しかしながら、上述した従来のワーク分配機(ワーク整列装置)では、上述したように、テーブルが傾斜していることから、上記ソレノイドの駆動によりワークの転動の規制が解除されると、下流側にワークが転動する構成とされていることから、ワーク同士の衝突により、該ワークが損傷する危険性がある。特に、ワークが軟質の素材により成形されている場合にはワークが変形する場合があり、また、ワークが硬質の素材により成形されている場合であっても、所定の凹凸が形成されている場合には、一部が欠けたり割れたりする場合がある。
そこで、本発明は、上述した従来のワーク整列装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、テーブルを傾斜させワークを転動させることによるワーク同士の衝突によって、ワークの変形や割れ欠けが発生することがない新規なワーク整列装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、円盤部とこの円盤部の中心に形成された貫通穴とを少なくとも備えてなるワークを整列させるワーク整列装置であって、上記ワークが起立した状態で転動可能に支持されるとともに水平に配置された水平支持板と、この水平支持板の側方から起立しそれぞれ互いに平行に配置された複数の仕切り板と、これらの仕切り板の一端側に配置され該仕切り板の長さ方向と直交する方向にスライド自在とされてなるとともに該仕切り板と仕切り板との間に配置された水平支持板上に1つのワークを起立した状態で供給するワーク振分装置と、このワーク振分装置により供給されたワークを下流側に押圧するワーク押圧装置と、を備え、上記ワーク振分装置は、上記水平支持板側が低くなるよう傾斜してなる傾斜板と、この傾斜板上に起立した状態で収容されたワークの転動を規制する規制部材と、この規制部材を移動させワークの転動が規制されている状態を解除する規制解除部材と、を有してなるとともに、上記ワーク押圧装置は、自重により上記仕切り板と仕切り板との間に垂下してなるとともに上記水平支持板上に転動してきたワークに押圧されて該ワークを転動方向に逃がし再び垂下した状態となるよう回動自在となされた押圧部材と、この押圧部材が上記ワークを逃がす方向とは反対方向に回動することを規制する規制板と、上記押圧部材をワークの転動方向に水平移動させる押圧駆動装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、ワーク振分装置を構成する傾斜板上にワークが起立した状態で収容されると、規制部材により該傾斜板上から外部に転動することが規制され、規制解除部材により、ワークの転動が規制されている状態が解除されると、上記傾斜板上から仕切り板と仕切り板との間の水平支持板上に転動しながら移動する。このとき、上記水平支持板は、前述したように水平に設置されていることから、後述する押圧部材の垂下位置よりも下流側まで転動するものであるとともに、先に供給されたワークはワーク押圧装置により下流側に押圧されていることから、先に仕切り板と仕切り板との間に供給されたワークに衝突することがない。そして、上述したように、仕切り板と仕切り板との間にワークが転動すると、上記ワーク押圧装置を構成する押圧部材に当接し、こうしたワークの当接により該押圧部材は回動させられ該押圧部材が垂下していた位置より下流側にワークが移動する。この後に、押圧駆動部材が駆動すると、上記押圧部材は、規制板により上記ワークを下流側に逃がす方向とは反対方向に回動することが規制されていることから、垂下した状態でワークを下流側に押圧する。なお、この第1の発明で整列させられるのは、円盤部とこの円盤部の中心に形成された貫通穴とを少なくとも備えてなるワークであって、該円盤部の外周面により転動可能なものであれば良く、該円盤部の一面又は他面に凸部や凹部等が形成されているものであっても良い。
また、上記ワーク押圧装置は、少なくとも上記水平支持板上に起立した状態で供給されたワークを下流側に押圧する機能を有しているものであれば良く、必ずしもワークを構成する円盤部の外周面を押圧することにより該ワークを転動させながら下流側に押圧するものに限定されず、例えば、円盤部の一面に凸部が形成されている場合には、この凸部を押圧することによりワークを下流側に押圧するものであっても良い。また、このワーク押圧装置によりワークを押圧する長さ(距離)は、特に限定されるものではない。したがって、このワーク押圧装置により直接押圧されるワークの上流側に一又は複数のワークが存在する場合には、該直接押圧されるワークを介して該一又は複数のワークが押圧される。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記複数の水平支持板の側方は、前記ワークに付着した異物が落下するよう開放されてなることを特徴とするものである。
この第2の発明では、複数の水平支持板の側方は、前記ワークに付着した異物が落下するよう開放されてなることから、ワークに異物が付着している場合には、上記開放された水平支持板の側方から下方に落下させることができる。したがって、異物が後にさせられるワークの表面に付着することを防止することができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記押圧部材が前記ワークに押圧されて再び垂下した状態における該ワークの存在を検出する第1及び第2のセンサを備え、これら第1及び第2のセンサにより該ワークの存在が検出されることにより、前記押圧駆動装置の駆動が開始されるよう構成されてなることを特徴とするものである。
この第3の発明では、押圧部材が前記ワークに押圧されて再び垂下した状態における該ワークの存在を検出する第1及び第2のセンサを備え、これら第1及び第2のセンサにより該ワークの存在が検出されると、前記押圧駆動装置の駆動が開始される。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の発明の何れかにおいて、前記ワーク振分装置の近傍には、前記ワークを上方から下方に移送するとともに該振分装置内に供給する昇降リフターが配置され、この昇降リフターは、支柱と、上記ワークが起立した状態で収容されるとともに上方停止位置から下方停止位置までの間を昇降する昇降移動体と、上記支柱の上端側に配置されてなるプーリと、中途部がこのプーリに掛け渡されてなるとともに一端は前記昇降移動体に固定され他端はウエイトに固定されてなる線材と、を備えてなるとともに、上記ウエイトの荷重は、上記昇降移動体の荷重よりも高重量である一方、該昇降移動体の荷重と上記ワークの荷重との和よりも軽量であり、上記ワークが収容された昇降移動体が下方停止位置で停止すると、上記ワークが上記振分装置本体を構成する傾斜板上に転動して供給されることを特徴とするものである。
この第4の発明では、支柱の上方に上昇している昇降移動体内にワークが収容されると、該昇降移動体の荷重とワークの荷重との和が、下降しているウエイトの荷重を超えることから、昇降移動体は、下降するとともに、ウエイトは上昇する。そして、この下降した昇降移動体からワークが(転動して)排出され上記ワーク振分装置内に転動して移動すると、昇降移動体の荷重はウエイトの荷重よりも軽量となることから、再び上昇するとともに、ウエイトは下降する。
本発明によれば、従来のワーク整列装置のようにテーブルが傾斜していないことから、ワーク同士の衝突によって、ワークの変形や割れ欠けが発生することがない。すなわち、この第1の発明では、水平支持板が水平に設置されているとともに、ワーク振分装置により仕切り板と仕切り板との間に供給されたワークは、ワーク押圧装置により下流側に移動させられることから、ワークとワークとの衝突によるワークの変形や欠け割れが発生することなくワークを整列させることが可能となる。また、この発明では、傾斜した傾斜板上からワークを転動させることにより、ワーク押圧部材を構成する押圧部材の垂下位置よりも下流側にワークを移動させた後に該押圧部材によりワークを押圧する構成を採用し、ワーク押圧部材を昇降動作させる等の特別な構成を採用するものではないことから、該ワーク押圧装置の構成を簡素化することができ、水平支持板を傾斜させることなく水平に設置したことにより必然的に要求されるワーク押圧装置を低コストなものとすることが可能となる。
特に上記第2の発明(請求項2記載の発明)では、複数の水平支持板の側方は、前記ワークに付着した異物が落下するよう開放されてなることから、ワークに異物が付着している場合には、上記開放された水平支持板の側方から下方に落下させることができる。したがって、異物が後にさせられるワークの表面に付着することを防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るワーク整列装置(以下、本装置と言うことがある。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態に係るワーク整列装置1は、図1に示すように、枠状に成形された支持フレーム2と、この支持フレーム2上に固定されたテーブル3と、このテーブル3の上面に下端が固定された4本の支柱5と、これらの支柱5の上端に固定された方形状の枠体6と、を備えている。上記方形状の枠体6の前方側には前方側固定板7が固定され、後方には、後方側固定板8が固定されている。なお、上記後方側固定板8は、上記前方側固定板7よりも幅広に成形されているとともに、該前方側固定板7と後方側固定板8との間は離間している。そして、上記前方側固定板7上の左右両側には、(第1及び第2の)固定金具9,9が立設され、また、上記後方側固定板8の上面には、(第3及び第4の固定金具10,10が立設されている。そして、上記第1ないし第4の固定金具9,10の上端には、間に該第1ないし第4の固定金具9,10に対して上下方向に固定位置を変更することができるように固定された固定板11,12を介して、ワークを整列させるワーク整列ユニット15が取り付けられている。
このワーク整列ユニット15は、多数のワークが後述する動作により整列させられるものであるとともに、整列させられた多数のワークを、このワーク整列ユニット15上から串状体により他所に簡単に移動できるように構成されている。そこで、先ず、上記ワークと串状体に付いて簡単に説明する。
上記ワークWは、図2に示すように、円盤状に成形された円盤部W1と、この円盤部W1の中央に形成された貫通穴W2と、上記円盤部W1の一面から突出してなり上記貫通穴W2の内径と同じ内径となされた円筒状凸部W3とから構成されている。なお、上記円盤部W1には、中心側から放射方向に多数の溝部W4が形成されている。また、このように成形されたワークWを多数支持する上記串状体Sは、図3に示すように、上記ワークWに形成された貫通穴W2に挿通される串本体S1と、この串本体S1の基端に固定されてなる鍔部S2と、この鍔部S2の背面に固定されてなる握り部S3とから構成されている。上記串本体S1は、多数のワークWが挿通支持できるよう長尺に成形されてなるものであり、上記貫通穴W2の内径よりも太い外径を有している。また、上記鍔部S2は、略円盤状に成形されており、外径は上記ワークWを構成する円盤部W1の外径よりも大径とされている。また、上記握り部S3は、作業者が手で把持する部位であり、上記串本体S1よりも大径とされている。
そして、上記ワーク整列ユニット15は、図4に示すように、前方側水平杆16と、後方側水平杆17と、右水平板18と、左水平板19とを備えている。上記前方側水平杆16と後方側水平杆17とは互いに平行に固定されてなるものであり、また、上記右水平板18と左水平板19とは互いに平行とされてなるものであり、該右水平板18の一端は上記前方側水平杆16の右端側の下面に固定され、左端は上記後方側水平杆17の右端側の下面に固定されている。また、上記左水平板19の一端は、上記前方側水平杆16の左端側の下面に固定され、他端は上記後方側水平杆17の左端側の下面に固定されている。そして、上記前方側水平杆16の背面には、該前方側水平杆16の長さと略同じ長さとされてなるとともに、該前方側水平杆16の上面よりも上方に上端が位置してなる第1の支持部材20が固定され、同様に、上記後方側水平杆17の背面には、該後方側水平杆17の長さと略同じ長さとされてなるとともに、該後方側水平杆17の上面よりも上方に上端が位置してなる第2の支持部材21が固定されている。そして、上記第1の支持部材20と第2の支持部材21との間には、第3の支持部材22が固定されている。この第3の支持部材21は、右端が上記左水平板18の上面に固定され、左端は上記右水平板19の上面に固定されている。
そして、上記第1ないし第3の支持部材20,21,22の上端には、それぞれの一端側から他端側にかけて図示しない13個の第1位置決め溝及び第2位置決め溝が形成されており、上記第1位置決め溝には、本発明を構成する水平支持板25が取外し可能に嵌め込まれ、上記第2位置決め溝には、本発明を構成する仕切り板26が取外し可能に嵌め込まれている。上記各水平支持板25は、図2に示すワークWが図8に示すように、起立した状態で支持される部材であり、該ワークWを構成する円盤部W1が起立した状態で支持されるよう該円盤部W1の幅と略同じ幅に成形されている。また、上記各仕切り板26は、上記水平支持板25に支持されたワークWが転倒することなく起立したままの状態で且つ後述する押圧装置の駆動により転動しながら、図4中下側(上流側)から上側(下流側)に移動する際にガイドする部材である。すなわち、このワーク整列ユニット15には、起立した状態となされたワークWを水平に支持する13個の水平支板25と14個の仕切り板26とが、互いに平行に且つ交互に配置されている。なお、上記仕切り板26と仕切り板26との間に配置された各水平支持板25は、この実施の形態においては、上述したように、ワークWに円筒状凸部W3が形成されている関係上、互いに向かい合う仕切り板26と仕切り板26との中間位置に配置されてはおらず、(本例では)左側にずれた位置に配置されている。
そして、上記各仕切り板26の下流側(図4中上端側)には、上記各仕切り板26と仕切り板26とによりガイドされながら転動してきたワークWが当接する当接部材28が固定されている。この当接部材28は、図1に示すように、上記前方側水平杆16に基端が固定され中途部から上方に起立してなり側面形状がL字状に成形された側板部材30の上端に支持されており、本実施の形態においてはスポンジを素材としている。また、上記各仕切り板26であって、上記当接部材28側には、それぞれ同一の形状となされた切欠き部26aが設けられ、これらの切欠き部26aが形成された位置における各仕切り板26の上端位置は、起立した状態となされた上記ワークWの貫通穴W2の中心位置よりも下方とされている。
また、図4に示すように、上記右水平板18上であって上記後方側水平杆17側には、第1のセンサ30が配置され、上記左水平板19上には、上記第1のセンサ30に対向する第2のセンサ31が配置されている。上記第1のセンサ30は、本実施の形態においては、センサ光を発光するものであり、第2のセンサ31は、第1のセンサ30から発光されたセンサ光を受光するものである。なお、上記14個の各仕切り板26には、上記センサ光を通す図示しない開口が形成されている。
また、上記各仕切り板26と仕切り板26との間には、図1に示すように、本発明を構成するワーク押圧装置35を構成する13個の押圧部材36が配置されている。このワーク押圧装置35は、図6に示すように、ワークWの転動方向を向いて右側に配置された一方の水平駆動機構37と、ワークWの転動方向を向いて左側に配置されてなる他方の水平駆動機構38と、これら一方及び他方の水平駆動機構37,38により水平移動する上記13個の押圧部材36とを備えている。上記一方の水平駆動機構37は、一方の水平部材40と、この一方の水平部材40の一端(前方)に回動自在に固定された第1のプーリ41と、上記一方の水平部材40の他端(後方)に回動自在固定された第2のプーリ42と、を備えている。そして、上記第2のプーリ42には、この第2のプーリ42を正回転方向及び逆回転方向に駆動する駆動モータ43の駆動軸43a(図6参照)に固定されている。上記駆動モータ43は、本発明を構成する押圧駆動装置である。なお、図1に示すように、上記一方の水平部材40は、上記後方側固定板8の上面に互いに平行に植立された支柱45,46の上端に固定された支持金具47に支持されている。また、上記他方の水平駆動機構38は、図5及び図6に示すように、他方の水平部材48と、この他方の水平部材48の一端(前方)に回動自在に固定された第3のプーリ49と、上記他方の水平部材48の他端(後方)に回動自在固定された第4のプーリ50と、を備えている。なお、図1に示すように、上記一方の水平部材40は、上記後方側固定板8の上面に互いに平行に植立された支柱52,53の上端に固定された支持金具54に支持されている。
そして、上記一方の水平部材40上には、図6中破線で示されているように、該一方の水平部材40の長さ方向にスライドする一方のスライダー40aが配置され、上記他方の水平部材48上には、該他方の水平部材48の長さ方向にスライドする他方のスライダー48aが配置されている。そして、これら一方及び他方のスライダー40a,48a上には、互いに平行となされた第1及び第2の水平移動杆55,56が固定されている。すなわち、上記第1及び第2の水平移動杆55,56の右端は、それぞれ上記一方のスライダー40a上に固定され、左端は上記他方のスライダー48a上に固定されている。そして、図1に示すように、上記一方のスライダー40aの一端には、第1の線材57の一端が固定され、該一方のスライダー40aの他端には、上記第1の線材57の他端が固定されている。この第1の線材57は、樹脂により紐状に成形されてなるものであり、中途部は上記第1のプーリ41と第2のプーリ42とに掛け渡されている。一方、上記他方のスライダー48aの一端には、第2の線材58の一端が固定され、該他方のスライダー48aの他端には、上記第2の線材58の他端が固定されている。この第2の線材58は、樹脂により紐状に成形されてなるものであり、中途部は上記第3のプーリ49と第4のプーリ50にと掛け渡されている。また、図6に示すように、上記第2のプーリ42と、上記第4のプーリ50とは、連結軸60により連結されている。したがって、上記駆動モータ43が正回転すると、上記第2及び第4のプーリ42,50が回転駆動し、これにより、上記第1及び第2の水平移動杆55,56は、前方に水平移動する一方、上記駆動モータ43が逆回転することにより後方に水平移動する。
そして、上記第1及び第2の水平移動杆55,56の下面には、図6及び図7に示すように、3つの吊り下げ部材62が固定されている。これらの吊り下げ部材62は、上記第1及び第2の水平移動杆55,56の下面に固定されワークWの転動方向に長さを有する固定部62aと、この固定部62aの前方側から垂下してなる垂下部62bとから構成されている。そして、上記各垂下部62bには、図7及び図9に示すように、上記各仕切り板26と仕切り板26との間に下端側が位置してなる13個の押圧部材36を回動自在に支持してなる水平ロッド64が固定されている。上記各押圧部材36は、図8に示すように、棒状に成形された押圧部材本体36aと、この押圧部位材本体36aの上端に固定され上記水平ロッド64が挿通された開口(符号は省略する。)が形成されたキャップ36bとから構成されている。そして、3つの吊り下げ部材62の先端側背面には、上記各押圧部材36が図8中時計回り方向に回動することを規制する回動規制部材65が固定されている。したがって、本装置1では、上記13個の押圧部材36は、それぞれ垂下した状態から反時計回り方向には回動するが、上記回動規制部材65により時計回り方向には回動することなく、垂下した状態を保持するように構成されている。なお、上記13個の押圧部材36は、図7に示すように、下端側中途部が上記ワークWを構成する円筒状凸部W3の外周面に当接する位置及び長さとされている。
また、上記他方の水平駆動機構38を構成する他方のスライダー48a上には、図9に示すように、該他方のスライダー48aの移動範囲には、第3ないし第5のセンサ70・・・72が下向きに配置されている。これら第3ないし第5のセンサ70・・・72は、上記他方の水平部材48に下端側が固定されてなる起立固定片73の上端に固定された上部水平部材74の下面に固定されている。なお、上記第3のセンサ70は、上記第1の水平移動杆55が最も後方に位置している状態(各押圧部材36が最も後方に位置している状態)を検出するものであり、上記第5のセンサ72は、上記第1の水平移動杆55が最も前方に位置している状態(各押圧部材36が最も前方に位置している状態)を検出するものであり、上記第4のセンサ71は、その中間に位置している状態を検出するものであり、上記第3のセンサ70と第4のセンサ71との間隔及び第4のセンサ71と第5のセンサ72との間隔は、ワークWの直径に対応している。
そして、図1に示すように、上記ワーク整列ユニット15の後方、すなわち、上記14個の仕切り板26の後方(ワークWの上流側)には、本発明を構成するワーク振分装置75が配置されている。このワーク振分装置75は、起立したワークWを上記仕切り板26と仕切り板26との間に供給するものであり、本実施の形態では、各仕切り板26とこの特定の仕切り板26の間に1つのワークWを供給した後には、他の仕切り板と仕切り板26との間に1つのワークWを供給するよう動作するものである。このワーク振分装置75は、図10又は図11に示すように、ワークWの転動方向と直交方向に長さを有する直動装置76と、この直動装置76の駆動により最も左側の仕切り板26の配置位置から最も右側の仕切り板26の配置位置に亘ってスライド駆動するスライド部材77と、このスライド部材77に連結されている基板78と、この基板78上に固定されてなる振分装置本体79とを備えている。上記直動装置76は、内部に駆動モータと、この駆動モータに連結された回転軸と、この回転軸の回転によりスライドする上記スライド部材77とから構成されてなるものであり、前記後方側固定板8上に下端が固定された2つの支持部材81の上端に支持された下側水平板82上に支持されている。また、図11に示すように、この下側水平板82の上方であって上記直動装置76の上方には、下端が該下側水平板82に固定された4つの支柱83を介して上側水平板84が固定されている。また、上記スライド部材77の上面には、該スライド部材77のスライド方向と直交する方向に長さを有するスライド支持金具85が固定され、このスライド支持金具85には、4本の棒状支持部材86を介して上記基板78が固定されている。この基板78は、上記上側水平板84の上方に位置するものであり、この基板78上には、2本の起立板88の下端が溶接され、この起立板88上に上記振分装置本体79が固定されている。
上記振分装置本体79は、図10に示すように、ベース板90と、このベース板90の一側から起立してなる一方の側板91と、上記ベース板90の他側から起立してなる他方の側板92と、ワークWが起立した状態で支持されるとともに、上記仕切り板26側が低くなるよう傾斜してなる傾斜板93とを備えている。なお、上記傾斜板93の一側には、ワークWを構成する円盤部W1の肉厚よりもやや間隔を置いて上記他方の側板92と面対向するガイド片95が固定されている。また、上記一方の側板91に内側には、起立したワークWであっても上記ワークWを構成する円盤部W1が、上記ガイド片95と他方の側板92との間に位置しない状態で供給された場合に、上記円盤部W1の外周面に当接する凸部96が固定されている。また、図10に示すように、上記他方の側板92の外側には、取付板98を介してソレノイド99が固定され、このソレノイド99を構成するプランジャ99aの先端には、上記傾斜板93上に支持されたワークWが転動し、この振分装置本体79内から排出されることを規制するシャッター100が固定されている。このシャッター100は、上記他方の側板92の内側面よりも一方の側板91方向に進退自在とされてなるものである。なお、このシャッター100は、本発明を構成する規制部材であり、上記ソレノイド99は規制解除部材である。また、上記プランジャ99aの上方には、該プランジャ99aの駆動を検出する第6のセンサ101が配置され、また、上記傾斜板93の上方には、この振分装置本体79内にワークWが供給されたことを検出する第7のセンサ102が配置されている。また、図11に示すように、上記他方の側板92には、後述する中継部材に取り付けられた排出規制片を回動する回動操作部材103が、この振分装置本体79の後方側に突設されている。
そして、上記ワーク整列ユニット15の後方には、上述した振分装置本体79の前後方向の長さを間に隔てて、中継部材105が配置されている。この中継部材105は、後述する昇降リフターに固定されているものであって、該昇降リフターを構成する昇降移動体内に収容されたワークWが収容されるものであり、上記振分装置本体79には、この中継部材105を間に介して、上記昇降移動体から該振分装置本体79内に供給される。この中継部材105は、図11に示すように、上記振分装置本体79側にかけて徐々に低くなるよう傾斜してなる底板106と、この底板106の一側から起立してなる一方の側板107と、上記底板106の他側から起立してなるとともに上記一方の側板107と面対向してなる図示しない他方の側板108(図12参照)とを備えている。なお、この中継部材105を構成する上記底板106の先端面と、上記振分装置本体79を構成する傾斜板93の後端面とはやや離間しているとともに、それぞれの傾斜角度は略同一とされている。また、一方の側板107と他方の側板108との間であってワークWの排出側には、該ワークWの排出を規制する排出規制片109が配置されている。この排出規制片109は、支持金具110に固定された支軸111に回動可能に支持されているものであり、この支持金具110は、上記一方又は他方の側板107,108の外側面に固定され上方に突出してなるとともに上端には他方の側板108方向又は一方の側板107方向に折曲されてなる。この排出規制片109は、上記回動操作部材103に当接する長さ幅に成形され、自重により垂下した状態から、上記直動装置76の駆動により、この中継部材105の正面側に正確に振分装置本体79が移動するやや前段階で、上記下移動操作部材103に当接することにより、図12に示すように、上記支軸111を中心に回動されるものである。したがって、上記中継部材105内に収容され上記排出規制片109により排出(転動)が規制されている状態において、上記振分装置本体79を構成する回動操作部材103により回動させられると、該中継部材105から振分装置本体79内にワークWが転動し、上記シャッター100の背面に当接する。
そして、上記中継部材105には、昇降リフター120が配置されている。この昇降リフター120は、図13に示すように、鉛直方向に起立してなる支柱121と、この支柱121に沿って昇降駆動するとともに内部にワークWを収容する収容空間を備えた昇降移動体122とを備えている。上記支柱121は、側面に垂直ガイド溝121aが形成され、また、上端には、取付金具123を介してプーリ124が回動自在に配置されている。そして、このプーリ124には、線材125の中途部が掛け渡されている。この線材125は、樹脂により紐状に成形されたものであり、該線材125の一端は、後述する昇降移動体131に固定され、他端は該昇降移動体131の配置位置とは反対側に配置されたウエイト126に固定されている。なお、このウエイト126の荷重は、昇降移動体131とワークWとの合計荷重よりも軽量であるとともに、昇降移動体131の荷重よりも高重量とされている。また、図13に示すように、上記支柱121の正面側には、ワーク転落防止部材130が固定されている。このワーク転落防止部材130は、後述する昇降移動体131内に収容されたワークWが、該昇降駆動体131内から転動方向に転動し落下することを防止するものである。なお、このワーク転落防止部材130は、昇降移動体131の最下停止位置から、後述する上昇停止位置に亘って固定されている。
そして、上記昇降移動体131は、ワークWを支持する底板132と、この底板132の一側から上方に起立してなる一方の側板133と、上記底板132の他側から上方に起立してなるとともに上記一方の側板133と面対向してなる他方の側板134とを備えている。なお、上記一方の側板133と他方の側板134との間隔は、この昇降移動体131内に収容されるワークWの肉厚よりもやや広い間隔とされている。また、上記底板132は、上記中継部材105方向に亘って徐々に低くなるよう傾斜している。そして、図13に示すように、この昇降移動体131の下方停止位置は、該昇降移動体131の底板132が、上記中継部材105を構成する底板106と上記振分装置本体79を構成する傾斜板93とが所定の傾斜角度で連続する位置となされている。また、上記支柱121の下端側中途部には、上記昇降移動体131を上記位置で停止させる緩衝部材135が取り付けられている。この緩衝部材135は、支柱121に固定された固定板136の側面に固定された支軸137に回動自在に固定されてなるものであり、一端側が上記昇降移動体131の下方に突出し、他端側は該昇降移動体131方向とは反対方向に突出してなるものであり、該支軸137の固定位置は、中心よりもやや一端側とされている。したがって、上記昇降移動体131が上方に移動している場合には、図14中二点鎖線で示すように、他端側が低くなり一端側は上方に位置しているが、昇降移動体131が下降し、この緩衝部材135に当接すると、上記支軸137を中心に、図14中実線で示すように回動する。本装置1では、こうした緩衝部材135を配置することにより、昇降移動体131の下降に伴う衝撃が緩和されるように構成されている。また、上記支柱121には、上記位置に昇降移動体131が下降したことを検出する第8のセンサ140が配置されている。
一方、上記支柱121の上端側中途部には、図14に示すように、ストッパー142が固定されており、上昇した昇降移動体131はこのストッパー142により停止させられる。なお、この昇降移動体131の上方停止位置には、図13に示すように、該昇降移動体131内にワークWを供給する供給路145が取り付けられている。この供給路145は、図示しない基端側が上記昇降移動体131の上方停止位置よりも高い位置に設けられているものであり、起立したワークWが転動しながら上記昇降移動体131内に供給されるよう構成されている。なお、この供給路145又は上記支柱121の何れかには、順番に供給路145から供給されるとともに最も下流側に存在するワークWが上記昇降移動体131内に供給されると、該供給路145と昇降移動体131との間を閉塞するとともに、空の昇降移動体131が上昇して上記上側停止位置にて停止することにより該供給路145と昇降移動体131との間を開放する図示しない開閉部材が設けられている。
以下、上述した本装置1の動作について順番に説明する。先ず、上記供給路145から多数のワークWが転動し待機している状態において、それまで下降していた昇降移動体131が上昇して上記上方停止位置にて停止すると、この昇降移動体131の上昇に伴って、それまで上記図示しない開閉部材により閉塞されていた供給路145と昇降移動体131との間は開放される。この動作により、最も下流側に待機していた1つのワークWは、転動しながら上記昇降移動体131内に収容される。この昇降移動体131内に供給されたワークWは、底板132が傾斜しているが、前方には上記ワーク転落防止部材130が位置しておりワークWはこのワーク転落防止部材130に当接することから外部に脱落しない。そして、このように昇降移動体131内にワークWが収容されると、その自重(ワークWと昇降移動体131の荷重の和)が上記ウエイト126の荷重よりも高重量となることから、昇降移動体131は下降する一方上記ウエイト126は上昇する。このウエイト126が、図14中二点鎖線で示す位置まで上昇するとともに、昇降移動体131が同図中実線で示す位置まで下降する直前において、上記緩衝部材135の一端側に該昇降移動体131が当接し、それまで他端側が下降していた該緩衝部材135は支軸137を中心に回動させられて昇降移動体131が停止する。そして、このように下方にて停止した位置には、上記ワーク転落防止部材130は存在しないことから、ワークWは、転動しながら上記中継部材105内に移動する。このように、ワークWが転動することにより、昇降移動体131内が空になると、その荷重は上記ウエイト126の荷重よりも軽量となることから、再び該昇降移動体131は上昇する。
そして、上記昇降移動体131内から上記中継部材105内に移動したワークWは、上記排出規制片109の背面に当接する。この状態において、上記振分装置本体79が、該中継部材105の正面に移動してくると、この振分装置本体79の移動に伴って、該振分装置本体79を構成する回動操作部材103により排出規制片109が回動させられ、この排出規制片109の回動により、ワークWは転動しながら振分装置本体79内に(傾斜板95上に)移動し、上記シャッター100の背面に当接する。そして、このようにワークWが振分装置本体79内に収容されると、上記直動装置76が駆動して、前記ワーク整列ユニット15を構成する仕切り板26と仕切り板26との間に移動する。そして、所定の仕切り板26と仕切り板26との間に振分装置本体79が移動すると、上記ソレノイド99が駆動しシャッター100がソレノイド99側に移動する。この時、上記振分装置本体79の傾斜板93上に支持されていたワークWは、転動しながら仕切り板26と仕切り板26との間に配置された上記水平支持板25上に移動する。なお、本装置1においては、この振分装置本体79は、特定の水平支持板25に1つのワークWを供給すると、次にはこの水平支持板25の隣に配置された水平支持板25に1つのワークWを供給する、というように、順番にワークWを1つずつ水平支持板25上に供給し、複数の水平支持板25と中継部材105との間を往復駆動するように構成されている。
そして、このように振分装置本体79を構成する傾斜板93上から転動して上記水平支持板25上に供給されたワークWは、ややそのまま転動しながら上記押圧部材本体36aの後ろ側に当接し、該押圧部材本体36aを回動しながら(押し上げながら)該押圧部材本体36aの垂下位置よりも前方に移動し、これによって押圧部材本体36aは、再び自重により元の状態(垂下した状態)に復帰する。すなわち、ワークWの転動により該ワークWに当接した押圧部材本体36aは回動させられ(逃がされ)、再び元の垂下位置に復帰する。この位置までワークWが転動すると、上記第1及び第2のセンサ30,31によりワークWの存在が検出され、上記ワーク押圧装置35を構成する駆動モータ43が駆動を開始し、上記押圧部材本体36aは前方に移動しながらワークWを前方側(下流側)に押圧する。こうしたワーク押圧装置35の駆動が繰り返されることにより、上記ワーク整列ユニット15を構成するそれぞれの仕切り板26と仕切り板26との間にワークWが貯留され、各仕切り板26と仕切り板26の最も前方側には、該仕切り板26の長さ方向に直行する方向に(この例では)13個のワークWが整列させられる。
この状態において、図2に示す串状体Sを構成する串本体S1を、上記ワーク整列ユニット15の側方から上記13個のワークWに形成された貫通穴W2内に挿通し、該串本体S1の先端側を上方に持ち上げることにより、該13個のワークWを同時に他所に移動することができる。
したがって、本装置1によれば、ワークWが支持される水平支持板25は、従来のワーク整列装置のように傾斜しているものではないことから、ワークWとワークWとが衝突することによって、ワークWが変形し、又は、割れたり欠けたりすること事態を有効に防止することができる。また、本装置1では、水平支持板25の下流側には、前記仕切り板26の長さ方向とは直行する方向にワークが当接する当接部材28が配置されてなることから、最も下流側のワークWは、全て当接部材28に当接することにより同軸上に並列した状態とされ、また、上記各仕切り板26には、ワークWに形成されたそれぞれの貫通穴W2内に挿通される串状体Sの横行を許容する切欠き部26aが形成されてなることから、仕切り板26の側方から串状体Sを各ワークWに形成された貫通穴W2内に挿通することが可能となるとともに、この串状体Sが挿通された全てのワークWを上記水平支持板25上から上方に持ち上げることが可能となる。さらに、本装置1では、傾斜した傾斜板93上からワークWを転動させることにより、ワーク押圧装置35を構成する13個の押圧部材36の垂下位置よりも下流側にワークWを移動させた後に該押圧部材36によりワークWを押圧する構成を採用し、該押圧部材36を昇降動作させる等の特別な構成を採用するものではないことから、該ワーク押圧装置35の構成を簡素化することができ、水平支持板25を傾斜させることなく水平に設置したことにより必然的に要求される押圧装置を低コストなものとすることが可能となる。
特に、本装置1では、上記当接部材28の素材がスポンジであることから、ワークWの当接により該ワークWが変形したり損傷を受けたりする危険性がない。また、本装置1では、テーブル上に仕切り板を配置したものではなく、水平支持板25を配置し、この水平支持板25の両側に仕切り板26と配置したものであって、且つ、該水平支持板25の一側側は開放されていることから、ワークWに異物が付着している場合には、上記開放された水平支持板25の側方から下方に落下させることができる。したがって、異物が後にさせられるワークWの表面に付着することを防止することができる。また、上記水平支持板25や仕切り板26は、ワーク整列ユニット15として一体化されていることから、本装置1への組付作業が簡素化することができるばかりではなく、該ワーク整列ユニット15は、昇降可能に取り付けられていることから、本装置1を設置する床面等が多少傾斜している場合であっても、該ワーク整列ユニット15を水平に固定することができる。
なお、上記実施の形態に係るワーク整列装置1では、13個のワークWを整列させるものであるが、本発明は、こうした整列させるワークWの数は限定されるものではない。また、本発明においては、上述のように、水平支持板25の側方が開放されている必要はなく、閉塞されたものであっても良い。また、本発明を構成する振分装置は、上述したワーク整列装置1のように、ワークWを1つずつ仕切り板26と仕切り板26との間に振り分けるものではなく、特定の仕切り板26と仕切り板26との間に、所定の数のワークWを供給した後に、隣の仕切り板26と仕切り板26との間に所定の数のワークWを供給するこのであっても良い。