口28aとフイルムロール14周面との距離が一定に保たれるように移動させる。同時に、システムコントローラ36は、高圧型ブロア32を制御してエアの吹付圧力を徐々に減少させて、フイルム巻取り終了時の押圧力がフイルム巻取り初期時の0.5〜0.8倍の圧力になるようにする。これにより、フイルムロール14の巻径が長くなった際に、フイルムロール14の外周側が強く巻かれることによって、フイルムロール14内の巻芯13側で巻ずれが発生してしまうことを防止できる。そして、フイルム巻取りが終了して、架台12に新たな巻芯13がセットされた時には、上述の処理を繰り返して行えばよい。
本発明では、フイルムロール14をエアプレスすることにより、フイルム巻取り時に巻き込まれたエアをレイオンロールなどの押圧ロールを圧接させることなく非接触で除去できる。そのため、押圧ロールとTACフイルム11とが摺接、接触、剥離することによって、TACフイルム11が静電気を帯びて異物故障が発生したり、TACフイルム11表面に凹凸が形成されて次工程で塗布むらが発生するのを防ぐことが出来る。
なお、本実施形態では、高圧型ブロア32で発生させたエアを、エアノズル開口28aの長手方向にわたって均一な吹付圧力でフイルムロール14周面に吹き付けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、エアノズル開口中央部の吹付圧力をその両端部の吹付圧力よりも高くしてもよい。このエアノズル開口中央部の吹付圧力を高くした他の実施形態のエアノズル40の概略図を図3に示す。
図3はエアノズル40を正面から見た概略図であり、その内部は仕切り板41によって、ノズル本体中央部42aとノズル本体端部42bとの3つに分割されている。なお、エアノズル40内部を分割する数は3つに限定されるものではなく、仕切り板41の数を増やして4つ以上に分割してもよい。これらのノズル本体中央部40aとノズル本体端部40bとには、それぞれ第1高圧型ブロア43aと第2高圧型ブロア43bとが接続されているので、第1高圧型ブロア43aの吹付圧力を第2高圧型ブロア43bの吹付圧力よりも高くすることで、ノズル本体中央部42aの吹付圧力のみを高くすることができる。その結果、フイルムロール14周面の幅方向中央部を端部よりも高い押圧力でエアプレスすることができるので、フイルム巻取り時にフイルムロール14の幅方向中央部に巻き込まれたエアがフイルムロール14の両側面から抜け易くなる。そのため、フイルムロール14周面の幅方向に均一な押圧力でエアプレスしたときよりもエアの除去効率を高めることができる。
本実施形態では、フイルムロールの周面にエアノズルが1個しか設けられていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、2個以上設けてもよい。例えば図4に示すように、フイルムロール14の中心軸を中心とし、TACフイルム11がフイルムロール14に巻き取られる巻取開始位置を0°として、フイルム巻取り方向に向かって90°の位置に第1エアノズル45aを設け、180°の位置に第2エアノズル45bを設ける。そして、各エアノズル45a,45bにそれぞれ第1高圧型ブロア43aと第2高圧型ブロア43bとを接続することで、2個のエアノズルを用いてエアプレスすることができる。その結果、エア除去効率をより高めることができる。また、これら各エアノズル45a,45bの吹付圧力を同じ圧力にする必要はなく、例えば、第1高圧型ブロア43aの吹付圧力を第2高圧型ブロア43bの吹付圧力よりも低くして、最初に第1エアノズル45aで予備プレスをしてある程度エアを除去させておいてから、第2エアノズル45bで本プレスをして残ったエアを完全に除去させるようにしてもよい。
本実施形態のエアノズル28は、フイルムロール14の周面にエアを吹き付けけてエアプレスを行うが、吹き付けられたエアがフイルムロール14の周面で拡散して、その周面に沿って流れてしまう。その結果、フイルムロール14の周面に沿って流れたエアの一部が、TACフイルム11を巻き取る際にフイルムロール14に巻き込まれてしまうおそれがある。そのため、例えば図5に示すように、エアノズル開口28aから吹き付けられたエアを吸気する吸気口48を前記エアノズル開口28aの長手方向を挟み込むように形成してもよい。この場合には、高圧型ブロア32(図1参照)の他にエアを吸気する吸気用ポンプ(図示せず)を設け、各吸気口48に吸気用エア配管49を介して接続する。これにより、エアノズル開口28aからフイルムロール14周面に吹き付けられたエアが各吸気口48から吸気されるため、エアがフイルムロール14の周面に沿って流れるのを防ぐことができる。
本発明は、LCD用偏光板保護フイルム製膜工程のフイルム巻取装置に限定されるものではなく、LCD以外のディスプレイに用いられる保護フイルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フイルム、感熱記録紙、磁気記録テープ、写真フイルム、接着剤テープ等などをロール状に巻き取る各種フイルム巻取り装置に適用することができる。
本発明を実施したフイルム巻取装置の概略図である。 同フイルム巻取装置のエアノズルの配置例を示した説明図である。 同エアノズルのエアノズル開口の中央部のエア吹付圧力を端部の吹付圧力よりも高くした他の実施形態を示した概略図である。 同エアノズルを複数個設けた他の実施例を示した概略図である。 同エアノズルに吸気口を設けた別の実施形態を示した概略図である。
符号の説明
10 フイルム巻取装置
11 TACフイルム
14 フイルムロール
17 モータ
18 パルスジェネレータ
23 ダンサロール
24 ガイドロール
25 ダンサ機構
28 エアノズル
28a エアノズル開口
30 シフト機構
32 高圧型ブロア
36 システムコントローラ

Claims (10)

  1. 長尺のフイルムをロール状に巻き取るフイルム巻取装置において、
    前記フイルムがロール状に巻き取られたフイルムロールのフイルム巻取り方向に沿って設けられ、前記フイルムロールの周面にエアを吹き付けて押圧する第1及び第2エア吹付手段を備えるとともに、
    第1及び第2エア吹付手段のうち、フイルム巻取り方向上流側となる一方の吹付圧力が他方の吹付圧力よりも低く設定されていることを特徴とするフイルム巻取装置。
  2. 前記エア吹付手段はスリット状のエア開口を備え、前記エア開口の長手方向の長さは、前記フイルムの幅方向の長さの0.7〜1.1倍に形成されていることを特徴とする請求項1記載のフイルム巻取装置。
  3. 前記フイルムロールの巻径を測定する巻径測定手段と、
    前記巻径測定手段による測定結果に基づき、前記エア開口とフイルムロール周面との距離を一定に保つように前記エア吹付手段を移動させる移動手段とを備えることを特徴とする請求項1または2記載のフイルム巻取装置。
  4. 前記巻径測定手段による測定巻径が長くなるのに応じて、前記エア吹付手段により前記フイルムロール周面を押圧する押圧力を減少させる押圧力制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載のフイルム巻取装置。
  5. フイルム巻取り初期時における前記押圧力を2〜10kPaに設定し、フイルム巻取り終了時の押圧力を前記フイルム巻取り初期時の0.5〜0.8倍に設定することを特徴とする請求項4記載のフイルム巻取装置。
  6. 前記フイルムロール周面の幅方向中央部への前記押圧力を幅方向端部への押圧力よりも高くしていることを特徴とする請求項1ないし5記載のフイルム巻取装置。
  7. 前記フイルムとして、トリアセチルセルロースフィルムを用い、そのフイルム幅は、1000〜1500mmであることを特徴とする請求項1ないし6記載のフイルム巻取装置。
  8. 前記エア吹付手段は、前記フイルムロールの中心軸を中心とし、前記フイルムがフイルムロールに巻き取られる巻取開始位置からフイルム巻取り方向に向かって60〜240°の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7記載のフイルム巻取装置。
  9. 前記エア開口の長手方向を挟み込むように形成され、このエア開口から吹き付けられたエアを吸気する吸気口を備えていることを特徴とする請求項2ないし8記載のフイルム巻取装置。
  10. 長尺のフイルムをロール状に巻き取るフイルム巻取装置のフイルム巻取方法において、
    前記フイルムがロール状に巻き取られたフイルムロールのフイルム巻取り方向に沿って設けられた第1及び第2エア吹付手段から、前記フイルムロールの周面にエアを吹き付けて押圧するとともに、
    第1及び第2エア吹付手段のうち、フイルム巻取り方向上流側となる一方の吹付圧力を、他方の吹付圧力よりも低く設定することを特徴とするフイルム巻取方法。
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