しかしながら、上述した従来のワーク供給装置では、上記リフターの構成要素として、複数のエアーシリンダや高重量のガイドレール等を備えていることから、装置全体が高重量で大型化しているとともに、高コストであるばかりか、エアーシリンダが水平方向に移動することから、装置の周囲に保護カバーを設置し、作業者の安全を図る必要がある。
そこで、本発明は、上述した従来のワーク供給装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、エアーシリンダや高重量のガイドレールを構成要素とすることなく軽量化を図ることができ、また、低コストで製造することができるとともに、装置の周囲に保護カバーを設置する必要性のないワーク供給装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、一方の面に凸部が形成された円盤状のワークが載置されるテーブルと、このテーブルから排出されたワークを上方に移送するリフターと、を備え、上記テーブルには、上記ワークが載置される水平板部と、この水平板部に接続されてなるとともにワークが下流側に滑落可能な傾斜角度で傾斜してなる傾斜板部と、この傾斜板部から滑落したワークが起立した状態で収容されるとともに一方向に傾斜してなる溝部と、を備えてなるとともに、上記リフターは、上記溝部の近傍に配置されてなる支柱と、駆動モータの駆動力によりこの支柱に沿って昇降するとともに上記溝部内の最も下流側のワークが該溝部から転動することにより起立したままの状態で収容される昇降移動体と、上記支柱の上端側中途部に配置されてなるとともに上記昇降移動体内に収容されたワークが転動しながら移動する供給路と、この供給路の配置位置よりも上方に配置されてなるとともに、起立したワークが転動しながら移動するとともに転倒し反転され且つ起立した状態で上記供給路方向にガイドする反転通路と、を備え、上記昇降移動体内に収容されたワークが特定の方向を向いた状態である場合には、上記供給路から供給され、上記特定の方向とは逆方向を向いた状態である場合には、上記反転通路を経て上記供給路から供給されるよう構成されてなることを特徴とするものである。
なお、上記第1の発明では、テーブルを構成する水平板部に上下ランダムに載置されたワークを作業が傾斜板部上に移動させると、該ワークはこの傾斜板部上を下流側に滑落し、溝部内に起立した状態で収容される。そして、この起立したワークは、上記溝部内から転動しながらリフターを構成する昇降移動体に収容される。そして、この昇降移動体が上記駆動モータの駆動により上昇する。そして、上記昇降移動体内に収容されたワークが特定の方向を向いた状態である場合には、上記供給路側に排出され、上記特定の方向とは逆方向を向いた状態である場合には、上記反転通路を経て上記供給路側に移動される。すなわち、ワークが特定の方向を向いた状態である場合には、上記昇降移動体内で起立したワークは、上記供給路に直接供給(移動)されるが、反転した状態で昇降移動体内に収容されている場合には、上記反転通路を介して反転され起立した状態で上記供給路に合流し外部に供給される。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記リフターには、上記溝部内に収容されたワークが転動することを規制するとともに、前記昇降移動体の下降に伴い下方に移動自在とされてなる転動規制部材が配置されてなることを特徴とするものである。
この第2の発明では、昇降移動体が下降すると、それまでワークの転動を規制していた転動規制部材が下方に移動する。これによって、傾斜されている溝部内に収容されていたワークは、転動しながら上記昇降移動体に収容され、この昇降移動体が上昇すると、それまで下方に移動していた転動規制部材が上昇し、溝部内のワークの転動が規制される。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記リフターは、前記支柱に一端側に固定された駆動モータと、この駆動モータの駆動軸に固定された駆動プーリと、上記支柱の他端側に回転自在に固定された従動プーリと、中途部が上記駆動プーリに掛け渡されてなるとともに一端には前記昇降移動体に固定され他端はウエイトに固定されてなる第1の線材と、中途部は上記従動プーリに掛け渡されてなるとともに、一端は上記ウエイトに固定され他端は上記昇降移動体に固定されてなる第2の線材と、を備え、上記ウエイトと前記昇降移動体とは荷重がほぼ均衡してなることを特徴とするものである。
この第3の発明では、上記駆動モータの駆動による駆動プーリの回転駆動に伴って第1の線材と第2の線材とが走行し、これら第1及び第2の線材の走行により、上記昇降移動体が上昇又は下降するとともに、この昇降移動体と荷重がほぼ均衡するウエイトも同時に下降又は上昇する。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の発明の何れかの発明において、前記テーブルを構成する傾斜板部には、それぞれ平行に配置されているとともに、上記ワークの外周面に摺接しながら該ワークを下流側にガイドする複数の第1ガイド板と、隣り合う上記第1ガイド板と第1ガイド板との間に互いに平行に配置され、上端縁で上記滑落するワークを支持するとともに、該ワークに形成された凸部の長さよりもやや長い高さを有するとともに該凸部の外径よりもやや離間して配置された第2ガイド板及び第3ガイド板と、上記第1ガイド板と第2ガイド板との間及びこの第1ガイド板に隣り合う第1ガイド板と上記第3ガイド板との間にそれぞれ配置され、該第2ガイド板及び第3ガイド板の上端縁よりも上方に上昇するとともに該第2ガイド板及び第3ガイド板の上端縁位置まで下降自在となされた第1及び第2滑落規制片と、上記第1及び第2滑落規制片の配置位置よりも下流側に配置されてなるとともに、該第1及び第2滑落規制片の下降により滑落し前記凸部が下向きとされたワークの凸部に当接する位置まで上昇するとともに、凸部が下向きとされたワークの凸部の先端位置よりも下降自在となされた第3滑落規制片と、上記第1及び第2滑落規制片と、上記第3滑落規制片とをそれぞれ昇降動作させる昇降駆動機構と、を備え、上記第1滑落規制片と、上記第2滑落規制片及び第3滑落規制片とを、それぞれ上記昇降駆動機構を介して昇降動作することにより、凸部が上向きとされたワークと、凸部が下向きとされたワークとが交互に前記溝部内に滑落されるよう構成されてなることを特徴とするものである。
この第4の発明では、前記水平板部上に上下ランダムに載置されたワークが、作業者により傾斜板部側に移動させられると、該ワークは、上記第2ガイド板及び第3ガイド板の上端縁に支持されるとともに、上記隣り合う上記第1ガイド板と第1ガイド板とに外周面が摺接しながら下流側に滑落して行く。なお、上記傾斜板部上のワークが、該ワークに形成された凸部が下向きの状態で滑落する場合には、上述したように第1ガイド板と第1ガイド板とによりガイドされるとともに、該凸部の外周面は、上記第2ガイド板と第3ガイド板とによりガイドされながら下流側に滑落する。そして、これら滑落してきたワークは、上昇した上記第1及び第2滑落規制片により滑落が規制され、この上昇した第1及び第2滑落規制片が下降すると、上記第3滑落規制片方向に滑落する。このとき、上記第3滑落規制片が上昇している場合には、さらにワークが下流側に滑落することが規制される。
そして、この第4の発明では、上記第1滑落規制片、第2滑落規制片及び第3滑落規制片を、それぞれ上記昇降駆動機構を介して昇降動作することにより、凸部が上向きとされたワークと、凸部が下向きとされたワークとが交互に前記溝部内に滑落されるよう構成されているが、上記第1及び第2滑落規制片と、第3滑落規制片との昇降動作は、次に説明する複数のパターンを含む。第1のパターンは、先ず、上昇されている上記第1及び第2滑落規制片を下降させ、凸部が下向きの状態であるか上向きの状態であるかを問わず、1つのワークを下流側に滑落させ、その後再び元の位置まで上昇させる。このとき、上記第3滑落規制片は、凸部が下向きの状態とされたワークの該凸部にのみ当接する位置まで上昇されている状態とする。この場合には、凸部が上向きとされた状態で滑落してきたワークは、上記第3滑落規制片に当接することなく、そのまま溝部に収容される。すなわち、上記第1及び第2滑落規制片の下降により、凸部が上向きとされた状態で滑落してきたワークの全てが溝部に収容され、凸部が下向きの状態で滑落してきたワークは、全て上記第3滑落規制片により滑落が停止される。そして、この状態において、上記第3滑落規制片が下降すると、それまでこの第3滑落規制片に規制されていたワーク(凸部が下向きの状態で滑落してきたワーク)が全て溝部内に収容される。こうした動作により、凸部が上向きの状態で滑落してきたワークと、凸部が下向きの状態で滑落してきたワークとを、交互に滑落させることができる。また、第2のパターンは、上記第1滑落規制片と第2滑落規制片とを上昇させ凸部の向きに拘わらず全てのワークの滑落を規制している状態から上記第2及び第3ガイド板の上端縁位置まで下降させ、凸部が上向きの状態で滑落してきたワークのみを下流側に滑落させる。この時、上記第3滑落規制片は、凸部の向きに拘わらず全て滑落を規制できる位置まで上昇されていても良いし、第2及び第3ガイド板の上端位置まで下降されていても良い。また、第3のパターンは、次に説明する第5の発明(請求項5記載の発明)に係るものである。
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第4の発明において、前記第1及び第2滑落規制片は、それぞれ下降することにより一つのワークが滑落した後に上昇し、前記第3滑落規制片は、これら第1及び第2滑落規制片の昇降動作により滑落してきたワークの向きに拘らず全てのワークの滑落を規制する位置まで上昇した位置から、凸部が上向きとされた状態で滑落してきたワークのみを滑落させる位置まで下降し、次いで凸部が下向きとされた状態で滑落してきたワークを滑落させる位置までさらに下降し、次いで、上記ワークの向きに拘らず全てのワークの滑落を規制する位置まで再び上昇するよう動作することを特徴とするものである。
この第5の発明では、第1及び第2滑落規制片が下降した後に上昇することにより、(凸部の向きを問わず)一つのワークが滑落する。この時、第3滑落規制片はワークの向きに拘らず全てのワークの滑落を規制する位置まで上昇していることから、全てのワークはこの第3滑落規制片により滑落が規制される。この状態において、凸部が上向きとされた状態で滑落してきたワークのみを滑落させる位置まで第3滑落規制片が下降する。すなわち、凸部が下向きの状態で滑落してきたワークの該凸部の外周面に当接する位置まで第3滑落規制片が下降される。この動作により、凸部が上向きの状態で滑落してきたワークは、一旦この第3滑落規制片により滑落が停止された後に、下流側に滑落し上記溝部に収容される。そして、上記凸部が上向きとされたワークが滑落した後に、さらに上記第3滑落規制片が下降されると、凸部が下向きの状態で滑落してきたワークは滑落し、上記溝部に収容される。この第5の発明に係る第1ないし第3滑落規制片の昇降動作のパターンは、上記第4の発明に含まれる第3のパターンであり、こうしたパターンにより上記第1ないし第3滑落規制片が昇降動作する場合であっても、凸部が上向きとされたワークと、凸部が下向きとされたワークとが交互に前記溝部内に滑落される。
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、上記第4又は第5の発明の何れかの発明において、前記昇降駆動機構は、上端に前記第1滑落規制片と第2滑落規制片とが交互に形成された第1昇降板と、この第1昇降板に対向してなり上端には上記第3滑落規制片が形成された第2昇降板と、上記第1昇降板の近傍に配置され第1カム溝が形成されてなる第1カム板と、この第1カム板に対向してなり上記第2昇降板の近傍に配置され第2カム溝が形成されてなる第2カム板と、上記第1カム溝の形状に倣って昇降するとともに上記第1昇降板に接続されてなる第1昇降体と、上記第2のカム溝の形状に倣って昇降するとともに上記第2昇降板に接続されてなる第2昇降体と、上記第1カム板及び第2カム板とを水平方向に駆動させる第2の駆動モータと、を備えてなることを特徴とするものである。
この第6の発明では、上記第2の駆動モータの駆動により、上記第1及び第2カム板が水平方向に移動すると、これら第1及び第2カム板に形成された第1又は第2カム溝の形状に倣って上記第1昇降板及び第2昇降板が昇降し、この第1昇降板の昇降動作により、上記第1及び第2滑落規制片が昇降し、上記第2昇降板の昇降動作により上記第3滑落規制片が昇降動作する。
第1の発明(請求項1記載の発明)では、従来のワーク供給装置のように、エアーシリンダや高重量のガイドレールを構成要素とすることなく、傾斜板部から滑落して溝部内で起立した状態で収容されたワークを、駆動モータの駆動力により昇降する昇降移動体により上昇させるとともに、反転通路を経ることにより、向きを同一に揃えて外部に供給することができるように構成されていることから、装置全体の軽量化を図ることができ、また、低コストで製造することができるとともに、装置の周囲に保護カバーを設置する必要性がない。
また、上記第2の発明(請求項2記載の発明)では、リフターには、上記溝部内に収容されたワークが転動することを規制するとともに、前記昇降移動体の下降に伴い下方に移動自在とされてなる転動規制部材が配置されてなることから、昇降移動体の上昇中に、溝部内に収容されたワークが転動し溝部内から脱落する危険性を有効に防止することができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、駆動モータの駆動による駆動プーリの回転駆動に伴って第1の線材と第2の線材とが走行し、これら第1及び第2の線材の走行により、上記昇降移動体が上昇又は下降するとともに、この昇降移動体と荷重がほぼ均衡するウエイトも同時に下降又は上昇することから、昇降移動体の推力を大幅に低減することが可能となり、駆動モータも極めて簡易で小型のものを使用可能となることから、低コスト化に大きく貢献することができるばかりではなく、作業者が手指を挟んだ場合でも、低推力であるが故に昇降移動体は停止し、大きな事故を引き起こす危険性を有効に防止することができる。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、第1滑落規制片、第2滑落規制片及び第3滑落規制片を、それぞれ上記昇降駆動機構を介して昇降動作することにより、凸部が上向きとされたワークと、凸部が下向きとされたワークとが交互に前記溝部内に滑落されるよう構成されてなることから、溝部内において、収容されたワーク同士の抵抗により、リフター方向にスムーズに転動されない事態を有効に防止することができる。
また、第5の発明(請求項5記載の発明)では、凸部が上向きの状態で滑落してきたワークも凸部が下向きの状態で滑落してきたワークも、一旦上記第3滑落規制片により滑落が停止された後に、下流側に滑落し上記溝部に収容されることから、ワークが溝部を構成する部材と衝突することにより、欠けたり変形したりする危険性を有効に低減することができる。
また、第6の発明(請求項6記載の発明)では、第1ないし第3滑落規制片の昇降動作は、第2の駆動モータの駆動による第1及び第2カム板の水平駆動により行われることから、装置全体の軽量化と低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るワーク供給装置(以下、本装置と言うことがある。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態に係るワーク供給装置1は、図1に示すように、テーブル2と、このテーブル2から排出されたワークWを上昇させ外部に供給するリフター3とから構成されている。上記テーブル2は、複数の脚部2aと、これらの脚部2aの上端に支持されてなるとともに、ワークWが載置される水平板部2bと、この水平板部2bに接続されてなるとともに下流側に傾斜してなる傾斜板部2cと、後述する各センサや駆動モータ等と接続されてなり本装置1を制御する制御盤4とを備えている。上記水平板部2bは、台車等により搬送されたワークWが上下ランダムに載置される部位である。なお、このワークWは、図2に示すように、円盤状に成形された円盤部W1と、この円盤部W1の中心に形成された透孔W2と、上記円盤部W1の一面から突出してなり上記透孔W2の内径と同じ内径となされた円筒状凸部W3とから構成されている。すなわち、上記水平板部2bは、上述した形状に成形されたワークWが、該ワークWを構成する円筒状凸部W3が上向きとされた状態でも下向きとされた状態でもランダムに載置される部位である。また、上記傾斜板部2cは、上記水平板部2bと連続している。なお、この実施の形態においては、この水平板部2bの上面は、載置されたワークWを保護するとともに、該ワークWに付着していた塵埃等が傾斜板部2c側に移動することを防止するために、多数の凹部又は透孔が形成された図示しないゴム板が載置されている。
また、上記傾斜板部2cは、基端側から先端側(下流側)にかけて徐々に低くなるよう傾斜してなるものであり、該傾斜板部2cの上面には、多数(13本)の第1ガイド板6が各々平行に固定されている。これらの第1ガイド板6は、上記傾斜板部2cに形成の上面から上方に起立してなるものであり、各々の間隔は、上記ワークWを構成する円盤部W1の外径長さよりもやや広い間隔とされている。また、上記第1ガイド板6と第1ガイド板6との間には、第2ガイド板7及び第3ガイド板8が固定されている。これら第2ガイド板7と第3ガイド板8とは、それぞれ上端で滑落するワークWを支持する部材であり、該第2ガイド板7及び第3ガイド板8も上記傾斜板部2cの上面から起立してなるものであり、且つ、上記第1ガイド板6と平行に固定されている。そして、上記第2ガイド板7と第3ガイド板8とは、上記第1ガイド板6の上端よりも低い高さとなされ、さらに、互いの間隔は、上記ワークWを構成する円筒状凸部W3の外径よりもやや広い間隔とされている。すなわち、上記各第1ガイド板6,6と、第2ガイド板7及び第3ガイド板8とは、第2ガイド板7及び第3ガイド板8の上端でワークWを支持しながら、且つ、隣り合う(向かい合う)上記各第1ガイド板6,6によりワークWの円盤部W1の外周面に摺接しながら下流側にガイドするものであり、上記円筒状凸部W3が下向きとされた状態で滑落するワークWに対しては、上記第2及び第3ガイド板7,8により、該円筒状凸部W3の外周面に摺接しながら下流側にガイドするものである。なお、本装置1では、上記第1ないし第3ガイド板6,7,8は、上記水平板部2bの先端側まで延設されている。
そして、上記傾斜板部2cの下流側中途部には、図1に示すように、上記第1及び第2滑落規制片10,11が配置され、また、これら第1及び第2滑落規制片10,11の配置位置よりもさらに下流側には、第3滑落規制片12が配置されている。すなわち、上記傾斜板部2cには、図示しない開口が形成され、これらの開口に挿通され上端側中途部でワークWの滑落を規制する第1ないし第3滑落規制片10,11,12が配置されている。これら第1ないし第3滑落規制片10,11,12は、後述する単一の昇降駆動機構により昇降駆動するものである。そして、上記第1滑落規制片10は、特定の第1ガイド板6と第2ガイド板7との間に配置され、上記第2滑落規制片11は、上記特定の第1ガイド板6に隣り合う(向き合う)第1ガイド板6と上記第3ガイド板8との間に配置されている。また、上記第3滑落規制片12は、上記第1及び第2滑落規制片10,11の配置位置よりも下流側にであって、上記第2ガイド板7と第3ガイド板8との間に配置されている。
そして、上記第1及び第2滑落規制片10,11と、第3滑落規制片12とは、以下に説明する昇降駆動機構により昇降駆動するように構成されている。すなわち、上記第1及び第2滑落規制片10,11は、図5及び図6に示すように、垂直方向に起立した第1昇降板15の上端に交互に形成され、また、上記第3滑落規制片12は、この第1昇降板15に面対向してなる第2昇降板16の上端にそれぞれ形成されている。なお、上記第1昇降板15の左右両側には、該第1昇降板15を上下方向にガイドする昇降ガイド部材30,31が配置され、また、上記第2昇降板16の左右両側には、該第2昇降板16を上下方向にガイドする昇降ガイド部材32,33が配置されている。また、上記第1昇降板15の正面側(第2昇降板16方向)には、二つのカム溝17a,17bが形成された第1カム板17が配置され、上記第2昇降板16の背面側には、二つのカム溝18a,18bが形成された第2カム板18が配置されている。そして、これら第1カム板17と第2カム板18とは、図5に示すように、それぞれ二つの上部連結板20と下部連結板21とを介して互いに連結されている。また、上記第1カム板17に形成された二つのカム溝17a,17bには、それぞれ該各カム溝17a,17bの形状に倣って、(後述するように、該第1カム板17の移動に伴い相対的に)移動する車輪22,23が配設されており、これらの車輪22,23は、支軸24,25を介して上記第1昇降板15に連結されている。また、上記第2カム板18に形成された二つのカム溝18a,18bには、それぞれ該各カム溝18a,18bの形状に倣って、(後述するように、該第2カム板18の移動に伴い相対的に)移動する車輪26,27が配設されており、これらの車輪26,27は、支軸28,29を介して上記第2昇降板16に連結されている。また、上記二つの下部連結板21の下面には、それぞれ図示しない(一方又は他方の)スライダーが固定され、これらのスライダーは、支持部材35上に支持されたガイドレール36に載置されている。なお、上記車輪22,23は、本発明を構成する第1昇降体であり、上記車輪26,27は、本発明を構成する第2昇降体である。
そして、上記支持部材35の下方には、図7に示すように、第1の駆動モータ37がブラケット38を介して固定され、この第1の駆動モータ37の側方には、ブラケット39を介して従動プーリ40が固定されている。なお、上記第1の駆動モータ37は、本発明を構成する第2の駆動モータであり、正転及び逆転駆動するものであり、駆動軸37aには、駆動プーリ41が固定されている。なお、上記従動プーリ40には、基端側に第1円筒部40aが形成され先端側には、第2円筒部40bが形成されている。そして、上記駆動プーリ41から上記従動プーリ40の第1円筒部40aには、無端ベルト43が掛け渡されている。また、上記支持部材35の左右両端には、回動プーリ35a,35bが回動自在に取り付けられている。そして、上記図示しない(一方の)スライダーの一端には、(テーブル側)線材44の一端が固定され、図示しない(他方の)スライダーの他端には、上記線材44の他端が固定されている。そして、この線材44の中途部は、上記回動プーリ35a,35b、従動プーリ40に形成された第2円筒部40bに掛け渡されている。
したがって、上記第1の駆動モータ37が正転方向又は逆転方向に回転駆動すると、上記従動プーリ40の従動回転により、上記線材44が走行し、これによって上記スライダーがガイドレール36にガイドされながら左右方向に移動し、これらのスライダーの移動に伴い、上記第1及び第2カム板17,18とが同方向に移動する。そして、こうした第1及び第2カム板17,18に移動により、各カム溝17a,17b,18a,18bの形状に倣って移動する車輪22,23,26,27が上下方向に移動し、同時に上記第1及び第2滑落規制片10,11が上端に多数形成された第1昇降板15又は上記第3滑落規制片12が上端に多数形成された第2昇降板16が昇降動作する。なお、上記第1カム板17に形成された二つのカム溝17a,17bの形状は、それぞれ同一形状とされて、上記第2カム板18に形成された二つのカム溝18a,18bもそれぞれ同一形状とされている。また、上記二つのカム溝17a,17bとカム溝18a,18bとの関係は、点対称の関係を有する。したがって、本装置1において、上記第1及び第2滑落規制片10,11(第1昇降板15)は、図8(A)に示すように、最も下降している状態(下止点)から、図8(B)に示すように、ワークWの円盤部W1の下面(又は上面)の位置まで上昇し、図8(C)に示すように、ワークWの円盤部W1の下面(又は上面)の位置よりさらに上昇した位置(上止点)に亘って昇降し、こうした第1及び第2滑落規制片10,11(第1昇降板15)の昇降動作とは反対に、上記第3滑落規制片12(第2昇降板16)は、図9(A)に示すように、円筒状凸部W3が下向きであると上向きであるとを問わず全てのワークWの滑落が規制される位置(上止点)から、図9(B)に示すように、円盤状凸部W3が下向きの状態で滑落してきたワークWのみの滑落を規制できる位置まで下降し、図9(C)に示すように、円盤状凸部W3が下向きの状態で滑落してきたワークWの該円盤状凸部W3よりもさらに下降した位置(下止点)に亘って昇降するように構成されている。すなわち、第1及び第2滑落規制片10,11と、第2滑落規制片12との関係は、第1及び第2滑落規制片10,11が図8(A)で示す位置とされている状態において、上記第3滑落規制片12は、図9(A)で示す位置とされ、第1及び第2滑落規制片10,11が図8(B)で示す位置とされている状態において、上記第3滑落規制片12は、図9(B)で示す位置とされ、第1及び第2滑落規制片10,11が図8(C)で示す位置とされている状態において、上記第3滑落規制片12は、図9(C)で示す位置とされる。
そして、上記テーブル2の下流側には、図1及び図4に示すように、上記傾斜板部2c上を滑落したワークWが落下し、内部において起立した状態で収容される溝部45が形成されている。この溝部45は、図4に示すように、上記テーブル2の側方に設置されたリフター3側に向かって徐々に低くなるよう傾斜してなる底板部45aと、この底板部45aの両側から起立してなり互いに面対向してなる側板45b,45cとを備えている。すなわち、上記テーブル2に配置された第3滑落規制片12の下降動作により下流側に滑落したワークWは、該テーブル2の端部から下方に落下することにより、この溝部45内において起立した状態で収容される。なお、上記底板部45aの幅は、ワークWの肉厚よりもやや長い幅とされている。そして、上述したテーブルは、複数の連結部材47,48を介してリフター3に固定されている。
次に、上記リフター3の構成に付いて説明する。このリフター3は、図1及び図4に示すように、鉛直方向に起立してなる支柱50と、この支柱50に沿って昇降駆動するとともに内部にワークWを収容する収容空間を備えた昇降移動体51とを備えている。上記支柱50は、図10に示すように、正面側に垂直ガイド溝50aが形成され、また、上端には、図1及び図4に示すように、第2の駆動モータ52が固定されている。この第2の駆動モータ52は、本発明を構成する駆動モータであるとともに、正転及び逆転駆動するものであり、駆動軸52aには、駆動プーリ53が回転自在に取り付けられている。一方、上記主柱50の下端側中途部には、支軸54を介して従動プーリ55が回転自在に取り付けられている。そして、上記駆動プーリ53には、図1に示すように、第1の線材58の中途部が掛け渡されており、この第1の線材58の一端には、第1のウエイト59が固定されたウエイト固定板60(図11参照)の上端に固定され、他端は、図11に示すように、昇降移動体51の上端に固定されている。また、上記従動プーリ55には、第2の線材61の中途部が掛け渡されている。この第2の線材61の一端は、上記昇降移動体51の下端に固定され、他端は、上記ウエイト固定板60の下端に固定されている。なお、上記第1のウエイト59とウエイト固定板60との合計荷重は、以下に説明する昇降移動体51の荷重と略同じ荷重とされている。また、図10及び図11に示すように、上記支柱50の右側(一側)には、該支柱50には、ワーク転落防止部材65が固定されている。このワーク転落防止部材65は、後述する昇降移動体51内に上記テーブル2に形成された溝部45から転動しながら収容されたワークWが、該昇降駆動体51内から転動方向に転動し落下することを防止するものである。なお、このワーク転落防止部材65は、図4に示すように、昇降移動体51の最下位置から、後述する第1の上昇位置に亘って固定されている。なお、このワーク転落防止部材65の下側中途部であって、昇降移動体51の停止位置には、図10に示すように、該昇降移動体51内にワークWが収容されたことを検出する第1のセンサ66が取り付けられている。
そして、上記昇降移動体51は、図10又は図11に示すように、底板70aと、天板70bと、互いに面対向してなる正面板70c及び背面板70dとからなり、上記溝部45側にはワークWの出入り口が形成され反対側には出口が形成されてなる(左右が開放されてなる)ボックス70と、このボックス70を構成する底板70a上に配置されてなる排出方向切換部材71とを備えている。この排出方向切換部材71は、図10に示すように、水平となされワークWを支持するワーク支持面71aと、それぞれ下面に形成され互いに同一の面積となされた一方及び他方の傾斜面71b,71cとを有してなり、これら一方の傾斜面71bと他方の傾斜面71dとの中間位置には、図示しない挿通孔が形成されてなるものであり、この挿通孔には、支軸72が挿通されている。すなわち、この排出方向切換部材71は、上記支軸72を中心に、上記一方の傾斜面71bが上記底板70aに当接する位置から他方の傾斜面71bが底板70aの上面に当接する位置までに亘ってシーソーのように回動可能とされている。なお、この排出方向切換部材71の左端側(上記溝部45側)には、図11に示すように、柱50の上端側中途部に固定された後述する係合片に係合する係合凸部71dが水平方向に形成されている。また、上記正面板70cの下端側には、上記係合凸部71dが挿通された図示しない開口が形成されている。すなわち、上記排出方向切換部材71には、上記開口から外側に係合凸部71dが突出している。また、この排出方向切換部材71の他端側(溝部45側とは反対側)は、引張バネ73を介して下方に引っ張られ、常に上記他方の傾斜面71cが底板70aの上面に当接し、上記ワーク支持面71aは、上記溝部45方向とは逆方向に向かって徐々に低くなるよう傾斜した状態とされている。なお、上記溝部45を構成する底板部45aの傾斜角度と、上記引張バネ73の弾性力により傾斜した排出方向切換部材71の傾斜角度とは、溝部45内に起立した状態で収容されたワークWがスムーズにこの排出方向切換部材71上に転動するように略同じ角度とされている。したがって、排出方向切換部材71が、このように引張バネ73の弾性力により傾斜している状態においては、一旦昇降移動体51内に転動してきたワークWが転動してきた側に戻る方向に転動し該昇降駆動体51内から落下することがない。
また、上記昇降移動体51には、起立した状態で転動しながら該昇降移動体51内に収容されたワークWであって、円筒状凸部W3が正面側に向いた状態(特定の方向を向いた状態)で収容されたワークWが上記溝部45側とは反対方向に転動し落下することを阻止するストッパー75が固定されている。このストッパー75は、図10及び図11に示すように、基端が上記天板70bの右端に固定され先端側は垂下してなるものであり、円筒状凸部W3が正面側に向いた状態(特定の方向を向いた状態)で収容されたワークWの円盤部W1の外周面に当接するものである。なお、このストッパー75の側方は、上記円筒状凸部W3が背面側に向いた状態(特定の方向とは反対方向を向いた状態)で収容されたワークWが転動し昇降移動体51内から外部に移動可能な空間が形成されている。したがって、本装置1では、昇降移動体51内に収容されたワークWが、上記特定方向に向いた状態で収容されている場合には、上記ストッパー75により溝部45方向とは逆方向に転動し移動することが規制され、特定の方向とは反対方向を向いた状態で収容されている場合には、上記ワーク転落防止部材65により移動(転落)が防止される構成とされている。なお、上記特定の方向を向いた状態(円筒状凸部W3が正面側に向いた状態)とは、前記テーブル2上において、円筒状凸部W3が上向きの状態で載置されたワークWである。
また、上記支柱50の下端側中途部であって、上記昇降移動体51の最下位置近傍には、溝部45の端部に形成された開口(符号は省略する。)の全部又は一部を閉塞するとともに、昇降移動体51の下降に伴い下降するとともに、該昇降移動体51の上昇に伴って上昇する昇降ストッパー76が設けられている。この昇降ストッパー76は、本発明を構成する転動規制部材であり、昇降することにより上記溝部45を形成する底板部45aよりも上方に移動するとともに上記昇降移動体51の底板70aに上端が当接する起立片76aと、この起立片76aの下端から水平方向に折曲されてなる水平板76bと、この水平板76bの先端から垂下してなる垂下板76cとを備えている。そして、上記垂下板76cの下端側には、図11に示すように、上記水平板76bと平行となされた水平杆76dが固定されている。また、上記支柱50の正面側には、左右の固定プレート77,78(図10参照))を介して円筒状ガイド部材79と、ウエイトガイド筒80が固定されている。そして、上記円筒状ガイド部材79の周面には、図10に示すように、互いに対向する一方及び他方のガイド溝79a(他方のガイド溝は図示しない。)が形成され、これら一方及び他方のガイド溝79aの両方には、上記水平杆76dが挿通されている。また、この円筒状ガイド部材79の上端には、図11に示すように、起立杆81が固定され、この起立杆81の上端には、滑車82が回動自在に取り付けられている。そして、上記水平杆76dの先端側中途部には、上記円筒状ガイド部材79に上方から挿通された線材84の一端が固定されている。そして、この線材84の中途部は、上記滑車82に掛け渡されており、他端は上記ウエイトガイド筒80内に挿通された第2のウエイト85の上端に固定されている。なお、この第2のウエイト85は、上記昇降ストッパー76の荷重よりも高い荷重とされている一方、上記第1のウエイト59よりも軽い荷重とされている。したがって、上記昇降移動体51が上昇している状態においては、上記第2のウエイト85の重さにより上記昇降ストッパー76は上昇させられ、溝部45の開口を一部閉塞している状態とされる一方、上記昇降移動体51が下降し、上記起立片76aの先端が底板70aの下面に当接すると、そのまま第2のウエイト85の荷重よりも高い荷重が該昇降ストッパー76に作用し、下降する。
そして、上記支柱50の上端側中途部には、図1に示すように、供給路90の基端が固定されている。この供給路90は、上記ワーク転落防止部材65の上端に基端が固定されてなるものであり、先端には、このワークWが加工され又は組み付けられる作業ステーションに該ワークWを移送する図示しない移送通路が固定されている。また、この供給路90は、図13に示すように、ワークWが上面を転動する底板部90aと、この底板部90aの両側から起立してなる一方及び他方のガイド起立部90b,90cとから構成されている。なお、上記他方のガイド起立部90cの中途部には、後述する合流路を構成する一方及び他方のガイド起立部に接続される切欠き部90dが形成されている。なお、上記支柱50には、上記昇降移動体51を構成する底板70aの上面が、この供給路90を構成する底板部90aの上面と面一となるまで上昇したことを検出するセンサ91が固定されている。したがって、このセンサ91により昇降移動体51の上昇が検出されると、上記第2の駆動モータ52の駆動が停止される。この時、上記昇降移動体51内に収容されているワークWが、前述した通り、円筒状凸部W3が正面側に向いた状態(特定の方向を向いた状態)ではなく、背面側を向いた状態で収容されている場合には、前記ストッパー75により転動が規制されることなく、上記傾斜した排出方向切換部材71上のワークWは、該排出方向切換部材71上から供給路90方向に転動しながら移動する。なお、上記供給路90の下流側には、図13に示すように、該第1の供給路90を通ってワークWが移動したことを検出するセンサ92が固定されている。
また、上記支柱50には、図1に示すように、支柱50に基端が固定された支持部材94を介して排出路95の基端が固定されている。この排出路95は、上記供給路90が固定された位置よりも上方であって、該供給路90の固定位置とは反対側に固定されてなるものである。そして、この排出路95は、図13に示すように、ワークWが転動する底板部95aと、この底板部95aの両側から起立してなる一方及び他方のガイド起立部95b,95cと、を備えている。なお、上記底板部95aは、上記支柱50から離れるに従い徐々に低くなるよう傾斜している。そして、上記他方のガイド起立部95cには、ワークW(の円盤部W1)の外径よりも幅広となされた切欠き部95dが形成され、上記底板部95aは、この切欠き部95dの幅と同一の幅を備えた転倒傾斜板95eの上端と連続している。この転倒傾斜板95eは、上記底板部95a上を転動して来た後に、円筒状凸部W3の荷重により上記切欠き部95dから転倒したワークWを支持する部位であり、図14に示すように、上面には転倒するワークWを保護する緩衝板96が固定されているとともに、両側には互いに平行となされた一方及び他方のガイド板95f,95gが配置されている。なお、上記転倒傾斜板95e,一方及び他方のガイド板95f,95gにより構成された通路は、本発明を構成する反転通路である。また、この転倒傾斜板95eの下方には、上記転倒したワークWを支持するとともに、上記供給路90側にワークWを転動させる中継路97が設けられている。この中継路97は、図13に示すように、底板部97aと、この底板部97aの端部から起立してなるとともに上端は上記転倒傾斜板95eの下端に接続されている一方のガイド起立板97b(図14参照)と、この一方のガイド起立板97bと対向してなるとともに上記底板部97の端部から起立してなる他方のガイド起立板97cとから構成されている。なお、上記底板部97aは、上記転倒傾斜板95eを介して転倒し反転された状態で移動したワークWが転動しながら上記供給路90側に移動するよう傾斜している。また、この中継路97は、図13に示すように、上記支柱50の正面に固定されたに固定部材93を介して固定支持されてなるものである。そして、この中継路97の先端には、上記供給路90に合流する合流路98の一端が固定されている。この合流路98も、底板部98a及び一方及び他方のガイド起立板98b,98cとから構成され、上記一方及び他方のガイド起立板98b,98cの各先端は、上記第1の供給路90を構成する他方のガイド起立部90c(の切欠き部90dを形成する端部)に固定されている。
なお、図15に示すように、上記支柱50の上端側中途部であって上記排出路95の固定位置よりも僅かに下方には、上記排出方向切換部材71に基端が固定され昇降移動体51の正面板70cから突出してなる係合凸部71dに係合する係合片100と、この係合片100に上記係合凸部が係合する位置まで昇降移動体51が上昇したことを検出するセンサ101とが固定されている。したがって、上記係合凸部71dに上記係合片100が係合する位置まで上記昇降移動体51が上昇すると、上記センサ101を介して上記第2の駆動モータ52の駆動が停止されるとともに、それまで引張バネ73を介して上記他方の傾斜面71cが底板70aに当接した状態とされた排出方向切換部材71は、上記引張バネ73の弾性力に抗してやや回転し、一方の傾斜面71bが底板70aに当接した状態に変更される(排出方向が切り換えられる。)。そして、こうした排出方向切換部材71の回転動作により、該排出方向切換部材71上に支持されていたワークWは、上記排出路95方向に転動し、該排出路95を通過し上記転倒傾斜板95eにより転倒し反転された状態で上記中継路97及び合流路98を通過して上記供給路90に合流する。
すなわち、本装置1では、昇降移動体51内に収容されたワークWが、円筒状凸部W3が正面を向いた状態であると背面を向いた状態であるとを問わず、上記供給路90の基端側が固定された位置まで上昇すると、上記センサ91による該昇降移動体51の検出により第2の駆動モータ52の駆動が停止する。この時、円筒状凸部W3が背面を向いた状態である場合には、上記ストッパー75により転動が規制されることなく、供給路90方向に転動し、該供給路90に固定されたセンサ92を介してワークWが通過したことが検出される。一方、上記円筒状凸部W3が正面を向いた状態である場合には、内部に収容されたワークWは、上記ストッパー75により転動が規制される。この時、上記センサ91により昇降移動体51を検出した後、所定の時間内に、上記センサ92によりワークWが検出されない場合には、それまで停止していた第2の駆動モータ52が再び駆動を開始し、昇降移動体51はさらに上昇する。そして、上記センサ101を介して上記第2の駆動モータ52の駆動が再び停止されると、同時に、それまで引張バネ73を介して上記他方の傾斜面71cが底板70aに当接した状態とされた排出方向切換部材71は、上記引張バネ73の弾性力に抗してやや回転し、一方の傾斜面71bが底板70aに当接した状態に変更される(排出方向が切り換えられる。)。そして、こうした排出方向切換部材71の回転動作により、該排出方向切換部材71上に支持されていたワークWは、上記排出路95方向に転動し、該排出路95を通過し上記転倒傾斜板95eにより転倒し反転された状態で上記中継路97及び合流路98を通過して上記供給路90に合流する。
このように、本装置1によれば、円筒状凸部W3の向きが異なる状態で昇降移動体51内に収容されても、常に同じ向きでワークWを排出することができるので、作業者は、上記テーブル2を構成する水平板部2b上に、ワークWを上下ランダムに載置することができる。言い換えれば、上記テーブル2上に上下ランダムにワークWが載置された場合であって、同じ方向性をもってワークWを排出することができる。特に、上記本装置1では、従来のワーク供給装置のように、エアーシリンダや高重量のガイドレールを構成要素とすることなく、傾斜板部2cから滑落して溝部45内で起立した状態で収容されたワークWを、第2の駆動モータ52の駆動力により昇降する昇降移動体51により上昇させるとともに、上記転倒傾斜板95a,一方及び他方のガイド板95f,95gにより構成された通路(本発明を構成する反転通路)を経ることにより、向きを同一に揃えて排出することができるように構成されていることから、装置全体の軽量化を図ることができ、また、低コストで製造することができるとともに、装置1の周囲に保護カバーを設置する必要性がない。また、本装置1では、リフター3には、上記溝部45内に収容されたワークWが転動することを規制するとともに、前記昇降移動体51の下降に伴い下方に移動自在とされてなる転動規制部材としての昇降ストッパー76が配置されてなることから、昇降移動体51の上昇中に、溝部45内に収容されたワークWが転動し該溝部45内から脱落する危険性を有効に防止することができる。さらに、本装置1では、第2の駆動モータ52の駆動による駆動プーリ53の回転駆動に伴って第1の線材58と第2の線材61とが走行し、これら第1及び第2の線材58,61の走行により、上記昇降移動体51が昇降するとともに、この昇降移動体と51荷重がほぼ均衡する第1のウエイト59も同時に昇降することから、昇降移動体51の推力を大幅に低減することが可能となり、第2の駆動モータ52も極めて簡易で小型のものを使用可能となることから、低コスト化に大きく貢献することができるばかりではなく、作業者が手指を挟んだ場合でも、低推力であるが故に昇降移動体51は停止し、大きな事故を引き起こす危険性を有効に防止することができる。また、本装置1では、上記テーブル2を構成する第1滑落規制片10、第2滑落規制片11及び第3滑落規制片12を、それぞれ上記昇降駆動装機構を介して昇降動作することにより、円筒状凸部W3が上向きとされたワークWと、円筒状凸部W3が下向きとされたワークWとが交互に前記溝部45内に滑落されるよう構成されてなることから、溝部45内において、収容されたワークW同士の抵抗により、リフター3方向にスムーズに転動されない事態を有効に防止することができる。また、上記装置1では、円筒状凸部W3が上向きの状態で滑落してきたワークWも円筒状凸部W3が下向きの状態で滑落してきたワークWも、一旦上記第3滑落規制片12により滑落が停止された後に、下流側に滑落し上記溝部45に収容されることから、ワークWが溝部45を構成する部材と衝突することにより、欠けたり変形したりする危険性を有効に低減することができる。特に、この装置1では、上記第1ないし第3滑落規制片10,11,12の昇降動作は、第1の駆動モータ36の駆動による第1及び第2カム板17,18の水平駆動により行われることから、装置1全体の軽量化と低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施の形態に係るワーク供給装置1では、一面に円筒状凸部W3が形成されたワークWを排出する装置に本発明を適用したが、この発明では、少なくとも一方の面に凸部が形成された円盤状のワークであれば、他の異なる形状に成形されたワークWを排出するものであっても良い。また、上記実施の形態に係るワーク供給装置1では、第1ガイド板6が全部で13本配置されたテーブル2を図示して説明したが、本発明を構成する第1ガイド板は、複数であれば、こうした本数に限定されるものではない。